JP2012185918A - 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子の平均粒子径が1.0μm〜2.5μmであり、該樹脂粒子の平均粒子径(単位:μm)と、前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値;単位:mN)と、前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値;単位:mN)とが、(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12、を満足する。
【選択図】なし
Description
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足する樹脂粒子を基材とした導電性微粒子であれば、小径化を図りつつ均一な圧痕を形成できることを見出し、本発明を完成した。
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足することを特徴とする。
本発明の導電性微粒子においては、前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の比率(30%K値/10%K値)が0.5以上であることが好ましい。また、本発明の導電性微粒子においては、前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの圧縮弾性率(40%K値)の比率(40%K値/10%K値)が0.6以上であることが好ましい。さらに、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有する導電性微粒子も本発明の好ましい態様である。
本発明に係る異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする。
本発明の導電性微粒子は、基材としての樹脂粒子と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とから構成される。
前記樹脂粒子の平均粒子径は、個数基準の平均分散粒子径で、1.0μm以上、好ましくは1.1μm以上、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上であり、2.5μm以下、好ましくは2.3μm以下、より好ましくは2.1μm以下、さらに好ましくは1.9μm以下である。本発明は微細な導電性微粒子の改良を目的とするものであり、樹脂粒子(基材)の平均粒子径が前記範囲内であれば、微細な導電性微粒子が得られ、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
なお、本発明でいう樹脂粒子の個数基準の平均分散粒子径や分散粒子径の変動係数等は、コールターカウンターにより測定した値であり、測定方法については実施例において後述する。
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足することが重要である。このように樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値)と樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値)との差が樹脂粒子の平均粒子径に対して一定以上とすることにより、被接続体を電気接続する際の加圧において加圧ムラ(荷重のばらつき)があったとしても、変位量のばらつきは小さく抑えられるので、小径化を図りつつ均一な圧痕を形成することが可能になる。上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値は、好ましくは15以上、より好ましくは20以上である。ただし、40%荷重値と30%荷重値との差があまりに大きいと、接続時の加圧後期の粒子変形量が極めて小さく、すなわち電極に対して硬くなりすぎ、電極を傷つけてしまう虞があるので、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値は、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。
すなわち、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値を上述した範囲とするには、例えば、樹脂粒子を構成する単量体成分としてビニル系架橋性単量体を用い、このビニル系架橋性単量体のうちの50質量%以上を3官能(メタ)アクリレートとすればよい。好ましくは、単量体成分として用いるビニル系架橋性単量体中、3官能(メタ)アクリレートの含有割合は70質量%以上がよく、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
また、上記(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)の値を上述した範囲とするうえで、樹脂粒子を構成する単量体成分100質量%中のビニル系架橋性単量体の含有割合は、20質量%以上が好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましい。
前記ビニル系非架橋性単量体としては、1分子中に一個のビニル基を有する単量体(単量体(3))か、もしくは前記単量体(2)が有するビニル基以外の官能基と反応する基を有する他の単量体が単量体成分に存在しない場合の単量体(2)が挙げられる。
前記シラン系架橋性単量体は、架橋構造を形成し得る。シラン系架橋性単量体により形成される架橋構造としては、有機重合体骨格(例えば、ビニル系重合体骨格)と有機重合体骨格とを架橋するもの(第一の形態);ポリシロキサン骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第二の形態);有機重合体骨格とポリシロキサン骨格とを架橋するもの(第三の形態);が挙げられる。
本発明の導電性微粒子は、前記基材(樹脂粒子)表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg,P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni,Ag−Sn,Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu,Sn−Cu−Ag,Sn−Zn、Sn−Sb、Sn―Bi―Ag、Sn―Bi―In、Sn−Au、Sn―Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
まず基材とする前記樹脂粒子の製造方法について説明する。
樹脂粒子の製造方法としては、特に制限はなく、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合、ゾルゲルシード重合法等が挙げられるが、樹脂粒子の粒子径を上述した所定の範囲にするには、例えば、シード重合法により樹脂粒子を合成した後、分級する方法等が好ましく採用される。樹脂粒子の合成にシード重合法を採用することにより、粒度分布の小さい樹脂粒子が得られる。さらに、合成後の樹脂粒子を分級し粗粒子を除去することにより、平均粒子径を所望の範囲に調整することができる。
前記シード粒子調製工程において、有機材料のみから構成される樹脂粒子を合成する場合には、前記ビニル系単量体を用いて、ソープフリー乳化重合、分散重合等の方法でシード粒子を調製すればよい。この場合、前記ビニル系単量体としてスチレン等のスチレン系単官能モノマーを用いることが好ましい。他方、有機材料とポリシロキサン骨格を有する材料から構成される粒子を合成する場合には、前記シラン系単量体を用いて、水を含む溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、エステル類、(シクロ)パラフィン類、芳香族炭化水素類等の有機溶剤と水との混合溶媒)中で加水分解して縮重合させる方法でシード粒子(ポリシロキサン粒子)を調製すればよい。この場合、前記シラン系単量体として、ラジカル重合性基を有するシラン系架橋性単量体を用いて重合性ポリシロキサン粒子とすることが好ましい。加水分解し、縮重合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の塩基性触媒を好ましく用いることができ、さらに必要に応じて、アニオン性、カチオン性、非イオン性の界面活性剤や、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の高分子分散剤を併用することができる。
吸収工程において、単量体成分がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体成分を加える前及び吸収段階終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、単量体成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
以上のようにして樹脂粒子は、平均粒子径(個数基準の平均分散粒子径)1.0μm以上、2.5μm以下の範囲、好ましくは、前述した基材粒子としての好ましい平均粒子径の範囲、分散粒子径の個数基準の変動係数(CV値)の範囲を満足するよう調製される。
