JP2012180706A - 地盤改良工法および棒状体アッセンブリ - Google Patents

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Abstract

【課題】水底地盤で杭の造成前に杭のまわりに複数の棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する地盤改良工法において、棒状体の差し込み工程の実行が容易であり、複数の棒状体の差し込みによる地盤隆起の抑制効果を均等にかつ確実に得ることができる地盤改良工法およびこの工法に使用可能な棒状体アッセンブリを提供する。
【解決手段】この地盤改良工法は、複数の棒状体Rを互いが平行に延びるように連結部材により互いに連結させて構成した棒状体アッセンブリ1を水中へ降下させる工程と、棒状体アッセンブリの各棒状体を杭造成位置のまわりで水底Tから地盤G内へ差し込む工程と、ケーシングパイプ11を複数の棒状体に囲まれた杭造成位置から地盤内へ貫入させる工程と、貫入したケーシングパイプを通して供給された杭材料20により地盤内に杭Pを造成する工程と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、砂杭などを水底地盤内に造成する地盤改良工法およびこの工法に使用可能な棒状体アッセンブリに関する。
軟弱地盤の改良のため地盤の密度を増加させる締固め工法が公知である。かかる締固め工法として砂杭を地盤内に造成して地盤の密度を増加させるサンドコンパクションパイル(SCP)工法がある。この工法は、ケーシングパイプ(中空管)をバイブロハンマで振動させながら地中に貫入し、ケーシングパイプを通して砂を供給し、大径のよく締め固めた砂杭(サンドコンパクションパイル)を地中に造成し地盤を改良する工法である。砂の代わりに砂利や礫を使用することもある(非特許文献1参照)。
水上構造物や水中構造物を構築する水底地盤に対して上述のSCP工法を適用して地盤改良を行うことも公知である。この水底地盤に対するSCP工法による工程について図9(a)〜(f)を参照して説明する。
まず、ケーシングパイプ51を水面Sから水中に下降させる(a)。ケーシングパイプ51には先端に開閉可能なシュー(排砂弁部)52が設けられている。ケーシングパイプ51が水底Tに着底すると、シュー(排砂弁部)52が閉じる(b)。ケーシングパイプ51が改良対象地盤Gの改良対象深度(基礎地盤B)まで達すると、ケーシングパイプ51に改良用の砂50を投入し充填する(c)。ケーシングパイプ51を引き上げると、シュー52が開き、砂50が改良対象地盤G内に排出される(d)。次に、ケーシングパイプ51を前工程(d)のケーシングパイプ51の引き上げ高さの1/2〜2/3程度打ち戻す(e)。このとき、シュー52が閉じ、砂50が打ち固められ、砂杭Pが拡径される。工程(d)(e)を繰り返すことで水底Tの改良対象地盤G内に砂杭Pが構築される(f)。
特開2011-6946号公報
軟弱地盤対策工法 調査・設計から施工まで現場技術者のための土と基礎シリ−ズ 16 社団法人 地盤工学会
図9のように水底の地盤G内に砂杭Pを造成した場合、拡径時の打ち戻し工程(e)が進行し水底T近傍で行われるようになると、砂杭Pに対する水平方向の拘束力が小さくなるため、水底Tで水底面が隆起するという問題があった。水底Tに隆起のため盛り上がり部Mができると、その除去等のために余分な除去工程等が必要となり、コストが嵩んでしまう。
一方、本出願人は、先に、杭を地盤内に造成するときの地盤隆起を抑制するために、杭の造成前に杭のまわりに棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する地盤改良工法を提案した(特許文献1参照)。すなわち、周辺地盤に鉄筋や鋼管や形鋼等の棒状の鋼材を挿入してから、砂杭を地盤に貫入して造成することにより増加する側方圧力が鋼材を拘束することで、鋼材の引き抜き抵抗が増加し、隆起しようとする周辺地盤に対して鋼材の引き抜き方向と反対方向に軸力が発生することにより地盤の隆起を効果的に抑制可能である。
