JP2009293216A - ポンプゲート設備及びその運転方法 - Google Patents

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一宏 長岡
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敦 宮先
Masahito Yoshimoto
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Abstract

【課題】ポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高いポンプゲート設備であってもポンプゲートへの浮遊物の流入を防止できるポンプゲート設備を提供すること。
【解決手段】ポンプゲート30と除塵機40とを具備する。ポンプゲート30のポンプ運転開始水位L2が吐出水路20の上端レベルL3より高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲート30と共に除塵機40を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位L2の際には除塵機40を引き下げて除塵機40に捕捉される浮遊物Sのポンプゲート30への流入を阻止すると共にポンプゲート30によって吐出水路20を閉じて強制排水を行う。除塵機40の上流に吐出水路上端レベルL3付近以上の水位の水流に対向する面を有し、吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sを受けとめてポンプゲート30手前に滞留することを抑止する着脱可能な浮遊物抑止装置50を設置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備及びその運転方法に関するものである。
従来、例えば支川から本川に流れ込む河川の合流点などには、支川を開閉するポンプゲート設備が設置される場合がある。そしてこの種のポンプゲート設備の中には、通常時はポンプゲートを開いて水を自然流下させ、一方大雨等、支川の水位よりも本川の水位の方が高くなるような場合は前記ポンプゲートによって支川を閉じて本川の水が支川に逆流するのを防止すると同時に、支川内を流下してくる水をポンプゲートのポンプによって強制的に本川側に排水する構成の、自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備がある(例えば特許文献1参照)。
図13はこの種の従来の自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備400の一例を示す全体概略構成図である。同図に示すポンプゲート設備400は、吸込水路500と吐出水路505の間を開閉するポンプゲート510と、ポンプゲート510の上流側に設置される除塵機530とを具備して構成されている。そして水位が通常の自然流下水位L1のときはポンプゲート510を点線で示す位置まで上昇して吐出水路505を開き、同時に除塵機530を点線で示す位置(全開位置)まで上昇(引き上げ)して水面から引き上げ、これによって水を自然流下させるとともに流れてきた浮遊物Sもそのまま自然流下させる。一方水位が強制排水が必要なポンプ運転開始水位L2にまで上昇すると、ポンプゲート510を実線で示す位置まで下降して吐出水路505を閉じると共にポンプゲート510に設置したポンプを駆動することで上流側(吸込水路500側)の水を強制的に下流側(吐出水路505側)に排水し、また所定のタイミングで除塵機530を実線で示す位置(全閉位置)まで下降(引き下げ)してその下部を水中に没し、除塵機530を駆動してこの除塵機530の前面に捕捉した浮遊物Sを掻き上げ、これによってポンプゲート510に浮遊物Sが流れないようにしている。
以上説明したように、このポンプゲート設備400においては、自然流下から強制排水に切り替わるときにポンプゲート510を下降して吐出水路505を閉じてポンプ排水を行い、同時にポンプの保護を目的として上流側に設置した除塵機530を下降して浮遊物Sのポンプへの流入を防いでいる。しかしながら吐出水路505の水路天井の高さがポンプ運転開始水位L2よりも低いと、ポンプゲート510によって吐出水路505を閉じる前にすでに水位が吐出水路505の水路天井を越えていて浮遊物Sが吐出水路505入口側(ポンプゲート510手前側)上部に滞留していてここに滞留した浮遊物Sは自然流下せず、その時点で除塵機530を下げても浮遊物Sはポンプ井(除塵機530の下流側で吐出水路505入口部〔ポンプゲート510によって開閉される部分〕の上流側部分)に入っているため、ポンプに吸い込まれてしまい、ポンプの閉塞等の危険性があった。このため従来、除塵機530を下げて運転するタイミングを水位がポンプ運転開始水位L2に達するよりも早く行うなどの対策を行なっていた。
しかしながら上記従来のポンプゲート設備及びその運転方法には以下のような問題点があった。
(1)水位がポンプ運転開始水位L2に達する前に除塵機530を下げるのであるが、そのタイミングが遅れると、前述の場合と同様に除塵機530の下流側のポンプ井上部に浮遊物Sが滞留し、ポンプゲート510の降下運転開始時点ですでに浮遊物Sがポンプ井に滞留してしまい、滞留した浮遊物Sがポンプに吸い込まれることでポンプが閉塞し運転不能の状態となり最悪の場合、浸水被害に発展してしまう恐れがある。
(2)除塵機530を下げて設置するタイミングがポンプ運転開始時期より早くなるため、操作員が事前(例えば数時間程度前)に現場に急行し除塵機530を操作する必要がある。このため操作員の拘束時間が長くなると共に、操作遅れや操作ミスがあるとやはり上記(1)のように浮遊物Sがポンプ井に滞留してしまう恐れがある。
(3)上記問題(1),(2)を解消するため、ポンプゲート510(特に除塵機530)の手前(上流側)にゴミ除け用の土木構造物を水路と一体に固定して設置すると、常時、自然流下機能を阻害し、流路構造上好ましくない。
(4)結果として水位がポンプ運転開始水位L2にまで上昇しなかったときでも、ポンプ運転開始水位L2に達するより前に下降させる必要がある除塵機530だけは運転しなければならず操作員の負担が大きかった。
特開2001−193040号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、上記問題点を解決し、ポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高いポンプゲート設備であっても、浮遊物が吸込水路に滞留するのを効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備及びその運転方法を提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを具備し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備において、前記除塵機の上流に吐出水路上端レベル付近以上の水位の水流に対向する面を有し、吐出水路上端レベル以上の水位で流れてくる浮遊物を受けとめてポンプゲート手前に滞溜することを抑止する着脱可能な浮遊物抑止装置を設置したことを特徴とするポンプゲート設備にある。
本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポンプゲート設備において、前記浮遊物抑止装置の水流に対向する面に、前記ポンプゲートの許容通過粒径以下の開口部を設けたことを特徴とするポンプゲート設備にある。開口部を有する浮遊物抑止装置は、格子状のスクリーンで構成しても良いし、パンチングメタルや金網状に構成しても良い。
本願請求項3に記載の発明は、吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを具備し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備において、前記除塵機の引き上げ時の位置を、除塵機先端が吐出水路上端レベル付近(浮遊物抑止位置)となるようにすることで、吐出水路上端レベル付近以上の水位で流れてくる浮遊物を受けとめてポンプゲート手前に滞溜することを防止することを特徴とするポンプゲート設備にある。
