JP2012184642A - アンカーボルト、アンカー金具、連結ナットおよび締付ナット - Google Patents

アンカーボルト、アンカー金具、連結ナットおよび締付ナット Download PDF

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Abstract

【課題】アンカーボルトなどの施工状態を簡単に確認できるようにして、施工後の点検作業を効率良く、且つ安全に行うことができるようにする。
【解決手段】雄螺子が形成された軸部4と、軸部4に連結された頭部3とを有するアンカーボルト2であって、頭部3は、円柱状に形成されると共に、その外周面31に対して外向きに突出する突起部10を備えており、突起部10は、頭部3の外周面31に沿って配置される専用のツール20と係合し、そのツール20が回転操作されることに伴って頭部3と共に軸部4を回転させる構成であり、軸部4を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部10がツール20によって剪断される。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート建築物や構造物など各種躯体に取り付けられるアンカーボルト、連結ナット、締付ナットおよびアンカー金具に関する。
コンクリート建築物などにおいて既設の天井構造物に、空気調和機や照明器具、各種配管などの吊り下げ物を取り付ける場合、その吊り下げ物を支持するためのアンカー金具が天井構造物に固定される。このようなアンカー金具は、天井構造物に限られず、壁面や床面などに固定されることもある。従来、この種のアンカー金具として、例えば特許文献1および2に記載されたものが知られている。
例えば特許文献1のアンカー金具は、鉄筋の先端部にかしめ一体化され、先端から軸方向に沿って延びる複数本のスリットが設けられた拡張スリーブと、この拡張スリーブの先端部に小径端部が圧入された円錐台状のコーンナットとを備えたものである。このアンカー金具の施工は、このアンカー金具をコーンナット側からコンクリート孔に差し込み、コーンナットの先端が孔の底部に当接した状態で鉄筋をハンマーなどで打ち込むことにより行う。この打ち込みにより、コーンナットが拡張スリーブ内に圧入され、この圧入に伴い拡張スリーブの先端部がコーンナットのテーパ面に沿ってコンクリート壁等を削りながら径方向外側に拡張し、アンカー金具が躯体に固定される。
また特許文献2のアンカー金具は、コンクリート孔内に圧入固定されるアンカーソケットと、該アンカーソケットの一端部開口から螺入するアンカーボルトとを備えている。アンカーソケットの他端部には、スリットが形成されている。またアンカーボルトの軸部の先端部には、アンカーソケットの他端部の内周面に圧入して該他端部を拡張させるヘッドが一体的に設けられている。このアンカー金具の施工は、アンカーソケットを他端部からコンクリート孔に先に差し込んでおき、その状態でアンカーボルトをアンカーソケットの一端部開口から螺入していく。アンカーボルトの螺入により、アンカーボルトの先端部に設けられたヘッドがアンカーソケットの他端部を拡張させることにより、アンカー金具が固定される。
特開平10−231583号公報 特開平10−110475号公報
しかしながら、上記特許文献1のようなアンカー金具は、天井構造物に固定するためのアンカー金具としては適さない。なぜなら、特許文献1のアンカー金具の場合は、天井構造物に吊設される鉄筋と、拡張スリーブの先端部に圧入するコーンナットとが構造上分離されているため、例えば地震などにより天井構造物に大きな振動が作用すると、コーンナットが拡張スリーブの内側から離脱してしまい、鉄筋の先端部に一体化された拡張スリーブが天井構造物から落下する可能性がある。
これに対し、上記特許文献2のようなアンカー金具は、アンカーボルトに対してアンカーソケットを拡張させるヘッドが一体的に設けられているので、アンカーボルトが抜け落ちることはなく、特許文献1のような問題は生じない。
ところで、特許文献2のようなアンカー金具を天井構造物や壁面、或いは床面などに施工する際には、アンカーボルトをアンカーソケットの一端部開口から挿入して回転させていくことが必要である。しかし、その作業中、作業者は、ヘッドがアンカーソケットを正常な施工状態まで拡張させているか否かを目視で確認することはできないという問題がある。特に天井構造物へのアンカー金具の施工作業では、作業者が床面から延長ツールを使用して天井構造物に穿孔された孔にアンカー金具を挿入し、回転操作を行っていくこともある。このような場合、特許文献2のようなアンカー金具が強固に固定されているか否かは、アンカーボルトの回転トルクが一定値以上になることを条件として判断せざるを得ないのが実情である。このようなことから、従来は、アンカー金具の施工作業中に、アンカーボルトの回転トルクが一定値以上になれば施工完了としている。
しかし、作業者による回転トルクの管理は、作業者の経験によるところが大きく、アンカー金具の施工品質にバラツキが生じると共に、施工不良が生じていてもそれを把握することが難しいという問題がある。
また近年においては、天井構造物や壁面、或いは床面などに複数のアンカー金具が施工された後、現場責任者によって各アンカー金具の施工状態の点検作業が行われることもある。このような場合、現場責任者は、施工されたアンカー金具を1つずつ、トルクレンチなどを用いて回転トルクが一定値以上であるか否かを点検していかなければならず、その作業負担が過大なものになると共に、その点検作業に多大な時間を要するという問題がある。このように従来のアンカー金具は、施工管理という点においては非常に不便なものとなっていた。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、施工状態を簡単に確認できるようにして、施工後の点検作業を効率良く、且つ安全に行えるようにしたアンカーボルト、アンカー金具、連結ナットおよび締付ナットを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、雄螺子が形成された軸部と、その軸部に連結された頭部とを有するアンカーボルトをその対象としている。このアンカーボルトは、頭部が円柱状に形成されると共に、その外周面に対して外向きに突出する突起部を備えている。そして突起部は、頭部の外周面に沿って配置されるツールと係合し、ツールが回転操作されることに伴って頭部と共に軸部を回転させる構成であり、軸部を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部がツールによって剪断されることを特徴としている。
かかる構成によれば、アンカーボルトを過不足無く締め付けることができる。特に、軸部を回転させるトルクが所定値以上になると、突起部が剪断されるので、アンカーボルトが過剰に締め付けられることを良好に防止することができる。そして、突起部が頭部の外周面から突出した状態となっているか否かを、目視によって確認することができるため、アンカーボルトの施工状態を簡単に確認することができるという利点がある。尚、突起部に赤色などの塗料を予め塗布しておけば、より一層目視による確認が簡単になる。尚、このようなアンカーボルトは、頭部と軸部とが一体に形成されたものであっても良いし、また別体として構成された頭部と軸部とが互いに組み付けられることによって構成されるものであっても良い。
また、このようなアンカーボルトは、頭部の外周面に、所定の直径を有する軸棒を挿入して保持するための挿入孔が設けられ、突起部は、その挿入孔に挿入される軸棒が頭部の外周面から突出する部分によって構成されることが好ましい。このような構成とすれば、軸部を回転させるトルクが所定値以上となったときに剪断される突起部を比較的簡単に設けることができる。また、挿入孔に挿入される軸棒を調整することにより、突起部が剪断されるトルクを調整することができ、アンカーボルトの本体に影響を与えることなく、トルク調整を行うことが可能である。
