JP2010148414A - 茶抽出液の製造方法 - Google Patents

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拓三 園田
Haruhito Michida
晴仁 道田
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Abstract

【課題】膨潤度が低く抽出し難い茶を用い、茶の持ち味を損なうことなく香味豊かな茶抽出液を製造する方法を提供する。
【解決手段】下記の工程を含む茶抽出液の製造方法。(1)膨潤度1〜1.7の茶であって、粒子径125〜5600μmに粉砕した茶をカラム型抽出機内に装着された茶保持板上に仕込む工程と、(2)該抽出機内に抽出用水を供給し該抽出用水と茶を接触させる工程と、(3)茶抽出液を排出する工程、工程(2)において、茶仕込み時の茶高さh1と茶保持板上面からの抽出用水の高さh2との比(h2/h1)が0.2〜7となる所定の高さまで抽出用水を供給する。
【選択図】図2

Description

本発明は茶抽出液の製造方法に関する。
従来、茶成分の抽出効率を向上させた茶抽出液の製造方法として、例えば、緑茶葉を水中で細かく裁断・破裁・磨裁してスラリーを得、そのスラリーから茶葉の微粒子を分離・除去して茶抽出液を得る方法(特許文献1)、あるいは温度100〜230℃の常圧高温加湿熱風で1〜30分間処理し乾燥した緑茶葉を微粉砕し、得られた緑茶粉末を攪拌抽出する方法(特許文献2)等が知られている。また、生茶葉をCTC処理し水分含有量が20%以下になるまで乾燥した後に抽出する方法が知られている(特許文献3)。更に、葉茶を粉砕した粉砕葉茶を、コーヒー抽出用ドリッパーで抽出する方法が知られている(特許文献4)。
特開平3−108444号公報 特開2001−161271号公報 特開2007−89576号公報 特開2005−245696号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の方法においては、膨潤度が高く茶成分が抽出されやすい緑茶葉を粉砕して抽出するため雑味が強くなりやすく、更に粉末状茶葉を水中に分散或いは攪拌して抽出するためアロマ成分が逸脱しやすいという問題がある。また、特許文献3に記載の方法においては、生茶葉をCTC処理装置という特殊な装置を用いて処理するため生産設備上の制約が大きく、また苦味、渋味、甘味、香りをバランスさせるのが容易でないという問題がある。さらに、特許文献4に記載の方法においては、粉砕茶葉への抽出用水の供給が上方から下方(下降流)のみであるため粉砕した茶葉の間に含まれる空気が抜けにくく、所謂エアーポケットが発生して偏流を起こしやすいため一定の品質を確保し難いという問題がある。
したがって、本発明の課題は、膨潤度が低く抽出し難い茶を用い、茶の持ち味を損なうことなく香味、旨味・甘味が豊かな茶抽出液を製造する方法を提供することにある。本発明の課題はまた、当該製造方法により得られた茶抽出液を用いた容器詰茶飲料を提供することにある。
本発明者らは、膨潤度1〜1.7の茶を粒子径125〜5600μmに粉砕しカラム型抽出機を用いて抽出することにより、茶の持ち味を損なうことなく香味、旨味・甘味が豊かな茶抽出液が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の工程;
(1)膨潤度1〜1.7の茶であって、粒子径125〜5600μmに粉砕した茶をカラム型抽出機内に装着された茶保持板上に仕込む工程と、
(2)該抽出機内に抽出用水を供給し該抽出用水と茶を接触させる工程と、
(3)茶抽出液を排出する工程
を含む茶抽出液の製造方法を提供するものである。
本発明はまた、上記製造方法により得られた茶抽出液を用いた容器詰茶飲料を提供するものである。
本発明によれば、膨潤度が低く抽出し難い茶を用いて、非重合体カテキン類の抽出効率が高く、しかも茶が有するアロマ成分を十分に確保した香味、旨味・甘味の豊かな茶抽出液を、簡便な作業で安定に製造することができる。また、当該茶抽出液を用いることで、非重合体カテキン類を大量に摂取でき、風味の良好な飲みやすい容器詰茶飲料を提供することができる。
