JP2012184347A - 共重合ポリエステルアミド、ポリエステルアミド繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、ゴムとの接着性を向上させ、ゴム補強材に適した共重合ポリエステルアミドを提供することである。
【解決手段】ポリエステルを構成する、主たる酸成分がテレフタル酸であり、主たるジオール成分が下記一般式(1)で示されるジオールであり、ポリエステル骨格中に主たるジアミン成分として下記一般式(2)で示されるジアミンを共重合していることを特徴とする共重合ポリエステルアミドによって上記課題を解決することができる。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を表す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を表す。]
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステルを構成する、主たる酸成分がテレフタル酸であり、主たるジオール成分が下記一般式(1)で示されるジオールであり、ポリエステル骨格中に主たるジアミン成分として下記一般式(2)で示されるジアミンを共重合していることを特徴とする共重合ポリエステルアミドによって上記課題を解決することができる。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を表す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を表す。]
【選択図】なし
Description
本発明は共重合ポリエステルアミドに関する。さらに詳しくは、優れたゴム接着性を有する共重合ポリエステルアミドに関し、ゴム補強材をはじめとする各種産業製品に利用可能なポリエステル成形品、ポリエステルアミド繊維、それよりなるゴム補強材に関する。
ポリエステル繊維は、高強度、高ヤング率、耐熱寸法安定性等の多くの優れた特性を有するため、衣料用あるいは産業用など幅広い分野に使用されている。中でも産業資材の内、特に繊維・高分子複合体などの補強用繊維は、高強力、高耐熱性が要求されており、これまで様々な手法による改質が提案・開発されてきた。
しかし、ポリエステル繊維はゴムとの接着性、特に高温下、高ひずみ下での使用用途で要求される接着レベルに対しては十分でない。特にポリエステルタイヤコードの場合ポリアミド繊維やレーヨン繊維対比、接着成分であるレゾルシン/ホルマリン縮合物、ラテックスと反応する官能基を有さないため、接着力が弱く、ゴムとポリエステル界面での剥離が発生しやすい問題を有するため、高いゴム接着性能が要求される高速走行用高級タイヤへの適用は困難であった。一方で、ポリエステルアミドとしては以下に示すような技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
本発明の目的は、ゴムとの接着性を向上させ、ゴム補強材に適した共重合ポリエステルアミドを得ることであり、この共重合ポリエステルアミドを成形することによって産業上、有用なポリエステルアミド成形品を提供することである。
本発明者は、ポリエステル繊維が疎水性であり、あるレゾルシン/ホルマリン縮合物、ラテックス接着成分は水溶液であり、接着成分がポリエステル繊維に十分に濡らされず、その結果ポリエステルとの接着性が低いに馴染みにくくなっている点に着目した。そこで、ポリエステル中に親水性の高いジアミン成分を共重合させることによって、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、共重合ポリエステルアミドを構成する、酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分が下記一般式(1)で示されるジオールであり、ジアミン成分が下記一般式(2)で示されるジアミンであることを特徴とする共重合ポリエステルアミドであり、当該共重合ポリエステルアミドを用いることにより、これによって上記の課題が解決できる。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を表す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を表す。]
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を表す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を表す。]
本発明によれば、ゴムとの接着性が向上したポリエステルアミドを得ることができ、産業上有用なポリエステルアミド成形品、ポリエステルアミド繊維、それよりなるゴム補強材を得ることが可能となる。
以下本発明を詳しく説明する。
<ポリエステルと共重合成分について>
本発明のポリエステルアミドの中のポリエステルポリマーとしては、ポリエステル樹脂を構成する主たる酸成分がテレフタル酸である汎用的なポリエステルポリマーが用いられる。さらに、主たるジオール成分が下記一般式(1)で示されるジオールであることを特徴とする。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を示す。]
<ポリエステルと共重合成分について>
本発明のポリエステルアミドの中のポリエステルポリマーとしては、ポリエステル樹脂を構成する主たる酸成分がテレフタル酸である汎用的なポリエステルポリマーが用いられる。さらに、主たるジオール成分が下記一般式(1)で示されるジオールであることを特徴とする。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を示す。]