また、上記のようなアンカーボルトには、頭部の先端部に雄螺子を装着するための有底の螺子孔が設けられることがある。このような場合、その螺子孔の底部近傍には頭部の外周面に連通する貫通孔を設け、その螺子孔の底部に、雄螺子装着に伴って変形する変形材を予め設けておく。そしてその変形材は、前記螺子孔への雄螺子装着に伴って変形し、その一部を貫通孔から外部に突出させる構成とすることが好ましい。このような構成によれば、螺子孔に対する雄螺子の装着に伴って変形材が貫通孔を通って頭部の外周面から出現するので、雄螺子の装着状態が良好なものであるか否かを容易に確認することができるようになる。また、この場合、螺子孔の底部に設けられる変形材は、着色された油粘土などで構成される軟性材であっても良いし、樹脂などで形成された部品であっても良い。
また、本発明は、第2に、上記のようなアンカーボルトを有するアンカー金具をその対象としている。このアンカー金具は、雄螺子が形成された軸部を有し、その軸部の基端部に軸部の外径よりも大径の頭部を有するアンカーボルトと、軸部に挿通される筒状体として構成され、該筒状体の先端部に、縦割り溝によって外方向に拡張するように形成された拡張部を有する拡張スリーブと、外径が軸部の軸方向に沿って漸次縮小し、その内側に軸部に形成された雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、小径端部が拡張スリーブの先端部に嵌入した状態で軸部に装着されるコーンナットと、を備え、アンカーボルトは、頭部が円柱状に形成されると共に、頭部の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、突起部は、頭部の外周面に沿って配置されるツールと係合し、該ツールが回転操作されることに伴って頭部と共に軸部を回転させる構成であり、軸部を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部はツールによって剪断されることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、アンカーボルトを過不足無く締め付けることができ、良好な状態でアンカー金具の施工を行うことができる。特に、軸部を回転させるトルクが所定値以上になると、アンカーボルトの突起部が剪断されるので、アンカーボルトが過剰に締め付けられることを良好に防止することができる。そして、アンカーボルトの突起部が頭部の外周面から突出した状態となっているか否かを、目視によって確認することができるため、アンカー金具の施工状態を簡単に確認することができるという利点がある。
また、本発明は、第3に、軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、一端部側に開口する第1螺子孔を有すると共に、他端部側に開口する第2螺子孔を有し、第1および第2螺子孔のそれぞれに異なる雄螺子を装着して軸方向に連結する連結ナットをその対象としている。この連結ナットは、円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、突起部は、円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、ツールが回転操作されることに伴って円柱状部材を回転させる構成である。そして円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部がツールによって剪断されることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、連結ナットを回転させて締め付けを行う際に過不足無く締め付けることができる。特に、円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上になると、突起部が剪断されるので、連結ナットが過剰に締め付けられることを良好に防止することができる。そして、突起部が円柱状部材の外周面から突出した状態となっているか否かを、目視によって確認することができるため、連結ナットの施工状態を簡単に確認することができるという利点がある。尚、この場合においても、突起部に赤色などの塗料を予め塗布しておけば、より一層目視による確認が簡単になる。
また、このような連結ナットは、円柱状部材の外周面に、所定の直径を有する軸棒を挿入して保持するための挿入孔が設けられ、突起部は、その挿入孔に挿入される軸棒が円柱状部材の外周面から突出する部分によって構成されることが好ましい。このような構成とすれば、円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったときに剪断される突起部を比較的簡単に設けることができる。また、挿入孔に挿入される軸棒を調整することにより、突起部が剪断されるトルクを調整することができ、アンカーボルトの本体に影響を与えることなく、トルク調整を行うことが可能である。
また、本発明は、第4に、上記のような連結ナットを有するアンカー金具をその対象としている。このアンカー金具は、雄螺子が形成された軸部材と、その軸部材に挿通される筒状体として構成され、その筒状体の先端部に縦割り溝によって外方向に拡張するように形成された拡張部を有する拡張スリーブと、外径が軸部材の軸方向に沿って漸次縮小し、内側に軸部材に形成された雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、小径端部が拡張スリーブの先端部に嵌入した状態で軸部材に装着されるコーンナットと、軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、一端部側に有底の第1螺子孔を有すると共に、他端部側に軸部材を装着するための雌螺子が形成された有底の第2螺子孔を有し、第1螺子孔に対して軸部材とは異なる雄螺子を装着して軸方向に連結する連結ナットと、を備えている。そして連結ナットは、円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、その突起部は、円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、ツールが回転操作されることに伴って円柱状部材を回転させると共に第2螺子孔に装着された軸部材を回転させることにより、コーンナットを拡張スリーブの内側に進入させて拡張部を外方向に拡張させる構成である。そして円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部がツールによって剪断されることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、連結ナットを過不足無く締め付けることができ、良好な状態でアンカー金具の施工を行うことができる。特に、円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上になると、連結ナットの突起部が剪断されるので、連結ナットが過剰に締め付けられることを良好に防止することができる。そして、連結ナットの突起部が円柱状部材の外周面から突出した状態となっているか否かを、目視によって確認することができるため、アンカー金具の施工状態を簡単に確認することができるという利点がある。
また、本発明は、第5に、軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、円柱状部材の少なくとも一方の端部に開口する螺子孔を有し、該螺子孔に雄螺子を装着して締め付ける締付ナットをその対象としている。この締付ナットは、円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、その突起部は、円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、ツールが回転操作されることに伴って円柱状部材を回転させる構成である。そして円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部はツールによって剪断されることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、締付ナットを回転させて締め付けを行う際に過不足無く締め付けることができる。特に、円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上になると、突起部が剪断されるので、締付ナットが過剰に締め付けられることを良好に防止することができる。そして、突起部が円柱状部材の外周面から突出した状態となっているか否かを、目視によって確認することができるため、締付ナットの施工状態を簡単に確認することができるという利点がある。尚、この場合においても、突起部に赤色などの塗料を予め塗布しておけば、より一層目視による確認が簡単になる。
