JP2014160262A - 映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学的性能を維持、又は向上させることができるとともに、その他の技術的、及び生産性の観点からも優れたシートを備えた映像表示装置を提供する。
【解決手段】映像源と、該映像源の観察者側に配置される光学シートと、を有する映像表示装置であって、光学シートは、第一光学シート11と、第一光学シートから所定の間隙Aを有して離隔して配置される第二光学シート21とを有し、第一光学シートが、光を透過するプリズム部14と、光を吸収する光吸収部15とがシート面に沿って交互に配列される光学機能シート層12を備え、プリズム部は幅の短い上底が間隙に接する略台形形状を有し、光吸収部は間隙に接する底辺を有する略三角形断面を具備し、光学機能シート層のうち間隙に面する光吸収部の底面には、マット面、又は、凹部が形成されており、第二光学シートが基板層22を備える。
【選択図】図1
【解決手段】映像源と、該映像源の観察者側に配置される光学シートと、を有する映像表示装置であって、光学シートは、第一光学シート11と、第一光学シートから所定の間隙Aを有して離隔して配置される第二光学シート21とを有し、第一光学シートが、光を透過するプリズム部14と、光を吸収する光吸収部15とがシート面に沿って交互に配列される光学機能シート層12を備え、プリズム部は幅の短い上底が間隙に接する略台形形状を有し、光吸収部は間隙に接する底辺を有する略三角形断面を具備し、光学機能シート層のうち間隙に面する光吸収部の底面には、マット面、又は、凹部が形成されており、第二光学シートが基板層22を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、映像源から出射される映像光を制御して観察者側に出射する光学シートを備えた映像表示装置に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、有機EL、FED等のような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
光学シートは、それぞれの機能を有する各層が積層されることにより形成されている。例えば特許文献1には、当該光学シートの積層構造が開示され、これにより映像光の透過率(輝度)及びコントラスト(明暗対比比)を向上させることができるとしている。
また、各種映像表示装置は近年において急速に多様化している。そして光学シートも当該多様化に追随して適切な該光学シートを提供することが求められている。
特に、プラズマテレビの光学シートは、2種類に大別される。図9、図10にその概要を示した。図9、図10は、各種類のプラズマテレビ201、301におけるプラズマディスプレイパネル(PDP)202、302及び光学シート210、310を模式的に示した図である。図9、図10では紙面右が観察者側である。
1つの種類は、図9に示したように、映像光源であるPDP202の観察者側に該PDP202から所定の間隙を有して光学シート210が配置される方式である(以下、「ガラスフィルタ方式」と記載することがある。)。この場合には、光学シート210にはガラス等の基板層222が設けられ、該基板層222の表及び/又は裏に各光学的機能を有する層223が一体に配置される。
もう1つの種類は、図10に示したように、PDP302の投射光源側の面に直接一体に積層される光学シート310である(以下、「直張り方式」と記載することがある。)。当該直張り方式においては、ガラス等の基板が用いられず、光学的機能を有する層323が直接PDP302に積層されている。
上記2つの方式は、それぞれ利点、及び解決すべき点を有しており、いずれか一方の方式により他方の方式の光学的特性及びその他技術的な特徴を両立することが困難であった。具体的には直張り方式は光学的特性に優れるという特徴を有しているが、発光効率や放熱等の他の技術的観点、及び生産性の問題から必ずしも直張り方式を採用することができない場合があり、これを解決する要望があった。
そこで本発明は、光学的性能を維持、又は向上させることができるとともに、その他の技術的、及び生産性の観点からも優れた光学シートを備えた映像表示装置を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、映像源と、該映像源の観察者側に配置され、映像源から出射された光を入射して透過し、観察者側に出射する複数の層を有する光学シートと、を有する映像表示装置であって、光学シートは、第一光学シート(11)と、第一光学シートとは別体で該第一光学シートから所定の間隙(A)を有して離隔して配置される第二光学シート(21)とを有し、第一光学シートが、光を透過するプリズム部(14、14、…)と、光を吸収する光吸収部(15、15、…)とがシート面に沿って交互に配列される光学機能シート層(12)を備え、該光学機能シート層の断面において、プリズム部は幅の短い上底が間隙に接して配置される略台形形状を有し、光吸収部は間隙に接した底辺を有する略三角形断面を具備し、光学機能シート層のうち間隙に面する光吸収部の底面には、マット面、又は、凹部が形成されており、第二光学シートが基板層(22)を備えることを特徴とする映像表示装置により前記課題を解決する。