本発明の茶抽出液の製造方法は、工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。以下、各工程について説明する。
[工程(1)]
工程(1)は、膨潤度1〜1.7の茶であって、粒子径125〜5600μmに粉砕した茶をカラム型抽出機内に装着された茶保持板上に仕込む工程である。
本発明に使用される茶は、膨潤度1〜1.7の茶であるが、非重合体カテキン類の抽出効率及びアロマ成分の確保の点から、膨潤度が1〜1.6、更に1.1〜1.6、特に1.2〜1.5の茶が好ましい。また、本発明に使用される茶としては、酵素不活性化処理工程、更に乾燥工程を含む工程により処理されたものを用いてもよい。ここで、本発明において、「膨潤度」とは、仕込んだ茶の高さhAと、抽出用水に接触させた後の茶の高さhBとの比率(hB/hA)をいい、具体的には、後掲の実施例に記載の測定方法により得られるものをいう。また、「酵素不活性化処理工程」とは、茶の発酵を防止するための処理をいい、具体的には、蒸熱処理、熱湯浸漬、釜入り処理等が挙げられる。蒸熱処理又は熱湯浸漬の条件は、90〜120℃で10秒〜3分が好ましく、釜入り処理の条件は300〜400℃で5〜20分が好ましい。中でも、熱履歴による風味変化防止の観点から、蒸熱処理、熱湯浸漬が好ましい。また、「乾燥工程」とは、「酵素不活性化処理工程」後の茶に含まれる水分を除去するための処理をいい、具体的には、水分含有量が20質量%以下になるまで加熱処理される。乾燥条件は、例えば、蒸熱処理された茶の場合、50〜200℃で10分〜1時間である。
また、本発明に使用される茶は、粒子径125〜5600μmに粉砕したものであるが、茶の粒子径は125〜4000μmが好ましく、更に特に125〜3350μm、特に125〜2000μmが好ましい。ここで、本発明において、「粒子径」とは、JIS標準篩を用いた振動篩い分けにより得られたサイズをいい、具体的には、後掲の実施例に記載の測定方法により得られるものをいう。このような粒子径の茶を使用することで、カラム型抽出機内において茶の閉塞が起こり難く、また香味、旨味・甘味、味の濃さに優れる茶抽出液を得ることができる。なお、このような粒子径の茶は、茶を粉砕装置により粉砕した後、分級装置により分級して得ることができる。
茶の粉砕に使用する粉砕装置は特に制限はなく、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ジェットミル、インパクトミル、ウィレー粉砕機等を単独で又は組み合わせて用いることができる。中でも、カッターミル好ましく、例えば、市販品として(株)ホーライ製のZI−420型、SR−360型等を使用できる。
また、粉砕された茶の分級に使用する分級装置は特に制限はなく、例えば、エアーシフター、電磁振動式篩分器、超音波振動篩分器等を用いることができる。
カラム型抽出機としては、内部に茶を保持するための茶保持板と、抽出用水の供給口と、茶抽出液の抜き出し口とを備えるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、カラム型抽出機の上部から抽出用水を供給するタイプ、下部から抽出用水を供給するタイプ、あるいは双方から抽出用水を供給可能なタイプ等が利用できる。
カラム型抽出機としては、例えば、図1に示すような閉鎖型のカラム型抽出機を用いることができる。図1に示す抽出機1は、抽出機1の下部から抽出用水を供給するためのバルブ2と、抽出機1の上部から抽出用水を供給するためのシャワーノズル3と、茶抽出液を抜き出すためのバルブ4とを備えている。シャワーノズル3は、抽出用水が茶上面に対して均一に噴霧されるようにノズル角度、高さが調整できる機構を有するものが好ましい。カラム型抽出機としては、例えば、市販品として三友機器(株)製のSK−EXT10、SK-EXT−15や、(株)イズミフードマシナリ製のTEX1512、TEX2015等を使用できる。
