JP2013073919A - 導電性微粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細な粒子でありながら優れた接続安定性を発揮しうる導電性微粒子を提供する。
【解決手段】本発明の導電性微粒子は、基材粒子と該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを備えた導電性微粒子であって、前記基材粒子は、平均粒子径が1.0〜2.5μmであり、10%K値が3000N/mm2以上であり、下記式(1)で求められる40%K値減少率が30%以上であることを特徴とする。
40%K値減少率(%)=100−[(150℃における40%K値)/(25℃における40%K値)×100] …(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、微細な粒子でありながら優れた接続安定性を発揮しうる導電性微粒子に関するものである。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)パネルやプラズマディスプレイ(PDP)パネルを駆動する信号を送るドライバICを搭載したTCP(テープキャリアーパッケージ)やCOF(チップオンフィルム)パッケージとパネルとの接続、あるいはTCPやCOFとプリント配線基板との接続、さらにはドライバICをパネル上にそのまま実装するCOG(チップオンガラス)などに、異方性導電フィルム(ACF)や異方性導電ペースト(ACP)などの異方性導電材料が使用されている。例えば異方性導電フィルムは、接着剤中に粒子径が数μm程度の導電性微粒子を均一に分散してなるフィルム状接着剤であり、接続する上下の電極間に挟み込み、通常150〜180℃の温度で5〜10秒間加熱、加圧することにより、導電性微粒子を変形させた状態で電極と接触させ、多数の電極同士を一括して接続することを可能にするものである。このような異方性導電材料に用いられる導電性微粒子には、基材粒子とする重合体微粒子の表面を導電性金属層で被覆したものが使用されている。
ところで、近年、電子機器の小型化、高機能化が益々進展している。それに伴い、電気機器に搭載される電子部品の小型化、高密度実装化が進んでおり、電子回路における電極や配線は一層微細化、狭小化する流れにある。このように電子回路の電極や配線の微細化、狭小化が進むなか、異方性導電材料に用いられる導電性微粒子についても、粒子径がより小さなものが要求されている。
ところが、粒子径が微細な導電性微粒子を用いた異方導電接続では、十分な接続面積を確保して接続安定性を得るために、従来の粒子径の導電性微粒子を用いた場合に比べ、より高い変形率まで粒子を圧縮変形させる必要があり、そのためには異方導電接続時の圧着条件として高い圧力を印加しなければならない。しかしながら、電子部品の小型化、高密度実装化により被接続媒体である電極や電極を保持する基板も薄膜化される傾向にあるため、あまり過度な圧力を印加すると基板等の損傷を招くという問題が生じる。この問題を解決するには、過度な圧力を印加しなくても容易に変形しうるよう基材粒子自体を軟質に設計することが考えられる。
基材粒子を軟質化した導電性微粒子としては、例えば、特許文献1には、基材粒子がジビニルベンゼン−エチルビニルベンゼン混合物を単量体の一部として用いた重合体であり、粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が2.5×109N/m2以下(2500N/mm2以下)である導電性微粒子が提案されており、特許文献2には、基材粒子として粒子直径が10%変位したときの圧縮弾性率(10%K値)が10〜50kgf/mm2(98〜490N/mm2)である重合体微粒子を用いた導電性微粒子が提案されている。
また、特許文献3には、スチレンを主体とする球状の架橋重合体の表面に導電性金属被覆層を有してなる導電性樹脂フィラーが開示されている。この導電性樹脂フィラーは基材粒子を軟質化することを目指したものではなく、該文献には軟質か否か硬さに関する記載(K値など)はないが、スチレンを主体とするという組成に鑑みれば、軟質な低密度架橋体であると思われる。
特開2003−313304号公報 特開2000−309715号公報 特公平5−19241号公報
しかしながら、特許文献1〜3のように基材粒子自体が軟らかいと、接続後、電極に挟まれた導電性微粒子が電極間を押し返す力(復元力)が小さくなるため、接続抵抗が不十分になったり接続安定性を損なったりすることがあった。ここで、接続安定性とは、具体的には、初期に低抵抗であることは勿論のこと、経時的にも抵抗値が上昇しないといった特性のことである。
そこで、本発明は、微細な粒子でありながら優れた接続安定性を発揮しうる導電性微粒子と、これに用いる基材粒子およびこれを用いた異方性導電材料とを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、基材粒子自体を軟らかく設計するのではなく、異方導電接続を行う際の加熱時にのみ軟質になるよう基材粒子を設計することを着想した。そして、小粒径の場合に必要とされる高い変形率(40%変形)領域において25℃でのK値と150℃でのK値とが特定の関係を有するとともに、粒子自体はむしろある程度の硬さ(10%K値)を有するような基材粒子であれば、加熱接続時には軟らかくなって低圧でも高い変形率および大きな接続面積を確保でき、接続後に室温に戻った時には粒子自体がある程度の硬さを有しているので良好な復元力を発揮して優れた接続安定性を発現できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係る導電性微粒子は、基材粒子と該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを備えた導電性微粒子であって、前記基材粒子は、平均粒子径が1.0〜2.5μmであり、10%K値が3000N/mm2以上であり、下記式(1)で求められる40%K値減少率が30%以上であることを特徴とする導電性微粒子。
40%K値減少率(%)=100−[(150℃における40%K値)/(25℃における40%K値)×100] …(1)
本発明の導電性微粒子において、前記基材粒子は、150℃における破壊強度が25℃における破壊強度よりも大きく、下記式(2)で求められる破壊強度増加率が5%以上であることが好ましい。
破壊強度増加率(%)=[(150℃における破壊強度)/(25℃における破壊強度)×100]−100 …(2)
また前記式(2)中の150℃における破壊強度は5mN以上であることが好ましい。
本発明の導電性微粒子において、前記基材粒子は、150℃における破壊変形率が25℃における破壊変形率よりも大きく、下記式(3)で求められる破壊変形率増加率が10%以上であることが好ましい。
破壊変形率増加率(%)=[(150℃における破壊変形率)/(25℃における破壊変形率)×100]−100 …(3)
また前記式(3)中の150℃における破壊変形率は60%以上であることが好ましい。
本発明の導電性微粒子において、前記基材粒子は、スチレン系単官能モノマーとジ(メタ)アクリレートモノマーとを必須とする単量体成分を重合したものであることが好ましい。
本発明に係る基材粒子は、上述した本発明の導電性微粒子に用いられるものである。
本発明に係る異方性導電材料は、上述した本発明の導電性微粒子を含有してなるものである。
