JP5632325B2 - 電気化学デバイス用粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学デバイス用粘着テープ、特に、電解コンデンサーやリチウムイオン電池等の組み立てにおいて、電解液に接触する部分若しくは電解液に接触する可能性のある部分に用いられる粘着テープに関する。
電気化学デバイスには、その製造工程において、粘着テープが多用されている。例えば、リチウムイオン電池は、その製造工程において、異物やバリ等によるセパレータの貫通防止、活物質の剥がれ防止、電極板とセパレータ等の積層体を巻回して電池ケース内へ詰め込む際の巻末部固定等様々な用途に粘着テープが用いられている。
特にリチウムイオン電池内部等の電解液に接触する可能性のある部分に貼着する粘着テープには、電解液に浸漬しても被着体を保持することができる優れた接着性が要求されるが、粘着テープの接着性を高めるために粘着剤層を厚くすると端面から粘着剤がはみ出し易くなり、すなわち、「糊はみ出し」し易くなり、電極板とセパレータの積層体を巻回する際にはみ出した接着剤が対向するセパレータに貼り付く等、巻回作業が困難となることが問題であった。
また、近年、電気化学デバイスの高容量化が望まれており、そのためには粘着テープの厚みを極めて薄くすることが望まれている。しかし、粘着剤層の厚みを薄くすると、上記「糊はみ出し」は起こりにくくなるが、接着性の点では不十分となることが問題であった。電解液中で粘着テープが剥がれると、活物質が脱落し、更に電解液へ溶出した粘着成分と電解質とが反応することにより電解液特性が低下し、電池特性が低下するからである(特許文献1等)。
更に、粘着テープは、主に基材と粘着剤から構成されているが、通常の粘着テープは基材及び粘着剤層に空気中の水分を吸収して保有し、そのような粘着テープを電気化学デバイスに使用すると、基材及び粘着剤層中に保有する水分が電解液中に放出されることにより電気化学デバイスに不具合を生じることが知られている。特に、リチウムイオン電池は電解液中のリチウム塩の反応性が高く、電解液中に放出された水分を直ちに還元分解するので電池の内圧上昇や電池部材の腐蝕等を引き起こし電池特性が低下しやすい。
すなわち、「糊はみ出し」し難く、接着性に優れ、且つ水分の含有量が極めて低い電気化学デバイス用粘着テープが見出されていないのが現状である。
特開平11−176476号公報
従って、本発明の目的は、水分の含有量が極めて低く、「糊はみ出し」し難く、且つ、電解液に接触しても剥がれることがない電気化学デバイス用粘着テープを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アクリル系粘着剤から成る、ゲル分率及び厚みが特定の範囲内である粘着剤層を有する粘着テープは、「糊はみ出し」し難く、且つ接着性に優れること、吸水率が極めて低い粘着テープを使用すると、粘着テープ自体に含有する水分により引き起こされる電気化学デバイスの不具合の発生を防止することができること、これらの特徴を併せ持つ粘着テープは、電気化学デバイス用として極めて有用であることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、プラスチック系基材の少なくとも一方の面に下記アクリル系粘着剤から成る、ゲル分率が60%以上、厚みが1〜15μmである粘着剤層を有し、23℃において、水に24時間浸漬した後の吸水率が0.2%以下である電気化学デバイス用粘着テープを提供する。
アクリル系粘着剤:少なくともベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーと架橋剤を含有し、前記アクリル系ポリマーが、炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、水酸基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーから選択される少なくとも1種の官能基含有モノマーとを含むモノマー成分を重合して得られるアクリル系ポリマーであって、前記モノマー成分の80重量%以上が前記炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、前記モノマー成分の1〜10重量%が前記官能基含有モノマーであり、前記架橋剤がエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、及びアルデヒド系化合物から選択される少なくとも1種の化合物である
炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、及び(メタ)アクリル酸イソノニルから選択される1以上であることが好ましい。
前記ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量における、炭素数5以下のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び炭素数11以上のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量としては、20重量%未満であることが好ましい。
前記ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーの重量平均分子量(GPC法による、ポリスチレン換算)としては、300000〜1200000が好ましい。
前記アクリル系粘着剤における架橋剤の含有量としては、ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。
