JP2012180040A - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】巻取ドラムの軸方向寸法の小型化が可能となるシートベルト用リトラクタを提供する。
【解決手段】一端がウエビングを巻き取るガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されて、他端が車両衝突時に前記ウエビングの引き出し方向への回転が阻止されるロック部材に相対回転不能に連結されて、前記ガイドドラムが前記ロック部材に対して相対回転するときに捩り変形可能なトーションバーを備え、前記トーションバーは、前記一端の外周部に等中心角度で突出する複数の断面台形状の突起部から構成されたスプラインを有し、前記ガイドドラムは、軸方向他端側が閉塞されて前記トーションバーを収納する略筒状の軸孔と、前記軸孔の前記軸方向他端側の内周面から等中心角度で突出する複数の断面略台形状の突出部と、を有し、前記スプラインの各突起部間に前記複数の突出部を嵌合させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両衝突時等の緊急時にウエビングの弛みを除去するためのシートベルト用リトラクタに関するものである。
従来より、車両衝突時等の緊急時にシートベルトの弛みを除去するためのシートベルト用リトラクタに関して種々提案されている。
例えば、ウエビングが巻回されるリールのフランジ部とこのフランジ部の外側に形成された外軸部の中心には、内周面がトルクス形状をした凹部が形成されている。また、トーションバーは棒状のバー部の両端部にトルクス形状の連結部が形成されている。そして、トーションバーの一方の連結部が、リールの凹部に回動不能に嵌合され、該トーションバーの他方の連結部が、ロッキングベースのトルクス形状をした凹部に回動不能に嵌合される。
そして、プリテンショナが作動して、シートベルトが所定長さだけ巻き取られるとほぼ同時に、緊急ロック機構によりロッキングベースのシートベルト引き出し方向への回転が阻止される。このため、ロッキングベースの凹部に連結部が嵌合されているトーションバーが回動不能となり、シートベルトに引き出し方向の荷重がかかった場合には、トーションバーのバー部が捩り変形されて、リールがシートベルトの引き出し方向へ回転され、乗員に加えられる衝撃を吸収するように構成されたシートベルトリトラクタがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−233172号公報
前記した特許文献1に記載されたシートベルトリトラクタでは、トーションバーの一方の連結部が嵌合されるリールの凹部は、フランジ部とこのフランジ部の外側に形成された外軸部の中心に形成されている。このため、リールの軸方向の一端側にフランジ部だけでなく、凹部を形成するための外軸部をフランジ部の外側に設ける必要があるため、リールの軸方向寸法の小型化、引いては、シートベルトリトラクタの小型化が難しくなるという問題がある。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、巻取ドラムの軸方向寸法の小型化が可能となるシートベルト用リトラクタを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るシートベルト用リトラクタは、ウエビングを巻き取るガイドドラムと、前記ガイドドラムの軸方向一端側に取り付けられて、車両衝突時に前記ウエビングの引き出し方向への回転が阻止されるロック部材と、一端が前記ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されて、他端が前記ロック部材に相対回転不能に連結されて、前記ガイドドラムが前記ロック部材に対して相対回転するときに捩り変形可能なトーションバーと、を備え、前記トーションバーは、前記一端の外周部に半径方向外側へ等中心角度で突出する複数の断面台形状の突起部から構成されたスプラインを有し、前記ガイドドラムは、軸方向他端側が閉塞されて前記軸方向一端側から挿通された前記トーションバーを収納する略筒状の軸孔と、前記軸孔の前記軸方向他端側の内周面から等中心角度で半径方向内側に突出して前記スプラインの各突起部間に嵌合するように軸方向に沿って所定長さ設けられた複数の断面略台形状の突出部と、を有し、前記スプラインの各突起部間に前記複数の突出部を嵌合させることによって、前記トーションバーの一端が前記ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されることを特徴とする。
また、請求項2に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記ガイドドラムは、回転軸に平行に開孔され前記ウエビングが挿通されるスリットと、前記軸孔の前記軸方向他端側の底面部よりも軸方向外側に位置するように該ガイドドラムの他端側外周部から半径方向外側へ延出されて、該ガイドドラムに巻回されたウエビングの幅方向端面に当接するフランジ部と、前記スリットの該ガイドドラムの回転軸に対して半径方向内側の側面の一方の外側端縁部に沿って該ガイドドラムの半径方向内側へ窪むように形成された凹状の載置部と、を有し、前記スリットは、前記ガイドドラムの回転軸に対して半径方向内側の側面が、前記スプラインの半径方向外側へ突出する突起部に接するように、該ガイドドラムの外径の接線方向に平行に貫通されると共に、前記回転軸方向の他端側が前記フランジ部に達するように形成され、前記載置部は、該載置部の半径方向内側の背面部に該載置部の軸方向全幅に渡って前記突出部が形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に係るシートベルト用リトラクタは、請求項2に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記ウエビングの一端に設けられ該ウエビングの前記スリットからの抜けを防止する抜け止め部材を備え、前記抜け止め部材は、前記ウエビングの幅とほぼ同じ長さに形成されて、前記スリットの前記載置部に載置されることを特徴とする。
