JP2012181967A - 非水電解質二次電池の製造方法および非水電解質二次電池用塗布極板の乾燥装置 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法および非水電解質二次電池用塗布極板の乾燥装置 Download PDF

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Abstract

【課題】負極活物質同士の結着性および負極活物質層と芯体との結着性を高めた負極極板を備える非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の製造方法においては、負極活物質スラリーが負極芯体に塗布された塗布極板を、温度55〜70℃および相対湿度30%以下の雰囲気中で乾燥する。塗布極板を前記雰囲気中で乾燥することにより、乾燥中、結着剤が負極活物質スラリー中を移動することを抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、負極活物質スラリーを用いてなる負極極板を備えた非水電解質二次電池の製造方法および負極極板前駆体である塗布極板を乾燥する乾燥装置に関する。
近年、携帯型電子機器等の高機能化に伴い、非水電解質二次電池のさらなる高容量化の要求が大きくなっており、極板中に、従来と比べて活物質をより高密度に充填させることが求められている。しかし、極板中に活物質を高密度に充填すると、活物質層と芯体との密着強度が低下する。このため。少ない添加量で活物質層と芯体との密着強度を高めることができる結着剤が求められている。
従来、この種の電池の結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン等のようなフッ素樹脂系の結着剤が用いられることが多かったが、フッ素樹脂系の結着剤は、十分な結着性を得るために比較的多量の配合を必要とする。しかし、結着剤量を増やすと、その分活物質層中の活物質量が減少する。このため、電池容量が低下するという問題がある。また、結着剤量を増やすと、極板自体の抵抗が上昇し、電池特性が低下させるという問題がある。
一般に、極板は活物質および結着剤を所定の分散媒と混合して活物質スラリーを調製し、その活物質スラリーを芯体に塗布し、乾燥し、圧延することにより作製される。よって、活物質層と芯体との密着性(結着性)は、単に結着剤の添加量および種類に依存するのではなく、極板の製造条件にも影響を受ける。下記特許文献1、2においては、活物質層の乾燥条件を調節することにより、活物質層と芯体との密着性を向上させる試みが行われている。
特開2006−66243号公報 特開2008−103098号公報
特許文献1の技術は、活物質層を乾燥し圧縮した後に、結着剤の結晶化温度以上、溶融点未満の温度で熱処理することを特徴とする技術である。この技術では、結着剤が再結晶化する温度で活物質層を熱処理するため、この熱により活物質層にシワが発生することがあり、このシワにより製造歩留まりが低下するという問題がある。
特許文献2の技術は、溶媒の高温蒸気の存在下で電極板を加熱して溶媒を除去することを特徴とする技術である。この技術では、高温蒸気により合剤塗料の乾燥速度を抑制するとともに、高温蒸気によりバインダー(結着剤)を溶融させることにより、電極活物質の塗工膜と集電体(芯体)の密着強度を向上させる等する。この技術においても高温での熱処理を行うので、芯体にシワが発生する恐れがある。また、この技術では、蒸気を用いるので、活物質層に含まれる蒸気を取り除くための乾燥工程を必要とするという問題がある。
ところで近年、環境に対する負荷の低減や製造コストの一層の削減が要請されている。このため、電極板製造に用いる分散媒としては、有機溶媒ではなく、水を用いることが望ましいが、従来より用いられているポリフッ化ビニリデン等のようなフッ素樹脂系結着剤は、水不溶性であり、水との相性が悪い。
他方、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム系結着剤は、水に溶けないため、分散媒として水を用いた場合、乾燥時に結着剤粒子が活物質層中を移動する。このため、結着剤が、活物質層の表面から芯体に向かって不均一に存在することになり、活物質同士の結着性および活物質と芯体との結着性が低下する。また、結着剤粒子の偏在化は、充放電サイクルの繰り返しにより、活物質が芯体から脱落したり、電極板の特定部位における電気抵抗の上昇を招くなどの問題を発生させ、電池のサイクル特性の低下や電池膨張を招くという問題がある。