しかし、上記地盤改良工法を水底地盤に適用する場合、棒状体を水底で杭造成対象位置のまわりに差し込む工程は手間がかかり、さらに、棒状体をある程度の精度で水底の所定位置に差し込むことは、いっそう手間がかかる工程とならざるを得なかった。
また、杭の造成前に杭のまわりに棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する場合、投入された砂により棒状体自体に砂杭側から外側方向に土圧が作用するため、この土圧に棒状体の剛性が耐えきれなくなると、棒状体が砂杭の外側に倒れて開いてしまう。その結果、棒状体の貫入による地盤隆起の抑制効果が減少するという問題が判明した。このため、砂杭造成による土圧が複数本の棒状体にばらばらに作用し、全てに土圧が均一に作用しない可能性があることから、棒状体毎に地盤隆起の抑制効果のばらつきが生じてしまうおそれが生じる。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、水底地盤で杭の造成前に杭のまわりに複数の棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する水底地盤改良工法において、棒状体の差し込み工程の実行が容易であり、複数の棒状体の差し込みによる地盤隆起の抑制効果を均等にかつ確実に得ることができる地盤改良工法およびこの工法に使用可能な棒状体アッセンブリを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1の地盤改良工法は、杭造成による水底地盤の地盤改良工法であって、複数の棒状体を連結部材により互いに連結させて構成した棒状体アッセンブリを水中へ降下させる工程と、前記棒状体アッセンブリの各棒状体を杭造成位置のまわりで水底から地盤内へ差し込む工程と、ケーシングパイプを前記複数の棒状体に囲まれた杭造成位置から前記地盤内へ貫入させる工程と、前記貫入したケーシングパイプを通して供給された杭材料により前記地盤内に杭を造成する工程と、を含むことを特徴とする。
この水底地盤改良工法によれば、複数の棒状体を連結部材により連結させた棒状体アッセンブリを水中へ降下させて各棒状体を杭造成位置のまわりで水底から地盤に貫入されるので、複数の棒状体を一回の工程で水底地盤内に容易に設置することができる。また、地中に差し込まれた複数の棒状体が連結部材により互いに連結されているので、その後の杭の造成において棒状体に対し杭側から外側へ土圧が作用しても、その土圧に抗して各棒状体が均等に抵抗力を発揮し、棒状体の倒れ・開きを確実に防止できる。このため、複数の棒状体の地中への差し込みによる地盤隆起の抑制効果を各棒状体において均等にかつ確実に得ることができる。
上記目的を達成するための第2の地盤改良工法は、杭造成による水底地盤の地盤改良工法であって、複数の棒状体を連結部材により互いに連結させて構成した棒状体アッセンブリをケーシングパイプの先端側に吊り下げた状態で水中へ降下させる工程と、前記棒状体アッセンブリの各棒状体を杭造成位置のまわりで水底から地盤内へ差し込む工程と、前記ケーシングパイプを前記複数の棒状体に囲まれた杭造成位置から前記地盤内へ貫入させる工程と、前記貫入したケーシングパイプを通して供給された杭材料により前記地盤内に杭を造成する工程と、を含むことを特徴とする。