更に、請求項4に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記ロック部材を前記ガイドドラムの軸方向一端側に取り付けると共に、該ガイドドラムが該ロック部材に対して相対回転するときに剪断変形可能なネジ部材を備え、前記複数の突出部のうちの少なくとも一の突出部は、該突出部の前記ウエビングの巻き取り方向側の側面部に、前記突起部の側面部に当接可能に突出する突条部を有し、前記トーションバーの一端が前記ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結された場合には、前記スプラインの各突起部は、前記突条部によって前記ウエビングの巻き取り方向側へ押圧されて相対向する各突出部の前記ウエビングの引き出し方向側の側面部に当接されることを特徴とする。
請求項1に係るシートベルト用リトラクタでは、複数の断面略台形状の突出部を、ガイドドラムの軸孔の閉塞された軸方向他端側の内周面からスプラインの各突起部間に嵌合するように等中心角度で半径方向内側に突出させて形成する。そして、スプラインの各突起部間に複数の突出部を嵌合させることによって、トーションバーの一端がガイドドラムの内側に相対回転不能に連結される。
これにより、ガイドドラムの軸孔の閉塞された軸方向他端側に凹部を形成する必要が無くなり、当該ガイドドラムの軸孔が閉塞された軸方向他端側の厚さ寸法を薄くして、巻取ドラムの軸方向寸法の小型化を図ることができる。また、複数の断面略台形状の突出部は、ガイドドラムの軸孔の内周面から半径方向内側に突出するため、当該ガイドドラムの半径方向の薄肉化を図りつつ、当該複数の突出部を設けることが可能となる。また、トーションバーの一端側の外周部に設けられた複数の突起部は、断面台形状であるため、鍛造によって容易に成形することが可能となる。
また、請求項2に係るシートベルト用リトラクタでは、ガイドドラムのウエビングが挿通されるスリットの一方の外側端縁部に沿って形成された凹状の載置部は、該載置部の半径方向内側の背面部に、該載置部の軸方向全幅に渡って突出部が形成されている。これにより、載置部の半径方向の深さを大きくしても、突出部の厚さによって十分な機械的強度を保持することができる。
また、トーションバーの一端に設けられたスプラインの突起部間に、載置部の半径方向内側の背面部に形成された突出部を嵌合させつつ、トーションバーを軸孔内に挿入することによって、スプラインの各突起部間に複数の突出部をスムーズに嵌合させるように容易に案内することができる。また、スリットの回転軸方向の他端側が、フランジ部に達するように形成されているため、載置部の回転軸方向の他端側を、ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されたトーションバーの一端の外周部に、ガイドドラムの突出部を挟んで対向させることが可能となる。
また、請求項3に係るシートベルト用リトラクタでは、ウエビングの一端に設けられた抜け止め部材は、ガイドドラムのスリットの一方の外側端縁部に沿って形成された凹状の載置部に載置される。これにより、抜け止め部材は、フランジ側端縁部がガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されたトーションバーの一端の外周部に、ガイドドラムの突出部を挟んで対向するため、抜け止め部材からの荷重が、ガイドドラムとトーションバーとの両者に受け止められる結果、ウエビングの全量引き出し時の機械的強度を向上させることができる。
また、請求項4に係るシートベルト用リトラクタでは、トーションバーの一端がガイドドラムの内側に相対回転不能に連結された場合には、スプラインの各突起部は、突条部によってウエビングの巻き取り方向側へ押圧されて相対向する各突出部のウエビングの引き出し方向側の側面部に当接される。これにより、ガイドドラムがロック部材に対して相対回転するときに、トーションバーの捩り変形とネジ部材の剪断変形とが同時に開始され、ウエビングが引き出されるときの初期段階における衝撃エネルギーを確実に吸収することが可能となる。
本実施形態に係るシートベルト用リトラクタの外観斜視図である。 シートベルト用リトラクタをユニット別に分解した斜視図である。 巻取ドラムユニットの斜視図である。 巻取ドラムユニットの軸心及びカシメピンを含む断面図である。 巻取ドラムユニットの分解斜視図である。 図4のX1−X1矢視断面図である。 ドラムガイドをワイヤプレートの取り付け側から見た斜視図である。 ドラムガイドの段差部に形成された屈曲路を示す一部拡大図である。 ワイヤプレートの屈曲路を示す一部拡大図である。 トーションバーのガイドドラム挿入側から見た正面図である。 図10の背面図である。 ガイドドラムのウエビング挿入口を示す一部切り欠き断面図である。 ガイドドラムのウエビング引出口を示す一部切り欠き断面図である。 図5のX2−X2矢視断面図である。 ガイドドラムからウエビングが全量引き出された状態を示す図である。 図15のX3−X3矢視断面図である。 プリテンショナユニットの斜視図である。 プリテンショナユニットの分解斜視図である。 プリテンショナユニットの分解斜視図である。 プリテンショナユニットの一部切り欠き側面図である。 ハウジングユニットの分解斜視図である。 シートベルト用リトラクタのロックユニットを取り除いた状態の側面図である。 プリテンショナ機構のガス発生部材の作動によってピストンが移動して回転レバーの下端部がギヤ側アームの先端部から外れた状態を示す説明図である。 図23に対応するパウルの動作を示す説明図である。 ワイヤを引き出す動作説明図である。 ワイヤを引き出す動作説明図である。 ワイヤを引き出す動作説明図である。 ワイヤを引き出す動作説明図である。 各ラチェットギヤ取付ネジ、ワイヤ及びトーションバーによる衝撃エネルギーの吸収の一例を示す吸収特性図である。
以下、本発明に係るシートベルト用リトラクタについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
[概略構成]
先ず、本実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。
図1は本実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1の外観斜視図である。図2はシートベルト用リトラクタ1をユニット別に分解した斜視図である。
図1及び図2に示すように、シートベルト用リトラクタ1は、車両のウエビング3を巻き取るための装置であって、ハウジングユニット5と、巻取ドラムユニット6と、プリテンショナユニット7と、巻取バネユニット8と、ロックユニット9とから構成されている。
また、ロックユニット9は、ハウジングユニット5を構成するハウジング11の側壁部12に固設され、ウエビング3の急激な引き出しや車両の急激な加速度の変化に反応してウエビング3の引き出しを停止する起動動作を行う。
