JP2012181443A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】感光体の最表面層に、特定のポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂とを含有させることにより、耐摩耗性等の機械物性と電気特性の両方の要求に対して、両方の樹脂の長所を生かした相乗効果を発揮できること、及び異音、クリーニング不良、フィルミングの発生を抑制し、層の接着性にも優れていることを見出した。
【選択図】 なし
Description
電子写真技術の中核となる電子写真感光体(以下適宜「感光体」という)については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が広く使用されている。
<1>
最表面層中に少なくとも、下記一般式(1)および(2)で表される共重合成分を有するポリカーボネート樹脂と、ポリエステル樹脂とを含むことを特徴とする電子写真感光体。
<2>
ポリカーボネート樹脂が、下記構造式(3)で表される、<1>記載の電子写真感光体。
ポリエステル樹脂が、下記一般式(4)で表される、<1>または<2>記載の電子写真感光体。
<1>〜<3>に記載の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニング手段を備えることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
<5>
<1>〜<3>に記載の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置。
まず、本発明の電子写真感光体に使用されるバインダー樹脂について説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明の電子写真感光体の感光層には、下記一般式(1)および(2)で表される構造単位を共重合成分として共に有するポリカーボネート樹脂と、後述するポリエステル樹脂を、最表面層に含有する。
好ましく、(1)−6が最も好ましい。一般式(1)で表される構造は、メチル基置換によって、シクロヘキシルユニットの構造互変性(舟形および椅子型間の変換)が抑制され、前述のように剛直性が高まる。
また、一般式(2)中、A1〜A4はそれぞれ独立に水素原子かメチル基を表す。
また、一般式(1)及び一般式(2)で表される構造単位を有する共重合体樹脂が、下記一般式(3)で表される場合が、特に好ましい。
また、好ましい分子量としては、重量平均分子量(ポリスチレン換算)で30,000以上、200,000以下、更に好ましくは、40,000以上、100,000以下である。粘度平均分子量では、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
上記のポリカーボネート樹脂は、ポリエステル樹脂と混合して用いられる。ポリエステル樹脂としては、熱可塑性でかつ有機溶剤に可溶なポリエステル樹脂であればいずれも使用できる。
ポリエステル樹脂は、原料モノマーとして、多価アルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の多価カルボン酸成分とを縮重合させて得られる。多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2 − ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2 − ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールA のアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水添ビスフェノールA 、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜
3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物、芳香族ビスフェノール等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
〜20 のアルキル基又は炭素数2〜20 のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの1種以上を含有するものが好ましい。
Ar1〜Ar4のアリーレン基の具体例としては、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基、フェナントリレン基等が挙げられる。中でも電気特性の観点から、1,4−フェニレン基が好ましい。アリーレン基は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。
より詳しくは、Ar3及びAr4は、それぞれ独立に置換基の数は0以上2以下が好ましく、接着性の観点から置換基を有することがより好ましく、中でも、耐磨耗性の観点から置換基の数は1個であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
ることが好ましい。
一方、Ar1及びAr2は、それぞれ独立して、置換基の数は0以上2以下が好ましく、耐磨耗性の観点から置換基を有さないことがより好ましい。
上記式(4)において、Xは単結合、酸素原子、硫黄原子、上記式(5)で表される基、又は上記式(6)で表される基を示す。式(5)中のR1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、R1とR2とが結合して、シクロアル
キリデン基のような環を形成していてもよい。式(6)中のR3は、アルキレン基、アリーレン基、又は上記式(7)で表される基であって、式(7)中のR4及びR5は、それぞれ独立に、アルキレン基を表し、Ar5はアリーレン基を表す。