抽出機1内には茶を保持するための茶保持板5が装着されているが、茶保持板としては茶と茶抽出液とを分離できるものであれば特に限定されるものではない。茶保持板としては、金網(メッシュ)が好ましく、フラット、円錐状、角錐状等の形状のものを用いることができる。また、金網のメッシュサイズは、実質的に仕込んだ茶と茶抽出液との分離の点から、18〜100メッシュであることが好ましい。
使用される茶としては、抽出発酵度合いとして不発酵茶、半発酵茶、発酵茶が挙げられるが、中でも不発酵茶が好ましい。不発酵茶としては、Camellia属、例えば、C.sinensis、C.assamica、やぶきた種、及びそれらの雑種から選択される茶から製茶された、茎茶、棒茶、芽茶、番茶、碾茶、釜入り茶等の緑茶類が挙げられる。茎茶としては茶の茎の部分であって通常茎茶として用いられているものが挙げられ、芽茶としては未だ葉にならない柔らかい芽の部分であって通常芽茶として用いられているものが挙げられる。半発酵茶又は発酵茶としては、Camellia属、例えば、C.sinensis、C.assamica、やぶきた種、及びそれらの雑種から選択される茶から半発酵又は発酵工程を経て製茶された、紅茶、烏龍茶、黒茶等が挙げられる。なお、本発明で使用する茶としては、茎茶、芽茶、番茶、碾茶、棒茶及びほうじ茶から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの茶の膨潤度の一例を挙げると、例えば、茎茶は1.4、碾茶は1.1、棒茶は1.2〜1.3、ほうじ茶は1.6である。
また、使用される茶は、火入れ加工が施されていてもよい。火入れは、例えば、120〜300℃、更に170〜230℃の温度で、1〜15分、更に1〜10分加熱するのが苦味抑制効果及び風味の点から好ましい。
茶を仕込む際には、高さが略均一になるように茶上面を平らにならすことが好ましく、複数種の茶を用いる場合には、各茶が層状になるように、第1の茶を仕込み、高さが略均一になるように茶上面を平らにならし、次いで第1の茶を覆うように第2の茶を仕込み、高さが略均一になるように茶上面を平らにならすという操作を繰り返し行うことが好ましい。なお、複数種の茶を用いる場合、膨潤度の低い茶から順に茶保持板上に積層することが好ましい。
また、使用する茶は、粉砕茶だけでなく未粉砕茶や膨潤度1.7より高い茶を併用してもよいが、この場合、粉砕茶を最下層に仕込んでから各茶を順次層状に仕込むことができる。更に、粉砕茶と、未粉砕茶や膨潤度1.7より高い茶を別々に抽出して混合してもよい。
使用する茶は1〜4種類が好ましく、特に2〜3種類が好ましい。また、膨潤度の異なる同一種の茶を用いてもよい。茶を併用する場合の好ましい組み合わせとしては、例えば、ほうじ茶と煎茶、棒茶と煎茶、茎茶と煎茶、番棒ほうじ茶と煎茶、ほうじ茶と芽茶と煎茶が挙げられる。
[工程(2)]
工程(2)は、抽出機内に抽出用水を供給する工程である。これにより、茶と抽出用水とを接触させて茶抽出液を得ることができる。
抽出用水としては、水道水、蒸留水、イオン交換水等を適宜選択して使用することができるが、味の面からイオン交換水が好ましい。また、抽出用水に、アスコルビン酸又はその塩、重曹等を添加してもよい。
抽出用水の温度は、非重合体カテキン類の抽出効率及び風味の観点から、30〜95℃が好ましく、更に35〜95℃、特に45〜90℃であることが好ましい。
抽出用水の線速度[流量(L/min)/カラム断面積]は、10〜120mm/minが好ましく、更に10〜100mm/min、特に10〜90mm/minであることが好ましい。これにより、茶が圧密になり難く茶の閉塞が防止されるため、生産性を向上させることができる。
抽出用水と茶とを接触させるには、抽出機の下部から上部(上昇流)、あるいは抽出機の上部から下部(下降流)に通水させることができるが、膨潤した茶の抵抗による閉塞防止の観点から、上昇流が好ましい。