また、後述のプリテンショナ機構81(図18参照)を備えたプリテンショナユニット7は、平面視略コの字状のハウジングユニット5の相対向する各側板部13、14の上下端縁部から略直角内側方向に延出されてネジ孔が形成された各ネジ止め部13A、13B、14Aと貫通孔が形成されたピン止め部14Bに、プリテンショナユニット7の外側から挿通される各ネジ15によってネジ止めされ、また、ハウジング11の内側から挿通されるストッパーピン16と該ストッパーピン16に挿入されるプッシュナット18によって固定される。これにより、プリテンショナユニット7は、ハウジング11の側壁部12に相対向する他方の側壁部を構成する。
また、巻取バネユニット8は、プリテンショナユニット7の外側にバネケース19に一体形成された各ナイラッチ8Aによって固設される。
そして、ウエビング3が巻装される巻取ドラムユニット6は、ハウジングユニット5の側壁部12に固設されたロックユニット9とプリテンショナユニット7との間に回転自在に支持される。
[巻取ドラムユニットの概略構成]
次に、巻取ドラムユニット6の概略構成について図2乃至図16に基づいて説明する。
図3は巻取ドラムユニット6の斜視図である。図4は巻取ドラムユニットの軸心及びカシメピンを含む断面図である。図5は巻取ドラムユニット6の分解斜視図である。
図2乃至図5に示すように、巻取ドラムユニット6は、ガイドドラム21と、ドラムシャフト22と、トーションバー23と、ワイヤ24と、ワイヤプレート25と、ラチェットギヤ26とから構成されている。
ガイドドラム21は、アルミ材等により形成されて、プリテンショナユニット7側の端面部が閉塞された略円筒状に形成されている。また、ガイドドラム21の軸心方向のプリテンショナユニット7側の端縁部には、外周部から径方向に延出され、更に略直角外側方向に延出されたフランジ部27が形成されている。また、このフランジ部27の内周面には、後述のように車両衝突時に各クラッチパウル29(図18参照)が係合してピニオンギヤ体33(図18参照)の回転が伝達されるクラッチギヤ30が形成されている。
また、ガイドドラム21のプリテンショナユニット7側の端面部中央位置には、円筒状の取付ボス31が立設され、スチール材等により形成されるドラムシャフト22が圧入等によって固着されている。この取付ボス31の内側底面部には、貫通孔31Aが形成されている。また、この取付ボス31は、後述のクラッチ機構48(図18参照)を構成するポリアセタール等の合成樹脂材により形成された軸受部材32の筒状部32A(図18参照)に嵌入される。
これにより、巻取ドラムユニット6の一端側は、軸受部材32を介してプリテンショナユニット7を構成するピニオンギヤ体33の軸受け部33A(図19参照)に回転可能に支持される。また、巻取ドラムユニット6のドラムシャフト22の先端部が、巻取バネユニット8内の渦巻バネに結合され、渦巻バネの付勢力によって巻取ドラムユニット6をウエビング3の巻取方向に常時付勢する構造とされる。
また、ガイドドラム21の内側には、中心軸に沿って徐々に細くなるように抜き勾配が形成された軸孔21Aが形成されている。また、軸孔21Aは、貫通孔31Aを介して取付ボス31の内側に連通している。また、この軸孔21A内のフランジ部27側端部の内周面には、後述のように、断面略台形状の5個の突出部28A〜28E(図12〜図14参照)が、周方向一定間隔で半径方向内側へ突設されている。
また、各突出部28A〜28Eは、後述のように、スチール材等により形成されるトーションバー23の一端部に形成されたスプライン23Aの各突起部65(図10参照)間に嵌合可能に突設されている。これにより、トーションバー23のスプライン23A側をガイドドラム21の軸孔21Aに挿入してフランジ部27に圧入することによって、トーションバー23はガイドドラム21内に相対回転不能に圧入固定される。
また、ガイドドラム21の軸心方向のロックユニット9側には、端縁部から少し内側の外周面から径方向に延出されたフランジ部35が形成されている。また、このフランジ部35から軸心方向外側の部分は少し外径が細くなった円筒状の段差部36が形成されている。また、この段差部36の外側端面部には径方向の対向する位置に一対のネジ孔36A(図7参照)が設けられている。
また、フランジ部35の外側面には、後述のように所定形状の凸部53(図6参照)が形成され、ステンレス材等の金属材からなる線材状のワイヤ24が、この凸部53の形状に合わせて段差部36の基端部外周に装着される。
また、フランジ部35の外周部は、アルミ材等により形成されて、内側面の外周部に該フランジ部35から外側に突出するワイヤ24が嵌め込まれる凸部38が形成された側面視略卵形のワイヤプレート25で覆われている。
また、このワイヤプレート25の中央部には、段差部36が挿通される貫通孔40が形成されると共に、この貫通孔40の軸心方向外側の外周部には、内周面から半径方向内側に円弧状に突出する2個の凸部が、径方向において互いに対向するように形成された一対の嵌合凸部41が設けられている。また、この貫通孔40の各嵌合凸部41に挟まれた軸心方向外側の外周部には、径方向において互いに対向するように4対のカシメピン39が立設されている。また、各カシメピン39の基端部には、半円弧状に所定深さ窪んだ凹部39Aが形成されている。
また、ラチェットギヤ26は、スチール材等により形成された円板状で、外周部から軸心方向に段差部36とほぼ同じ高さまで延出された円筒状の延出部42が形成され、その延出部42の外周面に、後述のように車両衝突時や車両緊急時にパウル43(図22参照)が係合するラチェットギヤ部45が形成されている。また、延出部42の軸心方向ガイドドラム21側の端縁部には、外周部から径方向に延出された回り止めフランジ46が形成され、更に、その外周部に半径方向内側に円弧状に窪む2個の凹部が、径方向において互いに対向するように形成された一対の嵌合凹部46Bが設けられている(図5参照)。また、この回り止めフランジ46の各カシメピン39に対向する軸心方向外側面には、半円弧状に所定深さ窪んだ各凹部46Aが形成されている。
また、ラチェットギヤ26の各ネジ孔36Aに対向する位置には、各ラチェットギヤ取付ネジ37が嵌入される貫通孔が形成されている。また、各貫通孔の周囲は、各ラチェットギヤ取付ネジ37の頭部が収納される所定深さ窪んだ凹部47が形成されている。また、ラチェットギヤ26の外側中心位置には、軸部48が立設されている。また、軸部48の外周面には、スプライン48Aが形成されている。そして、巻取ドラムユニット6は、この軸部48を介してロックユニット9に回転可能に支持される。
