JP2012182291A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】固体電解コンデンサをプリント基板に接続する際に半田層からフラックスガスが発生しても、半田付け不良を回避して、プリント基板に対して良好に接続することのできる固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】固体電解コンデンサは、実装面10bに設けられ、陰極電極板11と陽極電極板12との隙間に介在する絶縁性樹脂部の領域、及び陽極電極板12に形成される半田層32の領域を断ち切って、陰極電極板11から実装面10bとプリント基板100との間を通って外部へ導通する外通空間部40を備え、陰極電極板11とプリント基板100との間の半田層31からリフロー半田時に発生するフラックスガス33を外通空間部40を通して外部へ逃がす。
【選択図】図1

Description

本発明は、端子板とコンデンサ素子とを接続することで、面実装に対応した固体電解コンデンサに関する。
コンデンサは、静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子であり、固体電解コンデンサは、一方の電極を化学処理して誘電体層を形成し、導電性モノマーを固体電解質層として用いたコンデンサである。
近年の電子機器の高周波化に伴い、コンデンサは、従来よりも十分な速さで電荷供給ができるように過渡応答性に優れ、従来よりも高周波領域でのインピーダンス特性に優れた製品が求められている。これは、大電流及び低電圧で動作するデジタル回路の電源電圧安定化に対応するためである。
そこで、この要求に応えるべく、固体電解コンデンサにおいては、高周波化に対応するための低ESR(等価直列抵抗)化、及びノイズ除去や過渡応答性に優れた低ESL(等価直列インダクタンス)化が強く要求される。固体電解コンデンサにおいて低ESL化を図るためには、電流経路の長さを極力短くする方法、また電流経路によって形成される磁場を別の電流経路によって形成される磁場により相殺する方法が提案されている。
例えば、出願人は、コンデンサ素子と基板を組み合わせた新規な固体電解コンデンサとして、特願2009−88320や国際特許出願PCT/JP2009/04035を提案している。このうち、特願2009−88320の固体電解コンデンサにおいて、コンデンサ素子は、陽極体の中央に設けた凹部の内面に誘電体酸化皮膜層を形成し、固体電解質層(重合性モノマーとしては、一例として、チオフェン、ピロールまたはその他の誘導体が挙げられる)および陰極部を介してコンデンサ素子の外部に電力の引き出し口を形成する。
さらに、コンデンサ素子は、搭載基板を介して固体電解コンデンサの外部に陰極電極を引き出すと共に、コンデンサ素子の中央部分の周囲を陽極部とし、この陽極部および搭載基板の導体を介して陽極電極を引き出す。このような固体電解コンデンサによれば、陽極、陰極とも固体電解コンデンサ内部での電流経路を短くすることができる。
また、国際特許出願PCT/JP2009/04035の固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子と組み合わせる基板として、次のような端子板を備えている。すなわち、端子板には、薄い金属板からなる陽極電極部および陰極電極部を同一平面上に間隙を保って配置する。これら陽極電極部と陰極電極部の間隙部には絶縁性樹脂を介在させ、絶縁性樹脂により陽極電極部と陰極電極部とを電気的に絶縁すると共に両電極部をシート状に一体化している。
このような端子板をコンデンサ素子の接続面に重ね合わせ、コンデンサ素子の陽極引出部に端子板の陽極電極部を、コンデンサ素子の陰極引出部に端子板の陰極電極を、それぞれ電気的に接続する。このような技術によれば、コンデンサ素子の陽極引出部および陰極引出部から、電流の出口である端子板の陽極電極部および陰極電極部までの距離が、端子板の厚さの距離だけで達成可能であり、電流経路の短縮化を図ることができる。
