JP2012185918A - 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な導電性微粒子でありながら、被接続体を電気接続する際の加圧において均一な圧痕を形成しやすく、安定した接続状態を維持しうる導電性微粒子を提供する。
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の平均粒子径が1.0μm〜2.5μmであり、該樹脂粒子の平均粒子径(単位:μm)と、前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値;単位:mN)と、前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値;単位:mN)とが、(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12、を満足する。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細な導電性微粒子に関するものであり、特に、被接続体を電気接続する際の加圧において均一な圧痕を形成しやすい導電性微粒子に関する。
従来、電子機器の組み立てにおいて、対向する多数の電極や配線間の電気的接続を行うために、異方性導電材料による接続方式が採用されている。異方性導電材料は、導電性微粒子をバインダー樹脂等に混合した材料であり、例えば異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電フィルム(ACF)、異方性導電インク、異方性導電シート等がある。ここで異方性導電材料に用いられる導電性微粒子としては、金属粒子や基材とする樹脂粒子の表面を導電性金属層で被覆したものが使用されている。
ところで、近年、電子機器の小型化、高機能化が益々進展している。それに伴い、電気機器に搭載される電子部品の小型化、高密度実装化が進んでおり、電子回路における電極や配線は一層微細化、狭小化する流れにある。そして、上述したように電極や配線の微細化、狭小化が進展するなか、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子についても、粒子径がより小さなものが要求されている。
粒子径の小さな導電性微粒子としては、例えば、樹脂や無機化合物からなり、平均粒子径が0.5〜2.5μm、粒子径のCV値が20%以下である微球を基材として用いた導電性微粒子が提案されている(特許文献1)。また、有機高分子からなる核体に、所定の厚みで金属メッキを施した導電粒子において、導電粒子の径に応じて良好な接続抵抗が得られる導電粒子の硬度が異なることが報告されており、その中で、粒子直径が1〜2μmの導電粒子が開示されている(特許文献2)。
特開2000−30526号公報 特許第4154919号公報
しかしながら、被接続体(電極など)を電気接続する際には、被接続体の凹凸に起因して圧着時に加圧ムラが生じ、それにより圧痕の度合い(深さ)にばらつきが生じることがある。従来のように比較的粒子径の大きな導電性微粒子では、たとえ加圧ムラにより圧痕の度合いがばらついても、圧痕サイズが大きいので、安定した接続状態を維持することができた。ところが、導電性微粒子の粒子径が小さくなると、個々の圧痕サイズも小さくなるため、圧痕の度合いがばらつきの影響を受けやすく、均一な圧痕が形成されないと安定した接続状態が維持できない、という問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、微細な導電性微粒子でありながら、被接続体を電気接続する際の加圧において均一な圧痕を形成しやすく、安定した接続状態を維持しうる導電性微粒子と、これを用いた異方性導電材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、被接続体を電気接続する際の加圧において加圧ムラがあったとしても、樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値)と樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値)との差(単位:mN)が樹脂粒子の平均粒子径(単位:μm)に対して一定以上であれば、具体的には、下記式
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足する樹脂粒子を基材とした導電性微粒子であれば、小径化を図りつつ均一な圧痕を形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の平均粒子径が1.0μm〜2.5μmであり、該樹脂粒子の平均粒子径(単位:μm)と、前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値;単位:mN)と、前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値;単位:mN)とが下記式
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足することを特徴とする。
本発明の導電性微粒子においては、前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の比率(30%K値/10%K値)が0.5以上であることが好ましい。また、本発明の導電性微粒子においては、前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの圧縮弾性率(40%K値)の比率(40%K値/10%K値)が0.6以上であることが好ましい。さらに、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有する導電性微粒子も本発明の好ましい態様である。
本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする。
本発明の導電性微粒子によれば、微細な導電性微粒子でありながら、被接続体を電気接続する際の加圧において均一な圧痕を形成しやすく、安定した接続状態を維持することが可能になる。
1.樹脂粒子(基材)
本発明の導電性微粒子は、基材としての樹脂粒子と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とから構成される。
前記樹脂粒子の平均粒子径は、個数基準の平均分散粒子径で、1.0μm以上、好ましくは1.1μm以上、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上であり、2.5μm以下、好ましくは2.3μm以下、より好ましくは2.1μm以下、さらに好ましくは1.9μm以下である。本発明は微細な導電性微粒子の改良を目的とするものであり、樹脂粒子(基材)の平均粒子径が前記範囲内であれば、微細な導電性微粒子が得られ、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