この水底地盤改良工法によれば、複数の棒状体を連結部材により連結させた棒状体アッセンブリを水中へ降下させて各棒状体を杭造成位置のまわりで水底から地盤内へ差し込むので、複数の棒状体を一回の工程で水底地盤内に容易に設置することができる。このとき、棒状体アッセンブリをケーシングパイプの先端側に吊り下げた状態で水中へ降下させて各棒状体を水底から地盤内へ差し込み、続いて、ケーシングパイプを降下させて地盤内へ貫入させることができるので、棒状体アッセンブリの水中降下工程と、棒状体の水底地盤差込工程と、ケーシングパイプの地盤貫入工程とを連続的に行うことができ、効率的に実行することができる。また、地中に差し込まれた複数の棒状体が連結部材により互いに連結されているので、その後の杭の造成において棒状体に対し杭側から外側へ土圧が作用しても、その土圧に抗して各棒状体が均等に抵抗力を発揮し、棒状体の倒れ・開きを確実に防止できる。このため、複数の棒状体の地中への差し込みによる地盤隆起の抑制効果を各棒状体において均等にかつ確実に得ることができる。
上記水底地盤改良工法において前記杭の造成後、前記ケーシングパイプの引き上げに連動して前記棒状体アッセンブリを吊り上げて撤去することが好ましい。これにより、ケーシングパイプを引き上げると、これに連動して棒状体アッセンブリを撤去することができる。
また、前記棒状体アッセンブリを上部から押しつけることで前記複数の棒状体を前記地盤内に差し込むことにより、地盤強度がある場合でも、棒状体アッセンブリを地盤内に設置できるので、本水底地盤改良工法を適用する際に地盤強度の制約が少なくなる。
上記目的を達成するための棒状体アッセンブリは、上述の各水底地盤改良工法における前記棒状体アッセンブリとして使用可能であることを特徴とする。この棒状体アッセンブリによれば、水底地盤で杭の造成前に杭のまわりに複数の棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する地盤改良工法において、棒状体の差し込み工程の実行が容易であるとともに、地盤隆起の抑制効果を均等にかつ確実に得ることができる。
本発明の地盤改良工法およびこの工法に使用可能な棒状体アッセンブリによれば、水底地盤で杭の造成前に杭のまわりに複数の棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する地盤改良工法において、棒状体の差し込み工程の実行が容易であり、複数の棒状体の差し込みによる地盤隆起の抑制効果を均等にかつ確実に得ることができる。
本実施形態による棒状体アッセンブリを概略的に示す図であって、棒状体アッセンブリの上面図(a)、側面図(b)、図1(b)のC部の拡大図(c)および吊り部の拡大図(d)である。 本実施形態による第1地盤改良工法の工程S01〜S10を説明するためのフローチャートである。 図2の工程S01〜S10に対応する施工工程(a)〜(g)を概略的に示す図である。 本実施形態の水底地盤改良工法において地盤に造成される砂杭と棒状体と連結部材を概略的に示す平面図である。 図4のように造成された砂杭と棒状体を概略的に示す断面図である。 棒状体を単独で差し込んだ場合に発生する問題を説明するための概略的な断面図である。 本実施形態の棒状体アッセンブリによる地盤隆起の抑制効果を説明するための概略的な断面図である。 本実施形態による第2地盤改良工法の施工工程(a)〜(g)を概略的に示す図である。 従来の水底地盤における地盤改良工法の工程(a)〜(f)を概略的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態による棒状体アッセンブリを概略的に示す図であって、棒状体アッセンブリの上面図(a)、側面図(b)、図1(b)のC部の拡大図(c)および吊り部の拡大図(d)である。
本実施形態による棒状体アッセンブリ1は、図1(a)〜(d)のように、4本の棒状体Rと、各棒状体Rを連結する連結部3と、棒状体Rと連結部3との接合部5と、連結部3および棒状体アッセンブリ1の剛性を高めるための補強板6と、棒状体アッセンブリ1の設置や除去のときの吊り下げ・吊り上げのための吊り部7と、を備える。4本の棒状体Rは、連結部3により連結されることで互いが平行になって延びている。