上述した特願2009−88320あるいは国際特許出願PCT/JP2009/04035に開示された技術では、いずれも、固体電解コンデンサの容量形成部から、電力の引き出し口としての電極までの距離が極めて短くなり、また、固体電解コンデンサの薄型化を進めることができる。したがって、電流経路の短縮化を図って低ESL化を進めることができ、過応答特性の良好な固体電解コンデンサが実現可能となる。
特願2009−88320 PCT/JP2009/004035
特許文献1及び2に示された固体電解コンデンサは、半田リフロー工程において、プリント基板に対して傾いて接続されてしまうなど、半田付け不良が生じることがある。半田付け不良について原因を究明したところ、固体電解コンデンサの端子板から露出する陰極電極板とプリント基板とを接続する半田層のフラックスがガス化してフラックスガスが発生し、ガス圧力によって固体電解コンデンサが持ち上げられてしまうことが確認された。
フラックスガスの発生と半田付け不良のメカニズムについて図9に基づき説明する。図9の(a)は従来の固体電解コンデンサの端子板の実装面側を示す斜視図であり、(b)はフラックスガスが発生した状態を示す実装面側の平面図であり、(c)は従来の固体電解コンデンサをプリント基板に接続したときの側面図である。
図9の(a)に示すように、端子板10は、陰極電極板11と陽極電極板12とを絶縁性樹脂層14を介して一体化して形成されている。陰極電極板11は、正方形状を有する銅板であり、陽極電極板12は、正方形の枠形状を有する銅板である。陽極電極板12は、陰極電極板11の全周囲を取り囲んでおり、陰極電極板11と同一平面上に所定の隙間を保って配置される。この端子板10にコンデンサ素子が搭載されることにより、固体電解コンデンサは形成される。このように陰極電極板11の全周囲を取り囲んで陽極電極板12を配置することで、電流経路の短縮化を図って低ESL化が可能となり、またESR特性も良好となる。
しかしながら、この固体電解コンデンサをプリント基板100にリフロー半田付けすると、図9の(b)に示すように、陰極電極板11を全周囲から取り囲んだ陽極電極板12の全域に半田層32が塗布されることになる。そうすると、半田層31は、半田層32によって全周囲を取り囲まれてしまう。そのため、半田層31のフラックスから発生したフラックスガス33は、周囲の陽極電極板12の半田層32に遮られて、外部への逃げ道が閉ざされた状態となる。
そのため、図9の(c)に示すように、フラックスガス33が逃げ場を失うことでガス圧力が上昇し、ついには固体電解コンデンサを持ち上げてしまう。固体電解コンデンサが持ち上げられた状態でプリント基板100に接続されると、固体電解コンデンサが傾いてしまう等の半田不良が生じる。
このような問題点は、陰極電極板11の全周囲に半田層31と同じか、それよりも高い隔壁15を設けた場合にも発生する。隔壁15は、絶縁性樹脂層14が陰極電極板11及び陽極電極板12の表面より実装面10a側へ突出して形成されたものである。隔壁15は、陰極電極板11及び陽極電極板12を一体化するに当たり、その接合強度を高めるため、及び半田層31,32の短絡を防止するためである。しかし、同時に、この隔壁15は、陰極電極板11の全周囲を囲ってしまうこととなる。そのため、隔壁15によっても半田層31から発生したフラックスガス33の逃げ場は失われ、ガス圧力が上昇し、固体電解コンデンサを持ち上げてしまう。
以上述べたように、陰極電極板11の全周囲を取り囲んで陽極電極板12を絶縁性樹脂層14を介して一体化した端子板10をプリント基板100に接続する固体電解コンデンサにおいては、陽極電極板12の全域に半田層32を設けたり、隔壁15を設けると、フラックスガス33の逃げ場が閉ざされてガス圧力により持ち上げられてしまうことが確認された。
本発明は、上記のような問題点を解決するために提案されたもので、固体電解コンデンサをプリント基板に接続する際に半田層からフラックスガスが発生しても、半田付け不良を回避して、プリント基板に対して良好に接続することのできる固体電解コンデンサを提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る固体電解コンデンサは、端子板の陰極電極板とプリント基板との間に設けられる半田層からリフロー半田時に発生するフラックスガスを外部へ逃がす経路を形成することを特徴とする。