また前記樹脂粒子(基材)の分散粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は、10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、一層好ましくは4.5%以下、特に好ましくは4.0%以下、最も好ましくは3.0%以下である。このように分散粒子径の変動係数が小さい樹脂粒子は、単に一次粒子径の大きさが揃っているだけでなく、一次粒子径の単一分散性が極めて高い。そのため、このような樹脂粒子を基材として用いることにより、粒子径が揃った導電性微粒子が得られ、さらに異方性導電材料として用いた場合、凝集が抑制された導電性微粒子が得られる。
なお、本発明でいう樹脂粒子の個数基準の平均分散粒子径や分散粒子径の変動係数等は、コールターカウンターにより測定した値であり、測定方法については実施例において後述する。
さらに、前記樹脂粒子は、粗大粒子が除去されたものであることが好ましい。粗大な基材粒子が存在していると、導電性金属層を形成した後、異方性導電材料として長期間保管した際に粗大粒子が沈降してしまい、導電性微粒子の凝集の原因となるおそれがある。すなわち、前記樹脂粒子は、個数基準の積算分布曲線において、積算値90%における粒子径が2.6μm以下であることが好ましく、より好ましくは2.2μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下である。積算値90%における粒子径とは、平均分散粒子径と同様、コールターカウンターにより測定した個数積算分布曲線において、個数積算値が90%となる粒子径を意味する。
そして本発明の樹脂粒子は、その直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値;単位:mN)と、その直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値;単位:mN)と、その平均粒子径(単位:μm)とが下記式
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足することが重要である。このように樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値)と樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値)との差が樹脂粒子の平均粒子径に対して一定以上とすることにより、被接続体を電気接続する際の加圧において加圧ムラ(荷重のばらつき)があったとしても、変位量のばらつきは小さく抑えられるので、小径化を図りつつ均一な圧痕を形成することが可能になる。上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値は、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。ただし、40%荷重値と30%荷重値との差があまりに大きいと、接続時の加圧後期の粒子変形量が極めて小さく、すなわち電極に対して硬くなりすぎ、電極を傷つけてしまう虞があるので、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値は、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。
なお、前記樹脂粒子の40%荷重値および30%荷重値は、公知の微小圧縮試験機を用いた圧縮試験にて測定することができ、例えば、公知の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−W500」など)を用い、室温で粒子の中心方向へ荷重負荷速度2.2295mN/secで荷重をかける圧縮試験において、粒子の直径が40%変位するまで、もしくは30%変位するまで粒子を変形させたときの圧縮荷重(mN)を測定することにより、求めることができる。
前記樹脂粒子の40%荷重値および30%荷重値は、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値が上述した範囲になる限り、特に制限されないが、通常、40%荷重値は、3mN以上が好ましく、4mN以上がより好ましく、5mN以上がさらに好ましく、6mN以上が一層好ましく、15mN以下が好ましく、12mN以下がより好ましく、10mN以下がさらに好ましい。30%荷重値は、1.5mN以上が好ましく、2mN以上がより好ましく、2.5mN以上がさらに好ましく、3.00mN以上が一層好ましく、10mN以下が好ましく、8mN以下がより好ましく、5mN以下がさらに好ましい。
また前記樹脂粒子の直径が20%変位したときの荷重値(20%荷重値)と樹脂粒子の直径が10%変位したときの荷重値(10%荷重値)については、40%荷重値および30%荷重値が上述した所定の値を取りうる範囲であれば特に制限されないが、通常、20%荷重値は、0.5mN以上が好ましく、0.8mN以上がより好ましく、1mN以上がさらに好ましく、1.50mN以上が一層好ましく、5mN以下が好ましく、3mN以下がより好ましく、2mN以下がさらに好ましい。10%荷重値は、0.2mN以上が好ましく、0.4mN以上がより好ましく、0.6mN以上がさらに好ましく、0.80mN以上が一層好ましく、2mN以下が好ましく、1.5mN以下がより好ましく、1mN以下がさらに好ましい。なお、前記樹脂粒子の20%荷重値および10%荷重値は、上記40%荷重値および30%荷重値と同様の圧縮試験において、粒子の直径が20%変位するまで、もしくは10%変位するまで粒子を変形させたときの圧縮荷重(mN)を測定することにより求められる。
前記樹脂粒子は、樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する樹脂粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の比率(30%K値/10%K値)が0.5以上であることが好ましい。30%K値/10%K値がこの範囲であると、接続時に加圧初期の電極への食い込みに加え、さらに電極食い込み性を向上させることができるので、均一な圧痕を形成するうえで好ましい。より好ましくは30%K値/10%K値の値は0.6以上、さらに好ましくは0.8以上である。ただし、30%K値が10%K値よりも大きいと、変形による面積を確保するために高い圧力が必要となり、この高圧で粒子が割れてしまい粒子の復元力が失われて接続安定性が低下することがあるので、30%K値/10%K値の値は1以下であることが好ましい。
一般に、加熱接続時には圧縮変形率が30〜50%程度に圧縮した状態で加圧接続することが接続信頼性の高い接続状態が得るうえで望ましいので、上記30%K値/10%K値と同様の理由から、樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する樹脂粒子の直径が40%変位したときの圧縮弾性率(40%K値)の比率(40%K値/10%K値)は0.6以上であることが好ましく、0.8以上がより好ましく、1以上がさらに好ましい。40%K値は10%K値よりも大きくてもよく、接続時の加圧による粒子が割れ等を考慮したときの40%K値/10%K値の値の上限は、2.0が好ましく、より好ましくは1.5である。
