JP2012188644A - インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】造粒された顆粒状カーボンブラックを、アニオン性基を有する樹脂、塩基性化合物とともに水性媒体中に分散するインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法であって、前記造粒試料中へのトリエチレングリコールの浸透速度に係わる特性測定を行って、造粒状態が好適な顆粒状カーボンブラックを選定し、これを使用するインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法を提供する。
【選択図】図1
Description
また従来、インクジェット記録用水性インクとしては、溶解安定性が高く、ノズル目詰まりが少なく良好な発色性を有し高画質の印刷を可能とすることから、着色剤として染料が用いられてきた。しかし染料は、画像の耐水性、耐光性に劣るという問題があった。さらに昨今優れた耐水性、耐光性、長期における画質安定性等を有した高性能がオフィス用、家庭用にも求められるようになり、各用途において、染料から顔料への着色剤の転換が活発に図られている。顔料インクは優れた耐水性、耐光性を期待できるが、一方、顔料の粗大粒子の残存、凝集の発生から、沈降に伴うノズル目詰まりが発生しやすい。このような粗大粒子はインクジェット記録用水性インクの製造工程において、遠心分離やフィルター等を用いた工程で除去することは可能であるが、それら工程への過度の依存は製造効率やインクの収率を著しく低下させる原因となる。そこで、高分子系の分散剤を用いて顔料を水性媒体中に分散させる方法が種々検討され、例えば、顔料及び高分子分散剤、湿潤剤と、塩基性化合物を含有する固形分比の高い混合物の混練を行う混練工程を導入することが行われている(特許文献1)。該工程においては、顔料の解砕による微粒子化と、微粒子化された顔料表面の樹脂被覆による凝集防止を行って、分散安定性の向上及び粗大粒子数の低減が図られている。
Va=((m2)2−(m1)2)/(t2−t1) (1)
で求められる顆粒状カーボンブラックの浸透速度係数Vaと、前記顆粒状カーボンブラックを造粒化前のカーボンブラックに置き換えて同様に測定される浸透速度係数Vbとの比率R=(Va/Vb)が1.0以上であることを特徴とするインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法を提供する。
すなわち、特性測定方法として、前記顆粒状カーボンブラックが充填された容器の底部から高沸点の水溶性有機溶剤を上方に向かって浸透させ、測定開始t1、t2秒後のトリエチレングリコールの浸透重量m1とm2から、
V=((m2)2−(m1)2)/(t2−t1)
で求められる造粒化カーボンブラックの浸透速度係数Vaと、造粒化前のカーボンブラックの浸透速度係数Vbとの比率R=(Va/Vb)を用い、前記比率Rが1.0以上である顆粒状カーボンブラックを使用する。
浸透速度係数の比が高いことは、顆粒状態にすることで、溶剤との濡れ性が増し、カーボンの凝集がほぐれ易くなることを示す。その結果、比率Rが1.0以上の顆粒状カーボンブラックにおいては、インクジェット記録用水性顔料分散液製造時の分散工程で、解砕時に新たに現れる該カーボンブラックの表面が分散樹脂によって効率的に被覆され、顆粒状とする前のカーボンブラックを使用した場合よりも粗大粒子が低減されるとともに分散安定性が向上する。浸透速度係数の比、(Va/Vb)は1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましく、2.3以上であることがさらにより好ましく、2.5以上であることがさらに好ましい。
これらカーボンブラックからインクジェット記録用水性顔料分散液を作製したときの各種特性の良否は、少なくとも上記カーボンブラックの特性値によって影響を受け、粗大粒子数もその例外ではない。しかしこれらカーボンブラックから造粒された顆粒状カーボンブラックを使用して水性顔料分散液を作製する場合、本願発明に規定した製造方法を使用することにより分散性を低下させることがなく、また粗大粒子数低減の点で、造粒前のカーボンブラックを使用したとき以上の特性を有する水性顔料分散液を作製することができる。