また、本発明は、第6に、上記のような締付ナットを有するアンカー金具をその対象としている。このアンカー金具は、雄螺子が形成された軸部材と、軸部材に挿通される筒状体として構成され、筒状体の先端部に縦割り溝によって外方向に拡張するように形成された拡張部を有する拡張スリーブと、外径が軸部材の軸方向に沿って漸次縮小し、内側に軸部材に形成された雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、小径端部が拡張スリーブの先端部に嵌入した状態で軸部材に装着されるコーンナットと、軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、円柱状部材の少なくとも一方の端部に開口する螺子孔を有し、該螺子孔に前記軸部材を装着して締め付ける締付ナットと、を備えている。そして締付ナットは、円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、突起部は、円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、ツールが回転操作されることに伴って円柱状部材を回転させると共に螺子孔に装着された軸部材を回転させ、コーンナットを拡張スリーブの内側に進入させて拡張部を外方向に拡張させる構成である。そして円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部はツールによって剪断されることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、締付ナットを過不足無く締め付けることができ、良好な状態でアンカー金具の施工を行うことができる。特に、円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上になると、締付ナットの突起部が剪断されるので、締付ナットが過剰に締め付けられることを良好に防止することができる。そして、締付ナットの突起部が円柱状部材の外周面から突出した状態となっているか否かを、目視によって確認することができるため、アンカー金具の施工状態を簡単に確認することができるという利点がある。
本発明によれば、突起部が剪断されて離脱しているか否かによって施工状態を確認することができるため、施工後の点検作業を効率良く、且つ安全に行うことができるようになる。
第1の実施の形態におけるアンカー金具を構成する各部材を分離した状態を示す斜視図である。 第1の実施の形態におけるアンカー金具各部材を組み付けた状態を示す斜視図である。 第1の実施の形態におけるアンカー金具の各部材を組み付けた状態で示す縦断面図である。 アンカーボルトの頭部を拡大して示す斜視図である。 アンカーボルトの頭部を回転操作するための専用ツールの一例を示す図である。 挿入孔に軸棒が挿入された状態を示す拡大断面図である。 剪断誘発溝が形成された軸棒の一例を示す図である。 アンカー金具の施工手順の一例を示す図である。 アンカー金具の施工手順の一例を示す図である。 アンカー金具の施工手順の一例を示す図である。 アンカー金具に対して連結用のボルトを装着する手順の一例を示す図である。 アンカー金具に対して連結用のボルトを装着する手順の一例を示す図である。 変形する部品が装着されるアンカーボルトの頭部を拡大して示す斜視図である。 変形材として変形する部品を用いる場合のアンカー金具に対して連結用のボルトを装着する手順の第1工程を示す図である。 変形材として変形する部品を用いる場合のアンカー金具に対して連結用のボルトを装着する手順の第2工程を示す図である。 第2の実施の形態におけるアンカー金具を構成する各部材を示す斜視図である。 第2の実施の形態におけるアンカー金具の各部材を組み付けた状態で示す縦断面図である。 第3の実施の形態におけるアンカー金具を構成する各部材を示す斜視図である。 第3の実施の形態におけるアンカー金具の各部材を組み付けた状態で示す縦断面図である。 アンカーボルトの軸部と頭部とを別体とする一構成例を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する部材に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態にかかるアンカー金具1を構成する各部材を分離した状態を示す斜視図であり、図2は、アンカー金具1の各部材を組み付けた状態を示す斜視図である。また図3は、アンカー金具1の各部材を組み付けた状態で示す縦断面図である。
本実施形態におけるアンカー金具1は、図1に示すように、アンカーボルト2と、ワッシャー5と、拡張スリーブ6と、コーンナット7とを備える構成である。このアンカー金具1は、各部材が金属材料によって形成され、コンクリート建築物や構造物など各種躯体に取り付けられて固定するためのものであり、天井構造物や壁面、床面の何れにも適用可能である。
アンカーボルト2は、雄螺子4bが形成された所定長さの軸部4と、その軸部4の一端に連結された頭部3とを有している。このアンカーボルト2において、例えば頭部3と軸部4とは一体的に形成されており、その軸心は互いに共通したものとなっている。頭部3は、軸部4よりも大径であり、軸方向に沿って所定長さを有している。この頭部3は、その外形が円柱状に形成されている。
この頭部3の先端部3aには、アンカー金具1の施工が完了して固定された後に、別の雄螺子を装着するための有底の螺子孔32が設けられる。この螺子孔32の底部近傍には、図3に示すように、頭部3の外周面31に貫通する貫通孔33が設けられている。また、螺子孔32の底部には、連結用ボルトの雄螺子を螺合装着していくことに伴って変形する変形材9が予め設けられている。この変形材9は、連結用ボルトの装着に伴って変形していくと、貫通孔33に押し出され、その貫通孔33を通って頭部3の外周面31に露出するようになる。図3の例では、この変形材9は、例えば赤色などの所定色に着色された柔軟性のある油粘土などのような軟性材91によって構成され、螺子孔32に予め充填される場合を示している。油粘土は、その油性により防錆剤としての特性を有するため、螺子孔32に装着されるボルトの劣化を抑制することができるという利点がある。
また頭部3の外周面31には、図1および図2に示すように、頭部3の先端部3aから所定長さの位置に、その外周面31に対して外向きに突出する突起部10が設けられる。この突起部10は、例えば所定の直径を有する円柱状となっており、頭部3の外周面31の法線方向に沿って所定長さ突出する。尚、本実施形態では、この突起部10は、頭部3の外周面31に設けられた貫通孔33よりも軸部4に近い位置に設けられる。
図4は、アンカーボルト2の頭部3を拡大して示す斜視図である。図4に示すように、頭部3の外周面31には、突起部10が設けられる位置に挿入孔34が設けられており、この挿入孔34に対して、所定の直径で且つ所定長さを有する軸棒11が挿入される。挿入孔34は、軸棒11が挿入された状態でその軸棒11を保持するための孔である。そして本実施形態における突起部10は、挿入孔34に挿入される軸棒11が頭部3の外周面31から突出する部分によって構成される。
そして上記のようなアンカーボルト2の軸部4に対し、図1に示すように、ワッシャー5、拡張スリーブ6およびコーンナット7が、軸部4の先端部4aから順に挿入装着されることにより、アンカー金具1が構成される。
拡張スリーブ6は、アンカーボルト2の軸部4に挿通される筒状体61として構成され、その筒状体61の先端部に、複数の縦割り溝62が設けられる。拡張スリーブ6は、それら複数の縦割り溝62によって区切られた部分が外方向に拡張する拡張部63として構成される。本実施形態では、拡張部63の外周面が平滑面となっているが、これに限らず、例えば周方向に1本乃至複数本のリブを形成したものであっても構わない。尚、拡張スリーブ6の先端部に設けられる拡張部63の数は、一般には3つ若しくは4つ程度であるが、5つ以上であっても構わない。このような拡張スリーブ6は、拡張部63の設けられた先端部がアンカーボルト2の軸部4の先端部4aを向くようにして軸部4に挿入装着される。
