JP2012192608A - 金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法 - Google Patents

金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012192608A
JP2012192608A JP2011057831A JP2011057831A JP2012192608A JP 2012192608 A JP2012192608 A JP 2012192608A JP 2011057831 A JP2011057831 A JP 2011057831A JP 2011057831 A JP2011057831 A JP 2011057831A JP 2012192608 A JP2012192608 A JP 2012192608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
light
manufacturing
grooves
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011057831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5720334B2 (ja
Inventor
Tatsuaki Inoue
達明 井上
Hikaru Kusakabe
輝 日下部
Nobuo Naito
暢夫 内藤
Takeshi Kashiwagi
剛 柏木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2011057831A priority Critical patent/JP5720334B2/ja
Publication of JP2012192608A publication Critical patent/JP2012192608A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5720334B2 publication Critical patent/JP5720334B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】外観が向上された金型を製造できる金型の製造方法、並びに、該製造方法によって製造された金型を用いることによって光学的性能が向上された、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置を製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】円柱状体の外周面に平行に切削された複数の溝2と、該溝間に形成された山部3とを有する金型1の製造方法であって、山部の上面となる部分を切削した後に溝を切削することを特徴とする金型の製造方法、並びに、該製造方法によって製造される金型を用いる、光学機能シート、光学フィルタ及び表示装置の製造方法とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、金型の製造方法、並びに、該製造方法によって製造された金型を用いる、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、有機EL、FED等のような、映像を観察者に出射する表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学フィルタとが備えられている。
このような光学フィルタに備えられる層として、例えば、特許文献1に記載されたコントラスト向上フィルムのように、映像光のコントラストを向上させるものがある。プラズマディスプレイパネル(PDP)は、周囲が明るい場所に設置された場合、周囲の光(外光)がPDPに照射されることによって、映像光のコントラストが不十分となり、画像品質が低下する。そのため、PDPに貼合される光学フィルタには、コントラストを向上させるための層として、フィルタ面に沿って所定の間隔で並列されるとともに光を透過可能な部分(光透過部)と、該光透過部間に光を吸収可能に形成された部分(光吸収部)とを有し、外光を適切に遮蔽する機能を有する層が設けられることがある。
特表2009−535673号公報
上述したような光透過部及び光吸収部を有するシートは、例えば、基材層上に所定の間隔で並列した光透過部を形成した後、該光透過部間に光吸収部を形成することによって作製できる。このとき、光透過部を形成するために、該光透過部の形状に対応した溝を有する金型を使用する。このような金型としては、円柱状体の外周面に平行な溝が複数形成された金型を用いることができる。
上記のような金型を従来の方法で製造した場合、スジ状の外観不良(以下、単に「スジ」ということがある。)が目立つ場合があった。また、そのようなスジが目立つ金型を用いて光透過部を形成した光学機能シートは、外観が悪くなったり、該光学機能シートの光学的性能にも悪影響を及ぼしたりする虞があった。
そこで本発明は、外観が向上された金型を製造できる金型の製造方法、並びに、該製造方法によって製造された金型を用いることによって光学的性能が向上された、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置を製造できる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは金型に上記スジが生じる原因について鋭意検討した結果、以下に説明するように、金型に形成された溝間の山部が倒れていることによって、スジが生じることを知見した。
図12(a)及び図12(b)は、光透過部を形成するための金型の従来の製造方法を説明する断面図であり、溝が切削される部分を概略的に示している。金型の従来の製造方法では、まず図12(a)に示すように、金型の外周面に複数の溝102、102、…を切削していた。このとき、金型の外周面に切削される溝102、102、…は、該溝の配列順(円柱状の金型の中心軸に平行な方向で見た溝の配列順。以下同じ。)に従って切削していた。そして次に、図12(b)に示すように、溝102と溝102との間に形成された山部103のうち、金型の外周面側の面(山部103のうち、図12(a)の上側の面。以下、山部のうち、金型の外周面側の面を「山部の上面」という。)の平面を出すため、バイト50で山部103の上面を切削していた。このとき、バイト50によって山部103が矢印yの方向に押されるため、山部103が座屈して隣接する溝102側に倒れることがあった。なお、図12(b)では山部103が矢印xの方向に倒れる場合を例示しているが、山部103が倒れる方向は限定されない。図13は、金型の溝間の山部の「倒れ」を説明する図である。山部が倒れるとは、図13に示すように、山部103の底部(金型の中心軸側)の幅方向の中点Mと山部103の上面の幅方向の中点mとを結ぶ線、及び該中点Mを通る金型の中心軸に垂直な線の成す角θが1度以上になることを意味する。
