JP2010041450A - 適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム - Google Patents

適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2010041450A
JP2010041450A JP2008202591A JP2008202591A JP2010041450A JP 2010041450 A JP2010041450 A JP 2010041450A JP 2008202591 A JP2008202591 A JP 2008202591A JP 2008202591 A JP2008202591 A JP 2008202591A JP 2010041450 A JP2010041450 A JP 2010041450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter coefficient
coefficient
input data
filter
adjustment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008202591A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Koshio
大輔 小椎尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Electronics Corp
Original Assignee
NEC Electronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Electronics Corp filed Critical NEC Electronics Corp
Priority to JP2008202591A priority Critical patent/JP2010041450A/ja
Publication of JP2010041450A publication Critical patent/JP2010041450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

【課題】等化性能を低下させずに、安定性を向上させる適応等化器を提供すること。
【解決手段】本発明にかかる適応等化器は、時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化器であって、過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出部を備え、フィルタ係数算出部は、入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる調整係数に基づいて算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラムに関し、特に、時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラムに関する。
特許文献1には、入力信号の歪状態の如何にかかわらず、タップ利得修正制御に常に最適のリークを付与することによって、発散等の異常動作を少なくするとともに残留歪を少なくし、また、異常動作が生じた場合に速やかに安定状態に移行できるFIR型適応デジタルフィルタを用いた自動等化器が開示されている。
特許文献1にかかる自動等化器は、フィルタ係数の絶対値和が大きいときには、リーク量を相対的に大きくし、安定化を優先する。また、フィルタ係数の絶対値和が小さいときには、リーク量を相対的に小さくし、等化性能を優先する。
ここで、特許文献1にかかる自動等化器(適応等化器)の構成を図17にブロック図で示す。以下では、図17の内、本発明に関係する部分を中心に説明し、本発明に関係しない部分についての説明は省略する。
特許文献1にかかる適応等化器は、入力端子910に入力された入力信号をトランスバーサルフィルタ920のタップ付遅延素子921の一つに格納し、過去に格納されたタップ付遅延素子921のそれぞれの入力信号及びタップ利得メモリ948に格納されたタップ利得(フィルタ係数)とを荷重回路922により乗算し、加算回路923により加算し、出力端子930へ出力信号として出力する。ここで、タップ利得メモリ948に格納されたフィルタ係数C−M、・・・、C、・・・、CN−1、及びCは、タップ付遅延素子921のそれぞれのタップに対応付けられている。
また、上述したフィルタ係数は、入力信号と、基準波形と出力信号との誤差等を用いて、タップ利得修正演算回路947により更新される。これにより、入力信号に含まれるノイズ信号を出力信号に応じて適応させて取り除くことができる。
そのため、特許文献1は、入力信号x(n)に対して、出力信号y(n)を、毎サンプル更新されるフィルタ係数c(n)によって、以下の式(1)として計算するFIR(Finite Impulse Response)型適応デジタルフィルタを用いた適応等化器と言うことができる。
Figure 2010041450
ここで、n=0、1、2、・・・は、サンプルベースの時間経過を表し、N=1,2,3、・・・をフィルタのタップ数としている。tは、フィルタ係数のオフセットを表す定数で、通常の構成では、タップ利得が最大となるべきセンタタップが1で、残りは0というフラットなインパルス応答である。フラットなインパルス応答は、入力信号に基準信号との誤差がないときの理想的なフィルタ係数である。
図19は、特許文献1におけるフィルタ係数のオフセットtを示す図である。オフセットtは、特許文献1の表記法では、タップ合計数がN+M+1、タップ番号i=−M、・・・、0、・・・、N−1、Nである場合、以下の式(2)で定義される。
Figure 2010041450
また、式(1)におけるフィルタ係数c(n)は、任意の更新アルゴリズムにより求められる更新量Δc(n)を用いて、式(3)によりサンプル毎に更新される。
Figure 2010041450
更新量Δc(n)の形は、適応等化器の等化アルゴリズムにより様々であるが、フィルタ係数の更新により、基準信号との誤差を最小化し等化を行う、という動作は共通である。
フィルタ係数は、理想的には、等化アルゴリズムにより基準信号との誤差を最小にする最適値に収束するが、実際には、入力信号に含まれるノイズ成分などにより不要なフィルタ係数が成長し、等化がうまく行われず、不安定になる場合がある。この不要係数の成長による不安定性への対策として、特許文献1では、以下の式(4)で定義されるリーク量p又はpを用いたリーク積分をかけ、フィルタ係数更新式を以下の式(5)及び式(6)で定義している。尚、特許文献1においては、式(5)及び式(6)におけるCi,newがc(n+1)に対応し、Ci,oldがc(n)に対応する。
Figure 2010041450
Figure 2010041450
Figure 2010041450
尚、式(5)は、フィルタ係数c(n)に比例したリークを与える方式において用いられる。また、式(6)は、一定のリークを与える方式において用いられる。また、式(6)におけるsgn{c(n)}は、符号関数であり、以下の式(7)に定義される。
Figure 2010041450
これにより、フィルタ係数は、更新量Δc(n)による最適値へ近づく効果に対抗する、フラットなインパルス応答tへ近づく効果を受け、不要係数成長を抑制する力が働く。しかし、リークを強く、つまり、リーク量p(n)を1に近くしすぎると、または、リーク量p(n)を大きくしすぎると最適値への収束を阻害され、等化性能が低下する問題がある。
