JP2009169007A - 反射型スクリーン - Google Patents

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勝洋 藤田
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陽二 小野
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Abstract

【課題】コントラストが高く、かつ高精細な映像に対応可能な反射型スクリーンを提供する。
【解決手段】レンチキュラーレンズシート部20とその背面に設けられたベース部50とを備える。
レンチキュラーレンズシート部20は、配列された複数のレンズ部31を有する。
ベース部50は、レンズ部31に対応して配列された反射部51と、反射部51の間に配設された非反射部52とを有する。
レンチキュラーレンズシート部20のレンズ部間の溝部であるレンズ谷部32には光を吸収する光吸収部40が設けられている。さらに、レンズ部31のレンズ表面と光吸収部の表面とが連続して全体でレンズの輪郭を構成していることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、反射型スクリーンに関する。
液晶、DMD(Digital Micro mirror Device)を映像源としたプロジェクタが広く普及している。特に、スクリーン前面に映像光を投射するフロントプロジェクタは、容易に画像投影寸法を対角60〜100インチなどと大型にすることができるという長所があるため広く使用されている。ただし、このフロントプロジェクタでは、明室で観視する際に外光がスクリーン面で反射して映像のコントラストが劣るという欠点がある。
この点を改善するためのスクリーンの一例が、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示のスクリーンでは、レンチキュラーレンズシートの背面側に反射層と光吸収層が設けられている。そして、反射層によって映像光を反射し、光吸収層によって外光を吸収することにより、コントラストを向上させている。
ところで近年、映像を高精細化する要求が高まっている。例えば対角100インチの画像投影寸法で垂直方向に1080ピクセル、縦横比9:16の映像では、垂直方向1ピッチの画素の大きさは約1mmとなる。
特許文献1のようなスクリーンではレンチキュラーレンズのピッチと画素ピッチとが干渉して起こるモアレ障害を回避する必要がある。
モアレ障害を回避する方法としては、(1)両者のピッチ比が略整数倍となることを避ける方法と、(2)一方のピッチを他方に対し例えば1/4以下に小さくする方法、とが代表的である。
ここで、フロントプロジェクタでは一般に画像投影寸法を変化できるものが多いことを考慮すると、前記(1)の方法では対応できない。
従って前記(2)の方法を採用することになるが、レンチキュラーレンズのピッチを画素ピッチより大きくすると映像の精細さを欠く事になるため、レンチキュラーレンズのピッチを画素ピッチの1/4以下とする必要がある。すると、例えば、高精細で対角100インチ程度の画像投影寸法でレンチキュラーレンズのピッチを0.3〜0.2mm以下とする必要がある。
特開平4−214547号公報
しかしながら、このように微細なピッチでかつ対角60インチ以上などという大面積のレンチキュラーレンズシートは、成形金型の製作精度及び転写成形の精密さにおいて問題がある。一般に、レンチキュラーレンズの製造はレンズ断面形状の略逆形状をなす成形型を使用して行われる。前記成形型は、略レンズ断面の形状を一部に持つ切削バイトにより、各レンズに対応した形状を順次切削して製造するが(図7)、この時、金型凹凸形状の凸部(=レンズ間の溝部に対応)にバリが生じやすい問題がある(図8)。
以下、レンズ間の溝部をレンズ谷部と称する事がある。
またレンズ谷部の形状はたとえば視野半値角〜視野1/10値角付近の輝度視野角特性に影響するが、スクリーンの視野角特性は一般に釣鐘状であり、このような斜め角度付近では角度により輝度が大きく変化するため、レンズ谷部の形状のムラが斜め方向から観察した場合の明るさ均一性、外観品位を大きく劣化させる。
