JP2014192051A - 導電性微粒子及びそれを用いた異方性導電材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子が、個数平均粒子径が7〜30μmであり、コアと、該コアを被覆するシェルとから構成されるコアシェル粒子であり、前記シェルは、シェルを構成する単量体成分の総量100質量%中のスチレン系単量体成分の含有率が50質量%以上、架橋性単量体成分の含有率が5〜95質量%であり、前記コアは、コアを構成する単量体成分の総量100質量%中の(メタ)アクリル系単量体成分の含有率が50質量%以上、架橋性単量体成分の含有率が0〜30質量%である。
【選択図】なし
Description
異方導電接続に用いられる導電性微粒子としては、圧縮変形性に優れるという理由から、一般に、樹脂粒子を基材とし該基材の表面にニッケルなどの導電性金属層が形成されたものが使用される。用途に応じて種々の硬度特性の導電性微粒子が要求されるが、近年、接続安定性に優れた異方性導電材料とするために、電極等の被接続媒体との接触面積を大きく確保し易い観点から、低圧縮強度で変形し易い柔軟性に優れる導電性微粒子が求められてきた。
本発明の導電性微粒子は、樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する。
本発明の導電性微粒子を構成する基材である樹脂粒子は、コアと、該コアを被覆するシェルとから構成される。
1−1.コア
本発明においてコアは、コアを構成する単量体成分の総量100質量%中の(メタ)アクリル系単量体成分の含有率が50質量%以上であり、架橋性単量体成分の含有率が0〜30質量%である。架橋性単量体成分の含有率が0〜30質量%であることは、言い換えれば、下記式で示される架橋度が0〜30%であることを意味する。なおコアを構成する単量体成分として架橋性単量体を含まない形態(架橋度0%)も本発明における樹脂粒子に含まれる。
架橋度(%)=(架橋性単量体の含有質量/全単量体の含有質量)×100
このようなコアは、軟質性の高いものとなる。
なお、本発明において「ビニル基」とは、炭素−炭素二重結合のみならず、(メタ)アクリロイル基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含むものとする。また、本明細書において「(メタ)アクリロイル基」、「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を各々示すものとする。
(メタ)アクリル系単量体(1)としては、アリル(メタ)アクリレート等のアリル(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート類;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。
本発明においてシェルは、シェルを構成する単量体成分の総量100質量%中のスチレン系単量体成分の含有率が50質量%以上であり、架橋性単量体成分の含有率が5〜95質量%である。架橋性単量体成分の含有率が5〜95質量%であることは、下記式で示される架橋度が5〜95%であることを意味する。下記式で架橋度が5〜95%である。
架橋度(%)=(架橋性単量体の含有質量/全単量体の含有質量)×100
このようなシェルを設けることにより、樹脂粒子は軟質性を維持しながら、流動性に優れたものとなる。シェルを構成するスチレン系単量体をスチレン系単量体B,架橋性単量体を架橋性単量体Bともいう。
架橋性単量体Bとしては、前記例示したビニル系架橋性単量体、シラン系架橋性単量体の範囲から任意に選択して使用することができる。中でも、上述のスチレン系単量体(1)が好ましく用いられる。好ましい単量体は前述したとおりである。架橋性単量体Bとしては、シラン系架橋性単量体も好ましく用いられる。
本発明のシェルにおいて、架橋度が5〜95%である。架橋度が5%未満であると、流動性が低く導電性金属層をメッキ法で形成したときにクレーターが生成し易い。架橋度が95%を超えると樹脂粒子の表面層が脆くなるため導電性微粒子を圧縮変形したときに導電性金属層が断裂し易く抵抗値が増大する原因となる。架橋度は7%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。また、90%以下が好ましく、より好ましくは70%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。シェルの架橋度が上記の範囲であると、コア粒子が有する軟質性を十分に維持しながら流動性に優れる樹脂粒子となり易い。
シェル厚み(μm)=(樹脂粒子の個数平均粒子径A(μm)−シェル被覆を行う前のコア粒子の個数平均粒子径B(μm))/2
本発明の樹脂粒子の個数平均粒子径が上記範囲であれば、樹脂粒子を本発明の構成とすること(コアとシェルの組成、架橋度を上述した範囲に制御すること)により、異方導電接続に用いた場合に、本発明の導電性微粒子の特徴である、柔軟性に優れながらクレーター等の欠陥を有しないという優れた特性を顕著に発揮することができる。
樹脂粒子の10%K値が前記範囲であると、導電性微粒子を電気的接続に供した際に、低圧でも高い圧縮率(変形量)を示ししかも接続状態での適度に復元力を有するために、接続状態において、電極等の被接続媒体との接触面積が大きく、しかも密着性にも優れた状態が得られ易い。その結果、初期抵抗値を低く抑えることができる。例えば、樹脂粒子の10%K値が1500N/mm2未満であると、粒子が軟らかくなりすぎて接続状態での復元力が低くなり接続抵抗値が高くなる虞がある。一方、6000N/mm2を超えると、粒子が硬くなりすぎて低圧接続では接続面積が不充分となり、接続初期の抵抗値が高くなる虞がある。本発明では、上述した構成のコアシェル構造、組成の樹脂粒子とすることにより、10%K値を前記範囲に制御することができる。
本発明の導電性微粒子は、前記基材(樹脂粒子)表面に少なくとも一層の導電性金属層が形成されている。
導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag、Ni−P、Ni−B、Ni−Zn、Ni−Sn、Ni−W、Ni−Co、Ni−W、Ni−Ti);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。