式(5)中のR1及びR2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。また、式(5)中のR1とR2とが結合して形成されるシクロアルキリデン基としては、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、シクロヘプチリデン基などが挙げられる。さらに、式(6)中のR3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。式(6)中のR3のアリーレン基としては、フェニレン基、テルフェニレン基などが挙げられる。
また、上記式(4)において、Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子、又は上記式(8)表される基である。
式(8)中のR6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はR6とR7とが結合して形成されるシクロアルキリデン基を表す。感光層用バインダー樹脂としての機械的特性と感光層形成用塗布液に対する溶解性を勘案すれば、式(8)中のR6及びR7は、アリール基として、フェニル基、ナフチル基が好ましく、アルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基が好ましい。また、アルキル基としては、炭素数が1〜10のアルキル基が好ましく、さらに好ましくは炭素数が1〜8であり、特に好ましくは炭素数が1〜2である。ポリエステル樹脂を製造する際に用いる二価ヒドロキシアリール成分の製造の簡便性を勘案すれば、Yとして、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシレンが好ましく、より好ましくは、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、シクロヘキシレンであり、特に好ましくは−CH2−、−CH(CH3)−である。
上記ポリエステル樹脂の中のジカルボン酸残基であるジカルボン酸成分は、下記一般式(10)で表される。
ル−4,4'−ジカルボン酸残基等が挙げられる。これらの中でも、ジカルボン酸成分の
製造の簡便性を考慮すれば、ジフェニルエーテル−2,2'−ジカルボン酸残基、ジフェ
ニルエーテル−2,4'−ジカルボン酸残基、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基がより好ましく、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸残基が特に好まし
い。
ル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、トルエン−2,5−ジカルボン酸残基、p−キシレン−2,5−ジカルボン酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸残基が挙げられ、好ましくは、フタル酸残基、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸残基、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸残基、ビフェニル−2,2'−ジカルボン酸残基、ビフェニル−4,4'−ジカルボン酸残基であり、特に好ましくは、イソフタル酸残基、テレフタル酸残基であり、これらのジカルボン酸残基を複数組み合わせて用いることも可能である。ジカルボン酸残基が一般式(10)で表され、k=0の場合のポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、下記式(12)が挙げられる。イソフタル酸残基とテレフタル酸残基の比率は通常50:50であるが、任意に変更することができる。その場合、テレフタル酸残基の比率が高い程、電気特性の観点からは好ましい。
わない限り任意であるが、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上、また、その上限は、好ましくは70,000以下、より好ましくは50,000以下であることが望ましい。粘度平均分子量の値が小さすぎる場合、ポリエステル樹脂の機械的強度が不足する可能性があり、大きすぎる場合、感光層形成のための塗布液の粘度が高すぎて生産性が低下する可能性がある。なお、粘度平均分子量は、例えばウベローデ型毛細管粘度計等を用いて、実施例に記載の方法で測定することができる。
前記ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合比(重量比)は、目的に応じて任意に設定できるが、通常、ポリカーボネート樹脂:ポリエステル樹脂=5:95〜95:5、摩耗性改良の観点からは20:80〜80:20が好ましく、更に電気特性も併せて改良する観点からは50:50〜80:20がより好ましい。
前記一般式(1)おいては、シクロアルキル基に置換基が付与されることにより、前述のように剛直性が増し、構造変換が抑制される。これによって、感光体製造時の塗布/乾燥過程で、高分子の最適パッキングが十分に進まず、自由体積が増え、高分子の絡み合いも十分でないため、摩耗性の悪化につながると考えられる。ここにポリエステル樹脂を混合することにより、そのような自由体積が適度に充填され、高分子同士の分子レベルの絡み合いも十分進み、摩耗性も改善されると考える。また、ポリエステル樹脂の持つ高い弾性変形率も、混合により大きく減じることが無い。
、保護層に含有される。
次に、本発明の電子写真感光体について、他の構成要素を含め説明する。
本発明の感光体は、上記特定のポリカーボネート樹脂と、ポリエステル樹脂とを含有する最表面層を備えるものである。本発明の感光体は、通常は導電性支持体(「導電性基体」ともいう)上に設けられる。
[I−1.導電性支持体]
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金等、特開2007−293319号公報に開示されている公知の材料を使用することが出来る。また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、特開2007−293319号公報に開示されているように、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。下引き層としては、特開2007−293319号公報に開示されている公知の例を使用することが出来る。
