JP2012197703A - 水車監視制御装置及び水車監視制御方法 - Google Patents

水車監視制御装置及び水車監視制御方法 Download PDF

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竜夫 栗林
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憲次 岩崎
Takashi Sakamoto
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Abstract

【課題】落ち葉等の異物が水車内に堆積したことを機械的に検出すること。
【解決手段】水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転時に、判定部150は、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が、異物が水車内に堆積した時の発電機出力とガイドベーン開度との関係として予め定められた異物堆積時条件を満たすか否かを判定する。そして、異物堆積時条件を満たす場合に、報知部170が所定の報知処理を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、水車監視制御装置及び水車監視制御方法に関する。
流れ込み式の水力発電所では、通常時には、水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転がなされているのが一般的である。
河川流量が減少する秋季の水位一定運転では、水槽水位を目標水位に保つべく、ガイドベーン開度を狭くする制御がなされるため、水車への流量が低下する。また、季節柄、落ち葉や小枝等の異物が水車内に流れ込み、ガイドベーン周辺等の水車内に堆積し易くなるため、水車効率が低下する。流量の低下及び効率の低下が生じる結果、発電機出力は一層低下する。
また、ガイドベーン機構には、ガイドベーンに異物が挟み込まれ、開閉駆動時等に過度な応力が生じてガイドベーンが損傷することを防ぐため、弱点ピンや弱点リンク(以下「弱点部」という。)が設けられている。弱点部が折損・破断することによってガイドベーンがリンク機構から無拘束となり、ガイドベーンに過度な応力がかかることを防止する。(例えば特許文献1参照)
ガイドベーン周辺への落ち葉の堆積を放置した場合には、堆積量が増加して同様の状況となり、弱点部が折損するといった機器の損傷に至ってしまう。
以上の効率低下(出力低下)や機器の損傷を回避する対策として、落葉期には定期的に発電機を停止させて水車内部清掃を実施している発電所もある。
特開平6−74140号公報
しかしながら、水車内部清掃の実施毎に落ち葉量がまちまちであり、作業労力的に非効率となっている。また、外部から水車内部の落ち葉堆積状態を確認できず、確認するためには発電機を停止させ、点検用マンホールを開けて視認する必要がある。加えて、水車内部清掃や確認のためには、水車への水の供給を止めるため、作業溢水が生じ得る。
以上、秋季について説明したが、水車への流水に落ち葉が混入する時期は秋季に限らず出水期等においても生じ得る。また、落ち葉に限らず、小枝等の堆積によっても同様の問題が生じ得る。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、落ち葉等の異物が水車内に堆積したことを機械的に検出する手法を提供することである。また、第2の目的は、異物の水車内の堆積を検出した場合に、堆積した異物の除去を自動的に行う手法を提供することである。
以上の課題を解決するための第1の形態は、
水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転時において、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が、異物が水車内に堆積した時の発電機出力とガイドベーン開度との関係として予め定められた異物堆積時条件を満たすことを検出する検出手段(例えば図3の判定部150)と、
前記検出手段による検出に応じて所定の報知を行う報知手段(例えば図3の制御部160、報知部170)と、
を備えた水車監視制御装置である。
また、第16の形態として、
水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転時において、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が、異物が水車内に堆積する時の発電機出力とガイドベーン開度との関係として予め定められた異物堆積時条件を満たすことを検出する検出ステップ(例えば図6のステップS2)と、
前記検出ステップでの検出に応じて所定の報知を行う報知ステップ(例えば図6のステップS8,S12)と、
を含む水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第1の形態等によれば、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が、異物が水車内に堆積した時の発電機出力とガイドベーン開度との関係として予め定められた異物堆積時条件を満たすことをもって、異物が水車内に堆積していることを検出する。ガイドベーン周辺等の水車内に落ち葉等の異物が堆積した場合には流量及び水車効率が低下する。そこで、発電機出力とガイドベーン開度との関係に基づいて、異物が堆積したことを検出するのである。
具体的には、第2の形態として、前記検出手段が、同一の発電機出力に対して健全時のガイドベーン開度よりも大きい開度を前記異物堆積時条件として用いて前記検出を行う水車監視制御装置を構成すると好適である。
また、第17の形態として、第16の形態において、前記検出ステップを、同一の発電機出力に対して健全時のガイドベーン開度よりも大きい開度を前記異物堆積時条件として用いて前記検出を行うステップとして構成することとしてもよい。
通常、発電機出力と流量とは比例の関係にあり、水槽水位が一定であれば流量とガイドベーン開度も比例の関係となる。しかし、ガイドベーン周辺に落ち葉等の異物が堆積した場合には見かけ上の流量及び水車効率が低下するため、水槽水位を目標水位に保つ水位一定運転時においては、健全時と比べてガイドベーン開度が開方向に制御される。すなわち、同一の発電機出力に対して健全時のガイドベーン開度よりも大きい開度となる。第2の形態によれば、この事象を的確に把握して、異物の堆積を検出することが可能となる。