本発明は、以上の問題点を解消する発明であって、簡単な方法でもって活物質同士の結着性および活物質層と芯体との結着性を高め、もって特段のコスト上昇を伴うことなく非水電解質二次電池の電池性能、特にサイクル特性を高めることを目的とする。
本発明は、負極芯体と、前記負極芯体上に形成された負極活物質層と、を備える負極極板を含む非水電解質二次電池の製造方法において、少なくとも、負極活物質と結着剤と水とを混合して、負極活物質スラリーを調製するスラリー調製工程と、負極活物質スラリーを負極芯体に塗布して、塗布極板を得る塗布極板形成工程と、温度55〜70℃でかつ相対湿度30%以下の雰囲気中で、塗布極板から水を揮発除去して、塗布された負極活物質スラリーを、負極活物質層となす乾燥工程と、を含むことを特徴とする、非水電解質二次電池の製造方法に関する。
前記製造方法において、乾燥工程は、塗布極板に、温度55〜70℃かつ相対湿度30%以下のガスを直接吹きかけることによって行われることが好ましい。
前記製造方法は、前記乾燥工程の後に、乾燥後の前記塗布極板を、前記負極活物質層の充填密度が1.4〜1.7g/cmとなるように圧延する圧延工程、をさらに含むことが好ましい。この場合、負極活物質は炭素質材料であることが好ましい。
前記製造方法において、結着剤は、ゴム系結着剤からなることが好ましい。前記ゴム系結着剤は、スチレン−ブタジエンゴム、1,3−ブタジエンゴム、2,3−ジメチルブタジエンゴム、イソプレンゴム、1,3−ペンタジエンゴム、アクリル酸エチルゴム、アクリル酸ブチルゴム、およびメタクリル酸共重合体ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記製造方法において、乾燥工程における雰囲気の相対湿度は5%以上であることが好ましい。
また、本発明は、負極活物質と結着剤と水とを含む負極活物質スラリーを負極芯体に塗布してなる塗布極板を乾燥する非水電解質二次電池用塗布極板の乾燥装置であって、前記塗布極板を乾燥する乾燥室と、温度が55〜70℃で相対湿度が30%以下の乾燥空気を調整する温度−湿度調整部と、前記温度−湿度調整部で調整した乾燥空気を前記乾燥室に導入する導入部と、を備える非水電解質二次電池用塗布極板の乾燥装置に関する。
本発明の製造方法においては、水を分散媒として含む負極活物質スラリーの塗膜を、温度55〜70℃かつ相対湿度30%以下の雰囲気中で乾燥することにより、水の蒸発速度を調節している。このため、乾燥中に結着剤が前記塗膜中をほとんど移動することない。つまり、結着剤を前記塗膜中にほぼ均一に分散させた状態で、負極活物質スラリーを乾燥させることができる。よって、本発明の製造方法を用いることにより、負極極板における負極活物質層と芯体との結着性および負極活物質同士の結着性を向上させることができる。さらには、このような負極極板を用いることにより、電池特性、特にサイクル特性を向上させた非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る負極極板を製造するための乾燥装置を示す概略図である。 実施例で行った密着性評価に用いた剥離試験機を示す概略図である。 前記剥離試験機に含まれる挟み込み冶具およびロードセルを示す概略図である。
(実施の形態)
本発明の製造方法により作製される非水電解質二次電池は、例えば、正極極板と負極極板と正負極極板を離隔するセパレーターとを有する電極体と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、が有底角形の外装缶内部に収容され、外装缶の開口部が封口板により封口された構造である。
本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法を、以下に説明する。なお、本発明は負極極板の製造方法に特徴を有しており、その他の各部材の製造方法や電池の組み立て方法は、公知の方法を適用することができる。
負極極板の製造方法は、少なくとも負極活物質と結着剤と水とを混合して、負極活物質スラリーを調製するスラリー調製工程と、負極活物質スラリーを負極芯体に塗布して、塗布極板を形成する塗布極板形成工程と、塗布極板を、温度55〜70℃および相対湿度30%以下の雰囲気中で乾燥し、塗布された活物質スラリーを活物質層となす乾燥工程と、を含む。
(スラリー調製工程)
負極活物質スラリーは特に限定されることはなく、公知の方法を用いて調製することができる。
(塗布極板形成工程)
負極活物質スラリーの芯体への塗布方法もまた特に限定されることはなく、ダイコート法等の公知の方法で行うことができる。
(乾燥工程)
塗布極板を、温度が55〜70℃で且つ相対湿度が30%以下の雰囲気中に導入し、負極活物質スラリー中の水分を揮発除去して乾燥する。