本願請求項4に記載の発明は、請求項3のポンプゲート設備において、前記除塵機の上下動位置を検出する位置検出機構と、水位センサからの信号を用いて除塵機の上下動位置を運転制御する制御手段とを具備し、制御手段は、除塵機を、水路の水位が吐出水路上端レベル以下の任意の設定レベルより高い水位の場合は前記浮遊物抑止位置に、水路の水位が前記任意の設定レベルより低い水位の場合は前記浮遊物抑止位置よりさらに引き上げた全開位置になるように運転制御することを特徴とするポンプゲート設備にある。
本願請求項5に記載の発明は、吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを具備し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備において、前記ポンプゲートの上流側に、上流側から流れてくる浮遊物を捕捉する浮遊物捕捉装置を設置したことを特徴とするポンプゲート設備にある。
本願請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のポンプゲート設備において、前記浮遊物捕捉装置は、ネット等の変形可能で開口部を有する部材で構成され且つ上流側に向けて浮遊物流入口を設けてなる捕捉部を有し、さらに捕捉部には捕捉した浮遊物を水路に排出する捕捉解除手段を設けたことを特徴とするポンプゲート設備にある。
本願請求項7に記載の発明は、吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを設置し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備の運転方法において、吐出水路上端レベル以下の水位に先行除塵機運転水位を設定し、水位が先行除塵機運転水位に達したときに除塵機を下げて浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共に、除塵機引き下げから任意の時間経過後か、或いは除塵機引き下げから任意の時間経過後であって且つ水位が先行除塵機運転水位より高い所定の水位に達したときにポンプゲートを降下させることを特徴とするポンプゲート設備運転方法にある。
本願請求項8に記載の発明は、吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを設置し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備の運転制御装置において、吐出水路上端レベル以下の水位に先行除塵機運転水位を設定し、水位が先行除塵機運転水位に達したときに除塵機を下げて浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共に、除塵機引き下げから任意の時間経過後か、或いは除塵機引き下げから任意の時間経過後であって且つ水位が先行除塵機運転水位より高い所定の水位に達したときにポンプゲートを降下させることを特徴とするポンプゲート設備の運転制御装置にある。
請求項1に記載の発明によれば、除塵機の上流に浮遊物抑止装置を設置したので、吐出水路上端レベル付近以上の水位で流れてくる浮遊物を、除塵機の上流において受け止めてポンプゲートに向かうことを抑止することができる。なお吐出水路上端レベル付近以下の水位で流れてくる浮遊物は、そのまま吐出水路を通過していくので問題ない。
従って除塵機を下ろして運転するタイミングが遅れてもポンプ運転に有害となる浮遊物がポンプに吸い込まれることを防止できる。また除塵機を降下させる際の水位は、吐出水路上端レベルより上に設定可能になるので、操作員の負担を軽減できる。
また浮遊物抑止装置は吐出水路上端レベル付近以上の水位の水流に対向する位置に設置されるので、水位が低い通常の自然流下時の水の流れを阻害することはない。
またポンプ排水が終わり(吐出水路側の水位が下がり)、ポンプゲートを上げて自然流下状態に戻せば、浮遊物抑止装置に止められていた浮遊物もそのまま吐出水路を通って流されていくので、必要以上の浮遊物を除塵機によって掻き揚げることがなく、ゴミ処理コストを低減できる。
これらのことから、ポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高いポンプゲート設備であっても、ポンプゲートへの浮遊物の流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、浮遊物抑止装置の面内を水が通過できるので、開口部を有さない浮遊物抑止装置と比べて水流に対する抵抗を小さくできる。また軽量化がはかれ着脱も容易になるとともに、ゴミの取り出しにも配慮している。また水流による浮遊物抑止装置への受圧荷重が低減できるため、浮遊物抑止装置を簡易な構造で設計することが可能となり、経済性に優れたポンプゲート設備を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、除塵機によって吐出水路上端レベル付近以上の水位で流れてくる浮遊物を受け止めてポンプゲートに向かうことを抑止することができる。なお吐出水路上端レベル付近以下の水位で流れてくる浮遊物は、そのまま吐出水路を通過していくので問題ない。
従って除塵機を下ろして運転するタイミングが遅れても除塵機を通過していない浮遊物がポンプに吸い込まれることを防止できる。また除塵機を降下させる際の水位は、吐出水路上端レベルより上に設定可能になるので、操作員の負担を軽減できる。
また除塵機先端は吐出水路上端レベル付近に設置されるので、自然流下時の水の流れを阻害することはない。
またこの発明の場合、除塵機の上流側へのあらたな除塵設備の設置が不要になるため、構成が簡素化され、コストの低減化も図れる。
これらのことから、ポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高いポンプゲート設備であっても、ポンプゲートへの浮遊物の流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、水路の水位の状況に応じてポンプゲートの上下動を制御手段によって自動的に運転制御することができる。これによって除塵機の操作を操作員が直接行う必要がなくなり、操作員の負担が軽減できると共に、操作員の誤操作・誤判断による操作ミスや操作遅れを防止でき、浸水被害を確実に防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、ポンプゲートの上流側に浮遊物捕捉装置を設置したので、吐出水路上端レベル以上の水位で流れてくる浮遊物を、ポンプゲートの上流において捕捉してポンプゲートに向かうことを抑止することができる。
従って除塵機を下ろして運転するタイミングが遅れても除塵機を通過していない浮遊物がポンプに吸い込まれることを防止できる。また除塵機を降下させる際の水位は、吐出水路上端レベルより上に設定可能になるので、操作員の負担を軽減することができる。
また浮遊物捕捉装置を吐出水路上端レベル以上の水位の水流に対向する位置に設置すれば、自然流下時の水の流れを阻害することはない。
これらのことから、ポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高いポンプゲート設備であっても、ポンプゲートへの浮遊物の流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、浮遊物捕捉装置の捕捉部をネット等の変形可能で開口部を有する部材で構成したので、浮遊物を容易に捕捉できる。また開口部を有するので、水の流れがスムーズになり、また水流による浮遊物捕捉装置への受圧荷重が低減でき、浮遊物捕捉装置を簡易な構造で設計可能となる。また捕捉解除手段を設けることで捕捉した浮遊物を水路に排出できるので、ポンプ排水が終わり(吐出水路側の水位が下がり)、ポンプゲートを上げて自然流下状態に戻した際に、浮遊物捕捉装置に捕捉していた浮遊物も水路に排出することでそのまま流すことができ、従って浮遊物捕捉装置で捕捉した浮遊物を引き上げることによるゴミの処理が不要になり、操作員の負担が軽減できる。