また、第3の形態として、第1又は第2の形態において、
前記検出手段により検出された場合にガイドベーン開度を一時的に変化させるあおり動作制御を実行するあおり動作制御手段(例えば図3の制御部160)を更に備えた水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第18の形態として、第16又は第17の形態において、
前記検出ステップでの検出に応じて前記ガイドベーン開度を一時的に変化させるあおり動作制御を実行するあおり動作制御ステップを更に含む、
水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第3の形態等によれば、異物の堆積が検出された場合、ガイドベーン開度を一時的に変化させるあおり動作制御が実行される。これにより、堆積していた異物が流水とともに流されることとなり、異物の自動的な除去が実現される。
また、第4の形態として、第3の形態において、
前記あおり動作制御手段は、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させ、次いで閉方向に変化させる(例えば図5(1))、
水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第19の形態として、第18の形態において、
前記あおり動作制御ステップは、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させ、次いで閉方向に変化させるように前記あおり動作制御を実行するステップである、
水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第4の形態等によれば、あおり動作制御は、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させるように行われる。先ずガイドベーン開度を閉方向に変化させて水槽の貯水量及び水位を上昇させた後に、ガイドベーン開度を一気に開方向に変化させる方法が考えられる。しかし、異物が堆積した状態でガイドベーン開度を閉方向に動作させると、異物の一層の挟み込み或いは噛み込みが生じ、無理な応力によって弱点部等の機器の損傷が生じ得る。そこで、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させることで、異物の挟み込み・噛み込みを緩和させるとともに、流下水量の増加によって、異物を除去することができる。
また、第5の形態として、第3又は第4の形態において、
前記あおり動作制御手段は、水槽水位が、前記あおり動作制御中に水槽からの越流を防止するために定められた所与の越流防止水位に達した場合に、ガイドベーン開度を開方向に変化させる越流防止制御手段(例えば図3の制御部160)を有する、
水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第20の形態として、第18又は第19の形態において、
前記あおり動作制御中に水槽水位が水槽からの越流を防止するために定められた所与の越流防止水位に達した場合に、ガイドベーン開度を開方向に変化させる越流防止制御ステップを更に含む、
水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第5の形態等によれば、あおり動作制御中に水槽水位が越流防止水位に達した場合、ガイドベーン開度を開方向に変化させる制御がなされる。この結果、水槽からの越流を防止することができる。
また、第6の形態として、第3〜第5の何れかの形態において、
前記検出手段は、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定する堆積度合判定手段(例えば図3の判定部150、図6のステップS2、S4)を有し、
前記堆積度合判定手段により判定された堆積度合が重度の場合に、前記あおり動作制御手段によるあおり動作制御を抑止するあおり動作制御抑止手段(例えば図3の制御部160、図6のステップS6)を更に備えた、
水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第21の形態として、第18〜第20の何れかの形態において、
前記検出ステップは、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定するステップ(例えば図6のステップS2、S4)を含み、
前記判定された堆積度合が重度の場合に、前記あおり動作制御を抑止するあおり動作制御抑止ステップ(例えば図6のステップS6)を更に含む、
水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第6の形態等によれば、異物の堆積度合が判定されるとともに、堆積度合が重度の場合には、あおり動作制御が抑止される。異物の堆積度合が重度の場合にあおり動作制御を実行すると、弱点部等の機器の損傷が生じるおそれがある。そのため、重度の場合には、あおり動作制御を抑止するのである。
また、第7の形態として、第3〜第5の何れかの形態において、
前記検出手段は、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定する堆積度合判定手段を有し、
前記あおり動作制御手段は、前記堆積度合判定手段により判定された堆積度合に応じてガイドベーン開度の変化パターンを設定し(例えば図7)、該変化パターンに従って前記あおり動作制御を実行する、
水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
この第7の形態によれば、異物の堆積度合が判定され、堆積度合に応じてガイドベーン開度の変化パターンが設定されて、あおり動作制御が実行される。あおり動作制御におけるガイドベーン開度の変化パターンが異物の堆積度合に応じて定められるため、より効率的なあおり動作制御が実現される。
また、第8の形態として、第3〜第7の何れかの形態において、