[I−3.感光層]
感光層は、上述の導電性支持体上に(前述の下引き層を設けた場合は下引き層上に)形成される。感光層の型式としては、電荷発生材料と電荷輸送材料とが同一層に存在し、それらがバインダー樹脂中に分散した単層構造のもの(以下適宜、「単層型感光層」という。)と、電荷発生材料がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層、及び電荷輸送材料が
バインダー樹脂中に分散された電荷輸送層を含む、二層以上の層からなる積層構造の機能分離型のもの(以下適宜、「積層型感光層」という)が挙げられるが、何れの形態であってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂は、感光層の型式にかかわらず、感光層の「最表面」となる層に含まれる。
電荷発生層と電荷輸送層を有する機能分離型感光体の電荷輸送層形成の際は、膜強度確保のためにバインダー樹脂が使用される。
<機能分離型 感光層>
<電荷輸送層>
<バインダー樹脂>
本発明の電子写真感光体が順積層型感光体の場合、最表面層となる電荷輸送層のバインダー樹脂として、上述したポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂を含有する。また、バインダー樹脂は本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の樹脂を混合してもよく、他の樹脂としては、ブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて用いることもでき、ケイ素試薬などで修飾されていてもよい。その際、本発明のポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合物の割合が、50重量%以上であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送材料として、特開2007−293319号公報に開示されているような公知の例を使用することが出来る。
本発明に含有される電荷輸送材料の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意である。ただし、少な過ぎると電荷輸送に不利となり、電機特性が悪化するため、感光層中のバインダー樹脂100重量部に対して、通常30重量部以上、好ましくは40重量部以上であり、また、多過ぎるとガラス点移転点(Tg)が下がり過ぎて耐摩耗性が劣化するおそれがあるため、通常200重量部以下、好ましくは150重量部以下である。
積層型感光層(機能分離型感光層)の電荷発生層は、電荷発生材料を含有すると共に、通常はバインダー樹脂と、必要に応じて使用されるその他の成分とを含有する。このような電荷発生層は、例えば、電荷発生材料の微粒子及びバインダー樹脂を溶媒又は分散媒に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを順積層型感光層の場合には導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)、また、逆積層型感光層の場合には電荷輸送層上に塗布、乾燥して得ることができる。逆積層型感光層で電荷発生層が最表面層となる場合は、該層に上記一般式(1)および(2)で表わされる共重合成分を有するポリカーボネ
ート樹脂と、ポリエステル樹脂を含有する。
電荷発生材料の例としては、特開2007−293319号公報に開示されている公知の材料を使用することが出来る。なお、これらの材料のうち、フタロシアニン環の中心に金属を含有する含金属フタロシアニンが好ましく、含金属フタロシアニンの中でもA型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等がより好ましく、A型(β型)、B型(α型)、D型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニンが更に好ましい。
また、該オキシチタニウム二ロシアニンは、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に、明瞭な回折ピークを有することは、好ましい。
電荷発生材料として使用される顔料としては、使用される露光波長により好ましい材料が決められる場合がある。露光波長が380nm〜500nm程度の短波長領域の場合には、上記アゾ顔料が好適に用いられる。一方、630〜780nm程度の近赤外光を使用する場合には、その領域にも高感度を有するフタロシアニン顔料と、一部のアゾ顔料が好適に使用される。一方、環境特性、例えば湿度依存性が小さいことが求められる場合も、CuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)9.0°〜9.7°に明瞭な回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニンは湿度依存性が大きいため、上記アゾ顔料が好適に使用される。
さらに、感光層内に分散される電荷発生材料の量は少なすぎると充分な感度が得られない可能性があり、多すぎると帯電性の低下、感度の低下、凝集による平滑性の低下などの弊害がある。よって、積層型感光層の電荷発生層内の電荷発生材料の量は、通常は20重量%以上、好ましくは40重量%以上、また、通常90重量%以下、好ましくは70重量%以下とする。
積層型感光層を構成する電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例えば、特開2007−293319号公報に開示されている公知の材料を使用することが出来る。
電荷発生層は、具体的に、上述のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解した溶液に、電荷発生物質を分散させて塗布液を調整し、これを導電性支持体上に(下引き層を設ける場合は下引き層上に)塗布することにより形成される。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、機能分離型感光体の電荷輸送層と同様に、バインダー樹脂として上述したポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂を共に使用して形成する。また、バインダー樹脂は電荷輸送層と同様に、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その他の樹脂を混合しても良い。単層型感光層は、電荷発生物質