また、抽出用水は、図2に示すように、茶仕込み時の茶高さh1と茶保持板上面からの抽出用水7の高さh2との比(h2/h1)が0.2〜7、更に0.4〜7、特に0.5〜7となるように供給することが好ましい。このような比率で抽出用水を供給することで、茶を十分に膨潤させて非重合体カテキン類を効率よく抽出でき、しかも茶が閉塞し難いため茶抽出液の抜き出しが容易である。なお、抽出用水は、上昇流で供給することが望ましい。
また、抽出用水が高さh2に達した後、抽出用水の供給を停止して茶抽出液を抜き出すまで、その状態を所定時間保持して抽出用水と茶とを十分接触させるのが好ましい。この接触保持時間は1〜30分が好ましく、更に2〜20分、特に3〜15分であることが好ましい。この保持工程を設けることで、抽出用水と接触している茶を十分に膨潤させて旨味・甘味をより確実に引き出すことができる。
一方、未粉砕茶や膨潤度が1.7より高い茶等の茶を併用した場合には、図3に示すように、最下層よりも上層に積層された茶の高さh3と、茶保持板の上面からの抽出用水の高さh2との比(h2/h3)が1.1〜5、更に1.3〜5、特に1.5〜5となるように、継続して抽出用水7を供給することが好ましい。この場合も、抽出用水は上昇流で供給することが好ましい。なお、高さh3は、最下層の茶と、該最下層に隣接する茶層との界面から最上層の茶上面までの高さである。
また、保持工程を行う場合には、抽出用水が所定の高さ(h2)に達した後、抽出用水の供給を停止して茶抽出液を抜き出すまで、その状態で上記した時間保持する。
[工程(3)]
工程(3)は、茶抽出液を排出する工程である。
茶抽出液は抽出機の下部から抜き出すことが好ましく、茶抽出液の排出と同時に抽出機の上部から抽出用水を供給するのが好ましい。
抽出用水の供給は、抽出用水を茶上面に対して略均一に供給する観点から、例えば、図4に示すように、シャワーノズル3を用いて茶抽出液8の液面に抽出用水7を略均一に噴霧する方法が採用される。茶抽出液の抜き出し速度は、抽出機の上部から供給する抽出用水の速度と略同一とするのが好ましく、具体的には、線速度(流量/カラム断面積)10〜120mm/minが好ましく、更に10〜100mm/min、特に10〜90mm/minであることが好ましい。また、抽出用水には、アスコルビン酸又はその塩、重曹等を添加してもよい。抽出用水の温度は、30〜95℃が好ましく、更に35〜95℃、特に45〜90℃であることが好ましい。
抽出倍率、すなわち(茶抽出液質量)/(茶仕込み質量)は、5〜60が好ましく、より好ましくは8〜50、更に好ましくは10〜40、特に好ましくは15〜30である。これにより、非重合体カテキン類の抽出効率が高く、しかも風味の良好な茶抽出液をより確実に得ることができる。
カラム型抽出機から抜き出された茶抽出液は、冷却後、必要によりろ過及び/又は遠心分離処理により茶、夾雑不溶分等の固形分を分離してもよい。また、得られた茶抽出液は、室温以下、更に15℃以下、特に10℃以下で保存することが好ましい。
本発明においては、製造される茶抽出液中に非重合体カテキン類が0.05〜0.7質量%含まれるように製造条件を選択することが好ましい。この範囲にあると、非重合体カテキン類を高濃度含有し風味の良好な飲料を製造できる点で好ましい。
本発明の茶抽出液は、容器詰茶飲料に使用するのに適している。
容器詰茶飲料に使用される容器としては、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態のものを使用できる。
本発明の容器詰茶飲料で使用する茶抽出液は、そのまま、必要により希釈又は濃縮して使用してもよい。濃縮する場合には、水分を1質量%以下とすることができる。濃縮による高濃度化方法として、減圧濃縮、逆浸透膜濃縮、噴霧乾燥、凍結乾燥法が挙げられ、中でも減圧濃縮、逆浸透膜濃縮が効率的に高濃度化できる点で好ましい。