本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、円柱状体の外周面に平行に切削された複数の溝(2、2、…)と、該溝間に形成された山部(3、3、…)とを有する金型(1)の製造方法であって、山部の上面となる部分を切削した後に溝を切削することを特徴とする、金型の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の金型(1)の製造方法において、山部(3、3、…)の上面となる部分を切削するとき、山部の配列順と異なる順序で切削することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の金型(1)の製造方法において、溝(2、2、…)を切削するとき、溝の配列順と異なる順序で切削することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の金型(1)の製造方法において、溝(2、2、…)の長手方向が金型の円周方向に対して傾斜するように、多条ねじ切りで溝を切削することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、基材層(11)と、該基材層上に層面に沿って所定の間隔で並列されるとともに光を透過可能に形成される光透過部(12、12、…)、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成される光吸収部(13、13、…)を備える光学機能層(5)と、を備える光学機能シート(10)の製造方法であって、請求項1乃至4のいずれかに記載の金型の製造方法によって金型(1)を製造する工程と、該金型を用いて基材層上に光透過部を形成する工程と、光透過部間に光吸収部を形成する工程とを含む、光学機能シートの製造方法である。
請求項6に記載の発明は、入射した光を制御して観察者側に透過する複数の層を備え、少なくとも基材層(11)と、該基材層上に層面に沿って所定の間隔で並列されるとともに光を透過可能に形成される光透過部(12、12、…)、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成される光吸収部(13、13、…)を備える光学機能層(5)と、を備える光学機能シート(10)からなる層を備える光学フィルタ(112)の製造方法であって、請求項5に記載の光学機能シートの製造方法によって光学機能シートを作製する工程を含む、光学フィルタの製造方法である。
請求項7に記載の発明は、映像源(111)と、該映像源の観察者側に配置される光学フィルタ(112)と、を備える表示装置の製造方法であって、請求項6に記載の光学フィルタの製造方法によって光学フィルタを製造する工程と、映像源より観察者側に光学フィルタを配置する工程とを含む、表示装置の製造方法である。
本発明によれば、金型に形成された溝間の山部が倒れることを抑制し、外観が向上された金型を製造できる金型の製造方法、並びに、該製造方法によって製造された金型を用いることによって、光学的性能が向上された光学機能シート、光学フィルタ及び表示装置を製造できる製造方法を提供することができる。
本発明の金型の製造方法によって製造される金型の一例を概略的に示す斜視図である。 図1に示した金型のうち、溝が形成されている部分を拡大して示した断面図である。 図3(a)乃至図3(c)は、本発明の金型の製造方法の一例のうち、一部の工程を説明する図であり、金型のうち溝が切削される部分を概略的に示した断面図である。 図4(a)乃至図4(c)は、本発明の金型の製造方法の一例のうち、他の工程を説明する図であり、金型のうち溝が切削される部分を概略的に示した断面図である。 本発明の光学機能シートの製造方法によって製造される光学機能シートの一例について、その断面の一部を概略的に示した図である。 図5に示した光学機能層の一部を拡大して示した図である。 光透過部を作製する工程の一部を概略的に示した図である。 図7に示した工程によって作製された光透過部の断面を概略的に示した図である。 光吸収部を作製する工程の一部を概略的に示した図である。 本発明の表示装置の製造方法によって製造される表示装置の一例を概略的に示した分解斜視図である。 図10に示した表示装置のPDPユニットの層構成を概略的に示した図である。 図12(a)及び図12(b)は、光透過部を形成するための金型の従来の製造方法を説明する断面図である。 金型の溝間の山部の倒れを説明する図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を実物のそれから変更し、誇張している場合がある。また、各図面において同様の構成のものには同じ符号を付している。さらに、見易さのために簡略化して示したり、繰り返しとなる符号を一部省略したり、詳細には説明しない構成部材の図示を省略していたりする場合がある。
1.金型
図1は、本発明の金型の製造方法によって製造される金型の一例について、概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示した金型のうち、溝が形成されている部分を拡大して示した断面図である。図2において、紙面上側が金型の外周面側であり、紙面下側が金型の内側(中心軸側)である。
図1に示した金型1は、円柱状体の外周面に平行に切削された複数の溝2、2、…と、該溝2、2、…間に形成された山部3、3、…とを有している。当該山部3は、図2に示すように、隣接する溝2、2のうちどちら側にも倒れることが抑制されている。これは、後に説明するように、溝2、2、…を切削する前に山部3、3、…の上面となる部分を切削することによって、溝2、2、…を切削する前に山部3、3、…の上面の平面出しをしたことによる。
一方、金型の従来の製造方法、すなわち、溝を切削した後に該溝間の山部の上面を切削して該山部の上面の平面出しをする金型の製造方法によって製造された金型は、上述したように、山部の上面を切削する際にバイトによって山部が押さえつけられることによって、該山部の両側にある溝のどちらかに山部が倒れ易くなっていた。