と電荷輸送物質と前記バインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作成し、導電性支持体上(下引き層を設ける場合は下引き層上)に塗布、乾燥して得ることが出来る。
電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を十分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。
また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲とする。
<その他の構成成分>
さらに、感光層は、各種の添加剤を含有していても良い。これらの添加剤は成膜性、可撓性、機械的強度等を改良するために用いられるもので、例えば、可塑剤、紫外線等の短波長光吸収剤、酸化防止剤、残留電位を抑制するための残留電位抑制剤、分散安定性向上のための分散補助剤、塗布性を改善するためのレベリング剤(例えば、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル等)、界面活性剤などが挙げられる。なお、添加剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、本発明の感光体において感光層の膜厚に制限は無く本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、単層型感光体の場合は、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、また、通常50μm以下、好ましくは45μm以下である。積層型感光体の場合は、電荷発生層は好ましくは0.1μm以上1μm以下、より好ましくは0.2μm以上0.8μm以下であり、電荷輸送層は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常40μm以下、好ましくは35μm以下である。当該電荷輸送層は、単一の層だけでなく、二層以上の異なる層から形成されていてもよい。
クリーニングブレードとの摩擦に起因する異音を抑制し、表面の傷発生を抑制するためには、感光層の表面硬度が高いことが好ましく、トナーのクリーニング不良防止の観点からは、感光層の弾性変形率が高いことが好ましく、フィルミング抑制の観点からは、硬度、弾性変形率が共に高いことが好ましい。硬度、弾性変形率は、電荷輸送材料、およびバインダー樹脂双方に依存し、またその相溶性によっても影響されるため、材料の組合せで好適な範囲となるように設計する必要が有る。感光層の好ましい表面硬度は、ユニバーサル硬度値として、下限は、通常、175N/mm2以上、好ましくは180N/mm2以上、より好ましくは190N/mm2以上であり、上限は、通常、290N/mm2以下、好ましくは270N/mm2以下である。感光層の好ましい弾性変形率の範囲は、下限は、通常、38%以上、クリーニング不良防止の観点から、40%以上が好ましく、より好ましくは42%以上であり、上限は、通常、60%以下、好ましくは55%以下である。
・測定条件
最大押込み加重 5mN
負荷所要時間 10秒
除荷所要時間 10秒
上記の弾性変形率は下記式により定義される値であり、押し込みに要した全仕事量に対して、除荷の際に膜が弾性によって行う仕事の割合である。
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図2中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−C で囲まれる面積を示す。弾性変形率が大き
いほど、負荷に対する変形が残留しにくく、弾性変形率が100の場合には変形が残らないことを意味する。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=試験荷重(N)/試験荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm2)
[I−4.その他の層]
感光層の上に、保護層を最表面層として設けても良い。この場合は、保護層に前記ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂の混合バインダー樹脂を少なくも含有する。また、当該保護層には、適宜添加剤を加えてもよい。例えばフッ素系樹脂、シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂等の樹脂粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子等の無機粒子等が挙げられる。また、保護層の厚みが1μmより厚い場合は、その下層の影響よりも保護層の物性が表面機械物性をより強く支配するため、下層の感光層に用いられる材料には本発明で規定する範囲にとらわれず、任意の公知材料を使用してもよい。
下引き層、感光層、保護層などの各層の形成方法に制限は無い。例えば、形成する層に含有させる材料を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、導電性支持体の上に、直接又は他の層を介して順次塗布するなどの公知の方法が適用できる。塗布後、乾燥により溶剤を除去することにより、感光層を形成する。
本発明の感光体は、後述する画像形成装置に用いられることにより、画像形成の用途に使用されるものである。本発明の積層型感光体は負帯電で使用し、単層型感光体は正帯電で使用する。
[I−7.感光体の露光波長]
本発明の感光体は、画像形成の際には、露光手段から書き込み光によって露光を行なわ