また、容器詰茶飲料は、上記製造方法で製造された茶抽出液を、他の茶抽出液や非重合体カテキン類と混合してもよい。他の茶抽出液又は非重合体カテキン類としては、緑茶抽出液、その濃縮物又はそれらの精製物が挙げられる。ここで、緑茶抽出液とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された液であって、濃縮や精製操作を行わない液のことをいう。また、緑茶抽出液の濃縮物とは、茶葉から熱水又は水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものであって、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報等に記載されている方法により調製したものをいう。なお、緑茶抽出物の濃縮物としては市販品を使用してもよく、例えば、三井農林社製「ポリフェノン」、伊藤園社製「テアフラン」、太陽化学社製「サンフェノン」等を用いることもできる。更に、緑茶抽出液の精製物とは、緑茶抽出液又はその濃縮物を水、又は水とエタノール等の有機溶媒との混合物に懸濁して生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去したものをいう。
本発明の容器詰茶飲料中には、非重合体カテキン類を、0.05〜0.7質量%含有することが好ましく、更に0.09〜0.4質量%、特に0.1〜0.3質量%含有することが好ましい。非重合体カテキン類の含有量がこの範囲内にあると、多量の非重合体カテキン類を容易に取りやすく好ましい。
ここで、非重合体カテキン類とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類を併せての総称であり、非重合体カテキン類の濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
本発明の容器詰飲料には、苦味調整剤、香料等を配合することができる。苦味調整剤としては、シクロデキストリンに代表される環状オリゴ糖を使用することができ、環状オリゴ糖としては、α−、β−、γ−シクロデキストリン、及び分岐のα−、β−、γ−シクロデキストリンが挙げられる。
本発明の容器詰飲料には、茶由来の成分にあわせて、酸化防止剤、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独又は併用して配合してもよい。
本発明の容器詰茶飲料のpH(25℃)は、3〜7、更に4〜7、特に5〜6であることが、味及び非重合体カテキン類の安定性の点で好ましい。
本発明で製造された茶抽出液を含有する容器詰茶飲料は、例えば、金属缶のような容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた殺菌条件で製造できる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめレトルト殺菌と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器などで高温短時間殺菌後、一定の温度まで冷却して容器に充填する等の方法が採用できる。また無菌下で、充填された容器に別の成分を配合して充填してもよい。さらに、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻すなどの操作も可能である。
(茶の膨潤度測定)
80メッシュの平らな金網を備えた内径97mmの、高さ500mmの円筒状カラム型抽出機内に、茶130〜390gを仕込み、上から茶葉を押し付けず、また抽出機に振動を与えることなく高さが略均一になるように茶上面を平らにした後、金網上面から茶上面までの高さhAを測定する。次に、55℃に加熱したイオン交換水を茶仕込み時の高さhAの2倍の高さまで0.4L/分の速度で抽出機の下部から上部へ上昇流にて供給し、次いで55℃に加熱したイオン交換水を茶仕込み時の高さhAの3倍の高さまで0.4L/分の速度で抽出機上部のシャワーノズルから下部へ下降流にて供給する。イオン交換水の供給終了から15分後、抽出機下部から液を排出し、液排出後の金網上面から茶上面までの高さhBを測定する。茶仕込み時の高さhAと、液排出後の茶高さhBとから膨潤度hB/hAを求める。
本実施例で使用した各茶の膨潤度を表1に示す。
Figure 2010148414
(茶の粒子径測定)