請求項7,請求項8に記載の発明によれば、水位が先行除塵機運転水位に達したときに除塵機を引き下げて浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止するので、水位が先行除塵機運転水位から吐出水路上端レベルに達する間に除塵機から吐出水路の間にある浮遊物を全て吐出水路から自然流下させることができる。従って浮遊物が除塵機の下流側のポンプ井上部に滞留する恐れがなくなる。
これらのことから、ポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高いポンプゲート設備であっても、ポンプゲートへの浮遊物の流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備の運転方法又は運転制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかる自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備1−1の全体概略構成図である。同図に示すようにポンプゲート設備1−1は、吸込水路10の下流側に吐出水路20を設け、吐出水路20の入口部分に吸込水路10と吐出水路20の間を開閉するポンプゲート30を設置し、ポンプゲート30の上流側の吸込水路10中に除塵機40を設置し、さらに除塵機40の上流に浮遊物抑止装置50を設置して構成されている。以下各構成部分について説明する。
ポンプゲート30は吐出水路20を開閉するものであり、ゲート駆動機構によって上下動自在に構成され、同図に実線で示す吐出水路20の入口部分を閉止する位置と、同図に点線で示す吐出水路20の入口部分を開く位置とに移動(上下動)する構成となっている。ポンプゲート30にはこれと一体に上下動するポンプが取り付けられており、ポンプゲート30によって吐出水路20の入口部分を閉止した際にポンプ運転を行うことで吸込水路10側の水を吐出水路20側に強制排水する。なおポンプゲート30には、ポンプゲート30の内部にポンプを収納する構造のものや、ポンプゲート30の吸込水路10側にポンプを設置する構造のものや、ポンプゲート30の吐出水路20側にポンプを設置する構造のものや、ポンプゲート30の上部の水中に没しない位置にポンプ本体を設置しポンプ吸込口だけを水中に没する構造のものや、特許文献1の図2に示すようにゲートと一体に上下動しない位置にポンプを設置したもの等、各種のものがある。またポンプゲート30を構成するゲートの構造やそのゲート駆動機構にも種々の構造のものがある。本願発明には何れの構造のポンプゲート30を用いても良い。
除塵機40は図面では簡略化して記載しているが、上流から流れてきた浮遊物を捕捉するスクリーンと、スクリーンに捕捉した浮遊物を掻き上げて水路から除去する掻き揚げ機構とを具備して構成されている。スクリーンは一般に上下方向に向かう複数本の棒状体又は板状体を所定の隙間を介して並列に設置することで構成されており、各棒状体又は板状体の間の隙間に掻き揚げ機構のレーキを上流側に突出するように挿入し、このレーキを上方向に移動することで前記スクリーンに捕捉した浮遊物Sを掻き揚げる構造となっている。また除塵機40は、実線で示す全閉位置P2(全閉といっても水は隙間を自由に流通する)から駆動機構によってその全体を矢印A方向に旋回してその先端を上方に引き上げる構成となっている。除塵機40の引き上げ位置は図1に点線で示すように、この実施形態では除塵機40の先端が吐出水路上端レベルL3(吐出水路20のポンプゲート30が開閉する入口部分の内径の天井レベル)よりも上方に離れる位置としている。なおこの位置を全開位置P1とする(以下の各実施形態においても同様)。なお上述した除塵機40は一例であり、もちろん他の各種構造の除塵機40を用いても良い。例えば除塵機40を旋回する代りに直線状に上下方向に移動する構造でも良い。またスクリーンの形状・構造や掻き揚げ機構の形状・構造も種々の変更が可能である。
浮遊物抑止装置50は吸込水路10の幅方向(図1の紙面手前奥方向)の全幅に亘って設けられる略矩形状の板によって構成されている。浮遊物抑止装置50は吸込水路10を構成する構造体の何れかの部分に固定されており、この例では構造体21の部分に浮遊物抑止装置50の上部に設けた取付部50bをボルト等の取付手段によって着脱可能に取り付けている。この浮遊物抑止装置50はその面に水が通過するための多数の開口部57が設けられており、具体的には、例えば線材又は板材を格子状に組み込んで構成されるスクリーン、又は線材又は板材を所定の隙間を介して並列に設置して構成されるスクリーン、又はパンチングメタル等のパンチングボード(必ずしも金属でなくても良い)、又は金網等の網状体(必ずしも金属でなくても良い)等で構成されている。開口部57の内径寸法は、ポンプゲート30を閉塞しないで通過させることができる浮遊物の粒径、即ちポンプゲート30の許容通過粒径以下としている。
そして浮遊物抑止装置50は略吐出水路上端レベルL3からこの吸込水路10のHWL(最高水位)までの水流に対向する面を具備している。即ち浮遊物抑止装置50の下辺50aは吐出水路上端レベルL3付近に設置される。この実施形態では下辺50aは吐出水路上端レベルL3より少し低い位置に設置されているが、吐出水路上端レベルL3と同一の位置、又は場合によってはそれより少し高い位置に設置しても良い。要は浮遊物抑止装置50の設置位置は、吐出水路上端レベルL3以上の水位の水流に対向する面を有し、吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物S(特にポンプゲート30を閉塞する恐れのある粒径のもの)を受けてポンプゲート30側に流れることを抑止する設置位置であれば良い。なお以下の説明において特に定義がない限り、浮遊物Sとはポンプゲート30を閉塞する恐れがある粒径以上の粒径(許容通過粒径以上の粒径)のものを言うものとする。
次にポンプゲート設備1−1の運転方法について説明する。まず水位が通常の自然流下水位L1のときはポンプゲート30を点線で示す位置(全開位置)まで上昇して吐出水路20を開き、同時に除塵機40を点線で示す位置(全開位置P1)まで上昇(引き上げ)して水面から引き上げ、これによって水を自然流下させる。このとき水の自然流下とともに流れてきた浮遊物Sもそのまま自然流下する。
次に水位が上昇して吐出水路上端レベルL3を超えると、吐出水路上端レベルL3以上の水位の水流部分について浮遊物抑止装置50が水中に没する。従って吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sは、除塵機40の上流において受け止められポンプゲート30に向かうことが抑止される。なお吐出水路上端レベルL3以下のレベルで流れてくる浮遊物Sは浮遊物抑止装置50に抑止されずにそのまま流れていくが、この浮遊物Sはそのまま吐出水路20を通過していくので問題ない。
そしてさらに水位が上昇して吸込水路10の水位が強制排水が必要なポンプ運転開始水位L2にまで上昇すると、除塵機40を実線で示す全閉位置P2まで下降(引き下げ)してその下部を水中に没し、除塵機40を駆動してこの除塵機40の前面に捕捉される浮遊物S(浮遊物抑止装置50によって抑止されている浮遊物S以外の浮遊物S)を掻き上げ、これによってポンプゲート30側に浮遊物Sが流れていくのを防止する。また所定のタイミング(除塵機40を下降した際にその下流側にある吐出水路上端レベルL3以下の水中を流れている浮遊物Sが全て吐出水路20を通過したタイミング)でポンプゲート30を実線で示す位置まで下降して吐出水路20を閉じると共にポンプゲート30に設置したポンプを駆動することで上流側(吸込水路10側)の水を強制的に下流側(吐出水路20側)に排水する。
