JP2012195472A - 非線形結晶基板のレーザー加工方法 - Google Patents

非線形結晶基板のレーザー加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板であってもクラックが発生することなくレーザー加工溝を形成することができる非線形結晶基板のレーザー加工方法を提供する。
【解決手段】非線形結晶基板の被加工面に分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射し、レーザー加工溝を形成する非線形結晶基板のレーザー加工方法であって、パルスレーザー光線は、パルス幅が200ps以下に設定され、繰り返し周波数が50kHz以下に設定されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、リチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板にレーザー加工溝を形成するレーザー加工方法に関する。
半導体デバイス製造工程においては、略円板形状であるシリコン基板の表面に格子状に形成された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等のデバイスを形成する。このように形成された半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切断することによりデバイスが形成された領域を分割して個々のデバイスを製造している。また、サファイヤ基板や炭化珪素基板の表面に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスウエーハも分割予定ラインに沿って分割することにより個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
上述したウエーハを分割予定ラインに沿って分割する方法として、ウエーハに対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を分割予定ラインに沿って照射することにより破断の起点となるレーザー加工溝を形成し、この破断の起点となるレーザー加工溝が形成されたストリートに沿って外力を付与することにより割断する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特許第3408805号公報
近年、弾性表面波素子と呼ばれるSAWデバイスが開発され、振動子や熱感知素子として実用化されている。この弾性表面波素子と呼ばれるSAWデバイスはリチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板に形成されており、レーザー光線を分割予定ラインに沿って照射すると、結晶構造が複雑な非線形結晶基板にはクラックが発生して、SAWデバイスの品質保証が困難となるという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、リチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板であってもクラックが発生することなくレーザー加工溝を形成することができる非線形結晶基板のレーザー加工方法を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、非線形結晶基板の被加工面に分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射し、レーザー加工溝を形成する非線形結晶基板のレーザー加工方法であって、
該パルスレーザー光線は、パルス幅が200ps以下に設定され、繰り返し周波数が50kHz以下に設定されている、
ことを特徴とする非線形結晶基板のレーザー加工方法が提供される。
上記パルスレーザー光線の繰り返し周波数は、25〜50kHzに設定することが望ましい。
また、上記パルスレーザー光線は、波長が550nm以下に設定されている。
本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法においては、非線形結晶基板に照射するパルスレーザー光線は、パルス幅が200ps以下に設定され、繰り返し周波数が50kHz以下に設定されているので、クラックを発生させることなくレーザー加工溝を形成することができる。
また、パルスレーザー光線の繰り返し周波数を25〜50kHzに設定することにより、非線形結晶基板であっても加工効率を低下させことなくクラックを発生させずにレーザー加工溝を形成することができる。