前記樹脂粒子の10%K値は、接続時の導電性金属層と被接続体との密着性や圧痕形成能の観点からは、12,000N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは14,000N/mm2以上、さらに好ましくは15,000N/mm2以上、最も好ましくは17,000N/mm2以上であり、好ましくは50,000N/mm2以下、より好ましくは40,000N/mm2以下である。樹脂粒子の直径が20%変位したときの圧縮弾性率(20%K値)は特に制限されないが、上記10%K値と同様の理由から、7,000N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは8,000N/mm2以上、さらに好ましくは9,000N/mm2以上であり、好ましくは30,000N/mm2以下、より好ましくは15,000N/mm2以下である。30%K値も特に制限されないが、上記10%K値と同様の理由からは、8,000N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは10,000N/mm2以上、さらに好ましくは12,000N/mm2以上であり、好ましくは40,000N/mm2以下、より好ましくは30,000N/mm2以下である。40%K値も特に制限されないが、上記10%K値と同様の理由からは、10,000N/mm2以上であることが好ましく、より好ましくは15,000N/mm2以上、さらに好ましくは20,000N/mm2以上であり、好ましくは50,000N/mm2以下、より好ましくは40,000N/mm2以下である。
なお、前記樹脂粒子の10%K値、20%K値、30%K値および40%K値は、上記40%荷重値および30%荷重値と同様の圧縮試験において、所定の圧縮変位になるまで(粒子の直径が10%、20%、30%もしくは40%変位するまで)粒子を変形させたときの圧縮荷重(N)と圧縮変位(mm)を測定し、下記式に基づき求めることができる。
Figure 2012185918
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
本発明において前記樹脂粒子の平均粒子径、40%荷重値および30%荷重値について上述した関係を満足させるには、例えば、前記樹脂粒子を構成する単量体成分の組成を以下のように制御すればよい。
すなわち、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値を上述した範囲とするには、例えば、樹脂粒子を構成する単量体成分としてビニル系架橋性単量体を用い、このビニル系架橋性単量体のうちの50質量%以上を3官能(メタ)アクリレートとすればよい。好ましくは、単量体成分として用いるビニル系架橋性単量体中、3官能(メタ)アクリレートの含有割合は70質量%以上がよく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
また、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値を上述した範囲とするうえで、樹脂粒子を構成する単量体成分100質量%中のビニル系架橋性単量体の含有割合は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
前記ビニル系架橋性単量体とは、ビニル基を有し架橋構造を形成しうるものであり、具体的には、1分子中に2個以上のビニル基を有する単量体(単量体(1))、または、1分子中に一個のビニル基とビニル基以外の官能基(カルボキシル基、ヒドロキシ基等のプロトン性水素含有基、アルコキシ基等の末端官能基等)を有する単量体(単量体(2))が挙げられる。ただし、単量体(2)の場合、ビニル系架橋性単量体として架橋構造を形成させるには、当該単量体(2)が有するカルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の反応(結合)相手となる基が他の単量体に存在することが必要となる。
なお、本発明において「ビニル基」とは、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含むものとする。また、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(1)の例として、例えば、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族炭化水素系架橋剤(好ましくはジビニルベンゼン等のスチレン系多官能モノマー);N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。これらの中でも、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体、スチレン系多官能モノマーが好ましい。前記1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する単量体の中でも、前記1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートが特に好ましく、さらにその中でも、1分子中に3個以上のアクリロイル基を有するアクリレートが好ましい。単量体(1)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル系架橋性単量体のうち前記単量体(2)の例としては、例えば、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類等のヒドロキシ基を有する単量体;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有(メタ)アクリレート類、p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類等のアルコキシ基を有する単量体;等が挙げられる。単量体(2)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
以上のビニル系架橋性単量体のうち、上述した所定量に制御されるべき前記3官能(メタ)アクリレートとしては、単量体(1)として例示したうちのトリ(メタ)アクリレート類が該当する。
前記樹脂粒子を構成する単量体成分は、前記ビニル系架橋性単量体のほかに、前記ビニル系非架橋性単量体を含有していてもよい。
前記ビニル系非架橋性単量体としては、1分子中に一個のビニル基を有する単量体(単量体(3))か、もしくは前記単量体(2)が有するビニル基以外の官能基と反応する基を有する他の単量体が単量体成分に存在しない場合の単量体(2)が挙げられる。
