JP2012184396A - 粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解液の含浸された絶縁紙を介して陽極箔と陰極箔とが積層されてなる積層体をケーシング内に備えた電気化学素子に用いられ、前記電解液に接する箇所に接着させて用いられる粘着テープであって、テープ基材の一面側に粘着剤層が備えられており、自背面に対する前記粘着剤層の粘着力が4N/15mm以下であり、且つ、280℃における熱収縮率が長さ方向で2%以下であることを特徴とする粘着テープを提供する。
【選択図】 図1
Description
この電気化学素子は、通常、電解液を含浸させた絶縁紙を電極間に挟持させた構造を有しており、それ自体にはコンパクト化が求められている一方で電極面積を広く確保することで電荷の蓄積量が大きくなることから、例えば、アルミ電解コンデンサなどでは陽極と陰極とに帯状のアルミニウム箔を採用し、その間に同じく帯状の絶縁紙を挟んだ状態にしてこれらを巻回して円柱状の積層体を形成させ、これをケーシング中に封入させた構造を有するものが広く採用されている。
このような収縮が生じると粘着テープどうしの重なり合いが減少して積層体を拘束する作用を低下させたり、場合によっては粘着テープどうしの重なり合いが無くなって十分な固定がされない状態となってしまったりするおそれを有する。
このようなパルプを使用した場合には、前記リフローによる加熱温度程度では影響を受け難く、基材の軟化や収縮といった問題も起こり難くなることが期待されるもののこのような対策を施しても積層体の緩みを十分に抑制することが難しく、電気化学素子の品質向上を図ることが従来困難な状況になっている。
なお、基材の収縮力に対抗できるように粘着剤層の粘着力強化を図ることで粘着テープの重なり合い部分が減少してしまうことを抑制させることも考え得るが、粘着テープは、通常、粘着剤層を自背面に接着させたテープロールの形態で利用されているために粘着力を強化しすぎると自背面からの剥離に要する力が大きくなって当該粘着テープを被着体に貼り付ける際の作業性(テーピング作業性)を大きく低下させるおそれを有する。
また、セパレータシートを介在させて粘着剤層を自背面に接着させないようにすることも考え得るが、その場合には、テーピング作業時にセパレータシートを剥離する必要が生じる結果、作業効率を低下させることになる。
また、ソルダリングに際しての加熱等によって被着体との接着性低下させるおそれを有するという問題については、積層体の巻き止めに用いられる場合のみならず、電気化学素子内部の電解液に接する箇所に接着される粘着テープ全般に共通する問題である。
従って、通常、粘着テープは、その長さ方向がMD方向(Machine Direction)となっている。
本発明者は積層体の巻き緩みについて鋭意検討を行った結果、粘着テープの熱収縮率を所定以下に抑制させることで巻き緩みの防止が図られることを見出し本発明を完成させるに至ったものである。
なお、この「自背面に対する粘着力」及び「長さ方向」の「熱収縮率」については、本明細書の実施例において記載の方法によって測定される値を意図している。
しかも、本発明の粘着テープは、自背面に対する粘着剤層の粘着力も所定以下であるためテーピング作業性に優れている。
すなわち、本発明によれば、テーピング作業性に優れた粘着テープが提供され、ひいては、電極箔と絶縁紙とによる積層体の緩み等が防止でき、電気化学素子の品質向上が図られ得る。
なお、本発明の粘着テープは、絶縁紙を陽極箔と陰極箔とで挟んだ積層体の外周に一周以上巻き付けて前記積層体の巻き止めに利用し得るほかに電気化学素子の内部で電解液に接する箇所に接着させる用途に広く利用できるものであり、例えば、補修や保護を目的として電極箔と絶縁紙との間に挟んで用いるような場合や、積層体をケーシングに収容させる際の傷付き防止や、収容後におけるケーシングと素子との間に距離を設けるための用途などにも利用可能なものではあるが本実施形態においては、本発明の効果がより顕著に発揮されうる点において前記積層体の巻き止め用途に利用する場合を例示して本発明の粘着テープを具体的に説明する。
一般にアルミ電解コンデンサは、ケーシング中に封入された内部素子を有し、該内部素子を構成する陽極箔と陰極箔とには帯状のアルミニウム箔が採用されており、電解液が含浸された帯状の絶縁紙を挟んだ状態で前記アルミニウム箔が端面において渦巻き状となるように巻回された円柱状の積層体がケーシング中に封入されている。