また、金型1は、後に説明するように、山部3、3、…の上面を切削するときに山部3、3、…の配列順と異なる順序で山部3、3、…の上面を切削するとともに、溝2、2、…を切削するときに溝2、2、…の配列順と異なる順序で溝2、2、…を切削することによって、切れ味が良いときのバイトで切削した部分と、切れ味が悪くなってきたバイトで切削した部分とが隣り合った部分や濃淡ムラが目立たなくなっており、外観が良好である。
なお、図1には、溝2、2、…の長手方向が金型1の円周方向に対して傾斜するように、多条ねじ切りで溝2、2、…が切削された形態を例示したが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、溝が円柱状の金型の円周方向に平行な方向に切削されていても良い。
次に、本発明の金型の製造方法について、以下に説明する。図3(a)乃至図3(c)及び図4(a)乃至図4(c)は、本発明の金型の製造方法の一例を説明する図であり、金型のうち溝が切削される部分を概略的に示した断面図である。図3(a)乃至図3(c)及び図4(a)乃至図4(c)において、紙面上側が金型の外周面側であり、紙面下側が金型の内側(中心軸側)である。
本発明の金型の製造方法によれば、図1及び図2に示したような、円柱状体の外周面に平行に切削された複数の溝2、2、…と、該溝2、2、…間に形成された山部3、3、…とを有する金型を製造することができる。
図3(a)乃至図3(c)及び図4(a)乃至図4(c)に示した方法では、まず図3(a)に示すように、山部3、3、…に対応する箇所に浅い溝3a、3a、…を切削する。溝3a、3a、…の底3bは、山部3の上面となる。また、溝3a、3a、…の間の凸部2a、2a、…は、後の工程で溝2、2、…が形成される部分である。
上記のように溝3a、3a、…を切削するとき、溝3a、3a、…を切削する順番は、溝3a、3a、…の配列順と異なるようにすることが好ましい。金型1のように、多条ねじ切りで外周面に溝を切削した円柱状の金型では、複数の螺旋状の溝が平行に形成される。このような金型について、溝の配列順に沿って溝を切削すると、最も切れ味が良いときのバイトで切削した1条目の溝と、切れ味が悪くなってきたバイトで切削した最後の条の溝とが隣り合うことになる。また、一つの金型について溝を切削中にバイトを交換した場合も、配列順に従って溝を切削すると、最も切れ味が良いときのバイトで切削した溝と、切れ味が悪くなってきたバイトで切削した最後の条の溝とが隣り合うことになる。バイトの切れ味が悪くなるにつれて切削された溝を構成する面が荒れやすくなるため、最も切れ味が良いときのバイトで切削した溝と、最も切れ味が悪くなってきたバイトで切削した溝とが隣り合うと、その部分において荒れ具合の差が顕著になり、金型の外観に濃淡ムラを生じさせることがあった。また、このように外観が悪くなった金型を用いて光学機能シートを製造した場合、該光学機能シートや該光学機能シートを備えた光学フィルタの外観も悪くなり、光学的性能に悪影響を及ぼす虞があった。
上記のように溝3a、3a、…の切削順を溝3a、3a、…の配列順と異なるようにすることによって、溝3a、3a、…を切削する際に、バイトの切れ味が良い状態で切削された溝3aと、バイトの切れ味が悪くなってきた状態で切削された溝3aとが隣り合うことを防止し、金型1の外観に上記のような濃淡ムラによる外観不良が生じることを抑制できる。
上記と同様の理由から、以下に説明するように、溝2、2、…を形成する際も、溝2、2、…の配列順と異なる順番で溝2、2、…を切削することが好ましい。
次に、溝2、2、…を形成する方法の具体例について説明する。溝2、2、…を形成するには、図3(b)及び図3(c)並びに図4(a)乃至図4(c)に示すように、溝2、2、…が形成される箇所を複数回に分けて切削することが好ましい。より具体的には、まず図3(b)及び図3(c)に示すように、溝2、2、…を形成する予定の箇所である凸部2a、2a、…を切削する。このときも、図3(b)に示したように、溝3a、3a、…と同様に、切削する順番は、切削箇所の配列順と異なるようにすることが好ましい。図3(b)及び図3(c)に示した符号2bは、凸部2a、2a、…を切削した部分(以下、「被切削部2b」という。)を示している。なお、図3(b)及び図3(c)には、溝3aの底3bと、被切削部2bとが面一になる形態を例示しているが、凸部2a、2a、…を切削するときの深さは特に限定されない。
図3(c)に示したようにして全ての凸部2a、2a、…を切削した後は、図4(a)乃至図4(c)に示したように、同様の手順で溝2、2、…を形成する予定の箇所をさらに切削する。すなわち、まず図4(a)及び図4(b)に示したように、被切削部2bをさらに切削する。このときも、図4(a)及び図4(b)に示すように、被切削部2bを切削する順番は、切削箇所の配列順と異なるようにすることが好ましい。なお、このときの切削順は、凸部2a、2a、…を切削するときと同じ順番であってもよく、異なる順であってもよい。図4(a)及び図4(b)に示した符号2cは、被切削部2bを切削した部分(以下、「被切削部2c」という。)を示している。その後、図4(c)に示したように、さらに同様の手順で被切削部2cを切削し、その後、所定の深さになるまで切削を繰り返すことによって、溝2、2、…を形成することができる。
上述したように、従来の金型の製造方法によれば、溝を形成した後に山部の上面を切削していたため、山部が倒れやすくなるという問題が生じていた。本発明の金型の製造方法によれば、上述したように山部の上面となる部分を切削した後に溝を形成するため、山部がバイトによって押さえられることがないため、山部が倒れることが抑制される。よって、本発明の金型の製造方法によれば、外観に目立つスジが生じることが抑制され、外観が向上された金型を製造することができる。
また、上述したように溝の配列順と異なる順番で溝を切削することによって、金型の外観に濃淡ムラが生じることを抑制できる。このとき、溝を切削する順番が溝の配列順と異なっていれば良く、例えば、一つの溝を切削した後、溝一つ分だけの間隔を空けて他の溝を切削し、次にその間隔に溝を切削する方法であってもよく、より複雑な順序で切削することが好ましい。