すなわち、本発明に係る固体電解コンデンサは、端子板と該端子板の搭載面に接続されるコンデンサ素子とを有し、該端子板の実装面に露出した陰極電極板及び陽極電極板が半田層を介してプリント基板に接続される固体電解コンデンサであって、前記端子板は、前記陽極電極板を前記陰極電極板の周囲を所定の隙間を保って囲うように同一平面上に配置し、その隙間に絶縁性樹脂部を介することで、前記陰極電極板と前記陽極電極板とを一体化し、前記絶縁樹脂部は、前記実装面の表面において前記陽極電極板を横断して外部へ至るように前記隙間から延設され、前記半田層よりも薄い延設部を有すること、を特徴とする。
また、前記絶縁性樹脂部は、前記隙間から前記実装面側に突出し、前記陰極電極板の周囲を囲う隔壁と、前記隔壁の一部を切り欠いた切欠部と、を更に備えるようにしてもよい。
前記延設部は、前記陽極電極板の各角部に形成されているようにしてもよい。
前記半田層よりも薄い前記延設部とは、前記陽極電極板の表面から10μm〜60μm突出することが好適である。
本発明によれば、リフロー半田時に発生するフラックスガスは、陽極電極板上の絶縁樹脂層の延設部とプリント基板との間を通って外部へ導出される。そのため、プリント基板と固体電解コンデンサとの間でガス圧力が高まることはなく、フラックスガスにより固体電解コンデンサが持ち上げられることはない。従って、プリント基板への半田付け不良は回避され、プリント基板に対して固体電解コンデンサを良好に接続することができる。また、陰極電極板の全周囲を取り囲んで陽極電極板を設置することで、電流経路の短縮化を図って低ESL化が可能となり、またESR特性も良好な固体電解コンデンサが実現できる。
第1の実施形態に係る固体電解コンデンサの内部構造を示す図である。 第1の実施形態に係る端子板の構成を示す図である。 第1の実施形態に係るコンデンサ素子の構成を示す図である。 第1の実施形態において、コンデンサ素子を端子板に搭載した状態を示す図である。 第1の実施形態において、固体電解コンデンサをプリント基板へ搭載した状態フラックスガスの状態を示す図である。 第2の実施形態に係る端子板の構成を示す図である。 第2の実施形態において、コンデンサ素子を端子板に搭載した状態を示す図である。 第3の実施形態に係る端子板の構成を示す図である。 従来の固体電解コンデンサにおけるフラックスガスの状態を示す図である。
以下、本発明に係る固体電解コンデンサの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1の実施形態]
[1.固体電解コンデンサの構成]
第1の実施形態に係る固体電解コンデンサの概略構成を図1に示す。図1の(a)は、固体電解コンデンサの内部構造をコンデンサ素子の搭載面から見た上面図であり、コンデンサ素子の一部領域を破断して端子板の搭載面を露出させている。図1の(b)は、固体電解コンデンサをプリント基板に接続した状態でコンデンサの角を側面から見た矢視図である。
図1の(a)に示す固体電解コンデンサは、コンデンサ素子20を端子板10の搭載面10aに積層して構成される。コンデンサ素子20は、1枚に限らず、複数枚が積層されてもよい。このコンデンサ素子20は、十字型の形状を有し、中心が陰極引出部21、四方に突出した腕部が陽極引出部22となっている。端子板10は、5mm四方の正方形の板部材であり、中心領域が陰極電極板11、各辺端部が陽極電極板12となっている。端子板10は、陰極電極板11と陽極電極板12とが絶縁性樹脂層14を介して側面で突き合わされることにより一体化され、絶縁が図られると共に、陰極電極板11及び陽極電極板12の表裏が電気的に導通している。
コンデンサ素子20は、陰極引出部21が半田層や導電接着剤層を介して陰極電極板11の搭載面10a側表面に接続され、陽極引出部22が半田層や導電接着剤層を介して陽極電極板12の搭載面10a側表面に接続されることで、端子板10の搭載面10aに搭載されている。この固体電解コンデンサは、陰極引出部21及び陽極引出部22から、電流の出口である端子板10の陰極電極板11及び陽極電極板12までの距離が端子板10の厚さだけの距離であるため、電流経路の短縮化が図られている。