なお、レンズ頂部の形状のムラは正面方向から観察した場合の明るさ均一性、外観品位に影響するが、スクリーンの視野角特性は一般に釣鐘状であることから、目立ちにくい。
以上のようにレンズ谷部の形状はムラが生じやすく、またそのムラが明るさ均一性、外観品位に大きく影響する。
上記問題はピッチに関わらず生じるが、微細なピッチになるほど面積当たりのレンズ谷部の数が増すため、問題が顕著になる。
このように、レンチキュラーレンズを設けてコントラストを向上させると、高精細な映像に対応できなくなるという問題が生じる。
本発明の目的は、コントラストが高く、かつ高精細な映像に対応可能な反射型スクリーンを提供することにある。
本発明の反射型スクリーンは、投射光源から発射される投射光を反射して映像を映す反射型スクリーンであって、前記投射光源からの投射光が入射する側の面に配列された複数のレンズ部を有するレンチキュラーレンズシート部と、前記レンチキュラーレンズシート部の前記レンズ部が設けられた面とは反対側の面に設けられるとともに前記レンズ部に対応して配列された反射部および前記反射部の間に配設された非反射部を有するベース部と、を備え、前記レンチキュラーレンズシート部の前記レンズ部間の溝部であるレンズ谷部には光を吸収する光吸収部が設けられていることを特徴とする。
このような構成において、略正面から入射する映像光はレンズ部を通して集光され、レンズ部に対応した反射部に入射する。そして、反射部に入射した光は、反射部で反射されたのち、レンズ部を通して正面の観察者側へ向けて拡散射出される。一方、レンズ部に斜め方向から入射する外光はレンズ部を通過して非反射部に入射する。そして、非反射部にて遮光や吸光されることにより、外光は観察者側に射出されない。その結果、コントラストに優れたスクリーンとなる。さらに、本発明では、形状ムラが生じやすいレンズ谷部に光吸収部を設けている。したがって、レンズ谷部に対応した視野角付近での輝度そのものを低く抑えることができる。その結果、明るさムラが目立たず、外観品位に優れたスクリーンを提供することができる。そして、レンズ谷部の形状ムラが問題とならないため、レンチキュラーレンズのレンズピッチを精細にして、非常に高精細な映像にも対応する反射型スクリーンを提供できる。
なお、光吸収部の吸光度については特に限定されるものではないが、可視領域の波長に対して、0.05から1程度であることが好ましく、さらには、0.1から0.7程度であることがより好ましい。
本発明では、前記光吸収部は凹状の断面形状であることが好ましい。
このような構成によれば、光吸収部を備えていても、レンズ部間の谷の部分が凹状となるので、レンズ部のレンズ効果を大きく損なうことがなく、コントラストおよび外観品位に優れたものとすることができる。
本発明では、前記レンズ部のレンズ表面と前記光吸収部の表面とが連続して全体でレンズの輪郭を構成していることが好ましい。
このように全体としてレンズの輪郭を構成することにより、光吸収部を備えていてもレンズ本来の効果を損なうことがない。
本発明では、前記光吸収部の厚み方向の長さは、前記レンズ部の配列ピッチの5〜50%の範囲で適宜選択されることが好ましい。
光吸収部が所定の深さを有することにより光吸収部での吸収効果を高めて、レンズ谷部にできる形状ムラによる望ましくない光の射出を減じることができる。
その結果、外観品位をより向上させることができる。また、光吸収部が所定の深さを有することにより斜め方向から入射する外光のうち光吸収部を通過する割合が高くなる。その結果、外光の吸収率を高め、観察面側に射出される外光量を減じることができるので、コントラストを向上させることができる。
本発明では、前記レンチキュラーレンズシート部において、前記光吸収部を設ける前記レンズ谷部はあらかじめ楔形に削られた形に成型され、前記レンズ谷部に前記光吸収部を構成するインクが充填されることにより前記光吸収部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、楔形のレンズ谷部にインクを充填することにより光吸収部を設けることができる。そして、あらかじめ充填する領域を確保しておくので、光吸収部の幅を一定に規定することができる。たとえば、光吸収部を十分に狭い幅にすることにより、光吸収部に入射する投射光(映像光)を少なくして映像の明るさの減衰程度を極力小さくすることができる。