前記水槽水位の変動が所定の水槽暴れ条件を満たしたことを検出する水槽暴れ検出手段(例えば、図8のステップA1〜A5)と、
前記水槽暴れ検出手段の検出に応じて、前記あおり動作制御手段によるあおり動作制御を抑止する水槽暴れ時抑止手段(例えば、図8のステップA7のYES)と、
を更に備えた水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第22の形態として、第18〜第21の何れかの形態において、
前記水槽水位の変動が所定の水槽暴れ条件を満たしたことを検出する水槽暴れ検出ステップ(例えば、図8のステップA1〜A5)と、
前記水槽暴れ検出ステップの検出に応じて、前記あおり動作制御を抑止する水槽暴れ時抑止ステップ(例えば、図8のステップA7のYES)と、
を更に含む水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第8の形態等によれば、水槽暴れが検出された場合に、あおり動作制御を抑止することができる。
また、第9の形態として、第3〜第8の何れかの形態において、
前記あおり動作制御手段は、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲外の場合には前記あおり動作制御を実行せず、前記検出手段による検出がなされ、且つ、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲内の場合に、前記あおり動作制御を実行する(例えば、図9のステップB3)、
水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第23の形態として、第18〜第22の何れかの形態において、
前記あおり動作制御ステップは、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲外の場合には前記あおり動作制御を実行せず、前記検出ステップで検出がなされ、且つ、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲内の場合に、前記あおり動作制御を実行するステップ(例えば、図9のステップB3)である、
水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第9の形態等によれば、発電機出力があおり動作許容出力範囲外の場合にはあおり動作制御の実行が抑制される。あおり動作制御を行っても希望する流水量が見込めない場合には、あおり動作制御の実効性が低くなる。また、流水量は発電機出力と相関関係にある。そこで、希望する流水量を見込める範囲として、あおり動作許容出力範囲を定めることで、実効性のないあおり動作制御の実行を抑制することができる。
また、第10の形態として、第3〜第9の何れかの形態において、
当該水車監視制御装置の故障発生を検出する故障発生検出手段と、
前記あおり動作制御の実行中に前記故障発生検出手段により故障発生が検出された場合に、前記あおり動作制御の実行を中止する実行中止手段と、
を更に備えた水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
また、第24の形態として、第18〜第23の何れかの形態において、
水車監視制御装置(例えば、図3の水車監視制御装置100)の故障発生を検出する故障発生検出ステップと、
前記あおり動作制御の実行中に前記故障発生検出ステップでの検出がなされた場合に、前記あおり動作制御の実行を中止する実行中止ステップと、
を更に含む水車監視制御方法を構成することとしてもよい。
この第10の形態等によれば、水車監視制御装置の故障発生が検出された場合には、あおり動作制御の実行が中止される。これにより、ガイドベーン開度の一時的な変化制御が中止され、もとの水位一定運転に戻ることとなる。
故障発生検出手段には種々の形態が考えられる。例えば、第11の形態として、前記故障発生検出手段が、当該水車監視制御装置への入力値が異常値となった場合に故障発生として検出する入力値異常検出手段を有するように構成してもよい。
また、第12の形態として、前記故障発生検出手段が、当該水車監視制御装置内の演算処理パラメータの値が異常値となった場合に故障発生として検出するシステム異常検出手段を有するように構成してもよい。
また、第13の形態として、前記故障発生検出手段が、前記ガイドベーン開度を用いて前記あおり動作制御が正常に機能しているか否かを判定し、正常に機能していないと判定される場合に故障発生として検出するあおり制御異常検出手段を有するように構成してもよい。
また、第14の形態として、前記故障発生検出手段が、当該水車監視制御装置への電源供給が遮断された場合に落下する継電器を有して構成され、当該継電器の落下により故障発生が検出される、ように構成してもよい。
また、第15の形態として、第1〜第14の何れかの形態において、
前記検出手段は、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定する堆積度合判定手段(例えば図3の判定部150)を有し、
前記報知手段は、前記堆積度合判定手段により判定された堆積度合を含めて報知を行う、
水車監視制御装置を構成することとしてもよい。
この第15の形態によれば、異物の堆積度合が判定され、その堆積度合が報知される。従って、水車を運転したまま異物の堆積状況を把握することができ、従来の確認作業を省力化できる。
本実施形態の水力発電所の水路系の概略構成を示す図。 水車内の構成を概略的に示した透視図。 水車監視制御装置の構成を示すブロック図。 異物堆積状態の検出原理を説明するための図。 あおり動作制御を説明するための図。 監視制御動作の流れを示すフローチャート。 あおり動作制御の制御パラメータの変形例を示す図。 監視制御動作の変形例の流れを示すフローチャート。 監視制御動作の変形例の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の水力発電所1の水路系の概略構成を示す図である。本実施形態の水力発電所1は流れ込み式であり、河川やダム11の水が、落差の得られる水槽13まで導水路12によって導かれている。落差のある水槽13と水車15との間は水圧管14によって接続されており、水槽13の水が水圧管14を介して水車15に供給される。そして、落下した水の力で水車15が回転するとともに発電機16の回転軸が回転し、発電機出力を得る。また、水車15から流出された水は放水路17に放水される。