なお、図1には溝2、2、…の長手方向が金型1の円周方向に対して傾斜するように、多条ねじ切りで溝2、2、…が切削された形態を例示したが、条数や金型の円周方向に対する溝の長手方向の角度は特に限定されない。金型の円周方向に対する溝の長手方向の角度は、金型に溝を切削する際に、金型の回転速度やバイトの送り速度(金型の中心軸に平行な方向に送る速度)を調整することによって適宜変更することができる。また、円柱状体の円周方向に平行に溝を切削しても良い。また、金型の切削される部分の材質や、溝の形状等は特に限定されず、従来の金型と同様とすることができる。
2.光学機能シート
次に、本発明の光学機能シートの製造方法について説明する。図5は、本発明の光学機能シートの製造方法によって製造される光学機能シートの一例について、その断面の一部を概略的に示した図である。
図5に示した光学機能シート10は、基材層11と、基材層11の一方の面側に形成された光学機能層5とを備えている。光学機能シート10は、図5に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。
基材層11は、後で詳しく説明する光学機能層5を形成するための基材層としての層である。基材層11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。基材層11がPETを主成分とする場合、基材層11には、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
ただし、基材層11を構成する材料の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
なお、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からは、PETを主成分とする樹脂によって基材層11を構成することが好ましい。
光学機能層5は、映像源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。図6は、図5に示した光学機能層5の一部を拡大して示した図である。図5、図6及び適宜示す図を参照しつつ光学機能層5についてさらに説明する。
光学機能層5は、光を透過可能に層面に沿って並列された光透過部12、12、…と、光透過部12、12、…間に光を吸収可能に並列された光吸収部13、13、…とを備えている。光学機能層5は、このような光透過部12、12、…及び光吸収部13、13、…を備えることによって、表示装置に備えられた際に、映像源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を発揮することができる。
光透過部12、12、…は、映像光を透過する機能を有する部位で、図5及び図6に表れる断面において、略台形の断面を有する要素である。当該略台形断面における上底及び該上底より長い下底が光学機能層5の層面に沿う方向に配置されている。また、光透過部12、12、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部12、12、…は、以下に説明する光透過部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
光透過部構成組成物としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線や紫外線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、2液硬化型ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの中では、硬化が迅速、溶剤を用いずに使用できるなどの点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、シリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等の種々の添加剤を添加することも可能である。
光透過部12、12、…は以下に説明するように、上記本発明の金型の製造方法によって製造された金型を用いて形成される。図7は、光透過部を作製する工程の一部を概略的に示した図である。図8は、図7に示した工程を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。
光透過部12、12、…を形成するには、まず、本発明の金型の製造方法によって、金型を製造する。図7には、金型1を用いる形態を例示しているが、金型1にかえて、本発明の金型の製造方法によって製造された他の形態の金型を用いることも可能である。次に、当該金型1とニップロール31との間に、基材層11となる、又は基材層11となる層を含む基材11’を送り込む。図7に示した矢印VIIは、基材11’を送り込む方向である。この基材11’の送り込みに合わせて、金型1と基材11’との間に供給装置40から光透過部構成組成物30の液滴を供給し続ける。供給装置40から基材11’上に光透過部構成組成物30を供給するとき、金型1と基材11’との間に、光透過部構成組成物30が溜まったバンクが形成されるようにする。このバンクにおいて、光透過部構成組成物30が基材11’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型1と基材11’との間に供給された光透過部構成組成物30は、金型1およびニップロール31間の押圧力により、基材11’と金型1との間に充填される。その後、光照射装置34によって光透過部構成組成物30に紫外線等を照射し、光透過部構成組成物30を硬化させることによって、光透過部12、12、…を形成することができる。このようにして光透過部12、12、…が形成された後、基材11’上に光透過部12、12、…が形成されたシートは、剥離ロール33を介して引かれることによって、金型1から引き剥がされる。
図7に示した工程を経て、図8に示したように基材層11上に光透過部12、12、…が形成されたシートを得ることができる。このとき、光透過部12、12、…は金型1に形成された溝2、2、…の形状に対応した形状に形成される。また、光透過部12、12、…間には、金型1の山部3、3、…に対応した形状の溝12a、12a、…が形成される。溝12a、12a、…には、後述するように光吸収部13、13、…が形成される。
