JP2012191357A - 位相ずれ補正回路、位相可変増幅回路、位相ずれ補正方法及び位相調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】合成部17aは、入力信号と出力信号とを合成する。検出部17bは、その合成信号の信号レベルに基づいて、位相のずれを検出する。又、レベル判定部18aは、現在の合成信号の信号レベルと、1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルとの大小関係を判定する。位相可変部18dは、その合成信号の信号レベルとの大小関係に基づいて、合成信号の信号レベルが最小値になるように位相のずれを補正する。
【選択図】図1
Description
但し、位相可変増幅器102の位相特性や位相を可変にする精度には、製造上の固有の位相誤差があるのが一般的である。このため、制御部101は、例えば位相可変増幅器102に設定されている位相設定値で示される位相と実際の位相とを逐次比較するようなアルゴリズムを用いて、位相可変増幅器102に位相設定値を再設定している。制御部101は、このような処理を実行することによって、位相可変増幅器102に設定する位相設定値を、ノイズ波が丁度キャンセルされるような位相設定値に追い込んでいる。
本発明による位相ずれ補正回路は、被補正回路の入力信号と出力信号とを合成した合成信号の信号レベルを検出する位相ずれ検出部と、前記位相ずれ検出部により検出された合成信号の信号レベルの変化に基づいて、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを補正する位相ずれ補正部と、を備えたことを特徴とする。
つまり、位相ずれ補正回路は、位相ずれ検出部が入力信号と出力信号との位相差を合成信号レベルに変換することで、実際の位相差と本来の位相差との間に生じている位相のずれを容易に検出することが可能となる。これと共に、位相ずれ補正回路は、位相ずれ補正部がその合成信号の信号レベルが最小値になるように入力信号と出力信号との位相差を変えていくことで、実際の位相差と本来の位相差との間に生じている位相のずれを容易に補正することが可能となる。
これにより、位相可変増幅回路は、ノイズ波を最適にキャンセルすることのできる正確な位相の出力信号を出力することが可能となる。
上記の第2の位相可変増幅回路によれば、まず、位相可変増幅部が、入力信号と出力信号との間のゲイン及び位相を変更する。その後で、入力信号と出力信号との間の位相が逆位相、つまり位相差が丁度180度になる時に合成信号の信号レベルが最小値になることを応用して、位相ずれ検出部が合成信号の信号レベルを検出し、位相ずれ補正部が位相可変増幅部の入力信号と出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを補正する。
つまり、位相ずれ補正部が、位相補正値を変化させた時に検出された合成信号の信号レベルが最小になるように位相補正値を変化させていくことで、位相可変増幅部の入力信号と出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを容易に補正することが可能となる。
上記の第4の位相可変増幅回路によれば、位相可変部が、位相可変増幅部の後段に接続され、制御部から出力された位相補正値に基づいて、位相可変増幅部の入力信号と出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを容易に補正することが可能となる。
上記の第5の位相可変増幅回路によれば、加減算部が、位相可変部に入力される位相制御信号で示される位相値に、制御部から出力された位相補正値を直接加算する。これにより、上記の位相可変部を用いなくても、位相可変部を用いている時と同様に、位相可変増幅部の入力信号と出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを容易に補正することが可能となる。
上記の第6の位相可変増幅回路によれば、レベル判定部により判定された合成信号の信号レベルと、1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルとの大小関係の判定結果を、記憶部が記憶しておく。これにより、制御部は、記憶部に記憶されている判定結果に基づいて位相可変部に出力させる位相補正値を決定し、位相可変部に位相補正値を設定することが可能となる。
本発明による第2の位相ずれ補正方法は、前記位相ずれ検出ステップを実行する前に、前記位相ずれ補正部が、自補正部を初期状態とする位相初期化ステップを有することを特徴とする。
上記の第2の位相ずれ補正方法によれば、位相ずれ検出ステップを実行する前に上記のステップを実行することによって、位相ずれ補正部を初期状態とすることが可能となる。
上記の第1の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することで、上記の第1の位相可変増幅回路と同様の作用が得られる。
上記の第2の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することで、上記の第2の位相可変増幅回路と同様の作用が得られる。