本実施形態において、水車15は、ガイドベーンによって流量を調整するフランシス水車として説明するが、流量を調整するためのガイドベーンを有する水車であれば、何れを適用してもよく、斜流水車やプロペラ水車等の他の反動水車にも本実施形態は適用可能である。
図2は、水車15内の構成を概略的に示した透視図である。水車15は立軸のフランシス水車であり、中空渦巻き状のケーシング31と、ケーシング31の内周面に隣接し、流水によって回転するランナ39とを備える。水圧管14を通ってきた流水は、半径方向にランナ39に流入し、ランナ39内において軸方向に向きを変えて流出する。ガイドベーン機構20は、ケーシング31とランナ39との間に設けられ、ガイドベーン21の開度が駆動制御されることで、ランナ39への流水量、すなわち水車15に供給される流量を調節可能な構造をなす。ガイドベーン機構20は、弱点ピン22によって枢支される複数のガイドベーン21と、各ガイドベーン21を開閉駆動させるリンク機構23と、各リンク機構23を一斉に駆動させるためのガイドリング24と、ガイドリング24を回転変位させる不図示のサーボモータとを備える。従って、ガイドベーン21の開度を制御することは、サーボモータを駆動制御することを意味する。また、弱点部は弱点ピン22に限らず、リンク機構23の一部が弱点リンクとして設けられる場合もある。また、水車15を立軸としたが、横軸の水車に対しても本実施形態を適用可能であることは勿論である。
また、水車15には、点検用マンホール38が設けられている。
図3は、本実施形態の水車監視制御装置100の構成を示すブロック図である。水車監視制御装置100は、水車15全体を統括制御する水車制御システム200の一部の装置として構成される。本実施形態において水車監視制御装置100は、水車制御システム200が、水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転を行っている際に機能する装置であり、水位一定運転に優先してガイドベーン開度を変化させる制御(あおり動作制御)を実行する。従って、あおり動作制御は、水位一定運転を一時中断して実行する制御とも言える。
水車監視制御装置100の主要部は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)等のコンピュータ装置で構成されるが、水車制御システム200を構成する制御基板の1つとして組み込み・構成されることとしてもよい。
水車監視制御装置100は、水槽13の水位を検出する圧力式或いはフロート式の水槽水位計113からの水位検出信号と、実際のガイドベーン21の開度を検出するポテンショメータ等で構成された開度検出器121からの開度検出信号と、発電機16からの発電機出力(発電電力)とを入力して、水車15内に落ち葉や小枝等の異物が堆積した状態(以下「異物堆積状態」という。)にあるか否かを判定するとともに、堆積状態にある場合には、ガイドリング24を回転変位させるサーボモータであるガイドベーン駆動部126を駆動制御してガイドベーン開度を変化させる制御(あおり動作制御)を実行する。
水車監視制御装置100は、判定部150と、制御部160と、報知部170と、記憶部180とを備え、一種のコンピュータシステムとして構成される。判定部150は、開度検出器121からの開度検出信号と発電機16からの発電機出力とをもとに異物堆積状態を検出するとともに、異物の堆積度合を判定する。
図4は、判定部150による異物堆積状態の検出原理を説明するための図であり、出力対開度特性のグラフを示す。図4のグラフは、横軸が発電機出力、縦軸がガイドベーン開度であり、健全時の出力対開度特性を実線で、軽度の異物堆積状態であることを検出するための特性条件(軽度堆積時条件)を点線で、重度の異物堆積状態であることを検出するための特性条件(重度堆積時条件)を一点鎖線で示している。
健全時の特性から明らかな通り、ガイドベーン開度が大きくなれば(開方向に変化すれば)、必然的に水量が増加するため、ガイドベーン開度と発電機出力とは比例の関係にある。なお、図4をよく見ると、ガイドベーンの全閉付近及び全開付近と、中間開度とでは比例係数が若干異なっているが、全体としてみれば比例関係にあると言える。
水位一定運転においては、水槽13の水位が所与の目標水位となるようにガイドベーン開度が自動制御されている。また、発電機出力と流量とは比例の関係にあり、水槽水位が一定であれば流量とガイドベーン開度も比例の関係となる。
ところが、異物堆積状態においては流入量の低下及び水車効率が低下する。このため、水槽水位を目標水位とするためには、健全時よりもガイドベーン開度が開方向に制御される。すなわち、同一の発電機出力に対する異物堆積状態のガイドベーン開度は、健全時のガイドベーン開度よりも大きくなる。
判定部150は、この事象の発生を捉えることで、異物堆積状態を検出する。具体的には、判定部150は、軽度及び重度それぞれの異物堆積状態を検出するための条件として図4の軽度堆積時条件及び重度堆積時条件を用いる。図4の軽度堆積時条件及び重度堆積時条件は、出力対開度特性の閾値として示されており、これより上側にある場合に当該条件を満たすと判定される。
詳細に説明する。軽度堆積時条件及び重度堆積時条件は、発電機出力とガイドベーン開度との関係条件のデータとして記憶部180に記憶されている。判定部150は、この条件データを読み出して利用する。条件データは、発電機出力ごとにガイドベーン開度の条件として定められており、例えば発電機出力がX[kW]のときのガイドベーン開度がY1以上Y2未満(Y1<Y2)であることを軽度堆積時条件とし、同じく発電機出力がX[kW]のときのガイドベーン開度がY2以上であることを重度堆積時条件といったように定められている。そして、判定部150は、発電機16から入力された現在の発電機出力と開度検出器121から入力された現在のガイドベーン開度との関係を、重度及び軽度それぞれの異物堆積時条件に合致するかを判定することで、異物堆積状態の検出及びその堆積度合を判定する。
判定部150による判定結果は制御部160に出力される。