本発明は、また、前記電気化学デバイス用粘着テープを適用して得られる電気化学デバイスを提供する。
尚、本明細書には上記発明の他に、プラスチック系基材の少なくとも一方の面にアクリル系粘着剤から成る粘着剤層を有する電気化学デバイス用粘着テープであって、ゲル分率が60%以上、厚みが1〜15μmである粘着剤層を有し、23℃において、水に24時間浸漬した後の吸水率が0.2%以下である電気化学デバイス用粘着テープについても記載する。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、「糊はみ出し」し難く、且つ、電解液に浸漬しても、優れた接着性を維持することができ、電解液中でも被着体を保持し続けることができる。更に、吸水率が低く、粘着テープ自体の水分含有量が極めて低いため、電気化学デバイスに貼り合わせて使用しても、水分により電気化学デバイスの不具合を引き起こすことがない。そのため、電気化学デバイス用途、特に、リチウムイオン電池の製造において、電解液に浸漬する箇所、又は電解液に接触する可能性のある箇所に適用して、電解液の劣化、電池の内圧上昇、及び電池部材の腐蝕等の不具合の発生を抑制しつつ異物やバリ等によるセパレータの貫通防止、活物質の剥がれ防止、電池ケース内への電極の詰め込み適性改善を行うことができる。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの一例を示す概略断面図である。 本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの他の一例を示す概略断面図である。 リチウムイオン電池における、本発明にかかる電気化学デバイス用粘着テープの使用例を示した概略図であり、図(3-1)は使用前の図、図(3-2)は極板等へ本発明にかかる電気化学デバイス用粘着テープを貼着した図、図(3-3)は、極板を巻回して本発明にかかる電気化学デバイス用粘着テープを使用して巻き止めした図である。
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの一例を示す概略断面図であり、電気化学デバイス用粘着テープ31は基材1の片面に粘着剤層2が積層された構造を有する。
図2は本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの他の一例を示す概略断面図であり、電気化学デバイス用粘着テープ32は基材1の一方の面に粘着剤層21、他方の面に粘着剤層22が積層された構造を有する。
[粘着剤層]
本発明の粘着剤層はアクリル系粘着剤から成ることを特徴とする。前記アクリル系粘着剤は、少なくとも、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含有する。
アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分としては、炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して80重量%以上(好ましくは、90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上)含有することが好ましい。また、炭素数5以下、及び炭素数11以上のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、20重量%未満(より好ましくは5重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満、最も好ましくは0重量%)が好ましい。炭素数5以下のアルキル基は親水性を有するため、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対する、炭素数5以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が多くなりすぎると、吸水し易くなり、水分により電気化学デバイスの不具合を引き起こし易くなる傾向がある。その上、Tgが高くなり初期接着特性が低下する傾向がある。また、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対する炭素数11以上のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合が多くなりすぎると、粘着剤が軟らかくなりすぎ、「糊はみ出し」し易くなり、その上、接着性が低下する傾向がある。
上記炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル(2−EHA)、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル等の炭素数が6〜10の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを挙げることができる。尚、本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
本発明におけるアクリル系ポリマーとしては、炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、前記主モノマーと接着性を改良する官能基含有モノマーとを重合して得られるポリマー(共重合体)が好ましい。