れて静電潜像を形成されることになる。この際に用いられる書き込み光は静電潜像の形成が可能である限り任意であるが、露光波長が通常380nm以上、中でも400nm以上、また、通常850nm以下の単色光を用いる。中でも480nm以下の単色光を用いると感光体を、より小さなスポットサイズの光で露光することができ、高解像度で高階調性を有する高品質の画像を形成することができることから、高品質の画像を得たい際に480nm以下の単色光で露光することが好ましい。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置(本発明の画像形成装置)の実施の形態について、装置の要部構成を示す図1を用いて説明する。但し、実施の形態は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意に変形して実施することができる。
電子写真感光体1は、上述した本発明の電子写真感光体であれば特に制限はないが、図1ではその一例として、円筒状の導電性支持体の表面に上述した感光層を形成したドラム状の感光体を示している。この電子写真感光体1の外周面に沿って、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置5及びクリーニングユニット6がそれぞれ配置されている。
なお、電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6は、多くの場合、カートリッジ(本発明の電子写真感光体カートリッジ。以下適宜、「プロセスカートリッジ」という)として、画像形成装置の本体から取り外し、交換可能となるように設計されている。例えば電子写真感光体1、帯電装置2、およびクリーニングユニット6が劣化した場合に、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいプロセスカートリッジを画像形成装置本体に装着することができるようになっている。また、後述するトナーについても、多くの場合、トナーカートリッジ中に蓄えられて、画像形成装置本体から取り外し可能に設計され、使用しているトナーカートリッジ中のトナーが無くなった場合に、このトナーカートリッジを画像形成装置本体から取り外し、別の新しいトナーカートリッジを装着することができるようになっている。更に、電子写真感光体1、帯電装置2、クリーニングユニット6、トナーが全て備えられたプロセスカートリッジを用いることもある。
一成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や、湿式現像方式などの任意の装置を用いることができる。図1では、現像装置4は、現像槽41、アジテータ42、供給ローラ43、現像ローラ44、及び、規制部材45からなり、現像槽41の内部にトナーTを貯留している構成となっている。また、必要に応じ、トナーTを補給する補給装置(図示せず)を現像装置4に付帯させてもよい。この補給装置は、ボトル、カートリッジなどの容器からトナーTを補給することが可能に構成される。
現像ローラ44は、電子写真感光体1と供給ローラ43との間に配置され、電子写真感光体1及び供給ローラ43に各々当接している。ただし、現像ローラ44と電子写真感光体1とは当接せず、近接していてもよい。供給ローラ43及び現像ローラ44は、回転駆動機構(図示せず)によって回転される。供給ローラ43は、貯留されているトナーTを担持して、現像ローラ44に供給する。現像ローラ44は、供給ローラ43によって供給されるトナーTを担持して、電子写真感光体1の表面に接触させる。
転写装置5は、その種類に特に制限はなく、コロナ転写、ローラ転写、ベルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法など、任意の方式を用いた装置を使用することができる。ここでは、転写装置5が電子写真感光体1に対向して配置された転写チャージャー、転写ローラ、転写ベルト等から構成されるものとする。この転写装置5は、トナーTの帯電電位とは逆極性で所定電圧値(転写電圧)を印加し、電子写真感光体1に形成されたトナー像を記録紙(用紙、媒体、被転写体)Pに転写するものである。
ウレタンからなることが、クリーニング効率を高める観点から、好ましい。ポリウレタンの性質としては、100%永久伸びが3%以下、25℃での反発弾性が20%以下でかつ10℃から50℃の間での反発弾性の最大値と最小値の差が30%以下であることが好ましい。
定着装置7は、上部定着部材(定着ローラ)71及び下部定着部材(定着ローラ)72から構成され、定着部材71又は72の内部には加熱装置73が備えられている。なお、図1では、上部定着部材71の内部に加熱装置73が備えられた例を示す。上部及び下部の各定着部材71,72は、ステンレス、アルミニウムなどの金属素管にシリコンゴムを被覆した定着ロール、更にテフロン(登録商標)樹脂で被覆した定着ロール、定着シートなどが公知の熱定着部材を使用することができる。更に、各定着部材71,72は、離型性を向上させる為にシリコーンオイル等の離型剤を供給する構成としてもよく、バネ等により互いに強制的に圧力を加える構成としてもよい。
なお、定着装置についてもその種類に特に限定はなく、ここで用いたものをはじめ、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン定着、圧力定着など、任意の方式による定着装置を設けることができる。
そして、その感光体1の感光面に形成された静電潜像の現像を、現像装置4で行なう(現像工程)。現像装置4は、供給ローラ43により供給されるトナーTを、規制部材(現像ブレード)45により薄層化するとともに、所定の極性(ここでは感光体1の帯電電位と同極性であり、正極性)に摩擦帯電させ、現像ローラ44に担持しながら搬送して、感光体1の表面に接触させる。現像ローラ44に担持された帯電トナーTが感光体1の表面に接触すると、静電潜像に対応するトナー像が感光体1の感光面に形成される。
トナー像の記録紙P上への転写後、定着装置7を通過させてトナー像を記録紙P上へ熱定着することで、最終的な画像が得られる。
が多い。
<塗布液の製造>