本実施形態においては、上述のように吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sは、除塵機40の上流において受け止められポンプゲート30に向かうことが抑止される。このためたとえ除塵機40を下ろすタイミングが吐出水路上端レベルL3以上の水位の場合であっても、吐出水路20の入口側の吐出水路上端レベルL3より高い水位の水面又は水中における浮遊物Sの滞留が防止できる。従ってポンプ運転に有害となる浮遊物Sがポンプゲート30のポンプに吸い込まれることはなくなる。また除塵機40を下げる際の水位は、吐出水路上端レベルL3より上に設定できるので、操作員の負担を軽減できる。
同時に浮遊物抑止装置50は吐出水路上端レベルL3以上の水位の水流に対向する位置に設置されているので、ポンプゲート設備1−1の自然流下能力は阻害されない。また浮遊物抑止装置50には開口部57が設けられているので浮遊物抑止装置50の面内を水が通過でき、開口部57を有さない場合に比べて水の流れがよりスムーズになる。また水流による浮遊物抑止装置50への受圧荷重が低減できるため、浮遊物抑止装置50を簡易な構造で設計することが可能となり、低コスト化が図れる。
そしてポンプ排水が終わって(吐出水路20側の水位が下がって)、ポンプゲート30を上昇して吐出水路20を開いて自然流下状態に戻し、また除塵機40を上昇すれば、浮遊物抑止装置50に止められていた浮遊物Sも水位が下がることでそのまま自然流下によって吐出水路20を通過して流されていく。従って必要以上の浮遊物S(浮遊物抑止装置50によって止められていた浮遊物S)を除塵機40によって掻き揚げる必要がなく、ゴミ処理コストを低減できる。
なお水位が吐出水路上端レベルL3からポンプ運転開始水位L2に達しないで、除塵機40を下降することなく(即ちポンプゲート30を下降等することなく)自然流下状態に戻った場合も、浮遊物抑止装置50に止められていた浮遊物Sはそのまま自然流下によって吐出水路20を通過して流されるので、この場合も必要以上の浮遊物Sを除塵機40によって掻き揚げることがなく、ゴミ処理コストを低減できる。
以上説明したようにポンプゲート設備1−1によれば、ポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高いポンプゲート設備1−1であっても、ポンプゲート30への浮遊物Sの流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備1−1を提供することができる。なおこのポンプゲート設備1−1のように浮遊物抑止装置50を着脱可能に構成すれば、例えば浮遊物抑止装置50の下辺50aの位置を変更したいような場合に異なる浮遊物抑止装置50に容易に付け替えることができる。また浮遊物抑止装置50に設けた開口部57に目詰まりなどが生じた際にこれを取り外して容易に清掃することができる。
図2は浮遊物抑止装置50の他の例を示す要部正面図(浮遊物抑止装置50を図1の左側又は右側から見た図)である。同図に示すように浮遊物抑止装置50は、角落とし板51の両端辺を吸込水路10の左右両側壁に上下方向に向けて設けた戸溝53に挿入し、戸溝53の対向する所定位置(吐出水路上端レベルL3の近傍位置)に設けた受け台55上に載置することで吸込水路10内に設置される。このように構成すれば、浮遊物抑止装置50の設置及び取り外しが簡易に行える。角落し板51に開口部を設けても良い点は、上記の場合と同様である。
また図3は浮遊物抑止装置50のさらに他の例を示す要部正面図である。この浮遊物抑止装置50は、角落し板51の上部に取り付けた角落し板51の横幅寸法よりも長い横幅寸法の設置冶具58の両端近傍の下面にレベル調整部材59を設置して構成されており、角落し板51の両端辺を吸込水路10の左右両側壁の戸溝53に挿入して設置するものである。このように構成すれば、上記図2で説明した効果に加えてレベル調整部材59を取り換えるだけで浮遊物抑止装置50のレベル(下辺50aの位置)を容易に設定可能になる。
図4は図1に示す浮遊物抑止装置50のさらに他の例を示す概略断面図(図1と同一部分での断面図)である。同図に示す浮遊物抑止装置50は吸込水路10の幅方向(図4の紙面手前奥方向)の全幅に亘って設けられる略矩形状の板によって構成され、構造体21に設けた開口21a内に挿入され、その上部に設けた幅広の取付部50bの部分を構造体21の上面に係止することで設置される構造になっている。このように浮遊物抑止装置50を構成しても、浮遊物抑止装置50の設置及び取り外しが簡易に行なえる。
〔第2実施形態〕
図5(a),(b)は本発明の第2実施形態にかかる自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備1−2の全体概略構成図である。同図に示すポンプゲート設備1−2において、前記図1に示すポンプゲート設備1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すポンプゲート設備1−1と同じである。図5に示すポンプゲート設備1−2も前記ポンプゲート設備1−1と同様に、吐出水路20を開閉するポンプゲート30と、ポンプゲート30の上流側に設置される除塵機40とを具備し、ポンプゲート30のポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高く、常時の自然流下水位L1の際にはポンプゲート30を引き上げて吐出水路20を開くと共に除塵機40を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位L2の際には除塵機40を引き下げて除塵機40に捕捉される浮遊物Sのポンプゲート30への流入を阻止すると共にポンプゲート30によって吐出水路20を閉じてポンプゲート30に設置したポンプによって強制排水を行うように構成している。なお図5(b)において図5(a)と相違する点は吐出水路20の部分の構造のみである。即ち吐出水路20の構造は図5(a)のものに限定されず、他の各種構造のものであってもよいことを示している。この点他の各実施形態においても同じである。
そしてこのポンプゲート設備1−2において前記ポンプゲート設備1−1と相違する点は、浮遊物抑止装置50を設置する代わりに、除塵機40の引き上げ時の位置(引き上げ位置)を、図5に太い点線で示す、除塵機40先端が吐出水路上端レベルL3付近に位置する浮遊物抑止位置P3とした点である。このポンプゲート設備1−2においては、浮遊物抑止位置P3を、除塵機40先端が吐出水路上端レベルL3より少し下になる位置(低い位置)としている。なお遊物抑止位置P3は、除塵機40先端が吐出水路上端レベルL3と同一位置、又は場合によって少し上になる位置(高い位置)としても良い。要は浮遊物抑止位置P3は、吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sを受けてポンプゲート30側に流れることを抑止する位置であれば良い。
ポンプゲート30は、上記ポンプゲート設備1−1のポンプゲート30において説明した内容と同一である。
除塵機40は、浮遊物抑止位置P3で停止すること以外の点については、上記ポンプゲート設備1−1の除塵機40において説明した内容と同一である。なおこの除塵機40はポンプゲート設備1−1の場合と同様に、全開位置P1においても停止する。浮遊物抑止位置P3は除塵機40の全閉位置P2と全開位置P1の中間付近にある。
次にポンプゲート設備1−2の運転方法について説明する。水位が通常の自然流下水位L1のときはポンプゲート30を点線で示す位置(全開位置)まで上昇して吐出水路20を開き、同時に除塵機40は浮遊物抑止位置P3まで上昇(引き上げ)して水面から引き上げ、これによって水を自然流下させる。このとき水の自然流下とともに流れてきた浮遊物Sもそのまま自然流下する。
次に水位が上昇して吐出水路上端レベルL3を超えると、吐出水路上端レベルL3以上の水位の水流部分について除塵機40が水中に没する。従って吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sは、除塵機40によって受け止められポンプゲート30に向かうことが抑止される。なお吐出水路上端レベルL3以下のレベルで流れてくる浮遊物Sは除塵機40に抑止されずにそのまま流れていくが、この浮遊物Sはそのまま吐出水路20へ通過していくので問題ない。