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー(無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有モノマーも含む);(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコール等のヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等のN−置換アミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のグリシジル基含有モノマー等を挙げることができる。上記官能基含有モノマーの中でも、電解液中での接着保持性に優れる点で、カルボキシル基含有モノマー、及びヒドロキシル基(水酸基)含有モノマーが好ましく、特に、初期接着性に優れる点でカルボキシル基含有モノマー[例えば、アクリル酸(AA)]が好ましい。
上記の官能基含有モノマーの含有量は、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、例えば、1〜10重量%程度(なかでも、1〜7重量%程度、特に1〜5重量%程度)である。官能基含有モノマーの含有量が上記範囲を下回ると、ゲル分率が低下して十分な接着性を得ることが困難となる傾向がある。一方、官能基含有モノマーの含有量が上記範囲を上回ると、吸水率が上昇して水分による電気化学デバイスの不具合を防止することが困難となる傾向がある。
本発明のアクリル系ポリマーは、上記のモノマー成分を公知乃至慣用の重合方法により重合して調製することができ、例えば、溶液重合方法、乳化重合方法、塊状重合法や活性エネルギー線照射による重合方法(活性エネルギー線重合方法)等を挙げることができる。上記の中でも透明性、耐水性、コスト等の点で、溶液重合方法、活性エネルギー線重合方法が好ましく、より好ましくは溶液重合方法である。
上記の溶液重合に際しては、各種の一般的な溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等の有機溶剤を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記モノマー成分の重合に際しては、重合開始剤を使用することができる。前記重合開始剤としては、特に限定されず公知乃至慣用のものの中から適宜選択して使用することができ、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等の過酸化物系重合開始剤等の油溶性重合開始剤等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量としては、特に限定されず、従来、重合開始剤として利用可能な範囲であればよい。
本発明のアクリル系ポリマーの分子量としては、例えば、重量平均分子量(Mw)が300000〜1200000程度、好ましくは400000〜1000000程度である。重量平均分子量が300000未満である場合、粘着剤層として必要な粘着力、凝集力が得られず耐久性が劣る傾向がある。一方、重量平均分子量が1200000を超える場合、粘着剤組成物の粘度上昇による塗工性不良などの問題が生じる場合がある。
尚、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、商品名「HLC−8120GPC」(東ソー株式会社製)を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPCの測定条件で測定して求めることができる。
<GPCの測定条件>
サンプル濃度:0.2重量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:10μL
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量(流速):0.6mL/min
vカラム温度(測定温度):40℃
カラム:商品名「TSKgelSuperHM−H/H4000/H3000/H2000」(東ソー株式会社製)
検出器:示差屈折計(RI)
更に、本発明のアクリル系ポリマーは、適当な架橋手段(例えば、架橋剤の添加等)により架橋処理を施すことが好ましい。架橋処理を施すことにより、粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
前記架橋剤としては、例えば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド系化合物等を挙げることができる。これらはアクリル系ポリマーが含有する官能基に応じ適宜選択して使用することができる。本発明においては、なかでも、イソシアネート系化合物を使用することが、プラスチック系基材との投錨性に優れる点で好ましい。
イソシアネート系化合物としては、例えば、二官能性イソシアネート系化合物、三官能性イソシアネート系化合物等の多官能性イソシアネート系化合物を挙げることができる。二官能性イソシアネート系化合物としては、例えば、ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ジイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類等を挙げることができる。三官能性イソシアネート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製)、トリメチロールプロパン/へキサメチレンジイソシアネート3量体付加物(商品名「コロネートHL」、日本ポリウレタン工業社製)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名「コロネートHX」、日本ポリウレタン工業社製)等の三官能性イソシアネート付加物等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明における架橋剤としては、なかでも、三官能性イソシアネート系化合物が、反応性に優れ、より速やかに硬化させることができる点で好ましい。