ここで、「間隙」に存する気体の種類は特に限定されるものではなく、真空度が高くされていても良い。その中でも製造の容易性等の観点から通常圧の空気が存在することが好ましい。
また、「マット面」とは、意図的に設けられた微小の凹凸を有する面を意味し、ここで光を散乱反射が可能とされた面をいう。
また、「マット面」とは、意図的に設けられた微小の凹凸を有する面を意味し、ここで光を散乱反射が可能とされた面をいう。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像表示装置における第二光学シート(21)の基板層(22)に、光学的機能を有する1又は複数の光学フィルム(24、25、26)が順に関係なく積層されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の映像表示装置の1又は複数の光学フィルムが、赤外線を遮断するフィルム(24)、電磁波を遮断するフィルム(25)、又は光の反射を防止するフィルム(26)から選ばれる1又は複数の光学フィルムであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学シート(10)の光吸収部(15、15、…)の略三角形断面の底辺端部からシート厚方向に延在する斜面部分と、シート出光面の法線との成す角が、シート厚方向の一方と他方とで異なるように、斜面部分が曲線及び/又は折れ線状であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像表示装置の光吸収部(15、15、…)の略三角形断面の底辺端部からシート厚方向に延在する斜面部分と、シート出光面の法線との成す角が、シート厚方向の一方と他方とで異なるように、斜面部分が折れ線状であるとともに、成す角がいずれの位置でも0度よりも大きく10度以下であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の映像表示装置のプリズム部(14、14、…)が屈折率Npである樹脂により形成され、光吸収部(15、15、…)が屈折率Nbである樹脂により形成されるとともに、屈折率Npの大きさが屈折率Nbの大きさ以上であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像表示装置の光吸収部(15、15、…)に平均粒径が1μm以上の光吸収粒子を含有することを特徴とする。
ここで「平均粒径が1μm以上」であることにおける「1μm」とは、重量分布法による粒度測定で得られる値である。
本発明によれば上記直張り方式のように映像源に直接積層させる光学シートの利点を生かしつつ、ガラスフィルタ方式の光学シートを利用することが可能なので、直張り方式において得られなかった技術的な特徴、及び生産性の観点から優れた映像表示装置を提供することができる。この際には、直張り方式の光学特性の利点は維持される。直張り方式の光学特性の利点とは、例えば、光学機能シート層と表示面との距離が近くなることによる2重像の低減などがある。また、本発明によれば、光学機能シート層の断面において光吸収部の底辺が間隙側に備えられているため、光学機能シート層の間隙側の面を微小な凹凸有する面とすることが容易であり、該凹凸によっても2重像を低減することができる。より具体的には、映像源から出射されて光学機能シート層を透過し、ガラスフィルタ等の映像源側の面で反射されて光学機能シート層に戻ってくる映像光が、上記凹凸によって拡散されることによって2重像を低減することができる。
また、本発明の映像表示装置に具備される光学シートは複雑な構造を有する光学機能シート層と、比較的単純な構成を有する他の層とが別体として構成されているので、光学シートを構成する各層を積層し、光学シートを形成する際に中途における不具合を容易にやり直すことができる。具体的には例えば貼り付けに失敗した場合、他の層に糊残り等の影響なく剥がすことが可能となる。従って歩留まりを向上させることもできる。