本発明の導電性微粒子の個数平均粒子径は、7.1μm以上が好ましく、より好ましくは8.1μm以上、さらに好ましくは9.1μm以上であり、30.6μm以下が好ましく、より好ましくは28.6μm以下、さらに好ましくは26.6μm以下、より一層好ましくは24.6μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。なお、導電性微粒子の個数平均粒子径としては、フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて求めた、3000個の粒子の個数基準の平均粒子径を採用することが好ましい。
まず基材である前記樹脂粒子の製造方法について説明する。樹脂粒子の製造方法としては、コアを形成し、次いで該コアを被覆する様にシェルを形成する。
コアの製造方法としては、上述のコア単量体成分を重合するものであれば、特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、第1のシード重合法、ゾルゲルシード重合法等の従来公知の方法を採用できる。コアの粒子径の制御が容易であり粒度分布の小さいコアが得られやすいという点では、例えば、第1のシード重合法によりコアを合成する方法等が好ましく採用される。なお、本発明において、コアは、非常に柔軟性に優れるため、高温(例えば、50℃以上)や応力のかかる環境下で容易に合一するため、分級操作は、極めてマイルドな条件(例えば、低温や応力のかかりにくい条件)で行わざるを得ず、また、分級により得られる所望の粒子径のコアの収率は極端に低くなる。
吸収倍率=(吸収させるコア単量体成分の総質量)/(シード粒子の質量)
コアに該コアを被覆する様にシェルを形成することにより、コアシェル粒子である樹脂粒子が得られる。シェルの形成方法としては、上述の単量体成分を重合するものであれば特に制限なく、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、第2のシード重合法、ゾルゲルシード重合法等の従来公知の方法を採用できる。シェル膜厚の制御が容易であり膜厚が均一で粒度分布の小さい樹脂粒子が得られやすいという点では、例えば、シード重合法によりシェルを形成する方法等が好ましく採用される。
被覆倍率=(被覆させるシェル単量体成分の総質量)/(コアの総質量)
次に、以上の様にして得られた樹脂粒子(基材)に導電性金属層を形成し、必要に応じてさらに絶縁性樹脂層を形成することにより、導電性微粒子が得られる。導電性金属層の形成方法および絶縁性樹脂層の形成方法は特に限定されないが、例えば導電性金属層は、基材表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子がバインダー樹脂に分散してなる。異方性導電材料の形態は特に限定されず、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど様々な形態が挙げられる。これらの異方性導電材料を相対向する基板同士や電極端子間に設けることにより、良好な電気的接続が可能になる。なお、本発明の導電性微粒子を用いた異方性導電材料には、液晶表示素子用導通材料(導通スペーサーおよびその組成物)も含まれる。異方性導電材料の好適な用途としてはタッチパネルの入力用、LED用などが挙げられ、特にタッチパネルの実装用に好適に用いられる。
各種物性の測定は以下の方法で行った。
<シード粒子、コアおよび樹脂粒子の個数平均粒子径・変動係数(CV値)>
樹脂粒子及びコアの場合には、樹脂粒子又はコア0.1部に、乳化剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液20部を加え、超音波で10分間分散させた分散液を測定試料とし、シード粒子の場合には、加水分解、縮合反応で得られた分散液をポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬株式会社製「ハイテノール(登録商標)N−08」)の1%水溶液により希釈したものを測定試料として、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径(μm)を測定し、個数平均粒子径を求めた。また樹脂粒子及びコアについては、個数平均粒子径とともに個数基準での粒子径の標準偏差をも求め、下記式に従って粒子径の変動係数(CV値)を算出した。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/個数平均粒子径)
また、シェルの膜厚は下記式に従ってシェル厚みを算出した。
シェル厚み(μm)=(樹脂粒子の個数平均粒子径A(μm)−シェル被覆を行う前のコア粒子の個数平均粒子径B(μm))/2
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子(樹脂粒子)3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.25部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王株式会社製「エマルゲン(登録商標)430」)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(19.37mN/秒)で荷重をかけ、圧縮変位が粒子径の10%になったときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、樹脂粒子の個数平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき10%K値を算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を各樹脂粒子の10%K値とした。
目開き1.18mmのふるいに樹脂粒子100gを乗せ、1分間振とうさせた後、ふるいを通過した樹脂粒子の重量を測定し、下記式によりパス率を求めた。
パス率(%)=(ふるいを通過した樹脂粒子重量(g)/100(g))×100
2−1.基材(樹脂粒子)の作製
製造例1
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1000部と、25%アンモニア水3部、メタノール600部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM503」)100部を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。反応開始から2時間後、得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は6.06μmであった。