本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法によって加工されるSAWデバイスウエーハを示す斜視図。 本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法におけるウエーハ貼着工程が実施され環状のフレームに装着された接着テープにSAWデバイスウエーハが貼着された状態を示す斜視図。 本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法におけるレーザー加工溝形成工程を実施するためのレーザー加工装置の要部斜視図。 本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法におけるレーザー加工溝形成工程の説明図。 厚みが100μmのリチウムタンタレート(LiTaO3)およびリチウムナイオベート(LiNbO3)にパルスレーザー光線を照射し、貫通させるのに必要なパルス数を示す実験データ。 本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法におけるピックアップ工程を実施するためのピックアップ装置の斜視図。 本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法におけるピックアップ工程の説明図。
以下、本発明による非線形結晶基板のレーザー加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、被加工物である弾性表面波素子と呼ばれるSAWデバイスウエーハの斜視図が示されている。図1に示すSAWデバイスウエーハ2は、例えば厚みが100μmのリチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板の表面2aに格子状に形成された複数の分割予定ライン21によって区画された複数の領域に弾性表面波素子と呼ばれるSAWデバイス22が形成されている。このように形成されたSAWデバイスウエーハ2に分割予定ライン21に沿ってパルスレーザー加工溝を形成するには、図2に示すように環状のフレーム3に装着された接着テープ4の表面にSAWデバイスウエーハ2の裏面2bを貼着する(ウエーハ貼着工程)。従って、接着テープ4の表面に貼着されたSAWデバイスウエーハ2は、表面2aが上側となる。
上述したウエーハ貼着工程を実施したならば、SAWデバイスウエーハ2の表面2aに形成された複数の分割予定ライン21に沿ってパルスレーザー光線を照射し、SAWデバイスウエーハ2に分割予定ライン21に沿ってレーザー加工溝を形成するレーザー加工溝形成工程を実施する。このレーザー加工溝形成工程は、図示の実施形態においては図3に示すレーザー加工装置5を用いて実施する。図3に示すレーザー加工装置5は、被加工物を保持するチャックテーブル51と、該チャックテーブル51上に保持された被加工物にパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52と、チャックテーブル51上に保持された被加工物を撮像する撮像手段53を具備している。
上記チャックテーブル51は、上面である保持面に被加工物を吸引保持するように構成されており、図示しない加工送り手段によって図3において矢印Xで示す方向に加工送りされるとともに、図示しない割り出し送り手段によって図3において矢印Yで示す方向に割り出し送りされるようになっている。
上記レーザー光線照射手段52は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング521を含んでいる。ケーシング521内には図示しないパルスレーザー光線発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング521の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器522が装着されている。
また、上記レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の先端部に装着された撮像手段53は、顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段によって構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上述したレーザー加工装置5を用いて上記SAWデバイス22に分割予定ライン21に沿ってレーザー加工溝を形成する方法について、図3および図4を参照して説明する。
上記SAWデバイスウエーハ2に分割予定ライン21に沿ってレーザー加工溝を形成するには、先ず上述した図3に示すレーザー加工装置5のチャックテーブル51上にSAWデバイスウエーハ2が貼着された接着テープ4側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、チャックテーブル51上に接着テープ4を介してSAWデバイスウエーハ2を吸引保持する(ウエーハ保持工程)。従って、チャックテーブル51に保持されたSAWデバイスウエーハ2は、表面2aが上側となる。なお、図4においては、接着テープ4が装着された環状のフレーム3を省いて示しているが、環状のフレーム3はチャックテーブル51に配設された適宜のフレーム保持手段に保持されている。