前記ビニル系非架橋性単量体のうち前記単量体(3)の例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類等のスチレン系単官能モノマー;等が挙げられる。これらの中でも、スチレン系単官能モノマーが好ましく、スチレンがより好ましい。単量体(3)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂粒子は、上述したビニル系単量体(前記ビニル系架橋性単量体および前記ビニル系非架橋性単量体)を重合(ラジカル重合)して形成されるビニル重合体のような有機材料のみから構成される粒子に限られず、例えば、前記ビニル重合体とポリシロキサン骨格とを含む材料(複合化材料など)のような有機無機複合材料で構成される粒子であってもよい。例えば、ビニル重合体を含む材料で構成された樹脂粒子は、ビニル基が重合して形成された有機系骨格を有し、加圧接続時の弾性変形に優れる。また、ポリシロキサン骨格を含む材料で構成された樹脂粒子は、加圧接続時において被接続体に対する接触圧に優れる。そのため、ポリシロキサン骨格とビニル重合体を複合化した材料で構成された樹脂粒子は、弾性変形性及び接触圧に優れ、得られる導電性微粒子の接続信頼性がより優れたものとなる。
前記ポリシロキサン骨格は、シラン系単量体を加水分解縮合することで形成でき、前記シラン系単量体は、シラン系架橋性単量体とシラン系非架橋性単量体とに大別される。
前記シラン系架橋性単量体は、架橋構造を形成し得る。シラン系架橋性単量体により形成される架橋構造としては、有機重合体骨格(例えば、ビニル系重合体骨格)と有機重合体骨格とを架橋するもの(第一の形態);ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第二の形態);有機重合体骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第三の形態);が挙げられる。
第一の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、ジメチルジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、テトラビニルシラン等が挙げられる。第二の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等の4官能性シラン系単量体;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の3官能性シラン系単量体等が挙げられる。第三の形態を形成し得るシラン系架橋性単量体としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシエトキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基を有するもの;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等のビニル基を有するもの;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するもの;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するもの;が挙げられる。これらのシラン系架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シラン系非架橋性単量体として、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルシラン等の2官能性シラン系単量体;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のトリアルキルシラン等の1官能性シラン系単量体等が挙げられる。これらのシラン系非架橋性単量体は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に前記ポリシロキサン骨格は、ラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合(例えば、(メタ)アクリロイル基等のビニル基)を有する重合性ポリシロキサン由来の骨格であることが好ましい。つまり、ポリシロキサン骨格は、構成成分として、少なくとも前記第三の形態の架橋構造を形成し得るシラン系架橋性単量体(好ましくは(メタ)アクリロイル基を有するもの、より好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン)を加水分解及び縮合することにより形成されたポリシロキサン骨格であることが好ましい。
さらに前記樹脂粒子は、上述した有機材料、有機無機複合材料のほかに、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン系のビニル重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリカーボネート;ポリアミド;ポリイミド;フェノールホルムアルデヒド樹脂;メラミンホルムアルデヒド樹脂;メラミンベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂;尿素ホルムアルデヒド樹脂;シリコーン樹脂等で構成されていてもよい。
前記樹脂粒子(基材)の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
2.導電性微粒子
本発明の導電性微粒子は、前記基材(樹脂粒子)表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg,P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni,Ag−Sn,Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu,Sn−Cu−Ag,Sn−Zn、Sn−Sb、Sn―Bi―Ag、Sn―Bi―In、Sn−Au、Sn―Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
前記導電性金属層の厚さは、0.010μm以上が好ましく、より好ましくは0.030μm以上、さらに好ましくは0.050μm以上であり、0.20μm以下が好ましく、より好ましくは0.18μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下、一層好ましくは、0.12μm以下、特に好ましくは0.080μm以下である。基材とする樹脂粒子が微細な粒子径である本発明の導電性微粒子においては、導電性金属層の厚さが上記範囲内であれは、導電性微粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持できる。
なお、前記導電性金属層は、樹脂粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、樹脂粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
本発明の導電性微粒子の個数平均粒子径は、1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上、特に好ましくは1.4μm以上であり、2.8μm以下が好ましく、より好ましくは2.6μm以下、さらに好ましくは2.4μm以下、さらに好ましくは2.3μm以下、特に好ましくは2.2μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