そしてさらに水位が上昇して吸込水路10の水位が強制排水が必要なポンプ運転開始水位L2にまで上昇すると、除塵機40を実線で示す位置(全閉位置P2)まで下降(引き下げ)してその下部を水路底面近傍に位置し、除塵機40を駆動してこの除塵機40の前面に捕捉した浮遊物S(それまでに除塵機40前面に抑止されている浮遊物Sを含む全ての浮遊物S)を掻き上げ、これによってポンプゲート30側に浮遊物Sが流れていくのを防止する。次に所定のタイミング(除塵機40を全閉位置P2まで下降した際にその下流側にある吐出水路上端レベルL3以下の水中を流れている浮遊物Sが全て吐出水路20へ通過したタイミング)でポンプゲート30を実線で示す位置まで下降して吐出水路20を閉じると共にポンプゲート30に設置したポンプを駆動することで上流側(吸込水路10側)の水を強制的に下流側(吐出水路20側)に排水する。
このポンプゲート設備1−2においては、上述のように吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sは、ポンプゲート30の上流において受け止められポンプゲート30に向かうことが抑止される。このためたとえ除塵機40を全閉位置P2に下ろして運転するタイミングが吐出水路上端レベルL3以上であっても、除塵機40の下流で吐出水路20の入口側の吐出水路上端レベルL3より高い水位の水面又は水中における浮遊物Sの滞留が防止できる。従ってポンプ運転に有害となる浮遊物Sがポンプゲート30のポンプに吸い込まれることはなくなる。また除塵機40を下げる際の水位は、吐出水路上端レベルL3より上に設定できるので、操作員の負担を軽減できる。同時に除塵機40の浮遊物抑止位置P3は吐出水路上端レベルL3以上の水位の水流に対向する位置なので、ポンプゲート設備1−2の自然流下能力は阻害されない。
そしてポンプ排水が終わって(吐出水路20側の水位が下がって)、ポンプゲート30を上昇して吐出水路20を開いて自然流下状態に戻し、また除塵機40を浮遊物抑止位置P3まで上昇すれば、通常の状態に戻る。
また水位が吐出水路上端レベルL3からポンプ運転開始水位L2に達しないで、除塵機40を下降することなく(即ちポンプゲート30を下降等することなく)自然流下状態に戻った場合も、除塵機40に止められていた浮遊物Sはそのまま自然流下によって吐出水路20を通過して流されるので、この場合も必要以上の浮遊物Sを除塵機40によって掻き揚げることがなく、ゴミ処理コストを低減できる。
またこのポンプゲート設備1−2の場合、除塵機40の上流側(又は下流側)への設備(上記ポンプゲート設備1−1の浮遊物抑止装置50や、下記するポンプゲート設備1−4の浮遊物捕捉装置90等)の設置が不要になるため、構成が簡素化され、コストの低減化が図れる。
以上説明したようにこのポンプゲート設備1−2によれば、ポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高いポンプゲート設備1−2であっても、ポンプゲート30への浮遊物Sの流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備1−2を提供することができる。
〔第3実施形態〕
図6は本発明の第3実施形態にかかる自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備1−3の全体概略構成図である。同図に示すポンプゲート設備1−3において、前記図1,図5に示すポンプゲート設備1−1,1−2と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1,図5に示すポンプゲート設備1−1,1−2と同じである。図6に示すポンプゲート設備1−3も前記ポンプゲート設備1−2と同様に、吐出水路20を開閉するポンプゲート30と、ポンプゲート30の上流側に設置される除塵機40とを具備し、ポンプゲート30のポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高く、常時の自然流下水位L1の際にはポンプゲート30を引き上げて吐出水路20を開くと共に除塵機40を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位L2の際には除塵機40を引き下げて除塵機40に捕捉される浮遊物Sのポンプゲート30への流入を阻止すると共にポンプゲート30によって吐出水路20を閉じてポンプゲート30に設置したポンプによって強制排水を行うように構成している。
またポンプゲート設備1−3は、前記図5に示すポンプゲート設備1−2と同様に、除塵機40を、少なくとも全閉位置P2と全開位置P1と浮遊物抑止位置P3とで停止する構造に構成している。さらにポンプゲート設備1−3は、除塵機40(さらにポンプゲート30)を自動運転制御する制御手段70と、除塵機40の上下動位置を検出する位置検出機構75と、吸込水路10の水位を検出する吸込水路水位センサ(水位センサ)80と、吐出水路20の水位を検出する吐出水路水位センサ(水位センサ)85とを具備している。
制御手段70は吸込水路水位センサ80と吐出水路水位センサ85と位置検出機構75からの入力信号等を用いて、除塵機40の駆動機構(引き上げ引き下げ動作と掻き揚げ動作を含む)とポンプゲート30の駆動機構(吐出水路20の開閉動作とポンプ運転動作を含む)とを、図7に示す制御フローによってポンプゲート設備1−3が自動的に動作できるように運転制御するものである。
制御手段70によるポンプゲート設備1−3の運転制御方法を予めまとめて簡単に説明すると、吐出水路20の水位(又は吸込水路10の水位)を検出し、その水路の水位が吐出水路上端レベルL3以下の任意の設定レベルL4(L3と同一レベルを含む)より高い水位の場合は浮遊物抑止位置P3に、その水路の水位が前記任意の設定レベルL4より低い水位の場合は前記浮遊物抑止位置P3よりさらに引き上げた全開位置P1になるように運転制御する。そして前記検出された水位がポンプゲート降下水位(ポンプ運転開始水位L2と設定レベルL4の間の任意の水位)よりも上昇した場合は除塵機40を降下して全閉するとともにポンプゲート30も降下して吐出水路20を全閉とし、その後吸込水路10の水位がポンプ運転開始水位L2を超えるとポンプゲート30のポンプを運転して強制排水を行う。
上記制御を図7を用いて説明する。まず吐出水路水位センサ85(又は吸込水路水位センサ80)から吐出水路20の水位(又は吸込水路10の水位)を検出する(ステップ1)。次に前記検出された水位と任意の設定レベルL4(この例では吐出水路上端レベルL3と同一。即ちL3=L4)とを比較し(ステップ2)、前記検出された水位が設定レベルL4以下であれば除塵機40を浮遊物抑止位置P3よりさらに引き上げた全開位置P1になるようにし(ステップ3)、設定レベルL4以上になれば除塵機40を浮遊物抑止位置P3に降下して設定する(ステップ4)。ここでこの例では設定レベルL4を吐出水路上端レベルL3と同一にしたが、設定レベルL4は吐出水路上端レベルL3以下(L3を含む)の所定のレベルであれば良い。次に前記検出された水位がポンプゲート降下水位(ポンプ運転開始水位L2と設定レベルL4の間の任意の水位)よりも上昇した場合は(ステップ5)、除塵機40を降下して全閉・駆動し(ステップ6)、同時に(又はその前後所定時間内に)ポンプゲート30も降下して吐出水路20を全閉とする(ステップ7)。そして吸込水路水位センサ80が検出した吸込水路10の水位がポンプ運転開始水位L2を超えると(ステップ8)、ポンプゲート30のポンプの運転を開始して強制排水を行う(ステップ9)。
つまりこのポンプゲート設備1−3の場合は吸込水路10の水位だけではなく、吐出水路20側の水位の状況も制御の判断材料とし、下流側の水位が所定の任意の設定レベルL4を超えて上昇した場合はポンプゲート30の入口部分の上方に浮遊物Sが滞留する恐れがあるので除塵機40を浮遊物抑止位置P3とし、下流側の水位が所定の任意の設定レベルL4以下の場合はポンプゲート30の入口部分の上方に浮遊物Sが滞留する恐れがないので除塵機40を全開位置P1とし、吸込水路10の水位がポンプ運転開始水位L2を超えた場合は強制排水を行うようにしている。このポンプゲート設備1−3の場合もポンプゲート30の入口部分の上方に浮遊物Sが滞留する恐れがある場合に除塵機40を浮遊物抑止位置P3に設置するので、前記浮遊物Sの滞留が効果的に防止できる。