上記のように負極活物質スラリーを乾燥するときの乾燥温度および相対湿度を調節することにより、水の急激な揮発が抑制され、水分の揮発に伴い結着剤が負極活物質スラリー中を移動することを抑制できる。これにより、乾燥後の極板において結着剤が偏在することがなく、負極活物質層中にほぼ均一に分散させた状態とすることができる。よって、結着剤の偏在化による負極活物質層と芯体との結着性および負極活物質同士の結着性の低下を抑制できる。
雰囲気を構成するガスの組成は特に限定されることはないが、例えば、温度が55〜70℃で且つ相対湿度が30%以下の乾燥空気を用いることが簡便である。
乾燥工程は、例えば、図1に示されるような乾燥装置を用いて行うことができる。図1は、本発明の好ましい実施形態に係る乾燥装置を模式的に示す図である。
図1の乾燥装置10は、塗布極板を収容し、乾燥する乾燥室11と、空気を温度が55〜70℃で且つ相対湿度が30%以下に調整する温度−相対湿度調整部13と、温度−相対湿度調整部13により温度と湿度が調整された空気を乾燥室11に導入する導入部12と、を有する。乾燥室11には、乾燥室11内の空気を乾燥室11の外部に排気するための排気口15をさらに有している。
乾燥室11は、負極活物質スラリーが負極芯体に塗布された塗布極板を収容し、水を揮発除去する場である。乾燥室11の構成は、特に限定されることはなく、密閉された構成や、密閉されていない構成としてもよい。
温度−相対湿度調整部13は、乾燥室11の外部から空気を取り込み、当該空気を温度が55〜70℃で且つ相対湿度が30%以下に調整するものである。
導入部12は、配管14により温度−相対湿度調整部13と接続されており、温度−相対湿度調整部13で温度と相対湿度が調整された空気を乾燥室11に送り込むものである。導入部12にファン等の導入手段を設けて、乾燥空気を乾燥室11に導入するものであってもよく、温度−相対湿度調整部13から排気される空気の圧により乾燥空気を乾燥室11に導入するものであってもよい。
乾燥中、負極活物質スラリーからは水が蒸発するため、乾燥室11内の空気の温度が低下したり、相対湿度が増加したりするが、温度−相対湿度調整部13で温度が55〜70℃で且つ相対湿度が30%以下に調整した乾燥空気を、導入部12から絶えず乾燥室11に送り込むことにより、乾燥室11内部の空気は、温度が55〜70℃で且つ相対湿度が30%以下に維持される。
このとき、例えば、乾燥室11内への空気の導入速度を、負極活物質スラリーからの水の蒸発速度より十分に大きくすることが好ましい。
温度−相対湿度調整部13としては、導入される空気の温度および相対湿度を調整できれば、特に限定されない。調整後の温度は通常の外気温よりも高く、且つ、調整後の相対湿度は通常の外気湿度よりも低いので、ヒーター等の加熱手段と、除湿器等の除湿手段と、を備えた構成とすることが好ましい。また、導入する空気の温度や相対湿度を検知する検知部をさらに備えていてもよい。
検知部としては、温度および相対湿度を測定できれば、特に限定されず、温度検知には熱電対等を用いることができ、相対湿度検知には、電気式湿度計、露点計等を用いることができる。
また、本実施の形態では、温度−相対湿度調整部13が、排気口15から排気された空気を、配管16を経由して取り込む構成としている。しかしながら、この構成に限定されることはない。
排気口15は、極板の乾燥に伴い湿度が高まった空気を排気するものである。排気口15に吸引装置を設けて強制的に排気する構成であってもよい。
また、ノズルのような吹き付け手段(図示せず)をさらに設け、温度50〜70℃および相対湿度30%以下の空気を、負極活物質スラリーに直接吹き付ける構成としてもよい。
また、乾燥装置10は、乾燥室11内の空気の温度及び相対湿度を測定する測定部(図示せず)を備えていてもよい。この場合、温度−相対湿度調整部13は、測定部からの測定データに基づいて、導入部12から乾燥室11に導入される空気の温度を調整する構成とすることができる。
以上のような構成により、乾燥室11内の空気の温度を55〜70℃に、且つ相対湿度を30%以下に確実に維持することができる。
乾燥工程における乾燥時間は、乾燥温度、相対湿度、負極活物質スラリーの含有水分量等に応じて、適宜決定される。乾燥時間の下限値は、負極活物質層中の水を完全に揮発させるための最低所要時間とする。一方、水が完全に揮発した後は、負極活物質層の乾燥を継続しても、結着剤の分散状態に影響しないが、乾燥時間が長すぎると製造コストの増大を招くことになる。
空気の相対湿度の下限は、特に限定されることはないが、真空環境のような極限乾燥空気とするためには多大なコストが必要となる。よって、生産コストの観点から、乾燥時の相対湿度は5%以上とすることが好ましい。