上述したように、本発明の金型の製造方法によれば、溝間の山部が倒れることを抑制できる。そのため、光吸収部13、13、…も倒れることが抑制されている。すなわち、本発明の金型の製造方法によって製造された金型を用いることによって、外観が向上され、光学的性能が向上されている光学機能シートを作製することができる。また、上述したように、本発明の金型の製造方法によって製造された金型は外観が良好である。本発明の光学機能シートの製造方法によれば、このような外観が良好な金型を用いることによって、光学的性能が向上された光学機能シートを製造することができる。例えば、表示装置に用いた場合に、映像光を透過する面の全面に亘って透過率やヘイズなどの光学特性の均一性が向上した光学機能シートを製造することができる。
次に、光吸収部13、13、…について説明する。光吸収部13、13、…は、光透過部12、12、…の間に配置され、図5及び図6に表れる断面において略台形面を有する要素である。光吸収部13、13、…の略台形断面における上底及び該上底より長い下底が光学機能層5の層面に沿う方向に配置されている。また、光吸収部13、13、…の略台形断面の下底に相当する面が光透過部12、12、…の上底間に並列されている。そして、光吸収部13、13、…の下底、及び光透過部12、12、…の上底により光学機能層5の一方の面が形成されている。光吸収部13、13、…の略台形断面における斜辺は、光学機能層5の層面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合、光吸収部13、13、…の断面は略矩形となる。また、光吸収部13、13、…の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく、折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。さらに、光吸収部13、13、…断面は、略三角形であってもよい。
また、光吸収部13、13、…は、光透過部12、12、…の屈折率Npより小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光透過部12、12…の屈折率Npと光吸収部13、13、…の屈折率NbとをNp>Nbとすることにより、光透過部12、12、…に入射した映像源からの映像光を、光吸収部13、13、…と光透過部12、12、…との界面でスネルの法則によって全反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp>Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、光透過部の屈折率と光吸収部の屈折率とを同じにしてもよく、光透過部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さくすることも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部13、13、…は、光吸収粒子16、16、…と光吸収粒子16、16、…を分散させたバインダー15とを含む光吸収部構成組成物が光透過部12、12、…間の溝12a、12a、…に充填されることにより構成されている。これにより、光透過部12、12、…と光吸収部13、13、…との界面でスネルの法則によって反射せずに光吸収部13、13、…の内側に入射した迷光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を光吸収粒子16、16、…で適切に吸収することができ、映像のコントラストを向上させることも可能となる。
上記のように光吸収部の屈折率をNbとするには、例えば、バインダー15を屈折率Nbの材料により構成する。バインダー15として用いられるものは特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線や紫外線で硬化する電離放射線硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、2液硬化型ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。これらの中では、硬化が迅速、溶剤を用いずに使用できるなどの点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましい。また必要に応じて、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等の種々の添加剤を光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部13、13、…を構成したとき、上述したように迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の光吸収部構成組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。着色粒子の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。光吸収部13、13、…を形成する際には、後に説明するように(図9参照)、着色粒子を含有する光吸収部構成組成物46を光透過部12、12、…間の溝12a、12a、…に充填しつつ、ドクターブレード47を用いて余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落とす工程が含まれる。このとき、平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、着色粒子がドクターブレード47と光透過部12、12、…との間の隙間を抜け難くなることを防止し、光透過部12、12、…上に着色粒子が残留することを防止できる。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。例えば、顔料や染料により着色された光吸収部構成組成物を用いて、光吸収部全体を着色することもできる。
光吸収部13、13、…は、例えば以下に説明するようにして形成することができる。図9は、光吸収部13、13、…を作製する工程の一部を概略的に示した図である。
光吸収部13、13、…を形成するには、図9に示すように、まず、光透過部12、12、…上に光吸収部構成組成物46を供給する。次に、ドクターブレード47によって該光吸収部構成組成物46を光透過部12、12、…間の溝12a、12a、…に充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落とす。その後、光透過部12、12、…間の溝12a、12a、…に残った光吸収部構成組成物46に紫外線等を照射して硬化させることにより、光吸収部13、13、…を形成することができる。なお、図9に示した矢印IXは、図7で説明した工程を経て得られたシートの送り方向である。
