JP2012180330A - 口腔用組成物及び歯肉繊維芽細胞の活性酸素傷害抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)アスコルビン酸リン酸エステル塩と(B)アラビトールとを配合してなることを特徴とする口腔用組成物、及び(A)アスコルビン酸リン酸エステル塩と(B)アラビトールとからなる歯肉繊維芽細胞の活性酸素傷害抑制剤。
【選択図】なし
Description
(B)成分のアラビトールは、D−アラビノース及びL−リキソースを還元して得られる糖アルコールである。アラビトールには、D(+)−アラビトール及びL(−)−アラビトールがあるが、それぞれを単独で使用しても、2種を組み合わせて使用してもよい。アラビトールとしては市販品、例えば和光純薬工業社製、関東化学社製、シグマ社製のD(+)−アラビトール及びL(−)−アラビトールを使用できる。
なお、本発明で使用するモル数は、一般的な周期表に準じ、例えば、アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムの分子量を289.54、アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウムの分子量を322.05、アラビトールの分子量を152.15として算出するものとする。
本発明組成物は、剤型に応じて、本発明の効果を妨げない範囲で公知の任意成分を適宜配合できる。具体的には、上記各成分に加えて、歯磨剤の場合は、例えば研磨剤、粘結剤、(B)アラビトール以外の粘稠剤、界面活性剤、甘味剤、防腐剤、香料、(A)アスコルビン酸リン酸エステル塩以外の有効成分、水等の溶媒、pH調整剤などを安定性及び有効性を損なわない範囲で配合し得る。また、洗口剤の場合は、例えば、(B)アラビトール以外の湿潤剤、界面活性剤、溶剤、緩衝剤、防腐剤、殺菌剤、香料、甘味剤、色素、(A)アスコルビン酸リン酸エステル塩以外の有効成分などを配合できる。
研磨剤としては、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹脂系研磨剤等が挙げられる。
これらの研磨剤の配合量は、歯磨剤では組成物全体の2〜40%(質量%、以下同様。)、特に5〜20%とすることが好ましい。洗口剤では、配合しなくてもよく、組成物全体の0〜10%、特に0〜5%が好ましい。
また、溶剤としてエタノール、水等を配合し得る。
なお、これら任意成分の配合量は本発明の効果を損なわない範囲で通常量とすることができる。
表1〜5に示す組成の口腔用組成物(実施例1〜26、比較例1〜10)を調製した。調製は、アスコルビン酸リン酸エステル塩又は比較品のアスコルビン酸塩を溶解した精製水中に、アラビトール又は比較品の糖アルコールを常温で添加し、スリーワンモーターと回転羽根を有する撹拌機で撹拌して均一液とした。その後、pHメーター(HM−26S、東亜電波工業株式会社)を用いて、pH調整剤によりpHを6〜9に調整して、口腔用組成物を得た。
次に、市販の歯肉線維芽細胞Gin−1(DSファーマバイオメディカル社製)を10%牛胎児血清(FBS)含有Dullbecco’s Modified Eagle Medium(D−MEM)中で、37℃、5%CO2の条件下で前培養した。5×104cells/mLに調製したGin−1を48ウェルプレートに400μL播種し、更に24時間培養した。培養液を除去後、調製した口腔用組成物をそれぞれ添加(10%FBS含有D−MEMで100倍希釈)して24時間、薬剤処置した。処置終了後、1mMの過酸化水素を含むD−MEM(活性酸素を想定)を60分間添加した。但し、過酸化水素無処置の場合は、D−MEMのみを添加した。D−MEMを除去後、細胞活性試薬(Calcein AM;インビトロジェン社製)を200μL添加し、37℃、5%CO2条件下で30分間インキュベートした。その後、プレートリーダー(Fluoroskan Ascent;Labsystems社製)を用いて、Ex/Em=485nm/538nmの条件下で蛍光強度を測定した。下記式から算出した結果を細胞傷害抑制率とした。細胞傷害抑制評価はn=10で実施し、平均値を算出した。これらの結果を表1〜5に示す。
細胞傷害抑制率(%)=(過酸化水素処置した場合の蛍光強度)/(過酸化水素無処置の場合の蛍光強度)×100
〔実験例1〕において、調製した口腔用組成物を添加して薬剤処置する時間を48時間まで延長する以外は同様にして、経時での細胞傷害抑制効果を評価した。実験方法及び細胞傷害抑制率の算出方法は〔実験例1〕と同様である。これらの結果を表1〜5に示す。
これに対して、本発明の必須要件のいずれかを欠く場合(比較例)、即ち、(A)アスコルビン酸リン酸エステル塩が配合されていない場合、(B)アラビトールが配合されていない場合、(A)アスコルビン酸リン酸エステル塩の代わりにアスコルビン酸塩を配合した場合、(B)アラビトールの代わりにソルビトール等の他の糖アルコールを配合した場合は、細胞傷害抑制率が低かったり、(A)及び(B)成分の相乗効果が認められず、特に経時での細胞傷害抑制率が低いことが分かった。
なお、使用した主原料の詳細は、アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム(昭和電工社製)、アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム(和光純薬工業社製)、D(+)−アラビトール(シグマ社製)、L(−)−アラビトール(関東化学社製)である。
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.3
(1.0mmol/100g)
D(+)−アラビトール 20.0
(131mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.72