図1(b)に示すように、固体電解コンデンサは、陰極電極板11の搭載面10b側とプリント基板100との間に半田層(陰極半田層31)を介在させ、陽極電極板12の搭載面10b側とプリント基板100との間に半田層(陽極半田層32)を介在させて、プリント基板100に接続されるとともに、プリント基板100上にコンデンサ素子20を覆うように樹脂モールドされる。
この固体電解コンデンサは、端子板10の実装面側10bの各角部に外通空間部40が形成されている。外通空間部40は、陰極半田層31に含まれるフラックスが半田リフロー工程でガス化することにより発生したフラックスガス33を、実装面10bとプリント基板100との間から外部へ導出する排出流路である。この外通空間部40は、陰極半田層31が形成される陰極電極板11から外部へ導通している。
[2.端子板の詳細構成]
端子板10について図面を参照しつつ更に詳細に説明する。図2は、端子板10の構成を示す図であり、(a)は端子板10を実装面10bから見た斜視図であり、(b)は陰極電極板11と陽極電極板12の配置関係を示す図、(c)は端子板10の断面図である。
図2の(a)乃至(c)に示すように、端子板10は、陰極電極板11と陽極電極板12とを側面で突き合わせ、間に絶縁性樹脂層14を介在させて一体化して形成されている。陰極電極板11と陽極電極板12の配置位置は、コンデンサ素子20の陰極引出部21と陽極引出部22の配置位置とほぼ一致する。
陰極電極板11は、正方形状で実装面10bに露出している。陽極電極板12は、陰極電極板11の周囲に所定の間隔を保って実装面10bに露出している。この陽極電極板12は、それぞれ略長方形状に区分されて実装面10b上に露出しており、陰極電極板11の各辺に長手辺が沿うように一対一で対応して臨んでいる。
実装面10bにおいて、陽極電極板12の各露出領域の間には、延設部16が延設されている。延設部16は、陰極電極板11の各角部を始端とし、端子板10の各角部の方向を延び方向とし、端子板10の外周縁を終端とする。延設部16の厚みは、プリント基板100と接続する陰極半田層31及び陽極半田層32の厚みよりも薄くなっている。この延設部16は、陽極半田層32による陰極電極板11の完全包囲を断ち切り、陰極電極板11の空間を開放する。詳細には、延設部16は、陽極電極板12を実装面10bにおいて4つの露出領域に区切ることで、陽極電極板12上にのみ塗布される陽極半田層32を4つの領域に分断する。尚、延設部16の全幅に亘って陰極半田層31よりも低い部分を設ける必要はない。
外通空間部40は、この延設部16により形成される。すなわち、延設部16は、端子板10の外周へ至るまで陰極半田層31よりも薄く、且つ陽極半田層32が付着しない。従って、延設部16とプリント基板100との間には、外部へ通じる空間が区画される。フラックスガス33は、この延設部16が形成する空間に流入し、固体電解コンデンサの外部へ導出される。
このような端子板10は、図2の(b)に示すように、正方形状の陰極電極板11を、ロの字型、すなわち正方形の枠体である陽極電極板12で囲って形成される。陰極電極板11と陽極電極板12は、厚さが15〜100μm程度の薄い銅板である。銅板は、圧延銅箔や銅合金箔を材料として形成されている。
陽極電極板12の内部面積は、陰極電極板11よりも若干広く設計されている。陽極電極板12は、陰極電極板11の周囲を囲むように同一平面上に配置され、陰極電極板11と所定の隙間を保っている。陰極電極板11と陽極電極板12との間の隙間部13は、例えば0.1mm程度に確保される。
図2の(c)に示すように、端子板10は、隙間部13を埋めるように絶縁性樹脂層14が介在することで、陰極電極板11と陽極電極板12とを同一平面上に保って一体化している。絶縁性樹脂層14は、陰極電極板11と陽極電極板12とを電気的に絶縁する絶縁部材であると同時に、陰極電極板11と陽極電極板12とを一体化するバインダである。絶縁性樹脂層14の材質は、絶縁性、両電極板11,12との密着性、強度等が固体電解コンデンサに適合するものであり、例えばポリエステル樹脂やポリイミド樹脂である。