一方、レンズ谷部を楔形にして深くすることにより、シートの厚み方向において光吸収部を深く設けることができる。すると、斜め方向から入射してくる外光については光吸収部を通過する割合が高くなり、光吸収部における外光の吸収率が高まる。その結果、コントラストが高いスクリーンとすることができる。
また、あらかじめ削られた形に設けられたレンズ谷部に光吸収部を充填することにより、その表面をレンズ部の表面に連続させて全体で円または楕円形状とすることが容易である。
なお、光吸収部の屈折率はレンズシート本体部の屈折率よりも低いことが好ましい。
これとは逆に、光吸収部の屈折率がレンズシート本体部の屈折率よりも高い場合、光吸収部に入射した光は光吸収部とレンズシート本体部との境界において全反射しやすくなる。すると、この境界面の形状ムラによる乱れた反射が観察者から目立ってしまい、外観品位が劣化しやすくなる。
この点、本発明によれば、外観品位も高く、コントラストに優れたスクリーンとできる。
本発明のスクリーンによれば、形状のムラが生じやすいレンズ谷部に光吸収部を有しているので、微細なピッチのレンチキュラーレンズを有していても、明るさムラ、特に斜め方向からの明るさムラが目立ちにくく、外観品位に優れた反射型スクリーンを製造することができる。
また本発明のスクリーンは、スクリーン正面方向から照射された投射光(映像光)は大きな減衰が無く観視側へ反射できる一方、上方から入射する外光は比較的大きな減衰を伴って観視側へ反射するため、外光コントラストに優れる。
以下、図を用いて本発明の反射型スクリーンに係る一実施形態について説明する。
図1は、反射型スクリーン10の使用形態の一例を示す模式図である。
投射光源(図示省略)を有する前面投射型表示装置(フロントプロジェクタ)60が、反射型スクリーン10の正面に配置され、前面投射型表示装置60から発射される映像光(投射光)が反射型スクリーン10に投影される。そして、反射型スクリーン10にて反射された映像光が観察者Mにて観察される。
図2は、反射型スクリーン10の拡大断面図である。
反射型スクリーン10は、スクリーンの表側を構成するレンチキュラーレンズシート部20と、このレンチキュラーレンズシート部20の背面に設けられ、複数配列された光反射部51およびこれら光反射部51の間に配列された非反射部52を有するベース部50と、を備える。
レンチキュラーレンズシート部20は、おもて面に半円筒状のレンズ部31が平行に複数本配列されたレンズシート本体部30と、レンズシート本体部30のレンズ谷部32に設けられた光吸収部40と、を備える。
レンズシート本体部30におけるレンズ部31のレンズ配列ピッチは、例えば、0.03mm〜0.3mmの範囲で適宜選択される。
レンズ配列ピッチが0.3mmを超えると、投写された映像のスクリーン面における画素ピッチとレンズピッチとが干渉して生じるモアレ障害が目立つ場合がある。その一方、レンズ配列ピッチが0.03mmよりも小さいとレンズを精度よく製造することが難しくなる。また、光吸収部40を設けるレンズ谷部32は、あらかじめ楔形に削れた形に成型されている(図3参照)。
このようなレンズシート本体部30は、金型を用い、熱可塑性樹脂を用いた押し出し製法や、ベースシートと紫外線硬化樹脂を用いた2P製法などにより作成される。
また、レンズシート本体部30には成形のむらを目立ちにくくする目的などで拡散材を0.1〜10重量%程度混入してもよい。
なお、レンズ谷部32の楔形溝条もレンズ部31ととともに一体成型されるように金型を形成しておいてもよく、あるいは、レンズ部31のみを形成したのちに別行程でレンズ谷部32を楔型に削ってもよい。
光吸収部40は、レンズ31とレンズ31との間であるレンズ谷部32に設けられている。光吸収部40は、光吸収材を含んだ着色インクによって形成された層であり、この着色インクがレンズ谷部32に充填されて光吸収部40が形成されている。
ここで、光吸収部40の幅はレンズピッチの1〜15%とすることが好ましい。
光吸収部40の幅がレンズピッチの1%よりも小さい場合、明るさムラを軽減する効果やコントラスト改善効果の点で好ましくなく、光吸収部40の幅がレンズピッチの15%よりも大きい場合、スクリーンが暗くなってしまって明るさの点で好ましくない。
また、光吸収部の厚み方向の長さ(深さ)は、レンズピッチの5〜50%の範囲で適宜選択されることが好ましい。