製造例1において、コア粒子径、シェル膜厚等を表1に示される条件とした以外は製造例1と同様にしてコア粒子を合成し、さらにシェルを形成させることによって樹脂粒子(2)を得た。
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1000部と、25%アンモニア水3部、メタノール600部を入れ、攪拌下、滴下口から3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM503」)100部を添加して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(重合性ポリシロキサン粒子)の乳濁液を調製した。反応開始から2時間後、得られたポリシロキサン粒子の乳濁液をサンプリングし、粒子径を測定したところ、個数平均粒子径は6.06μmであった。
製造例3において表1に示される組成、コア粒子径、シェル膜厚等の条件で、コア粒子の合成とコア表面へのシェルの形成によって、樹脂粒子(4)〜(8)、(10)〜(12)をそれぞれ得た。
製造例3において、表1に示される組成、粒子径等の条件でコア粒子を合成し、シェル形成を行わなかったこと以外は、製造例3と同様にして、樹脂粒子(9)、(13)、(14)をそれぞれ得た。
MPTMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
nBMA:n−ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
1.6HXA: 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
St: スチレン
(導電性金属層の形成)
実施例1
樹脂粒子(1)に水酸化ナトリウムによるエッチング処理を行った後、二塩化スズ溶液によるセンシタイジングを行った。さらに二塩化パラジウム溶液によるアクチベーティングを行い、パラジウム核を形成させた。次いで、パラジウム核を形成させた触媒化樹脂粒子10部をイオン交換水500部に添加し、超音波処理を10分間行い、粒子を十分分散させて微粒子懸濁液を得た。別途、硫酸ニッケル六水和物濃度が50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物濃度が60g/L、クエン酸ナトリウム濃度が40g/Lであり、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5に調整した無電解ニッケルメッキ液を調製した。前記微粒子懸濁液を70℃で撹拌しながら、該無電解ニッケルメッキ液50部を徐々に添加して、膜厚が0.1μmになるまで基材粒子の無電解ニッケルめっきを行った。その後、イオン交換水で洗浄後、アルコール置換を行って真空乾燥を行い、導電性微粒子(1)を得た。導電性微粒子(1)を王水でメッキ膜を溶解し、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP、島津製作所社製:「ICPE−9000」)で分析した結果、ニッケルメッキ層におけるリン含有率は11.3%であった。
実施例1において基材として表2に示す樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子(2)〜(8)、(c1)〜(c5)、(r1)を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚及びリン含有率は表2に示すとおりであった。
基材として樹脂粒子(5)を用い、メッキ液を硫酸ニッケル六水和物濃度が50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物濃度が30g/L、クエン酸ナトリウム濃度が40g/Lであり、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した無電解ニッケルメッキ液を使用したこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚及びリン含有率は表2に示すとおりであった。
得られた導電性微粒子を走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、「FE−SEM S−4800」)により、倍率:1000倍で1000個観察し、クレーター(メッキ被覆できていない部分)が目視で確認された導電性微粒子の個数をカウントし、クレーターが目視で確認された導電性微粒子の個数が10個以下の場合を「○」、10個を超える場合を「×」と評価した。
実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法に従い、異方性導電材料(異方性導電ペースト)の調製および接続構造体の作製を行い、初期抵抗値を評価した。評価結果を表2に示す。
Claims (6)
- 樹脂粒子からなる基材と、該基材の表面に形成された少なくとも一層の導電性金属層とを有する導電性微粒子であって、前記樹脂粒子が、個数平均粒子径が7〜30μmであり、コアと、該コアを被覆するシェルとから構成されるコアシェル粒子であり、前記シェルは、シェルを構成する単量体成分の総量100質量%中のスチレン系単量体成分の含有率が50質量%以上、架橋性単量体成分の含有率が5〜95質量%であり、前記コアは、コアを構成する単量体成分の総量100質量%中の(メタ)アクリル系単量体成分の含有率が50質量%以上、架橋性単量体成分の含有率が0〜30質量%であることを特徴とする導電性微粒子。
- 前記シェルの厚みが、0.1〜2.5μmである請求項1に記載の導電性微粒子。
- 前記導電性金属層の厚みは0.30μm以下である請求項1または2に記載の導電性微粒子。
- 導電性金属層が、リンを7〜15質量%含むNiーP合金からなるニッケル層を含むものである請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 導電性金属層の最外層がニッケル層である請求項1〜4のいずれかに記載の導電性微粒子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子をバインダー樹脂に分散してなることを特徴とする異方性導電材料。
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