そこで、特許文献1では、リーク量p(n)又はp(n)を、以下の式(8)に示されるフィルタ係数の絶対値和に比例して算出する方式を提案している。
Figure 2010041450
そのため、フィルタ係数の絶対値和が大きいときには、相対的に不要係数の成長が多いと考えられるため、リーク量p(n)又はp(n)を比例して大きくし、強いリークをかけ、安定化を優先する。また、フィルタ係数の絶対値和が小さいときには、相対的に不要係数の成長が少ないと考えられるため、リーク量p(n)又はp(n)を比例して小さくし、弱いリークをかけ、等化性能を優先する。
特開昭59−219035号公報
しかしながら、特許文献1では、等化性能と安定性が低下する場合があるという問題点を生ずる。そこで、以下では、特許文献1を分析し、特許文献1を始めとする適応等化器の課題を明らかにする。
まず、特許文献1にかかる適応等化器の処理概念を図18にブロック図で表す。尚、図18は、式(1)に示す適応等化処理のうち、任意のタップ番号iにおけるフィルタ係数の更新処理や構成を中心に表現し、他のタップ番号におけるフィルタ係数の更新処理や構成については、図示を省略している。また、以下の説明において、図17と同様のものについては同一の符号を付けており、詳細な説明は省略する。
図18の適応等化器は、入力信号901を受け付け、式(1)に表される適応等化処理を行い、出力信号902を出力する。ここで、遅延子921a、遅延子921b、・・・は、図17のタップ付遅延素子921における各タップに対応する。また、乗算器922aは、遅延子921aに格納された入力信号と後述するフィルタ係数更新処理により算出されたフィルタ係数を乗算し、加算回路923へ出力する。尚、乗算器922aは、図17の荷重回路922の一つに対応する。そして、加算回路923は、乗算器922a及び図示しない他のタップに対応する複数の乗算器からの出力を加算して、出力信号902を出力する。
例えば、遅延子921aは、入力信号901を格納し、所定の時間分遅延させて、遅延子921b、係数更新値算出部971a、及び乗算器922aへ出力する。尚、遅延子921aは、直接、入力信号901を格納するのではなく、他の遅延子からの入力を受け付けても構わない。
続いて、乗算器922aに入力されるフィルタ係数の更新処理の流れに合わせて、関係する構成について説明する。ここでは、式(6)に定義されるフィルタ係数更新処理について扱う。
まず、フィルタ係数格納部948aは、遅延子921aに対応するフィルタ係数を格納する記憶装置であり、図17のタップ利得メモリ948の一つに対応する。また、フィルタ係数格納部948aは、初期値は任意の値が格納されており、加算器983aから出力されるCnewを格納することで、更新する。そして、フィルタ係数格納部948aは、次のタイミングにおける適応等化処理において、格納されたフィルタ係数をColdとして、符号関数部973a及び加算器982aへ出力する。符号関数部973aは、式(7)で定義される符号関数の処理を行い、処理結果を乗算器981aへ出力する。
続いて、リーク量算出部972aは、図17の絶対値和回路953、及びリーク決定回路954に対応する。リーク量算出部972aは、リーク量p(n)を算出する。そして、乗算器981aは、符号関数部973aの処理結果及びリーク量p(n)を乗算し、加算器982aへ出力する。加算器982aは、フィルタ係数をColdから乗算器981aの出力結果を負の値として加算し、加算器983aへ出力する。
ここで、係数更新値算出部971aは、任意の更新アルゴリズムにより更新量Δc(n)を算出する。係数更新値算出部971aは、図17の微分回路940、微分回路942、入力波形メモリ941、基準波形引算回路943、タイミング回路944、基準波形発生回路945、誤差波形メモリ946、累積加算器950、及び係数乗算器951に対応する。そして、加算器983aは、加算器982aの出力結果と更新量Δc(n)とを加算し、フィルタ係数Cnewとしてフィルタ係数格納部948a及び加算器984aに出力する。
また、オフセット格納部974aは、式(2)で定義されるタップ番号iにおけるオフセットtを格納する記憶装置である。そして、加算器984aは、フィルタ係数Cnew及びオフセットtを加算し、フィルタ係数の更新値c(n+1)として、乗算器922aへ出力する。
また、図示しない他のタップ番号iにおけるフィルタ係数の更新値c(n+1)についても、同様に算出され、加算回路923において加算される。
尚、図18において、符号関数部973aが存在しない場合は、式(5)に定義されるフィルタ係数更新処理となり、リーク量算出部972aは、リーク量p(n)を算出する以外は、上述した説明と同じであるため、説明を省略する。
上述した特許文献1にかかる適応等化器の応用目的の一つとして、FM(Freqency Modulation)ラジオ受信機のIF(InterFace)信号におけるマルチパスキャンセラが挙げられる。この場合、フィルタ係数の最適値の概形の例を図20に示す。当該適応等化器に用いられるFIR型適応フィルタでは、図20に示すように、最適値となるフィルタ係数の概形は、センタタップを中心として、交互に正負を繰り返しながら、べき乗のオーダーで減少するサイドローブを持ったインパルス応答となる。そして、フィルタ係数の大きさ、間隔は、受信経路のマルチパスの大きさや遅延とデジタル回路のサンプリング周波数などで決まる。
このように、当該適応等化器は、多くの応用領域において、フィルタ係数の最適値の概形は予めわかっており、また、タップ位置によってフィルタ係数の値が大きく異なる。そのため、特許文献1を様々な領域に適用した場合、等化性能と安定性が低下するケースがある。
フィルタ係数の最適値が図20に示すような概形である場合、センタタップ付近以外であるサイドローブではセンタタップ付近に比べ最適係数が小さいため、センタタップ付近より強いリークによって、不要係数成長を抑制する必要があるのに対し、センタタップ付近ではサイドローブに比べ最適係数が大きいため、サイドローブより弱いリークにしなければ、最適値への係数成長が阻害される。
フィルタ係数の絶対値和に比例したリークを全タップに一様にかける方式では、センタタップ付近では、リークが強すぎ、フィルタ係数の成長が阻害され、等化性能が低下するのに対し、サイドローブにおいては、リークが弱すぎ、不要係数が成長して不安定動作を引き起こす問題が考えられる。
このように、最適係数が、タップ毎に値が大きく異なるエリアを持つ場合、リーク量がタップ毎に一様な方式では、リーク量が大きすぎるタップのエリアとリーク量が小さすぎるタップのエリアが現れて、等化性能の低下、等化器の不安定化が起こる可能性がある。
本発明にかかる適応等化器は、時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化器であって、過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出部を備え、前記フィルタ係数算出部は、前記入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる前記調整係数に基づいて算出する。
本発明にかかる適応等化方法は、時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化方法であって、過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出ステップと、前記フィルタ係数算出ステップにより算出されたフィルタ係数に基づいて、前記入力データ列からから出力データを生成するステップと、を備え、前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる前記調整係数に基づいて算出する。