本発明の導電性微粒子は、その直径が30%変位したときの荷重値(導電性微粒子30%荷重値;単位:mN)と、その直径が40%変位したときの荷重値(導電性微粒子40%荷重値;単位:mN)と、その平均粒子径(単位:μm)とから算出される、導電性微粒子としての(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値が、12以上となるものであることが好ましい。これにより、被接続体を電気接続する際の加圧において加圧ムラ(荷重のばらつき)があったとしても、変位量のばらつきは小さく抑えられるので、小径化を図りつつ均一な圧痕を形成することが可能になる。導電性微粒子としての(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値は、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。ただし、40%荷重値と30%荷重値との差があまりに大きいと、接続時の加圧後期の粒子変形量が極めて小さく、すなわち電極に対して硬くなりすぎ、電極を傷つけてしまう虞があるので、導電性微粒子としての(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値は、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。なお、導電性微粒子の40%荷重値および30%荷重値は、樹脂粒子の40%荷重値および30%荷重値と同様にして測定することができる。
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有することもできる。つまり、前記導電性金属層の表面にさらに絶縁性樹脂層を設けた態様であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着させた層であってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成された層であってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。絶縁性樹脂層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.02μm以上、0.5μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上、0.4μm以下である。絶縁性樹脂層の厚さが前記範囲内であれば、導電性粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
3.製造方法
まず基材とする前記樹脂粒子の製造方法について説明する。
樹脂粒子の製造方法としては、特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合、ゾルゲルシード重合法等が挙げられるが、樹脂粒子の粒子径を上述した所定の範囲にするには、例えば、シード重合法により樹脂粒子を合成した後、分級する方法等が好ましく採用される。樹脂粒子の合成にシード重合法を採用することにより、粒度分布の小さい樹脂粒子が得られる。さらに、合成後の樹脂粒子を分級し粗粒子を除去することにより、平均粒子径を所望の範囲に調整することができる。
前記シード重合法は、シード粒子調製工程、シード粒子に単量体成分を吸収させる吸収工程、シード粒子に吸収させた単量体成分を重合反応させる重合工程を経て樹脂粒子を得る方法である。各工程における手法や条件等は、公知のシード重合法の手法を適宜採用すればよく特に制限されないが、例えば以下の手法等が好ましく採用される。
前記シード粒子調製工程において、有機材料のみから構成される樹脂粒子を合成する場合には、前記ビニル系単量体を用いて、ソープフリー乳化重合、分散重合等の方法でシード粒子を調製すればよい。この場合、前記ビニル系単量体としてスチレン等のスチレン系単官能モノマーを用いることが好ましい。他方、有機材料とポリシロキサン骨格を有する材料から構成される粒子を合成する場合には、前記シラン系単量体を用いて、水を含む溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤と水との混合溶媒)中で加水分解して縮重合させる方法でシード粒子(ポリシロキサン粒子)を調製すればよい。この場合、前記シラン系単量体として、ラジカル重合性基を有するシラン系架橋性単量体を用いて重合性ポリシロキサン粒子とすることが好ましい。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができ、さらに必要に応じて、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することができる。
前記吸収工程においてシード粒子に単量体成分を吸収させる方法としては、特に制限はなく、例えば、予めシード粒子を溶媒中に分散させたシード粒子分散液に単量体成分を加えてもよいし、単量体成分を含む溶媒中にシード粒子を加えてもよいが、特に、前者の手法において、重合あるいは加水分解、縮合により得られた反応液をそのままシード粒子分散液とすることが、工程の簡略化、生産性の観点から好ましい。単量体成分は、それ単独で添加してもよいし、溶媒に溶解させた溶液として添加してもよいが、シード粒子に効率よく吸収させるうえでは、乳化剤を用いて予め水又は水性媒体(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類等の水溶性有機溶剤またはこれらと水との混合溶媒)に乳化、分散させて乳化液としておき添加することが好ましい。
前記単量体成分を乳化剤で乳化分散させる際には、乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等のノニオン性界面活性剤が、シード粒子、単量体成分を吸収した後のシード粒子の分散状態を安定化させることもできる点で好ましく用いられる。また、乳化分散の際に用いる水又は水性媒体の量は、通常、単量体成分の質量に対して0.3倍以上10倍以下である。
吸収工程において、単量体成分がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体成分を加える前及び吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、単量体成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
前記重合工程において採用する重合方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合開始剤(例えば、過酸化物系開始剤、アゾ系開始剤等)を用いる方法など公知の方法を用いることができる。ラジカル重合を行う際の反応温度は40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。反応温度が低すぎると、重合度が十分に上がらず複合粒子の機械的特性が不充分となる傾向があり、一方、反応温度が高すぎると、重合中に粒子間の凝集が起こりやすくなる傾向がある。なお、ラジカル重合を行う際の反応時間は、用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常、5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。反応時間が短すぎると、重合度が十分に上がらない場合があり、反応時間が長すぎると、粒子間で凝集が起こり易くなる傾向がある。このような重合工程において、なお、シード粒子が重合性ポリシロキサン粒子である場合、該重合工程において、吸収させた単量体成分と重合性ポリシロキサン骨格が有するラジカル重合性基とが重合し、ポリシロキサン骨格とビニル重合体とが複合化する。