また、ラチェットギヤ26の内側面の中央部には円筒状の固定ボス49が立設されており、この固定ボス49の内周面には、トーションバー23の他端側に形成されるスプライン23Bが嵌入されるスプライン溝が形成されている。なお、トーションバー23の他端側に形成されるスプライン23Bの外径は、該トーションバー23の一端側に形成されるスプライン23Aの外径よりも少し小さい径に形成されている。
従って、先ず、ワイヤプレート25の各嵌合凸部41にラチェットギヤ26の回り止めフランジ46の各嵌合凹部46Bを嵌入する。その後、各カシメピン39を、その基端部の凹部39A及び相対向する位置に形成された回り止めフランジ46の凹部46Aとの内側に広がるようにカシメる。これにより、ラチェットギヤ26及びワイヤプレート25が、相対回転不能に固定される。
そして、ガイドドラム21のフランジ部35の外側面に、後述のようにワイヤ24の一端の屈曲部24Aを屈曲路51に嵌入して装着する(図6参照)。続いて、その外側にワイヤプレート25及びラチェットギヤ26を被せて、固定ボス49内にトーションバー23の他端側に形成されたスプライン23Bを嵌入する。その後、ラチェットギヤ26の各凹部47内の貫通孔に各ラチェットギヤ取付ネジ37を挿通して、ガイドドラム21の各ネジ孔36Aにネジ止めする。尚、ラチェットギヤ26の固定ボス49内にトーションバー23の他端側に形成されたスプライン23Bを嵌入した後、このラチェットギヤ26をウエビング巻取方向へ回動させるように押さえつつ、各ラチェットギヤ取付ネジ37をガイドドラム21の各ネジ孔36Aにネジ止めするようにしてもよい。
これにより、ラチェットギヤ26及びワイヤプレート25が、トーションバー23及び各ラチェットギヤ取付ネジ37を介してガイドドラム21に対して相対回転不能に固定される。また、ガイドドラム21のフランジ部27とフランジ部35及びワイヤプレート25との間の外周面にウエビング3が巻装される。
ここで、ガイドドラム21とワイヤプレート25との間に取り付けられたワイヤ24の取付構造について図4乃至図9に基づいて説明する。
図6は図4のX1−X1矢視断面図である。図7はドラムガイド21をワイヤプレート25の取り付け側から見た斜視図である。図8はドラムガイド21の段差部36に形成された屈曲路を示す一部拡大図である。図9はワイヤプレート25の屈曲路を示す一部拡大図である。
図6に示すように、ガイドドラム21のフランジ部35の外側面に形成された正面視略円形の段差部36の外周部には、ワイヤ24の一端の屈曲部24Aが嵌入保持される屈曲路51が一体形成されている。
この屈曲路51は、図7に示すように、フランジ部35の軸方向外側面から突出する正面視下側向きの略台形状に形成された凸部53と、段差部36の外周の凸部53に対向する凹部54と、この凹部54の正面視左端(図8中、左端)から少し離れた段差部36の外周面から斜め内側方向に形成された溝部55と、段差部36の凹部54と溝部55との間の外周面とによって形成されている。
また、図8に示すように、凸部53と凹部54の対向面に、屈曲路51の深さ方向に沿って2組の対向するリブ57が設けられている。また、溝部55の対向面に、屈曲路51の深さ方向に沿って1組のリブ58が設けられている。また、対向する各リブ57、58間の距離は、ワイヤ24の外径よりも小さくなるように形成されている。
そして、図6に示すように、ワイヤ24の一端の屈曲部24Aは、各リブ57、58を押し潰しつつ屈曲路51に嵌入されて固定保持される。また、ワイヤ24の屈曲部24Aに連続して形成される正面視くの字状の屈曲部24Bは、フランジ部35の外周よりも外側に突出するように形成されている。そして、ワイヤ24の屈曲部24Bに連続して形成される屈曲部24Cは、段差部36の外周面に沿った円弧状に形成されている。
また、図4乃至図6、図9に示すように、ワイヤプレート25の貫通孔40の内周は、段差部36の外周部にほぼ対向すると共に、この貫通孔40の周縁部には、ワイヤ24に当接した状態で、このワイヤ24、フランジ部35及び凸部53を収容する収容凹部61が形成されている。また、この収容凹部61は、フランジ部35の外周部を覆う内周面の径が、フランジ部35の外径にほぼ等しくなるように形成されている。
また、収容凹部61のワイヤ24の屈曲部24Bに対向する部分には、屈曲部24Bを収容するために径方向外側に膨出した膨出部61Aが形成されている。また、膨出部61Aの内側面には、ワイヤ24の屈曲部24Bの内側に挿入される正面視略山形の凸部38が一体形成され、ワイヤ24が摺動案内される屈曲路62が構成されている。また、この凸部38のワイヤプレート25の半径方向内側端面部は、段差部36の外周面に沿った円弧状に形成されている。
従って、図6に示すように、ワイヤ24のガイドドラム21への取り付けは、先ず、段差部36に形成された屈曲路51にワイヤ24の屈曲部24Aを押し込むと共に、屈曲部24Cを段差部36の外周面に沿って配置する。そして、ワイヤプレート25の凸部38を、ワイヤ24の屈曲部24B内に挿入して、屈曲路62内にワイヤ24の屈曲部24Bを挿入すると共に、貫通孔40の周縁部をワイヤ24に当接させて、収容凹部61内にワイヤ24、段差部36及び凸部53を収容する。
また同時に、上記のように、ラチェットギヤ26の固定ボス49内にトーションバー23の他端側に形成されたスプライン23Bを嵌入する。その後、ラチェットギヤ26の各凹部47内の貫通孔に各ラチェットギヤ取付ネジ37を挿通して、ガイドドラム21の各ネジ孔36Aにネジ止めすることによって、ワイヤ24がガイドドラム21に装着される。
次に、トーションバー23のガイドドラム21への取付構造について図5、図10乃至図16に基づいて説明する。
先ず、トーションバー23について図5、図10及び図11に基づいて説明する。図10はトーションバー23のスプライン23Aを軸方向から見た正面図である。図11はトーションバー23のスプライン23Bを軸方向から見た正面図である。
図5、図10及び図11に示すように、スチール材等により形成されるトーションバー23は、断面円形の棒状をした軸部23Cと、この軸部23Cの両端部に形成された各スプライン23A、23Bとから構成されている。トーションバー23のガイドドラム21への挿入側端部に設けられたスプライン23Aは、所定長さ(例えば、約5mmの長さである。)の円柱の外周面から約60度の等中心角度で断面台形状の6個の突起部65が、円周方向に所定間隔で該スプライン23Aの全幅に渡って突設されている。また、各突起部65の最外径66は、軸孔21A内のフランジ部27側端部の内径にほぼ等しくなるように形成されている(図16参照)。