さらには、設置される映像表示装置によって層構成の変更を必要とされる他の層が光学機能シート層と接着することなく設けられるので、製造において他の層の種類の切り替えも容易でこの観点からも生産性の向上をすることができる。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は第一実施形態にかかる映像表示装置に具備される光学シート10の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。光学シート10は、第一光学シート11、及び該第一光学シート11からAで示した間隙を有して配置される第二光学シート21を備えている。そして第一光学シート11は、光学機能シート層12と基材層としてのPETフィルム層13とを具備している。また、第二光学シート21は、基板層22と、該基板層22に積層される光学フィルム層23とを備えている。ここで光学フィルム層23は、赤外線カットフィルム層24、電磁波シールドフィルム層25、及び反射防止フィルム層26を有している。ここで第一光学シート11と第二光学シート21とは別体で設けられている。本実施形態では、上記各層は図1で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在するように形成されている。以下に各層について説明する。
光学機能シート層12は、第一光学シート11のシート面に直交する断面において断面が略台形であるプリズム部14、14、…と、該プリズム部14、14、…の間に配置される光吸収部15、15、…とを備えている。
プリズム部14、14、…は略台形断面における幅の長い下底を第一光学シート11のPDP2(図8参照)側のシート面に、短い上底を間隙Aの方向に向けて配置される。また、プリズム部14、14、…は、屈折率Npを有する光透過性樹脂で構成されている。これは通常、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有する例えばウレタンアクリレート等により形成されている。
光吸収部15、15、…は、プリズム部14、14、…の間に配置される略三角形断面を有する要素である。当該三角形断面の底辺に相当する面が間隙Aの方向に向けて配置されている。このとき該三角形断面の斜面は、光学シート10のシート面の法線方向に対して0度より大きく、10度以下の角度を有していることが好ましい。さらに好ましくは0度より大きく6度以下である。
また、当該斜面の傾きは必ずしも一定である必要はなく折れ線状とされていてもよい。さらには曲線状とされてもよい。図2に光吸収部15’、15’’の斜面が折れ線状とされた例(図2(a))、及び曲線状とされた例(図2(b))を示した。図2(a)に示した場合には、光吸収部15’の斜面(プリズム部14’、14’の斜面)は、1つの平面からではなく、2つの平面から構成されている。すなわち断面において折れ線状の斜面を有している。詳しくは、底面側の斜面は光学シートのシート出光面の法線に対して角度θ1を有している。一方、他方側(紙面左側)に配置される斜面は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ2を有している。この角度は、θ1>θ2の関係であるとともにいずれも0度より大きく、10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。また、2つの斜面は、光学機能シート層12の厚み方向にT1とT2とに分ける位置で交差する。T1とT2とは同じ大きさであることが好ましい。これは2つの平面により構成されている例であるが、さらに多くの平面で構成されることにより、断面における折れ線状が形成されても良い。
図2(b)に示した場合には、光吸収部15’’の斜面(プリズム部14’’、14’’、…の斜面)は曲面で構成されている。このように斜面が曲面であっても良い。この場合でも、当該斜面と第一光学シート11のシート出光面の法線との成す角は、底面側の他方側(紙面左側)の方が小さいことが好ましい。さらにその角度もいずれの部分でも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。ここで、曲線とシート出光面の法線との成す角は、曲線を10等分し、各端部を結ぶ直線と、シート出光面の法線との成す角により定義される。
光吸収部15、15、…は、プリズム部14、14、…と同じ、又は小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光吸収部15、15…の屈折率Nbとプリズム部14、14、…の屈折率NpとをNp≧Nbとすることにより、所定の条件でプリズム部14、14、…に入射した光源からの映像光を光吸収部15、15、…とプリズム部14、14、…との界面で適切に反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0〜0.06であることが好ましい。