なお、記憶部180に記憶される条件データは、上述のように各発電機出力に対するガイドベーン開度の閾値を定めたテーブルデータとしてもよいが、発電機出力からガイドベーン開度の閾値を求めることのできる関数データであってもよい。
制御部160は、判定部150により異物堆積状態にあることが検出された場合には、検出日時と判定された堆積度合とを対応付けて記憶部180に蓄積記録するとともに、報知部170に報知処理を実行させる。
また、制御部160は、判定部150により異物堆積状態にあることが検出された場合には、原則、あおり動作制御を実行する。あおり動作制御とは、水槽15内に堆積した異物を流すことを目的としてガイドベーン開度を開方向及び閉方向に繰り返し変化させる制御のことである。
但し、判定部150により判定された堆積度合が重度であったり、所定の高頻度条件を満たす頻度であおり動作制御を行っている場合には、あおり動作制御の実行を抑止する。堆積度合が重度の場合にあおり動作制御を実行すると、過度な応力が発生して弱点部(弱点ピン22や不図示の弱点リンク)等の機器の損傷が生じる可能性があるため、あおり動作制御を抑止する。また、あおり動作制御を頻繁に実行している場合には、自動制御では除去することのできない異物が存在していると考えられるため、あおり動作制御の実行を抑止する。高頻度条件としては、例えば過去30分間に3回以上実施といった条件が定められ、この条件データは記憶部180に記憶されている。
制御部160による具体的なあおり動作制御について説明する。図5(1)は、あおり動作制御におけるガイドベーン開度の推移の一例を示す図である。
図5(1)においては、水位一定運転によってガイドベーン開度が開度Fに保たれている状態で、異物堆積状態が検出され、時刻t10の時点からあおり動作制御が開始されている。あおり動作制御は、先ず最初にガイドベーン開度を開方向に変化させる。そして、開度Fが保持された後、開度Fまでガイドベーン開度を閉方向に変化させている。これを3回繰り返して後、あおり動作制御が解除され、元の水位一定運転によってガイドベーン開度が開度Fcに戻っている。
あおり動作制御において最初にガイドベーン開度を開方向に変化させる理由は次の通りである。すなわち、ガイドベーン開度の制御としては、先ずガイドベーン開度を閉方向に変化させて水槽の貯水量及び水位を上昇させた後に、ガイドベーン開度を一気に開方向に変化させる方法が考えられる。しかし、異物が堆積した状態でガイドベーン開度を閉方向に動作させると、異物の一層の挟み込み或いは噛み込みが生じ、無理な応力によって弱点部等の機器の損傷が生じ得る。そこで、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させることで、異物の挟み込み・噛み込みを緩和させるとともに、水量を増加させることにより、異物を流すのである。
図5(2)は、記憶部180に記憶された、あおり動作制御の制御パラメータの一例を示す図であり、制御部160は、この制御パラメータに従ってあおり動作制御を実行する。制御パラメータには、ガイドベーン開度を開方向に変化させる場合の指令値である上側開度と、閉方向に変化させる場合の指令値である下側開度と、ガイドベーン開度を上側開度とする指令状態を解除する条件である上側開度指令解除条件と、ガイドベーン開度を下側開度とする指令状態を解除する条件である下側開度指令解除条件と、繰り返し回数とが定められている。
上側開度及び下側開度は、ガイドベーン開度の全開及び全閉時の特性等に基づいて定められる。上側開度指令解除条件及び下側開度指令解除条件は、例えば、水位一定運転における目標水位や越流防止水位に対する相対的な水位の閾値条件として定められる。図5(2)においては、上側開度指令解除条件が目標水位に対する水位の閾値条件として、下側開度指令解除条件が越流防止水位に対する水位の閾値条件として定められている。上側開度指令解除条件の閾値水位の方が、下側開度指令解除条件の閾値水位よりも低い水位が定められる。
図5(1)を参照して、より具体的にあおり動作制御の制御動作を説明すると、時刻t10において、制御部160は、ガイドベーン開度が上側開度Fとなるようにガイドベーン駆動部126を駆動制御する。時間遅れがあって、時刻t12において、ガイドベーン開度が上側開度Fとなっている。この間、制御部160は、水槽水位計113から入力される水槽水位が、上側開度指令解除条件を満たしたか否かを監視する。そして、時刻t14において上側開度指令解除条件を満たしたため、制御部160は、ガイドベーン開度が下側開度Fとなるようにガイドベーン駆動部126を駆動制御する。時刻t16において、ガイドベーン開度が下側開度Fとなっている。同様に、ガイドベーン開度を閉方向に変化させた後、制御部160は、水槽水位が下側開度指令解除条件を満たしたか否かを監視する。そして、時刻t18において下側開度指令解除条件を満たしたため、制御部160は、ガイドベーン開度が上側開度Fとなるようにガイドベーン駆動部126を駆動制御する。これを3回繰り返している。
また、制御部160は、あおり動作制御中に水槽水位が所定の越流防止水位に達したか否かを監視し、越流防止水位に達した場合には、即座にガイドベーン開度の指令値を下側開度とし、ガイドベーン開度を開方向に変化させる。越流防止水位とは、水槽からの越流を防止するために定めた水位である。
報知部170は、例えば、ランプ等の表示装置やスピーカ等の音声出力装置、遠隔監視装置に向けて通信信号を送信する通信装置等によって構成され、制御部160から指示された異物堆積状態の検出や、堆積度合、あおり動作制御の実行是非等を報知処理(表示、音声出力、通信処理を含む。)する。
記憶部180は、例えば、メモリやハードディスク等によって構成され、判定部150が利用する異物堆積時条件のデータや、制御部160が利用するあおり動作制御の制御パラメータ、あおり動作制御を頻繁に実行しているか否かを判定するための高頻度条件データ、越流防止水位のデータ等を記憶する。また、異物堆積状態が検出された際に、堆積度合や、あおり動作制御の実行是非等が日時と対応付けて記録される。
次に、水車監視制御装置100の監視制御動作について説明する。
図6は、水車監視制御装置100が実行する監視制御動作の流れを示すフローチャートである。