また、トーションバー23のラチェットギヤ26への挿入側端部に設けられたスプライン23Bは、所定長さ(例えば、約5mmの長さである。)の円柱の外周面から約30度の等中心角度で断面二等辺三角形の突起部67が、円周方向に連続して該スプライン23Bの全幅に渡って突設されている。このスプライン23Bの各突起部67の半径方向の高さは、スプライン23Aの各突起部65の約半分の高さに形成され、軸孔21Aの内周面と所定隙間(例えば、約3mmの隙間である。)を形成し、軸孔21Aに嵌入されたラチェットギヤ26の固定ボス49に嵌入される(図4参照)。
続いて、ガイドドラム21の軸孔21A内のフランジ部27側端部の内周面に形成された各突出部28A〜28Eについて図12乃至図16に基づいて説明する。図12及び図13は、ガイドドラム21の軸孔21Aの開口側からフランジ部27まで切り欠いた一部切り欠き断面図である。図14は図5のX2−X2矢視断面図である。図15はガイドドラム21からウエビング3が全量引き出された状態を示す図である。図16は図15のX3−X3矢視断面図である。
図12乃至図16に示すように、ガイドドラム21は、ウエビング3を挿通するスリット71が、回転軸72(図5参照)に平行に開口されている。このスリット71のウエビング挿入口71Aには、ガイドドラム21の回転軸72に対して当該スリット71の半径方向内側の側面の外側端縁部に沿って、該ガイドドラム21の半径方向内側へ窪むように形成された中心角約90度の断面略円弧状の載置部73が、両フランジ部27、35の内側端面間の全幅に渡って形成されている。
また、図16に示すように、ウエビング3の終端部は、スリット71に挿通され、抜け止めピン75を巻回して折り返されてウエビング3自身に固定されている。そして、ウエビング3をスリット71に挿通して、抜け止めピン75を載置部73に載置した場合には、この抜け止めピン75に巻回されたウエビング3は、ガイドドラム21のウエビング巻回面21Bよりも内側に位置している。
また、図12乃至図14に示すように、軸孔21A内のフランジ部27側端部の内周面から半径方向内側へ突設された断面略台形状の各突出部28A〜28Eのうち、突出部28Aは、ウエビング挿入口71Aに形成された載置部73の半径方向内側の背面部に軸方向全幅に渡って形成され、当該軸孔21Aのウエビング挿入口71Aの側壁部を形成している。また、残りの各突出部28B〜28Eは、該突出部28Aから約60度の等中心角度毎に、軸孔21Aの内周面から軸方向に沿って突設されている。
また、各突出部28B〜28Eの軸方向長さは、スプライン23Aの軸方向の幅よりも大きくなるように(例えば、約2倍の長さである。)形成されている(図4参照)。従って、図13及び図14に示すように、スリット71のウエビング引出口71B側に位置する突出部28Eは、スリット71側の側縁部が当該スリット71の半径方向内側の側面と同一面上に位置するように形成されている。
従って、図16に示すように、スプライン23Aの各突起部65間に各突出部28A〜28Eを嵌合させた場合には、突出部28Aと突出部28Eとの間に挟まれた2個の突起部65の半径方向外側の端縁部は、スリット71の半径方向内側の側面とほぼ同一面上に位置している。
また、図12に示すように、載置部73の半径方向内側の背面部に設けられた突出部28Aは、他の各突出部28B〜28Eよりも軸孔21Aの開口側部分が、該開口側に向かって少し先細りになるように形成されている。これにより、スプライン23Aの一対の突起部65間に突出部28Aを嵌合させつつトーションバー23を挿入することによって、当該スプライン23Aを各突出部28A〜28Eに対して位置決めしつつ、挿入することができる。
また、図12乃至図14に示すように、各突出部28A、28C、28Eのウエビング3の巻き取り方向(図14中、矢印76方向である。)側の側面部には、軸孔21Aに挿入されたスプライン23Aの突起部65の側面部に当接可能に所定高さ(例えば、高さ約0.3mmである。)突出する軸方向に細長い断面略三角形状の各突条部77A、77C、77Eが形成されている。
つまり、各突条部77A、77Cから対向する各突出部28B、28Dまでの距離は、スプライン23Aの各突起部65の幅よりも短くなるように形成されている。また、突条部77Eから突出部28Aまでの距離は、スプライン23Aの隣接する突起部65の外側面間の距離よりも短くなるように形成されている。また、各突条部77A、77C、77Eの軸方向の長さは、スプライン23Aの幅よりも少し短くなるように(例えば、約1mm短い。)形成されている。
また、各突出部28A〜28Eの半径方向内側の内周面の内径は、スプライン23Aの突起部65間の外周面の外径にほぼ等しくなるように形成されている。そして、各突出部28A、28C、28Eの半径方向内側の内周面には、周方向中央部にスプライン23Aの突起部65間の外周面に当接可能に所定高さ(例えば、高さ約0.3mmである。)突出する軸方向に細長い断面略三角形状の各突条部78A、78C、78Eが形成されている。
また、各突条部78A、78C、78Eの軸方向の長さは、スプライン23Aの幅よりも少し短くなるように(例えば、約1mm短い。)形成されている。また、各突条部77A、77C、77Eと各突条部78A、78C、78Eの軸方向の長さは、ほぼ等しくなるように形成されている。
従って、図15及び図16に示すように、トーションバー23のスプライン23A側をガイドドラム21の軸孔21Aに挿入してフランジ部27に圧入した場合には、スプライン23Aの各突起部65は、各突条部77A、77C、77Eを押し潰しつつ嵌入されて、圧入固定される。また、スプライン23Aの各突起部65は、各突条部77A、77C、77Eによってウエビング3の巻き取り方向側(図16中、矢印79方向側である。)へ押圧されて、相対向する各突出部28A〜28Eの側面部に当接される。
また、トーションバー23のスプライン23A側をガイドドラム21の軸孔21Aに挿入してフランジ部27に圧入した場合には、スプライン23Aの各突起部65間の外周面は、各突条部78A、78C、78Eを押し潰しつつ嵌入されて、圧入固定される。また、スプライン23Aの各突起部65間の外周面は、各突条部78A、78C、78Eによって半径方向内側へ押圧される。これにより、各突条部78A、78C、78Eは、軸孔21A内に中心角約120度間隔で配置されているため、スプライン23Aの中心軸をガイドドラム21の回転軸72にほぼ一致させることができる。