前記架橋剤の使用量としては、例えば、上記アクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部程度、好ましくは0.1〜15重量部程度、特に好ましくは1〜10重量部程度である。架橋剤の使用量が上記範囲を下回ると、ゲル分率が低下して十分な凝集が得られずに接着性を得ることが困難となる傾向があり、一方、架橋剤の使用量が上記範囲を上回ると、粘着剤が硬くなり接着性が低下する傾向がある。
本発明におけるアクリル系粘着剤は、上記アクリル系ポリマー、架橋剤の他に、他の成分(例えば、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤等)を含んでいてもよい。
本発明の粘着剤層は、上記アクリル系粘着剤を必要に応じて溶媒(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等)を使用して希釈してコーティング液を調製し、これを直接基材上若しくは適当なセパレータ(剥離紙等)上に塗布、乾燥して形成することができる。本発明の粘着剤層は、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。粘着剤層が2層以上の積層体である場合、各層は同一の組成を有していてもよく、異なる組成の層を組み合わせて積層してもよい。また、基材の両面に粘着剤層を有する場合、それらの粘着剤層は同一の組成を有していてもよく、異なる組成を有していてもよい。
本発明の粘着剤層のゲル分率は60%以上(好ましくは65%以上)である。尚、本発明において、ゲル分率は、粘着剤層を一定時間酢酸エチル中に浸漬した際に、溶出せずに残存する成分の粘着剤層(100重量%)に対する割合(重量%)を示す。ゲル分率が上記範囲を下回ると、粘着剤の凝集力が低下して、「糊はみ出し」し易くなり、電気化学デバイスに使用される電解質に溶解して接着性が低下と電気化学デバイスに悪影響を与える場合がある。
本発明の粘着剤層の厚み(2層以上の積層体である場合はその総厚み)は、1〜15μm(好ましくは、1〜10μm)である。粘着剤層の厚さが上記範囲を下回ると、接着力が低下して、電解液中で粘着テープが剥がれて電解液の劣化を引き起こす原因となる傾向がある。一方、粘着剤層の厚さが上記範囲を上回ると、電気化学デバイス内に占める体積が大きくなり過ぎ、電気化学デバイスの高容量化に対応することが困難となる傾向がある。また、「糊はみ出し」を防止することが困難となる傾向がある。
[基材]
基材としては、吸水率が低い基材を使用することが好ましく、本発明においては、プラスチック系基材を使用することを特徴とする。プラスチック系基材の原料としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体等)、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリイミド、セルロース類、フッ素系樹脂、ポリエーテル、ポリエーテルアミド、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレン等)、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明においては、なかでも、耐熱性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン等、及びフッ素系樹脂から選択される樹脂を原料とする基材が好ましく、特に吸水率が低い点でポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする基材を使用することが好ましい。
本発明の基材は、単層であってもよく、2層以上の積層体であってもよい。基材が2層以上の積層体である場合、各層は同一の組成を有していてもよく、異なる組成の層を組み合わせて積層してもよい。
また、基材の表面には、必要に応じて、粘着剤層等との密着性を高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよい。
基材の厚さとしては、特に限定されないが、8〜100μm程度が好ましく、より好ましくは10〜50μm程度である。基材の厚さが上記範囲を下回ると、粘着テープの強度が不足し、実用性を損なう恐れがある。一方、基材の厚さが上記範囲を上回ると、電気化学デバイス内に占める体積が大きくなり過ぎ、電気化学デバイスの高容量化に対応することが困難となる傾向がある。
[電気化学デバイス用粘着テープ]
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、上記基材の少なくとも一方の面に上記粘着剤層を有する。本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、公知慣用の方法により形成することができ、例えば、上記粘着剤層を構成するアクリル系粘着剤を必要に応じて溶媒(例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等)を使用して希釈してコーティング液を調製し、これを直接基材上に塗布して粘着剤層を形成する方法や、適当なセパレータ(剥離紙等)上に前記コーティング液を塗布して粘着剤層を形成し、これを基材上に転写(移着)する方法等を挙げることができる。転写による場合は、基材との界面にボイド(空隙)が残る場合がある。この場合、オートクレーブ処理等により加温加圧処理を施し、ボイドを拡散させて消滅させることができる。