連結部3は、四角形の枠体状の連結部材3aを有し、連結部材3aの四隅の接合部5で棒状体Rと接合されるようになっている。接合部5での棒状体Rとの接合は、ボルトナットや溶接等の公知技術を用いて行うことができる。
棒状または板状等の補強部材4が、連結部材3aの下部と棒状体Rの上部との間に方杖として取り付けられ、各棒状体Rの連結を補強し棒状体アッセンブリ1全体の剛性を高める。
補強板6は、三角形状に構成され、連結部3の連結部材3aの四隅に配置され、ボルトナットや溶接等により連結部材3aに取り付けられ、連結部3および棒状体アッセンブリ1の剛性を高める。また、棒状体アッセンブリ1が軟弱地盤に設置される場合、水底に達すると、連結部3の四隅にある補強板6によって水底に留まることができる。
なお、棒状体アッセンブリ1の地盤への設置後、連結部材3aの内側空間にはケーシングパイプ11が位置する。このため、補強板6によって水底に留まるに十分な面積が確保できない場合などには、連結部材3aの外側にはみ出すように板部材などを取り付けてもよい。
吊り部7は、図1(a)のように、連結部3の連結部材3aの四隅に設けた各補強板6に台座7bを溶接等で取り付け、台座7bの上に吊り金具7aを溶接等で取り付けて固定している。吊り部7の吊り金具7aに吊りワイヤを掛けることで棒状体アッセンブリ1の吊り下げおよび吊り上げが可能である。
図1の棒状体アッセンブリ1では、連結部3の連結部材3aがその四隅の接合部5で各棒状体Rと接合されることで、各棒状体Rの隣り合う同士を互いに連結する。さらに、各棒状体Rの連結を補強部材4によって補強している。
また、棒状体Rは、鋼管や棒鋼を用いることができるが、異形棒鋼や他の棒状の鋼材や硬質プラスチック材料や木材などを用いることができ、断面形状も円形以外に長円形や三角形や四角形等であってもよい。連結部材3aは、例えば、直線状の板鋼や形鋼などの鋼材などを用いて四角形の枠状に組み立てることができる。
〈第1水底地盤改良工法〉
次に、本実施形態の棒状体アッセンブリ1を用いた第1水底地盤改良工法について図2〜図5を参照して説明する。
図2は、本実施形態による第1地盤改良工法の工程S01〜S10を説明するためのフローチャートである。図3は、図2の工程S01〜S10に対応する施工工程(a)〜(g)を概略的に示す図である。図4は本実施形態の水底地盤改良工法において地盤に造成される砂杭と棒状体と連結部材を概略的に示す平面図である。図5は図4のように造成された砂杭と棒状体を概略的に示す断面図である。
まず、図3(a)のように、図1の棒状体アッセンブリ1を吊り部7でケーシングパイプ11の先端側に吊りワイヤ13により吊り下げた状態で水中へ降下させる(S01)。
ケーシングパイプ11はクレーン船(図示省略)等により上昇および下降が可能となっている。ケーシングパイプ11をクレーン船(図示省略)等により支持しながら水面Sから水中へと降下させる。ケーシングパイプ11は、その先端に開閉可能なシュー(排砂弁部)12を有する。シュー12は自重で開き、地面に接すると反力で閉じるようになっている。
次に、棒状体アッセンブリ1を水底Tの所定の位置に設置し、図7(b)のように、各棒状体Rを水底Tから地盤G内へ差し込む(S02)。
本実施形態では、改良対象地盤Gを、棒状体アッセンブリ1の棒状体Rが自沈可能な程度の地盤強度と想定するので、各棒状体Rは先端が水底Tに達すると自重により地盤G内へと貫入し、図1(a)の棒状体アッセンブリ1の連結部3の四隅にある補強板6が水底Tに達すると貫入が止まる(図5参照)。
次に、図3(c)のように、ケーシングパイプ11を水底Tにおいて複数の棒状体Rに囲まれた杭造成位置に着底させる(S03)。このとき、ケーシングパイプ11の先端のシュー12が閉じる。
次に、図3(d)のように、ケーシングパイプ11を水底Tの杭造成位置から地盤G内へ改良対象深度まで貫入させ(S04)、ケーシングパイプ11内に杭材料である砂20を投入し充填する(S05)。