[プリテンショナユニットの概略構成]
次に、プリテンショナユニット7の概略構成について図2、図17乃至図20に基づいて説明する。
図17はプリテンショナユニット7の巻取バネユニット8の取り付け面側から見た斜視図である。図18及び図19はプリテンショナユニット7を分解した分解斜視図である。図20はプリテンショナユニット7の一部切り欠き側面図である。
図2、図17乃至図20に示すように、プリテンショナユニット7は、プリテンショナ機構81と、ハウジングユニット5の側壁部12に軸支されたパウル43(図22参照)を回動させる強制ロック機構82と、カバープレート83とから構成されている。
[プリテンショナ機構]
図17乃至図20に示すように、プリテンショナ機構81は、車両衝突時等にガス発生部材85を作動させ、このガスの圧力を利用して巻取ドラムユニット6のフランジ部27を介して該巻取ドラムユニット6をウエビング3の巻取方向に回転させる機構である。
ここで、プリテンショナ機構81は、ガス発生部材85と、パイプシリンダ86と、ガス発生部材85のガス圧を受けてパイプシリンダ86内を移動するシールプレート87及びピストン88と、このピストン88に形成されたラック88Aに噛合して回転するピニオンギヤ体33と、このパイプシリンダ86が取り付けられるベースプレート89と、このベースプレート89にパイプシリンダ86のピニオンギヤ体33側の側面に当接して配設される略直方体状のベースブロック体91と、ベースプレート89の外側面に配設されるクラッチ機構92とから構成されている。
また、ピニオンギヤ体33は、スチール材等で形成された略円筒状で、その外周部にピストン88に形成されたラック88Aに噛合するピニオンギヤ部93が形成されている。また、このピニオンギヤ部93の軸心方向カバープレート83側の端部から外側方向に延出される円筒状の支持部95が形成されている。また、この支持部95は、ピニオンギヤ部93の谷径を外径として、このカバープレート83の厚さ寸法にほぼ等しい長さに形成されている。
また、このピニオンギヤ部93の軸心方向ベースプレート89側の端部には径方向に張り出すフランジ部96が形成されている。さらに、このフランジ部96から外側方向に略円筒状で巻取ドラムユニット6のドラムシャフト22が挿通されると共に、軸受部材32の筒状部32Aが嵌入される軸受け部33Aが形成されたボス部97が形成されている。また、このボス部97の外周面には、基端部の外径を有する3個ずつのスプラインが中心角約120度間隔で形成されている。
また、クラッチ機構92は、ポリアセタール等の合成樹脂材により形成された軸受部材32と、スチール材等で形成された略円環状のパウルベース101と、スチール材等で形成された3個のクラッチパウル29と、ポリアセタール等の合成樹脂で形成されて、パウルベース101と共に各クラッチパウル29を挟持する略円環状のパウルガイド102とから構成されている。
この軸受部材32は、図18及び図19に示すように、ガイドドラム21のプリテンショナユニット7側の端面部中央位置に立設された円筒状の取付ボス31が回転可能に嵌入される略円筒状の筒状部32Aと、その筒状部32Aのガイドドラム21側の端縁部の外周から径方向外側に延出された円環状のフランジ部32Bとから形成されている。
また、このフランジ部32Bの周縁部には、中心角約120度間隔で径方向外側に正面視略三角形の先細りの平板状に延出された3個の突出部32Cが形成されている。また、各突出部32Cの径方向外側先端部には、それぞれ係止片32Dが、筒状部32Aの外周面に対して軸方向平行に対向するように、クラッチ機構92の厚さ寸法よりも少し低い高さ寸法で立設されている。更に、各係止片32Dの先端部には、略直角外側方向に側断面略直角三角形状に突出した係合突起が形成されている。
また、図18及び図19に示すように、パウルベース101の内周面には、ピニオンギヤ体33のボス部97に形成されたスプラインが圧入されるスプライン溝が中心角約120度間隔で3個ずつ形成されている。また、パウルベース101には、各クラッチパウル29の回転支軸29Aが回転可能に嵌入される3個の挿通孔103と、各挿通孔103をパウルベース101の外径側で囲むように肉厚の各パウル支持ブロック105が設けられている。また、各パウル支持ブロック105の外径端には、それぞれ係止ブロック106が形成されている。
また、パウルベース101のガイドドラム21側の面には、軸受部材32の筒状部32Aをパウルベース101に挿入した場合に、フランジ部32B及び各突出部32Cのほぼ全体が入り込むように嵌入される正面視略三角形状の窪み部107が形成されている。この窪み部107の深さは、平板状の各突出部32Cの厚さにほぼ等しい深さ寸法に形成されている。また、窪み部107の底面の各頂点部分には、軸受部材32の各係止片32Dが挿通される各貫通孔108が形成されている。
また、図18及び図19に示すように、パウルガイド102の内周径は、パウルベース101のスプライン溝よりも大きく形成されると共に、このパウルガイド102の軸方向外側の側面部には、3個の細長い各位置決突起101が、中心角120度間隔で半径方向に沿って突設されている。また、パウルガイド102の外周部には、パウルベース101の各係止ブロック106と係合する3個の各係止フック112が形成されている。
そして、パウルベース101の各貫通孔108に各クラッチパウル29の回転支軸29Aを嵌入して載置し、その上側からパウルガイド102の各係止フック112をパウルベース101の各係止ブロック106に係合させることによって、各クラッチパウル29が回転支軸29を中心に回転可能に収納された状態で保持される。続いて、クラッチ機構92のパウルガイド102の軸方向外側の側面部に突設される各位置決突起101を、ベースプレート89の各位置決孔113に嵌入して、該クラッチ機構92をベースプレート89の外側面に配置する。
その後、ピニオンギヤ体33のボス部97を、ベースプレート89の略中央部に形成された貫通孔115に嵌入後、該ボス部97に形成される各スプラインをクラッチ機構92を構成するパウルベース101の各スプライン溝に圧入固定する。これにより、クラッチ機構92とピニオンギヤ体33とが、ベースプレート89に配設固定されるとともに、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93が、図20に示す位置に常に位置決め固定される。