導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基材同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。
なお、本発明の異方性導電材料は、前記バインダー樹脂中に本発明の導電性微粒子を分散させ、所望の形態とすることで得られるが、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続してもかまわない。
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子および樹脂粒子の平均粒子径>
樹脂粒子の場合には、樹脂粒子0.005部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数基準の平均分散粒子径を求めた。
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.05部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(「エマルゲン430」花王株式会社製)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけた。そして、粒子の直径が10%、20%、30%または40%変位したときの荷重値(mN)を各変位荷重値として測定し、同時にそのときの変位量(μm)も測定した。そして、得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式によりK値を算出した。
なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
2−1.基材粒子(樹脂粒子)の作製
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部と、25%アンモニア水24部、メタノール600部を入れ、攪拌下、滴下口から、シラン系架橋性単量体(単量体成分)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)40部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均分散粒子径は1.02μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液5.0部をイオン交換水200部に溶解した溶液に、吸収モノマー(単量体成分)としてスチレン100部およびEO変性(3モル)トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学社製「TMP−3EO−A」)100部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2.4部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させて吸収モノマーの乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を、ポリシロキサン粒子(シード粒子)の分散液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を、スチレン100部およびEO変性(6モル)トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学社製「TMP−6EO−A」)50部、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート50部に変更したこと以外は、製造例1と同様にして樹脂粒子(2)を作製した。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を、スチレン100部およびジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)100部に変更するとともに、乾燥して得られた樹脂粒子にさらに窒素雰囲気下280℃で1時間加熱処理を施したこと以外は、製造例1と同様にして樹脂粒子(3)を作製した。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を、スチレン20部、ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)80部、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート100部に変更するとともに、乾燥して得られた樹脂粒子にさらに窒素雰囲気下230℃で1時間加熱処理を施したこと以外は、製造例1と同様にして樹脂粒子(4)を作製した。得られた樹脂粒子の平均粒子径、変位荷重値(10%荷重値、20%荷重値、30%荷重値、40%荷重値)および圧縮弾性率(10%K値、20%K値、30%K値、40%K値)は表1に示すとおりであった。
(実施例1)
基材とする樹脂粒子(1)に、水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた樹脂粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた樹脂粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解メッキ液(日本カニゼン(株)製「シューマーS680」)600部を加えることにより、無電解ニッケルメッキ反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルメッキを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルメッキ粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金メッキ液に加え、ニッケル層表面にさらに金メッキを施すことにより、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
基材として表1に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示すとおりであった。
各実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法で異方性導電材料(異方性導電フィルム)を作製し、その性能を下記の方法で評価した。
すなわち、導電性微粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学社製「JER828」)100部と、硬化剤(三新化学社製「サンエイド(登録商標)SI−150」)2部と、トルエン100部とを加え、さらにφ1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス鋼製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間攪拌して分散させた。そして、得られたペースト状組成物をバーコーターにて剥離処理を施したPETフィルム上に塗布し乾燥させることにより異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、2MPa下、185℃の圧着条件で熱圧着した。熱圧着における異方性導電フィルムが接触した側の電極表面を金属顕微鏡(倍率:1000倍)で観察し、電極に形成された圧痕を任意に100個抽出し、粒子の輪郭が確認できる圧痕の個数をカウントした。そして、粒子の輪郭が確認できる圧痕の個数が90個以上である場合を「○」、90個未満である場合を「×」、と評価した。
Claims (5)
- 樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、
前記樹脂粒子の平均粒子径が1.0μm〜2.5μmであり、該樹脂粒子の平均粒子径(単位:μm)と、前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの荷重値(30%荷重値;単位:mN)と、前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの荷重値(40%荷重値;単位:mN)とが下記式
(40%荷重値−30%荷重値)/(平均粒子径×0.1)≧12
を満足することを特徴とする導電性微粒子。 - 前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)の比率(30%K値/10%K値)が0.5以上である請求項1に記載の導電性微粒子。
- 前記樹脂粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)に対する前記樹脂粒子の直径が40%変位したときの圧縮弾性率(40%K値)の比率(40%K値/10%K値)が0.6以上である請求項1または2に記載の導電性微粒子。
- 表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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