JP2012196148A - 粉末べにふうき茶葉を含有する茶飲料 - Google Patents

粉末べにふうき茶葉を含有する茶飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】茶由来成分のみで製造される茶飲料であって、茶本来の風味を有しながら、雑味を伴わない苦渋味を有する茶飲料を提供する。
【解決手段】べにふうきの粉末茶葉を茶抽出液に添加することにより、茶本来の持つ風味を維持しながら、カテキン量を上げることなく雑味を伴わない苦渋味を付与することができる。特に、茶抽出液ベースが緑茶抽出液であり、微細に粉砕されたべにふうきの粉末茶葉を添加することにより、雑味を伴わない苦渋味を有し、香味に優れた緑茶飲料が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末べにふうき茶葉を含有する茶飲料に関する。より詳細には、粉末べにふうき粉茶葉を含有することによりしっかりとした苦渋味が付与されているにも関わらず、雑味の増加が抑制されている緑茶飲料に関する。本発明は、飲料製造の分野において、有用である。
近年、缶やペットボトルなどの容器に充填された容器詰め茶飲料が多く開発、市販されており、特に、緑茶飲料の市場が拡大している。市場の拡大とともに、このような容器詰め茶飲料に対する消費者の嗜好は高まってきている。
茶飲料に関しては、沈殿防止、香味改良等の観点から、いくつかの技術が提案されている。例えば、特許文献1は、マグネシウム濃度及び粒子径0.2〜0.8μmの水不溶性固形分の量をコントロールすることにより、長期保存してもおりや沈殿が生じることがなく、茶本来の風味を損なわない飲料を提案する。また特許文献2は、生体機能性の高いカテキンの濃度を高濃度に維持しつつ、風味が改善され、かつオリの発生などに関する品質を改善したものとして、エステル型カテキン量と遊離型カテキン量の比率を調整することを特徴とする飲料の製造方法を提案する。
一方、茶飲料の原料として抹茶等の粉末緑茶葉を利用することにより、茶飲料中の呈味等を改善する方法が知られている。例えば、特許文献3は、香味、滋味ともに優れた茶飲料の製造方法として、常温又は温水で微粉末茶を抽出し、酸化防止剤を添加する抽出ステップと、前記抽出液中の、微粉末茶の大粒子成分を遠心分離して除去するステップとを有するものを提案する。また、特許文献4は、緑茶抽出に伴って生じる微粒子を、100%分離可能な最小粒径が0.5〜5μmの条件で除去して、濁度をOD720で0.05未満とした透明緑茶抽出液に、緑茶粉末を添加して濁度をOD720で0.05〜3.00としたことを特徴とする緑茶飲料を提案する。粉末茶葉は、特に旨味及びコク味の付与に有用であると考えられており、例えば、特許文献5は、茶由来成分のみで製造される茶飲料であって、茶本来の旨味・コク味を有し、かつ豊かな香りを有するものとして、ほうじ茶の粉末茶葉を茶抽出液に添加した茶飲料を提供する。
他方、特許文献6は、加熱殺菌及び長期保存を伴う容器詰茶飲料において、旨味やコク味が強く、かつ、渋味、雑味の抑えられた緑茶飲料を提供するためのものとして、10〜90重量%の碾茶を含む原料茶葉を45℃以下の水で抽出し、碾茶含有茶葉の抽出液を得る工程と、前記抽出液に加熱殺菌処理を行う工程とを含む、容器詰茶飲料の製造方法を提案する。ここで得られる雑味の少ない碾茶の冷水抽出液は、渋味成分であるカテキン類が低濃度で、かつ旨味成分であるアミノ酸を高濃度に含有することが確認されている。
特開2004-289(特許第3532914) 特開2006-271401 特開平11-276074 特開平8−163958(特許第2981137) 特開2009-219447 特開2011-010640
カテキン類については、渋みを抑えるために、特許文献6のように、低濃度に抑えようとする志向もあるが、仕事の最中や合間に気分をすっきりさせ、リフレッシュしたいという消費者においては、緑茶により強い苦渋味を付与したような飲料が望まれている。このような観点からは、緑茶飲料において、カテキン類の含量を増加させて、苦味と渋みを強化することが有効であるように思われた。しかしながら、カテキン類の量を多くすると、苦渋味が強化されるが、それにともなって雑味も多くなることが分かった。