本発明によれば、微細な粒子でありながら優れた接続安定性を発揮する導電性微粒子を提供することができる。詳しくは、本発明の導電性微粒子は、その基材粒子が、25℃での40%K値と150℃での40%K値とが特定の関係を有するとともに、10%K値が一定値以上であるので、加熱接続時には軟らかくなって低圧でも高い変形率および大きな接続面積を確保でき、接続後に室温に戻った時には粒子自体がある程度の硬さを有しているので良好な復元力を発揮して優れた接続安定性を発現できる。このような本発明の導電性微粒子は、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなどの異方性導電材料に好適に用いられる。
本発明の導電性微粒子は、基材粒子と該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを備えたものである。以下、本発明の導電性微粒子に用いられる基材粒子(本発明の基材粒子)について説明し、次いで該基材粒子に導電性金属層を設けてなる導電性微粒子について説明する。
(基材粒子)
本発明にかかる基材粒子は粒子径が小さく、平均粒子径が1.0〜2.5μmである。好ましくは1.1μm以上、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上であり、好ましくは2.3μm以下、より好ましくは2.1μm以下、さらに好ましくは1.9μm以下である。基材粒子の平均粒子径がこの範囲内であれば、微細な導電性微粒子が得られ、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。なお、本発明でいう基材粒子の平均粒子径は、個数基準の平均分散粒子径を意味するものであり、コールター原理を利用した粒度分布測定装置により測定することができ、より具体的には、例えば実施例で後述する方法で測定すればよい。
前記基材粒子の粒子径の個数基準の変動係数(CV値)は、10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下、さらに好ましくは5.0%以下、一層好ましくは4.5%以下、特に好ましくは4.0%以下、最も好ましくは3.0%以下である。このように粒子径の変動係数が小さい粒子は、単に一次粒子径の大きさが揃っているだけでなく、一次粒子径の単一分散性が極めて高い。そのため、このような基材粒子を用いることにより、粒子径が揃っており、かつ凝集が抑制された導電性微粒子が得られる。なお、粒子径の変動係数とは、上記平均粒子径と、そのときの粒子の粒子径の標準偏差とを下記式に当てはめて求められる値である。
粒子の変動係数(%)=100×(粒子径の標準偏差/平均粒子径)
本発明にかかる基材粒子は、10%K値(すなわち、粒子の直径が10%変位したときの圧縮弾性率)が3000N/mm2以上であることが重要である。基材粒子の10%K値がこの範囲であれば、接続後に室温に戻った時に粒子自体がある程度の硬さを有しているので良好な復元力を発揮することができ、優れた接続安定性を発現することが可能となる。基材粒子の10%K値は、好ましくは5000N/mm2以上、より好ましくは9000N/mm2以上、さらに好ましくは12000N/mm2以上、一層好ましくは14000N/mm2以上である。基材粒子の10%K値の上限は、後述する40%K値減少率を所定の範囲に設定できる限り特に制限されないが、好ましくは50000N/mm2以下、より好ましくは40000N/mm2以下である。
なお、前記基材粒子の10%K値は、公知の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−W500」など)を用いて測定することができるものであり、好ましくは、室温(25℃程度)で粒子の中心方向へ荷重負荷速度2.2295mN/秒で荷重をかける圧縮試験において、圧縮変位が粒子径の10%となるまで粒子を変形させたときの荷重(圧縮荷重:N)と変位量(圧縮変位:mm)を測定し、下記に示すK値算出式に基づき求めることができる。
Figure 2013073919
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
本発明にかかる基材粒子は、下記式(1)で求められる40%K値減少率が30%以上であることが重要であり、好ましくは34%以上、より好ましくは36%以上、さらに好ましくは38%以上、一層好ましくは40%以上である。
40%K値減少率(%)=100−[(150℃における40%K値)/(25℃における40%K値)×100] …(1)
ここで40%K値とは、基材粒子の直径が40%変位したときの圧縮弾性率である。導電性微粒子が小粒径の場合には接続に際し特に40%程度の大きい変形が必要になることに鑑み、本発明では40%K値に関して25℃でのK値と150℃でのK値とが特定の関係を有するよう規定した。具体的には、一般に粒子を圧縮する際の温度が上がると圧縮弾性率(K値)は低下する傾向があることに着目し、圧縮時の温度を25℃から150℃に昇温したときの40%K値の減少率(以下「40%K値減少率」と称する)を規定したものである。基材粒子の40%K値減少率が30%以上であると、異方性導電材料として加熱接続に供した際に十分に軟らかくなって低圧で大きく変形し、その結果、大きな接触面積が確保でき、優れた接続安定性を発現することが可能になる。40%K値減少率の上限は特に制限されないが、電極に対して良好な圧痕性を確保するうえでは、90%以下であることが好ましく、より好ましくは80%以下である。
前記40%K値減少率の算出に用いる25℃における40%K値および150℃における40%K値は、圧縮時(荷重負荷時)の温度を変更しうる測定装置を用いて測定することができる。例えば、圧縮時(荷重負荷時)の温度を変更しうる微小硬度試験機(例えば、H.FISHER社製「HM2000LT」など)を用い、25℃において最大荷重20mNまで5秒かけて到達するように粒子の中心方向へ荷重をかけ、粒子の直径が40%変位したときの荷重(圧縮荷重:N)と変位量(圧縮変位:mm)を測定し、上述の10%K値の説明で用いたK値算出式に基づき25℃における40%K値を求め、他方、150℃における40%K値は、前記微小硬度試験機の加熱ステージにて粒子を150℃に加熱した状態で同様の測定を行うことにより求めることが好ましい。より具体的には、例えば後述する実施例で記載した方法で求めることができる。
前記基材粒子の直径が30%変位したときの圧縮弾性率(30%K値)に関しても、上記40%K値減少率と同様の理由に基づき、圧縮時の温度を25℃から150℃に昇温したときの減少率(以下「30%K値減少率」と称する)の好ましい範囲を規定すると、33%以上が好ましく、より好ましくは34%以上、さらに好ましくは40%以上であり、90%以下が好ましく、より好ましくは80%以下である。なお、30%K値減少率は、上記式(1)における「40%K値」を「30%K値」と読み替えた式で求められ、ここで用いる25℃における30%K値および150℃における30%K値の測定は、40%K値減少率の場合と同様にして(すなわち、粒子の直径を30%変位させる以外は同様にして)行うことができる。
前記基材粒子の直径が50%変位したときの圧縮弾性率(50%K値)に関しても、上記40%K値減少率と同様の理由に基づき、圧縮時の温度を25℃から150℃に昇温したときの減少率(以下「50%K値減少率」と称する)の好ましい範囲を規定すると、35%以上が好ましく、より好ましくは37%以上、さらに好ましくは40%以上であり、90%以下が好ましく、より好ましくは80%以下である。なお、50%K値減少率は、上記式(1)における「40%K値」を「50%K値」と読み替えた式で求められ、ここで用いる25℃における50%K値および150℃における50%K値の測定は、40%K値減少率の場合と同様にして(すなわち、粒子の直径を50%変位させる以外は同様にして)行うことができる。