本発明において、負極活物質としては特に限定されることはなく、リチウムイオンの吸蔵および放出が可能な炭素質材料を用いることができる。炭素質材料は、結晶性材料であっても、非結晶性材料であってもよく、一方の材料の表面を他方の材料で被覆したものであってもよい。結晶性の炭素質材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料が挙げられる。非結晶性の炭素質材料としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。これらの材料は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
乾燥工程のあとに、乾燥後の極板を、負極活物質層の充填密度が1.4〜1.7g/cmとなるように圧延する圧延工程をさらに含むことが好ましい。圧延は、ローラ圧延等、公知の方法を用いて行うことができる。
負極活物質層の充填密度を1.4g/cm以上とすることにより、負極活物質層に、より多くの量の負極活物質を充填することが可能となり、放電容量を大きくすることができる。なお、負極活物質層の充填密度が高すぎると、負極極板が硬くなり、捲回ができなくなるなどして、電池作製に支障をきたすことがある。よって、負極活物質層の充填密度は、上記範囲内とすることが好ましい。
負極活物質層の充填密度は、負極活物質層の質量およびその見かけの体積を求め、前記質量を見かけの体積で除することにより求めることができる。具体的には、(a)負極極板を、一定面積に打ち抜き、試験極板を得、(b)試験極板の厚みおよび質量を測定し、(c)試験極板に含まれる芯体と同じサイズの芯体の厚みおよび質量を測定し、以下の式を用いて、充填密度を求めることができる。
充填密度=[(試験極板質量−芯体質量)/(試験極板厚み−芯体厚み)]/打ち抜いた面積
負極活物質スラリーに含ませる結着剤としては、水に分散可能または溶解可能な結着剤が用いられる。このような結着剤としては、例えば、ゴム系結着剤、アクリル系結着剤、ポリビニル樹脂系結着剤が挙げられる。
ゴム系結着剤としては、例えば、ジエンゴム系結着剤、アクリルゴム系結着剤を用いることができる。ジエンゴム系結着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、1,3−ブタジエンゴム、2,3−ジメチルブタジエンゴム、イソプレンゴム、1,3−ペンタジエンゴムが挙げられる。アクリルゴム系活着剤としては、例えば、アクリル酸エチルゴム、アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸共重合体ゴムが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、ポリアクリロニトリル等のアクリル系結着剤や、ポリビニルアルコール等のポリビニル樹脂系結着剤を用いることもできる。
上記結着剤は、負極活物質層の0.5〜2.0質量%を占めることが好ましい。結着剤の量が2.0重量%よりも多くなると、負極極板の抵抗が増大して、電池特性(特に低温特性、負荷特性)が低下するおそれがあり、結着剤の量が0.5重量%よりも少なくなると、十分な結着性が得られないおそれがあるためである。
なかでも、結着剤としては、ゴム系結着剤を用いることが好ましい。ゴム系結着剤は、負極活物質相互および負極活物質と負極芯体を点で結着する。このため、フッ素樹脂のような従来の結着剤(線状に結着する結着剤)と比較して少ない量を用いても、同等以上の結着性を得ることができる。
負極活物質スラリーは、負極活物質および結着剤のほかに、必要に応じて、適量の固形の追加成分を含んでいてもよい。追加成分としては、負極活物質スラリーに塗布に適度な粘度を与える増粘剤や、負極活物質層内の導電性を高める導電剤等が挙げられる。増粘剤、導電剤としては、公知の用いられる材料を用いることができる。
なお、追加成分としては、負極活物質を均一に分散させ時間が経過しても負極活物質を分離させない材料を用いる。このような追加成分であれば、負極極板の密着性を阻害することなく、塗工性や導電性を向上させることができる。
分散媒は、水のほかに、アルコール等の液体の添加剤を適量含んでいてもよい。添加剤の種類および量は、温度55〜70℃および相対湿度30%以下の条件で負極活物質スラリーの乾燥を行うことができれば、特に限定されない。
上記工程を経て得られる負極極板は、負極活物質同士の結着性および負極活物質層と芯体との結着性に優れている。このような負極極板を非水電解質二次電池に用いることにより、非水電解質二次電池の放電特性、特にサイクル特性を向上させることができる。
以下、本発明を、実施例を参照しながら具体的に説明する。本実施例では、角型のリチウム二次電池を作製した。