またこのポンプゲート設備1−3は自動制御なので、除塵機40の操作を操作員が直接行う必要がなくなり、操作員の負担が省力化できると共に、操作員の誤操作・誤判断による操作ミスや操作遅れを防止でき、ポンプゲート30の閉塞等による浸水被害をより確実に防止することができる。
なお上記ポンプゲート設備1−1,1−2においてもこの実施形態のように制御手段70等を設けることで、同様に自動運転するように構成しても良い。
〔第4実施形態〕
図8は本発明の第4実施形態にかかる自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備1−4の全体概略構成図である。同図に示すポンプゲート設備1−4において、前記図1に示すポンプゲート設備1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すポンプゲート設備1−1と同じである。図8に示すポンプゲート設備1−4もポンプゲート設備1−1と同様に、吐出水路20を開閉するポンプゲート30と、ポンプゲート30の上流側に設置される除塵機40とを具備し、ポンプゲート30のポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高く、常時の自然流下水位L1の際にはポンプゲート30を引き上げて吐出水路20を開くと共に除塵機40を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位L2の際には除塵機40を引き下げて除塵機40に捕捉される浮遊物Sのポンプゲート30への流入を阻止すると共にポンプゲート30によって吐出水路20を閉じてポンプゲート30に設置したポンプによって強制排水を行うように構成している。
そしてこのポンプゲート設備1−4において前記ポンプゲート設備1−1と相違する点は、浮遊物抑止装置50を設置する代わりに、ポンプゲート30の上流側(さらにこの実施形態では除塵機40の下流側)に上流側から流れてくる浮遊物Sを捕捉する浮遊物捕捉装置90を設置した点である。このポンプゲート設備1−4においてはさらに浮遊物捕捉装置90の設置位置を、吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sを捕捉する位置としている。なお浮遊物捕捉装置90の設置位置は、場合によっては吐出水路上端レベルL3以上の水位ばかりでなく、吐出水路上端レベルL3以下の水位で流れてくる浮遊物Sをも捕捉する位置としてもよい。
ポンプゲート30及び除塵機40は、上記ポンプゲート設備1−1のポンプゲート30及び除塵機40において説明した内容と同一である。
浮遊物捕捉装置90は、ネット等の変形可能で貫通する開口部(浮遊物Sの外径より小さい内径のもの)を有する部材であって且つ上流側に向けて浮遊物流入口93を設けてなる捕捉部91を具備して構成されている。浮遊物流入口93の下端は、吐出水路上端レベルL3付近(同一又は少し上又は下のレベル)になっていて、前述のように吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sを捕捉するようになっている。即ち捕捉部91は、ネットの一端辺(水流に交叉する方向を向く後端辺)を吸込水路10を構成する構造体(床部分)99の下面側に取り付け、ネットの他端辺(水流に交叉する方向を向く前端辺)を吐出水路上端レベルL3付近であって前記一端辺よりも上流側に位置するようにロープ等の吊下げ具94によって吊下げて構成されている。
吊下げ具94を構成するロープ等は、これを下方向に向けてその長さを伸ばすことができるように長尺に構成され、これによって捕捉した浮遊物Sを吸込水路10に排出する捕捉解除手段95を兼用している。
次にポンプゲート設備1−4の運転方法について説明する。水位が通常の自然流下水位L1のときはポンプゲート30を点線で示す位置(全開位置)まで上昇して吐出水路20を開き、同時に除塵機40を全開位置P1まで上昇(引き上げ)して水面から引き上げ、これによって水を自然流下させる。このとき水の自然流下とともに流れてきた浮遊物Sもそのまま自然流下する。またこのとき設置されている浮遊物捕捉装置90の捕捉部91は水面よりも上方に位置している。
次に水位が上昇して吐出水路上端レベルL3を超えると、捕捉部91の下部が水中に没する。従って吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sは、浮遊物捕捉装置90の浮遊物流入口93から捕捉部91内に捕捉されポンプゲート30に向かうことが抑止される。浮遊物捕捉装置90の捕捉部91は変形可能なネット等で構成されているので、浮遊物Sを容易に捕捉できる。なお吐出水路上端レベルL3以下のレベルで流れてくる浮遊物Sは浮遊物捕捉装置90に抑止されずにそのまま流れていくが、この浮遊物Sはそのまま吐出水路20を通過していくので問題ない。
そしてさらに水位が上昇して吸込水路10の水位が強制排水が必要なポンプ運転開始水位L2にまで上昇すると、除塵機40を実線で示す位置(全閉位置P2)まで下降(引き下げ)してその下部を底面近傍に位置し、除塵機40を駆動してこの除塵機40の前面に捕捉される浮遊物Sを掻き上げ、これによってポンプゲート30側に浮遊物Sが流れていくのを防止する。また所定のタイミング(例えば除塵機40を全閉位置P2まで下降した際にその下流側にある吐出水路上端レベルL3以下の水中を流れている浮遊物Sが全て吐出水路20を通過したタイミング)でポンプゲート30を実線で示す位置まで下降して吐出水路20を閉じると共にポンプゲート30に設置したポンプを駆動することで上流側(吸込水路10側)の水を強制的に下流側(吐出水路20側)に排水する。
このポンプゲート設備1−4においては、上述のようにポンプゲート30の上流側に浮遊物捕捉装置90を設置したので、吐出水路上端レベルL3以上の水位で流れてくる浮遊物Sは、ポンプゲート30の上流において捕捉されポンプゲート30に向かうことが抑止される。このためたとえ除塵機40を全閉位置P2に下ろして運転するタイミングが遅れても、除塵機40の下流で吐出水路20の入口側の吐出水路上端レベルL3より高い水位の水面又は水中における浮遊物Sの滞留が防止できる。従って除塵機40を通過していない浮遊物Sがポンプゲート30のポンプに吸い込まれることはなくなる。同時に浮遊物捕捉装置90による浮遊物捕捉位置は吐出水路上端レベルL3付近以上の水位の水流に対向する位置なので、ポンプゲート設備1−4の自然流下能力は阻害されない。
そしてポンプ排水が終わって(吐出水路20側の水位が下がって)、ポンプゲート30を上昇して吐出水路20を開いて自然流下状態に戻し、また除塵機40を水面から全開位置P1まで上昇すれば、通常の状態に戻る。このとき浮遊物捕捉装置90の捕捉解除手段95を兼用している吊下げ具94のロープ等を図9に示すように下方向に向けて引き伸ばし、これによって捕捉部91のネットの先端辺を下流側に移動して浮遊物流入口93を下方向に向け、捕捉部91に捕捉していた浮遊物Sを捕捉部91から放出して水面(水路)に投入する。水路に投入された浮遊物Sは自然流下によってそのまま吐出水路20を通過して自然流下していく。浮遊物捕捉装置90によって捕捉した浮遊物Sは引き上げる必要がないので、ゴミ処理コスト(ゴミの処理や、操作員の負担等)を低減できる。
以上説明したようにこのポンプゲート設備1−4によれば、ポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高いポンプゲート設備1−4であっても、ポンプゲート30への浮遊物Sの流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備1−4を提供することができる。