コーンナット7は、その中心内側に軸部4に形成された雄螺子4bと螺合する貫通螺子孔71を有しており、軸部4の先端部4aに装着される。このコーンナット7は、外径が軸方向に沿って漸次縮小する円錐台状の外形を有し、その周囲側面が滑らかなテーパ面となっている。そして図2および図3に示すように、コーンナット7は、その小径端部が拡張スリーブ6の先端部に嵌入した状態で軸部4の先端部4aに装着される。このような装着状態では、コーンナット7の大径端部は拡張スリーブ6の先端部からはみ出した状態となる。
上記のようにして各部材が組み付けられることによって構成されるアンカー金具1は、アンカーボルト2の頭部3が円柱状であるため、天井構造物などの躯体に施工される際には汎用的なツールを用いてアンカーボルト2の頭部3を締め付けていくことができない。そのため、本実施形態のアンカー金具1は、天井構造物などの躯体に施工される際に、専用ツールが用いられる。
図5は、アンカーボルト2の頭部3を回転操作するための専用ツール20の一例を示す図である。図5に示すように、専用ツール20は、アンカーボルト2の頭部3の先端部3aから装着される円筒状のツールとなっており、円柱状の頭部3の外周面31に沿って配置される。この専用ツール20には、図5(a)に示すように、先端部から所定長さの位置までスリット状の切欠部21が形成されている。この切欠部21の幅は、頭部3の外周面31に突出する突起部10の直径よりも若干大きくなっている。そして専用ツール20は、図5(b)に示すように、切欠部21の内側に突起部10が収容されるようにしてアンカーボルト2の頭部3に装着される。
上記のように専用ツール20がアンカーボルト2の頭部3に装着された状態で、図5(b)に示すように、専用ツール20が図中矢印Rで示す方向に回転操作されると、切欠部21の側縁部が突起部10と係合し、突起部10が切欠部21の側縁部から横方向への回転力を受ける。そしてアンカーボルト2は、突起部10が回転力を受けることにより、頭部3と共に軸部4を矢印R方向へ回転させるようになる。このような軸部4の回転により、アンカー金具1が施工される。そして本実施形態では、この回転トルクが所定値以上になると、頭部3に設けられた突起部10が専用ツール20によって剪断されるようになっている。突起部10が剪断され、頭部3の外周面31から突出した状態でなくなると、それ以後は専用ツール20の回転操作が行われても頭部3の周囲を空回りするだけの状態となり、アンカーボルト2の締め付けはそれ以上行われなくなる。
このように本実施形態では、専用ツール20を用いてアンカーボルト2の締め付け操作を行われることにより、アンカー金具1の施工が行われる。そして突起部10が剪断されて専用ツール20が空回りするようになると、それにより、アンカー金具1が一定のトルクで締め付けられ、良好な施工状態であることを把握することができるようになっている。
ここで、突起部10を剪断させるのに必要なトルクは、突起部10を構成する軸棒11の材質や直径などを調整することにより適宜設計することが可能である。また、本実施形態では、軸棒11が金属材料で形成されるため、軸棒11が同一の材質および直径で構成される場合であっても焼入れ工程での処理を調整することにより、突起部10を剪断させるのに必要なトルクを適宜設計することが可能である。
また回転トルクが所定値以上になったとき、突起部10が専用ツール20によって良好に剪断されるためには、軸棒11が挿入孔34から抜け出さないようにしておく必要がある。そのため、挿入孔34は次のように構成されることが好ましい。図6は、挿入孔34に軸棒11が挿入された状態を示す拡大断面図である。図6に示すように挿入孔34は、軸棒11の直径φよりも若干大きな内径に形成されている。そして挿入孔34の深さDは、軸棒11の直径φの3倍程度、若しくは、それ以上の深さに形成される。このようにして挿入孔34の深さDを設計しておくことにより、軸棒11を挿入孔34の奥端部にまで差し込んだ状態とすると、挿入孔34が軸棒11の根元部分を強固に保持することができるようになる。その結果、頭部3の外周面31から突出した軸棒11の突起部10に剪断応力が作用した場合に、軸棒11が挿入孔34から抜け出してしまうことを防止することができるようになり、回転トルクが所定値以上になったときには突起部10が良好に剪断されるようになる。
そして本実施形態では、図3に示すように、挿入孔34が螺子孔32の底部よりも更に軸部4側の厚肉部分に設けられ、上記のような深さDが十分に確保されるようになっている。また、挿入孔34を螺子孔32の底部よりも更に軸部4側に形成することにより、専用ツール20が頭部3を抱き込む長さを比較的長くすることができるので、専用ツール20を用いて頭部3の回転操作を行う際にツールの軸振れを抑えることができるようになり、作業効率が向上するという利点もある。
また突起部10が剪断されるときには、頭部3の外周面31と略面一となる位置で軸棒11が剪断されることが好ましい。そのため、軸棒11には、予め剪断を誘発するための剪断誘発溝を設けておくことが好ましい。図7は、そのような剪断誘発溝12が形成された軸棒11の一例を示す図である。図7(a)の例では、軸棒11の長さ方向の所定位置に対し、その周面の一部に断面V字状の切込部12aが設けられており、この切込部12aによって剪断誘発溝12が構成されている。また、図7(b)の例では、軸棒11の長さ方向の所定位置に対し、その周面全体に断面V字状の環状溝12bが設けられており、この環状溝12bによって剪断誘発溝12が構成されている。これら図7(a)および(b)のいずれを採用しても良いが、剪断誘発溝12が設けられる軸棒11の長さ方向に対する位置は、軸棒11を挿入孔34に挿入装着したときに頭部3の外周面31と略面一となる位置であることが好ましい。
このような剪断誘発溝12を軸棒11に予め形成しておくことにより、突起部10が剪断されるときには頭部3の外周面31と略面一となる位置で軸棒11が剪断されるようになる。そして突起部10が剪断された後は、専用ツール20を良好に空回りさせることが可能になる。
また上記のような剪断誘発溝12を設ける場合、突起部10を剪断させるのに必要なトルクは、剪断誘発溝12が設けられた部分の断面積によって規定されることになるため、溝の深さなどは厳密に管理されることが好ましい。
次に、本実施形態のアンカー金具1の具体的な施工について説明する。図8、図9および図10は、アンカー金具1の施工手順の一例を示す図である。まず上記のように構成されるアンカー金具1の軸部4の先端部を、図8に示すように、天井構造物などの躯体Sに予め穿孔された孔Hに挿入する。このとき、孔Hの直径は拡張スリーブ6の直径と同程度である。また孔Hの深さはアンカーボルト2の軸部4の長さと同程度若しくはそれ以上である。アンカー金具1の軸部4の先端部を孔Hに挿入する際には、拡張スリーブ6の周囲側面が孔Hの内壁に接触して摩擦を生じるため、例えばアンカーボルト2の頭部3の下面を、ハンマーなどを用いて打ち込む。そして図8に示すように、拡張スリーブ6のほぼ全体が孔Hの内側に収まるようにする。
アンカー金具1の先端部を孔Hに挿入すると、次に、図9に示すように、アンカーボルト2の頭部3に対して専用ツール20を装着し、アンカーボルト2の頭部3を、図中矢印Rで示す方向に回転させる。尚、このとき、作業者は延長ツールなどを使用して床面からの作業を行うことにより、アンカーボルト2の頭部3を回転させるようにしても良い。
アンカーボルト2は、このような回転操作によって頭部3が回転することに伴い、軸部4を回転させてコーンナット7を拡張スリーブ6の内側に進入させる。コーンナット7は、その小径端部が拡張スリーブ6の先端部に嵌入した状態であり、しかもその拡張スリーブ6が孔Hの内壁に接触して回転しないようになっている。そのため、コーンナット7は、軸部4と供回りすることなく、軸部4が回転することに伴って拡張スリーブ6の先端部から内側に向かって進入していく。これにより、コーンナット7は、図9に示すように、拡張スリーブ6の拡張部63を外側に拡張させる。このとき、拡張スリーブ6の拡張部63は、孔Hの内壁を押圧するように径方向外側に拡張するので、この拡張によりアンカー金具1が孔Hに固定されていく。またアンカーボルト2は、頭部3が回転することに伴い、軸部4を孔Hの奥部に向かって螺入進行させていく。