絶縁性樹脂層14は、隙間部13の他、隙間部13の周囲、及び陽極電極板12の枠体一部表面を横断して端子板10の外周へ至るように塗布され、熱硬化することで形成される。
延設部16は、陽極電極板12の枠体の連続性を実装面10b上において断ち切るように絶縁性樹脂層14を延設された部分である。すなわち、延設部16を形成する絶縁性樹脂層14は、外通空間部40としての機能を付与するため、第1に、陰極電極板11の各角部から、陽極電極板12の表面を実装面10bにおいて横断し、端子板10の各角部へ延設される。そして、第2に、その厚みは、陰極半田層31よりも薄く形成される。延設部16を形成する絶縁性樹脂層14の厚みは、陰極半田層31よりも薄いことが求められ、特に陽極電極板12の表面から10μm〜60μmの厚みで突出させることが望ましい。
[3.コンデンサ素子の詳細構成]
次に、固体電解コンデンサのコンデンサ素子20について図面を参照しつつ更に詳細に説明する。図3は、コンデンサ素子20の構成を示す図であり、(a)は全体構成、(b)は陽極体のエッチング段階、(c)は陰極引出部21の形成段階を示す。
このコンデンサ素子20は、図3の(a)に示すように、十字型形状を有する陽極体の板から形成される。陽極体は、厚さが100〜500μm程度で、アルミニウム等の弁金属板または弁金属箔からなる。
図3の(b)に示すように、このコンデンサ素子20の中央部には、両面がエッチング処理により拡面化され、多孔質のエッチング層23が形成される。四方に突出した腕部は、未エッチング部であり、コンデンサ素子10の陽極引出部22となる。エッチング層23には誘電体層となる誘電体酸化皮膜を形成し、図2の(c)に示すように、固体電解質層、グラファイト層、及び銀ペースト層からなる陰極引出部22を順次形成する。
この場合、エッチング層23は、例えば、厚さ120μm程度の陽極体であれば、両面より40μm程度の深さで形成する。陽極体の残芯層の厚さは40μm程度となる。
誘電体酸化皮膜は、陽極酸化による化成処理にて行い、エッチング層23の表面に酸化アルミニウムからなる誘電体酸化皮膜を形成する。陽極酸化は、エッチング層23をホウ酸やアジピン酸等の水溶液に浸漬した状態で所定の電圧を印可する。
固体電解質層は、陽極体を重合性モノマー溶液と酸化剤溶液に順次浸漬し、各液より引き上げて重合反応を進めることにより形成する。固体電解質層の形成は、重合性モノマー溶液と酸化剤溶液を塗布又は吐出する方法によって形成してもよい。また、重合性モノマー溶液と酸化剤を混合した混合溶液に陽極体を浸漬したり、塗布する方法であってもよい。また、固体電解コンデンサの分野で用いられる電解重合による方法や、導電性高分子溶液の塗布及び乾燥によって固体電解質層を形成することもできる。
これらの固体電解質の形成方法に用いられる重合性モノマー溶液としては、チオフェン、ピロール、またはそれらの誘導体を好適に使用することができる。チオフェン誘導体の中でも、3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いると好適である。酸化剤としては、エタノールに溶解したパラトルエンスルホン酸第二鉄、過ヨウ素酸、もしくはヨウ素酸の水溶液を用いることができる。
さらに、コンデンサ素子20には、陽極引出部22と陰極引出部21との境界に、これらを区分する分離部24が形成される。分離部24は、エッチング処理後に絶縁性の樹脂を塗布してエッチング層23の内の該当部分に浸透させることで形成されている。この分離部24は、陽極引出部22と陰極引出部21との絶縁を図っている。
このコンデンサ素子20は、1枚に限らず、複数枚が積層されてもよい。コンデンサ素子20を複数枚を積層する場合は、各コンデンサ素子の陰極引出部21同士、陽極引出部22同士を、それぞれ半田や導電性接着剤にて接続し一体化する。