前記コーティング液の塗布には慣用のコーター、例えば、グラビヤロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーター等を使用することができる。
また、本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、基材原料と上記アクリル系粘着剤を溶融押出して一体化させる方法でも形成することができる。溶融押し出し方法としては、インフレーション法やTダイ法等任意の公知技術を用いることができる。また、押し出し成型した後は、縦又は横方向への延伸(1軸延伸)処理や、縦及び横方向への逐次又は同時延伸(2軸延伸)処理等を施してもよい。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、被着体に対して、例えば0.5〜10kg/cm2程度の圧力で押圧することにより貼り合わせることができる。押圧時の温度としては、特に制限されることがなく、例えば10〜180℃程度である。
押圧後の接着力(対アルミ箔)は、例えば、25℃におけるアルミ箔に対する180°引き剥がし粘着力(JIS Z 0237準拠、対アルミ箔、剥離速度:300mm/分:浸漬前接着力)が0.5N/10mm以上(好ましくは1.0N/mm以上、特に好ましくは1.05〜2.5N/10mm)程度である。
また、本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート混合溶媒[前者/後者(体積比)=1/1]に60℃、8時間浸漬した後の接着力(対アルミ箔)は、例えば、180°引き剥がし粘着力(JIS Z 0237準拠、対アルミ箔、剥離温度:25℃、剥離速度:300mm/分:浸漬後接着力)が0.5N/mm以上[好ましくは1.0N/mm以上(例えば、1.0〜2.5N/10mm)]である。浸漬後のアルミ箔に対する接着力が上記範囲を下回ると、リチウムイオン電池内部に使用する場合に電解液中で剥離し易くなり、電解液の劣化を抑制することが困難となる。
その上、本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの、23℃において、水に24時間浸漬した後の吸水率は、0.2%以下(好ましくは0.15%以下、特に好ましくは0.10%以下)である。吸水率が上記範囲を上回ると、水分により引き起こされる電気化学デバイスの不具合を防止することが困難となる。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープには、粘着剤層表面の保護、ブロッキング防止の観点等から、粘着剤層表面にセパレータ(剥離ライナー)が設けられていてもよい。セパレータは本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープを被着体に貼着する際に剥がされるものであり、必ずしも設けなくてもよい。用いられるセパレータとしては、特に限定されず、公知慣用の剥離紙等を使用できる。例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン系等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材等を用いることができる。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープが両面粘着テープである場合、上記セパレータは、本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープの両方の粘着剤層表面に設けられてもよく、片方の粘着面に背面剥離層を有するセパレータを設け、シートを巻回することによって、反対側の粘着剤層表面にセパレータの背面剥離層が接するようにしてもよい。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、例えば、リチウムイオン電池等の非水系電解液が封入される2次電池の製造用に好適に使用される。
前記非水系電解液としては、特に限定されることがなく、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネートとジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネートとの混合溶媒と、電解質としてLiPF6等のリチウム塩が溶解している電解液等を挙げることができる。
リチウムイオン電池等の非水系電解液2次電池は、正極芯体に正極活物質が塗布された正極板と、負極芯体に負極活物質が塗布された負極板とがセパレータを介して積層された積層型電極群、又は正極芯体に正極活物質が塗布された正極板と負極芯体に負極活物質が塗布された負極板とをセパレータを介して相対向させて渦巻状に巻回した巻回型電極群と、正極板、負極板から引き出された電極端子、及び電解液が外装缶に封入された構造を有する。
本発明に係る電気化学デバイス用粘着テープは、例えば、上記リチウムイオン電池等の非水系電解液2次電池の製造において、異物やバリ等によるセパレータの貫通を防止する目的、活物質の剥がれを防止する目的、電池ケース内への電極の詰め込み適性を改善する目的(例えば、正極板/セパレータ/負極板から成る積層体の固定、若しくは前記積層体の巻回体を固定)等で電池構成部材に貼付して使用することができる。電池構成部材における貼付場所としては、前記目的を達成することができる場所であれば特に限定されることなく、例えば、極板、電極端子、極板端部、セパレータにおける極板端部が接触する部分、活物質の塗布部と未塗布部の境界部分、巻回型電極群の巻末部等を挙げることができる(図3参照)。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