そして更に、専用ツール20を操作して頭部3を回転させていくと、アンカーボルト2が孔Hに対して螺入進行しなくなる。これ以後、頭部3の回転に伴う軸部4の回転は、コーンナット7を拡張スリーブ6の内側に向かって進行させ、拡張スリーブ6の拡張部63を外側に拡張させるように作用する。そして十分な強度でアンカー金具1が孔Hに固定されると、専用ツール20の回転トルクが所定値以上となる。そして専用ツール20に所定値以上のトルクが作用することにより、図10に示すように、専用ツール20と係合している突起部10が剪断され、頭部3から離脱する。その後は、専用ツール20が空回りする状態となり、更なる頭部3の締め付けができなくなる。このようにアンカーボルト2の頭部3に専用ツール20を装着して施工を行い、アンカーボルト2の頭部3から突起部10が剪断されると、アンカー金具1は躯体Sに対して良好に固定された状態となり施工が完了する。そのため、このような状態になれば、専用ツール20は頭部3から取り外される。
ここで、この種のアンカー金具1は、締め付けトルクが所定の下限値に満たない場合には締め付け不足となって十分な強度を確保することができず、施工不良となる。一方、締め付けトルクが所定の上限値を越える場合にも過剰な締め付けとなって施工不良となる。つまり、この種のアンカー金具1は、十分な強度で固定される条件として締め付けトルクの下限値と上限値とが規定されるようになっている。そのため、本実施形態では、専用ツール20に対し、その下限値と上限値の中間値のトルクが作用した場合に、突起部10が剪断されるように予め設計しておく。これにより、剪断時のトルクに多少の誤差が発生したとしても、そのトルクを下限値と上限値の範囲内に収めることができるようになり、締め付け不足や過剰な締め付けを良好に防止することができる。そしてアンカー金具1を良好な状態で躯体Sに固定することが可能になる。
ところで、突起部10が剪断されると、図10に示すように、軸棒11の根元部分11aが挿入孔34の内側に残存した状態となるが、これはそのまま放置しておいても構わない。このような軸棒11の根元部分11aでは、剪断による断面がそのまま露出した状態となる。そのため、軸棒11の根元部分11aは、時間経過に伴って錆などが付着して腐食する。しかし、この腐食は、アンカーボルト2の頭部3の本体には及ばない。すなわち、アンカーボルト2の頭部3の表面に予めメッキ処理を施したり、或いは、防錆剤の塗布処理を施したりしておけば、それらは挿入孔34の内壁にも施される。そのため、挿入孔34に残存する軸棒11の根元部分11aが仮に腐食したとしても、挿入孔34の内壁に施されたメッキや防錆剤により、アンカーボルト2の頭部3が腐食されることを防止することができるようになる。そのため、軸棒11の根元部分11aを挿入孔34の内側に残存させた状態で放置しても構わない。
また、アンカー金具1が良好に施工されると、上記のように頭部3の外周面31から突起部10が離脱するため、その後は目視によってアンカー金具1の施工状態を把握することができるという利点がある。例えば、現場責任者は、天井構造物などに施工されたアンカー金具1を1つずつ床面から目視により点検していき、頭部3の外周面31に突起部10の残存しているものを見つけ出すことにより、未施工のアンカー金具1を特定することができる。このとき、特に、突起部10を構成する軸棒11に赤色や黄色などの所定の色に着色されたものを用いていれば、現場責任者が比較的遠くの位置から未施工のアンカー金具1を見つけ出す作業が簡単なものとなり、効率的に作業を進めることが可能である。また、頭部3の外周面31に突起部10が残存していなければ、それらは良好に施工が行われたアンカー金具1であり、天井構造物などに対して強固に固定された状態となっている。このように本実施形態のアンカー金具1は、その施工状態を簡単に点検することができるようになっている。そして、このような点検作業では、現場責任者は実際に天井構造物の高さ位置まで上って所定値以上のトルクが確保されているか否かを確認する必要がないので、点検作業を安全に進めることができるという利点もある。
次に、上記のようにして躯体Sに固定されたアンカー金具1に対し、吊りボルトや繋ぎボルトなどの連結用のボルト60を装着する場合について説明する。図11および図12は、アンカー金具1に対して連結用のボルト60を装着する手順の一例を示す図である。図11に示すように連結用のボルト60は、アンカーボルト2の頭部3の先端部3a(下面)に開口する螺子孔32に螺入進行されることにより装着される。このボルト60は、アンカー金具1によって躯体Sに吊設されるため、螺子孔32の底部まで挿入装着される必要があり、螺子孔32に対する挿入深さが一定の深さに満たない場合は施工不良となる。
上述したように螺子孔32の底部には、ボルト60の装着に伴って変形する変形材9として、予め軟性材91が充填されている。そのため、ボルト60が螺子孔32に対して螺入進行することに伴い、ボルト60の先端部が軟性材91を押圧する。この軟性材91は、ボルト60からの押圧力を受けて変形し、頭部3の外周面31に向かって連通する貫通孔33に進入する。そして更にボルト60が螺子孔32の底部に向かって進入することに伴い、軟性材91は、図12に示すように、貫通孔33を通って頭部3の外周面31からその一部が外側に出現する。そしてボルト60が螺子孔32の底部に達すると、施工が完了する。このとき、頭部3の外周面31から外側に出現している軟性材91が良好なボルト60の施工状態を示す目印となる。
したがって、本実施形態のアンカー金具1が天井構造物などに施工され、そのアンカー金具1にボルト60が装着された状態のときには、そのボルト60の装着状態も同時に点検することができるようになる。すなわち、作業者や現場責任者は、天井構造物などに施工されたアンカー金具1の頭部3の外周面31から変形材9が外側に出現しているか否かを床面から目視によって確認することにより、ボルト60の装着状態を点検することができるので、作業効率がより一層向上する。また、ボルト60を取り付ける作業者も、変形材9が頭部3の外周面31に出現しているか否かによって作業完了であるかどうかを確認することができる。
特に、上述したように変形材9として、例えば赤色などに着色された油粘土などの軟性材91を用いることにより、アンカーボルト2の頭部3の外周面31から軟性材91が外側に出現しているか否かの確認が容易になる。つまり、軟性材91として粘土質のものを用いれば、頭部3の外周面31に出現した軟性材91が床面に落下することはなく、そのまま頭部3の外周面31に付着した状態を保持するのでボルト60の装着状態を個別に点検していくことが容易である。また軟性材91として油粘土を用いれば、上述したように防錆剤としての作用によりボルト60の腐食劣化を抑制することもできる。
ただし、上記のような変形材9は、必ずしも油粘土などの軟性材91に限られない。例えば、変形材9は、次に説明するようなものであっても良い。
図13は、本実施形態におけるアンカーボルト2の頭部3を拡大して示す斜視図である。図13に示すように、この例では、ボルト60の装着に伴って変形する変形材9として、螺子孔32の底部に、ポリプロピレンなどの可撓性のある樹脂で成型された部品92が挿入装着される。
この部品92は、図13に拡大して示すように、円盤状に形成される装着部93と、その装着部93の周縁部に接続されて立設した状態に支持される可撓部94とを有している。装着部93は、螺子孔32の内径とほぼ同径若しくはそれよりも若干小径に形成され、頭部3の先端部に設けられた螺子孔32の開口部から挿入されて螺子孔32の底部に装着される。可撓部94は、一端が装着部93の周縁部に固定されており、その中央で略V字状に折り曲げられた形状を有している。この可撓部94の他端側の先端部94aは、装着部93の周縁部よりも若干外側に突き出した状態となるように予め形成される。