以下に造粒後の顆粒状カーボンブラックの特性について記載する。
これら樹脂の中では二重結合を有する不飽和脂肪族カルボン酸によるアニオン性基を有し、スチレン系モノマーを疎水性部分の構成成分として含有するスチレンアクリル酸系樹脂が好ましい。さらに全モノマー成分に対して60質量%以上のスチレン系モノマーと、ラジカル重合性の二重結合を有する不飽和脂肪族カルボン酸を含有するモノマーを共重合させたスチレンアクリル酸系樹脂であり、且つ既述のように該スチレンアクリル酸系樹脂の酸価が50〜300mgKOH/g、重量平均分子量が7500〜40000の範囲内の樹脂であることが好ましい。
なお、本発明の製造方法においては、顆粒状カーボンブラックの浸透速度係数の比率Rが1.0以上となるものを使用しているため、混練工程における粗大粒子の低減が著しい。このため上記分散工程を用いずに、着色混練物である顔料分散体を水性媒体中に混合、撹拌するだけで、粗大粒子が十分に低減された水性顔料分散液を作製することができ、該水性顔料分散液から、粗大粒子の少ないインクジェット記録用水性インクを製造することができる。
水性顔料分散液を希釈する水性媒体は水のみでもよいが、インクジェット記録用水性インク中で、乾燥防止、粘度調整、濃度調整等の諸機能を発揮することができる水溶性有機溶剤を配合することができる。水溶性有機溶剤としては、上述の水性顔料分散液用混練物を分散するために用いたと同様のものを使用することができる。また、記録媒体への浸透性を示す水溶性有機溶剤が配合されていると、顔料インクに浸透性を付与することができ好ましい。
インク化の工程において濾過や遠心分離等の粗大粒子除去工程によって水性顔料分散液中の粗大粒子数を低減することができる。しかしこれら工程前の粗大粒子数の大小は、該工程にかかる負担の大小に直接影響し、生産効率の差となって現れると共に、工程前の粗大粒子数の大小関係がそのまま維持されて最終的なインクジェット記録用水性インクの特性に反映される。
顔料インクであるインクジェット記録用水性インクには、上記水性媒体と水性顔料分散液の他に、例えば公知の添加剤などを配合することができる。配合可能なものとしては、例えばアルカリ剤、p H 調整剤、界面活性剤、防腐剤、キレート剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線硬化性樹脂などを例示することができる。
このようにして製造されたインクジェット記録用水性インクは、適用するインクジェットの方式によっては特に限定されず、連続噴射型( 荷電制御型、スプレー型など) 、オンデマンド型(ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式など)などの種々の方式のインクジェット記録装置に適用できる。特にサーマル方式のインクジェット記録装置に適用した場合に、分散安定性、保存安定性に加え、コゲーションの発生を長期にわたって抑制することができ、極めて安定したインク吐出が可能となる。また粗大粒子が大幅に低減されていることから、上記インクジェットの方式にかかわらず、長期の連続安定吐出を必要とする適用分野において特に大きな効果を発揮する。
得られた測定結果から、式(1) V=((m2)2−(m1)2)/(t2−t1)を用いて浸透速度係数を算出する。3回測定の平均値を測定値とし、特別な規定がないときは、測定値と平均値との差が20%を超えないことを必要とする。かりに3回測定の測定値と平均値との差が平均値の20%を超えた時は、さらにその差が20%以内となるように3回の測定を繰り返す。測定値の確定後に平均値を求め、造粒前後のカーボンブラックへのトリエチレングリコールの浸透速度係数を算出し、それぞれを「Va」、「Vb」としたとき、「Va/Vb」を浸透速度係数の比率Rとする。
m2=t[(c・r)2ε(πR2)]2ρL・σLV・cosθ / 2ηL