上述したようにチャックテーブル51上にSAWデバイスウエーハ2を吸引保持したならば、図示しない加工送り手段を作動してSAWデバイスウエーハ2を吸引保持したチャックテーブル51を撮像手段53の直下に移動する。チャックテーブル51が撮像手段53の直下に位置付けられると、撮像手段53および図示しない制御手段によってSAWデバイスウエーハ2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段53および図示しない制御手段は、SAWデバイスウエーハ2の所定方向に形成されている分割予定ライン21と、分割予定ライン21に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、SAWデバイスウエーハ2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン21に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。
上述したアライメント工程を実施したならば、図4の(a)で示すようにチャックテーブル51をパルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器522が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン21を集光器522の直下に位置付ける。このとき、図4の(a)に示すようにSAWデバイスウエーハ2は、分割予定ライン21の一端(図4の(a)において左端)が集光器522の直下に位置するように位置付けられる。そして、集光器522から照射されるパルスレーザー光線の集光点Pを図4の(a)に示すようにSAWデバイスウエーハ2の表面2a(上面)付近に合わせる。次に、レーザー光線照射手段52の集光器522からパルスレーザー光線を照射しつつ図示しない加工送り手段を作動してチャックテーブル51を図4の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる(レーザー加工溝形成工程)。そして、図4の(b)で示すように分割予定ライン21の他端(図4の(b)において右端)が集光器522の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル51の移動を停止する。この結果、図4の(b)に示すようにSAWデバイスウエーハ2には、分割予定ライン21に沿ってレーザー加工溝210が形成される。
なお、上記レーザー加工溝形成工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
波長 :532nm
繰り返し周波数:50kHz
パルス幅 :10ps
平均出力 :2W
集光スポット径:φ15μm
加工送り速度 :100mm/秒
上記加工条件においては、パルスレーザー光線を分割予定ライン21に沿って1回照射することにより、8μm程度のレーザー加工溝を形成することができる。従って、SAWデバイスウエーハ2を完全切断するには、パルスレーザー光線を1ラインに複数回照射すればよい。
以上のようにして、SAWデバイスウエーハ2の所定方向に延在する全ての分割予定ライン21に沿って上記レーザー加工溝形成工程を実施したならば、チャックテーブル51を90度回動せしめて、上記所定方向に対して直交する方向に形成された各分割予定ライン21に沿って上記レーザー加工溝形成工程を実施する。
ここで、リチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板からなるSAWデバイスウエーハ2の分割予定ライン21に沿って照射するパルスレーザー光線について検討する。
本発明者等の実験によると、リチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の厚みが50〜300μmの非線形結晶基板にパルスレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成するレーザー加工を実施すると、パルス幅が1〜300nsの範囲では、波長が266〜1064nm、繰り返し周波数が20〜200kHz、平均出力が0.5〜4Wの範囲で試したが、全てクラックが発生した。これは、パルス幅が1〜300nsのように長いと、1パルス内に発生する熱エネルギーによりクラックが生ずるものと考えられる。従って、加工時に発生する温度上昇を抑えながら加工する必要がある。この加工時に発生する温度上昇を抑えながら加工するには、パルスレーザー光線の繰り返し周波数が重要な要件となる。即ち、パルスレーザー光線の繰り返し周波数が高いとパルス間隔が短く、1パルス照射後の冷却時間が短くなり、熱エネルギーが蓄積されてクラック発生の原因となる。一方、パルスレーザー光線の繰り返し周波数が低いとパルス間隔が長く、1パルス照射後の冷却時間が長くなり、クラックの発生が抑えられる。しかるに、パルスレーザー光線の繰り返し周波数が低いと、1パルス照射後の冷却時間が長くなるため、加工効率が低下して加工時間が増大するという問題がある。