光吸収部40の深さがレンズピッチの5%以下である場合、レンズ谷部32を切り欠いた効果が小さくなる恐れがある。光吸収部40の深さがレンズピッチの50%を超える場合、レンチキュラーレンズシート部20の強度の点で好ましくない。
なお、レンズ谷部32の底面321には平坦部や面取り部を設けることが、成形型やレンチキュラーレンズシートの強度の点で好ましい。
また、光吸収部40の表面41はレンズ部31の表面311となめらかに一連につながって、表面の全体が断面視において滑らかな円弧(円または楕円の孤)を形成している。
このように全体として断面視円または楕円表面となることにより、光吸収部40を備えていてもレンズ本来の効果を損なうことがない。
それに対して、光吸収部40の表面が平坦だったり(図4(A))、表面側に膨出したような形状(図4(B))になっていると、レンズ本来の効果が損なわれてしまうため好ましくない。
光吸収部40を形成するにあたっては、光吸収性を有する添加材を含有した着色インクを前記レンズシート本体部30のレンズ部31および谷部32を含めた全体に塗布し、レンズ谷部近傍以外の着色インクを掻き取り具により除去する。すると、レンズ谷部32に光吸収部40を備えたレンチキュラーレンズシート部20が形成される。あるいは、低粘度の着色インクをレンズ全面に塗布し、毛細管現象によって実質レンズの谷部近傍のみに光吸収部40を形成してもよい。
光吸収性を有する添加材としては、カーボン粒子や染料が例として挙げられる。また、光吸収部40の屈折率はレンズシート本体部30の屈折率よりも低い。このような組み合わせとしては、光吸収部40を形成するためのインクをアクリル系樹脂またはウレタン系樹脂とし、レンズシート本体部30はスチレン系樹脂またはポリカーボネート樹脂で形成することが例として挙げられる。
レンチキュラーレンズシート部20の背面には、後述する光反射部51および非反射部52に対応した凹凸の溝が設けられている。レンズ部31の略背面には凹溝条33が設けられ、レンズ谷部32の略背面には凸条34が設けられている。凹溝条33の底面は平坦に設けられている。
ベース部50は、レンチキュラーレンズシート部20のレンズ配列に対応して配列された光反射部51と、光反射部51の間に配設された非反射部52と、を備える。
ベース部50を形成するにあたっては次のような工程が例として挙げられる。
まず、レンチキュラーレンズシート20の背面には、あらかじめレンズ部31に対応して配列された凹溝条33と、レンズ谷部32に対応して配列された凸条34と、が設けられている。そして、前記凸条34に光吸収材を塗布して層を形成したのち、その上からレンチキュラーレンズシート部20の背面全体に光反射性の部材で形成されたベース本体511を形成する。非反射部52としての光吸収材は、ロール印刷、スクリーン印刷によって塗布してもよい。光反射性のベース本体511としては、金属蒸着膜でもよく、白色顔料を含有したインクで形成した層でもよい。反射性インクを用いた場合、反射性インクが接着層を兼ねられることから、裏打ちシートを積層する場合には更に工程が簡便となって好ましい。
なお、光反射部51と非反射部52を設ける位置については、基本的にレンズ部31の背面に対応する位置に光反射部51を設け、レンズ谷部32(光吸収部40)の背面に対応する位置に非反射部52を設ければよい。
ただし、前面投射型表示装置60からの光束がレンズ部31で集光されて光反射部51に入射する構成とする必要がある。
ここで、前面投射型表示装置60からの光は、放射状に拡散投射されるため、スクリーンの中央領域、上端側領域、下端側領域では光束がレンズに入射する角度が異なってくる。そこで、スクリーンの中央領域では、レンズ部31の背面に対応する位置に光反射部51を設け、レンズ谷部32(光吸収部40)の背面に対応する位置に非反射部52を設ければよいが、上端側領域では、上方に向かうに従って光反射部51がレンズ部31に対してやや上方になるようにし、下端側領域では、下方に向かうに従って光反射部51がレンズ部31に対してやや下方になるようにすることが好ましい。
このような反射型スクリーン10による作用について説明する。
本実施形態の反射型スクリーン10は、レンズ谷部32に光吸収部40を備えている。