なお、アルミ電解コンデンサにおいては、多くの場合、前記電解液としては、γ−ブチロラクトンを溶媒とする電解液が利用されており、前記ケーシングとしては、前記積層体よりも一回り大きな内径を有する有底円筒状の金属製ケーシングが利用されている。
すなわち、アルミ電解コンデンサの内部素子には、前記積層体の外周を前記アルミニウム箔などの巻回方向に1周余り周回するように接着された粘着テープがその構成部材として採用されており、当該粘着テープは前記積層体の外周に接着されて当該積層体の巻回状況に緩みを生じさせないように利用されている。
なお、図1の(b)は、この図1(a)のX−X’線矢視断面図であり、粘着テープ1の断面構造を示すものである。
本実施形態においては、この粘着テープは、図1に示すようにテープロールの形態で用いられており、外側から繰り出されて前記積層体の外周に接着されるべく用いられる。
この粘着テープ1は、その断面構造を示す図1(b)からもわかるように前記テープロールの外側となる背面側と内側との2層構造を有しており、パルプが用いられてなるテープ基材10で背面側が構成されており、前記内側、すなわち、前記テープ基材10の表面側には、粘着剤で形成された粘着剤層20が備えられている。
そして、本実施形態においては、前記粘着テープ1が、前記粘着剤層20の表面をテープ基材10の背面(自背面)に接着させてロール状にされている。
本実施形態においては、このような観点からパルプが用いられたテープ基材10を採用しており、前記テープ基材10は、いわゆる“紙テープ”で構成されている。
このパルプとしては、マニラ麻パルプや木材パルプを挙げることができ、木材パルプを苛性ソーダで熱処理したクラフトパルプなどの化学パルプも前記テープ基材10の構成材料とすることができる。
また、マニラ麻パルプとクラフトパルプとの混抄紙を本実施形態に係るテープ基材10として採用することができる。
この厚みが15μm以上であることが好ましいのは、15μm未満の場合には、粘着テープとしての強度が低くなりすぎて実用性を損ねるおそれを有するためである。
また、60μmよりも薄いことが好ましいのは、60μmを超える厚みとすると粘着テープ1が、求められる強度に対して過剰な強度となるばかりでなく該粘着テープ1を積層体に巻き付けることによって得られる内部素子の径が大きくなってしまうためである。
さらに、この紙テープは、密度が0.5g/cm3以上であることが好ましい。
すなわち、ある程度、目の詰まった高い強度の紙テープであることが好ましい。
本実施形態における粘着テープ1は、MD方向における強度として、所定以上の引張強さ、並びに、引裂強さ(ノッチ入り引裂き強度)を有していることが好ましく、具体的には20N/10mm巾以上の引張強さを有し、且つ、8N/15mm巾以上の引裂強さを有していることが好ましい。
したがって、前記テープ基材10は、粘着テープ1にこのような強度を発揮させ得るようなものが好ましい。
粘着剤層を設けたり、背面処理剤を含浸させたりすることによって粘着テープの強度がテープ基材の強度よりも低い値となることは、通常、起こらないため、20N/10mm巾以上の引張強さを有し、且つ、8N/15mm巾以上の引裂強さを有しているテープ基材を採用することで粘着テープ1にもこれ以上の特性を付与させうる。
なお、粘着テープやテープ基材の引張強さや引裂強さについては、それぞれ〔実施例〕において記載されている方法によって測定することができる。
例えば、図2(a)は、テープ基材10の一面側に粘着剤で形成させたストライプパターンを粘着剤層側から見た様子を示す概略平面図であり、この図に示されている粘着テープ1xは、図中に符号Aで示すテープ長さ方向に沿って連続する線状にテープ基材10を表面露出させている。
より詳しくは、図2(a)に示す粘着テープ1xは、テープの幅方向における間隔を一定に保った2本線となるように粘着剤がテープ基材10の一面側に積層されて粘着剤層20が形成されている。
従って、図2(a)に示す粘着テープ1xは、2本線となるように粘着剤がテープ基材10の一面側に積層されてなる粘着剤積層部20aを有するとともにこの粘着剤積層部20aの間と幅方向外側との3箇所に前記テープ基材を表面露出させてなる粘着剤非積層部20bが形成されている。
即ち、図2(a)に示す粘着テープ1xの粘着剤層20は、前記粘着剤非積層部20bが3本線となるように形成されている。