尚、本実施形態では、コンデンサ素子20を十字型形状を有する陽極体から形成する例を示したが、コンデンサ素子20の製法としては当該方法に限られない。例えば、長板の両端部分を陽極引出部22とし、中心部分を陰極引出部21とした2枚の陽極体を向きが直交するようにして、陰極引出部21部分を重ね合せ、全体として十字形状のコンデンサ素子20を形成するようにしてもよい。また、長板の片端部分を陽極引出部22とし、他端部を陰極引出部21とした4枚の陽極体を直角の回転角度の向きとなるようにして、陰極引出部21部分を重ね合わせ、全体として十字形状のコンデンサ素子20を形成するようにしてもよい。
このコンデンサ素子20は、端子板10への搭載時に陰極引出部21と陽極引出部22とが同一面に配置されることが好ましい。このため、陽極引出部22の表面に金属片を接合するようにしてもよい。または、陽極体の中心部に予め凹部を形成し、この凹部の内側にエッチング層23、誘電体酸化皮膜、固体電解質層、グラファイト層、銀ペースト層を形成してもよい。この金属片の接合や、凹部の形成により、陰極引出部21と陽極引出部22との高さ調整がなされる。
[4.コンデンサ素子の端子板への搭載]
このコンデンサ素子20を端子板10へ搭載した状態を図4に示す。図4は、固体電解コンデンサの断面図である。図4に示すように、端子板10へコンデンサ素子20を搭載する際には、コンデンサ素子20の陰極引出部21と端子板10の陰極電極板11の搭載面10a側との間に半田層又は導電接着剤層を塗布し、陽極引出部22と陽極電極板12の搭載面10a側との間に半田層又は導電接着剤層を塗布して接続する。
絶縁性樹脂層14は、搭載面10a側にも隙間部13から突出しているため、両半田層間は、この絶縁性樹脂層14により区切られている。そのため、両半田層の流動は堰き止められ、陰極電極板11と陽極電極板12との短絡は防止される。
[5.プリント基板への搭載]
固体電解コンデンサをプリント基板100へ搭載した状態を図5に示す。図5の(a)は、コンデンサの角から中心に向かう断面図、(b)は、コンデンサの側面を角からみた矢視図、(c)は、端子板10を実装面10bから見た状態を示し、(d)は固体電解コンデンサを側面から見た状態を示す。
図5の(a)乃至(c)に示すように、固体電解コンデンサをプリント基板100へ搭載する際には、端子板10の実装面10bに露出する陰極電極板11とプリント基板100との間に陰極半田層31を塗布し、端子板10の実装面10bに露出する陽極電極板12とプリント基板100との間に陽極半田層32を塗布する。
但し、延設部16は、樹脂で形成されており半田レジスト膜として機能するため、延設部16上に陽極半田層32が形成されない。従って、延設部16は、半田リフロー時に延設部16上の空間が陽極半田層32で塞がれることを防止する。また、延設部16は、陰極半田層31及び陽極半田層32の厚みよりも薄い。そのため、延設部16が画する空間は、フラックスガス33の外通空間部40となる。
このように、陽極電極板12により陰極電極板11が取り囲まれていても、延設部16が陽極電極板12を実装面10bにおいて横断しているため、陰極電極板11が陽極半田層32によって完全に取り囲まれることはなくなる。そのため、固体電解コンデンサには、陰極電極板11から端子板10の外周へ通じる外通空間部40が形成されることとなり、フラックスガス33が陰極電極板11の下で発生しても、フラックスガス33は外通空間部40を通って固体電解コンデンサの外部へ排出される。
従って、陰極電極板11の全周囲を取り囲んで陽極電極板12を設置することで、電流経路の短縮化を図って低ESL化が可能となり、またESR特性も良好な固体電解コンデンサが実現できる。
以上により、図5の(d)に示すように、フラックスガス33が固体電解コンデンサとプリント基板100との間に閉じこめられることはなく、フラックスガス33の圧力は外通空間部40を通って外部へ逃げるため、固体電解コンデンサはプリント基板100に対して水平を保たれ、固体電解コンデンサがプリント基板100に対して傾いて接続されてしまう半田付け不良を回避できる。これにより、陰極電極板11の全周囲を取り囲んで陽極電極板12を設置することができ、電流経路の短縮化を図って低ESL化が可能となり、またESR特性も良好な固体電解コンデンサが実現できる。