図6において、水車監視制御装置100は、ガイドベーン開度及び発電機出力と、異物堆積時条件とを照査することで、異物堆積状態である場合にその旨を検出し、堆積度合を判定する(ステップS2:YES、ステップS4)。堆積度合が重度であれば(ステップS4:重度)、あおり動作制御を実行せず(抑止)(ステップS6)、異物堆積状態の検出、堆積度合が重度である旨、あおり動作制御を実行しない旨等を報知処理し(ステップS8)、日時と対付けて記録する(ステップS10)。
また、堆積度合が軽度の場合には(ステップS4:軽度)、異物堆積状態の検出および堆積度合が軽度である旨を報知処理し(ステップS12)、過去の記録を参照して、あおり動作制御の実行頻度が高頻度条件を満たすか否かを判定する(ステップS14)。高頻度条件を満たす場合(ステップS14:YES)、水車監視制御装置100は、あおり動作制御を実行せず(抑止)(ステップS16)、あおり動作制御の実行頻度が高頻度である旨、あおり制御を実行しなかった旨を報知処理する(ステップS18)。また、異物堆積状態の検出、堆積度合が軽度である旨、あおり動作制御の実行頻度が高頻度である旨、あおり制御を実行しなかった旨を日時と対応付けて記録する(ステップS20)。
ステップS14において、あおり動作制御の実行頻度が高頻度条件を満たさなかった場合には(ステップS14:NO)、水車監視制御装置100は、異物堆積状態の検出、堆積度合が軽度である旨、あおり動作制御を実行開始する旨を報知処理する(ステップS22)とともに、日時と対応付けて記録する(ステップS24)。そして、あおり動作制御を実行する(ステップS26)。
あおり動作制御を実行後は、あおり動作制御の実行が終了した旨を報知処理し(ステップS28)、終了日時を対応付けて記録して(ステップS30)、処理をステップS2に移行する。
以上、本実施形態を説明したが、本発明が適用可能な形態は、上述の実施形態に限られるものではない。
[変形例1]
例えば、堆積度合が重度或いはあおり動作制御を高頻度に実行した場合には、あおり動作制御を行わないこととして説明したが、異物堆積状態を検出した場合にはあおり動作制御を実行した上で、報知処理及び記録をすることとしてもよい。
[変形例2]
また、例えば、異物の堆積度合に応じて、あおり動作制御の制御パラメータを変更してもよい。図7にこの場合の制御パラメータの例を示す。上述の実施形態における“軽度”の堆積度合を更に第1レベル及び第2レベルの2段階に分けた場合の例である。すなわち、図4において、軽度堆積時条件の点線を第1レベルの軽度堆積時条件とし、軽度堆積時条件の点線と重度堆積時条件の一点鎖線との間に中間線を設定してこれを第2レベルの軽度堆積時条件とする。そして、堆積度合(第1レベルの軽度堆積時条件か、第2レベルの軽度堆積時条件か)に応じてあおり動作制御を細かく制御することで、あおり動作に利用する水量を節約するといった効率面等において、堆積度合に応じた適切なあおり動作制御を実現できる。
[変形例3]
水車監視制御処理に、水槽暴れを抑制する制御を加えることとしてもよい。水槽暴れとは、水槽水位が短時間で上下に激しく変動を繰り返す現象である。図1において、水槽13の取水口にはスクリーンと、このスクリーンにたまったごみを自動的にかき上げる除塵機とが設置されているのが一般的である。スクリーンにたまった落ち葉等の異物は除塵機により取り除かれるが、全ての異物をスクリーンで捕捉することはできず、捕捉できなかった異物は水車へ流れ込むこととなる。その結果、水車内で異物が堆積し、あおり動作制御が実行されることとなる。しかし、その一方で除塵機が自動的に稼働する。この2つの動作があいまって、水槽暴れが生じ得るのである。水槽暴れは、水車機器に大きな負担をかけるため、水槽暴れが生じ得る或いは生じている場合には、あおり動作制御を実行させない制御が要求される。
図8は、水槽暴れ抑制制御を組み込んだ水車監視制御処理の流れを示すフローチャートである。図6のフローチャートに加えてステップA1〜A7が新たに追加されている。先ず、急速水位変動が発生しているか否かを判定する(ステップA1)。具体的には、所定の比較参照時間(例えば数秒〜十数秒の間の値として定められる)前の水槽水位と現在の水槽水位との差を求め、この差が水位変動判定値(例えば数cm〜20cmの間の値として定められる)以上の場合に、急速水位変動が発生していると検出する。
急速水位変動の発生を検出した場合(ステップA1:YES)、過去所定時間(例えば20秒〜60秒の間の値として定められる)の間に検出された急速水位変動の検出回数が、所定の水槽暴れ判定回数(例えば3〜10回の間の値として定められる)以上となったかを判定することで、水槽暴れを検出する(ステップA3)。水槽暴れが検出された場合(ステップA3:YES)、あおり動作制御を抑止する抑止ロックタイマーをリセットし、再スタートさせる(ステップA5)。抑止ロックタイマーは、例えば30秒〜数分の時間が設定される。
以上のステップA1〜A5の処理を、異物堆積状態を検出したか否かの判定処理(ステップS2)の前に実行する。
そして、異物堆積状態を検出した場合(ステップS2:YES)、堆積度合の判定処理(ステップS4)の前に次のステップを加える。すなわち、あおり動作制御の抑止ロックタイマーが作動中か否かを判定し、作動中であれば(ステップA7:YES)、あおり動作制御を抑止させるため、以降のステップを全てスキップしてステップA1に処理を移行する。
以上の処理により、水槽暴れが生じ得る或いは生じている場合に、あおり動作制御を実行させない、水槽暴れの抑制制御が実現される。
[変形例4]
図5(1)に示した通り、あおり動作制御は、ガイドベーン開度を開方向及び閉方向に変化させる制御であり、流水量を変化させることが目的の1つである。したがって、期待通りの流水量が得られないのであれば、実効性が低下する上、過度な制御は却って水車機器に負担をかけることにもなりかねない。そこで、希望する流水量を見込める範囲内であおり動作制御を実行するようにしてもよい。
図9に、この場合の水車監視制御処理の流れを示す。図6に示した水車監視制御処理のステップS2とS4の間に、ステップB3を追加したフローチャートとなっている。すなわち、異物堆積状態が検出された後(ステップS2:YES)、発電機出力が所定範囲内か否かの判定を行う(ステップB3)。そして、所定範囲内であれば(ステップB3:YES)、ステップS4に移行し、所定範囲内でなければ(ステップB3:NO)、ステップS2に移行する。