イソノニルアクリレート 97重量部、アクリル酸 3部、開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 0.1部、溶媒として酢酸エステル 100重量部を配合し、N2置換を2時間行った。N2置換下、60℃で6時間重合を行って、重量平均分子量50万のアクリル系ポリマー(1)を得た。
得られたアクリル系ポリマー(1)に三官能性イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)を固形分に対して5重量部の割合で配合して、アクリル系粘着剤(1)を得た。
得られたアクリル系粘着剤(1)を、基材としてのポリプロピレンフィルム(商品名「トレファンBO#2548」、東レ(株)製、厚さ:20μm)上に乾燥後の厚みが5μmになるように塗布、乾燥して粘着テープ(1)を得た。
実施例2
イソオクチルアクリレート 98重量部、ヒドロキシエチルアクリレート 2重量部、AIBN 0.1重量部、溶媒としてトルエン 100重量部を配合し、N2置換を2時間行った。N2置換下、60℃で6時間重合を行って、重量平均分子量50万のアクリル系ポリマー(2)を得た。
得られたアクリル系ポリマー(2)に三官能性イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)を固形分に対して4重量部の割合で配合して、アクリル系粘着剤(2)を得た。
得られたアクリル系粘着剤(2)を、基材としてのポリプロピレンフィルム(商品名「トレファンBO#2548」、東レ(株)製、厚さ:20μm)上に乾燥後の厚みが10μmになるように塗布、乾燥して粘着テープ(2)を得た。
実施例3
2−エチルヘキシルアクリレート 95重量部、アクリル酸 5重量部、AIBN 0.1重量部、酢酸エチル 100重量部を配合し、N2置換を2時間行った。N2置換下、60℃で6時間重合を行って、重量平均分子量80万のアクリル系ポリマー(3)を得た。
得られたアクリル系ポリマー(3)に三官能性イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)を固形分に対して3重量部の割合で配合して、アクリル系粘着剤(3)を得た。
得られたアクリル系粘着剤(3)を、基材としてのポリプロピレンフィルム(商品名「トレファンBO#2548」、東レ(株)製、厚さ:30μm)上に乾燥後の厚みが5μmになるように塗布、乾燥して粘着テープ(3)を得た。
比較例1
ブチルアクリレート 90重量部、アクリル酸 10重量部、AIBN 0.1部、酢酸エステル 100重量部を配合し、N2置換を2時間行った。その後、60℃で6時間重合を行って、重量平均分子量120万のアクリル系ポリマー(4)を得た。
得られたアクリル系ポリマー(4)に三官能性イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)を固形分に対して2重量部の割合で配合して、アクリル系粘着剤(4)を得た。
得られたアクリル系粘着剤(4)を、基材としてのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「ルミラーS10」、東レ(株)製、厚さ:25μm)上に乾燥後の厚みが20μmになるように塗布、乾燥して粘着テープ(4)を得た。
比較例2
ブチルアクリレート 98重量部、N−アクリロイルモルホリン 20重量部、アクリル酸 2重量部、AIBN 0.1部、酢酸エステル 100重量部を配合し、N2置換を2時間行った。その後、60℃で6時間重合を行って、重量平均分子量120万のアクリル系ポリマー(5)を得た。
得られたアクリル系ポリマー(5)に三官能性イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)を固形分に対して2重量部の割合で配合して、アクリル系粘着剤(5)を得た。
得られたアクリル系粘着剤(5)を、基材としてのポリプロピレンフィルム(商品名「トレファンBO#2548」、東レ(株)製、厚さ:30μm)上に乾燥後の厚みが15μmになるように塗布、乾燥して粘着テープ(5)を得た。
比較例3
ブチルアクリレート 97重量部、アクリル酸 3重量部、AIBN 0.1部、トルエン 100重量部を配合し、N2置換を2時間行った。N2置換下、60℃で6時間重合を行って、重量平均分子量50万のアクリル系ポリマー(6)を得た。
得られたアクリル系ポリマー(6)に三官能性イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)を固形分に対して0.5重量部の割合で配合して、アクリル系粘着剤(6)を得た。
得られたアクリル系粘着剤(6)を、基材としてのポリプロピレンフィルム(商品名「トレファンBO#2548」、東レ(株)製、厚さ:30μm)上に乾燥後の厚みが30μmになるように塗布、乾燥して粘着テープ(6)を得た。
実施例及び比較例で得られたアクリル系粘着剤及び粘着テープについて、下記方法により吸水率、ゲル分率、及び「糊はみ出し」防止性を評価した。
<吸水率の測定>
実施例及び比較例で得られた粘着テープについて、JIS K 7209に準じて、23℃において水に24時間浸漬した後の吸水率(%)を測定した。