また、ポリエステル骨格中に主たるジアミン成分として下記一般式(2)で示されるジアミンを共重合しているポリエステルアミドであることを特徴とする。
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を示す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を示す。]
中でもポリエステル部分の主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、テトラメチレンテレフタレートおよびヘキサメチレンテレフタレートからなる群から選択されたものであることが好ましい。とりわけ物性に優れ、大量生産に適した点を考慮すると、ポリエステル樹脂を構成する主たる酸成分がテレフタル酸、ジオール成分がエチレングリコールであることを特徴とするポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
ポリエステル樹脂を構成する主たる酸成分としては、ポリエステルを構成する全ジカルボン酸成分に対して、テレフタル酸が80モル%以上含有されていることが好ましい。特には90モル%以上含むポリエステルであることが好ましい。ポリエステル部分を構成する主たるジオール成分としては、下記一般式(1)で示されるジオールであり、ポリエステルを構成する全ジオール成分に対して、一般式(1)で示されるジオール80モル%以上含有されていることが好ましい。特には90モル%以上含むポリエステルであることが好ましい。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を示す。]
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を示す。]
一般式(1)で表されるジオール成分の具体的な化合物の例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコールを挙げることができ、これらの中でも、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールおよびヘキサメチレングリコールからなる群から選択されたジオール成分が好ましい。
ポリエステルアミド骨格中に共重合されるジアミン成分としては、下記一般式(2)で示されるジアミンであり、共重合される全ジアミン成分に対して、一般式(2)で示されるジアミン80モル%以上含有されていることが好ましい。特に一般式(2)で表されるジアミンが全ジアミンに対して90モル%以上含むポリエステルアミドであることが好ましい。
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を示す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を示す。]
本発明に用いられる主たるジオール成分としては、工業的入手容易性、得られるポリエステルの機械物性の観点から、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールから選ばれるジオールであることが好ましい。本発明に用いられる主たるジアミン成分としては、工業的入手容易性、得られるポリエステルの機械物性の観点から、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンから選ばれるジアミンであることが好ましい。
例えば、本発明で用いられるポリエステルアミドポリマーとしては、テレフタル酸またはその機能的誘導体を、触媒の存在下あるいは無触媒の条件下で、適当な反応条件の下に重合することができる。また、ポリエステルアミドの重合完結前に、適当な1種または2種以上の第3成分を添加すれば、共重合ポリエステルアミドが合成される。
適当な第三成分としては、(a)2個のエステル形成官能基を有する化合物、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン―2,7―ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのカルボン酸;グリコール酸、p―オキシ安息香酸、p―オキシエトキシ安息香酸などのオキシカルボン酸;プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、p―キシリレングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、p,p′―ジフェノキシスルホン―1,4―ビス(β―ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2―ビス(p―β―ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレングリコール、p―フェニレンビス(ジメチルシクロヘキサン)などのオキシ化合物、あるいはその機能的誘導体;前記カルボン酸類、オキシカルボン酸類、オキシ化合物類またはその機能的誘導体から誘導される高重合度化合物などや、(b)1個のエステル形成官能基を有する化合物、例えば、安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどが挙げられる。さらに(c)3個以上のエステル形成官能基を有する化合物、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、トリカルバリル酸、トリメシン酸、トリメリット酸なども、重合体が実質的に線状である範囲内で使用可能である。