JIS標準篩200mmφ、JIS Z 8801目開き呼び寸法63μm、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、1000μm、2000μm、3350μm、4000μm、5600μm、9500μmの篩を用い、約100gの茶葉をレッチュ(Retsch)AS200篩装置にて振幅数2.0mm/gで5分間篩い分けした。篩い分け前の茶質量に対する、篩分け後の各篩上の茶質量の割合(ふるい上百分率)を測定し、ふるい上百分率が0.5%以上の茶の粒子径を測定した。具体的には、上記篩を順次重ね合わせ、茶を振動篩い分けし、篩い分け後にそれぞれの篩上に残った茶質量を測定し、篩い分け前の茶質量に対して0.5%以上の茶が篩上に残った篩のうち目開きが最も大きな篩と最も小さな篩を判別し、下記基準に基づいて「茶の粒子径」を決定した。
(茶の粒子径)
63μmの篩を通過した茶の粒子径:63μm未満
125μmの篩を通過し、63μmの篩を通過しない茶の粒子径:63μm
180μmの篩を通過し、125μmの篩を通過しない茶の粒子径:125μm
250μmの篩を通過し、180μmの篩を通過しない茶の粒子径:180μm
355μmの篩を通過し、250μmの篩を通過しない茶の粒子径:250μm
500μmの篩を通過し、355μmの篩を通過しない茶の粒子径:355μm
1000μmの篩を通過し、500μmの篩を通過しない茶の粒子径:500μm
2000μmの篩を通過し、1000μmの篩を通過しない茶の粒子径:1000μm
3350μmの篩を通過し、2000μmの篩を通過しない茶の粒子径:2000μm
4000μmの篩を通過し、3350μmの篩を通過しない茶の粒子径:3350μm
5600μmの篩を通過し、4000μmの篩を通過しない茶の粒子径:4000μm
9500μmの篩を通過し、5600μmの篩を通過しない茶の粒子径:5600μm
9500μmの篩を通過しない茶の粒子径:9500μm以上
(非重合体カテキン類の測定)
試料をメンブランフィルター(0.8μm)でろ過し、次いで蒸留水で希釈した試料を、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着した、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用いて、カラム温度35℃でグラジエント法により測定した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
濃度勾配条件(体積%)
時間 移動相A 移動相B
0分 97% 3%
5分 97% 3%
37分 80% 20%
43分 80% 20%
43.5分 0% 100%
48.5分 0% 100%
49分 97% 3%
62分 97% 3%
(抽出安定性)
○:茶が閉塞しない
×:茶が閉塞する
(風味の評価)
各茶抽出液を、非重合体カテキン類濃度が0.06質量%になるように希釈し、パネラー4名で協議して、風味(味の濃さ、香味、旨味・甘味、雑味)を下記の基準で評価した。
味の濃さの評価基準
◎:味に深みがあり、風味バランスが非常に良好
〇:味にやや深み感じられ、風味は良好
△:味の深みがやや乏しく、風味がやや不良
×:味の深みが乏しく、風味は不良
香味の評価基準
◎:香りが強く、非常に良好
〇:香りがあり、良好
△:香りがやや乏しく、やや不良
×:香りが乏しく、不良
旨味・甘味の評価基準
◎:旨味・甘味が強く、非常に良好
〇:旨味・甘味があり、良好
△:旨味・甘味がやや乏しく、やや不良
×:旨味・甘味が乏しく、不良
雑味の評価基準
◎:雑味がなく、風味が非常に良好
〇:雑味がやや感じられるが、風味が良好
△:雑味がやや感じられ、風味がやや不良
×:雑味が強く、風味は不良
(実施例1)
80メッシュの平らな金網を備えた内径97mm、高さ500mmの円筒状カラム型抽出機内に、125〜5600μmの粒子径に粉砕した茎茶0.39kgを仕込み、高さが略均一になるように茶上面を平らにした。次に、55℃に加熱したイオン交換水2Lを0.5L/分の速度で抽出機の下部から供給した。イオン交換水供給終了後、直ちに抽出機上部のシャワーノズルから55℃に加熱したイオン交換水を0.5L/分の速度で供給すると同時に、同じ速度で茶抽出液を抽出機下部から抜き出した。抜き出した茶抽出液の質量が仕込み茶の20倍になったところで通液を終了し、茶抽出液を均一に混合した。得られた茶抽出液の評価結果を表2に示す。