<ゲル分率の測定>
離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)上に実施例及び比較例で得られたアクリル系粘着剤を塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して、粘着剤層(厚さ:25μm)を形成した。
得られた粘着剤層を離型剤で表面処理した離型フィルムで覆い、50℃で4日間養生させて、ゲル分率測定用粘着剤層を得た。
得られたゲル分率測定用粘着剤 約0.1gを採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工(株)製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量とする。なお、該浸漬前重量は、ゲル分率測定用粘着剤と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸との合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量とする。
次に、上記のゲル分率測定用粘着剤をテトラフルオロエチレンシートで包み、凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置する。その後、容器からサンプル(酢酸エチル処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量とする。そして、下記の式(1)からゲル分率を算出する。
ゲル分率(重量%)=(A−B)/(C−B)・100 (1)
(式(1)において、Aは浸漬後重量であり、Bは包袋重量であり、Cは浸漬前重量である。)
<糊はみ出し防止性の評価>
実施例及び比較例で得られた粘着テープについて、その粘着剤層面に離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:38μm)を貼り合わせ、10mm×150mm幅に切断して、サンプルを作製した。
得られたサンプルを、23℃で24時間放置し、その後、ステンレス板上にサンプルの基材面が接するように配置して、2kgローラー1往復で押圧した後に前記ステンレス板を垂直に立てかけて、各サンプルの1時間後の状況を観察し、下記基準に基づいて評価した。
評価基準
○:落下している
×:落下せず、ステンレス板に保持している
上記結果を下記表にまとめて示す。
Figure 0005632325
1 基材
2、21、22 粘着剤層
3、31、32 電気化学デバイス用粘着テープ
4 電極端子
5 正極板
6 負極板
7 セパレータ
8 活物質

Claims (6)

  1. プラスチック系基材の少なくとも一方の面に下記アクリル系粘着剤から成る、ゲル分率が60%以上、厚みが1〜15μmである粘着剤層を有し、23℃において、水に24時間浸漬した後の吸水率が0.2%以下である電気化学デバイス用粘着テープ。
    アクリル系粘着剤:少なくともベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーと架橋剤を含有し、前記アクリル系ポリマーが、炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、水酸基含有モノマー及びカルボキシル基含有モノマーから選択される少なくとも1種の官能基含有モノマーとを含むモノマー成分を重合して得られるアクリル系ポリマーであって、前記モノマー成分の80重量%以上が前記炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、前記モノマー成分の1〜10重量%が前記官能基含有モノマーであり、前記架橋剤がエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、及びアルデヒド系化合物から選択される少なくとも1種の化合物である
  2. 炭素数6〜10のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、及び(メタ)アクリル酸イソノニルから選択される1以上である請求項に記載の電気化学デバイス用粘着テープ。
  3. ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全量における、炭素数5以下のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び炭素数11以上のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が20重量%未満である請求項1又は2の何れか1項に記載の電気化学デバイス用粘着テープ。
  4. ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーの重量平均分子量(GPC法による、ポリスチレン換算)が300000〜1200000である請求項1〜3の何れか1項に記載の電気化学デバイス用粘着テープ。
  5. アクリル系粘着剤における架橋剤の含有量が、ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜20重量部である請求項1〜4の何れか1項に記載の電気化学デバイス用粘着テープ。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の電気化学デバイス用粘着テープを適用して得られる電気化学デバイス。
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