本発明に使用するポリエステルアミドの製造方法は、通常知られているポリエステルの製造方法が用いられる。すなわち、まずテレフタル酸の如きジカルボン酸成分とエチレングリコールの如きジオール成分とを直接エステル化反応させる方法により、ジカルボン酸のジオールエステル及び/又はその低重合体を製造する。または、テレフタル酸ジメチルのごとき、ジカルボン酸成分とエチレングリコールの如きジオール成分とエステル交換触媒の存在下をエステル交換反応させる方法により、ジカルボン酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を製造する。次いでこの低重合体を重合触媒の存在下で減圧加熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることによって、目的とするポリエステルが製造される。ジアミン成分の添加時期については特に制限はない。ジアミン成分が、減圧加熱の条件で、気化してしまうため、好ましくは重縮合反応より前の段階で添加されることが好ましい。
<エステル交換触媒について>
本発明のポリエステルアミドをエステル交換反応により製造する場合、用いるエステル交換触媒については、特に限定されるものではなく、従来公知のエステル交換触媒を用いることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アルミニウム化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えば各金属化合物の酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。
本発明のポリエステルアミドをエステル交換反応により製造する場合、用いるエステル交換触媒については、特に限定されるものではなく、従来公知のエステル交換触媒を用いることができる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタン、マンガン、コバルト、亜鉛、アルミニウム化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えば各金属化合物の酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。
<重合触媒について>
重合触媒については、特に限定されるものではないが、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、スズ化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えばアンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、すずの酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。
重合触媒については、特に限定されるものではないが、アンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、スズ化合物を用いることができる。このような化合物としては、例えばアンチモン、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム、ジルコニウム、すずの酸化物、酢酸塩、カルボン酸塩、水素化物、アルコラート、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。また、これらの化合物は二種以上を併用してもよい。
<ポリエステルの固有粘度>
本発明の共重合ポリエステルアミドの固有粘度(溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:35℃)は特に限定はないが、0.3〜1.4dL/gの範囲にあることが好ましい。該固有粘度が0.3dL/g未満の場合、共重合ポリエステルアミド繊維等の機械的特性が不十分となり、1.4dL/gを超える場合、溶融成形性が低下する為好ましくない、ポリエステルアミドの固有粘度は0.4〜1.3dL/gの範囲が更に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルアミドの固有粘度(溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:35℃)は特に限定はないが、0.3〜1.4dL/gの範囲にあることが好ましい。該固有粘度が0.3dL/g未満の場合、共重合ポリエステルアミド繊維等の機械的特性が不十分となり、1.4dL/gを超える場合、溶融成形性が低下する為好ましくない、ポリエステルアミドの固有粘度は0.4〜1.3dL/gの範囲が更に好ましい。
本発明の共重合ポリエステルアミドは、必要に応じて少量の添加剤、例えば滑剤、リン化合物系安定剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、固相重合促進剤、整色剤、蛍光増白剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、遮光剤、難燃剤又は艶消剤等を含んでいてもよい。特に耐熱性を向上させるため、酸化防止剤を添加することが好ましい。用いられる酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系の酸化防止剤を好ましく用いることができる。
また本発明の共重合ポリエステルアミドは溶融成形して、フィルム、成型品、繊維などのポリエステルアミド成形品を得ることができる。本発明のポリエステルアミド成形品を溶融成形により製造する時の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の方法が用いられる。