によると、浸透重量(m)の二乗は粉体と溶剤の接触角θの余弦と比例関係にある。つまり浸透重量(m)が大きいほど接触角(θ)は小さくなり、粉体と溶剤の濡れが良好であることを示す。ここで式中の各記号は以下の特性値または数値に対応するものである。m:浸透重量、c:毛管の配向定数、r:毛管の平均径、R:円筒容器の半径、ρL:液体の密度、σLV:液体の表面張力、θ:粉体と液体の接触角、ηL:液体の粘度。
カーボンブラックの造粒法は、水またはその他の液体を使用して造粒する湿式法と、媒体を一切使用しない乾式法に大別される。本発明で使用されるカーボンブラックの造粒方法は特に限定されることは無いが、現状の造粒プロセスにおいては湿式法が主要な工業的手段とされている。湿式造粒機には種々の形式があり、例えばピン型造粒機は、円筒型の本体と円筒機内を貫通する螺旋状にピンが配されたシャフトにより構成されている。この造粒機に粉末状態のカーボンブラックと、水または造粒助剤入りの水溶液との混合物を連続的に供給し撹拌転動する。この時、カーボンブラックは塑性限界よりも若干低い含水率に相当するスラリー状態となっており、撹拌により顆粒状になる。このような造粒機では、ピンの配置、シャフトの回転数、カーボンブラックと水、または造粒助剤入りの水溶液の供給比などによって、顆粒の硬さ、密度、嵩比重、大きさ、粒度分布等の状態が変化する。
本発明の水性顔料分散液の製造に好適に使用できる。高い浸透速度係数の比率Rを有するカーボンブラックは、例えば以下のようにして作製することができる。
KRUSS社製自動表面張力計(Tensiometer K100 MK2)を用いた測定を行うため、1.5gのカーボンブラックを専用の円筒容器(内径12mm×高さ46mm)に充填し、底部に放射状に配置された41個の穴(直径1.3mm)から、トリエチレングリコールを上方に向かって浸透させ、測定開始後t1、t2秒後の溶剤浸透重量m1、m2を測定した。なお,本実施例では,t1はトリエチレングリコールの浸透が安定した測定開始から400秒後,t2はトリエチレングリコールの浸透が飽和する前の測定開始1000秒後とした.測定結果から、式V=((m2)2−(m1)2)/(t2−t1)を用いて浸透速度係数を算出した。なお、桁数による混乱を避けるため、得られた係数を104倍し、有効数字を小数点1桁までとする。単位は「×10−4g2/s」である。3回の測定の平均値を測定値とし、特別な規定がないときは、測定値と平均値との差が20%を超えないことを必要とし、これを超えた場合はさらに測定を行って測定値と平均値との差が20%を超えない測定値となるまで3回の測定を繰り返した。同方法で造粒前後のカーボンブラックへのトリエチレングリコール浸透速度係数を算出し、それぞれを「Va」、「Vb」と呼称し、「Va/Vb」を浸透速度係数の比率Rとする。なお、本実施例においてカーボンブラックを円筒容器に充填する際は、容器に投入したカーボンブラックの高さが、容器底面から25mmになるまで容器付属の専用の蓋(ねじ込み式)で圧縮した。
乳鉢に所定量の顆粒カーボンブラックを入れ、乳棒で10分以上すり潰す。乳鉢と乳棒の材質は特に限定することはなく、磁製、ガラス製、ステンレス、メノウまたはアランダム製などを用いることができる。また顆粒カーボンブラックを乳鉢ですり潰す際、乳棒を乳鉢壁面に強く擦り付けると、粉砕された顆粒カーボンブラックが乳鉢表面で再び凝集することがあるので、上方より押し付けるように粉砕することが望ましい。粉砕されたカーボンブラックを目開き0.15mmのふるいで分離し、残存する顆粒を取り除いて造粒前のカーボンブラックの測定用試料とした。
JISK6219−2の方法に準拠して、顆粒カーボンブラックの嵩比重を測定した。具体的な測定方法は以下の通りである。
(1)体積30cm3の円筒容器に、偏りが発生しないように顆粒カーボンを充填し、試料の質量を容器体積(30cm3)で除して試料の密度を求め、これを4℃の水の密度(1.0cm3/g)で除し、比重を求めた。
(2)3回測定の平均値を測定試料の嵩比重とする。
JISK6218−1の方法に準拠して、顆粒カーボンブラックの加熱減水分を測定した。
本実施例で用いるスチレンアクリル系樹脂Aは、溶液重合で作製された粉体状(直径1mm以下)の樹脂であり、モノマー組成比において、スチレン/アクリル酸/メタクリル酸=77/10/13(質量比)であり、分子量11000、酸価152mgKOH/g、ガラス転移点107℃である。