本発明にかかる適応等化プログラムは、時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化器としてコンピュータを動作させる適応等化プログラムであって、過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出ステップと、前記フィルタ係数算出ステップにより算出されたフィルタ係数に基づいて、前記入力データ列からから出力データを生成するステップと、を含み、前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる前記調整係数に基づいて算出する。
上述した本発明にかかる適応等化器、適応等化方法、及び適応等化プログラムによれば、例えば、入力データ列毎に格納された各データと、当該入力データ列に対応するフィルタ係数とを乗算する際に、当該フィルタ係数は、入力データ列毎に算出されたものであるばかりでなく、異なる調整係数により算出することができる。それにより、例えば、入力データ列がタップに対応する場合、センタタップ付近におけるフィルタ係数は、より弱いリークによりフィルタ係数の最適への係数成長を促進させ、サイドローブにおけるフィルタ係数は、より強いリークにより不要係数成長を抑制することができる。そのため、適応等化器における等化性能を低下させずに、安定性を向上させることができる。
本発明により、等化性能を低下させずに、安定性を向上させる適応等化器を提供することができる。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略する。
<発明の実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1にかかる適応等化器100の概要構成を示すブロック図である。適応等化器100は、入力信号101を受け付け、FIR(Finite Impulse Response)型適応フィルタを用いて、式(1)に表される適応等化処理を行い、出力信号102を出力する。また、適応等化器100は、遅延子111a、遅延子111b、・・・と、畳込み演算部117と、フィルタ係数算出部140とを備える。遅延子111a、遅延子111b、・・・は、図18の遅延子921a、遅延子921b、・・・と同様のものであり、例えば、タップ付遅延素子であり、又は、領域が割り当てられた記憶装置の各領域であってもよい。また、畳込み演算部117は、図18の加算回路923と同様である。尚、図1において図18と同様の構成については、詳細な説明を省略する。また、フィルタ係数算出部140は、遅延子111aに対応したものであり、遅延子111b、・・・に対応するフィルタ係数算出部も図示しないが存在するものとする。
適応等化器100は、時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化するものである。入力データ列とは、図1における入力信号101であり、例えば、FM受信信号から特定のチャネルが抽出されたデジタル信号を入力データとした時系列ごとのデータ列である。また、適応等化器100は、逐次、当該入力データを内部の記憶領域に格納していくことで時系列に沿った入力データ列として処理することが可能である。また、適応等化器100は、複数の入力データ列毎にフィルタ係数を有しており、入力データ列の各データと入力データ列に対応するフィルタ係数とを用いてノイズ信号の除去等の等化処理を行い、出力データを生成する。出力データとは、図1における出力信号102である。
そして、フィルタ係数算出部140は、入力データ列毎のフィルタ係数の算出を行う。フィルタ係数算出部140は、図18と同様の構成である係数更新値算出部112a、リーク量算出部113a、フィルタ係数格納部115a、符号関数部116a、オフセット格納部119a、乗算器122a、加算器123a、加算器124a、乗算器125a、及び加算器126aに加え、定数乗算器121aを備える。
フィルタ係数算出部140は、新たな入力信号101が入力される度に実行される。そして、フィルタ係数算出部140は、過去のフィルタ係数から新たなフィルタ係数を算出する。その際、フィルタ係数算出部140は、過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出する。ここで、調整係数は、フィルタ係数と同様に、入力データ列に対応付けられている値であり、例えば、定数であればよい。または、調整係数は、フィルタ係数のように、都度、任意のアルゴリズムにより更新されるものであってもよい。尚、調整係数は、少なくとも一部のフィルタ係数に対しては、他とは異なる値である。そして、定数乗算器121aは、遅延子111aに対応する調整係数に基づいて、乗算を行う。
すなわち、フィルタ係数算出部140は、入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる調整係数に基づいて算出する。また、フィルタ係数算出部は、入力データ列のうちフィルタ係数が最大となるべき入力データ列付近において、他の入力データ列に比べて小さい調整係数を用いることが望ましい。
ここで、本発明の実施の形態1にかかるフィルタ係数算出部140で用いるフィルタ係数更新式の例を挙げる。本発明の実施の形態1では、上述した入力データ列であるタップ毎に最適リーク量が異なるという状況に対応するため、タップ毎に異なるリーク量補正係数kを導入する。尚、リーク量補正係数kは、以下の式(9)により定義する。
Figure 2010041450
また、フィルタ係数更新式は、以下の式(10)及び式(11)により定義する。
Figure 2010041450
Figure 2010041450
尚、式(10)は、フィルタ係数c(n)に比例したリークを与える方式において用いられる。また、式(11)は、一定のリークを与える方式において用いられる。また、式(11)におけるsgn{c(n)}は、符号関数であり、上述した式(7)に定義されるものであればよい。また、図1は、式(11)を適用した例を示している。
このように、本発明の実施の形態1では、フィルタ係数更新式を式(10)又は式(11)とし、タップ毎にリーク量に補正をかけ、より最適なリーク量になるように調整することができる。これにより、等化性能を低下させずに、安定性を向上させる適応等化器を提供することができる。
尚、式(10)又は式(11)において、リーク量補正係数kの値をどのように設定するかは、任意であり、具体例を後述する。
また、本発明の実施の形態1は、リーク量p(n)又はp(n)の決定アルゴリズムには、特に限定されない。すなわち、経過時間によらず、常に一定のリーク量補正係数kをタップ毎に設定すればよい。
<実施例1>
次に、本発明の実施の形態1の適応等化器を用いた実施例1であるFMラジオ受信機について説明する。図2は、本発明の実施例1にかかる適応等化器を用いたFMラジオ受信機10の概要構成を示すブロック図である。FMラジオ受信機10は、アンテナ11と、フロントエンド12と、IFフィルタ13と、適応等化器14と、FM復調器15と、スピーカ16とを備える。
フロントエンド12は、アンテナ11により受信された無線信号を入力し、当該無線信号と局部発振器(不図示)が生成する信号とを混合することによってIF信号を生成する。IFフィルタ13は、フロントエンド12により生成されたIF信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタル信号から所望のチャネルを抽出するバンドパスフィルタとを備える。