前記基材粒子は、150℃における破壊強度が25℃における破壊強度よりも大きいことが好ましく、特に下記式(2)で求められる破壊強度増加率が5%以上であることが好ましい。この破壊強度増加率は、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。
破壊強度増加率(%)=[(150℃における破壊強度)/(25℃における破壊強度)×100]−100 …(2)
基材粒子の破壊強度とは、粒子の中心方向へ荷重をかけていき粒子が破壊したときの荷重値(mN)であり、各温度(25℃および150℃)における破壊強度は、上記40%K値減少率の測定と同様の装置、測定方法により測定することができる。異方性導電材料により電極間を接続する際には、電極間に捕捉される導電性微粒子の数のバラつきによって一部の粒子に過剰な荷重がかかり、それにより導電性微粒子が破壊されて抵抗値が上昇することがあるが、基材粒子の150℃における破壊強度が25℃における破壊強度よりも大きいと、特に前記破壊強度増加率の範囲を満足すると、適切な圧力により加熱接続した際に粒子が破壊される確率が下がり抵抗値の上昇を防ぐことができる。同様の理由から、150℃における破壊強度は5mN以上であることが好ましく、より好ましくは6mN以上、さらに好ましくは7mN以上である。なお、前記破壊強度増加率および150℃における破壊強度の上限は、粒子の破壊が認められない場合もあり、特に制限されるものではない。
前記基材粒子は、150℃における破壊変形率が25℃における破壊変形率よりも大きいことが好ましく、特に下記式(3)で求められる破壊変形率増加率が10%以上であることが好ましい。この破壊変形率増加率は、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。
破壊変形率増加率(%)=[(150℃における破壊変形率)/(25℃における破壊変形率)×100]−100 …(3)
基材粒子の破壊変形率とは、粒子の中心方向へ荷重をかけていき粒子が破壊したときの変位量(μm)をA、粒子の平均粒子径(μm)をBとし、式;(A/B)×100(%)に基づき算出されるものであり、ここで粒子が破壊したときの変位量(μm)は、各温度(25℃および150℃)ごとに、上記40%K値減少率の測定と同様の装置、測定方法により測定することができる。基材粒子の150℃における破壊変形率が25℃における破壊変形率よりも大きいこと、特に前記破壊変形率増加率の範囲を満足することにより、異方性導電材料として加熱接続に供した際の粒子のバラつき等により接続時の加圧によって粒子が破壊される確率が下がり抵抗値の上昇を防ぐことができる。同様の理由から、150℃における破壊変形率は60%以上であることが好ましく、より好ましくは65%以上、さらに好ましくは70%以上である。なお、前記破壊変形率増加率および150℃における破壊変形率の上限は、粒子の破壊が認められない場合もあり、特に制限されるものではない。
前記基材粒子の10%K値および40%K値減少率を前記範囲に制御し、さらに上述した好ましい特性(30%K値減少率、50%K値減少率、破壊強度、破壊変形率など)を前記範囲に制御するには、例えば、基材粒子とする重合体微粒子を得る際の重合に供する単量体成分の組成(種類や量)等を調整すればよい。具体的には以下に詳述するが、基材粒子の10%K値および40%K値減少率を制御する手段はこれに限定されるものではない。
前記基材粒子を構成する単量体成分は、スチレン系単官能モノマーとジ(メタ)アクリレートモノマーとを必須とすることが、10%K値および40%K値減少率を前記範囲に制御するうえで好ましい。詳しくは、スチレン系単官能モノマーを含有させることで40%K値減少率を高めることができ、架橋性モノマーであるジ(メタ)アクリレートモノマーを含有させることで10%K値を高めることができる。なお、本発明において「(メタ)アクリレート」や「(メタ)アクリル」は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」や「アクリル及び/又はメタクリル」を示すものとする。
スチレン系単官能モノマーとしては、例えば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、α−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等のアルキルスチレン類;p−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類;p−フェニルスチレン等の芳香環含有スチレン類;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン等のハロゲン基含有スチレン類;p−ヒドロキシスチレン等のヒドロキシ基含有スチレン類;等が挙げられる。これらの中でもスチレンおよびアルキルスチレン類(特に、o−エチルスチレン、m−エチルスチレンまたはp−エチルスチレン(纏めて「エチルビニルベンゼン」と称することもある))が好ましい。
スチレン系単官能モノマーの含有量は、単量体成分全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、一層好ましくは10質量%以上、特に好ましくは30質量%以上であり、80質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、一層好ましくは65質量%以下である。スチレン系単官能モノマーの含有量が前記範囲であれば、10%K値と40%K値減少率の両方を上述した範囲内に制御しやすくなる。特に上述したスチレン系単官能モノマーのなかでもエチルビニルベンゼンは、少量で10%K値を低下させることなく40%K値減少率を高める効果を発揮するので、エチルビニルベンゼンを用いる場合には、その含有量(エチルビニルベンゼンのみの含有量)は、単量体成分全量に対して、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下であればよく、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上である。
ジ(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレンジ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類(特にC4−20アルカンジオールジ(メタ)アクリレート類);ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、デカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタコンタヘクタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のグリコール系ジ(メタ)アクリレート類;等が挙げられる。これらの中でもアルカンジオールジ(メタ)アクリレート類が好ましく、特に、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
ジ(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、単量体成分全量に対して、3.0質量%以上が好ましく、より好ましくは5.0質量%以上であり、90質量%以下が好ましく、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下、一層好ましくは50質量%以下である。ジ(メタ)アクリレートモノマーの含有量が前記範囲であれば、10%K値と40%K値減少率の両方を上述した範囲内に制御しやすくなる。