なお、本発明における重量平均分子量は、GPC(ゲル・浸透・クロマトグラフィー)法で測定される値であり、標準物質として使用するポリスチレンの分子量に換算した値である。なお測定は以下の装置及び条件により実施した。
送液ポンプ:LC−9A
システムコントローラー:SLC−6B
オートインジェクター:S1L−6B
検出器:RID−6A
以上島津製作所社製
データ処理ソフト:Sic480IIデータステーション(システムインスツルメンツ社製)。
カラム:GL−R400(ガードカラム)+GL−R440+GL−R450+GL−R400M(日立化成工業社製)
溶出溶媒:THF
溶出流量:2ml/min
カラム温度:35℃
下記組成の混合物を、250mlのポリ容器に仕込み、直径1.25mmのジルコニアビーズと共にペイントシェイカーで4時間撹拌し、カーボンブラック濃度が14.5%のインクジェット記録用水性顔料分散液を得た(ビーズミル製法)。
(a)カーボンブラックA 50部
(b)スチレンアクリル酸系樹脂A 20部
(c)8N−酸化カリウム水溶液 9部
(d)トリエチレングリコール 55部
(e)イオン交換水 210部
さらに造粒工程が粗大粒子数に及ぼす影響のみを評価するため、使用したカーボンブラックであって造粒前のものを用い、上記と同様の配合のインクジェット記録用水性顔料分散液を得た。
実施例1におけるカーボンブラックAを、表1、表2に記載した特性を有するカーボンブラックB、C、D、Eに換えた以外は実施例1と同様にして、実施例2、3、比較例1、2のインクジェット記録用水性顔料分散液を得た。さらにそれぞれの実施例、比較例で使用したカーボンブラックであって造粒前のものを用い、それぞれの実施例、比較例と同様の配合のインクジェット記録用水性顔料分散液を得た。
Particle Sizing Systems社製Accusizer 780 APSを用いて、イオン交換水で500〜1000倍に希釈した顔料分散液に含まれる直径0.5μm以上の粒子数を測定した。その測定は、顔料分散液4mlを装置に充填し、測定部を通過する粒子を光学的手段を用いて検出するものである。測定時に入力するパラメータとしては、分散液の希釈倍率、装置への充填重量がある。測定結果に希釈濃度の数値をかけ、実施例、比較例で作製される顔料濃度14.5質量%の顔料分散液1ml中に含まれる粒子の個数を粗大粒子数とする。通常得られる値は桁数が高く比較が困難なので、106で除し単位を「×106個/ml」とする。3回測定を行い得られた結果の平均値Naを測定試料の粗大粒子数とする。
日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置「UPA150」を用いて、イオン交換水で2000倍に希釈した顔料分散液の平均粒子径を測定した。顔料分散液約4mlを測定セルに入れて、レーザー光の散乱光を検出することにより、粒子径が測定される。測定時に入力するパラメータとしては、粘度(イオン交換水希釈後の顔料分散液粘度)、分散粒子の密度(カーボンブラックの真比重)、イオン交換水の密度がある。なお、測定温度は25℃であった。測定結果として得られ表示される体積平均粒子径(MV)を平均分散粒子径の値(単位:nm)とした。測定時間30秒で3回測定を行い、得られた結果の平均値を測定試料の平均分散粒子径とする。
下記組成の混合物を、容量50LのプラネタリーミキサーPLM−50V(株式会社井上製作所製)に仕込み、ジャケットを60℃に加温し、自転回転数36回転/分、公転回転数12回転/分で混練してカーボンブラックとスチレンアクリル酸系樹脂の混練物である顔料分散体を得た(混練工程)。
(a)カーボンブラックA 50部
(b)スチレンアクリル酸系樹脂A 20部
(c)8N−酸化カリウム水溶液 9部
(d)トリエチレングリコール 55部