このような部品92は、図13に示すように螺子孔32の開口部から挿入装着されるとき、装着部93を螺子孔32の底部に向けた状態で挿入される。また可撓部94は、その中央の折り曲げ角度を若干小さくした状態に圧縮された状態で挿入される。そして装着部93が螺子孔32の底部まで押し込まれることにより、部品92が装着される。このとき、可撓部94の先端部94aは、螺子孔32の底部近傍に貫通している貫通孔33に臨んだ位置に配置される。その結果、部品92が螺子孔32の底部に装着されると、可撓部94の先端部94aが螺子孔32の内側で貫通孔33に若干進入した状態となる。そして圧縮されていた可撓部94が元の略V字状の形状に復元する力により、可撓部94はその両端で螺子孔32の内壁を押圧する。これにより、部品92は、螺子孔32の底部で保持されるようになり、螺子孔32から落下してしまうことが防止される。
図14および図15は、このようなアンカー金具1が天井構造物などの躯体Sに固定された状態で連結ボルト60を装着する手順の一例を示す図である。尚、アンカー金具1の躯体Sに対する施工は、上述した手順と同様である。そのような施工作業が行われるとき、仮にアンカーボルト2に振動などが作用したとしても、螺子孔32の底部に設けられている部品92は、上述したように螺子孔32の底部で保持されているため、螺子孔32から落下することはない。また、連結ボルト60が螺子孔32に装着される前の状態では、図14に示すように、部品92を構成する可撓部94の先端部94aが螺子孔32の内側の貫通孔33に臨んだ状態となっている。
アンカー金具1が躯体Sに固定された後、図14に示すように、連結ボルト60は、アンカーボルト2の頭部3に設けられた螺子孔32に挿入装着される。この連結ボルト60が螺子孔32に対して螺入進行することに伴い、連結ボルト60の先端部が可撓部94の略V字状に折れ曲がった部分を押圧する。これにより、可撓部94は、連結ボルト60からの押圧力を受けて次第に扁平していく。そして可撓部94の先端部94aが、頭部3の側面に設けられた貫通孔33に内側に更に進入していく。
そして連結ボルト60が螺子孔32の底部に向かって更に螺入することに伴い、可撓部94の先端部94aは、図15に示すように、貫通孔33を通って頭部3の側面から外側に出現する。そして連結ボルト60が螺子孔32の底部に達すると、施工が完了する。このとき、頭部3の側面から外側に出現している可撓部94の先端部94aが良好な連結ボルト60の施工状態を示す目印となる。したがって、変形材9として、上述したような部品92を用いる場合でも、天井構造物に施工されたアンカー金具1に連結ボルト60が装着されたときには、軟性材91の場合と同様に、アンカー金具1の施工状態だけでなく、連結ボルト60の装着状態も同時に点検することができるようになる。また、このような部品92を用いる場合、可撓部94は、螺子孔32の底部に装着される装着部93に連結されているため、連結ボルト60の施工完了後に、頭部3の側面から離脱してしまうことがない。
これに対し、例えば、上述したように変形材9として、油粘土などの軟性材91を用いる場合、連結ボルト60の施工完了に伴って頭部3の側面から突出する軟性材91は、作業者の不注意によってその突出した部分がもぎ取られてしまう可能性がある。仮にそのような事態が発生してしまうと、連結ボルト60が良好な施工状態となっているか否かを確認することができなくなる。
そのため、螺子孔32の底部に設ける変形材9としては、連結ボルト60が装着された後でも頭部3の側面から離脱しない構成である部品92を採用することがより好ましい。すなわち、変形材9として部品92を採用すれば、連結ボルト60が良好な施工状態となっているか否かを常に正確に確認することができるという利点がある。尚、このような部品92としては、例えば赤色などの所定の色に着色されたものを用いることが好ましい。また、このような部品92は、必ずしも樹脂製に限定されるものではない。
以上のように本実施形態のアンカー金具1は、雄螺子4bが形成された軸部4を有し、その軸部4の基端部に軸部4の外径よりも大径の頭部3を有するアンカーボルト2を備えており、このアンカーボルト2の軸部4に対して拡張スリーブ6とコーンナット7とを装着し、その軸部4を躯体Sに設けられた孔Hに挿入した状態でアンカーボルト2の頭部3を回転させて締め付けていくことにより、躯体Sに固定される。このような構成は、コーンナット7が軸部4に螺合しているため、振動などが発生しても拡張スリーブ6の内側からコーンナット7が離脱することはなく、天井構造物などに対しても強固に固定することが可能である。
また、本実施形態のアンカーボルト2は、頭部3が円柱状に形成されると共に、その頭部3の外周面31に対して外向きに突出する突起部10を備えている。そして、この突起部10は、頭部3の外周面31に沿って配置される専用ツール20と係合し、専用ツール20が回転操作されることに伴って頭部3と共に軸部4を回転させるようになっている。そして軸部4を回転させるトルクが所定値以上となったとき、突起部10は専用ツール20によって剪断される構成である。このような構成では、アンカーボルト2の頭部3の外周面31から突起部10が突出した状態のときには、未施工状態であることを示す目印として機能すると共に、頭部3の外周面31から突起部10が離脱している状態のときには、良好に施工完了していることを示す目印として機能する。また、このような構成によると、アンカーボルト2の過剰な締め付けを良好に防止することもできる。
また、本実施形態における突起部10は、挿入孔34に挿入される軸棒11が頭部3の外周面31から突出する部分によって構成される。そのため、軸棒11の材質や直径などを調整することにより、或いは、焼入れ工程での処理を調整することによって突起部10を剪断させるのに必要なトルクを適宜設計することが可能である。また、施工現場において、必要なトルクに対応する軸棒11を挿入孔34に差し込んで使用することも可能になる。更には、突起部10が剪断されて頭部3の外周面31から離脱したときでも、挿入孔34に残存する軸棒11の根元部分11aはそのまま放置しておいても良いため、作業性が向上するという利点もある。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、アンカー金具1の構成部品としてアンカーボルト2が用いられる場合を例示したが、本実施形態では、連結ナット40が用いられる場合を例示する。尚、本実施形態においても、上述した第1の実施の形態で説明した部材と同様の部材については、同一符号を付しており、それらについての詳細な説明は省略する。
図16は第2の実施の形態にかかるアンカー金具1aを構成する各部材を示す斜視図であり、図17は、アンカー金具1aの各部材を組み付けた状態で示す縦断面図である。本実施形態におけるアンカー金具1aは、図16に示すように、連結ナット40と、軸部材50と、ワッシャー5と、拡張スリーブ6と、コーンナット7とを備える構成である。尚、拡張スリーブ6およびコーンナット7は、第1の実施の形態と同様である。
軸部材50は、金属製軸部材の外周面に雄螺子51が形成されたものであり、軸方向に所定長さを有している。一方、連結ナット40は、図16および図17に示すように、軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、その一端部40a側に開口する第1螺子孔42を有すると共に、他端部40b側に開口する第2螺子孔45を有している。本実施形態では、これら第1および第2螺子孔42,45は、いずれも有底の螺子孔として構成される場合を例示する。
この連結ナット40は、他端部40b側の第2螺子孔45に対して軸部材50を装着するようになっており、第2螺子孔45の内側には軸部材50に形成された雄螺子51と螺合する雌螺子が形成されている。また連結ナット40は、第1螺子孔42に対して軸部材50とは異なる連結用のボルト60を装着し、軸部材50と連結用のボルト60とを軸方向に連結させるように構成されている。そして第1螺子孔42には、その底部近傍に連結ナット40の外周面41に連通する貫通孔43が設けられている。また、この第1螺子孔42の底部には、連結用のボルト60を螺合装着することに伴って変形する変形材9が設けられている。図例では、変形材9として、油粘土などの軟性材91が用いられている場合を示しているが、これに限られるものではなく、第1の実施の形態で説明した部品92を変形材9として用いても良い。