これにより、後述のように、車両衝突時等にピニオンギヤ体33が回転した場合には、パウルベース101が回転して各クラッチパウル29が半径方向外側へ回動されて該パウルベース101から半径方向外側へ突出後、ガイドドラム21のクラッチギヤ30に噛合する。更に、ピニオンギヤ体33が回転することによって、パウルガイド102の各位置決突起101が剪断されて、クラッチ機構92及びガイドドラム21がウエビング3の巻取方向へ回転する。
続いて、図18及び図19に示すように、軸受部材32の各係止片32Dをパウルベース101の各貫通孔108に挿入しつつ、筒状部32Aをピニオンギヤ体33の軸受け部33Aに嵌入する。そして、軸受部材32のフランジ部32B及び各突出部32Cを窪み部107に嵌入させる。これにより、軸受部材32の各突出部32Cの両側面部は、窪み部107の各頂点部分の内側面に対向するように配置されるため、当該軸受部材32はパウルベース101に対して相対回転不能に取り付けられる。
また、ベースブロック体91は、ポリアセタール等の合成樹脂で形成されている。そして、このベースブロック体91の内側の側端縁部から内側方向に平面視略半円状に窪むように形成されると共に底面部が外側方向に突出する略リング状に形成されたギヤ収納部117の該底面部の貫通孔118内にピニオンギヤ体33のフランジ部96を挿通させる。また、このベースブロック体91のベースプレート89側の側面部に突出する各位置決めボス119を、ベースプレート89の各位置決孔121に嵌入して、該ベースブロック体91をベースプレート89の内側面に配置する。
また、ベースブロック体91は、パイプシリンダ86のガス発生部材85が収納される収納部86Aに対向する下端部から該収納部86A近傍位置まで、ピストン88が収納されるピストン収納部86Bに対向するように同じ厚さで所定幅(例えば、約10mm幅である。)だけ延出されたブロック延出部122が形成されている。また、このブロック延出部122の下端部には、ネジ88(図2参照)が挿通される貫通孔123が形成されている。
また、ベースブロック体91の外側側面部からベースプレート89側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片91Aと、このベースブロック体91の上側側面部及び下側側面部からベースプレート89側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された各弾性係止片91Bとをそれぞれベースプレート89の側端部に係止する。これにより、ベースブロック体91がベースプレート89に配設される。
尚、ギヤ収納部117の高さは、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93とフランジ部96の高さの和にほぼ等しくなるように形成されている。
[強制ロック機構]
ここで、ベースブロック体91内に配設される強制ロック機構82について図17乃至図20に基づいて説明する。
図17乃至図20に示すように、ベースブロック体91には、強制ロック機構82を配設する凹部125が形成されて、該強制ロック機構82を構成するプッシュブロック126と、回転レバー127と、プッシュブロック126を回転レバー127側方向へ付勢するブロック付勢バネ126Aと、ギヤ側アーム128と、このギヤ側アーム128を回転レバー127側方向へ付勢する付勢バネ129とが配設されている。また、このギヤ側アーム128には、ベースプレート89の外側から該強制ロック機構82を構成する連結シャフト131と、メカ側アーム132が接続されている。
この回転レバー127は、ポリアセタール等の合成樹脂やアルミ材等で形成されて、略くの字状に形成されると共に、曲がり部に貫通孔が形成されている。そして、図20に示すように、回転レバー127は、一端側がピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93に対向するように、ベースブロック体91の凹部125の底面部に立設されるボス133に回転可能に支持されている。
また、プッシュブロック126は、ポリアセタール等の合成樹脂で形成されている。そして、図20に示すように、プッシュブロック126は、凹部125の底面部に立設される位置決突起135によって、一端がピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93の歯の近傍に位置し、他端が回転レバー127の近傍に位置するように位置決めされている。また、このプッシュブロック126は、ブロック付勢バネ126Aによって回転レバー127側に付勢され、ガタツキが防止されている。
従って、後述のようにピニオンギヤ体33が回転した場合には、回転レバー127は、ピニオンギヤ部93の歯に押されたプッシュブロック126によって外側方向(図20中、反時計方向)に回動可能に構成されている(図23参照)。また、プッシュブロック126は、ブロック付勢バネ126Aによってピニオンギヤ体33側に戻るのを防止される。
また、ギヤ側アーム128は、ポリアセタール等の合成樹脂やアルミ材等で形成されて、略平板状に形成されると共に、ベースブロック体91側の側面部の回転レバー127から遠い一端側には、ベースブロック体91の凹部125の底面部に形成された貫通孔136に挿通されるボス137が立設されている。また、ギヤ側アーム128のボス137が立設される側面部には、連結シャフト131の一端側折曲部が挿通される所定深さの溝部138が形成されている。
また、ギヤ側アーム128は、回転レバー127側の先端部上面に、該回転レバー127の他端側が当接される段差部139が形成されている。そして、このギヤ側アーム128は、ボス137が凹部125の底面部に形成される貫通孔136に挿入されて、回転レバー127側に回動可能に支持される。更に、ギヤ側アーム128は、段差部139に対向する他方の先端部下面を付勢バネ129によって回転レバー127側へ(図20中、上側方向である。)付勢されて、該段差部139が回転レバー127の他端側に当接されている。
従って、回転レバー127が図20中、反時計方向に回動した場合には、この回転レバー127の他端側がギヤ側アーム128の先端部から離れ、ギヤ側アーム128が付勢バネ129の付勢力によって、外側方向(図20中、反時計方向である。)へ回動可能に構成されている。
また、連結シャフト131は、スチール材等の線材で形成されて、両端が相互に約90度ずれて対向するように略直角に折り曲げられている。また。この連結シャフト131の直線部の長さは、ハウジングユニット5の各側板部13、14(図2参照)の幅より若干長く形成されている。