本発明者らは、緑茶飲料において、雑味をともなわずに苦渋味を強化するためには、紅茶の品種から育種された「べにふうき」の利用が有効ではないかと考えた。そこで、べにふうき茶葉の抽出液を緑茶に添加してみたが、意外なことに苦渋味は強化されなかった。次いで、べにふうき茶葉の微粉末を用いてみたところ、驚くべきことに苦渋味が強化され、しかも雑味が少ない緑茶飲料が実現されうることを見出した。これは、緑茶の微粉末を用いた場合には、雑味は少ないものの苦渋味が強化されないことと比較しても、予想外であった。
本発明は以下を提供する。
[1] カテキン類を200ppm〜1800ppmで含む、べにふうきを除く茶から選択される1種又は2種以上の茶葉の抽出液に、粉末べにふうき茶葉を混合して得られる、茶飲料。
[2] べにふうきを除く茶から選択される1種又は2種以上の茶葉の抽出液が、緑茶抽出液である、[1]に記載の茶飲料。
[3] 茶飲料中、粉末べにふうき茶葉0.001〜0.5重量%を含む、[1]又は[2]に記載の茶飲料。
[4] 粉末べにふうき茶葉をそのまま又は水に懸濁して混合する、[1]〜[3]のいずれか一に記載の茶飲料。
[5] 粉末べにふうき茶葉の平均粒子径が、100μm以下である、[1]〜[4]のいずれか一に記載の茶飲料。
[6] ゲル濾過クロマトグラフィーの紫外線吸収400nmにより検出される分子量30万以上の可溶性高分子画分を0.01μg/ml以上(色素換算量)含有する、[1]〜[5]のいずれか一に記載の茶飲料。
[7] 茶飲料が容器詰め茶飲料である、[1]〜[6]のいずれか一に記載の茶飲料。
[8] 緑茶飲料の苦渋味を増強するであって、粉末べにふうき茶葉を添加することによる、方法。
本発明によると、雑味をともなわない苦渋味の強化された緑茶飲料を得ることができる。
(粉末べにふうき茶葉)
本発明は、粉末べにふうき茶葉を用いる。
茶品種「べにふうき」は、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所にて育成され、1993 年に命名、茶農林44号として登録された。べにふうき茶葉にはメチル化カテキン類が多く含まれていることが知られている。なお、メチル化カテキン類が通常のカテキン類よりも苦いという報告はない。
本発明では、緑飲料に、雑味を伴わない苦渋味を付与するために、粉末べにふうき茶葉を用いる。原料であるべにふうき茶葉は、茶飲料製造に供することが許容される程度に、焙じられていてもよく、また焙じられていることが好ましい。また、本発明における粉末べにふうき茶葉とは、べにふうき茶葉を粉末状にしたものをいい、例えば、抹茶と同様に乾燥茶葉を小片にして石臼等で挽いて粉にして製造される。
本発明の粉末べにふうき茶葉は、製造の際に、べにふうき茶葉の細胞壁が破壊される程度の粉砕を行うことによって、このような粉砕を行わない茶葉抽出物では得られない成分を茶飲料中に溶出させることを特徴とするものである。したがって、べにふうき茶葉を数ミリ程度に切断しただけの粉砕茶葉、すなわち、細胞壁が破壊される程度にまでは粉砕されていない茶葉は、本発明の粉末べにふうき茶葉としては適当ではない。
本発明の粉末べにふうき茶葉の製造方法は、細胞壁が破壊される程度に粉砕されるものであれば、その粉砕方法は、石臼挽き、機械挽き、凍結粉砕等を問わない。ただし、粉砕時の発熱によって茶葉の品質が低下することを極力抑える観点から、石臼挽き、凍結粉砕を採用することが好ましい。このようにして製造される粉末べにふうき茶葉の平均粒子径は、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、より好ましくは20μm以下である。
本発明の緑茶飲料には、茶葉の細胞壁中の可溶性高分子画分に含まれる、グリセロ糖脂質及びクロロフィルを含有する。グリセロ糖脂質とは、グリセロール分子を骨格として、糖残基と、脂肪酸などのアシル基が結合した糖脂質の一種であり、分子内に親水性の糖残基と疎水性のアシル基を持つ両親媒性物質である。可溶性高分子画分中、グリセロ糖脂質は、コロイド分散系として存在していると考えられる(前掲非特許文献5参照)。