(比較例1)
粉砕茎茶の代わりに、未粉砕の茎茶を仕込んだこと以外は、実施例1と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表2に示す。
(比較例2)
粉砕茎茶の粒子径を125〜9500μmに変更したこと以外は、比較例1と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表2に示す。
(比較例3)
粉砕茎茶の粒子径を125μm未満に変更したこと以外は、比較例1と同様の方法により茶抽出液の製造を試みたが、カラムが閉塞したため茶抽出液は得られなかった。
(比較例4)
攪拌機を備えた5L容量のニーダー抽出機内に、55℃に加熱したイオン交換水4.3kgを入れた後、速やかに125〜5600μmの粒子径に粉砕した茎茶0.11kgを投入し、90rpmの速度で間欠的に5分間抽出した。その後、茶分離フィルターで茶抽出液を濾過し、次いで茶抽出液を均一に混合した。得られた茶抽出液の評価結果を表2に示す。
(比較例5)
粉砕茎茶の粒子径を125μm未満に変更したこと以外は、比較例4と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表2に示す。
Figure 2010148414
(実施例2)
実施例1と同じカラム型抽出機内に、125〜5600μmに粉砕した棒茶0.08kgを仕込み、高さが略均一になるように茶上面を平らにした。次に、先に仕込んだ棒茶を覆うように煎茶0.31kgを仕込み、高さが略均一になるように茶上面を平らにならし層状にした。次に、55℃に加熱したイオン交換水2Lを0.4L/分の速度で抽出機下部から供給した。イオン交換水の供給終了後、直ちに抽出機上部のシャワーノズルから55℃に加熱したイオン交換水を0.4L/分の速度で供給すると同時に、同じ速度で茶抽出液を抽出機下部から抜き出した。抜き出した茶抽出液の質量が仕込み茶の15倍になったところで通液を終了し、茶抽出液を均一に混合した。得られた茶抽出液の評価結果を表3に示す。
(実施例3)
粉砕棒茶の粒子径を125〜2000μmに変更したこと以外は、実施例2と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表3に示す。
(比較例6)
粉砕した棒茶の代わりに、未粉砕の棒茶を仕込んだこと以外は、実施例2と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表3に示す。
(比較例7)
未粉砕の棒茶の代わりに、粒子径125μm未満の粉砕棒茶を仕込んだこと以外は、比較例6と同様の方法により茶抽出液の製造を試みたが、カラムが閉塞したため茶抽出液は得られなかった。
(比較例8)
比較例4と同じニーダー抽出機内に、55℃に加熱したイオン交換水4.3kgを入れた後、速やかに125〜5600μmに粉砕した棒茶0.03kgを投入し、次いで、煎茶0.11kgを投入し、90rpmの速度で間欠的に5分間抽出した。その後、茶分離フィルターで茶抽出液を濾過し、次いで茶抽出液を均一に混合した。得られた茶抽出液の評価結果を表3に示す。
(比較例9)
粉砕棒茶の粒子径を125μm未満に変更したこと以外は、比較例8と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表3に示す。
Figure 2010148414
(実施例4)
80メッシュの平らな金網を備えた内径97mm、高さ500mmの円筒状カラム型抽出機内に、125〜5600μmに粉砕した碾茶0.39kgを仕込み、高さが略均一になるように茶上面を平らにした。次に、55℃に加熱したイオン交換水2Lを0.4L/分の速度で抽出機下部から供給した。湯供給終了後、直ちに抽出機上部のシャワーノズルから55℃に加熱したイオン交換水を0.4L/分の速度で供給すると同時に、同じ速度で茶抽出液を抽出機の下部から抜き出した。抜き出した茶抽出液の質量が仕込み茶の22倍になったところで通液を終了し、茶抽出液を均一に混合した。得られた茶抽出液の評価結果を表4に示す。