適応等化器14は、IFフィルタ13により抽出された信号を入力し、適応等化処理を行うことでノイズ信号等を除去したFM信号をFM復調器15へ出力する。FM復調器15は、適応等化器14により出力されたFM信号を入力し、符号化された楽音信号、そして、ステレオ音声信号へ復調してスピーカ16へ出力する。
図3は、本発明の実施例1にかかる適応等化器のハードウェア構成を示すブロック図である。図3に示す適応等化器100は、図2の適応等化器14に対応するものである。適応等化器100は、入力信号101を入力し、適応等化処理を行い、出力信号102を出力する。適応等化器100は、入力バッファ111と、係数更新量算出ハードウェア112と、リーク量算出ハードウェア113と、リーク量補正係数格納部114と、係数メモリ115と、符号関数部116と、畳込み演算部117と、出力バッファ118と、乗算器121と、乗算器122と、減算器123と、加算器124と、乗算器125とを備える。但し、図3は、ハードウェア構成を模式的に表したものであり、畳込み演算部117及び出力バッファ118以外の構成は、図示しない構成としてN個分の組で存在するものとする。
入力バッファ111は、入力信号101を格納するためのN個の領域が割り当てられた記憶装置である。また、入力バッファ111は、入力信号101を逐次受け付けて、FIFO(First-In-First-Out)方式により追加して格納する。
係数更新量算出ハードウェア112は、入力信号101及び出力信号102を入力し、任意の係数更新アルゴリズムにより上述した領域ごとに更新量Δc(n)を算出する。係数更新量算出ハードウェア112は、例えば、図1に示すような係数更新値算出部112aであればよい。
リーク量算出ハードウェア113は、任意のリーク量決定アルゴリズムに従って、リーク量p(n)を算出する演算装置である。リーク量算出ハードウェア113は、例えば、図1に示すようなリーク量算出部113aであればよい。また、リーク量補正係数格納部114は、リーク量補正係数kを格納するためのN個の領域が割り当てられた記憶装置である。また、リーク量補正係数格納部114は、予め、当該領域ごとに少なくとも一部が異なる値である調整係数としてリーク量補正係数kを格納する。また、乗算器121は、リーク量算出ハードウェア113により算出されたリーク量p(n)とリーク量補正係数格納部114に格納された領域に対応するリーク量補正係数kとを乗算し、乗算器122へ出力する。
係数メモリ115は、フィルタ係数を格納するためのN個の領域が割り当てられた記憶装置である。また、係数メモリ115の領域iは、入力バッファ111及びリーク量補正係数格納部114の領域iとそれぞれ対応付けられている。符号関数部116は、式(7)で定義される符号関数の処理を行う演算装置である。符号関数部116は、例えば、図1に示すような符号関数部116aであればよい。符号関数部116は、係数メモリ115から領域iのフィルタ係数を取得し、符号関数の処理を行い、処理結果を乗算器122へ出力する。
そして、乗算器122は、乗算器121の乗算結果と符号関数部116の処理結果とを乗算し、減算器123へ出力する。減算器123は、対応する領域iに格納されたフィルタ係数から乗算器122の乗算結果を減算し、係数メモリ115の対応する領域iへ当該減算結果をフィルタ係数として格納する。
そして、加算器124は、係数更新量算出ハードウェア112により算出された領域iに対応する更新量Δc(n)と、係数メモリ115に格納された対応する領域iのフィルタ係数とを加算し、係数メモリ115の対応する領域iへ当該減算結果をフィルタ係数として格納する。
その後、乗算器125は、対応する領域ごとに入力バッファ111に格納された入力信号と係数メモリ115に格納されたフィルタ係数とを乗算し、畳込み演算部117へ出力する。
畳込み演算部117は、全ての領域の乗算器125の出力結果を畳込み演算する演算装置である。畳込み演算部117は、演算結果を出力バッファ118へ格納する。
出力バッファ118は、畳込み演算部117による演算結果を出力信号102として格納する記憶装置である。
図4は、本発明の実施の形態にかかる適応等化器の処理を表わすフローチャート図である。まず、適応等化器100は、入力信号101を入力バッファ111に格納する(S1)。次に、適応等化器100の係数更新量算出ハードウェア112は、出力バッファ118に格納された出力信号102と、入力バッファ111のN個の領域に格納された入力信号101とから、係数更新アルゴリズムに従って、領域分の係数更新量Δc(n)を算出する(S2)。
そして、適応等化器100のリーク量算出ハードウェア113は、リーク量決定アルゴリズムに従って、リーク量p(n)を生成する(S3)。
その後、適応等化器100は、係数更新量Δc(n)、リーク量p(n)、及び領域毎のリーク量補正係数kを用いて、N領域分のフィルタ係数を更新する(S4)。つまり、適応等化器100は、式(11)に基づいて、フィルタ係数を更新し、係数メモリ115に格納する。具体的には、適応等化器100は、ステップS3で生成されたリーク量p(n)と、リーク量補正係数格納部114に格納されたリーク量補正係数kと、符号関数部116で算出される処理結果とから、係数メモリ115に格納されるフィルタ係数をN領域毎に更新する。そして、適応等化器100は、係数メモリ115に格納されたフィルタ係数とステップS2で算出された係数更新量Δc(n)とから、係数メモリ115に格納されるフィルタ係数をN領域毎に更新する。
そして、適応等化器100は、N領域分の係数メモリ115に格納されたフィルタ係数と、N領域分の入力バッファ111に格納された入力信号101とを、畳込み演算部117により畳込み演算を行い、出力バッファ118に格納する(S5)。
これにより、適応等化器100は、領域毎の調整係数であるリーク量補正係数kによりフィルタ係数を更新し、適応等化処理を行うことができる。
尚、本発明の実施例1にかかる適応等化器100は、図3の符号関数部116が存在しなくてもよい。その場合、乗算器122は、係数メモリ115から領域iに対応するフィルタ係数を取得すればよい。また、図4のステップS3において、リーク量算出ハードウェア113は、リーク量p(n)を生成し、ステップS4において、生成されたリーク量p(n)を用いて、リーク量補正係数kと乗算を行えばよい。
続いて、図5及び図6に本発明の実施例1にかかるリーク量補正係数kの具体例を挙げる。図5は、センタタップ及びセンタタップの前後の数タップを含むセンタタップ付近におけるリーク量補正係数kは、一定値とし、全体の最小値とするものである。また、センタタップ付近以外であるサイドローブ付近のタップにおけるリーク量補正係数kは、センタタップ付近から離れるに従い、一次関数的に増加させるものである。これにより、センタタップ付近では、リーク量を弱め、サイドローブ付近に向けて、リーク量を徐々に強くすることができる。
尚、図5では、タップ番号i=0及びN−1において、リーク量補正係数kの値を同値とし、全体の最大値としているがこれに限定されない。つまり、図5においては、センタタップ付近のリーク量補正係数kの値が0でない最小値であり、サイドローブ付近に向けて、徐々に大きくなるものであればよい。例えば、サイドローブ付近では、二次関数、指数関数等により増加させても構わない。
また、図6は、図5との違いとして、サイドローブ付近におけるリーク量補正係数kは、センタタップ付近に比べて大きい値とし、かつ、一定値とするものである。これにより、図6は、図5に比べて適応等化処理のより単純なものであるため、図5の効果に加え、実装がし易いという効果を奏する。
尚、図6では、センタタップ付近の前後のサイドローブ付近において、リーク量補正係数kを同値としているが、これに限定されない。つまり、図6においては、サイドローブ付近の一方がリーク量補正係数kの最大値であってもよい。また、サイドローブ付近において、センタタップ付近から離れるに従い、段階的、かつ、不連続にリーク量補正係数kを増加させても構わない。