本発明において「可溶性高分子画分」というときは、特に記載した場合を除き、メンブレンフィルター(孔径0.45μm、十慈フィールド株式会社 水系未滅菌13A)にて茶葉の溶媒抽出物又は茶飲料を濾過したときにメンブレンフィルターを通過した通過液を、ゲル濾過クロマトグラフィーに供し、紫外線吸収400nmで保持時間約6分に検出されるボイド成分をいう。本発明者らの検討によると、ゲル濾過クロマトグラフィーの紫外線吸収400nmにより検出される分子量30万以上の可溶性高分子画分は、粉末べにふうき茶葉由来成分として含まれる。可溶性高分子画分は、茶飲料全体に対して0.01μg/ml(黄色4号色素換算)、好ましくは0.025μg/ml以上、より好ましくは0.05μg/ml以上、含有される。
本発明の茶飲料は、ベースとなる茶抽出液に粉末べにふうき茶又は粉末べにふうき懸濁液を混合することにより製造されるものである。べにふうき茶(べにふうき茶抽出液)、顆粒状のべにふうき茶(べにふうき茶抽出液を顆粒状にしたもの)及び粉末べにふうき茶葉を湯で溶かしたものが、カテキン量に応じて苦渋味を有することは知られている(村松敬一郎著『茶の科学 (シリーズ「食品の科学」)』)。しかし、粉末べにふうき茶葉を茶抽出液、特に緑茶抽出液に添加したときに、カテキン量によらず苦渋味を付与することができ、かつ雑味を伴わないことは本発明により初めて見出された知見である。
(茶抽出液ベース)
ベースとなる茶抽出液としては、ツバキ属植物(学名:Camellia sinensis)に属する樹木の生葉、もしくは、それを加工して得られる不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、後発酵茶の抽出液であればどのようなものでも構わないが、不発酵茶本来の自然なグリーンをイメージする香味を楽しむ緑茶葉を用いることが好ましい。具体的には、煎茶、深蒸し茶、玉露、茎茶、かぶせ茶、玉緑茶、碾茶、番茶、玄米茶、釜炒り茶のうちの一種または2種以上の茶葉が選択される。特に好ましいのは、煎茶及び/又はかぶせ茶である。これら茶葉の抽出液を得るための抽出条件は、特に限定されないが、茶飲料中のカテキン類量、アミノ酸量が上述の範囲内となるように、茶抽出液を得ることが好ましい。
本発明において、「カテキン類」というときは、特に記載した場合を除き、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート又はこれらのいずれかの混合物をいい、カテキン類の含量をいうときは、特に記載した場合を除き、これらの総量を指す。
本発明においては、茶抽出液には、抽出時又は抽出後に、L-アスコルビン酸等の酸化防止剤や、炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤を添加してもよい。
(茶飲料)
茶抽出液ベースに、粉末べにふうき茶葉を添加して混合することにより、本発明の茶飲料は製造される。粉末べにふうき茶葉の配合割合は、所望する香味等により適宜設定すればよいが、茶飲料に、雑味をともなわない苦渋味を付与するとの観点からは、茶飲料中、粉末べにふうき茶葉として0.001〜0.5重量%、好ましくは0.005〜0.4重量%、より好ましくは0.01〜0.3重量%、さらに好ましくは0.01〜0.2重量%、最も好ましくは0.01〜0.1重量%程度である。0.001重量%未満であると、苦渋味を増強する作用が十分に得られず、また0.5重量%を超えて配合すると、べにふうき茶の独特な風味が強くなり、緑茶本来のグリーンな香りが損なわれることになる。上限値は、沈殿、オリの防止の観点から定めることもできる。
粉末べにふうき茶の苦渋味増強効果は、その抽出温度にはほとんど影響されないが、高圧ホモジナイザー処理を施すことによって、大きく増大することがわかっている。したがって、本発明の茶飲料の好ましい製造方法は、以下の工程;1)べにふうき茶葉の細胞壁を破壊して粉末べにふうき茶葉を得る工程、2)前記粉末べにふうき茶葉に水又は茶抽出液を混合して粉末茶葉の懸濁液を得る工程、及び3)前記懸濁液に高圧ホモジナイザー処理を施す工程、を含む工程により製造することが好ましい。なお、上記工程2)において、水を混合する場合は、高圧ホモジナイザー処理後の懸濁液を別途調製した茶抽出液に添加することで、茶飲料が製造できる。