前記基材粒子を構成する単量体成分には、架橋性モノマーとして、前記ジ(メタ)アクリレートモノマー以外の2官能ビニル系モノマーを含有させることが、10%K値を高めやすくなる点で好ましい。なお、本発明において「ビニル基」とは、(メタ)アクリロキシ基、アリル基、イソプロペニル基、ビニルフェニル基、イソプロペニルフェニル基のような重合性炭素−炭素二重結合を有する置換基も含む意味である。
前記ジ(メタ)アクリレートモノマー以外の2官能ビニル系モノマーとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート等の不飽和基含有モノ(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の2官能芳香族炭化水素系架橋剤;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン酸等のヘテロ原子含有架橋剤;等が挙げられる。これらの中でも特に、ジビニルベンゼンが好ましい。
なお、前記ジ(メタ)アクリレートモノマー以外の2官能ビニル系モノマーの含有量は、特に限定されるものではなく、後述する架橋性シラン化合物などを含めた架橋性モノマー全体の含有量が後述する範囲となるように用いればよい。
前記基材粒子を構成する単量体成分としては、上記スチレン系単官能モノマーおよび2官能ビニル系モノマー(ジ(メタ)アクリレートモノマーを含む)とともに、架橋性シラン化合物(特に、その加水分解縮合物である重合性ポリシロキサン)を併用することが好ましい。上記スチレン系単官能モノマーおよび2官能ビニル系モノマー(ジ(メタ)アクリレートモノマーを含む)を重合させたビニル重合体には、ビニル基が重合して形成される有機系骨格を持つので、接続時に良好な変形性を発現するという利点があり、さらに架橋性シラン化合物を併用すると、その加水分解縮合物である重合性ポリシロキサンに由来するポリシロキサン骨格が導入されるので、接続時に接続部位に対して十分な接触圧を確保しうる硬さを発現することが可能になる。
架橋性シラン化合物は、その加水分解縮合したときにラジカル重合可能な炭素−炭素二重結合を有するものとなるよう、少なくとも分子中にビニル基の如きラジカル重合性基を1個以上と縮合性反応基を1個以上有する。架橋性シラン化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、1−ヘキセニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニルトリエトキシシラン等のビニルアルコキシシラン系モノマー(特にビニルC1−2アルコキシシラン系モノマー)等のシラン系モノマー;等が挙げられる。これらの中でも、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。
なお、架橋性シラン化合物(その加水分解縮合物を含む)の含有量は、特に限定されるものではなく、上述したジ(メタ)アクリレートなどを含めた架橋性モノマー全体の含有量が後述する範囲となるように用いればよい。
前記基材粒子を構成する単量体成分のうち、上述したジ(メタ)アクリレートや架橋性シラン化合物(その加水分解縮合物を含む)などの架橋性モノマーの合計含有量は、単量体成分全量に対して、20質量%以上であるのが好ましく、より好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上であり、99.9質量%以下であるのが好ましく、より好ましくは99.5質量%以下、さらに好ましくは99.0質量%以下である。
前記基材粒子を構成する単量体成分としては、上記のほかにも、前記架橋性モノマーとして、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート類を用いることもできる。
前記基材粒子を構成する単量体成分としては、上記のほかにも、非架橋性モノマーとして、(メタ)アクリル系単官能モノマーや非架橋性シラン化合物を用いることもできる。これらを含有する場合には、上述した各モノマーが所定の含有量となることを妨げない範囲で用いることが望ましい。
(メタ)アクリル系単官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸またはその塩;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(好ましくは炭素数1〜4のアルキル)(メタ)アクリレート類;シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロへプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロウンデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(好ましくは炭素数3〜5のアルキル)(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(好ましくは炭素数2〜3のアルキル)(メタ)アクリレート類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、フェネチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;等が挙げられる。
非架橋性シラン化合物は、分子中に縮合性反応基を1個以上有するがビニル基の如きラジカル重合性基は有さないものであり、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン系モノマー;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン系モノマー;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン系モノマー;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン系モノマー;およびこれらの加水分解縮合物等が挙げられる。なお、非架橋性シラン化合物は、前記架橋性シラン化合物とともに用いられる。
前記基材粒子は、前記単量体成分を重合させることにより得られる。重合方法としては、特に制限はなく、乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、ゾルゲル法などの従来公知の方法を適宜採用することができるが、基材粒子の粒子径を上述した範囲に制御するには、特にシード重合法が好ましく採用される。以下、シード重合法について説明する。
シード重合法では、単量体成分の一部を用いてシード粒子を製造するシード粒子製造工程、得られたシード粒子に単量体成分の残部を吸収させる吸収工程、および単量体成分を重合させる重合工程を経て、重合体粒子を得る。
シード粒子製造工程においては、シード粒子として、単量体成分のうち、シラン化合物(架橋性シラン化合物および/または非架橋性シラン化合物)を縮合反応させることによりポリシロキサン粒子を形成することが好ましい。具体的には、水を含む溶媒中でシラン化合物を加水分解して縮合反応させればよい。加水分解し、縮合させるにあたっては、触媒として、アンモニア、尿素、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物などの塩基性触媒を好ましく用いることができる。水を含む溶媒中には、水や触媒以外に有機溶剤を含有させてもよい。また、加水分解、縮合を行う際には、従来公知の乳化剤を併用することもできる。加水分解および縮合を行う際の加熱温度は、通常0℃以上100℃以下、好ましくは0℃以上70℃以下、より好ましくは5℃以上50℃以下とするのがよく、加熱時間は、通常1分以上100時間以下、好ましくは5分以上50時間以下、より好ましくは10分以上20時間以下とするのがよい。