尚、図5及び図6において、センタタップ付近のタップ番号の範囲については任意である。必ずしも、センタタップのタップ番号がセンタタップ付近における中央の番号である必要はなく、少なくともセンタタップ付近にセンタタップが含まれていれば良い。
以上のように、本発明の実施例にかかる適応等化処理によりフィルタ係数の更新を繰り返す場合、図5又は図6のリーク量補正係数kを用いることにより、センタタップ付近では、フィルタ係数が大きな値へ成長することを阻害しないように、弱いリークをかけることができる。そして、サイドローブ付近では、フィルタ係数が大きな値へ成長し過ぎないように、つまり、不要係数の増加を防ぐように、強いリークをかけることができる。これにより、等化性能の低下を防ぎながら、安定性を向上させることができる。
続いて、図7乃至図12により、本発明の実施の形態における効果を説明する。ここで、入力信号に、ホワイトノイズのような周波数に依らないノイズを含む場合を考える。まず、適応等化処理において、リーク無しでフィルタ係数の更新を行う場合を挙げる。図7は、リーク無しの場合における係数成長を表した概念図である。また、図8は、リーク無しの場合におけるノイズ成長を表した概念図である。
このとき、フィルタ係数の更新に伴う係数成長は、図7に示すように、図20に示したような最適な概形に近いものとなる。しかし、実際には、入力信号にホワイトノイズが含まれており、入力信号に含まれるノイズは、タップに依存しないため、図8に示すように、タップ全体に一様に広がる。すなわち、リーク無しでフィルタ係数の更新を行う場合、ノイズは除去されないため、等化性能及び安定性が低下する。
次に、例えば、特許文献1のようにタップに対して一様なリークをかけてフィルタ係数の更新を行う場合を挙げる。図9は、一様なリークをかけた場合における係数成長を表した概念図である。図10は、一様なリークをかけた場合におけるノイズ成長を表した概念図である。
このとき、タップ全体に一様なリークがかかることにより、フィルタ係数の更新に伴う係数成長は、図9に示すように、全体的にゆるやかに抑えられる。言い換えれば、係数成長にブレーキがかかる。同様に、図10に示すように、入力信号に含まれるノイズは、タップ全体に一様なリークがかかるため、タップ全体でゆるやかに抑えられる。これにより、リーク無しの場合に比べて不要係数の成長を抑制することができるが、フィルタ係数の最適値までの成長も阻害されてしまう。すなわち、タップに対して一様なリークをかけてフィルタ係数の更新を行う場合であっても、等化性能及び安定性が低下する。
上述したように特許文献1では、最適係数の形状は、正負を交互に繰り返しながら、べき乗のオーダーで減少するサイドローブを持ったインパルス応答となる。また、フィルタ係数の大きさ、間隔は、受信経路のマルチパスの大きさや遅延とデジタル回路のサンプリング周波数などで決まる。そのため、不要係数の成長の原因になるノイズは、全ての周波数に広く分布していると考えられるので、全てのタップで均等なリークでは、リーク量が大きすぎるタップのエリアとリーク量が小さすぎるタップのエリアが現われる。それ故、特許文献1では、等化性能が低下し、等化器が不安定になるという問題点がある。
そこで、本発明の実施の形態を用いてフィルタ係数の更新を行う場合を挙げる。図11は、本発明の実施の形態1を適用した場合における係数成長を表した概念図である。図12は、本発明の実施の形態1を適用した場合におけるノイズ成長を表した概念図である。
上述したように本発明の実施の形態1では、センタタップ付近では、相対的にリーク量を弱く、サイドローブ付近では、相対的にリーク量を強くすることができる。このとき、フィルタ係数の更新に伴う係数成長は、図11に示すように、センタタップ付近では、係数成長に対するブレーキが弱いため、最適な概形に近いものとすることができる。つまり、センタタップ付近では、最適係数の成長を優先させている。一方、サイドローブ付近では、係数成長に対するブレーキが強いため、係数成長が抑えられる。つまり、サイドローブ付近では、不要係数の抑制を優先させている。
また、図12に示すように、入力信号に含まれるノイズは、センタタップ付近では、あまりノイズ成長は抑えられない。しかし、センタタップ付近では、そもそも適応等化処理において、抽出されるべき信号が多く含まれるため、この部分のノイズの影響は少ない。一方、入力信号に含まれるノイズは、サイドローブ付近では、センタタップ付近に比べて相対的にノイズ成長が抑えられる。これは、サイドローブ付近では、そもそも適応等化処理において、抽出されるべき信号が少ないため、入力信号自体が少なくなったとしても影響は少ない。むしろ、ノイズの影響が多いため、抑えることによる効果が大きい。
このように、本発明の実施の形態1により、効率的に不要係数を抑制しながら、最適係数の成長を阻害しないことができるため、等化性能及び安定性を高めることができる。
<実施例2>
本発明の実施例2では、図5又は図6とは異なるリーク量補正係数を適用したものである。そのため、本発明の実施例2では、リーク量補正係数以外の構成、処理については、本発明の実施例1と同様のため、説明を省略する。
図13は、本発明の実施例2にかかるリーク量補正係数の例を示す図である。図13では、図5との違いとして、センタタップ付近におけるリーク量補正係数k=0とする。これにより、リーク量p(n)又はp(n)の値に関わらず、センタタップ付近では、リークをかけないことができる。
また、図14は、本発明の実施例2にかかるリーク量補正係数の例を示す図である。図14では、図6との違いとして、センタタップ付近におけるリーク量補正係数k=0とする。これにより、図13と同様に、リーク量p(n)又はp(n)の値に関わらず、センタタップ付近では、リークをかけないことができる。
尚、サイドローブ付近において、リーク量補正係数kの最大値が図5又は図6より大きいか否かは問わない。
または、センタタップ付近において、リーク量の算出処理自体を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、図1のリーク量算出部113aは、タップ番号に応じて、処理の実行を制御するか、予め、センタタップ付近のタップ番号に対応するリーク量算出部113aを備えないようにしてもよい。すなわち、図1のフィルタ係数算出部140は、入力データ列の一部に対しては調整係数を用い、他の入力データ列に対しては調整係数を用いないようにしてもよい。これにより、適応等化処理の負荷を下げることができる。
<発明の実施の形態2>
本発明の実施の形態2では、本発明の実施の形態1にかかる適応等化器100に変更を加え、IIR(Infinite Impulse Response)型適応フィルタを用いたものである。図15は、本発明の実施の形態2にかかる適応等化器の概要構成を示すブロック図である。図15に示す適応等化器100aは、入力信号101を受け付け、IIR型適応フィルタを用いて、式(1)に表される適応等化処理を行い、出力信号102を出力する。適応等化器100aは、遅延子111a、遅延子111b、・・・と、畳込み演算部117aと、フィルタ係数算出部141、フィルタ係数算出部142、フィルタ係数算出部143、・・・と、遅延子131a、遅延子131b、・・・と、フィルタ係数算出部151、フィルタ係数算出部152、・・・とを備える。そして、フィルタ係数算出部141、フィルタ係数算出部142、フィルタ係数算出部143、・・・と、フィルタ係数算出部151、フィルタ係数算出部152、・・・とは、それぞれ異なるリーク量補正係数kを適用可能である。尚、図15において図1と同様の構成については、詳細な説明を省略する。