粉砕されたべにふうき茶葉が水又は茶抽出液に懸濁された状態のべにふうき茶葉懸濁液に、さらに高圧ホモジナイザーで微粉砕処理を施すと、苦渋味増強効果が増加する。したがって、高圧ホモジナイザーによる湿式粉砕処理工程(工程3)を行うことが好ましい。なお、ここでいう高圧ホモジナイザーとは、微細な隙間から液を高圧下に高速で噴出することにより発生するせん断力、キャビテーション等により、乳濁液滴や懸濁粒子を超微細化する装置をいう。本発明の粉末べにふうき茶においては、高圧ホモジナイザーでなくても、粉砕茶葉をさらに微粉砕する手段であれば、どのようなものでも使用できる。高圧ホモジナイザーを使用する場合、その圧力は特に制限されないが、圧力が高いほど可溶性画分の溶出量が増加する傾向にあることから、50kg/cm2以上、好ましくは100kg/cm2以上、より好ましくは200kg/cm2以上である。このような条件で茶葉の微粉砕を行うと、通常、茶葉の平均粒子径は0.1μm〜1μm、好ましくは0.3μm〜1μm程度となる。
さらに、上記工程3)の後に、遠心分離や濾過のような分離処理(清澄化処理)によって不溶性固形分を除去することにより、粉砕茶葉組織の微細片や緑茶粒子等の不溶性固形分によるざらつきや後味の悪さを改善することができ、保存中の沈殿を抑制することもできる。
清澄化処理の方法は特に限定されないが、簡便性から、遠心分離を用いることが好ましい。遠心分離等の分離処理条件は、適宜設定すればよいが、茶飲料の680nmにおける吸光度が0.25以下となるような分離処理条件とすることで、雑味のない茶飲料となり、本発明による作用、すなわち苦渋味の増強をより一層感じられる茶飲料となる。このような遠心分離条件としては、具体的には、粒子径1μmを越える不溶性固形分粒子の大部分が除去されるような分離処理である。ここで大部分とは、50%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは99%以上を表す。
(容器詰茶飲料)
本発明により得られる茶飲料は、殺菌工程や保存工程を経ても、雑味を伴わない苦渋味は維持される。したがって、本発明の茶飲料は、容器詰飲料として好適に提供されるものである。容器詰飲料は、茶飲料を殺菌して容器に充填する、又は容器に充填した後に加熱殺菌(レトルト殺菌等)を行うことで、製造される。例えば缶飲料とする場合には、上記調合液を缶に所定量充填し、レトルト殺菌(例えば、1.2mmHg、121℃、7分)を行い、ペットボトルや紙パック、瓶飲料とする場合には、例えば120〜150℃で1〜数十秒保持するUHT殺菌等を行い、所定量をホットパック充填或いは低温で無菌充填する。本発明の容器詰茶飲料は、香味の良好な茶飲料であるから、無菌充填を行うのが最も好ましい態様である。
なお、容器としては、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。
(苦渋味、雑味の評価)
本発明により製造された茶飲料は、粉末べにふうき茶葉を用いることで、粉末紅風紀茶葉を用いる点でのみ異なる茶飲料に比べて、雑味が少なく、苦渋味が増強されている。対象となる茶飲料についての苦渋味(苦味及び渋味)及び雑味の評価は、当業者であれば適宜行うことができる。例えば、訓練されたパネラー1名以上に、必要であれば、対照としてカテキン類の量が1000ppmである緑茶(通常、苦渋味を感じることができるが、雑味も感じる。)を準備し、対象茶飲料を実際に喫飲させ、5段階程度で採点させることにより、評価することができる。より詳しい評価のための手法及び基準は、本明細書の実施例を参考にすることができる。
以下、実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[粉末べにふうき茶葉、及びその懸濁液の製造]
べにふうき茶葉を小片にし、茎を除いたものを石臼で挽いて、平均粒子径(メジアン径)12μmの粉末べにふうき茶葉(D1)を得た。平均粒子径の測定は、島津製作所レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000にて実施した。これを約80倍(重量)の水に懸濁させ、この懸濁液を高圧ホモジナイザーにより15MPaの圧力で処理した。次いで、遠心分離処理(6000rpm、10分)することにより粉砕茶組織やべにふうき茶粒子などの粗大な固形分を除去して、粉末べにふうき茶葉懸濁液(D2)を得た。
これを飲用したところ、苦渋味は強いものの、緑茶特有の風味に欠け、バランスの悪いものであった。
[茶飲料の製造]
以下の処方により6種類の茶飲料(比較例1〜4、本発明1〜2)を製造した。これら6種類の茶飲料について、専門パネラー5名により苦渋味、雑味、総合的な好ましさについて5段階で評価し、その平均点を算出した。
比較例1(ベース抽出液A)