吸収工程において、シード粒子に単量体成分を吸収させる方法は、シード粒子の存在下に単量体成分を存在させて吸収を進行させうる方法であればよい。例えば、シード粒子を分散させた溶媒中に単量体成分を加えてもよいし、単量体成分を含む溶媒中にシード粒子を加えてもよい。好ましくは、加水分解、縮合反応で得られたポリシロキサン粒子を反応液(ポリシロキサン粒子の分散液)から取り出すことなく、当該反応液に単量体成分を加える方法が、工程が複雑にならず、生産性に優れる。この場合、単量体成分の添加のタイミングは特に限定されず、該単量体成分を一括で加えてもよいし、数回に分けて加えてもよいし、任意の速度でフィードしてもよい。また、単量体成分を加えるにあたっては、単量体成分のみで添加しても、単量体成分の溶液を添加してもよいが、単量体成分を予め従来公知の乳化剤で水または水性媒体に乳化分散させたモノマーエマルションを添加することが、シード粒子への吸収がより効率よく行われるため好ましい。シード粒子への単量体成分の吸収は、例えば、0℃以上60℃以下の温度範囲で、5分間以上720分間以下、撹拌しながら行うのが好ましい。なお、吸収工程において、単量体成分がシード粒子に吸収されたかどうかの判断については、例えば、単量体成分を加える前および吸収工程終了後に、顕微鏡により粒子を観察し、単量体成分の吸収により粒子径が大きくなっていることを確認することで容易に判断できる。
重合工程においては、例えば、重合開始剤を用いる重合方法、紫外線や放射線を照射する重合方法、熱を加える重合方法など、いずれも採用可能である。
重合開始剤としては、例えば、過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤など従来から重合に用いられる公知のものを使用することができる。重合開始剤の使用量は、単量体成分全量100質量部に対して、0.001質量部以上とすることが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。重合温度は、40℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上であり、100℃以下が好ましく、より好ましくは80℃以下である。重合時間は用いる重合開始剤の種類に応じて適宜変更すればよいが、通常5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、600分以下が好ましく、より好ましくは300分以下である。
前記基材粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状、まゆ状等のいずれでも良いが、球状が好ましく、特に真球状が好ましい。
(導電性微粒子)
本発明の導電性微粒子は、上述した本発明の基材粒子と該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを備える。
前記導電性金属層を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、鉄、鉛、アルミニウム、クロム、パラジウム、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、スズ、コバルト、インジウム及びニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等の金属や金属化合物、及び、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、金、ニッケル、パラジウム、銀、銅、錫が導電性に優れた導電性微粒子となることから好ましい。また、安価な点で、ニッケル、ニッケル合金(Ni−Au、Ni−Pd、Ni−Pd−Au、Ni−Ag);銅、銅合金(CuとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Ag、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg、Ni、Sn、Znとの合金);銀、銀合金(AgとFe、Co、Ni、Zn、Sn、In、Ga、Tl、Zr、W、Mo、Rh、Ru、Ir、Au、Bi、Al、Mn、Mg、P、Bからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素との合金、好ましくはAg−Ni、Ag−Sn、Ag−Zn);錫、錫合金(たとえばSn−Ag、Sn−Cu、Sn−Cu−Ag、Sn−Zn、Sn−Sb、Sn−Bi−Ag、Sn−Bi−In、Sn−Au、Sn−Pb等)等が好ましい。中でもニッケル、ニッケル合金が好ましい。また、導電性金属層は、単層でもよいし複層であってもよく、複層の場合には、例えば、ニッケル−金、ニッケル−パラジウム、ニッケル−パラジウム−金、ニッケル−銀等の組合せが好ましく挙げられる。
前記導電性金属層の厚さは、0.01μm以上が好ましく、より好ましくは0.03μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、0.20μm以下が好ましく、より好ましくは0.18μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下、一層好ましくは0.12μm以下、特に好ましくは0.080μm以下である。基材粒子が微細な粒子径である本発明の導電性微粒子においては、導電性金属層の厚さが上記範囲内であれは、導電性微粒子を異方性導電材料として用いる際に、安定した電気的接続が維持できる。
導電性金属層の形成方法は特に限定されず、例えば、基材粒子表面に無電解メッキ法、電解メッキ法等によってメッキを施す方法;基材粒子表面に真空蒸着、イオンプレーティング、イオンスパッタリング等の物理的蒸着方法により導電性金属層を形成する方法;等により形成できる。これらの中でも特に無電解メッキ法が、大掛かりな装置を必要とせず容易に導電性金属層を形成できる点で好ましい。
なお、前記導電性金属層は、基材粒子表面の少なくとも一部を被覆していればよいが、導電性金属層の表面には、実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面が存在しないことが好ましい。ここで、「実質的な割れや、導電性金属層が形成されていない面」とは、電子顕微鏡(倍率1000倍)を用いて任意の10000個の導電性微粒子の表面を観察したときに、導電性金属層の割れ、および、基材粒子表面の露出が、実質的に目視で観察されないことを意味する。
本発明の導電性微粒子の個数平均粒子径は、1.1μm以上が好ましく、より好ましくは1.2μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上、特に好ましくは1.4μm以上であり、2.8μm以下が好ましく、より好ましくは2.6μm以下、さらに好ましくは2.4μm以下、特に好ましくは2.2μm以下である。個数平均粒子径がこの範囲内であれば、微細化、狭小化された電極や配線の電気接続に対して、好適に使用できる。
本発明の導電性微粒子は、表面の少なくとも一部に絶縁性樹脂層を有することもできる。つまり、前記導電性金属層の表面にさらに絶縁性樹脂層を設けた態様であってもよい。このように表面の導電性金属層にさらに絶縁性樹脂層が積層されていると、高密度回路の形成時や端子接続時などに生じやすい横導通を防ぐことができる。