また連結ナット40の外周面41には、図16および図17に示すように、一端部40a側から所定長さの位置に、その外周面41に対して外向きに突出する突起部10が設けられる。この突起部10は、第1の実施の形態と同様に設けられる。すなわち、図17に示すように、連結ナット40の外周面41には挿入孔44が形成されており、その挿入孔44に軸棒11が挿入装着される。そして突起部10は、挿入孔44に挿入される軸棒11が連結ナット40の外周面41から突出する部分によって構成されている。
尚、本実施形態でも、挿入孔44の深さDは、軸棒11の直径φの3倍程度、若しくは、それ以上の深さに形成されることが好ましい。そのため、本実施形態では、図17に示すように、第1螺子孔42の底部と第2螺子孔45の底部との間の比較的厚肉となる部分に挿入孔44が設けられ、上記のような深さDが十分に確保されるようになっている。
そして本実施形態では、軸部材50の一端部に対し、図17に示すように、ワッシャー5と、拡張スリーブ6と、コーンナット7とを装着し、その軸部材50の他端部を連結ナット40の第2螺子孔45に装着すると、第1の実施の形態と同様のアンカー金具1aが構成される。そしてこのアンカー金具1aを、第1の実施の形態と同様に、例えば天井構造物などの躯体Sに挿入すると共に、連結ナット40の外周面41に沿うようにして専用ツール20を装着して回転操作を行うと、専用ツール20と突起部10とが係合して連結ナット40が回転する。そして連結ナット40が回転することに伴い、第2螺子孔45に装着された軸部材50が回転し、コーンナット7が拡張スリーブ6の内側に進入していく。これにより、拡張スリーブ6の拡張部63が外方向に拡張し、アンカー金具1aが躯体Sに固定される。そして専用ツール20に対して所定値以上のトルクがかかった時点で、突起部10が剪断され、連結ナット40の外周面41から離脱する。
したがって、本実施形態においても、第1の実施の形態で説明したものと同様の作用効果が発揮されるようになる。また、上記のようにしてアンカー金具1aを施工した後、連結ナット40の第1螺子孔42に対して連結用のボルト60を装着していくと、変形材9が連結ナット40の外周面41に設けられた貫通孔43から外部に出現する。そのため、ボルト60の装着状態を目視で確認することができるという点においても第1の実施の形態と同様である。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第1および第2の実施の形態では、アンカー金具1,1aが施工された後、そのアンカー金具1,1aに対して連結用のボルト60が装着される実施形態を説明した。これに対し、本実施形態では、施工後のアンカー金具に対して連結用のボルトなどが装着されない場合の実施形態について説明する。尚、本実施形態においても、上述した第1の実施の形態で説明した部材と同様の部材については、同一符号を付しており、それらについての詳細な説明は省略する。
図18は、第3の実施の形態にかかるアンカー金具1bを構成する各部材を示す斜視図であり、図19は、アンカー金具1bの各部材を組み付けた状態で示す縦断面図である。本実施形態におけるアンカー金具1bは、図18および図19に示すように、締付ナット46と、軸部材50と、ワッシャー5と、拡張スリーブ6と、コーンナット7とを備える構成である。尚、拡張スリーブ6およびコーンナット7は、第1の実施の形態と同様であり、軸部材50は、第2の実施の形態と同様である。
図18および図19に示すように、締付ナット46は、軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、その両端部46a,46bのうちの少なくとも一方の端部46bに開口する螺子孔48が設けられている。この螺子孔48は、軸部材50を装着するためのものである。
一方、締付ナット46の外周面47には、図18および図19に示すように、一端部46a側から所定長さの位置に、その外周面47に対して外向きに突出する突起部10が設けられる。この突起部10は、第1の実施の形態と同様に設けられる。すなわち、図19に示すように、締付ナット46の外周面47には挿入孔49が形成されており、その挿入孔49に軸棒11が挿入装着される。そして突起部10は、挿入孔49に挿入される軸棒11が締付ナット46の外周面47から突出する部分によって構成されている。
尚、本実施形態でも、挿入孔49の深さDは、軸棒11の直径φの3倍程度、若しくは、それ以上の深さに形成されることが好ましい。そのため、本実施形態では、図19に示すように、螺子孔48の底部よりも一端部46a側の比較的厚肉となる部分に挿入孔49が設けられ、上記のような深さDが十分に確保されるようになっている。
そして本実施形態のアンカー金具1bは、例えば図18に示すように、軸部材50に、拡張スリーブ6と、コーンナット7とを装着した後、拡張スリーブ6とワッシャー5との間に、躯体Sに固定するための固定対象物29を装着する。そして軸部材50の雄螺子51を締付ナット46の他端部46bに形成された螺子孔48に装着する。その状態で、締付ナット46に専用ツール20を装着して回転操作を行っていくと、アンカー金具1bが躯体Sに固定されるようになる。そして専用ツール20に対して所定値以上のトルクがかかった時点で、突起部10が剪断され、締付ナット46の外周面47から離脱する。
したがって、本実施形態においても、第1の実施の形態で説明したものと同様の作用効果が発揮されるようになる。
(変形例)
尚、上述したアンカー金具1,1a,1bは、本発明にかかるアンカー金具の一実施形態であり、その具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上述したアンカー金具1,1a,1bは、天井構造物に対して固定するアンカー金具として特に適したものとなっているが、その用途は必ずしも天井構造物への固定に限られない。
また上記各実施の形態では、突起部10が所定の直径を有する円柱状に形成される場合を例示したが、突起部10の形状は必ずしも円柱状に限られない。例えば、角柱状に形成されていても良いし、その他の形状であっても構わない。
また第2の実施の形態で説明した連結ナット40は、その用途の一例として、アンカー金具1aに用いられる場合を例示した。しかし、第2の実施の形態で説明した連結ナット40の用途は、必ずしもアンカー金具に限られない。
さらに第3の実施の形態で説明した締付ナット46は、その用途の一例として、アンカー金具1bに用いられる場合を例示した。しかし、第3の実施の形態で説明した締付ナット46の用途についても、連結ナット40と同様に、必ずしもアンカー金具に限られるものではない。
また第1の実施の形態では、アンカーボルト2の軸部4と頭部3とが一体的に形成される場合を例示したが、これに限られるものでもない。図20は、アンカーボルト2の軸部4と頭部3とを別体とする一構成例を示す図である。図20(a)に示す例では、軸部4と、頭部3とがそれぞれ別体で構成されている。軸部4は、その下方所定位置にフランジ4dを有し、そのフランジ4dよりも更に下方側に所定長さの雄螺子部4cが設けられている。また頭部3に設けられる螺子孔32は、その内側を軸方向(上下方向)に貫通するように設けられる。また、この頭部3の側面には、上述した貫通孔33が設けられ、この貫通孔33は頭部3の内側の螺子孔32に貫通する。
そして図20(a)に示すように、軸部4の下部に設けられた雄螺子部4cを、頭部3の一端に開口する螺子孔32に装着する。雄螺子部4cを螺子孔32に対して螺入進行させていくと、やがて軸部4のフランジ4dが頭部3の端面に接触した状態となり、軸部4と頭部3とが互いに固定される。これにより、図20(b)に示すように、軸部4と頭部3とが一体化されたアンカーボルト2が構成される。
また、上記のようにして軸部4と頭部3とが互いに組み付けられると、軸部4の雄螺子部4cの先端部4eは、頭部3の内側に設けられた螺子孔32の所定位置にセットされる。そして雄螺子部4cの先端部4eが、螺子孔32の底部として機能するようになる。すなわち、軸部4と頭部3とが一体化されたアンカーボルト2に対し、上述した連結用のボルト60が装着されるときには、雄螺子部4cの先端部4eが、螺子孔32の底部となる。そして上述した変形材9は、その螺子孔32の底部に設けられる。そのため、第1の実施の形態で説明したように、アンカー金具1が天井構造物などに固定された後、連結ボルト60が螺子孔32に挿入されていくと、それに伴い、連結ボルト60の先端部と、螺子孔32の底部との間で変形材9が変形し、その変形材9の一部が貫通孔33から頭部3の外側に突出するようになる。