なお、図2(b)に示す粘着テープ1yでは、比較的大きな円形の粘着剤積層部20aによってドットパターンが形成されるように粘着剤をテープ基材10に積層させているが、粘着剤積層部20aの大きさや形を変更可能であることは説明するまでもなく当然の事柄である。
例えば、微小な四角ドットパターンを粘着剤で形成させて粘着剤層2を形成させても良く、丸や多角形ではなく不定形のドットパターンを粘着剤で形成させて粘着剤層2を形成させても良い。
さらには、本発明の粘着テープは、例えば、粘着剤非積層部20bが丸ドット形状となるようにして、図2(b)に示すパターンとは逆パターンとなるように粘着剤層を形成させてもよい。
また、粘着テープの長さ方向Aに対して角度を有する斜行ストライプであってもよく、線状の粘着剤積層部をテープ幅方向に延在させるようにして粘着テープの長さ方向Aに対して前記粘着剤積層部を直交させるようにしてもよい。
さらには、2本の線状の粘着剤積層部の間にドット状の粘着剤積層部を設けるようにしてストライプパターンとドットパターンとを組み合わせた複合パターンの採用も可能であり、ストライプパターンやドットパターンと他のパターンとを組み合わせた複合パターンを採用してもよい。
本明細書においては、“不溶”との用語を、上記のような試験を実施した場合に、その溶解が見られないことを意図して用いており、“難溶”との用語を、溶解量が50質量%以下となることを意図して用いている。
以下において特段のことわりが無い限り“不溶”、“難溶”という用語は、上記のような性質を表す意図で用いる。
すなわち、一般的な使用環境温度、例えば、30℃における貯蔵弾性率(G’)を1とした場合に、これに対する150℃における貯蔵弾性率の比率が0.8以上となるものが好ましく、250℃においても前記比率が0.8以上となるものがさらに好ましい。
なお、この粘着剤の貯蔵弾性率(G’)については、後段の〔実施例〕に記載の方法によって測定されうる。
例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン系架橋剤、キレート系架橋剤などを適宜含有させうる。
上記架橋剤の使用量としては、例えば前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、1.0〜10質量部であることがより好ましい。
このようなアクリル系粘着剤は適切な粘着力や貯蔵弾性率を得やすいことから、本実施形態に係る粘着テープ用の粘着剤として特に好ましいものであるといえる。
ただし、自背面への粘着力が過度に低いと、電気化学素子において陽極箔と陰極箔とが積層されてなる積層体の積層状態を保持させる機能が損なわれるおそれを有することから、自背面への粘着力は、1N/15mm巾以上となるように調整されることが好ましい。
この自背面に対する粘着力(自背面粘着力)や低速巻戻し力は、粘着剤層のパターン形成などによっても調整が可能であり、その具体的な数値については後述する〔実施例〕に記載の方法に基づいて測定することができる。
前記アルキルペンダント系剥離処理剤としては、長鎖アルキルアクリレートの共重合体、パーフロロアルキルアクリレートの共重合体、長鎖アルキルアクリルアミドの共重合体、マレイン酸の長鎖アルキル誘導体の共重合体、水酸基含有ポリマーの長鎖アルキルエステル化物、水酸基含有ポリマーの長鎖アルキルカーバメート、水酸基含有ポリマーのパーフロロアルキルカーバメート等を主体とするものが挙げられる。
前記シリコーン系剥離処理剤としては、縮合型シリコーンタイプ、付加型シリコーンタイプのものが挙げられる。
また、粘着剤層の剥離性を所定以上に向上(自背面粘着力を所定以下に低下)させうるものであれば、これら以外の一般的なポリマーを背面処理剤としてテープ基材10に含浸させても良い。
このようなポリマーとしては、結晶性ポリエステル樹脂、変性ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。
このような背面処理剤は、適当な有機溶媒を用いて塗工液を作製し、該塗工液をテープ基材に含浸させた後で前記有機溶媒を除去して乾燥させることによりテープ基材に含浸させ得る。
あるいは、熱溶融させた状態でテープ基材に含浸させてもよい。
また、例えば、厚み方向において背面側の一部に背面処理剤が含浸され、この背面処理剤が含浸されている領域と、粘着剤層との間に、背面処理剤が含浸されていない領域がテープ基材に生じていてもよい。