フィルタ係数算出部141、フィルタ係数算出部142、フィルタ係数算出部143、・・・は、図1のフィルタ係数算出部140と同様の乗算係数であるフィルタ係数が可変である乗算器であり、それぞれ遅延子111a、遅延子111b、・・・に対応するものである。
また、遅延子131a、遅延子131b、・・・は、遅延子111a、遅延子111b、・・・と同様の遅延子であるが、出力信号102を入力とする。フィルタ係数算出部151、フィルタ係数算出部152、・・・は、フィルタ係数算出部141等と同様の乗算係数であるフィルタ係数が可変である乗算器であるが、対応する遅延子131a、遅延子131b、・・・からの信号と、出力信号102とを入力とする。
そして、畳込み演算部117aは、フィルタ係数算出部141、フィルタ係数算出部142、フィルタ係数算出部143、・・・、及び、フィルタ係数算出部151、フィルタ係数算出部152、・・・からの乗算結果を畳込み演算を行い、出力信号102を生成する演算装置である。
このように、本発明の実施の形態2により、フィルタ係数算出部151、フィルタ係数算出部152、・・・においても、対応する遅延子131a、遅延子131b、・・・毎に異なるリーク量補正係数kを用いてフィルタ係数を更新できるため、IIR型適応フィルタを用いた適応等化器においても本発明の実施の形態1と同様の効果を奏する。
<発明の実施の形態3>
本発明の実施の形態2では、本発明の実施の形態1にかかる適応等化器100に変更を加え、リーク量算出部113aを用いないものである。図16は、本発明の実施の形態3にかかる適応等化器の概要構成を示すブロック図である。尚、以下では、本発明の実施の形態1との違いを中心に説明し、本発明の実施の形態1と同一の構成、及び処理については、説明を省略する。
図16に示す適応等化器100bは、図1の適応等化器100との違いとして、フィルタ係数算出部140がフィルタ係数算出部144に置き換わったものである。また、フィルタ係数算出部144は、フィルタ係数算出部140と比べ、リーク量算出部113aが補正係数格納部127aに、乗算器122aが乗算器128aに置き換わり、定数乗算器121aが除かれたものである。
補正係数格納部127aは、遅延子111aに対応する調整係数であるタップ毎に異なるリーク量補正係数kを格納するための記憶装置である。
乗算器128aは、符号関数部116aの処理結果及び補正係数格納部127aに格納されたリーク量補正係数kを乗算し、加算器123aへ出力する。以後は、図1の適応等化器100と同様であるため説明を省略する。
ここで、本発明の実施の形態3にかかるフィルタ係数算出部144で用いるフィルタ係数更新式の例を以下の式(12)及び式(13)に挙げる。つまり、式(12)及び式(13)は、タップ毎に異なるリーク量補正係数kを用いるものであり、時系列について同じリーク量を用いるものである。
Figure 2010041450
Figure 2010041450
尚、式(12)は、フィルタ係数c(n)に比例したリークを与える方式において用いられる。また、式(13)は、一定のリークを与える方式において用いられる。また、式(13)におけるsgn{c(n)}は、式(11)と同様に符号関数であり、上述した式(7)に定義されるものであればよい。また、図16は、式(13)を適用した例を示している。
このように、本発明の実施の形態3では、フィルタ係数更新式を式(12)又は式(13)とし、タップ毎に異なるリーク量を用いるものである。これにより、リーク量算出力を行う必要がなくなり、適応等化処理の負荷を下げることができる。
尚、式(10)又は式(11)において、リーク量補正係数kの値をどのように設定するかは、任意である。
<その他の発明の実施の形態>
尚、本発明の実施の形態1乃至3にかかる適応等化器には、汎用的なコンピュータを用いることができる。その場合、当該コンピュータは、制御装置としてのCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、又は不揮発性記憶装置であるメモリを備えるものであればよい。そして、当該メモリには、入力データ列を格納するための領域が分けられている。また、当該メモリには、図4に示す適応等化処理を実装した実行形式プログラムである適応等化プログラムが格納されている。そして、当該コンピュータは、適応等化処理の実行時において、CPUがRAM、ROM,又は不揮発性記憶装置に格納されたOS(Operating System)、並びに、適応等化プログラムを読み込み、実行することで、逐次、入力信号をメモリに格納し、適宜、入力データ列と出力データから出力データを生成することができる。
尚、図16の補正係数格納部127aを領域毎に異なるリーク量算出部としても構わない。その場合、領域毎に異なるリーク量をk(n)として、フィルタ係数更新式は、式(12)及び式(13)を変形し、以下の式(14)及び式(15)のように定義できる。
Figure 2010041450
Figure 2010041450
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明の実施の形態1にかかる適応等化器の概要構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1にかかる適応等化器を用いたFMラジオ受信機の概要構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1にかかる適応等化器のハードウェア構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1にかかる適応等化器の処理を表わすフローチャート図である。 本発明の実施例1にかかるリーク量補正係数の例を示す図である。 本発明の実施例1にかかるリーク量補正係数の例を示す図である。 リーク無しの場合における係数成長を表した概念図である。 リーク無しの場合におけるノイズ成長を表した概念図である。 一様なリークをかけた場合における係数成長を表した概念図である。 一様なリークをかけた場合におけるノイズ成長を表した概念図である。 本発明の実施の形態1を適用した場合における係数成長を表した概念図である。 本発明の実施の形態1を適用した場合におけるノイズ成長を表した概念図である。 本発明の実施例2にかかるリーク量補正係数の例を示す図である。 本発明の実施例2にかかるリーク量補正係数の例を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる適応等化器の概要構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3にかかる適応等化器の概要構成を示すブロック図である。 関連技術にかかる適応等化器の構成を示すブロック図である。 関連技術の処理概念を表わすブロック図である。 関連技術におけるフィルタ係数のオフセットを示す図である。 フィルタ係数の最適値の概形の例を示す図である。
符号の説明
10 FMラジオ受信機
11 アンテナ
12 フロントエンド
13 IFフィルタ
14 適応等化器
15 FM復調器
16 スピーカ
100 適応等化器
100a 適応等化器
100b 適応等化器
101 入力信号
102 出力信号
111 入力バッファ
111a 遅延子
111b 遅延子
112 係数更新量算出ハードウェア
112a 係数更新値算出部
113 リーク量算出ハードウェア
113a リーク量算出部
114 リーク量補正係数格納部
115 係数メモリ
115a フィルタ係数格納部
116 符号関数部
116a 符号関数部
117 畳込み演算部
117a 畳込み演算部