上記の第3の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することで、上記の第3の位相可変増幅回路と同様の作用が得られる。
上記の第4の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することで、上記の第4の位相可変増幅回路と同様の作用が得られる。
上記の第5の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することで、上記の第5の位相可変増幅回路と同様の作用が得られる。
上記の第6の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することで、上記の第6の位相可変増幅回路と同様の作用が得られる。
上記の第7の位相調整方法によれば、上記の各ステップを実行することによって、上記の第2の位相ずれ補正方法と同様の作用が得られる。
(第1実施形態)
(位相ずれ補正回路12を用いた位相可変増幅回路10の構成)
まず、図1を参照して、第1実施形態に係る位相ずれ補正回路12を用いて構成された位相可変増幅回路10の構成を説明する。
位相ずれ検出部17は、合成部17aと、検出部17bとから構成される。
合成部17aは、入力信号入力端子13から入力信号を入力し、位相可変増幅器11及び位相可変部18dによってゲイン及び位相が変更された出力信号を入力する。合成部17aは、入力信号と出力信号とを合成し、合成した信号を合成信号として出力する。なお、この合成信号の信号レベルは、位相のずれがない時に最小値になる。
従来技術で説明したように、検出部17bが、位相可変増幅器11の入力信号と出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを直接検出するのは、比較的難しい。そこで、合成部17aが、上記の位相のずれ具合を合成信号の信号レベルに変換している。これにより、検出部17bが、位相のずれを容易に検出することができるようになる。
レベル判定部18aは、検出部17bによって検出された合成信号の信号レベルが、後述する位相補正値(位相補正コード)が1つ前の設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きいか否かを判定する。
続いて、図2及び図3を参照して、入力信号と出力信号との間の位相差と、それに対する合成信号のレベルとの関係について説明する。
図2及び図3に示すグラフの縦軸は、合成部17aから出力された合成信号の信号レベルを示す。又、グラフの横軸は、入力信号と出力信号との間の位相差を示す。図2に実線で示すように、入力信号と出力信号との間の位相差が、0度から大きくなるのにつれて、合成信号の信号レベルは次第に小さくなっていく。そして、入力信号と出力信号との間の位相差が、180度から大きくなるのにつれて、合成信号の信号レベルは次第に大きくなっていく。つまり、入力信号と出力信号との間の位相差が、丁度180度になる時点で、合成信号の信号レベルは最小値になる。
このような、位相可変増幅回路10の入力信号と出力信号との位相差を最適に調整する位相調整方法では、位相ずれ補正回路12により位相可変増幅器11の入力信号と出力信号との実際の位相差と、本来の位相差との間に生じている位相のずれを補正する位相ずれ補正方法を用いている。
続いて、図4−1及び図4−2を参照して、第1実施形態に係る位相ずれ補正回路12における位相ずれ補正方法を用いた位相可変増幅回路10における位相調整方法の処理の流れを説明する。
まず、位相可変増幅器11の初期設定を行う。このため、位相可変増幅器11は、入力信号入力端子13から入力信号を入力する(ステップS101)。次に、位相可変増幅器11は、入力信号入力端子13と出力信号出力端子16との間のゲインを0にするためのゲイン制御信号を入力する(ステップS102)。又、位相可変増幅器11は、入力信号と出力信号との間の位相差を180度にするための位相制御信号を入力する(ステップS103)。このようにして、位相可変増幅器11のゲイン及び位相を予め設定しておく。これにより、製造上のばらつきによる位相ずれがない場合には、図2及び図3のグラフに示したように、入力信号と出力信号との間の位相差が丁度180度になる時点で、合成信号の信号レベルを最小値にすることができる。
これで、位相ずれ補正方法を用いた位相調整方法の全ての処理が完了する。
上記で説明したように、第1実施形態に係る位相ずれ補正回路12を用いた位相可変増幅回路10においては、位相可変増幅器11の入力信号と出力信号との間の実際の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを合成信号の信号レベルに変換することにより、位相のずれを容易に検出することができる。
又、位相可変増幅回路10においては、その合成信号の信号レベルが最小値になるように位相可変部18dが入力信号と出力信号との間の実際の位相差を調整していくことにより、位相のずれを容易に補正することができる。
(位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20の構成)