ただし、この場合には、粘着テープの側縁からの毛細管現象によって、電解液が粘着剤層の背面側に回り込むおそれを有し、粘着剤や背面処理剤が電解液に曝される面積を増大させてしまい、これらの溶解量を増大させるおそれを有することから、背面処理剤は、少なくとも一部が粘着剤層に到達するような形でテープ基材に含浸されていることが好ましい。
背面処理剤の付着量が0.01g/m2以上であることが好ましいのは、これ未満の量では、離型効果が期待できず、粘着テープを繰り出す際に過大な張力が発生してテープ切れを起したり、あるいは、テープ基材の層間破壊が生じたりするおそれを有するためである。
また、背面処理剤の付着量が10g/m2以下であることが好ましいのは、これを超える付着量とすると、過度に剥離性(離型性)が向上されてしまい、粘着テープを積層体に1周以上巻きつけた際に重なり合う部分に発生する接着力が過度に低いものになってしまうおそれを有するためである。
また、粘着テープは絶縁性に優れた状態に形成されることが好ましく、0.1kV以上の絶縁破壊電圧を有する状態となるように形成されることが好ましい。
ただし、過度に高い絶縁破壊電圧を有する必要はなく、通常、3kVまでの絶縁破壊電圧を有していれば十分である。
さらには、本実施形態の粘着テープは、23±2℃のγ−ブチロラクトン中で、保持力、定荷重剥離、及び、端末剥がれ量を測定した場合に、保持力1mm以下、定荷重剥離50mm以下、端末剥がれ量5mm以下となるように形成されていることが好ましい。
これらの各特性については〔実施例〕において記載の方法によって測定可能である。
すなわち、背面処理剤が含浸されていなかったり、含浸されていても電解液に溶融されてしまったりするようなものではテープ基材に時間経過に伴って電解液が含浸され、粘着剤層が背面側(テープ基材の側)から電解液に曝される状態になって、テープ基材と粘着剤層との界面における接着力が低下されたり、粘着剤層を形成している粘着剤そのものが膨潤されたり溶解されたりして接着力が低下されたりするおそれを有する。
したがって、本実施形態に係る粘着テープは、接着力の低下によって積層体を巻き止める力が低下するおそれが低くアルミ電解コンデンサの特性が変化するおそれを低減させうる。
例えば、本実施形態においては、テープ基材の厚みや強度、粘着剤や背面処理剤の種類などの例示をアルミ電解コンデンサに好適な点に基づいて行っているが、これらを求められる用途に応じて変更することが可能なものである。
テープ基材として、引張強さが39N/10mm巾で且つ引裂強さが19N/15mm巾であるクラフト二重紙を用いた。
背面処理剤としては、ポリビニルオクタデシルカーバメートを使用し、付着量が0.05g/m2となるようにテープ基材の一面側から含浸させた。
一方で、他面側には粘着剤層を厚み20μmとなるように形成させ実施例1の粘着テープとした。
なお、この粘着剤層の形成には、アクリル酸2エチルヘキシル95質量部、アクリル酸5質量部の割合で含むアクリル系ポリマー100質量部に対してイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン製、商品名「コロネートL」)を2質量部含有するアクリル系粘着剤を使用した。
テープ基材として、引張強さが33N/10mm巾で且つ引裂強さが9N/15mm巾である厚み25μmのクラフト一重紙を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の粘着テープを作製した。
テープ基材として、引張強さが33N/10mm巾で且つ引裂強さが18N/15mm巾である厚み25μmのクラフト一重紙を用いたこと、ポリビニルオクタデシルカーバメートと変性ポリプロピレン樹脂(三井化学製、商品名「ユニストールH−100」)との混合物(ポリビニルオクタデシルカーバメート7質量%、変性ポリプロピレン樹脂93質量%)である背面処理剤を付着量が9g/m2となるようにしてテープ基材の背面側に含浸させて実施例3の粘着テープを作製した。
なお、粘着剤層については、実施例1、2と同じである。
テープ基材として、引張強さが29N/10mm巾で且つ引裂強さが5N/15mm巾である厚み20μmのクラフト一重紙を用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の粘着テープを作製した。
図3に示すように粘着剤層にストライプパターンを形成させたこと以外は、実施例1と同様にして粘着テープを形成させた。
具体的には、テープ基材(20mm巾)の長さ方向に延在する5mm巾の線状の粘着剤積層部20aを幅方向に間隔を設けて2本形成させるようにした以外は実施例1の粘着テープと同じである。