流水量と発電機出力とは相関関係にあるため、図9においては、発電機出力が所定範囲内にあるか否か(ステップB3)をもって、あおり動作制御において期待される流水量の変化が得られるかを判定している。従って、所定範囲は、あおり動作許容出力範囲と言え、例えば、最大出力に対して40%〜80%の値などとして定められる。なお、発電機出力の代わりに、水槽水位が所定範囲内(例えば最高水位の40%〜70%)か否かをもって判定することとしてもよい。
また、ステップB3の処理を、図8のステップA7とステップS4の間に設けることとしてもよい。
[変形例5]
水車監視制御装置100は、水位一定運転を行っている際に機能する装置であり、水位一定運転に優先してあおり動作制御を実行する。そのため、例えばあおり動作制御の実行中に水車監視制御装置100に故障が発生した場合には、もとの水位一定運転に確実に戻す機能が必要である。そこで、水車監視制御装置100或いは水車制御システム200に、故障に対する保護機能を付加してもよい。
保護機能としては、(1)入力異常に対する保護機能と、(2)システム異常に対する保護機能と、(3)あおり動作制御不具合に対する保護機能と、(4)装置停止に対する保護機能との4つが考えられる。
まず、(1)入力異常に対する保護機能は、水槽水位計113からの水位検出信号、発電機16からの発電機出力、開度検出器121からの開度検出信号の値の何れかが、規定の正常値範囲を超えて異常値となった場合の保護機能である。1つでも正常値範囲を超えた場合、あおり動作制御の実行中であれば、水車監視制御装置100は直ちにあおり動作制御を中止し、あおり動作制御を実行していない状態であれば、あおり動作制御の実行を抑止する。
(2)システム異常に対する保護機能は、水車監視制御装置100内の異常に対する保護機能であり、例えば、装置内の演算処理パラメータが異常値(正常値でない値)となっていたり、CPUやバス回路等の電子回路の動作パラメータ(処理負荷や伝送負荷など)が異常値を示している場合の保護機能である。これらのパラメータの値を監視し、異常値を示す場合、あおり動作制御の実行中であれば、水車監視制御装置100は直ちにあおり動作制御を中止し、あおり動作制御を実行していない状態であれば、あおり動作制御の実行を抑止する。
(3)あおり動作制御不具合に対する保護機能は、あおり動作制御中において、ガイドベーン開度の変化制御に対して、正しくガイドベーンが駆動されていないと判断される場合の保護機能である。具体的には、水車監視制御装置100は開度検出器121からの開度検出信号に基づいて、ガイドベーン開度の変化制御(あおり動作制御)が正常に機能しているか否かを判定する(例えば、任意のタイミングにおけるガイドベーン開度の指令値と、そのタイミングから一定時間経過後の検出されたガイドベーン開度との差に基づいて判定する。)。そして、正常に機能していないと判定される場合には、異常と判断して、直ちにあおり動作制御を中止する。
(4)装置停止に対する保護機能は、水車監視制御装置100の電源喪失による装置停止に対する保護機能である。例えば、水車監視制御装置100内に、電源が供給されると動作し、電源供給が遮断されると落下する継電器(リレー)を設け、制御装置内の回路をこの継電器を介して動作するように構成する。そして、何らかの原因で水車監視制御装置100内への電源が遮断されて継電器が落下すると、ガイドベーン駆動部126への駆動制御信号を停止し、自動的に水車監視制御処理が停止することで、もとの水位一定運転に自動復旧するように構成する。或いは、水車制御システム200が、水車監視制御装置100への電源供給の有無又は水車監視制御装置100の動作状態(動作しているか否か)を検出することとして、水車監視制御装置100への電源供給が遮断されていたり、水車監視制御装置100が動作していない状態であれば、水位一定運転に復旧させるように構成してもよい。
15 水車
16 発電機
21 ガイドベーン
100 水車監視制御装置
150 判定部
160 制御部
170 報知部
180 記憶部

Claims (24)

  1. 水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転時において、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が、異物が水車内に堆積した時の発電機出力とガイドベーン開度との関係として予め定められた異物堆積時条件を満たすことを検出する検出手段と、
    前記検出手段による検出に応じて所定の報知を行う報知手段と、
    を備えた水車監視制御装置。
  2. 前記検出手段は、同一の発電機出力に対して健全時のガイドベーン開度よりも大きい開度を前記異物堆積時条件として用いて前記検出を行う、
    請求項1に記載の水車監視制御装置。
  3. 前記検出手段により検出された場合にガイドベーン開度を一時的に変化させるあおり動作制御を実行するあおり動作制御手段を更に備えた請求項1又は2に記載の水車監視制御装置。
  4. 前記あおり動作制御手段は、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させ、次いで閉方向に変化させる、
    請求項3に記載の水車監視制御装置。
  5. 前記あおり動作制御手段は、水槽水位が、前記あおり動作制御中に水槽からの越流を防止するために定められた所与の越流防止水位に達した場合に、ガイドベーン開度を開方向に変化させる越流防止制御手段を有する、
    請求項3又は4に記載の水車監視制御装置。
  6. 前記検出手段は、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定する堆積度合判定手段を有し、
    前記堆積度合判定手段により判定された堆積度合が重度の場合に、前記あおり動作制御手段によるあおり動作制御を抑止するあおり動作制御抑止手段を更に備えた、
    請求項3〜5の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  7. 前記検出手段は、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定する堆積度合判定手段を有し、