続いて、図5を参照して、第2実施形態に係る位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20の構成を説明する。
図5に示す位相可変増幅回路20は、図1に示した位相可変増幅回路10が備える各部を備えて構成されるものである。しかしながら、位相可変増幅回路20は、位相ずれ補正回路21のうちの位相ずれ補正部22の回路構成が、位相ずれ補正回路12の位相ずれ補正部18の回路構成と異なるものである。位相ずれ補正部22は、位相ずれ補正部18が備えていた位相可変部18dを備えていない代わりに、加算部18eを備えている。
加算部18eは、位相可変増幅器11に入力される位相制御信号で示される位相値に、制御部18cから出力された位相補正値を直接加算した上で、その位相値を示す位相制御信号を出力する。
この位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20と、図1に示した位相ずれ補正回路12を用いた位相可変増幅回路10との違いは、位相を補正する構成部が異なるだけである。従って、位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20においても、位相ずれ補正方法の処理の流れは、位相ずれ補正回路12を用いた位相可変増幅回路10と実質同じである。
上記で説明したように、第2実施形態に係る位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20においては、位相のずれを補正する際に位相可変部18dを用いていない。但し、位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20においても、位相可変増幅回路10と同様に、位相のずれを合成信号の信号レベルに変換することで位相のずれを容易に検出することができる。このため、位相可変増幅器11に入力される位相制御信号で示される位相値に、制御部18cから出力された位相補正値を直接加算すれば、位相ずれ補正回路21を用いた位相可変増幅回路20においても、位相のずれを容易に補正することができる。
上記で説明した各実施形態に係る位相ずれ補正回路を用いた位相可変増幅回路においては、被補正回路である位相可変増幅器11の入力信号と出力信号との間の位相差が丁度180度である時に、入力信号と出力信号とを合成した合成信号の信号レベルが最小値になることを応用して、位相可変増幅器11の入力信号と出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを検出すると共に、位相のずれを補正する。
これにより、位相可変増幅回路は、位相可変増幅器の位相特性や位相とを可変にする精度に、製造上の固有の位相誤差が含まれているような場合であっても、位相のずれを抑えることができる。このため、位相可変増幅回路は、ノイズ波をキャンセルすることができる正確な位相の出力信号を出力することができる。
11 位相可変増幅器
12,21 位相ずれ補正回路
13 入力信号入力端子
14 ゲイン制御信号入力端子
15 位相制御信号入力端子
16 出力信号出力端子
17 位相ずれ検出部
17a 合成部
17b 検出部
18,22 位相ずれ補正部
18a レベル判定部
18b 記憶部
18c 制御部
18d 位相可変部
18e 加算部
Claims (16)
- 被補正回路の入力信号と出力信号とを合成した合成信号の信号レベルを検出する位相ずれ検出部と、
前記位相ずれ検出部により検出された合成信号の信号レベルの変化に基づいて、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを補正する位相ずれ補正部と、
を備えたことを特徴とする位相ずれ補正回路。 - 入力信号と出力信号との間のゲイン及び位相を変更する位相可変増幅部と、
前記入力信号と前記出力信号とを合成した合成信号の信号レベルを検出する位相ずれ検出部と、
前記位相ずれ検出部により検出された合成信号の信号レベルの変化に基づいて、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを補正する位相ずれ補正部と、
を備えたことを特徴とする位相可変増幅回路。 - 前記位相ずれ補正部は、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差に対する合成信号の信号レベルに基づいて、前記位相のずれを補正することを特徴とする請求項2に記載の位相可変増幅回路。
- 前記位相ずれ検出部は、
前記入力信号と前記出力信号とを合成し、その合成した信号を前記合成信号として出力する合成部と、
前記合成部により出力された合成信号の信号レベルを検出する検出部と、
を備え、
前記位相ずれ補正部は、
前記位相のずれを補正する際の補正量を示す位相補正値を出力する制御部と、