前記絶縁性樹脂層としては、導電性微粒子の粒子間における絶縁性が確保でき、一定の圧力及び/又は加熱により容易にその絶縁性樹脂層が崩壊あるいは剥離するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン類;ポリメチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート重合体および共重合体;ポリスチレン;等の熱可塑性樹脂やその架橋物;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂等)等の熱硬化性樹脂;ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂およびこれらの混合物;等が挙げられる。但し、基材粒子に比べて絶縁性樹脂層が硬過ぎる場合には、絶縁性樹脂層の破壊よりも先に基材粒子自体が破壊してしまうおそれがある。したがって、絶縁性樹脂層には、未架橋または比較的架橋度の低い樹脂を用いることが好ましい。
前記絶縁性樹脂層は、単層であっても、複数の層からなるものであってもよい。例えば、単一又は複数の皮膜状の層が形成されていてもよいし、絶縁性を有する粒状、球状、塊状、鱗片状その他の形状の粒子を導電性金属層の表面に付着させた層であってもよいし、さらには、導電性金属層の表面を化学修飾することにより形成された層であってもよく、または、これらが組み合わされたものであってもよい。絶縁性樹脂層の厚さは0.01μm〜1μmが好ましく、より好ましくは0.02μm以上、0.5μm以下、さらに好ましくは0.03μm以上、0.4μm以下である。絶縁性樹脂層の厚さが前記範囲内であれば、導電性粒子による導通特性を良好に維持しつつ、粒子間の電気絶縁性が良好となる。
(異方性導電材料)
本発明の異方性導電材料は、上記本発明の導電性微粒子を含有してなるものである。異方性導電材料の形態としては、特に制限されないが、例えば、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、異方性導電接着剤、異方性導電インクなど、相対向する基材間や電極端子間に設けることで電気的な接続を可能にするものが挙げられる。また、本発明の異方性導電材料には、導通スペーサーおよびその組成物などの液晶表示素子用導通材料も包含される。
本発明の異方性導電材料は、通常、上記本発明の導電性微粒子をバインダー樹脂中に分散させ、所望の形態とすることで得られる。バインダー樹脂としては、絶縁性の樹脂であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの熱可塑性樹脂;グリシジル基を有するモノマーやオリゴマーおよびイソシアネートなどの硬化剤との反応により硬化する硬化性樹脂組成物;光や熱により硬化する硬化性樹脂組成物;等が挙げられる。
なお、本発明の異方性導電材料は、上述のように導電性微粒子とバインダー樹脂が予め混合された状態である場合に限らず、例えば、バインダー樹脂と導電性微粒子とを別々に使用し、接続しようとする基材間や電極端子間に導電性微粒子をバインダー樹脂とともに存在させることによって接続する場合をも包含する。
本発明の異方性導電材料において、導電性微粒子の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、異方性導電材料の全量に対して1体積%以上が好ましく、より好ましくは2体積%以上、さらに好ましくは5体積%以上であり、50体積%以下が好ましく、より好ましくは30体積%以下、さらに好ましくは20体積%以下である。導電性微粒子の含有量が少なすぎると、充分な電気的導通が得られ難い場合があり、一方、導電性微粒子の含有量が多すぎると、導電性微粒子同士が接触してしまい、異方性導電材料としての機能が発揮され難い場合がある。
本発明の異方性導電材料におけるフィルム膜厚、ペーストや接着剤の塗工膜厚、印刷膜厚等については、使用する本発明の導電性微粒子の粒子径と、接続すべき電極の仕様とを考慮し、接続すべき電極間に導電性微粒子が狭持され、且つ接続すべき電極が形成された接合基板同士の空隙がバインダー樹脂層により充分に満たされるように、適宜設定することが好ましい。
本発明の異方性導電材料は、加熱接続時に過度な圧力を印加しなくても容易に高い変形率まで圧縮変形させることができるものであり、十分な接続面積を確保して接続安定性を得ることができる。したがって、本発明の異方性導電材料を用いて接続部位間を電気的に接続する際の接続方法は、特に制限されないが、接続時の圧力は過度に高く設定する必要はなく、比較的低圧(通常1〜100MPa、好ましくは50MPa以下、より好ましくは10MPa以下、特に好ましくは5MPa以下)で行うことが、本発明の効果を有意に発揮するうえで望ましい。また、接続時の加熱温度は、特に制限されないが、120℃以上とするのが好ましく、より好ましくは135℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、300℃以下とするのが好ましく、より好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下とするのがよい。接続時間(熱および圧を付加する時間)は、温度や圧力に応じて適宜設定すればよいが、通常10秒〜3600秒である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
以下の実施例、比較例において粒子の各種物性は下記の方法で測定した。
<粒子径>
基材粒子の粒子径は、粒度分布測定装置(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーIII型」)により30000個の粒子の粒子径を測定し、個数基準の平均分散粒子径を求めた。
なお、基材粒子を製造する際に得たポリシロキサン粒子の個数基準の平均分散粒子径も同様にして求めた。
<40%K値減少率>
微小硬度試験機(H.FISHER社製「HM2000LT」)を用い、25℃において、マイクロスライドグラス(プレクリン水縁磨:厚さ1.3mm)上に散布した粒子1個について、50μm四方の正方形平面圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、荷重増加(dSQRT(F)/dt=一定)モードで、最大荷重20mNまで5秒かけて到達するように粒子の中心方向へ荷重をかけた。そして、粒子の直径が40%変位したときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定し、得られた荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、得られた変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき25℃における圧縮弾性率(K値)を算出した。なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
Figure 2013073919
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
次に、前記微小硬度試験機の加熱ステージにより上記マイクロスライドグラス上の粒子を150℃に加熱し、その状態で、上述した25℃における40%K値と同様にして、150℃における40%K値を求めた。
そして、25℃における40%K値と、150℃における40%K値とから、下記式に基づき、40%K値減少率(%)を算出した。