煎茶葉2.0gを200mLの水(90℃)で5分間抽出、水でメスアップし、カテキン類が800ppmになるように調整。
比較例2(ベース抽出液A')
煎茶葉2.0gを200mLの水(90℃)で5分間抽出、水でメスアップし、カテキン類が1000ppmになるように調整。
比較例3(ベース抽出液A+べにふうき茶抽出液B)
べにふうき茶葉2.0gを200mLの水(90℃)で5分間抽出したもの(B)と、(A)を混合、水でメスアップし、カテキン類を800ppm、及び茶飲料100ml中にべにふうき茶葉0.1g相当の抽出液を含むように調整。
比較例4(べース抽出液A+抹茶懸濁液C)
抹茶を用いる以外は上述の粉末べにふうき茶葉懸濁液(D2)と同様にして製造した抹茶懸濁液(C)と、(A)を混合、水でメスアップし、カテキン類800ppm及び抹茶0.1重量%を含むように調整。
本発明1:(ベース抽出液A+粉末べにふうき茶葉D1)
上述の粉末べにふうき茶葉(D1)と、(A)を混合、水でメスアップし、カテキン類800ppm及び粉末べにふうき茶葉0.1重量%を含むように調整。
本発明2:(ベース抽出液A+粉末べにふうき茶懸濁液D2)
実施例1の粉末べにふうき茶葉懸濁液(D2)と、(A)を混合、水でメスアップし、カテキン類800ppm及び粉末べにふうき茶葉0.1重量%を含むように調整。
結果を表1に示す。本発明1〜2は、苦渋味、雑味、総合評価の項目において好ましいものであった。また、この評価結果より、以下のことが示唆された。
比較例2と本発明1〜2より、カテキン量を上げることで苦渋味は増強されるが、雑味を伴う。粉末べにふうき茶葉を用いることで、苦渋味が増強されるが雑味を伴わないこと。
比較例4と本発明2より、粉砕茶葉(懸濁液)を用いることで、雑味はないが、苦渋味は、抹茶を用いた場合(比較例5)よりもべにふうき茶葉(本発明2)を用いた場合の方が増強されること。
本発明1と本発明2より、べにふうき茶葉を用いることで雑味を伴わず苦渋味の増強を図ることができるが、高圧ホモジナイザー処理により、より一層その作用が増強され、さらに遠心分離処理により雑味が減少すること。
(HPLC分析条件)
分析装置:東ソー株式会社、TOSOH HPLCシステム LC8020 model II[マルチステーション:LC−8020、ポンプ:CCMC−II、オートサンプラ:AS−8021、検出器:UV−8020、カラムオーブン:CO−8020、オンラインデガッサ:SD−8023]
分析条件:[カラム:TSKgel ODS−80Ts QA(TOSOH社、内径4.6mm×長さ150mm)、溶離液A:[10%アセトニトリル/水]+0.05%TFA、溶離液B:[80%アセトニトリル/水]+0.05%TFA、流速:1.0ml/min、温度40℃、検出:UV275nm]
グラジエント条件:

Claims (8)

  1. カテキン類を200ppm〜1800ppmで含む、べにふうきを除く茶から選択される1種又は2種以上の茶葉の抽出液に、粉末べにふうき茶葉を混合して得られる、茶飲料。
  2. べにふうきを除く茶から選択される1種又は2種以上の茶葉の抽出液が、緑茶抽出液である、請求項1に記載の、茶飲料。
  3. 茶飲料中、粉末べにふうき茶葉0.001〜0.5重量%を含む、請求項1又は2に記載の茶飲料。
  4. 粉末べにふうき茶葉をそのまま又は水に懸濁して混合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の茶飲料。
  5. 粉末べにふうき茶葉の平均粒子径が、100μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の茶飲料。
  6. ゲル濾過クロマトグラフィーの紫外線吸収400nmにより検出される分子量30万以上の可溶性高分子画分を0.01μg/ml以上(色素換算量)含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の茶飲料。
  7. 茶飲料が容器詰め茶飲料である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の茶飲料。
  8. 緑茶飲料の苦渋味を増強するであって、粉末べにふうき茶葉を添加することによる、方法。
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