下引き層形成用塗布液は以下のように作製した。平均一次粒子径40nmのルチル型酸化チタン(石原産業社製「TTO55N」)と、該酸化チタンに対して3質量%のメチルジメトキシシラン(東芝シリコーン社製「TSL8117」)とを、ヘンシェルミキサーにて混合して得られた表面処理酸化チタンを、メタノール/1−プロパノールの重量比が7/3の混合溶媒中でボールミルにより分散させることにより、表面処理酸化チタンの分散スラリーとした。該分散スラリーと、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒及び、ε−カプロラクタム[下記式(A)で表される化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表される化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表される化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表される化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表される化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとを加熱しながら撹拌、混合してポリアミドペレットを溶解させた後、超音波分散処理を行なうことにより、メタノール/1−プロパノール/トルエンの重量比が7/1/2で、表面処理酸化チタン/共重合ポリアミドを重量比3/1で含有する、固形分濃度18.0%の下引き層形成用塗布液を作製した。
まず、電荷発生物質として、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.3゜に強い回折ピークを示す、Y型(別称D型)オキシチタニウムフタロ
シアニン20部と1,2−ジメトキシエタン280部とを混合し、サンドグラインドミルで1時間粉砕して微粒化分散処理を行なった。続いてこの微細化処理液に、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名「デンカブチラール」#6000C)10部を、1,2−ジメトキシエタンの255部と4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノンの85部との混合液に溶解させて得られたバインダー液、及び230部の1,2−ジメトキシエタンを混合して電荷発生層形成用塗布液を調製した。
電荷輸送層形成用塗布液は以下のように作製した。
KF96)0.05部を、THF/トルエン(8/2(重量比))の混合溶媒520部
に溶解させて電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
前記のようにして得られた下引き層形成用塗布液を、表面にアルミ蒸着したポリエチレンテレフタレートシート上に、乾燥後の膜厚が約1.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して下引き層を設けた。
続いて、前記のようにして得られた電荷発生層形成用塗布液を、上記下引層上に、乾燥後の膜厚が約0.3μmになるようにワイアバーで塗布、室温で乾燥して電荷発生層を設けた。
乾燥して、比較感光体B1を作製した。
[実施例1]
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、PC1:75部と下記構造単位を有するポリエステル樹脂(PE1,粘度平均分子量は43,000)25部を使用した以外は、比較例1と同様に感光体A1を作製し、感光体評価を行なった。
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、PC1:50部と前記PE1:50部を使用した以外は、比較例1と同様に感光体A2を作製し、感光体評価を行なった。
[実施例3]
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1 100部に代えて、PC1:25部と前記PE1:75部を使用した以外は、比較例1と同様に感光体A3を作製し、感光体評価を行なった。
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、前記PE1:100部を使用した以外は、比較例1と同様に比較感光体B2を作製し、感光体評価を行なった。
[比較例3]
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、下記構造式のPC2(m:n=67:33、重量平均分子量(Mw)=55,000、数平均分子量(Mn)=21,000、粘度平均分子量(Mv)=20,000):100部を使用した以外は、比較例1と同様に比較感光体B3を作製し、感光体評価を行なった。
比較例3の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC2:100部に代えて、PC2:50部と前記PE1:50部を使用した以外は、比較例3と同様に感光体A4を作製し、感光体評価を行なった。
[比較例4]
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、下記構造式のPC3(m:n=80:20、重量平均分子量(Mw)=50,000、数平均分子量(Mn)=20,000、粘度平均分子量(Mv)=19,000):100部を使用した以外は、比較例1と同様に比較感光体B4を作製し、感光体評価を行なった。
比較例4の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC3:100部に代えて、PC3:50部と前記PE1:50部を使用した以外は、比較例4と同様に感光体A5を作製し、感光体評価を行なった。
[比較例5]
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、下記構造式のPE2(a:b:c:d=27:25:23:25、重量平均分子量(Mw)=55,000、数平均分子量(Mn)=20,000、粘度平均分子量(Mv)=21,000):100部を使用した以外は、比較例1と同様に比較感光体B5を作製し、感光体評価を行なった。
比較例5の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PE2:100部に代えて、前記構造単位を有するポリカーボネート樹脂(PC1)50部とPE2:50部を使用した以外は、比較例5と同様に感光体A6を作製し、感光体評価を行なった。