前記検出部により検出された合成信号の信号レベルが、1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きいか否かを判定するレベル判定部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された合成信号の信号レベルが、前記1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きくなるまで、出力する位相補正値を進ませていく、又は遅らせていくことを特徴とする請求項3に記載の位相可変増幅回路。 - 前記位相ずれ補正部は、前記制御部により出力された位相補正値に基づいて、前記出力信号の位相を変更することが可能な位相可変部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の位相可変増幅回路。
- 前記位相ずれ補正部は、前記位相可変増幅部の位相を制御するための位相制御信号に、前記制御部により出力された位相補正値を加算する加算部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の位相可変増幅回路。
- 前記位相ずれ補正部は、少なくとも、前記検出部により検出された合成信号の信号レベルが、前記1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きくなった時に、前記制御部により出力されていた位相補正値を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の位相可変増幅回路。
- 位相ずれ検出部が、被補正回路の入力信号と出力信号とを合成した合成信号の信号レベルを検出する位相ずれ検出ステップ、
位相ずれ補正部が、前記位相ずれ検出ステップで検出された合成信号の信号レベルに基づいて、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを補正する位相ずれ補正ステップを有することを特徴とする位相ずれ補正方法。 - 前記位相ずれ検出ステップを実行する前に、
前記位相ずれ補正部が、自補正部を初期状態とする位相初期化ステップを有することを特徴とする請求項8に記載の位相ずれ補正方法。 - 位相可変増幅部が、入力信号と出力信号との間のゲイン及び位相を変更する位相可変増幅ステップ、
位相ずれ検出部が、前記入力信号と前記出力信号とを合成した合成信号の信号レベルを検出する位相ずれ検出ステップ、
位相ずれ補正部が、前記位相ずれ検出ステップにより検出された合成信号の信号レベルの変化に基づいて、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差と、その目標となる位相差との間に生じている位相のずれを補正する位相ずれ補正ステップを有することを特徴とする位相調整方法。 - 前記位相ずれ補正ステップは、前記位相ずれ補正部が、前記入力信号と前記出力信号との間の位相差に対する合成信号の信号レベルに基づいて、前記位相のずれを補正することを特徴とする請求項10に記載の位相調整方法。
- 前記位相ずれ検出ステップは、
合成部が、前記入力信号と前記出力信号とを合成し、その合成した信号を前記合成信号として出力する合成ステップ、
検出部が、前記合成ステップで出力された合成信号の信号レベルを検出する検出ステップを有し、
前記位相ずれ補正ステップは、
制御部が、前記位相のずれを補正する際の補正量を示す位相補正値を出力する制御ステップ、
レベル判定部が、前記検出ステップで検出された合成信号の信号レベルが、1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きいか否かを判定するレベル判定ステップを有し、
前記制御ステップは、前記制御部が、前記検出ステップで検出された合成信号の信号レベルが、前記1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きくなるまで、出力する位相補正値を進ませていく、又は遅らせていくことを特徴とする請求項11に記載の位相調整方法。 - 前記位相ずれ補正ステップは、位相可変部が、前記制御ステップで出力された位相補正値に基づいて、前記出力信号の位相を変更する位相可変ステップを有することを特徴とする請求項12に記載の位相調整方法。
- 前記位相ずれ補正ステップは、加算部が、前記位相可変増幅部の位相を制御するための位相制御信号に、前記制御ステップで出力された位相補正値を加算する加算ステップを有することを特徴とする請求項12に記載の位相調整方法。
- 前記位相ずれ補正ステップは、記憶部が、少なくとも、前記検出ステップで検出された合成信号の信号レベルが、前記1つ前の位相補正値が設定されていた時の合成信号の信号レベルよりも大きくなった時に、前記制御ステップで出力されていた位相補正値を記憶する記憶ステップを有することを特徴とする請求項13又は14に記載の位相調整方法。
- 前記位相ずれ検出ステップを実行する前に、
前記位相可変増幅部が、前記入力信号と前記出力信号との間のゲインを0にするためのゲイン制御信号を入力するゲイン制御信号入力ステップ、
前記位相可変増幅部が、前記入力信号と前記出力信号との間の位相を逆位相にするための位相制御信号を入力する位相制御信号入力ステップ、
前記位相ずれ補正部が、自補正部を初期状態とする位相初期化ステップを有することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の位相調整方法。
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