図10(a),(b)は他の浮遊物捕捉装置90−2,90−3(浮遊物Sを放出するとき)を示す概略図である。なおこれら浮遊物捕捉装置90−2,90−3において、前記浮遊物捕捉装置90と同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図10(a)に示す浮遊物捕捉装置90−2において前記浮遊物捕捉装置90と相違する点は、吊下げ具94を構成するロープ等を引き伸ばす構造からなる捕捉解除手段95の代わりに、捕捉部91を構成するネットの後端辺を構造体99から引き離して下方に引き下げることができるようにこの後端辺にロープ等の捕捉解除手段95を取り付けた点である。このように構成すれば、図10(a)に示すように捕捉した浮遊物Sを水路に投入する際は、前記捕捉解除手段95を構成するロープ等を伸ばして捕捉部91の後端辺を開放し、これによって捕捉部91に捕捉していた浮遊物Sを水路に放出する。
また図10(b)に示すように浮遊物捕捉装置90の浮遊物流入口93を構成する吊下げ具94を硬質の金属部材等によって構成しておき、その一端部を構造体99にヒンジ等の回動部材98によって回動自在に取り付けておき、捕捉した浮遊物Sを水路に投入する際は、図10(b)に示すように前記吊下げ具94を回動部材98を支点に回動して浮遊物流入口93を下向きにし、この浮遊物流入口93から捕捉部91に捕捉していた浮遊物Sを水路に投入する。
なお上記各浮遊物捕捉装置90,90−2,90−3を用いて浮遊物Sを水路に放出する作業は、操作員の手動でよって行っても良いし、電動機等を使用して自動で行っても良い。
ところで浮遊物捕捉装置90,90−2,90−3の構造は上記各具体例に限定されず、さらに種々の変形が可能である。要は浮遊物捕捉装置は、ネット等の変形可能で開口部を有する部材で構成され且つ上流側に向けて浮遊物流入口93を設けてなる捕捉部91を有し、さらに捕捉部91に捕捉した浮遊物Sを水路に排出する捕捉解除手段95を設ける構造であれば、どのような構造の浮遊物捕捉装置であっても良い。
〔第5実施形態〕
図11は本発明の第5実施形態にかかる自然流下水路と強制排水水路とを共用するポンプゲート設備1−5の全体概略構成図である。同図に示すポンプゲート設備1−5において、前記図1に示すポンプゲート設備1−1と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1に示すポンプゲート設備1−1と同じである。図11に示すポンプゲート設備1−5も前記ポンプゲート設備1−1と同様に、吐出水路20を開閉するポンプゲート30と、ポンプゲート30の上流側に設置される除塵機40とを具備し、ポンプゲート30のポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲート30を引き上げて吐出水路20を開くと共に除塵機40を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位L2の際には除塵機40を引き下げて除塵機40に捕捉される浮遊物Sのポンプゲート30への流入を阻止すると共にポンプゲート30によって吐出水路20を閉じてポンプゲート30に設置したポンプによって強制排水を行うように構成している。
ポンプゲート30及び除塵機40は、上記ポンプゲート設備1−1のポンプゲート30及び除塵機40において説明した内容と同一である。
そしてこのポンプゲート設備1−5において前記ポンプゲート設備1−1と相違する点は、浮遊物抑止装置50を設置する代わりに、除塵機40の運転を好適に制御することで、ポンプゲート30への浮遊物Sの流入を効果的に防止している点にある。
即ちこのポンプゲート設備1−5においては、吐出水路上端レベルL3以下の水位に先行除塵機運転水位L5を設定し、水位がこの先行除塵機運転水位L5に達したときに除塵機40を引き下げて浮遊物Sの下流への流下を阻止すると共に、除塵機40の引き下げから任意の時間経過後にポンプゲート30を降下させるように運転制御している。なおポンプゲート30の引き下げは、除塵機40の引き下げから任意の時間経過後であって且つ水位が先行除塵機運転水位L5より高い所定の水位に達したときに行っても良い。この運転制御は各水位L1,L2,L3,L5を検出する水位検出手段からの入力に基づいて除塵機40とポンプゲート30とを運転制御する運転制御装置を用いて行なう。
次にポンプゲート設備1−5の運転方法について説明する。図12はポンプゲート設備1−5の基本制御フロー図である。なお同図の制御フローは、水位が自然流下水位L1から先行除塵機運転水位L5、吐出水路上端レベルL3を超えてポンプ運転開始水位L2にまで達する場合の制御フローを簡略化して示している。
図12に示すように、水位が通常の水位、即ち先行除塵機運転水位L5以下のときはポンプゲート30を図11の点線で示す位置(全開位置)まで上昇して吐出水路20を開き、同時に除塵機40を全開位置P1まで上昇(引き上げ)して水面から引き上げ、これによって水を自然流下させる(ステップST1,ST2,ST3)。このとき水の自然流下とともに流れてきた浮遊物Sもそのまま自然流下する。
次に水位が上昇して先行除塵機運転水位L5を超えると、除塵機40を下降させて全閉状態として駆動し(ステップST1,ST4)、その前面に捕捉される浮遊物Sの掻き揚げを開始する。従って除塵機40が全閉となった後は除塵機40の上流側の浮遊物Sはポンプゲート30側のポンプ井には入り込まない。次に除塵機40が全閉となった後、任意の設定時間T1だけ時間が経過するのを待つ(ステップST5)。この間はポンプゲート30が上昇したままで吐出水路20が開いているので、除塵機40が降下したときに既に除塵機40と吐出水路20入口の間の水路に浮遊物Sがあった場合でも、水位が吐出水路上端レベルL3に達する前に、この浮遊物Sを確実に吐出水路20に自然流下させることが可能となる。即ち先行除塵機運転水位L5は吐出水路上端レベルL3よりも低いので、下降した除塵機40と吐出水路20入口の間の水路にある浮遊物Sが吐出水路20に自然流下する前にその水位が吐出水路上端レベルL3に達することはなく、従って吐出水路上端レベルL3を超えた後の水位の部分に浮遊物Sが滞留することはない。逆に言えば、吐出水路上端レベルL3を超える水位に浮遊物Sが滞留しないように先行除塵機運転水位L5と設定時間Tとを設定している。
そして前記任意の設定時間T1が経過した後、ポンプゲート30を降下して吐出水路20を閉じる(ステップST6)。そしてさらに吸込水路10の水位が上昇してポンプ運転開始水位L2に達すると、ポンプゲート30のポンプの運転を開始し、上流側(吸込水路10側)の水を強制的に下流側(吐出水路20側)に排水する。
なお図12に示す制御フローにおいては、除塵機40の引き下げから任意の設定時間T1経過後にポンプゲート30を降下させたが、前述のように、除塵機40の引き下げから任意の設定時間T1経過後であって且つ水位が先行除塵機運転水位L5より高い所定の水位に達したときにポンプゲート30を降下させるように制御しても良い。
このポンプゲート設備1−5においては、水位が先行除塵機運転水位L5に達したときに除塵機40を引き下げるので、水位が吐出水路上端レベルL3に達する前に除塵機40から吐出水路20の間にある浮遊物Sは全て吐出水路20から自然流下される。従って浮遊物Sが除塵機40の下流側のポンプ井上部に滞留することはなくなる。
そしてポンプ排水が終わって(吐出水路20側の水位が下がって)、ポンプゲート30を上昇して吐出水路20を開いて自然流下状態に戻し、また除塵機40を全開位置P1まで上昇すれば、通常の状態に戻る。
またこのポンプゲート設備1−5の場合、除塵機40の上流側(又は下流側)への設備(上記ポンプゲート設備1−1の浮遊物抑止装置50や、下記するポンプゲート設備1−4の浮遊物捕捉装置90等)の設置が不要になるため、構成が簡素化され、コストの低減化が図れる。
以上説明したようにこのポンプゲート設備1−5によれば、ポンプ運転開始水位L2が吐出水路上端レベルL3より高いポンプゲート設備1−5であっても、ポンプゲート30への浮遊物Sの流入を効果的に防止でき、これによって経済性、信頼性、安全性に優れたポンプゲート設備1−5を提供することができる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、吸込水路10及び吐出水路20を含む水路全体の構造に種々の変形が可能であることはいうまでもない。即ち例えば図14に示すように、吐出水路20に閉水路を設けずに吐出水路20を直接開水路としても良い。同様にポンプゲート30や除塵機40の形状・構造にも種々の変形が可能である。また上記ポンプゲート設備1−1,1−2,1−4,1−5の運転制御は、手動によって行っても良いし、ポンプゲート設備1−3のように制御手段及び各種センサ等を用いて自動で行っても良い。