加えて、光吸収部15、15、…は、プリズム部14、14、…と、光吸収部15、15、…との界面で反射せず、該光吸収部15、15、…の内側に入射した光を吸収する機能を備えている。光を吸収させるための手段は特に限定されるものではないが、これには例えば光吸収性を有する粒子が含有されたり、顔料や染料により着色されたりすることを挙げることができる。これにより所定の角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができ、映像光のコントラストを向上させることが可能となる。ここで光吸収性を有する粒子が含有された場合には、該粒子の粒径は1μm以上であることが好ましい。当該粒子は光吸収性を有していれば特に限定されるものではないが、黒色であることが好ましく、これには市販の粒子を用いることもできる。またこの際には、上記粒子が配置される以外の該光吸収部の部分にはバインダーが充填される。そしてバインダー材が上記の屈折率Nbである材料により構成される。バインダー材として用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、電離放射線、紫外線等により硬化する特徴を有するエポキシアクリレート等を挙げることができる。
次にPETフィルム層13について説明する。PETフィルム層13は、該PETフィルム層13面上に上記光学機能シート層12を形成するための基材層として機能するフィルム層で、PETを主成分としている。当該PETフィルム層13はPETを主成分として含有していれば良く、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜な量添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
ここで説明した光学シートにおいて、基材層については、その材料は必ずしもPETであることは必要なく、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、又はポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂等の「ポリエステル系樹脂」を用いることができる。本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からPETを主成分とする樹脂が好ましい材料であるとして説明した。
また、PETフィルム層13は必ずしも必要な層ではなく、光学機能シート層12を備えている第一光学シート11であれば、当該PETフィルム層13が備えられなくても光学シート10とすることができる。本実施形態では、光学機能シート層12の製造における生産性等の観点からPETフィルム層13を備える態様を説明した。
以上第一光学シート11には光学機能シート層12及びPETフィルム層13が積層されている態様を示したが、ここに含まれる層はこれに限定されることなく他の層を適宜追加することも可能である。これには例えば光学機能を有するフィルムを挙げることができる。
次に第二光学シート21について説明する。第二光学シートに備えられる基板層22は、第一光学シート11のシート面から間隙Aを有し、該第一光学シート11に平行に配置された基板が配置される層である。本実施形態の基板層22はガラスにより形成されている。基板層22には後述する光学フィルム層23が積層され、該光学フィルム層23の基礎となる層である。
間隙Aは、第一光学シート11と、第二光学シート21との間に設けられた間隙である。当該間隙Aについては間隙の距離やその内側に存する気体は限定されるものではないが、一例として、間隙の間隔は5mm程度で内側には空気が存在する態様を挙げることができる。
光学フィルム層23は、各種光学機能を有するフィルムが基板層22に積層されて形成される層である。ここには必要に応じて各種フィルムを積層させることができる。本実施形態では、赤外線カットフィルム層24、電磁波シールドフィルム層25、及び反射防止フィルム層26が備えられている。その他のフィルムとしては色調を調整するフィルムや、ネオン線をカットするフィルム等を挙げることができる。
また、上記光学シート10において、第一光学シート11、又は第二光学シート21の少なくとも一方について、間隙A側の面がマット面とされていても良い。マット面とは意図的に設けられた微小の凹凸を有する面である。これにより光学シート10が後述するようにプラズマテレビに備えられた場合において、特に外光が光学シートに照射されたとき、該外光が光学シートに入光しても当該マット面で外光を拡散することが可能となる。そして、該拡散により光が弱められ、強い光が光学シートの内部で数回に亘り反射することを防止することができ、反射光による光の干渉を抑制することが可能となる。
当該マット面の形態は特に限定されるものではないが、例えば図3に示したようなものを挙げることができる。図3(a)は、表面形状が凹凸面19を有する形態、図3(b)は球形の粒子の一部を突出させて凹凸面19’を形成するものである。
ここで、第一光学シート11、及び第二光学シート21に含まれる各層における積層の順は特に限定されることなく、適宜変更可能である。従って、マット面がいずれの層に形成されるかについても特に限定されない。