無水ケイ酸 20.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 0.5
プロピレングリコール 5.0
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H;日本純薬株式会社製)0.4
キサンタンガム(モナートガムDA;CPケルコ社製) 0.6
サッカリンナトリウム 0.1
香料 0.8
安息香酸ナトリウム 0.2
リン酸水素二カリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH;8.4
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 127
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 1.0
(3.5mmol/100g)
L(−)−アラビトール 30.0
(197mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.72
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
プロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール 1.5
アルギン酸ナトリウム(I−1;株式会社キミカ製) 0.5
カラギーナン(GENUVISCO PJ−JPE;CPケルコ社製) 0.8
デキストラナーゼ 0.2
サッカリンナトリウム 0.3
香料 1.2
メチルパラベン 0.1
リン酸水素二ナトリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH8.4
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 57
アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム 0.3
(0.9mmol/100g)
D(+)−アラビトール 20.0
(131mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.72
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
プロピレングリコール 4.0
キサンタンガム(サンエースB−S;三栄源エフエフアイ株式会社製) 0.2
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H;日本純薬株式会社製)0.15
85%グリセリン 5.0
トリクロサン 0.1
サッカリンナトリウム 0.15
香料 0.6
メチルパラベン 0.1
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH8.8
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 141
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.14
(0.5mmol/100g)
D(+)−アラビトール 10.0
(66mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 3.5
無水ケイ酸 20.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
プロピレングリコール 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
(1220;ダイセル化学工業株式会社製)
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5
(サンローズF10LC;日本製紙株式会社製)
塩化セチルピリジニウム 0.02
サッカリンナトリウム 0.2
香料 0.5
安息香酸ナトリウム 0.4
リン酸水素二カリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH6.3
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 136
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.3
(1.0mmol/100g)
D(+)−アラビトール 20.0
(131mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.72
無水ケイ酸 20.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.5
ポリオキシエチレン(平均付加EO 20モル)硬化ヒマシ油 0.5
プロピレングリコール 3.0
アルギン酸ナトリウム(I−1;株式会社キミカ製) 0.5
カラギーナン(GENUVISCO PJ−JPE;CPケルコ社製) 0.2
サッカリンナトリウム 0.2
香料 0.8
安息香酸ナトリウム 0.5
リン酸水素二ナトリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH7.0
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 127
アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム 0.3
(0.9mmol/100g)
D(+)−アラビトール 20.0
(131mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 1.14
無水ケイ酸 20.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