次に、図3(e)のように、ケーシングパイプ11を所定量引き上げるとシュー12が開くことで砂20を地盤G内に排出する(S06)。
次に、図3(f)のように、ケーシングパイプ11を上記工程S06の引き上げ量の1/2〜2/3程度打ち戻し砂径を拡げる(S07)。すなわち、ケーシングパイプ11を打ち戻すと、シュー12が閉じるので、砂20を締め固めることができ、これにより砂径を拡げることができる。
上述の工程S06,S07を砂杭Pの造成が完了するまで繰り返し(S08)、完了すると、図3(g)のように、地盤G内に締め固められた砂杭Pが完成する(S09)。このようにして、砂杭Pが地盤G内に造成され、地盤Gの密度が増加する。
次に、ケーシングパイプ11を引き上げるが、図3(g)のように、吊りワイヤ13がケーシングパイプ11の引き上げに連動して棒状体アッセンブリ1を吊り上げて撤去する(S10)。これにより、ケーシングパイプ11の引き上げに連動して棒状体アッセンブリ1を撤去することができる。
なお、吊りワイヤ13の長さを十分確保しておくことで、ケーシングパイプ11の着底・貫入のとき吊りワイヤ13を棒状体アッセンブリ1に繋いだままにしておくことができ、上記撤去工程S10でそのまま棒状体アッセンブリ1を吊り上げることができる。
また、上記工程S04〜S07における砂杭の造成は、上記杭造成方法に限定されず、例えば、杭材(砂)を先端部に充填したケーシングパイプを電動モータ等で回転させながら地盤中に所定の深さまで貫入させ、次に、内部を圧気したケーシングパイプを回転させながら引き抜いて杭材を所定量排出してからケーシングパイプを回転させて強制貫入して排出した杭材と周囲の地盤とを締め固めることを繰り返すことで締め固め砂杭を造成するような杭造成方法を用いてもよい。
図4,図5のように、複数の棒状体Rが杭造成位置を包囲するように位置するとともに、連結部材3aによって各棒状体Rが頭部で互いに連結された状態で砂杭Pが造成されるが、砂杭Pのまわりでは、図4のように、外側方向d1へと砂杭Pの外側に向く土圧が発生するため、周辺地盤に対する土圧が増加し、これにより、従来技術では棒状体Rの開き・倒れが発生し、棒状体Rの差し込みによる地盤隆起の抑制効果が減少するおそれが生じたが、本実施形態の棒状体アッセンブリ1によりかかる問題の発生を未然に防止できる。
図6,図7を参照して上記問題の防止メカニズムについて説明する。図6は棒状体を単独で差し込んだ場合に発生する問題を説明するための概略的な断面図である。図7は本実施形態の棒状体アッセンブリによる地盤隆起の抑制効果を説明するための概略的な断面図である。
棒状体Rを砂杭Pの造成前に予め地中に差し込んでおく目的は、砂杭Pの造成により棒状体Rに対する拘束圧力(土圧)が増加し、棒状体Rと地盤との間の摩擦力が地盤変形の抵抗となって地盤の隆起を減少させる方向に作用することを期待するためである。
しかし、図6のように、砂杭Pの造成により砂杭Pの外側方向d1へと生じる土圧は、棒状体Rの剛性を超えると、棒状体Rを地盤上部で外側に倒し開く状態としてしまう。この結果、棒状体Rの摩擦力による地盤変形抵抗が低下し、地盤隆起の抑制効果が作用しにくくなってしまう。このため、砂杭Pの周囲において水底面Tが隆起し、その隆起部Mの隆起量が増えてしまう。
これに対し、図1,図4,図5のように複数の棒状体Rを連結部3の連結部材3aで互いに連結することで棒状体Rを互いに拘束し、これにより、図7のように、砂杭Pの造成により砂杭Pの外側方向d1へと生じる土圧が増加しても、棒状体Rの倒れ・開きを防止することができる。この結果、砂杭Pの造成により棒状体Rに対して増加する土圧は、棒状体Rへの拘束圧力を増加させ、当初の目的のとおり、棒状体Rに働く摩擦力が地盤変形の抵抗となって地盤の隆起を減少させる方向に作用する。このため、砂杭Pの周囲において水底面Tが隆起しても、その隆起部Mの隆起量を減らすことができる。