なお、光学シート10では、上記したように、光吸収部15、15、…の略三角形断面の底辺に相当する面が間隔Aの方に向けて配置されているため、光学機能シート層12の間隙A側の面に上記凹凸面19’と同様な働きをする凹凸面を形成することができる。光吸収部15、15、…は、プリズム部14、14、…が形成された後にプリズム部14、14、…の間に光吸収部15、15、…を構成する材料を充填することによって形成されるため、光吸収部15、15、…の上記底辺側には微小な凹みが形成されやすい。この凹みによって、光学機能シート層12の間隙A側の面は、上記凹凸面19’と同様な働きをする凹凸面となる。このような凹凸を備えることによって2重像を低減することができる。より具体的には、映像源から出射されて光学機能シート層12を透過し、基板層22等の映像源側(図1では図面左側)の面で反射されて光学機能シート層12に戻ってくる映像光が、上記凹凸によって拡散されることによって2重像を低減することができる。
以上のような光学シート10を提供することにより、製造における歩留まり等の効率を向上させることが可能となる。具体的には次のような効果を奏するものとなる。光学機能シート層12は上述のようにプリズム部14、14、…及び光吸収部15、15、…が交互に配置される。従って、その構造は他の層に比べて複雑となり、他の層と1度接着させ、そのときに不具合があっても再び剥がして再度接着し直すことが困難であった。しかし、光学シート10では、光学機能シート層12が第二光学シート21と離隔して配置されているので他の層との関係を再度調整しなおすことが容易で歩留まりを向上させることが可能となる。
また、これら再調整については、基板層22、光学フィルム層23においても同様であり、基板層22に光学機能シート層12が積層されていないので、光学フィルム層23の交換、張替え等を容易におこなうことができる。
さらに、光学シート10では、光学機能シート層12の断面において、プリズム部14、14、…が幅の短い上底を間隙A方向に向けて配置される略台形形状を有し、光吸収部15、15、…が間隙A方向に底辺を有する略三角形断面を具備する構成としていることによっても、製造における歩留まり等の効率を向上させることが可能となる。
光学機能シート層の向きを反対にした場合、すなわち、図11に示す光学シート110のように、光学機能シート層111の断面において、プリズム部112、112、…が幅の長い下底を観察者側(紙面右側)に向けて配置される略台形形状であり、光吸収部113、113、…がPDP側(紙面左側)に底辺を有する略三角形断面を具備しているとすると、PDP側(紙面左側)から観察者側(紙面右側)に向けて、粘着剤層117、光学機能シート層111、PETフィルム層116の順で積層しなければならない。
図12に光学シート110の製造方法の一例である製造方法S110のフロー図を示した。製造方法S110では、はじめにPETフィルムにプリズム部を形成し(S111)、プリズム部間に光吸収部をさらに形成する(S112)。これにより基材層上に光学機能シート層が形成されたシートを得る。
一方、上記工程S111及び工程S112とは別個に工程S121〜工程S123を有する。具体的には、2次剥離フィルム上に粘着剤を塗工する(S121)。次に粘着剤の上記2次剥離フィルムが配置されていない側の面に別の剥離フィルムである1次剥離フィルムを積層する(S122)。これにより粘着剤が2枚の剥離フィルムではさまれたシートを得る。さらにこれを巻取り及びエージングして粘着剤を安定させる(S123)。
工程S112及び工程S123が終了した時点で、PETフィルム層上に形成された光学機能シート層と、粘着剤層となるシートとが別個に存在する。そしてこれを組み合わせるために1次剥離フィルムを剥離し(S131)、光学機能シート層へ該剥離により露出した粘着剤層を貼り付ける(S132)。その後巻取り(S133)や打ち抜き(S134)を経て光学シート110が形成される。
このように光学シート110を得るためには、別個に製造した2つのシートを組み合わせて製造していた。また、1次剥離フィルムは光学シート110の製造のためにだけに必要とされ、剥離後は廃棄されていた。
一方、光学シート10は、上記したように、光学機能シート層12の断面において、プリズム部14、14、…が幅の短い上底を間隙A方向(観察者側(紙面右側))に向けて配置される略台形形状を有し、光吸収部15、15、…が間隙A方向(観察者側(紙面右側))に底辺を有する略三角形断面を具備する構成となっている。すなわち、光学シート10においてPETフィルム層13の一方の面に粘着剤層17、他方の面に光学機能シート層12が配置される。
光学シート10のこのような構成により、効率よく光学シート10を製造することができる。以下に光学シート10の製造方法について説明する。図4は光学シート10の製造工程の一例(製造方法S10)を示したフロー図である。また、図5、図6には当該製造方法S10の一部を説明する図を示した。図4〜図6を参照しつつ製造方法S10について説明する。製造方法S10は、図4からわかるようにPETフィルム層13となるPET基材に粘着剤を塗工する工程S11、剥離フィルムを貼り合わせる工程S12、巻取り及びエージングをする工程S13、PET基材にプリズム部を形成する工程S14、光吸収部を形成する工程S15、巻取り工程S16、及び打ち抜き工程S17を備えている。