合成後の樹脂粒子の個数基準の平均分散粒子径は1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上であり、3.0μm以下が好ましく、より好ましくは2.8μm以下、さらに好ましくは2.7μm以下である。また、分散粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は10%以下が好ましく、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは7%以下である。
上記のようにして合成した樹脂粒子は、所定の粒子径となるように分級に供することが好ましい。分級方法は特に限定されず、例えば、電成ふるい等によるふるい分け;メンブランフィルター、プリーツフィルター、セラミック膜フィルター等のフィルターを使用した濾過;質量差及び流体抵抗差の相互作用によって分級する公知の装置(粒子の落下速度等の重力差が原理である重力分級機、自由渦又は半自由渦による遠心力と空気抗力の釣り合いを原理とする(半)自由渦遠心分級、回転する分級羽根(ローター)によってつくられる回転流によって生じる遠心力と空気による抗力の釣り合いを原理とする回転羽根付き遠心分級)を用いた分級;等が挙げられる。これらの中でも、分級精度と生産性の観点から電成ふるいを用いた分級が好ましい。
合成後、必要に応じて分級された樹脂粒子は、通常、乾燥され、場合によっては(具体的には、樹脂粒子を構成する単量体成分としてシラン系架橋性単量体やシラン系非架橋性単量体を含有する場合)焼成(加熱処理)に付される。乾燥や焼成などの加熱処理については、公知の方法に従って行えばよい。
以上のようにして樹脂粒子は、平均粒子径(個数基準の平均分散粒子径)1.0μm以上、2.5μm以下の範囲、好ましくは、前述した基材粒子としての好ましい平均粒子径の範囲、分散粒子径の個数基準の変動係数(CV値)の範囲を満足するよう調製される。
次に、以上のようにして得られた樹脂粒子(基材)に導電性金属層を形成し、必要に応じてさらに絶縁性樹脂層を形成することにより、導電性微粒子が得られる。
導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
4.異方性導電材料
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。
前記バインダー樹脂としては、絶縁性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマーおよびイソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物;光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;等が挙げられる。
なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
本発明の異方性導電材料において、導電性微粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量に対して1体積%以上が好ましく、より好ましくは2体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電性微粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電性微粒子の含有量が多すぎると、導電性微粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
本発明の異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する本発明の導電性微粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電性微粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
1.物性測定方法
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子および樹脂粒子の平均粒子径>
樹脂粒子の場合には、樹脂粒子0.005部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数基準の平均分散粒子径を求めた。
<導電性金属層の膜厚>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.05部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(「エマルゲン430」花王株式会社製)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
<樹脂粒子の10%〜40%変位荷重値およびK値>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけた。そして、粒子の直径が10%、20%、30%または40%変位したときの荷重値(mN)を各変位荷重値として測定し、同時にそのときの変位量(μm)も測定した。そして、得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式によりK値を算出した。
Figure 2012185918
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
2.導電性微粒子の製造
2−1.基材粒子(樹脂粒子)の作製
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール600部を入れ、攪拌下、滴下口から、シラン系架橋性単量体(単量体成分)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)40部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均分散粒子径は1.02μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液5.0部をイオン交換水200部に溶解した溶液に、吸収モノマー(単量体成分)としてスチレン100部およびEO変性(3モル)トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学社製「TMP−3EO−A」)100部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2.4部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて吸収モノマーの乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩の20%水溶液12.0部を加え、窒素雰囲気下で反応液を65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の乳濁液を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下120℃で2時間真空乾燥し、樹脂粒子(1)を得た。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