《実施例1〜5、比較例1〜4》
(スラリー調製工程)
負極活物質である人造黒鉛を、水に分散させた。この分散液に、増粘剤であるカルボシキメチルセルロース(CMC)、および結着剤であるスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を含むディスパージョン(固形分50重量%)を添加し、混合して、負極活物質スラリーを調製した。得られた負極活物質スラリーにおいて、人造黒鉛とCMCとSBRとの重量比は、人造黒鉛:CMC:SBR=98:1:1とした。
(塗布極板形成工程)
負極活物質スラリーを、ダイコータを用いて、厚さ8μmの銅箔(芯体)の両面に塗布し、塗布極板を得た。
(乾燥工程)
塗布極板を9つ作製し、上記実施の形態で説明した乾燥装置を用いて、乾燥室内の空気の温度および相対湿度を下記表1に示すように制御した条件で乾燥した。
(圧延工程)
乾燥後、負極活物質層を、負極活物質層の充填密度が1.55g/cmとなるように圧延して、負極極板を得た。
(正極活物質スラリーの調製)
N−メチル−2−ピロリドンに、結着剤であるポリフッ化ビニリデン、および導電剤であるアセチレンブラックを混合して、導電バインダーを調製した。前記導電バインダーに正極活物質であるLiCoOを混合して、正極活物質スラリーを調製した。得られた正極活物質スラリーにおいて、ポリフッ化ビニリデンとアセチレンブラックと正極活物質との重量比は、ポリフッ化ビニリデン:アセチレンブラック:正極活物質=1.5:1.5:97とした。
(正極極板の作製)
正極活物質スラリーを、ダイコータを用いて、厚さ15μmのアルミニウム箔(芯体)の両面に塗布し、乾燥し、圧延して、正極極板を得た。
(非水電解質およびセパレーター)
非水電解質は、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとジエチルカーボネートとの混合溶媒(体積比30:35:35)(1気圧、25℃)に、LiPFを1モル/Lの濃度で溶解することにより調製した。セパレーターとしては、ポリプロピレン製の微多孔膜を使用した。
(電池の作製)
上記のようにして得られた負極極板と正極極板、およびそれらの間に配されたセパレーターを捲回して、電極群を得た。電極群を、所定の電池ケースに収容し、前記電池ケースに非水電解質を注液し、電池ケースの開口部を封口して、角型のリチウム二次電池を得た。作製した電池の寸法は、44mm×56mm×4.5mm(幅×高さ×厚み)とした。電池容量は、1200mAhとした。
(電池評価)
各電池を、25℃で、1C(1200mA)の電流で、電池電圧が4.2Vとなるまで充電し、次いで、4.2Vの定電圧で、電流値が1/20C(60mA)となるまで、充電した。この後、充電後の電池を、1Cの電流で、電池電圧が2.75Vに低下するまで放電した。このような充放電サイクルを500回繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の比を容量維持率とし、サイクル特性の指標とした。結果を表1に示す。
(密着性評価)
密着性の評価を以下のようにして行った。
(1)実施例1〜5および比較例1〜4に係る負極極板を、上記のようにして作製した。
(2)実施例1〜5および比較例1〜4に係る負極極板を、2.5×16cmの寸法に切断し、試験極板を得た。さらに、アクリル板(3.0×12cm)および両面テープ(2×9cm:ニチバン(株)製ナイスタックNW−20)を用意した。
(3)アクリル板に、両面テープを、アクリル板の端から長手方向に8.5cm貼り付けた(両面テープを0.5cm余らせる)。
(4)試験極板を、両面テープを貼り付けたアクリル板に貼り付けて、試験体を得た。得られた試験体を、4つのロール21〜24、ならびに図3に示されるような挟み込み冶具31およびロードセル32を備える剥離試験機に、図2に示されるようにセットした。
試験極板の両面テープが張り付いていない端部33を、図3に示されるように、挟み込み冶具31に挟み込み、一定速度(100mm/min)で上方(矢印25の方向)に引っ張り上げた。このとき、アクリル板は、右側(図2の矢印26の方向)に移動し、試験体が一対のロール22および23が対向している箇所を通過したのち、上に引っ張られる試験極板とアクリル板とに分かれる。試験極板が両面テープから剥がれるときの必要とされる力を、ロードセル32により測定した。つまり、芯体から負極活物質層が剥がれるときに必要とされる力を測定した。得られた結果を密着性の指標とした。結果を表1に示す。
Figure 2012181967