このようにして光吸収部13、13、…を形成する場合、光透過部12、12、…の弾性率は10MPa以上2000MPa未満であることが好ましい。光透過部12、12、…の弾性率が2000MPa以上になると、硬くなり、ワレや欠けの不具合が発生したり、光吸収部13、13、…を形成する際に、光学機能層5の表面に外観不良を生じたり、光学機能層5の透過率が低下したりする虞がある。すなわち、光透過部12、12、…が硬すぎると、光透過部12、12、…上に供給した光吸収部構成組成物46のうち余剰分をドクターブレード47で掻き取る際、ドクターブレード47を光透過部12、12、…に押し付けても光透過部12、12、…が変形しないため、余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落としきれない虞がある。光透過部12、12、…の弾性率を上記範囲にすると、ドクターブレード47を押し付けた際、光透過部12、12、…の変形により、余剰分の光吸部構成組成物46の掻き取り不良を少なくし、光学機能層5の表面に外観不良を生じたり、光学機能層5の透過率が低下したりすることを防止できる。なお、光透過部12、12、…の弾性率が10MPa未満であれば、光透過部12、12、…が軟らか過ぎるため、上述したようにして光透過部12、12、…を形成する際に、光透過部12、12、…が金型ロール42から離型し難くなる虞がある。
4.光学フィルタ
次に、本発明の光学フィルタの製造方法について説明する。本発明の光学フィルタの製造方法によって製造される光学フィルタは、ここに入射した光を観察者にとって適切な光として透過させ、出射させるシート状の部材である。当該光学フィルタは複数の層を備えており、少なくとも上記本発明の光学機能シートの製造方法によって製造された光学機能シートからなる層を備えている。すなわち、本発明の光学フィルタの製造方法は、上記本発明の光学機能シートの製造方法によって基材層上に光学機能層を形成する工程を含んでいる。このような本発明の光学フィルタの製造方法によれば、光学的性能が向上された光学フィルタを製造することができる。例えば、表示装置に用いた場合に、映像光を透過する面の全面に亘って透過率やヘイズなどの光学特性の均一性が向上した光学フィルタを製造することができる。
また、本発明の光学フィルタには、用途に応じてその他の様々な機能を有する機能層が備えられる。本発明の光学フィルタに備えられ得るその他の層としては、従来の光学フィルタに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、波長フィルタ層、防眩層、反射防止層、電磁波遮蔽層、粘着剤層、ハードコート層等を挙げることができる。これらの層の積層順、及び積層数は、光学フィルタの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
波長フィルタ層は、所定の波長の光をフィルタリングする機能を有する層である。フィルタリングされるべき波長は必要に応じて適宜選択することができるが、映像源から出射されるネオン線をカットしたり、赤外線、近赤外線や紫外線をカットしたりする層を挙げることができる。これは他の機能層、例えば粘着剤層などと複合化させることもできる。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
反射防止層は外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
電磁波遮蔽層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えば銅メッシュを挙げることができる。当該銅メッシュを得る方法としてはエッチング、蒸着等により微細な銅のメッシュパターンを形成することが有効である。銅メッシュのピッチ等は遮断すべき電磁波や必要な透過率、モアレの発生状況により適宜設計されるが、例えばピッチ約300μm、線幅12μmであるものを挙げることができる。
粘着剤層は、粘着剤が配置される層である。該粘着剤としてアクリル系粘着剤を挙げることができる。ただし、必要な光透過性、粘着性、耐候性を得ることができれば粘着剤はこれに限定されるものではない。また、層構成によっては、色素の劣化を防止するために、紫外線を吸収する効果のあるUV吸収剤(ベンゾトリアゾールなど)を粘着剤に含めることが望ましい。
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
5.表示装置
次に、本発明の表示装置の製造方法について説明する。本発明の表示装置の製造方法によって製造される表示装置は、上記本発明の光学フィルタの製造方法によって製造された光学フィルタと、映像源とを備えている。すなわち、本発明の表示装置の製造方法は、上記光学フィルタの製造方法によって光学フィルタを製造する工程と、映像源より観察者側に該光学フィルタを配置する工程とを含んでいる。映像源としては、PDPなどを例示することができる。映像源より観察者側に光学フィルタを配置する方法としては、映像源の映像光出射側に、粘着剤層などを介して光学フィルタを貼合する方法が考えられる。
図10は、本発明の表示装置の製造方法によって製造される表示装置の一例であるプラズマテレビ100を模式的に示した分解斜視図である。図10では紙面右上が観察者側、紙面左下が背面側を示している。図10からわかるように、プラズマテレビ100は、前面側筐体130と背面側筐体120とにより形成される筐体の内側に、映像源ユニットであるPDPユニット110を備えている。
プラズマテレビ100にはその筐体内にPDPユニット110の他にもプラズマテレビに備えられる通常の各装置が具備される。これには例えば、各種電気回路や冷却手段等を挙げることができる。
図11はPDPユニット110の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図11では紙面左がプラズマテレビ100の背面側、紙面右が観察者側である。PDPユニット110は、プラズマテレビ100の背面側から観察者側に向かって、PDP111、及び光学フィルタ112を備えており、光学フィルタ112は粘着剤層113によってPDP111に貼合されている。