以下、各工程について説明する。
以下、各工程について説明する。
上記工程S11〜工程S17において、工程S11〜工程S13は粘着剤層を形成する工程、工程S14、工程S15は光学機能シート層を形成する工程である。このように、光学シートの製造方法S10では、粘着剤層17の形成と光学機能シート層12の形成とを1つの連続した工程でおこなうことができる。さらに詳しくは次の通りである。
工程S11は、図5(a)に示したように、PET基材aの一面側に粘着剤bを塗工する工程である。塗工の方法は特に限定されることはないが、これには例えばスリット状のノズルから一定厚みとなるように粘着剤bをPET基材aの面に吐出することによりおこなうことを挙げることができる。
工程S12は、図5(b)に示したように、粘着剤bのPET基材aとは反対側の面に剥離フィルムcを積層する工程である。剥離フィルムcは光学シート10がPDP2等に取り付けられるまでの間、粘着剤層17を汚れ等から保護する役割を有する。従って剥離フィルムcはPDP2等に取り付けられる際には剥がされる。
上記のようにPET基材a、粘着剤b及び剥離フィルムcが積層された上記シートは工程S13で巻取り及びエージングされ、粘着剤層17が形成される。
工程S14は、図6(a)に示したようにPET基材aの面のうち粘着剤bが積層されない側の面にプリズムd、d、…を形成する工程である。具体的にプリズムd、d、…は、PET基材aの上記一面側に材料となる液状体を塗工する。次に、プリズム形状を形成するロール金型とPET基材シートとの間に、上記プリズムとなる材料を挟んだ状態で紫外線を照射することにより硬化させてプリズムd、d、…を形成し、これがプリズム部14、14、…となる。
工程S15は光吸収部15、15、…となる図6(b)にe、e、…で示した部位を形成する工程である。具体的には、プリズムd、d、…間に、バインダー部の材料となる透明樹脂中に黒色の光吸収粒子が添加された液状体を充填し、紫外線を照射することで硬化させることによりおこなわれる。
その後工程S16により巻きとられ、さらに工程S17により所定の大きさの光学シート10が形成される。
このように光学シート10の製造方法S10によれば、上記したように、粘着剤層の形成(Sa)と光学機能シート層の形成(Sb)とを1つの連続した工程でおこなうことができ、製造効率を向上させることができる。また、製造方法S10では、従来の製造方法では2枚必要であった剥離フィルムが1枚ですむので製造に使用する材料を減らすことも可能である。
製造方法の1つの例として製造方法S10を説明したが、その他、粘着剤層の形成(Sa)と光学機能シート層の形成(Sb)との順を入れ替え、Sb→Saの順で製造することも可能である。この場合にはPET基材にプリズム部及び光吸収部を形成し、その後PET基材層の反対面に粘着剤層を形成する。ここでは、より精度よく効率的に製造する観点から好ましい製造方法として製造方法S10を主要に説明した。
図7は、第二実施形態にかかる映像表示装置に具備される光学シート20の層構成を模式的に示す断面図である。第二実施形態において用いられる各層の構成については光学シート10と同じなので、図7では図1に用いた符号を利用した。光学シート20では、第二光学シート21における基板層22の表裏に光学フィルム層23の光学フィルムが分離して配置されている。具体的には、赤外線カットフィルム層24、及び電磁波シールドフィルム層25が、基板層22の一方側である第一光学シート11側に積層される。また、反射防止フィルム層26は基板層22の他方側に積層される。このとき、間隙Bは第一光学シート11と、赤外線カットフィルム層24との間隔により形成される。
このように、本発明は、各種光学フィルムを基板層の表裏に任意に配置することができ、その積層も容易なので、生産性の高い光学シートを提供することができる。
次に、光学シート10が表示装置であるプラズマテレビ1に取り付けられた時の構成について説明する。図8は光学シート10がPDP2の映像光投射側に直接積層されたときにおける該PDP2、及び光学シート10が配置される部分に注目して示した断面図である。図8では紙面右が観察者側である。
図8に示したように、本形態では光学シート10は、映像光源であるPDP2の映像投射側に直接積層される。このときPDP2には、第一光学シート11が積層される。PDP2に第一光学シート11を積層する方法は特に限定されるものではないが、これには、PDP2と第一光学シート11との間に粘着剤層17が設けられ、当該粘着剤層17を介して両者が接着されることを挙げることができる。