40%K値減少率(%)=100−[(150℃における40%K値)/(25℃における40%K値)×100]
なお、参考として、上述したように所定の温度(25℃および150℃)で40%K値を求めるに際しては、粒子の直径が30%変位したとき、および50%変位したときの各荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)をも測定し、40%K値減少率と同様にして、25℃及び150℃における各K値(30%K値および50%K値)をも求め、30%K値減少率(%)および50%K値減少率(%)をそれぞれ算出した。
<10%K値>
微小圧縮試験機(島津製作所社製「MCT−W500」)を用いて、室温(25℃)において、試料台(材質:SKS材平板)上に散布した粒子1個について、直径50μmの円形平板圧子(材質:ダイヤモンド)を用いて、「標準表面検出」モードで、粒子の中心方向へ一定の負荷速度(2.2295mN/秒)で荷重をかけた。そして、粒子の直径が10%変位したときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)、ならびに粒子が変形により破壊したときの荷重値(mN)とそのときの変位量(μm)を測定した。
10%変位したときの荷重値(mN)を圧縮荷重(N)に換算し、そのときの変位量(μm)を圧縮変位(mm)に換算し、粒子の平均粒子径(μm)から粒子の半径(mm)を算出し、これらを用いて下記式に基づき25℃における10%K値を算出した。
Figure 2013073919
(ここで、E:圧縮弾性率(N/mm2)、F:圧縮荷重(N)、S:圧縮変位(mm)、R:粒子の半径(mm)である。)
なお、測定は各試料について、異なる10個の粒子に対して行い、平均した値を測定値とした。
<破壊強度および破壊変形率>
上記40%K値減少率の測定と同様の装置、測定方法により、25℃および150℃において粒子の中心方向へ荷重をかけて、それぞれ粒子が破壊したときの荷重値(mN)と変位量(μm)を測定し、粒子が破壊したときの荷重値(mN)を破壊強度(mN)とした。また破壊変形率は、粒子が破壊したときの変位量(μm)をA、粒子の平均粒子径(μm)をBとし、式;(A/B)×100(%)に基づき算出した。
<導電性金属層の膜厚>
フロー式粒子像解析装置(シスメックス社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、基材粒子3000個の個数平均粒子径X(μm)および導電性微粒子3000個の個数平均粒子径Y(μm)を測定した。なお、測定は、粒子0.05部に、乳化剤であるポリオキシエチレンオレイルエーテル(「エマルゲン(登録商標)430」花王株式会社製)の1.4%水溶液17.5部を加え、超音波で10分間分散させた後に行なった。そして、下記式に従って導電性金属層の膜厚を算出した。
導電性金属層膜厚(μm)=(Y−X)/2
(製造例1)
冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに、イオン交換水1800部、25%アンモニア水24部およびメタノール600部を入れ、攪拌下、滴下口から、シード粒子形成用重合性シラン化合物(単量体成分)として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)40部を添加し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの加水分解、縮合反応を行って、メタクリロイル基を有するポリシロキサン粒子(シード粒子)の懸濁液を調製した。このポリシロキサン粒子の個数基準の平均分散粒子径は0.94μmであった。
次いで、乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液3.0部をイオン交換水200部で希釈した溶液に、吸収モノマー(単量体成分)として、スチレン(St)20部、ジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)(DVB)80部および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HXDA)100部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−65」)2部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させることにより吸収モノマーの乳化液を調製した。乳化分散の開始から2時間後、得られた乳化液を上記ポリシロキサン粒子(シード粒子)の懸濁液中に添加して、さらに攪拌を行った。乳化液の添加から1時間後、得られた混合液をサンプリングして顕微鏡で観察を行ったところ、ポリシロキサン粒子が吸収モノマーを吸収して肥大化していることが確認された。
次いで、混合液にポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液8.0部を加え、窒素雰囲気下で65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持することにより、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の反応液(乳濁液)を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、窒素雰囲気下120℃で2時間真空乾燥し、基材粒子(1)を得た。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(製造例2)
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を表1に示すように変更するとともに、乾燥して得られた基材粒子にさらに窒素雰囲気下230℃で1時間加熱処理を施したこと以外は、製造例1と同様にして基材粒子(2)を得た。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(製造例3)
重合性シラン化合物および吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を表1に示すように変更するとともに(但し、表1中「MPMDMS」は3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを意味する)、乾燥して得られた樹脂粒子にさらに窒素雰囲気下230℃で1時間加熱処理を施したこと以外は、製造例1と同様にして基材粒子(3)を得た。なお、このとき得られたポリシロキサン粒子懸濁液中の粒子の個数基準の平均分散粒子径は1.03μmであった。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(製造例4)
ポリシロキサン粒子懸濁液を調製するにあたり、イオン交換水の使用量を2100部に変更し、メタノールの使用量を300部に変更するとともに、吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を表1に示すように変更した(但し、表1中「HXDMA」は1,6−ヘキサンジオールジメタクリレートを意味する)こと以外は、製造例1と同様にして基材粒子(4)を得た。なお、このとき得られたポリシロキサン粒子懸濁液中の粒子の個数基準の平均分散粒子径は0.96μmであった。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(製造例5)