[第2の実施形態]
[1.端子板の構成]
第2の実施形態に係る固体電解コンデンサについて図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、コンデンサ素子20の構成は第1の実施形態と同一につき、その詳細な説明を省略する。また、第1の実施形態と同一機能又は同一構成については、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6は、第2の実施形態に係る固体電解コンデンサの端子板10の構成を示す図であり、(a)は端子板10を実装面10bから見た斜視図であり、(b)は陰極電極板11と陽極電極板12の配置関係を示す図、(c)は端子板10の断面図である。
図6に示すように、第2の実施形態に係る端子板10は、実装面10bにおいて、80μm幅の隔壁15が陰極電極板11と陽極電極板12との間に形成されている。隔壁15は、陰極電極板11を全周囲から囲い、陰極電極板11の表面よりも突出し、陰極半田層31と同程度の厚みを有している。
この隔壁15は、この絶縁性樹脂層14のうち、隙間部13から実装面10b側へ突出し、隙間部13の周囲に拡がった部分である。陰極半田層31と陽極半田層32との電気的な導通を回避する機能を隔壁15に付与するため、隔壁15を形成する絶縁性樹脂層14は、半田層31,32と同程度の厚さ、例えば70μm〜100μmの厚さで塗布される。但し、隔壁15は、プリント基板100と共に、陰極電極板11と外部とを隔離することとなる。
そのため、実装面10bにおいて、隔壁15の各角部には、隔壁15を切り欠いて形成された切欠部17が形成されている。切欠部17は、絶縁性樹脂層14のうち、隔壁15の各角部を陰極半田層31の厚みよりも薄く形成される。すなわち、この切欠部17は、隔壁15による陰極電極板11の包囲を破り、陰極電極板11の空間を開放する。
延設部16は、この切欠部17と連続して延設されている。第2の実施形態に係る固体電解コンデンサの外通空間部40は、この切欠部17と延設部16とにより形成される。すなわち、切欠部17は、隔壁15の内外を導通させている。切欠部17に接続された延設部16は、端子板10の外周へ至るまで陰極半田層31よりも薄く、且つ陽極半田層32が付着しない。従って、延設部16とコンデンサ素子20との間には、外部へ通じる空間が区画される。フラックスガス33は、この切欠部17から延設部16とコンデンサ素子20とが形成する空間に流入し、固体電解コンデンサの外部へ導出される。
[2.プリント基板への搭載]
この固体電解コンデンサをプリント基板100へ搭載した状態を図7に示す。図7の(a)は、コンデンサの角から中心に向かう断面図、(b)は、コンデンサの側面を角からみた矢視図、(c)は、端子板10を実装面10bから見た状態を示し、(d)は固体電解コンデンサを側面から見た状態を示す。
図7に示すように、固体電解コンデンサをプリント基板100へ搭載すると、陰極半田層31と陽極半田層32との間は、これら半田層31,32と同じ厚さの隔壁15により区切られている。しかし、切欠部17は、隔壁15を破って、陰極電極板11の露出領域と隔壁15の外部とを導通させているため、フラックスガス33が陰極電極板11の領域で発生しても、フラックスガス33は当該領域から隔壁15の外部へ逃げることができる。更に、切欠部17から導出したフラックスガス33は、切欠部17と連続する延設部16が画する空間を流路とし、固体電解コンデンサの外部へ導出する。
このように、隔壁15と陽極電極板11とにより2重に陰極電極板11を取り囲んでいても、隔壁15に切欠部17が形成されていることにより、陰極電極板11が隔壁15によって完全に取り囲まれることはなくなり、延設部16が陽極電極板11を実装面10bにおいて横断することにより、陰極電極板11が陽極半田層32によって完全に取り囲まれることはなくなる。そのため、固体電解コンデンサには、陰極電極板11の端子板10の外周へ通じる外通空間部40が形成されることとなり、フラックスガス33が陰極電極板11の下で発生しても、フラックスガス33は外通空間部40を通って固体電解コンデンサの外部へ排出される。