光学フィルタ112は、上記本発明の光学フィルタの製造方法によって製造された光学フィルタである。図12には、光学フィルタ112が、PDP111側から順に、電磁波遮蔽層114、光学機能シート10からなる層、波長フィルタ層115、及び反射防止層116を備えている形態を例示している。なお、図11には、光学機能シート10について、光学機能層5が基材層11よりもPDP111側に配置される形態を例示しているが、光学機能シート10の向きは光学機能シート10の用途に応じて適宜変更可能である。すなわち、光学機能層5が基材層11よりも観察者側になる向きで光学機能シート10が備えられても良い。
PDP111は、平板状の映像源であるプラズマディスプレイパネルであり、通常のプラズマテレビに用いられるものをそのまま適用することができる。従って、通常のPDPと同様に、3原色のそれぞれの蛍光体を有する1画素を1単位とした画素が縦横に並列されるとともにガス放電をさせて発光させるための電極が備えられている。
ここでは、本発明の表示装置の製造方法によって製造される表示装置としてプラズマテレビを例示したが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、映像源として、通常に知られている電界発光ディスプレイパネル(FED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、有機EL等を製造することも可能である。
上述したように、本発明の表示装置の製造方法は、上記本発明の光学フィルタの製造方法によって製造された光学フィルタを用いる。すなわち、本発明の表示装置の製造方法によれば、映像表示面の外観が向上され、光学的性能が向上された表示装置を製造することができる。また、当該表示装置は、映像表示面の全面において、透過率やヘイズなどの光学特性の均一性が向上させることが可能である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例)
直径300mmの円柱状の金型シリンダーを用意し、該金型シリンダーの外周面に硬質銅メッキを片肉で0.5mm施した。次に、当該金型シリンダーの外周面に、旋盤(ナガセインテグレックス社製「L1600−NIC」)を用いて以下のようにして切削して溝を形成した。なお、旋盤はチャンバー内に設置し、±0.2℃で管理した。金型シリンダーの回転数を150rpmとし、バイアス(金型の円周方に対する溝の長手方向の角度)を4.5度とするために刃物台の送り速度は74.1747mm/rev.に設定した。溝の切削にはダイヤモンドバイトを使用し、該ダイヤモンドバイトの先端形状は、頂角が6.0度で先端カット幅が41μmであった。51μmのピッチで溝を1450条切削した。
まず、溝と溝との間に形成される山部となる箇所について、深さ5μm切削した。このとき、切削する箇所の順番は、Microsoft Excel(登録商標)で作成した乱数によって設定した。
次に、溝を形成するにあたって、1条の溝について16回に分けて切削した。具体的には、金型シリンダーの外周面に形成される予定の1450条の溝について、それぞれ1回ずつ切削した後、さらに全ての溝について1回ずつ切削するということを16回繰り返すことによって、全ての溝を16回に分けて切削した。このとき、全ての回について、溝を切削する順番は、Microsoft Excel(登録商標)で作成した同じ乱数によって設定した。なお、1回目から13回目までは深さ5μmずつ切削し、14回目は深さ4μm切削し、15回目は深さ3μm切削し、16回目は深さ2μm切削した。
上記のように切削することによって、山部の上面を最後に切削する工程がなくなるため、バイトで山部を押さえることがなくなり、山部が倒れることを抑制できた。また、溝の切削順をランダムにすることによって、切れ味が良いときのバイトで切削した溝と、切れ味が悪くなってきたバイトで切削した溝とが隣り合うことが防止され、金型の外観に濃淡ムラが生じることを防止できた。
(比較例)
山部の上部と溝との切削順を逆にした以外は実施例と同様にして金型を作製した。すなわち、比較例では、実施例と同様の手順で溝を切削した後に、山部の上部を切削した。比較例にかかる金型は、山部が倒れており、金型の外観を目視で観察すると、スジが目立っていた。
1 金型
2 溝
3 山部
5 光学機能層
10 光学機能シート
11 基材層
12 光透過部
13 光吸収部
15 バインダー
16 光吸収粒子
50 バイト
100 表示装置
112 光学フィルタ
102 溝
103 山部

Claims (7)

  1. 円柱状体の外周面に平行に切削された複数の溝と、該溝間に形成された山部とを有する金型の製造方法であって、
    前記山部の上面となる部分を切削した後に前記溝を切削することを特徴とする、金型の製造方法。
  2. 前記山部の上面となる部分を切削するとき、前記山部の配列順と異なる順序で切削する、請求項1に記載の金型の製造方法。
  3. 前記溝を切削するとき、前記溝の配列順と異なる順序で切削する、請求項1又は2に記載の金型の製造方法。
  4. 前記溝の長手方向が前記金型の円周方向に対して傾斜するように、多条ねじ切りで前記溝を切削する、請求項1乃至3のいずれかに記載の金型の製造方法。
  5. 基材層と、該基材層上に層面に沿って所定の間隔で並列されるとともに光を透過可能に形成される光透過部、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成される光吸収部を備える光学機能層と、を備える光学機能シートの製造方法であって、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の金型の製造方法によって金型を製造する工程と、
    前記金型を用いて前記基材層上に前記光透過部を形成する工程と、
    前記光透過部間に前記光吸収部を形成する工程と、
    を含む、光学機能シートの製造方法。
  6. 入射した光を制御して観察者側に透過する複数の層を備え、
    少なくとも基材層と、該基材層上に層面に沿って所定の間隔で並列されるとともに光を透過可能に形成される光透過部、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成される光吸収部を備える光学機能層と、を備える光学機能シートからなる層を備える光学フィルタの製造方法であって、
    請求項5に記載の光学機能シートの製造方法によって前記光学機能シートを作製する工程を含む、光学フィルタの製造方法。