図5には、本発明者等が実施した厚みが100μmのリチウムタンタレート(LiTaO3)およびリチウムナイオベート(LiNbO3)にパルスレーザー光線を照射し、貫通させるのに必要なパルス数の実験結果が示されている。図5において横軸は照射するパルスレーザー光線の繰り返し周波数(kHz)、縦軸は貫通させるのに必要なパルス数である。なお、照射するパルスレーザー光線は、波長が523nm、平均出力が2Wであった。図5から判るようにパルスレーザー光線の繰り返し周波数が200〜25kHzの範囲では、20〜30パルス照射することにより厚みが100μmのリチウムタンタレート(LiTaO3)およびリチウムナイオベート(LiNbO3)を貫通させることができる。しかるに、パルスレーザー光線の繰り返し周波数が20kHzになると、厚みが100μmのリチウムタンタレート(LiTaO3)およびリチウムナイオベート(LiNbO3)を貫通させるために200パルス照射する必要がある。一方、パルスレーザー光線の繰り返し周波数を50kHzより高くすると、クラックが発生することも判った。従って、加工効率を低下させことなくクラックを発生させずに加工するためには、パルスレーザー光線の繰り返し周波数を25〜50kHzに設定することが望ましい。
[実験例1]
リチウムタンタレート(LiTaO3)基板に、次の加工条件でパルスレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成した。
波長 :532nm以上
繰り返し周波数:50kHz以上
パルス幅 :200ps以上
平均出力 :0.5〜4W
集光スポット径:φ15μm
加工送り速度 :100mm/秒

上述した実験の結果、波長が532nm、パルス幅が200psで繰り返し周波数が50kHzの場合には、いずれの平均出力においてもクラックは確認されなかった。
しかし、波長を変化させて波長が600nm以上になるとクラックが発生した。また、繰り返し周波数を変化させて繰り返し周波数が60kHz以上になるとクラックが発生した。更に、パルス幅を変化させてパルス幅が250ps以上になるとクラックが発生した。
[実験例2]
リチウムナイオベート(LiNbO3)基板に、次の加工条件でパルスレーザー光線を照射してレーザー加工溝を形成した。
波長 :532nm以上
繰り返し周波数:70kHz以上
パルス幅 :200ps以上
平均出力 :0.5〜4W
集光スポット径:φ15μm
加工送り速度 :100mm/秒

上述した実験の結果、波長が532nm、パルス幅が200psで繰り返し周波数が70kHzの場合には、いずれの平均出力においてもクラックは確認されなかった。
しかし、波長を変化させて波長が600nm以上になるとクラックが発生した。また、繰り返し周波数を変化させて繰り返し周波数が100kHz以上になるとクラックが発生した。更に、パルス幅を変化させてパルス幅が250ps以上になるとクラックが発生した。
上述した実験結果を総合すると、クラックを発生させずにリチウムタンタレート(LiTaO3)やリチウムナイオベート(LiNbO3)等の非線形結晶基板にレーザー加工溝を形成するには、照射するパルスレーザー光線のパルス幅を200ps以下、繰り返し周波数を50kHz以下に設定することが重要である。また、照射するパルスレーザー光線の波長を550nm以下に設定することが望ましい。そして、加工効率を低下させことなくクラックを発生させずに加工するためには、パルスレーザー光線の繰り返し周波数を25〜50kHzに設定することが望ましい。
上述したようにレーザー加工溝形成工程を実施したならば、SAWデバイスウエーハ2の分割予定ライン21に沿って形成されたレーザー加工溝210が分割予定ライン21を完全切断していない場合には、接着テープ4を拡張(エキスパンド)してSAWデバイスウエーハ2をレーザー加工溝210に沿って破断することにより個々のデバイスに分割する。また、SAWデバイスウエーハ2が分割予定ライン21に沿って形成されたレーザー加工溝210によって完全切断され個々のデバイスに分割されている場合には、接着テープ4を拡張(エキスパンド)することにより各デバイス間を拡げて個々のデバイスをピックアップするピックアップ工程を実施する。このピックアップ工程は、図6に示すピックアップ装置6を用いて実施する。
図6に示すピックアップ装置6は、上記環状のフレーム3を保持するフレーム保持手段61と、該フレーム保持手段61に保持された環状のフレーム3に装着された接着テープ4を拡張するテープ拡張手段62と、ピックアップコレット63を具備している。フレーム保持手段61は、環状のフレーム保持部材611と、該フレーム保持部材611の外周に配設された固定手段としての複数のクランプ612とからなっている。フレーム保持部材611の上面は環状のフレーム3を載置する載置面611aを形成しており、この載置面611a上に環状のフレーム3が載置される。そして、載置面611a上に載置された環状のフレーム3は、クランプ612によってフレーム保持部材611に固定される。このように構成されたフレーム保持手段61は、テープ拡張手段62によって上下方向に進退可能に支持されている。
テープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611の内側に配設される拡張ドラム621を具備している。この拡張ドラム621は、環状のフレーム3の内径より小さく該環状のフレーム3に装着された接着テープ4に貼着されるSAWデバイスウエーハ2の外径より大きい内径および外径を有している。また、拡張ドラム621は、下端に支持フランジ622を備えている。図示の実施形態におけるテープ拡張手段62は、上記環状のフレーム保持部材611を上下方向に進退可能な支持手段623を具備している。この支持手段623は、上記支持フランジ622上に配設された複数のエアシリンダ623aからなっており、そのピストンロッド623bが上記環状のフレーム保持部材611の下面に連結される。このように複数のエアシリンダ623aからなる支持手段623は、図7の(a)に示すように環状のフレーム保持部材611を載置面611aが拡張ドラム621の上端と略同一高さとなる基準位置と、図7の(b)に示すように拡張ドラム621の上端より所定量下方の拡張位置の間を上下方向に移動せしめる。
以上のように構成されたピックアップ装置6を用いて実施するピックアップ工程について図7を参照して説明する。即ち、SAWデバイスウエーハ2が貼着されている接着テープ4が装着された環状のフレーム3を、図7の(a)に示すようにフレーム保持手段61を構成するフレーム保持部材611の載置面611a上に載置し、クランプ612によってフレーム保持部材611に固定する(フレーム保持工程)。このとき、フレーム保持部材611は図7の(a)に示す基準位置に位置付けられている。次に、テープ拡張手段62を構成する支持手段623としての複数のエアシリンダ623aを作動して、環状のフレーム保持部材611を図7の(b)に示す拡張位置に下降せしめる。従って、フレーム保持部材611の載置面611a上に固定されている環状のフレーム3も下降するため、図7の(b)に示すように環状のフレーム3に装着された接着テープ4は拡張ドラム621の上端縁に接して拡張せしめられる(テープ拡張工程)。この結果、接着テープ4に貼着されているSAWデバイスウエーハ2には放射状に引張力が作用するため、SAWデバイスウエーハ2の分割予定ライン21に沿って形成されたレーザー加工溝210が分割予定ライン21を完全切断していない場合にはSAWデバイスウエーハ2はレーザー加工溝210に沿って破断され、個々のSAWデバイス22に分割されるとともにSAWデバイス間に間隔Sが形成される。一方、SAWデバイスウエーハ2が分割予定ライン21に沿って形成されたレーザー加工溝210によって完全切断され個々のデバイスに分割されている場合には、SAWデバイス22間が広がり、間隔Sが拡大される。次に、図7の(c)に示すようにピックアップコレット63を作動してSAWデバイス22を吸着し、接着テープ4から剥離してピックアップし、図示しないトレーまたはダイボンディング工程に搬送する。なお、ピックアップ工程においては、上述したように接着テープ4に貼着されている個々のSAWデバイス22間の隙間Sが広げられているので、隣接するSAWデバイス22と接触することなく容易にピックアップすることができる。
上述したピックアップ工程において、接着テープ4は上述したようにレーザー加工溝形成工程を実施した際に切断されていないので、拡張されても破断することはなく、SAWデバイス22間を隙間Sに広げることができる。従って、隣接するSAWデバイス22と接触することなく容易にピックアップすることができる。
2:SAWデバイスウエーハ
21:分割予定ライン
22:SAWデバイス
3:環状のフレーム
4:接着テープ
5:レーザー加工装置
51:レーザー加工装置のチャックテーブル
52:レーザー光線照射手段
522:集光器
6:ピックアップ装置
61:フレーム保持手段
62:テープ拡張手段
63:ピックアップコレット

Claims (3)

  1. 非線形結晶基板の被加工面に分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射し、レーザー加工溝を形成する非線形結晶基板のレーザー加工方法であって、
    該パルスレーザー光線は、パルス幅が200ps以下に設定され、繰り返し周波数が50kHz以下に設定されている、
    ことを特徴とする非線形結晶基板のレーザー加工方法。
  2. 該パルスレーザー光線の繰り返し周波数は、25〜50kHzに設定されている、請求項1記載の非線形結晶基板のレーザー加工方法。
  3. 該パルスレーザー光線は、波長が550nm以下に設定されている、請求項1又は2記載の非線形結晶基板のレーザー加工方法。
JP2011058861A 2011-03-17 2011-03-17 非線形結晶基板のレーザー加工方法 Active JP5860221B2 (ja)

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