    前記あおり動作制御手段は、前記堆積度合判定手段により判定された堆積度合に応じてガイドベーン開度の変化パターンを設定し、該変化パターンに従って前記あおり動作制御を実行する、
    請求項3〜5の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  8. 前記水槽水位の変動が所定の水槽暴れ条件を満たしたことを検出する水槽暴れ検出手段と、
    前記水槽暴れ検出手段の検出に応じて、前記あおり動作制御手段によるあおり動作制御を抑止する水槽暴れ時抑止手段と、
    を更に備えた請求項3〜7の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  9. 前記あおり動作制御手段は、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲外の場合には前記あおり動作制御を実行せず、前記検出手段による検出がなされ、且つ、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲内の場合に、前記あおり動作制御を実行する、
    請求項3〜8の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  10. 当該水車監視制御装置の故障発生を検出する故障発生検出手段と、
    前記あおり動作制御の実行中に前記故障発生検出手段により故障発生が検出された場合に、前記あおり動作制御の実行を中止する実行中止手段と、
    を更に備えた請求項3〜9の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  11. 前記故障発生検出手段は、当該水車監視制御装置への入力値が異常値となった場合に故障発生として検出する入力値異常検出手段を有する、
    請求項10に記載の水車監視制御装置。
  12. 前記故障発生検出手段は、当該水車監視制御装置内の演算処理パラメータの値が異常値となった場合に故障発生として検出するシステム異常検出手段を有する、
    請求項10又は11に記載の水車監視制御装置。
  13. 前記故障発生検出手段は、前記ガイドベーン開度を用いて前記あおり動作制御が正常に機能しているか否かを判定し、正常に機能していないと判定される場合に故障発生として検出するあおり制御異常検出手段を有する、
    請求項10〜12の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  14. 前記故障発生検出手段は、当該水車監視制御装置への電源供給が遮断された場合に落下する継電器を有して構成され、当該継電器の落下により故障発生が検出される、
    請求項10〜13の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  15. 前記検出手段は、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定する堆積度合判定手段を有し、
    前記報知手段は、前記堆積度合判定手段により判定された堆積度合を含めて報知を行う、
    請求項1〜14の何れか一項に記載の水車監視制御装置。
  16. 水槽水位が目標水位となるようにガイドベーン開度を自動制御する水位一定運転時において、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が、異物が水車内に堆積する時の発電機出力とガイドベーン開度との関係として予め定められた異物堆積時条件を満たすことを検出する検出ステップと、
    前記検出ステップでの検出に応じて所定の報知を行う報知ステップと、
    を含む水車監視制御方法。
  17. 前記検出ステップは、同一の発電機出力に対して健全時のガイドベーン開度よりも大きい開度を前記異物堆積時条件として用いて前記検出を行うステップである、
    請求項16に記載の水車監視制御方法。
  18. 前記検出ステップでの検出に応じて前記ガイドベーン開度を一時的に変化させるあおり動作制御を実行するあおり動作制御ステップを更に含む、
    請求項16又は17に記載の水車監視制御方法。
  19. 前記あおり動作制御ステップは、最初にガイドベーン開度を開方向に変化させ、次いで閉方向に変化させるように前記あおり動作制御を実行するステップである、
    請求項18に記載の水車監視制御方法。
  20. 前記あおり動作制御中に水槽水位が水槽からの越流を防止するために定められた所与の越流防止水位に達した場合に、ガイドベーン開度を開方向に変化させる越流防止制御ステップを更に含む、
    請求項18又は19に記載の水車監視制御方法。
  21. 前記検出ステップは、前記異物の堆積度合に応じて段階的に定められた前記異物堆積時条件を用いて、前記異物の堆積度合を判定するステップを含み、
    前記判定された堆積度合が重度の場合に、前記あおり動作制御を抑止するあおり動作制御抑止ステップを更に含む、
    請求項18〜20の何れか一項に記載の水車監視制御方法。
  22. 前記水槽水位の変動が所定の水槽暴れ条件を満たしたことを検出する水槽暴れ検出ステップと、
    前記水槽暴れ検出ステップの検出に応じて、前記あおり動作制御を抑止する水槽暴れ時抑止ステップと、
    を更に含む請求項18〜21の何れか一項に記載の水車監視制御方法。
  23. 前記あおり動作制御ステップは、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲外の場合には前記あおり動作制御を実行せず、前記検出ステップで検出がなされ、且つ、発電機出力が所定のあおり動作許容出力範囲内の場合に、前記あおり動作制御を実行するステップである、
    請求項18〜22の何れか一項に記載の水車監視制御方法。
  24. 水車監視制御装置の故障発生を検出する故障発生検出ステップと、
    前記あおり動作制御の実行中に前記故障発生検出ステップでの検出がなされた場合に、前記あおり動作制御の実行を中止する実行中止ステップと、
    を更に含む請求項18〜23の何れか一項に記載の水車監視制御方法。
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