混練物の形成を確認後、1時間混練を継続した後、60℃に加温したイオン交換水を徐々に加えながらさらに混練を継続した。最終的にイオン交換水を120部加え、カーボンブラック濃度が約20%の分散液を得た(混合工程)。分散液を得るためには原料の撹拌開始後2時間を要した。プラネタリーミキサーから取り出したブラック色分散液をイオン交換水で更に希釈し、カーボンブラック濃度14.5%の分散液を得た(混練製法)。作製したインクジェット記録用水性顔料分散液の粗粒数と平均分散粒子径を、使用した顆粒状カーボンブラックの浸透速度係数に係わる特性値とともに表4に示す。
実施例4において、カーボンブラックAに代えて、カーボンブラックB、C、D、Eを使用した以外は、実施例1と同様にして、カーボンブラック濃度14.5%の実施例5、6、比較例3、4のインクジェット記録用水性顔料分散液を得た。作製したインクジェット記録用水性顔料分散液の粗粒数と平均分散粒子径を、使用した顆粒状カーボンブラックの浸透速度係数に係わる特性値とともに表4に示す。
表4の結果から、インクジェット記録用水性顔料分散液は、平均粒子径には違いは無いものの、浸透速度係数の比率Rの低下とともに粗粒数が多くなっている。また同じ浸透速度係数の比率Rを有するカーボンブラックを使用したとしても、常温で固体の顔料分散体を作製する混練工程を有する製造方法を使用したほうが、より大きな粗大粒子数の減少を実現できることがわかる。
本発明による浸透速度係数比率Rを用いて、顆粒状のカーボンブラックを予め選定したのち、インクジェット記録用水性インクの製造を行うことにより、カーボンブラックの顆粒状態を正確に把握することができ、粗粒数の少ない分散液を得ることが可能となり、生産効率、製造収率を格段に向上させることが可能である。
Claims (7)
- 造粒された顆粒状カーボンブラックを、アニオン性基を有する樹脂、塩基性化合物とともに水性媒体中に分散するインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法であって、前記造粒されたカーボンブラックが充填された容器の底部からトリエチレングリコールを上方に向かって浸透させ、浸透開始からt1、t2秒経過後のトリエチレングリコールの浸透重量m1とm2から式(1)
Va=((m2)2−(m1)2)/(t2−t1)
(1)
で求められる顆粒状カーボンブラックの浸透速度係数Vaと、前記顆粒状カーボンブラックを造粒化前のカーボンブラックに置き換えて同様に測定される浸透速度係数Vbとの比率(Va/Vb)が1.0以上であることを特徴とするインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。 - 前記カーボンブラックは、湿式または乾式造粒法にて造粒されたファーネスブラックである請求項1に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
- 造粒化されたカーボンブラック、アニオン性基を有する樹脂、塩基性化合物、湿潤剤を含有する混合物を混練して常温で固体の顔料分散体を作製する混練工程と、前記顔料分散体を水性媒体中に混合、撹拌する混合工程を有する請求項1または2に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記顔料分散体の固形分比率は40〜80質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記アニオン性基を有する樹脂は、酸価50〜300mgKOH/g、重量平均分子量7500〜40000であって、スチレンモノマー及び酸基を有するモノマーを構成単位として含有し、前記スチレンモノマーは前記アニオン性基を有する樹脂の全構成単位中60〜90質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
- 前記塩基性化合物はアルカリ金属水酸化物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
- 請求項1〜6のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法によって製造されたインクジェット記録用水性顔料分散液を含有するインクジェット記録用水性インク。
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