レンチキュラーレンズを微小なレンズピッチで形成する場合、金型にバリが発生してしまうため、レンズ谷部の形状にムラが生じやすく、明るさ均一性や外観品位を大きく劣化させてしまう。特に、斜め方向からスクリーンを観察する場合には、レンズ谷部の形状ムラが非常に大きく影響するため、その問題は大きい。
この点、本実施形態の反射型スクリーン10では、レンズ谷部32に光吸収部40を設けることにより、レンズ谷部32の形状ムラによる光束の乱れを抑止することができる。
そのため、明るさ均一性や外観品位を向上させることができる。そして、レンズ谷部32の形状ムラが問題とならないため、レンチキュラーレンズシート部20のレンズピッチを精細にして、非常に高精細な映像にも対応する反射型スクリーン10を提供できるという画期的な効果を奏する。
次に、反射型スクリーン10に入射する光の経路について具体的に説明する。
図5は、反射型スクリーン10に入射する光束の経路を表した図である。同図に示すように、スクリーン正面方向から前面投射型表示装置60により映像光Lが照射され、スクリ―ン斜め上方の天井に設置された照明から外光Lが照射されている。
反射型スクリーン10の正面から入射する映像光Lは、レンズ部31によって集光され、レンズ部31の背面に位置する光反射部51に入射する。そして、光反射部51によって反射された光はレンズ部31を通って拡散発射される。
なお、反射型スクリーン10の正面から映像光Lが入射すると、光吸収部40に入射する映像光Lもあるが、光吸収部40はレンズ部31に比べて幅が狭いのでここの吸収分については映像や明るさに影響を与えるほどではない。
一方、スクリーンに対して斜め上方から入射する外光Lは、レンズ部31によって集光され、レンズ谷部32の背面に位置する非反射部52に入射する。そして、非反射部52により外光Lが吸収され、観察側へは射出しない。その結果、明るく、コントラストに優れた映像が提供される。
図6は、光吸収部40に関係する光束の経路を抜き出して詳細に説明するための図である。
図6には光吸収部近傍に入射する映像光L10と、斜め上方向から入射する外光のうち正面寄りから入射する外光L11、および、上方寄りから入射する外光L12の経路がそれぞれ示されている。映像光L10は前述のように光吸収部40を通って光反射部51へ到達するが、光吸収部40はレンズ谷部32で狭い範囲にのみ設けられているため、光線が減衰する程度は少ない。
一方、正面寄りから入射する外光L11は、光吸収部40とレンズシート本体部30との境界に入射する。
このとき、光吸収部40の屈折率がレンズシート本体部30との屈折率よりも小さい場合について説明する。
この場合、臨界角よりも小さい角度でレンズシート本体部30から光吸収部40に入射する外光L11は、光吸収部40とレンズシート本体部30との境界で全反射される。
その結果、外光L11は、レンズ谷部32の背面に設けられている非反射部52に入射して吸収され、観察面側に射出する量は少ない。
上方寄りから入射する外光L12は、臨界角より小さな入射角で光吸収部40とレンズシート本体部30の境界に入射し、光吸収部40を通って光反射部51へ到達するが、光吸収部40を通過するので光束は吸収される。
以上のように、映像光については、極一部が光吸収部に入射して吸収されるものの、そのほとんどが光反射部51で反射されてレンズ部31から拡散射出される。
その一方、外光については、そのほとんどが非反射部52か光吸収部で吸収されるため、外部に射出する量が極めて少なくなる。
その結果、本実施形態の反射型スクリーンは、コントラストに非常に優れる。
なお、本発明は上記実施形態にのみ限られるものではなく、本発明の趣旨の範囲内において変更できることはもちろんである。
本発明におけるレンズの断面形状が円または楕円である場合について説明したが、これ以外にも放物線、双曲線、多角形状などを採用でき、またこれらを複合させることで視野角を調整できる。
レンズの形状は上下非対称であっても良い。
近年は斜め下方から映像を投射する場合も多いことから、レンズ先端が下方にずれていてもよい。また、レンズ面には防眩機能、反射防止機能を付与してもよく、この場合、映像光がレンズ面で反射してまぶしくなることを防止できる。例えば10Pa秒以下の低粘度の着色インクに防眩用微粒子を混合し、レンズ面に塗布すると、毛細管現象でレンズ谷部近傍に着色層が形成される一方、レンズの頂部近傍には防眩用微粒子と極薄い着色層とからなる防眩層が形成されるため、工程が簡略化され、好ましい。