即ち、テープ基材や粘着剤は、実施例1のものと同じものを用い、粘着剤積層部20aの厚み等も実施例1と同じである。
従って、後段において示す評価項目の内、実施例1と同様の結果となる蓋然性が高いものについては評価を実施をしなかった。
背面処理剤を使用しなかったこと以外は、実施例2と同様にして比較例1の粘着テープを作製した。
粘着剤に架橋剤を使用しなかったこと以外は、実施例2と同様にして比較例2の粘着テープを作製した。
なお、以下測定における粘着テープ(試料)とSUS304製の板との貼り付け方法は共通しており、#360サンドペーパーで表面を研磨し、トルエンで洗浄したSUS304製の板の上に粘着剤層を下向きにして粘着テープを置き、この粘着テープの上を2kgローラーを約5mm/秒の速度で一往復させる方法を採用している。
(MD(長さ方向)収縮率)
30mm×30mmの大きさの試料のMD方向(長さ方向)に約20mm間隔で標線を引き、この試料をSUS304製の板に上記条件で貼り付けた。
280℃の乾燥機にSUS304製の板ごと試料を30分間投入し、室温で放置後、以下の式により収縮率を算出した。
収縮率(%)=(1−280℃投入後の標線間長さ/初期の標線間長さ)×100
23±2℃のγ−ブチロラクトン100ccに1gの試料を24時間浸漬後、150℃×30分乾燥し、次式により未溶解物を算出した。
未溶解物(質量%)=乾燥後の試料質量/初期の試料質量×100
幅10mm×長さ100mmの試料を、約半分の長さがSUS304製の板の端からはみ出すようにして上記条件で貼り付けた。
SUS304製の板の端から約50mmの長さにわたって貼り付けられている試料に対して、試料の端から20mmの位置に、カッターで長さ方向に直交する方向に全幅に及ぶ切り込みを入れた。
そして、SUS304製の板からはみ出している試料の端に50gの重りを取り付けた。
このSUS板をその板面が垂直になり、前記重りが垂直に垂れ下がった状態になるようにして、少なくとも前記切り込みを設けた部分までが水面下に没するように23±2℃のγ−ブチロラクトンに浸漬させた。
この状態で7時間保持し、SUS製の板および試料の表面に残ったγ−ブチロラクトンをウエスで拭き取った後、試料に設けた切り込みの広がり長さ(ズレ長さ)をルーペで測定した。
幅10mm×長さ150mmの試料を上記条件で一旦SUS304製の板に貼り付けた。
その後、貼り付け長さが100mmになるまで試料を長さ方向一端側から剥離し、剥離した試料の前記一端側に10gの重りを取り付けた。この試料貼り付け面が下になるようにしてSUS304製の板を水平に保持し、剥離された部分がSUS304製の板に対して直角に垂れ下がるようにして試料全体を23±2℃のγ−ブチロラクトンに3時間浸漬し、試料がさらに剥離された長さを鋼製直尺で測定した。
2.5mm幅×100mmの試料の長さ方向一端に50gの重りを取り付け、他端側を直径2mmの真鍮製の金属棒(丸棒)に2周巻き付けた。
この試料が巻きつけられた金属棒を重りを取り付けたまま水平方向に保持し、且つ、金属棒が軸周りに回転可能な状態に保持して23±2℃のγ−ブチロラクトンに24時間浸漬し、浸漬期間中に剥離した長さを鋼製直尺で測定した。
2.5mm幅×100mmの試料の長さ方向一端に50gの重りを取り付け、他端側を直径2mmの真鍮製の金属棒(丸棒)に2周巻き付けた。
この試料が巻きつけられた金属棒を重りを取り付けたまま水平方向に保持し、且つ、金属棒が軸周りに回転可能な状態に保持してリフロー炉内に導入し、炉内温度を加熱開始時から300秒後に260℃となるように前記リフロー炉を運転させ、その後自然放冷させた。
そして、試験中に粘着テープの剥れた長さを鋼製直尺で測定した。
長さ方向がMD方向となるように切り出した幅10mmの短冊状試料を掴み具間隔100mmに設定した引張試験機にセットし、300mm/分の速度で引張試験を実施した際に破断が生じた際の応力(N)を試料巾(10mm巾)で除して引張強さを求めた。試験条件は23±2℃、50±5%RH。
長さ方向がMD方向となるように切り出した幅15mmの短冊状試料に一方の側縁から5mm内側の位置まで切込み(ノッチ)を入れ、該切込み部が掴み具の略中間位置となるように引張試験機にセットし、「引張強さ」と同様に破断時の応力(N)を試料巾(15mm巾)で除して引裂強さを求めた。試験条件は23±2℃、50±5%RH。