S 躯体
H 孔
1,1a,1b アンカー金具
2 アンカーボルト
3 頭部
4 軸部
5 ワッシャー
6 拡張スリーブ
7 コーンナット
9 変形材
10 突起部
11 軸棒
40 連結ナット
46 締付ナット
50 軸部材

Claims (9)

  1. 雄螺子が形成された軸部と、前記軸部に連結された頭部とを有するアンカーボルトであって、
    前記頭部は、円柱状に形成されると共に、その外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、
    前記突起部は、前記頭部の外周面に沿って配置されるツールと係合し、前記ツールが回転操作されることに伴って前記頭部と共に前記軸部を回転させる構成であり、
    前記軸部を回転させるトルクが所定値以上となったとき、前記突起部は前記ツールによって剪断されることを特徴とするアンカーボルト。
  2. 前記頭部の外周面には、所定の直径を有する軸棒を挿入して保持するための挿入孔が設けられ、
    前記突起部は、前記挿入孔に挿入される前記軸棒が前記頭部の外周面から突出する部分によって構成されることを特徴とする請求項1に記載のアンカーボルト。
  3. 前記頭部の先端部には雄螺子を装着するための有底の螺子孔が設けられると共に、該螺子孔の底部近傍には前記頭部の外周面に連通する貫通孔が設けられ、
    前記螺子孔の底部に、雄螺子装着に伴って変形する変形材が設けられており、該変形材は、前記螺子孔への雄螺子装着に伴って変形し、その一部を前記貫通孔から外部に突出させることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンカーボルト。
  4. 雄螺子が形成された軸部を有し、前記軸部の基端部に前記軸部の外径よりも大径の頭部を有するアンカーボルトと、
    前記軸部に挿通される筒状体として構成され、該筒状体の先端部に、縦割り溝によって外方向に拡張するように形成された拡張部を有する拡張スリーブと、
    外径が前記軸部の軸方向に沿って漸次縮小し、内側に前記軸部に形成された雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、小径端部が前記拡張スリーブの先端部に嵌入した状態で前記軸部に装着されるコーンナットと、
    を備え、
    前記アンカーボルトは、前記頭部が円柱状に形成されると共に、前記頭部の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、
    前記突起部は、前記頭部の外周面に沿って配置されるツールと係合し、該ツールが回転操作されることに伴って前記頭部と共に前記軸部を回転させる構成であり、
    前記軸部を回転させるトルクが所定値以上となったとき、前記突起部は前記ツールによって剪断されることを特徴とするアンカー金具。
  5. 軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、一端部側に開口する第1螺子孔を有すると共に、他端部側に開口する第2螺子孔を有し、前記第1および第2螺子孔のそれぞれに異なる雄螺子を装着して軸方向に連結する連結ナットであって、
    前記円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、
    前記突起部は、前記円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、前記ツールが回転操作されることに伴って前記円柱状部材を回転させる構成であり、
    前記円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、前記突起部は前記ツールによって剪断されることを特徴とする連結ナット。
  6. 前記円柱状部材の外周面には、所定の直径を有する軸棒を挿入して保持するための挿入孔が設けられ、
    前記突起部は、前記挿入孔に挿入される前記軸棒が前記円柱状部材の外周面から突出する部分によって構成されることを特徴とする請求項5に記載の連結ナット。
  7. 雄螺子が形成された軸部材と、
    前記軸部材に挿通される筒状体として構成され、前記筒状体の先端部に縦割り溝によって外方向に拡張するように形成された拡張部を有する拡張スリーブと、
    外径が前記軸部材の軸方向に沿って漸次縮小し、内側に前記軸部材に形成された雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、小径端部が前記拡張スリーブの先端部に嵌入した状態で前記軸部材に装着されるコーンナットと、
    軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、一端部側に有底の第1螺子孔を有すると共に、他端部側に前記軸部材を装着するための雌螺子が形成された有底の第2螺子孔を有し、前記第1螺子孔に対して前記軸部材とは異なる雄螺子を装着して軸方向に連結する連結ナットと、
    を備え、
    前記連結ナットは、前記円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、
    前記突起部は、前記円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、前記ツールが回転操作されることに伴って前記円柱状部材を回転させると共に前記第2螺子孔に装着された前記軸部材を回転させ、前記コーンナットを前記拡張スリーブの内側に進入させて前記拡張部を外方向に拡張させる構成であり、
    前記円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、前記突起部は前記ツールによって剪断されることを特徴とするアンカー金具。
  8. 軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、前記円柱状部材の少なくとも一方の端部に開口する螺子孔を有し、該螺子孔に雄螺子を装着して締め付ける締付ナットであって、
    前記円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、
    前記突起部は、前記円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、前記ツールが回転操作されることに伴って前記円柱状部材を回転させる構成であり、
    前記円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、前記突起部は前記ツールによって剪断されることを特徴とする締付ナット。
  9. 雄螺子が形成された軸部材と、
    前記軸部材に挿通される筒状体として構成され、前記筒状体の先端部に縦割り溝によって外方向に拡張するように形成された拡張部を有する拡張スリーブと、
    外径が前記軸部材の軸方向に沿って漸次縮小し、内側に前記軸部材に形成された雄螺子と螺合する貫通螺子孔を有し、小径端部が前記拡張スリーブの先端部に嵌入した状態で前記軸部材に装着されるコーンナットと、
    軸方向に所定長さを有する円柱状部材によって形成され、前記円柱状部材の少なくとも一方の端部に開口する螺子孔を有し、該螺子孔に前記軸部材を装着して締め付ける締付ナットと、
    を備え、
    前記締付ナットは、前記円柱状部材の外周面に対して外向きに突出する突起部を備えており、
    前記突起部は、前記円柱状部材の外周面に沿って配置されるツールと係合し、前記ツールが回転操作されることに伴って前記円柱状部材を回転させると共に前記螺子孔に装着された前記軸部材を回転させ、前記コーンナットを前記拡張スリーブの内側に進入させて前記拡張部を外方向に拡張させる構成であり、
    前記円柱状部材を回転させるトルクが所定値以上となったとき、前記突起部は前記ツールによって剪断されることを特徴とするアンカー金具。
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