ポリオキシエチレン(平均付加EO 20モル)硬化ヒマシ油 1.2
プロピレングリコール 2.0
アルギン酸ナトリウム(ULV−3;株式会社キミカ製) 0.2
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H;日本純薬株式会社製)0.4
キサンタンガム(モナートガムDA;CPケルコ社製) 0.6
デキストラナーゼ 0.3
サッカリンナトリウム 0.15
香料 0.8
安息香酸ナトリウム 0.5
リン酸水素二ナトリウム 適量
精製水 残
計 100.0%
pH7.2
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 141
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 1.0
(3.5mmol/100g)
D(+)−アラビトール 20.0
(131mmol/100g)
モノフルオロリン酸ナトリウム 0.72
無水ケイ酸 15.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
プロピレングリコール 4.0
キサンタンガム(サンエースB−S;三栄源エフエフアイ株式会社製) 0.2
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H;日本純薬株式会社製)0.15
85%グリセリン 5.0
トリクロサン 0.1
サッカリンナトリウム 0.15
香料 0.6
メチルパラベン 0.1
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH6.7
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 38
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.3
(1.0mmol/100g)
D(+)−アラビトール 30.0
(197mmol/100g)
カラギーナン(GENUVISCO PJ−JPE;CPケルコ社製) 0.4
ポリオキシエチレン(平均付加EO 60モル)硬化ヒマシ油 0.4
塩化ベンザルコニウム 0.02
サッカリンナトリウム 0.1
85%グリセリン 7.0
エタノール 2.0
安息香酸ナトリウム 0.3
香料 0.3
水酸化ナトリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH8.3
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 190
アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム 0.3
(0.9mmol/100g)
D(+)−アラビトール 20.0
(131mmol/100g)
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
(サンローズF10LC;日本製紙株式会社製)
ポリオキシエチレン(平均付加EO 60モル)硬化ヒマシ油 0.2
サッカリンナトリウム 0.1
プロピレングリコール 5.0
デキストラナーゼ 0.2
安息香酸ナトリウム 0.3
香料 0.3
リン酸水素二ナトリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH8.7
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 141
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.3
(1.0mmol/100g)
D(+)−アラビトール 10.0
(66mmol/100g)
ポリアクリル酸ナトリウム(レオジック250H;日本純薬株式会社製)0.05
ポリオキシエチレン(平均付加EO 60モル)硬化ヒマシ油 0.4
リン酸水素二ナトリウム 0.3
グリチルリチン酸 0.2
サッカリンナトリウム 0.1
85%グリセリン 4.0
エタノール 5.0
安息香酸ナトリウム 0.4
香料 0.3
精製水 残
計 100.0%
pH7.0
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 63
アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム 0.3
(1.0mmol/100g)
D(+)−アラビトール 30.0
(197mmol/100g)
アルギン酸ナトリウム(ULV−3;株式会社キミカ製) 0.3
ポリオキシエチレン(平均付加EO 60モル)硬化ヒマシ油 0.3
サッカリンナトリウム 0.05
イソプロピルメチルフェノール 0.05
プロピレングリコール 3.0
デキストラナーゼ 0.2
安息香酸ナトリウム 0.3
香料 0.3
リン酸水素二カリウム(pH調整剤) 適量
精製水 残
計 100.0%
pH7.3
アラビトール/アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩のモル比; 190
Claims (4)
- (A)アスコルビン酸リン酸エステル塩と(B)アラビトールとを配合してなることを特徴とする口腔用組成物。
- (B)成分/(A)成分のモル比が20〜200である請求項1記載の口腔用組成物。
- (B)アラビトールの配合量が20〜280mmol/100gである請求項1又は2記載の口腔用組成物。
- (A)アスコルビン酸リン酸エステル塩と(B)アラビトールとからなる歯肉繊維芽細胞の活性酸素傷害抑制剤。
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