1gの背面処理剤、粘着剤をそれぞれ、100gのγ−ブチロラクトンに室温で24時間浸漬させ、浸漬前後の質量変化を測定し、減量分を溶解量とした。
粘弾性測定機で30℃〜250℃における貯蔵弾性率(G’)を測定し、30℃における貯蔵弾性率の値を“1”として、250℃における貯蔵弾性率の比率を求め「弾性率比」とした。
なお、測定は、粘着剤層どうしを貼り合わせ、総厚が2mm以上の厚みとなるようなものを作製し、これを直径7.9mmのポンチで円板状に打ち抜いたサンプルに対して行った。
より詳しくは、このサンプル(直径7.9mmで厚さが2mmの円板状サンプル)を、ステンレススチール製の直径8mmのパラレルプレート(ティエーインスツルメンツ社製;型式:708.0157)で挟み込み、粘弾性スペクトロメーター(Rheometric Scientific社製;製品名「ARES」)を用いて、チャック圧:100g重、周波数:1Hzでせん断歪を与えながら、温度領域:30℃〜250℃、昇温速度:5℃/minで、且つ、せん断モードで粘弾性を測定し、貯蔵弾性率(G’)を求めた。
絶縁破壊試験機を用いて、直径6mmの電極に試料を挿み空気中で一秒あたりの昇圧速度を500V/秒(交流)とし、絶縁破壊(カットオフ電流25mA)が生じた際の電圧値を絶縁破壊電圧として測定した。試験条件は23±2℃、50±5%RH。
試料0.5gを採取し純水50gで120℃×1時間抽出したものをイオンクロマト分析により測定した。
BS EN14582(2007)/熱分解の試験方法に準じ、イオンクロマト分析により測定した。
実施例、比較例のテープを、粘着剤層をテープ基材の背面に直接接着させる形で2.5mm幅、巻き長さ100mのテープロールを作製し50m/分の速度で繰り出させた際における粘着テープの走行状態を確認した。
なお、この際に、走行開始から100mの全長にわたって、粘着テープに破断が生じなかったものを「○」と判定し、破断が生じたものについては「×」と判定した。
幅15mm×長さ約120mmの試料を、幅約50mm×長さ約125mmのSUS304に先述の条件(2kgのローラーを使用、速度5mm/秒、一往復)で貼り付けたものに、さらに、別の幅15mm×長さ約120mmの試料(幅15mm×長さ約120mm)を同じ条件で貼り付けて重ね合せ、30±10分、23±2℃の環境下に放置した後に上側の試料を一端側から途中まで引き剥がし、該引き剥がした試料端部を引張試験機の一方のチャックにセットするとともに他方のチャックにSUS板をセットし、剥離角度180度での引き剥がし試験を引張速度300mm/分で実施し、自背面粘着力を測定した。
なお、区間80mmにわたって上記引き剥がし試験を実施した際の算術平均値を自背面粘着力とした。
幅15mmのテープロールを引張試験機の一方のチャックに回転自在な状態にセットし、該テープロールから繰り出した粘着テープの端部を他方のチャックにセットして引張速度300mm/分で引き剥がして巻戻し力を測定した。
これらの測定結果を、下記表1に示す。
Claims (5)
- 電解液の含浸された絶縁紙を介して陽極箔と陰極箔とが積層されてなる積層体をケーシング内に備えた電気化学素子に用いられ、前記電解液に接する箇所に接着させて用いられる粘着テープであって、
テープ基材の一面側に粘着剤層が備えられており、自背面に対する前記粘着剤層の粘着力が4N/15mm以下であり、且つ、280℃における熱収縮率が長さ方向で2%以下であることを特徴とする粘着テープ。 - 23±2℃のγ−ブチロラクトンに24時間浸漬させた場合の未溶解物が60〜100質量%である請求項1記載の粘着テープ。
- 23±2℃のγ−ブチロラクトンに24時間浸漬させた場合の溶解量が50質量%以下となる粘着剤で前記粘着剤層が構成されている請求項1又は2に記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層を構成している粘着剤は、30℃における貯蔵弾性率に対する250℃における貯蔵弾性率の割合が0.8〜1.5である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層には、テープ基材の前記一面側に前記粘着剤が積層されてなる粘着剤積層部と、前記粘着剤が積層されずに前記テープ基材を表面露出させた粘着剤非積層部とが形成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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