また、4本の棒状体Rを連結部材3aにより互い連結することで、各棒状体Rは外側方向d1の土圧(図7)に対し高い抵抗力を均等に発揮するので、各棒状体Rの倒れ・開きを確実に防止できるとともに、土圧が各棒状体Rに均等に作用するので、地盤隆起の抑制効果が各棒状体Rにおいて均等となり、地盤隆起の抑制効果が向上する。
本実施形態によれば、次の効果(1)〜(3)を奏することができる。
(1)複数の棒状体Rを連結部材3aにより連結させた棒状体アッセンブリ1を水中へ降下させて各棒状体Rを水底Tから地中に差し込むので、杭造成前に複数の棒状体Rを一回の工程で水底地盤G内に容易に設置することができる。
(2)地中に差し込まれた複数の棒状体Rが連結部材3aにより互いに連結されているので、その後の杭の造成において棒状体に対し杭側から外側へ土圧が作用しても、その土圧に抗して各棒状体が均等に抵抗力を発揮し、棒状体の倒れ・開きを確実に防止できる。このため、複数の棒状体の地中への差し込みによる地盤隆起の抑制効果を各棒状体において均等にかつ確実に得ることができる。
(3)棒状体アッセンブリ1をケーシングパイプ11の先端側に吊り下げた状態で水中へ降下させて各棒状体Rを水底Tから地盤G内へ差し込み、続いて、ケーシングパイプ11を降下させ、地盤G内へ貫入させることができるので、棒状体アッセンブリの水中降下工程S01と、棒状体の水底地盤差し込み工程S02と、ケーシングパイプの地盤着底、貫入工程S03,S04とを連続的に行うことができ、効率的に実行することができる。
この場合、複数の棒状体Rに囲まれた杭造成位置は、図4のように、各棒状体Rを連結する連結部材3aによって形成される四角形の対角線中心に位置するから、工程S01で棒状体アッセンブリ1をケーシングパイプ11の先端側に吊り下げるとき、ケーシングパイプ11の中心線が棒状体アッセンブリ1の連結部材3aによる四角形の対角線中心とほぼ一致するようにして吊り下げることで、工程S03,S04でケーシングパイプ11の先端を水底Tの杭造成位置に着底させて貫入させることができる。
〈第2水底地盤改良工法〉
次に、本実施形態の棒状体アッセンブリ1を用いた第2水底地盤改良工法について図8を参照して説明する。図8は、本実施形態による第2地盤改良工法の施工工程(a)〜(g)を概略的に示す図である。
図8(a)〜(g)の第2地盤改良工法が図1,図3と比べて異なる点について主に説明する。図8の棒状体アッセンブリ21は、図1の棒状体アッセンブリ1と基本的に同様の構成であるが、棒状体Rを図1の連結部3から突き出るように配置し、突き出た上部に連結補強部材8を配置し、連結補強部材8の上部において棒状体アッセンブリ21の吊り下げ・吊り上げ・打ち込み可能に構成し、連結部3から下側の部分が地盤G内に位置するように構成したものである。
棒状体アッセンブリ21を地盤G内に設置する場合、図8(a)のように船体(ハッチングで示す)から延びた油圧シリンダ等のアクチュエータ22によって棒状体アッセンブリ21を各棒状体Rの頭部で支持し吊り下げ、図8(b)のように、アクチュエータ22からロッド22aを伸ばすことで棒状体アッセンブリ21の各棒状体Rを水底Tから押し込んで地中に差し込む。このとき、棒状体アッセンブリ21の連結部3が水底Tに達するまで棒状体アッセンブリ21を押し込む。上述のようにして、棒状体アッセンブリ21の棒状体Rを地盤G内に設置することができる。
次に、図8(c)〜(g)のように、図3(c)〜(g)と同様にして、ケーシングパイプ11を用いて地盤G内に締め固められた砂杭Pを造成する。砂杭Pの造成後、図8(g)のように、アクチュエータ22にロッド22aを引き込むことで棒状体アッセンブリ21を地中から引き抜き撤去する。
本実施形態によれば、上述の効果(1)(2)と同様の効果を奏することができるが、さらに次の効果(4)(5)を奏する。