(製造例2)
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を、スチレン100部およびEO変性(6モル)トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学社製「TMP−6EO−A」)50部、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート50部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして樹脂粒子(2)を作製した。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
(製造例3)
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を、スチレン100部およびジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)100部に変更するとともに、乾燥して得られた樹脂粒子にさらに窒素雰囲気下280℃で1時間加熱処理を施したこと以外は、製造例1と同様にして樹脂粒子(3)を作製した。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
(製造例4)
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を、スチレン20部、ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)80部、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート100部に変更するとともに、乾燥して得られた樹脂粒子にさらに窒素雰囲気下230℃で1時間加熱処理を施したこと以外は、製造例1と同様にして樹脂粒子(4)を作製した。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
2−2.導電性微粒子の作製(導電性金属層の形成)
(実施例1)
基材とする樹脂粒子(1)に、水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた樹脂粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解メッキ液(日本カニゼン(株)製「シューマーS680」)600部を加えることにより、無電解ニッケルメッキ反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルメッキを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルメッキ粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金メッキ液に加え、ニッケル層表面にさらに金メッキを施すことにより、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
(実施例2および比較例1〜2)
基材として表1に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
3.異方性導電材料の作製と評価
各実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法で異方性導電材料(異方性導電フィルム)を作製し、その性能を下記の方法で評価した。
すなわち、導電性微粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製「JER828」)100部と、硬化剤(三新化学社製「サンエイド(登録商標)SI−150」)2部と、トルエン100部とを加え、さらにφ1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス鋼製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間攪拌して分散させた。そして、得られたペースト状組成物をバーコーターにて剥離処理を施したPETフィルム上に塗布し乾燥させることにより異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、2MPa下、185℃の圧着条件で熱圧着した。熱圧着における異方性導電フィルムが接触した側の電極表面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)で観察し、電極に形成された圧痕を任意に100個抽出し、粒子の輪郭が確認できる圧痕の個数をカウントした。そして、粒子の輪郭が確認できる圧痕の個数が90個以上である場合を「○」、90個未満である場合を「×」、と評価した。
Figure 2012185918
本発明の導電性微粒子は、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インク等の異方性導電材料に好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
    前記樹脂粒子の平均粒子径が1.0μm〜2.5μmであり、該樹脂粒子の平均粒子径(単位:μm)と、前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値;単位:mN)と、前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値;単位:mN)とが下記式
    (40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
    を満足することを特徴とする導電性微粒子。
  2. 前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の比率(30%K値/10%K値)が0.5以上である請求項1に記載の導電性微粒子。
  3. 前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの圧縮弾性率(40%K値)の比率(40%K値/10%K値)が0.6以上である請求項1または2に記載の導電性微粒子。
  4. 表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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