本発明のポリエステルアミド繊維を溶融紡糸により製造する時の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の溶融紡糸方法が用いられる。例えば乾燥した共重合ポリエステルアミドを240℃〜300℃の範囲で溶融紡糸して製造することが好ましく、溶融紡糸の速度は400〜9000m/分で紡糸することができ、必要によって延伸工程などを経て繊維の強度を十分なものに高めることが可能である。また紡糸時に使用する口金の形状についても特に制限は無く、円形、異形、中実または中空などのいずれも採用することが出来る。更に本発明のポリエステルアミド繊維は風合を高める為に、アルカリ減量処理も好ましく実施される。
本発明をさらに下記実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例により限定されるものではない。また各種特性は下記の方法により測定した。
(ア)固有粘度:
ポリエステルアミドチップをフェノール・テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶媒に溶解した希薄溶液を、35℃でオストワルト型粘度計を用いて測定した。
ポリエステルアミドチップをフェノール・テトラクロロエタン=6/4(重量比)混合溶媒に溶解した希薄溶液を、35℃でオストワルト型粘度計を用いて測定した。
(イ)ジエチレングリコール(DEG)含有量:
メタノールを用いてポリエステルチップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィ−(ヒューレットパッカード株式会社製(HP6850型))を用いて測定した。
メタノールを用いてポリエステルチップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィ−(ヒューレットパッカード株式会社製(HP6850型))を用いて測定した。
(ウ)示差走査熱量計によるガラス転移温度(Tg)、昇温結晶化温度(Tc)および融点(Tm)測定
TAインスツルメンツ株式会社製Q10型示差走査熱量計を用いて測定した。測定条件は下記の通り。
共重合ポリエステルアミドチップを、300℃で2分間保持、溶融させたものを液体窒素中で急冷・固化させることにより得られた該ポリエステルアミドに対し、示差走査熱量計を用い、窒素気流下、20℃/分の昇温条件にて、現れるピークを観測した。
TAインスツルメンツ株式会社製Q10型示差走査熱量計を用いて測定した。測定条件は下記の通り。
共重合ポリエステルアミドチップを、300℃で2分間保持、溶融させたものを液体窒素中で急冷・固化させることにより得られた該ポリエステルアミドに対し、示差走査熱量計を用い、窒素気流下、20℃/分の昇温条件にて、現れるピークを観測した。
(エ)ポリエステルアミド中のジオール成分及びジアミン成分の量:
共重合ポリエステルアミドサンプルをトリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子株式会社製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定して、そのスペクトルパターンから常法に従って、各プロトン量により定量した。また、共重合ポリエステルアミド骨格中に共重合されているかことの判定として、ポリマーサンプルをヘキサフロロイソプロパノール・クロロホルム混合液に溶解させた後、溶解液をエタノールに加え再沈殿を行い、非共重合成分を除去した。その後、再沈殿物をトリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子株式会社製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定して、そのスペクトルパターンから常法に従って、各プロトン量により定量した。
共重合ポリエステルアミドサンプルをトリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子株式会社製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定して、そのスペクトルパターンから常法に従って、各プロトン量により定量した。また、共重合ポリエステルアミド骨格中に共重合されているかことの判定として、ポリマーサンプルをヘキサフロロイソプロパノール・クロロホルム混合液に溶解させた後、溶解液をエタノールに加え再沈殿を行い、非共重合成分を除去した。その後、再沈殿物をトリフルオロ酢酸/重水素化クロロホルム=1/1混合溶媒に溶解後、日本電子株式会社製JEOL A−600 超伝導FT−NMRを用いて核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定して、そのスペクトルパターンから常法に従って、各プロトン量により定量した。
(オ)接触角:
ポリエステルアミドチップをスチール板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形品を作成した。協和界面科学株式会社製 自動触角測定装置「DM500」を使用し、蒸留水を使用して試験成形品の平坦面の接触角を測定した。60degree未満を合格とした。
ポリエステルアミドチップをスチール板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形品を作成した。協和界面科学株式会社製 自動触角測定装置「DM500」を使用し、蒸留水を使用して試験成形品の平坦面の接触角を測定した。60degree未満を合格とした。
[実施例1]
・ポリエステルアミドチップの製造