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にして基材粒子(5)を得た。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(製造例6)
吸収モノマーの種類と使用量(質量部)を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にして基材粒子(6)を得た。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(製造例7)
乳化剤としてポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬社製:「ハイテノール(登録商標)NF−08」)の20%水溶液10部をイオン交換水300部で希釈した溶液に、単量体成分として1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(HXDA)50部およびジビニルベンゼン(新日鐡化学社製「DVB960」:ジビニルベンゼン96%、ビニル系非架橋性単量体(エチルビニルベンゼン等)4%含有品)(DVB)50部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製:「V−65」)2.0部とを溶解した溶液を加え、乳化分散させることにより単量体成分の乳化液を調製した。
次いで、得られた乳化液を、冷却管、温度計、滴下口を備えた四つ口フラスコに入れ、イオン交換水500部を加えて希釈し、窒素雰囲気下で65℃まで昇温させて、65℃で2時間保持し、単量体成分のラジカル重合を行った。ラジカル重合後の反応液(乳濁液)を固液分離し、得られたケーキをイオン交換水、メタノールで洗浄した後、湿式分級を繰り返し、120℃で2時間真空乾燥させ、基材粒子(7)を得た。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(比較製造例1)
撹拌機、滴下装置および温度計を備えた容量20Lのガラス製反応器に、溶媒としてのメタノール700部と28%アンモニア水250部とを仕込み、撹拌しながら液温を20℃に調整した。他方、滴下装置にはテトラメトキシシラン300部をメタノール100部に溶解させた溶液を仕込んだ。この溶液を滴下装置から2時間かけて滴下し、滴下終了後、さらに1時間撹拌を続けることにより、テトラメトキシシランの加水分解、縮合反応を行った。反応後に得られたスラリーを真空乾燥装置で乾燥し、次いで得られた乾燥シリカ粒子を空気雰囲気下で常温より昇温して1000℃で1時間焼成した後、冷却、粉砕することにより、比較用の基材粒子(C1)として非晶質シリカ粒子を得た。
得られた基材粒子の粒子径、破壊強度、破壊変形率、30%K値減少率(K30減少率)、40%K値減少率(K40減少率)、50%K値減少率(K50減少率)および10%K値(K10)は、表1に示す通りであった。
(実施例1)
基材粒子(1)に、水酸化ナトリウムによるエッチング処理を施した後、二塩化スズ溶液に接触させることによりセンシタイジングし、次いで二塩化パラジウム溶液に浸漬させることによりアクチベーティングする方法(センシタイジング−アクチベーション法)によって、パラジウム核を形成させた。次に、パラジウム核を形成させた基材粒子2部をイオン交換水400部に添加し、超音波分散処理を行った後、得られた基材粒子懸濁液を70℃の温浴で加温した。このように懸濁液を加温した状態で、別途70℃に加温した無電解めっき液(日本カニゼン(株)製「シューマーS680」)600部を加えることにより、無電解ニッケルめっき反応を生じさせた。水素ガスの発生が終了したことを確認した後、固液分離を行い、イオン交換水、メタノールの順で洗浄し、100℃で2時間真空乾燥して、ニッケルめっきを施した粒子を得た。次いで、得られたニッケルめっき粒子を、シアン化金カリウムを含有する置換金めっき液に加え、ニッケル層表面にさらに金めっきを施すことにより、導電性微粒子を得た。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示す通りであった。
(実施例2〜7および比較例1)
表1に示す基材粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして導電性微粒子を作製した。得られた導電性微粒子における導電性金属層の膜厚は表1に示す通りであった。
各実施例および比較例で得られた導電性微粒子を用い、下記の方法で異方性導電材料(異方性導電フィルム)を作製し、その性能を下記の方法で評価した。
すなわち、導電性微粒子1部に、バインダー樹脂としてのエポキシ樹脂(三菱化学製「JER828」)100部と、硬化剤(三新化学社製「サンエイド(登録商標)SI−150」)2部と、トルエン100部とを加え、さらにφ1mmのジルコニアビーズ50部を加えて、ステンレス製の2枚攪拌羽根を用いて300rpmで10分間攪拌して分散させた。そして、得られたペースト状組成物をバーコーターにて剥離処理を施したPETフィルム上に塗布し乾燥させることにより異方性導電フィルムを得た。
得られた異方性導電フィルムを、抵抗測定用の線を有した全面アルミ蒸着ガラス基板と
20μmピッチに銅パターンを形成したポリイミドフィルム基板との間に挟みこみ、2MPa、150℃で圧着した。そして、電極間の初期抵抗値を測定し、初期抵抗値が5Ω以下の場合を「○」、5Ωを超える場合を「×」、と評価した。
Figure 2013073919

Claims (8)

  1. 基材粒子と該基材粒子の表面を被覆する導電性金属層とを備えた導電性微粒子であって、
    前記基材粒子は、平均粒子径が1.0〜2.5μmであり、10%K値が3000N/mm2以上であり、下記式(1)で求められる40%K値減少率が30%以上であることを特徴とする導電性微粒子。
    40%K値減少率(%)=100−[(150℃における40%K値)/(25℃における40%K値)×100] …(1)
  2. 前記基材粒子は、150℃における破壊強度が25℃における破壊強度よりも大きく、下記式(2)で求められる破壊強度増加率が5%以上である請求項1に記載の導電性微粒子。
    破壊強度増加率(%)=[(150℃における破壊強度)/(25℃における破壊強度)×100]−100 …(2)
  3. 前記式(2)中の150℃における破壊強度が5mN以上である請求項2に記載の導電性微粒子。
  4. 前記基材粒子は、150℃における破壊変形率が25℃における破壊変形率よりも大きく、下記式(3)で求められる破壊変形率増加率が10%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性微粒子。
    破壊変形率増加率(%)=[(150℃における破壊変形率)/(25℃における破壊変形率)×100]−100 …(3)
  5. 前記式(3)中の150℃における破壊変形率が60%以上である請求項4に記載の導電性微粒子。
  6. 前記基材粒子が、スチレン系単官能モノマーとジ(メタ)アクリレートモノマーとを必須とする単量体成分を重合したものである、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性微粒子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性微粒子に用いられる基材粒子。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電性微粒子を含有してなる異方性導電材料。
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