118 出力バッファ
119a オフセット格納部
121 乗算器
121a 定数乗算器
122 乗算器
122a 乗算器
123 減算器
123a 加算器
124 加算器
124a 加算器
125 乗算器
125a 乗算器
126a 加算器
127a 補正係数格納部
128a 乗算器
131a 遅延子
131b 遅延子
140 フィルタ係数算出部
141 フィルタ係数算出部
142 フィルタ係数算出部
143 フィルタ係数算出部
144 フィルタ係数算出部
151 フィルタ係数算出部
152 フィルタ係数算出部
901 入力信号
902 出力信号
910 入力端子
920 トランスバーサルフィルタ
921 タップ付遅延素子
921a 遅延子
921b 遅延子
922 荷重回路
922a 乗算器
923 加算回路
930 出力端子
940 微分回路
941 入力波形メモリ
942 微分回路
943 基準波形引算回路
944 タイミング回路
945 基準波形発生回路
946 誤差波形メモリ
947 タップ利得修正演算回路
948 タップ利得メモリ
948a フィルタ係数格納部
950 累積加算器
951 係数乗算器
952 差回路
953 絶対値和回路
954 リーク決定回路
955 リーク付与回路
960 タップ利得読み出しスイッチ
960a 出力信号側
960b 出力信号側
961 タップ利得書き込みスイッチ
961a 出力信号側
961b 出力信号側
962 タップ利得再設定回路
963 異常動作検出回路
971a 係数更新値算出部
972a リーク量算出部
973a 符号関数部
974a オフセット格納部
981a 乗算器
982a 加算器
983a 加算器
984a 加算器

Claims (19)

  1. 時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化器であって、
    過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出部を備え、
    前記フィルタ係数算出部は、前記入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる前記調整係数に基づいて算出することを特徴とする、適応等化器。
  2. 前記フィルタ係数算出部は、前記入力データ列のうちフィルタ係数が最大となるべき入力データ列付近において、他の入力データ列に比べて小さい調整係数を用いることを特徴とする請求項1に記載の適応等化器。
  3. 前記フィルタ係数算出部は、前記入力データ列の一部に対しては調整係数を用い、他の入力データ列に対しては調整係数を用いないことを特徴とする請求項1に記載の適応等化器。
  4. 前記フィルタ係数算出部は、調整係数を算出する調整係数算出部によって算出された調整係数に対して補正を行うことにより各入力データ列に対するフィルタ係数を算出することを特徴とする請求項2に記載の適応等化器。
  5. 前記フィルタ係数算出部は、前記調整係数を0から1の範囲で前記過去のフィルタ係数に乗算した値に基づいて前記新たなフィルタ係数を算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の適応等化器。
  6. 前記適応等化器は、FIR(Finite Impulse Response)型、又は、IIR(Infinite Impulse Response)型の適応フィルタを用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の適応等化器。
  7. 前記調整係数は、リーク量であって、
    前記フィルタ係数算出部は、前記フィルタ係数のうちセンタタップに相当するフィルタ係数に対して、他のタップよりも小さなリーク量を用いることを特徴とする請求項1に記載の適応等化器。
  8. 時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化方法であって、
    過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出ステップと、
    前記フィルタ係数算出ステップにより算出されたフィルタ係数に基づいて、前記入力データ列から出力データを生成するステップと、を備え、
    前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる前記調整係数に基づいて算出することを特徴とする、適応等化方法。
  9. 前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列のうちフィルタ係数が最大となるべき入力データ列付近において、他の入力データ列に比べて小さい調整係数を用いることを特徴とする請求項8に記載の適応等化方法。
  10. 前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列の一部に対しては調整係数を用い、他の入力データ列に対しては調整係数を用いないことを特徴とする請求項8に記載の適応等化方法。
  11. 前記調整係数を算出する調整係数算出ステップをさらに備え、
    前記フィルタ係数算出ステップは、前記調整係数算出ステップによって算出された調整係数に対して補正を行うことにより各入力データ列に対するフィルタ係数を算出することを特徴とする請求項9に記載の適応等化方法。
  12. 前記フィルタ係数算出ステップは、前記調整係数を0から1の範囲で前記過去のフィルタ係数に乗算した値に基づいて前記新たなフィルタ係数を算出することを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の適応等化方法。
  13. 前記調整係数は、リーク量であって、
    前記フィルタ係数算出ステップは、前記フィルタ係数のうちセンタタップに相当するフィルタ係数に対して、他のタップよりも小さなリーク量を用いることを特徴とする請求項8に記載の適応等化方法。
  14. 時系列に沿って取得された入力データ列を当該入力データ列毎のフィルタ係数を用いて等化する適応等化器としてコンピュータを動作させる適応等化プログラムであって、
    過去のフィルタ係数を取り込む度合である調整係数に基づいて、新たなフィルタ係数を算出するフィルタ係数算出ステップと、
    前記フィルタ係数算出ステップにより算出されたフィルタ係数に基づいて、前記入力データ列から出力データを生成するステップと、を含み、
    前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列の少なくとも一部に対応するフィルタ係数を、他の入力データ列と異なる前記調整係数に基づいて算出することを特徴とする、適応等化プログラム。
  15. 前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列のうちフィルタ係数が最大となるべき入力データ列付近において、他の入力データ列に比べて小さい調整係数を用いることを特徴とする請求項14に記載の適応等化プログラム。
  16. 前記フィルタ係数算出ステップは、前記入力データ列の一部に対しては調整係数を用い、他の入力データ列に対しては調整係数を用いないことを特徴とする請求項14に記載の適応等化プログラム。
  17. 前記適応等化プログラムは、
    前記調整係数を算出する調整係数算出ステップをさらに含み、
    前記フィルタ係数算出ステップは、前記調整係数算出ステップによって算出された調整係数に対して補正を行うことにより各入力データ列に対するフィルタ係数を算出することを特徴とする請求項15に記載の適応等化プログラム。