なお、従来において提供される光学シートにおいても光学機能シート層をPDPに直接積層することは可能である。しかし、従来の光学シートは上述のように他の層も一体にされているので、PDP、光学機能シート層、及び他の層が一体化されてしまい、いずれかの層において、貼り付け後に不具合が発見されると全てを剥がす必要があり、生産性が低下する。一方、本発明においては一部の取り替えが可能なので、生産性を向上させることができる。また、その他放熱や発光効率等の観点から必ずしも直張り方式を採用することができなかった場合でも、光学シートによって当該問題を解消することができる。
また、光学シート10では、このように直張り方式の利点を得られることに加え、ガラスフィルタ方式に用いられる基板層、及び光学フィルム層を用いることができ、共通の構成部分を有するのでその生産性を向上させることが可能となる。
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 プラズマテレビ(映像表示装置)
2 プラズマディスプレイパネル
10、20 光学シート
11 第一光学シート
12 光学機能シート層
13 PETフィルム層(基材層)
14 プリズム部
15 光吸収部
19 凹凸面(マット面)
21 第二光学シート
22 基板層
23 光学フィルム層
24 赤外線カットフィルム層
25 電磁波シールドフィルム層
26 反射防止フィルム層
2 プラズマディスプレイパネル
10、20 光学シート
11 第一光学シート
12 光学機能シート層
13 PETフィルム層(基材層)
14 プリズム部
15 光吸収部
19 凹凸面(マット面)
21 第二光学シート
22 基板層
23 光学フィルム層
24 赤外線カットフィルム層
25 電磁波シールドフィルム層
26 反射防止フィルム層
Claims (7)
- 映像源と、該映像源の観察者側に配置され、前記映像源から出射された光を入射して透過し、観察者側に出射する複数の層を有する光学シートと、を有する映像表示装置であって、
前記光学シートは、第一光学シートと、前記第一光学シートとは別体で該第一光学シートから所定の間隙を有して離隔して配置される第二光学シートとを有し、
前記第一光学シートが、光を透過するプリズム部と、光を吸収する光吸収部とがシート面に沿って交互に配列される光学機能シート層を備え、該光学機能シート層の断面において、前記プリズム部は幅の短い上底が前記間隙に接して配置される略台形形状を有し、前記光吸収部は前記間隙に接した底辺を有する略三角形断面を具備し、
前記光学機能シート層のうち前記間隙に面する前記光吸収部の底面には、マット面、又は、凹部が形成されており、
前記第二光学シートが基板層を備えることを特徴とする映像表示装置。 - 前記第二光学シートの前記基板層に、光学的機能を有する1又は複数の光学フィルムが順に関係なく積層されることを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記1又は複数の光学フィルムが、赤外線を遮断するフィルム、電磁波を遮断するフィルム、又は光の反射を防止するフィルムから選ばれる1又は複数の光学フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
- 前記光吸収部の前記略三角形断面の前記底辺端部からシート厚方向に延在する斜面部分と、シート出光面の法線との成す角が、前記シート厚方向の一方と他方とで異なるように、前記斜面部分が曲線及び/又は折れ線状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
- 前記光吸収部の前記略三角形断面の前記底辺端部からシート厚方向に延在する斜面部分と、シート出光面の法線との成す角が、前記シート厚方向の一方と他方とで異なるように、前記斜面部分が折れ線状であるとともに、前記成す角がいずれの位置でも0度よりも大きく10度以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像表示装置。
- 前記プリズム部が屈折率Npである樹脂により形成され、前記光吸収部が屈折率Nbである樹脂により形成されるとともに、屈折率Npの大きさが屈折率Nbの大きさ以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の映像表示装置。
- 前記光吸収部に平均粒径が1μm以上の光吸収粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の映像表示装置。
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- 2014-04-04 JP JP2014077820A patent/JP2014160262A/ja active Pending
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