  7. 映像源と、該映像源の観察者側に配置される光学フィルタと、を備える表示装置の製造方法であって、
    請求項6に記載の光学フィルタの製造方法によって前記光学フィルタを製造する工程と、
    前記映像源より観察者側に前記光学フィルタを配置する工程と、
    を含む、表示装置の製造方法。
JP2011057831A 2011-03-16 2011-03-16 金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法 Active JP5720334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011057831A JP5720334B2 (ja) 2011-03-16 2011-03-16 金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011057831A JP5720334B2 (ja) 2011-03-16 2011-03-16 金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012192608A true JP2012192608A (ja) 2012-10-11
JP5720334B2 JP5720334B2 (ja) 2015-05-20

Family

ID=47084996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011057831A Active JP5720334B2 (ja) 2011-03-16 2011-03-16 金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5720334B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000153553A (ja) * 1998-11-20 2000-06-06 Nikon Corp 型付ロール
JP2004223836A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Fuji Photo Film Co Ltd パターンロールの製作方法及び装置並びに光学シートの製膜方法
JP2009160898A (ja) * 2008-01-10 2009-07-23 Hitachi Chem Co Ltd ロール金型とその製造方法および光学フィルム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000153553A (ja) * 1998-11-20 2000-06-06 Nikon Corp 型付ロール
JP2004223836A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Fuji Photo Film Co Ltd パターンロールの製作方法及び装置並びに光学シートの製膜方法
JP2009160898A (ja) * 2008-01-10 2009-07-23 Hitachi Chem Co Ltd ロール金型とその製造方法および光学フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5720334B2 (ja) 2015-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4698660B2 (ja) ディスプレイ装置用外光遮蔽フィルムおよびこの製造方法、これを含むディスプレイ装置用フィルタ
JP2015135501A (ja) 光学シートロール、並びに、光学シートロール、光学シート、及び表示装置の製造方法
JP2009169007A (ja) 反射型スクリーン
JP2016024227A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム、反射スクリーンの製造方法
JP2009217032A (ja) プラズマディスプレイパネルユニット及び表示装置
JP5720334B2 (ja) 金型、光学機能シート、光学フィルタ、及び表示装置の製造方法
JP6476812B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP5609062B2 (ja) 光学シート及び映像表示装置
JP2011137978A (ja) 光学シート、光学シートの製造方法、及び映像表示装置
JP2011075768A (ja) 光学シート及び映像表示装置
JP5919952B2 (ja) シートコイル、光学シート、これらの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP5477072B2 (ja) 金型、金型の製造方法、プリズムシート、光学機能シート、光学フィルター及び映像表示装置
JP2008145602A (ja) 光学シート及び表示装置
JP5471371B2 (ja) 光学シートの製造方法、光学シート及び映像表示装置
JP2012056137A (ja) 金型の製造方法、金型、光学機能シート、光学シート、及び映像表示装置
JP5821519B2 (ja) ロール金型の製造方法及び光学シートの製造方法
JP6090384B2 (ja) 光学シート及び映像表示装置
JP2014160262A (ja) 映像表示装置
JP5857596B2 (ja) ロール金型、ロール金型の製造方法
JP2016117233A (ja) 積層体の離型方法
JP2014092760A (ja) 光学シートおよび表示装置
JP2016064544A (ja) 成形用金型
JP2011232745A (ja) 光学機能シート、光学シート及び映像表示装置
JP2012212012A (ja) 光学シート、表示装置、光学シートの製造方法、及びロール金型の製造方法
JP2015075724A (ja) 反射層の形成方法、反射型スクリーンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150309

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5720334

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150