(4)棒状体アッセンブリ21をアクチュエータ22により棒状体アッセンブリ21を支持し吊り下げた状態で水中へ降下させ、各棒状体Rを水底Tから差し込み地盤G内へ貫入させることができるので、棒状体アッセンブリ21の水中降下工程と、棒状体の水底地盤差し込み工程とを連続的に行うことができ、効率的に実行することができる。
(5)棒状体アッセンブリ21の棒状体Rをアクチュエータ22によって強制的に地中に押し込むので、地盤強度の制約が少なくなり、地盤強度が図3の場合よりも大きい場合でも、棒状体アッセンブリ21を地盤G内に設置することができる。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、杭材料として砂の代わりに砂利や礫を用いてもよい。
また、杭のまわりに予め差し込む棒状体は、本実施形態では4本としたが、これに限定されず、3本であってもよく、また、5本またはそれ以上であってもよい。また、図1、図8の棒状体アッセンブリ1、21は、一構成例であって、これに限定されるものではなく、他の構成であってもよいことはもちろんである。
また、棒状体アッセンブリの撤去工程を省略し、棒状体アッセンブリを地中に残してもよい。
本発明の地盤改良工法およびこの工法に使用可能な棒状体アッセンブリによれば、水底地盤で杭の造成前に杭のまわりに複数の棒状体を地中に差し込んだ後に杭を造成する地盤改良工法において、棒状体の差し込み工程の実行が容易であり、複数の棒状体の差し込みによる地盤隆起の抑制効果を均等にかつ確実に得ることができるので、地盤改良による水底で隆起による盛り上がりが少なくなり、盛り上がり部の除去工程などが不要乃至簡単となり、コストアップを抑えることができる。
1,21棒状体アッセンブリ 3 連結部 3a 連結部材 5 接合部 6 補強板 7 吊り部 11 ケーシングパイプ 13 吊りワイヤ 20 砂、杭材料 22 アクチュエータ R 棒状体 P 砂杭、杭 S 水面 T 水底、水底面 G 改良対象地盤、地盤、水底地盤

Claims (5)

  1. 杭造成による水底地盤の地盤改良工法であって、
    複数の棒状体を連結部材により互いに連結させて構成した棒状体アッセンブリを水中へ降下させる工程と、
    前記棒状体アッセンブリの各棒状体を杭造成位置のまわりで水底から地盤内へ差し込む工程と、
    ケーシングパイプを前記複数の棒状体に囲まれた杭造成位置から前記地盤内へ貫入させる工程と、
    前記貫入したケーシングパイプを通して供給された杭材料により前記地盤内に杭を造成する工程と、を含むことを特徴とする水底地盤改良工法。
  2. 杭造成による水底地盤の地盤改良工法であって、
    複数の棒状体を連結部材により互いに連結させて構成した棒状体アッセンブリをケーシングパイプの先端側に吊り下げた状態で水中へ降下させる工程と、
    前記棒状体アッセンブリの各棒状体を杭造成位置のまわりで水底から地盤内へ差し込む工程と、
    前記ケーシングパイプを前記複数の棒状体に囲まれた杭造成位置から前記地盤内へ貫入させる工程と、
    前記貫入したケーシングパイプを通して供給された杭材料により前記地盤内に杭を造成する工程と、を含むことを特徴とする水底地盤改良工法。
  3. 前記杭の造成後、前記ケーシングパイプの引き上げに連動して前記棒状体アッセンブリを吊り上げて撤去することを特徴とする請求項1または2に記載の水底地盤改良工法。
  4. 前記棒状体アッセンブリを上部から押しつけることで前記複数の棒状体を前記地盤内に差し込むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水底地盤改良工法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水底地盤改良工法における前記棒状体アッセンブリとして使用可能であることを特徴とする棒状体アッセンブリ。
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