ベース部のさらに背面側に裏打ち層を設けても良い。難燃性および巻き取り収納した際のこすれによる表面傷付きが少ない点で例えば軟質塩化ビニル製シートが好ましい。
ベース部は、レンチキュラーレンズシート部の背面に設けられるものであり、膜状や層状であってもよく、強度が求められる部材である必要はない。
また、上記実施形態ではベース部を設けるにあたり、まず、レンチキュラーレンズシート部の背面に非反射部を設けて、その後、反射部となる金属蒸着膜を形成して一体的なベース部を構成する場合について説明したが、反射部についても一つ一つが分離して設けられていてもよく、その場合でも、レンチキュラーレンズシート部の背面に設けられた反射部および非反射部の全体でベース部とすることができる。
上記の説明において、図4(A)(B)のように光吸収部40の表面が平坦だったり(図4(A))、表面側に膨出したような形状(図4(B))になっているとレンズ本来の効果が損なわれてしまうため好ましくないと説明したが、このような形態であっても光吸収の効果を奏するものであって本発明に含まれるものであり、本発明から除外する意ではない。
そしてまた、レンズ部の表面と光吸収部の表面とが必ずしも連続して一のレンズ面を構成していなくても、光吸収部がレンズの谷を形成する程度には凹んでいる場合も本発明に含まれる。
本発明に係る一実施形態において、反射型スクリーンの使用形態の一例を示す模式図。 前記実施形態において、反射型スクリーンの拡大断面図。 前記実施形態において、レンズシート本体部の拡大断面図。 前記実施形態において、望ましくない光吸収部の形状を示す図。 前記実施形態において、反射型スクリーンに入射する光束の経路を表した図。 前記実施形態において、光吸収部に関係する光束の経路を抜き出して詳細に説明するための図。 背景技術の説明において、金型をバイトで切削する様子を示す図。 背景技術の説明において、金型凹凸形状の凸部にバリが生じている状態を示す図。
符号の説明
10…反射型スクリーン、20…レンチキュラーレンズシート部、30…レンズシート本体部、31…レンズ部、32…レンズ谷部、33…凹溝条、34…凸条、40…光吸収部、41…光吸収部の表面、50…ベース部、51…光反射部、52…非反射部、60…前面投射型表示装置、311…レンズ部の表面、321…レンズ谷部の底面、511…ベース本体。

Claims (5)

  1. 投射光源から発射される投射光を反射して映像を映す反射型スクリーンであって、
    前記投射光源からの投射光が入射する側の面に配列された複数のレンズ部を有するレンチキュラーレンズシート部と、
    前記レンチキュラーレンズシート部の前記レンズ部が設けられた面とは反対側の面に設けられるとともに前記レンズ部に対応して配列された反射部および前記反射部の間に配設された非反射部を有するベース部と、を備え、
    前記レンチキュラーレンズシート部の前記レンズ部間の溝部であるレンズ谷部には光を吸収する光吸収部が設けられている
    ことを特徴とする反射型スクリーン。
  2. 前記光吸収部は凹状の断面形状である
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射型スクリーン。
  3. 前記レンズ部のレンズ表面と前記光吸収部の表面とが連続して全体でレンズの輪郭を構成している
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射型スクリーン。
  4. 前記光吸収部の厚み方向の長さは、前記レンズ部の配列ピッチの5〜50%の範囲で適宜選択される
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の反射型スクリーン。
  5. 前記レンチキュラーレンズシート部において、前記光吸収部を設ける前記レンズ谷部はあらかじめ楔形に削られた形に成型され、
    前記レンズ谷部に前記光吸収部を構成するインクが充填されることにより前記光吸収部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の反射型スクリーン。
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