(比較例10)
粉砕碾茶の代わりに、未粉砕の碾茶を仕込んだこと以外は、実施例4と同様と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表4に示す。
(比較例11)
粉砕碾茶の粒子径を125〜9500μmに変更したこと以外は、比較例10と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表4に示す。
(比較例12)
粉砕碾茶の粒子径を125μm未満に変更したこと以外は、比較例10と同様の方法により茶抽出液の製造を試みたが、カラムが閉塞したため茶抽出液は得られなかった。
(比較例13)
攪拌機を備えた5L容量のニーダー抽出機内に、55℃に加熱したイオン交換水4.3kgを入れた後、速やかに125〜5600μmに粉砕した碾茶0.10kgを投入し、90rpmの速度で間欠的に5分間抽出した。その後、茶分離フィルターで茶抽出液を濾過し、次いで茶抽出液を均一に混合した。得られた茶抽出液の評価結果を表4に示す。
(比較例14)
粉砕碾茶の粒子径を125μm未満に変更したこと以外は、比較例13と同様の方法により茶抽出液を得た。得られた茶抽出液の評価結果を表4に示す。
Figure 2010148414
(実施例5)
(容器詰飲料の製造)
実施例1で得た茶抽出液をイオン交換水でメスアップして調合液を調製した。次いで、この調合液を食品衛生法に基づき殺菌処理した後、ホットパック充填を行って容器詰茶飲料を得た。得られた容器詰茶飲料は、非重合体カテキン濃度が0.18質量%であり、風味の良好な飲みやすいものであった。
カラム型抽出機に茶葉を仕込んだ状態を模式的に示す図である。 抽出機の下部から抽出用水を上昇流で供給している状態を模式的に示す図である。 複数種の茶を用い、抽出用水を上昇流で供給している状態を模式的に示す図である。 抽出用水をカラム型抽出機の上部からシャワーしながら、茶抽出液を抽出機の下部から抜き出している状態を模式的に示す図である。
符号の説明
1 カラム型抽出機
2 抽出用水供給用バルブ
3 シャワーノズル
4 茶抽出液抜き出しバルブ
5 茶保持板
6 茶
7 抽出用水
8 茶抽出液

Claims (7)

  1. 下記の工程;
    (1)膨潤度1〜1.7の茶であって、粒子径125〜5600μmに粉砕した茶をカラム型抽出機内に装着された茶保持板上に仕込む工程と、
    (2)該抽出機内に抽出用水を供給し該抽出用水と茶を接触させる工程と、
    (3)茶抽出液を排出する工程
    を含む茶抽出液の製造方法。
  2. 茶が茎茶、芽茶、番茶、碾茶、棒茶及びほうじ茶から選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の製造方法。
  3. 工程(2)において、抽出機の下部より抽出用水を供給する、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 工程(2)において、茶仕込み時の茶高さh1と茶保持板上面からの抽出用水の高さh2との比(h2/h1)が0.2〜7となる所定の高さまで抽出用水を供給する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 工程(2)において、抽出用水を前記所定の高さまで供給した状態で1〜30分間保持する、請求項4記載の製造方法。
  6. 工程(3)において、抽出機の上部より抽出用水を連続的に供給しながら茶抽出液を排出する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られた茶抽出液を充填してなる容器詰茶飲料。
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