[比較例6]
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、下記構造式のPC4(粘度平均分子量(Mv)=20,000):100部を使用した以外は、比較例1と同様に比較感光体B6を作製し、感光体評価を行なった。
比較例6の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC4:100部に代えて、PC1:50部と、PC4:50部を使用した以外は、比較例6と同様に比較感光体B7を作製し、感光体評価を行なった。
[比較例8]
比較例6の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC4:100部に代えて、PC4:50部と前記PE1:50部を使用した以外は、比較例6と同様に比較感光体B8を作製し、感光体評価を行なった。
比較例1の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PC1:100部に代えて、下記構造式のPE3(粘度平均分子量(Mv)=30,000):100部を使用した以外は、比較例1と同様に比較感光体B9を作製し、感光体評価を行なった。
比較例9の電荷輸送層形成に使用した樹脂として、PE3:100部に代えて、前記PC1:50部とPE3:50部を使用した以外は、比較例9と同様に感光体A7を作製し、感光体評価を行なった。
得られた感光体を以下の方法により評価した。
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)を使用し、上記感光体を80rpmで回転させながら、初期表面電位が−700Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを、透過率の異なるNDフィルターを使用して光量を変化させて表面電位の減衰挙動を測定した。その際、各光量で露光後、いったん660nmのLED光を除電光として露光し、残存電荷の多くをキャンセルした。測定値としては、780nmの単色光を0.40μJ/cm2露光した際の
表面電位(明電位;VLと称する)を求めた。測定環境は25℃,50%RH(NNと称する)、5℃,10%RH(LLと称する)の二条件で行なった)。結果を表1に示す。
感光体フィルムを直径10cmの円状に切断し、テーバー摩耗試験機(東洋精機社製)により、摩耗評価を行った。試験条件は、23℃、50%RHの雰囲気下、摩耗輪CS−10Fを用いて、荷重なし(摩耗輪の自重)で1000回回転後の摩耗量を試験後の重量減量を測定した。結果を表1に示す。摩耗量が小さいほど耐摩耗性が良好であることを示す。
ユニバーサル硬度および弾性変形率を、Fischer社製微小硬度計FISCHERSCOPE H100Cを用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した。結果を表1に示す。
<接着性>
サンプル作成後、感光層に基体フィルムごと切り込みを入れて、切り込み部分からの剥離性によって接着性を評価した。切断部に剥離が見られたものを「×」、変化が無いものを「○」として、結果を表1に示す。
<感光体ドラムの製造>
表面が粗切削仕上げされ、清浄に洗浄された外径30mm、長さ260.5mm、肉厚0.75mmのアルミニウム製シリンダー上に、上記の下引き層形成用塗布液、電荷発生層形成用塗布液、電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により順次塗布、乾燥し、乾燥後の膜厚がそれぞれ、1.3μm、0.4μm、25μmとなるように、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、感光体ドラムを得た。なお、電荷輸送層の乾燥は、125℃で20分間行なった。基体が異なる以外は、前記シート状感光体と同組成の感光体ドラムC1〜C7(前記A1〜A7に対応)、および比較感光体ドラムD1〜D9(B1〜B9に対応)を得た。
画像試験は、ヒューレットパッカード社製タンデム型カラーレーザープリンターHP Color LaserJet 4700dn(クリーニングブレード、カウンター当接方式)を用いて行った。
作製した感光体ドラムC1〜C7、D1〜D9をシアン色用のプロセスカートリッジに装着し、このカートリッジをプリンターに装着した。温度25℃、湿度50%環境下で、10000枚の画像形成を行い、ゴースト、かぶり、濃度低下、フィルミング、クリーニング不良、傷等による画像不良の評価を行った。結果を、表2に示す。なお、ブラック、イエロー、マゼンタ各色用プロセスカートリッジを使用した場合も、同様な結果が得られた。
2 帯電装置(帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラ
44 現像ローラ
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラ)
72 下部定着部材(定着ローラ)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙、媒体)
Claims (5)
- ポリエステル樹脂が、下記一般式(4)で表される、請求項1または2記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子写真感光体と、少なくとも帯電手段とクリーニング手段を備えることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電子写真感光体を用いて画像を形成する画像形成装置であって、前記電子写真感光体を帯電させる帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体に対し露光を行ない静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーで現像する現像工程と、前記トナーを被転写体に転写する転写工程と、クリーニング工程を有することを特徴とする、画像形成装置。
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