  18. 前記フィルタ係数算出ステップは、前記調整係数を0から1の範囲で前記過去のフィルタ係数に乗算した値に基づいて前記新たなフィルタ係数を算出することを特徴とする請求項14乃至17のいずれか1項に記載の適応等化プログラム。
  19. 前記調整係数は、リーク量であって、
    前記フィルタ係数算出ステップは、前記フィルタ係数のうちセンタタップに相当するフィルタ係数に対して、他のタップよりも小さなリーク量を用いることを特徴とする請求項14に記載の適応等化プログラム。
JP2008202591A 2008-08-06 2008-08-06 適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム Pending JP2010041450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202591A JP2010041450A (ja) 2008-08-06 2008-08-06 適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202591A JP2010041450A (ja) 2008-08-06 2008-08-06 適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010041450A true JP2010041450A (ja) 2010-02-18

Family

ID=42013509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008202591A Pending JP2010041450A (ja) 2008-08-06 2008-08-06 適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010041450A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170898A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 株式会社エヌエイチケイアイテック 波形等化器およびofdm受信機
CN111201712A (zh) * 2017-09-25 2020-05-26 全球硅片有限公司 自适应滤波器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59219035A (ja) * 1983-05-26 1984-12-10 Toshiba Corp 自動等化器
JPH04115614A (ja) * 1990-08-31 1992-04-16 Toshiba Corp 自動等化器
JPH08213943A (ja) * 1995-01-31 1996-08-20 Nec Corp 干渉補償器
JPH09294095A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Oki Electric Ind Co Ltd 適応等化器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59219035A (ja) * 1983-05-26 1984-12-10 Toshiba Corp 自動等化器
JPH04115614A (ja) * 1990-08-31 1992-04-16 Toshiba Corp 自動等化器
JPH08213943A (ja) * 1995-01-31 1996-08-20 Nec Corp 干渉補償器
JPH09294095A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Oki Electric Ind Co Ltd 適応等化器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170898A (ja) * 2014-03-05 2015-09-28 株式会社エヌエイチケイアイテック 波形等化器およびofdm受信機
CN111201712A (zh) * 2017-09-25 2020-05-26 全球硅片有限公司 自适应滤波器
CN111201712B (zh) * 2017-09-25 2023-04-21 全球硅片有限公司 自适应滤波器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8402074B2 (en) Adaptive filter device and method for determining filter coefficients
JP2947093B2 (ja) 適応フィルタによるシステム同定の方法および装置
JP5490704B2 (ja) ハウリング抑圧装置、ハウリング抑圧方法、プログラム、及び集積回路
KR20080028450A (ko) 적응디지털필터, fm수신기, 신호처리방법 및 프로그램
US8583717B2 (en) Signal processing circuit
EP2227915B1 (en) Entrainment resistant feedback cancellation
US10199033B1 (en) Active noise control apparatus
KR100803032B1 (ko) 과도 신호를 보상하기 위한 수신기, 디지털 신호 처리부 및 디지털 신호 처리 방법
JP2010041450A (ja) 適応等化器、適応等化方法、及び、適応等化プログラム
EP3709299B1 (en) Digital audio processing device, method for processing digital audio, and digital audio processing program
JP4829977B2 (ja) 波形等化装置
JP3707443B2 (ja) 適応忘却係数制御適応フィルタ、および忘却係数適応制御方法
JP2000124840A (ja) 適応等化器
JP4901416B2 (ja) デジタルフィルタ装置
JPWO2007055008A1 (ja) 受信装置、誤差検出回路及び受信方法
US20040013187A1 (en) Waveform equalizer and shift resistor
JP2005039687A (ja) 波形等化装置
JP2009031425A (ja) 雑音推定装置と方法およびプログラム
JP5823845B2 (ja) エコーキャンセラ装置及びエコーキャンセル方法
JP3804496B2 (ja) 適応ステップサイズ制御適応フィルタ、および適応スケール係数制御方法
US20230137830A1 (en) Wideband adaptation of echo path changes in an acoustic echo canceller
KR100667301B1 (ko) 생성된 필터링계수를 조정한 후 필터링에 이용하는 적응형필터 및 적응형 필터링방법
WO2012117655A1 (ja) 波形等化装置
JP4324676B2 (ja) 適応フィルタ
US20120020494A1 (en) Signal-component extraction apparatus and signal-component extraction method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120925

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130205