また、本実施形態では、切欠部17は、隔壁15の各角部に形成するようにし、延設部16も端子板10の各角部から外周へ至るように形成している。従って、外通空間部40を形成しても、陽極電極板12のプリント基板100への1カ所当たりの接続面積は広くなり、プリント基板100への固体電解コンデンサの接着強度は高くなる。
以上により、図7の(d)に示すように、フラックスガス33が固体電解コンデンサとプリント基板100との間に閉じこめられることはなく、フラックスガス33の圧力は外通空間部40を通って外部へ逃げるため、固体電解コンデンサはプリント基板100に対して水平を保たれ、固体電解コンデンサがプリント基板100に対して傾いて接続されてしまう半田付け不良を回避できる。これにより、陰極電極板11の全周囲を取り囲んで陽極電極板12を設置することができ、電流経路の短縮化を図って低ESL化が可能となり、またESR特性も良好な固体電解コンデンサが実現できる。
[他の実施形態]
以上のように、本発明の各実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。そのような変形例も実施形態と共に発明の範囲や要旨に含まれる。
例えば、図8は、他の実施形態に係る固体電解コンデンサの端子板10の構成を示す図であり、(a)は端子板10を実装面10bから見た斜視図であり、(b)は端子板10を実装面10bから見た上面図である。この実施形態に係る固体電解コンデンサは、延設部16の形成位置の変形例である。絶縁性樹脂層14を延設して形成する延設部16は、陰極電極板11から端子板10の角部までの領域に限らず、何れに設けるようにしてもよい。例えば、隙間部13の各辺の両端から、隙間部13の辺と直交する方向に端子板10の外周へ延設部16を延設するようにして、計8カ所に外通空間部40を形成するようにしてもよい。
10 端子板
10a 搭載面
10b 実装面
11 陰極電極板
12 陽極電極板
13 隙間部
14 絶縁樹脂層
15 隔壁
16 延設部
17 切欠部
20 コンデンサ素子
20a 素子個片
20b 素子個片
21 陰極引出部
22 陽極引出部
23 エッチング層
24 分離部
31 陰極半田層
32 陽極半田層
33 フラックスガス
40 外通空間部
100 プリント基板

Claims (4)

  1. 端子板と該端子板の搭載面に接続されるコンデンサ素子とを有し、該端子板の実装面に露出した陰極電極板及び陽極電極板が半田層を介してプリント基板に接続される固体電解コンデンサであって、
    前記端子板は、前記陽極電極板を前記陰極電極板の周囲を所定の隙間を保って囲うように同一平面上に配置し、その隙間に絶縁性樹脂部を介することで、前記陰極電極板と前記陽極電極板とを一体化し、
    前記絶縁樹脂部は、前記実装面の表面において前記陽極電極板を横断して外部へ至るように前記隙間から延設され、前記半田層よりも薄い延設部を有すること、
    を特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記絶縁性樹脂部は、
    前記隙間から前記実装面側に突出し、前記陰極電極板の周囲を囲う隔壁と、
    前記隔壁の一部を切り欠いた切欠部と、
    を更に備えること、
    を特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記延設部は、
    前記陽極電極板の各角部に形成されていること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記半田層よりも薄い前記延設部は、
    前記陽極電極板の表面から10μm〜60μm突出すること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
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