また上記各ポンプゲート設備はそれぞれ相互に重複適用が可能である。例えば図1に示す浮遊物抑止装置50や図8に示す浮遊物捕捉装置90を、図5,図6,図11に示すポンプゲート設備1−2,1−3,1−5に設置しても良い。また浮遊物抑止装置50と浮遊物捕捉装置90とを同時に設置しても良い。また図5や図6に示すポンプゲート設備1−2,1−3の除塵機40の動作と図11に示すポンプゲート設備1−5の除塵機40の動作とを併用しても良い。また例えば図1に示す浮遊物抑止装置50の構造として、図8などに示す浮遊物捕捉装置90の構造のものを用いても良い。
ポンプゲート設備1−1の全体概略構成図である。 浮遊物抑止装置50の他の例を示す要部正面図である。 浮遊物抑止装置50のさらに他の例を示す要部正面図である。 浮遊物抑止装置50のさらに他の例を示す概略断面図である。 ポンプゲート設備1−2の全体概略構成図である。 ポンプゲート設備1−2の全体概略構成図である。 ポンプゲート設備1−3の全体概略構成図である。 ポンプゲート設備1−3の運転制御フロー図である。 ポンプゲート設備1−4の全体概略構成図である。 浮遊物捕捉装置90(浮遊物Sを放出するとき)を示す概略図である。 浮遊物捕捉装置90−2,90−3(浮遊物Sを放出するとき)を示す概略図である。 ポンプゲート設備1−5の全体概略構成図である。 ポンプゲート設備1−5の基本制御フロー図である。 ポンプゲート設備400の一例を示す全体概略構成図である。 他の水路構造の一例を示す図である。
符号の説明
1−1 ポンプゲート設備
10 吸込水路
20 吐出水路
30 ポンプゲート
40 除塵機
50 浮遊物抑止装置
57 開口部
S 浮遊物
L1 自然流下水位
L2 ポンプ運転開始水位
L3 吐出水路上端レベル
P1 全開位置
P2 全閉位置
1−2 ポンプゲート設備
P3 浮遊物抑止位置
1−3 ポンプゲート設備
70 制御手段
75 位置検出機構
80 吸込水路水位センサ
85 吐出水路水位センサ
L4 任意の設定レベル
1−4 ポンプゲート設備
90 浮遊物捕捉装置
91 捕捉部
93 開口部
95 捕捉解除手段
1−5 ポンプゲート設備
L5 先行除塵機運転水位

Claims (8)

  1. 吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを具備し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備において、
    前記除塵機の上流に吐出水路上端レベル付近以上の水位の水流に対向する面を有し、吐出水路上端レベル以上の水位で流れてくる浮遊物を受けとめてポンプゲート手前に滞溜することを抑止する着脱可能な浮遊物抑止装置を設置したことを特徴とするポンプゲート設備。
  2. 請求項1に記載のポンプゲート設備において、
    前記浮遊物抑止装置の水流に対向する面に、前記ポンプゲートの許容通過粒径以下の開口部を設けたことを特徴とするポンプゲート設備。
  3. 吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを具備し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備において、
    前記除塵機の引き上げ時の位置を、除塵機先端が吐出水路上端レベル付近(浮遊物抑止位置)となるようにすることで、吐出水路上端レベル付近以上の水位で流れてくる浮遊物を受けとめてポンプゲート手前に滞溜することを防止することを特徴とするポンプゲート設備。
  4. 請求項3のポンプゲート設備において、
    前記除塵機の上下動位置を検出する位置検出機構と、
    水位センサからの信号を用いて除塵機の上下動位置を運転制御する制御手段とを具備し、
    制御手段は、除塵機を、水路の水位が吐出水路上端レベル以下の任意の設定レベルより高い水位の場合は前記浮遊物抑止位置に、水路の水位が前記任意の設定レベルより低い水位の場合は前記浮遊物抑止位置よりさらに引き上げた全開位置になるように運転制御することを特徴とするポンプゲート設備。
  5. 吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを具備し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備において、
    前記ポンプゲートの上流側に、上流側から流れてくる浮遊物を捕捉する浮遊物捕捉装置を設置したことを特徴とするポンプゲート設備。
  6. 請求項5に記載のポンプゲート設備において、
    前記浮遊物捕捉装置は、ネット等の変形可能で開口部を有する部材で構成され且つ上流側に向けて浮遊物流入口を設けてなる捕捉部を有し、さらに捕捉部には捕捉した浮遊物を水路に排出する捕捉解除手段を設けたことを特徴とするポンプゲート設備。
  7. 吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを設置し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備の運転方法において、
    吐出水路上端レベル以下の水位に先行除塵機運転水位を設定し、水位が先行除塵機運転水位に達したときに除塵機を下げて浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共に、除塵機引き下げから任意の時間経過後か、或いは除塵機引き下げから任意の時間経過後であって且つ水位が先行除塵機運転水位より高い所定の水位に達したときにポンプゲートを降下させることを特徴とするポンプゲート設備運転方法。
  8. 吐出水路を開閉するポンプゲートと、ポンプゲートの上流側に設置される除塵機とを設置し、ポンプゲートのポンプ運転開始水位が吐出水路上端レベルより高く、常時の自然流下水位の際にはポンプゲートと共に除塵機を引き上げて自然流下を行い、ポンプ運転開始水位の際には除塵機を引き下げて除塵機に捕捉される浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共にポンプゲートによって吐出水路を閉じてポンプゲートに設置したポンプによって強制排水を行うポンプゲート設備の運転制御装置において、
    吐出水路上端レベル以下の水位に先行除塵機運転水位を設定し、水位が先行除塵機運転水位に達したときに除塵機を下げて浮遊物のポンプゲートへの流入を阻止すると共に、除塵機引き下げから任意の時間経過後か、或いは除塵機引き下げから任意の時間経過後であって且つ水位が先行除塵機運転水位より高い所定の水位に達したときにポンプゲートを降下させることを特徴とするポンプゲートの運転制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101439225B1 (ko) * 2013-07-08 2014-09-11 주식회사 한성산업 수로 개폐형 협잡물 제진장치
KR101458768B1 (ko) * 2014-06-13 2014-11-07 (주)디케이엠엔이 협잡물의 초기 신속 제거를 위한 수위 연동형 협잡물 제거용 제진기 및 이를 이용한 협잡물 제거 방법
CN110644430A (zh) * 2019-07-30 2020-01-03 北京东方园林环境股份有限公司 一种复合型生态护岸结构及其构建方法
CN112609641A (zh) * 2021-01-26 2021-04-06 深圳市彬海商贸有限公司 一种水利闸门开闸时防止漂流物体冲击闸门的保护装置

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