テレフタル酸ジメチル(DMT)194.2質量部とエチレングリコール124.2質量部(DMT対比200mol%)との混合物に、酢酸マンガン・4水和物0.025質量部(DMT対比10mmol%)をSUS(ステンレス鋼)製容器に仕込んだ。常圧下で140℃から220℃に昇温しながらエステル交換反応させ、エステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物にリン酸トリメチル0.0210質量部(DMT対比15mmol%)および三酸化二アンチモン0.145質量部(DMT対比50mmol%)を加え、次いでエチレンジアミン12.02質量部(DMT対比20mol%)を添加し、撹拌装置、窒素導入口、減圧口および蒸留装置を備えた反応容器に移した。反応容器内温を250℃まで昇温し、30Pa以下の高真空で重縮合反応を行い、固有粘度0.54dL/gである共重合ポリエステルアミドを得た。さらに常法に従いチップ化した。
・ポリエステルアミドチップの製造
テレフタル酸ジメチル(DMT)194.2質量部とエチレングリコール124.2質量部(DMT対比200mol%)との混合物に、酢酸マンガン・4水和物0.025質量部(DMT対比10mmol%)をSUS(ステンレス鋼)製容器に仕込んだ。常圧下で140℃から220℃に昇温しながらエステル交換反応させ、エステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物にリン酸トリメチル0.0210質量部(DMT対比15mmol%)および三酸化二アンチモン0.145質量部(DMT対比50mmol%)を加え、次いでエチレンジアミン12.02質量部(DMT対比20mol%)を添加し、撹拌装置、窒素導入口、減圧口および蒸留装置を備えた反応容器に移した。反応容器内温を250℃まで昇温し、30Pa以下の高真空で重縮合反応を行い、固有粘度0.54dL/gである共重合ポリエステルアミドを得た。さらに常法に従いチップ化した。
・共重合ポリエステルアミド成形品の製造
共重合ポリエステルアミドチップを窒素気流下140℃で6時間乾燥後、溶融温度270℃で溶融成形し、厚さ2mm×長さ20mm×幅20mmの薄片状ポリエステルアミド成形品を得た。
共重合ポリエステルアミドチップを窒素気流下140℃で6時間乾燥後、溶融温度270℃で溶融成形し、厚さ2mm×長さ20mm×幅20mmの薄片状ポリエステルアミド成形品を得た。
・ポリエステルアミド繊維の製造
ポリエステルアミドチップを窒素気流下140℃で6時間乾燥後、紡糸温度270℃、口金孔径0.27mm、ホール数24の条件で溶融紡糸・延伸し、84dtex(24fil)のポリエステル繊維を得た。結果を表1および表2に示した。
ポリエステルアミドチップを窒素気流下140℃で6時間乾燥後、紡糸温度270℃、口金孔径0.27mm、ホール数24の条件で溶融紡糸・延伸し、84dtex(24fil)のポリエステル繊維を得た。結果を表1および表2に示した。
[実施例2〜4,比較例1]
実施例1において、ジオール成分およびジアミン成分の種類・量を変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1および表2に示した。
実施例1において、ジオール成分およびジアミン成分の種類・量を変更したこと以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1および表2に示した。
本発明によれば、ゴムとの接着性が高く、高い耐熱性を有し、成型加工性の優れたポリエステルアミドを得ることができる。その結果、その後の種々の成形により、フィルム・樹脂・繊維など、ゴム製品を補強可能な各種成形品を生産することができる。
Claims (6)
- 共重合ポリエステルアミドを構成する、酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分が下記一般式(1)で示されるジオールであり、ジアミン成分が下記一般式(2)で示されるジアミンであることを特徴とする共重合ポリエステルアミド。
HO−(CH2)n−OH ・・・・(1)
[nは炭素数2〜10の整数を表す。]
H2N−(CH2)m−NH2 ・・・・(2)
[mは炭素数2〜10の整数を表す。] - ジオール成分がエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコールおよびヘキサメチレングリコールから選ばれるジオールであることを特徴とする請求項1記載の共重合ポリエステルアミド。
- ジアミン成分がエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンから選ばれるジアミンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の共重合ポリエステルアミド。
- 共重合ポリエステルアミド中に含まれるジオール成分とジアミン成分の比率が下記一般式(3)で示されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合ポリエステルアミド。
1mol%≦[Diamine]/([Diol]+[Diamine])≦30mol% (3)
([Diamine]は共重合ポリエステルアミドに対するジアミン成分のモルパーセントを示す。[Diol]は共重合ポリエステルアミドに対するジオール成分のモルパーセントを示す。) - 請求項1〜4のいずれかに記載の共重合ポリエステルアミドを溶融成形して得られることを特徴とするポリエステルアミド成形品。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の共重合ポリエステルアミドを溶融紡糸して得られることを特徴とするポリエステルアミド繊維。
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Cited By (4)
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