表1から明らかなように、乾燥時の温度を55〜70℃とし、乾燥時の相対湿度を30%以下とした実施例1〜5では、130〜150mN/cmの良好な密着性および75〜80%の良好なサイクル特性が得られることがわかる。さらに、この乾燥条件では、芯体にシワがよることもなかった。
一方、比較例1および2の結果から、乾燥温度が50℃より低い場合には、密着性が110mN/cmに低下し、且つサイクル特性が65%に低下していたことがわかる。乾燥温度が50℃より低いと、負極活物質スラリーが乾燥されずに、十分な密着性が得られなかったためと考えられる。
また、比較例4の結果から、乾燥温度が70℃よりも高い場合にもまた、密着性が110mN/cmに低下し、且つサイクル特性が60%に低下していたことがわかる。乾燥温度を高くなると、負極活物質スラリーの乾燥速度が速くなり、結着剤の偏在が生じる。その結果、結着剤が、負極活物質中に不均一に分散された状態となる。このため、密着性が低下したと考えられる。
さらに、実施例3および4と、比較例3との比較から、乾燥温度が55〜70℃の範囲にあったとしても、相対湿度が30%を超えると、密着性およびサイクル特性が低下することがわかる。これは、相対湿度が30%を超えると、乾燥が不十分となり易くなるためと考えられる。
上記実施例では、結着剤として、スチレン−ブタジエンゴムを用いた。1,3−ブタジエンゴム、2,3−ジメチルブタジエンゴム、イソプレンゴム、1,3−ペンタジエンゴム、アクリル酸エチルゴム、アクリル酸ブチルゴム、メタクリル酸共重合体ゴムのような他のゴム系結着剤を用いても、同様の効果が得られる。
本発明により、負極活物質同士の結着性、および負極活物質と芯体との結着性が向上した負極極板を作製することができる。このような負極極板を用いることにより、電池特性、特にサイクル特性が向上した非水電解質二次電池を提供することができる。
10 乾燥装置
11 乾燥室
12 導入部
13 温度−相対湿度調整部
14、16 配管
15 排出口
21〜24 ロール
31 挟み込み冶具
32 ロードセル
33 試験極板の端部

Claims (7)

  1. 負極芯体と、前記負極芯体上に形成された負極活物質層と、を備える負極極板を含む非水電解質二次電池の製造方法において、
    少なくとも、負極活物質と結着剤と水とを混合して、負極活物質スラリーを調製するスラリー調製工程と、
    前記負極活物質スラリーを前記負極芯体に塗布して、塗布極板を得る塗布極板形成工程と、
    温度55〜70℃でかつ相対湿度30%以下の雰囲気中で、前記塗布極板から前記水を揮発除去して、前記塗布された負極活物質スラリーを、前記負極活物質層となす乾燥工程と、
    を含む、非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記乾燥工程が、前記塗布極板に、温度55〜70℃かつ相対湿度30%以下のガスを直接吹きかけることによって行われる、非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記負極活物質が炭素質材料であり、
    前記製造方法が、前記乾燥工程の後に、乾燥後の前記塗布極板を、前記負極活物質層の充填密度が1.4〜1.7g/cmとなるように圧延する圧延工程、をさらに含む、非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記結着剤が、ゴム系結着剤からなる、非水電解質二次電池の製造方法。
  5. 請求項4に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記ゴム系結着剤が、スチレン−ブタジエンゴム、1,3−ブタジエンゴム、2,3−ジメチルブタジエンゴム、イソプレンゴム、1,3−ペンタジエンゴム、アクリル酸エチルゴム、アクリル酸ブチルゴム、およびメタクリル酸共重合体ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含む、非水電解質二次電池の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記乾燥工程における前記雰囲気の相対湿度が5%以上である、非水電解質二次電池の製造方法。
  7. 負極活物質と結着剤と水とを含む負極活物質スラリーを負極芯体に塗布してなる塗布極板を乾燥する非水電解質二次電池用塗布極板の乾燥装置であって、
    前記塗布極板を乾燥する乾燥室と、
    温度が55〜70℃で相対湿度が30%以下の乾燥空気を調整する温度−湿度調整部と、
    前記温度−湿度調整部で調整した乾燥空気を前記乾燥室に導入する導入部と、
    を備える非水電解質二次電池用塗布極板の乾燥装置。
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