また、図19に示すように、ベースブロック体91の凹部125の底面部に形成される貫通孔136には、連結シャフト131の一端側折曲部が挿通される溝141が外周部から延び出ている。また、ベースプレート89のギヤ側アーム128に対向する部分には、連結シャフト131の一端側折曲部が挿通される貫通孔142が形成されている。
従って、連結シャフト131の一端側折曲部は、ベースプレート89の貫通孔142と、ベースブロック体91の貫通孔136及び溝141を通って、ベースブロック体91の凹部125に配設されたギヤ側アーム128の溝部138内に嵌入される。
また、メカ側アーム132は、ポリアセタール等の合成樹脂やアルミ材等で形成されて、略平板状の幅の狭い略扇形に形成されると共に、その中心角側の端縁部の外側面には、ハウジングユニット5の側壁部12(図21参照)に形成される貫通孔143(図21参照)に回転可能に嵌入されるボス145が立設されている。また、メカ側アーム132の外周側端縁部の側壁部12側の外側面には、切欠部146(図21、図22参照)内に挿通されるボス132Aが立設されている。また、メカ側アーム132の内側面には、中心線に沿って所定深さの溝部147が形成されている。
従って、連結シャフト131の他端側折曲部をメカ側アーム132の溝部147内に嵌入することによって、メカ側アーム132は、このメカ側アーム132の中心角側の端縁部の外側面に立設されるボス145の軸心と連結シャフト131の軸心とがほぼ一直線状になるように、連結シャフト131の他端側に取り付けられる。
そして、後述のようにプリテンショナユニット7がハウジングユニット5に取り付けられた場合には、メカ側アーム132のボス145は、側壁部12に形成される貫通孔143に回転可能に嵌入される(図22参照)。また、メカ側アーム132のボス132Aは、側壁部12に形成された切欠部146に挿入されて、側壁部12の内側に回動可能に取り付けられる。
[プリテンショナ機構]
続いて、プリテンショナ機構81を構成するパイプシリンダ86の構成及び取り付けについて図17乃至図20に基づいて説明する。
図17乃至図20に示すように、パイプシリンダ86は、スチールパイプ材等で略L字状に形成されている。そして、その一端側(図18中、下側折曲部分)は、略円筒状の収納部86Aが形成されて、ガス発生部材85を収納するように構成されている。このガス発生部材85は、火薬を含んでおり、図示省略の制御部からの着火信号により該火薬を着火させてガス発生剤の燃焼でガスを発生させるように構成されている。
また、パイプシリンダ86の他端側(図18中、上側折曲部分)は、断面略長方形のピストン収納部86Bが形成されて、ピニオンギヤ体33に対向する部分に切欠部148が形成され、ベースプレート89上に配設した場合に、該切欠部148内にピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93が填り込むように構成されている。また、ピストン収納部86Bの上端部は、ベースプレート89とカバープレート83に当接される両側面部の幅方向略中央部から斜め外側方向へ傾斜するように切り欠かれた開口部149が設けられている。
また、ピストン収納部86Bの両側面部には、上端部に形成された開口部149の外側方向へ傾斜する傾斜部149Aの下側に、プリテンショナユニット7をハウジングユニット5に取り付けると共に、ピストン88の抜け止めとして機能するストッパーピン16を挿通可能な相対向する一対の貫通孔151が形成されている。
また、シールプレート87は、ゴム材等でピストン収納部86Bの上端側から挿入可能な略長方形の平板状に形成され、ピストン88のガスを受圧するガス受圧側面と略同一形状である。また、シールプレート87は、ピストン88のガス受圧側面に形成された所定深さ(例えば、約4mmの深さである。)の断面円形の取付凹部152に嵌入される略円柱状の取付凸部153が立設されている。この取付凸部153の中央部には、軸心に沿ってシールプレート87のガスを受圧する受圧側面から連通するガス抜き孔154が形成されている。
また、ピストン88は、スチール材等で形成されて、ピストン収納部86Bの上端側から挿入可能な断面略長方形で、全体として長尺状の形状を有している。また、ピストン88のピニオンギヤ体33側の側面には、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93に噛合するラック88Aが形成されている。また、ラック88Aの先端部(図20中、上端部)の背面は、ストッパーピン16に当接可能な段差部156が形成されている。
また、ピストン88のラック88Aに対して両側面部には、所定深さ(例えば、深さ約2mmである。)の一対の溝部157が、段差部156の上端縁からラック88Aの下端の刃先に対向する位置まで、ピストン88の長手方向に沿って互いに対向するように形成されている。また、一対の溝部157の下端部には、ピストン88の長手方向に沿って長い断面矩形状の貫通孔158が形成され、両側面部が連通されている。また、ピストン88の受圧側面に形成された取付凹部152と貫通孔158とは、ピストン88の長手方向に沿って形成された細径の連通孔159によって連通されている。
そして、シールプレート87の取付凸部153をピストン88の受圧側面に形成された取付凹部152に嵌入後、シールプレート87を奥側にして、ピストン収納部86Bの上端側から奥に圧入する。また、シールプレート87のガス抜き孔154は、ピストン88の連通孔159を介して貫通孔158に連通している。
従って、この状態で、ガス発生部材85で発生したガスの圧力によって、シールプレート87が押圧されて、ピストン88がピストン収納部86Bの上端側開口部149へ移動する。また、その後、ウエビング3が再度引き出される場合には、ピニオンギヤ体33の逆回転によってピストン88が下方に下がる際に、シールプレート87のガス抜き孔154、ピストン88の連通孔159及び貫通孔158を介してパイプシリンダ86内のガスが抜け、スムーズにピストン88が下がる。
また、図20に示すように、ガス発生部材85が作動するまでの通常状態では、ピストン88はピストン収納部86Bの奥側に退避して、ラック88Aの先端がピニオンギヤ部93に非噛合状態となるように位置している。そして、このように構成されたピストン収納部86Bの切欠部148の内側に、ベースブロック体91のギヤ収納部117の両側端縁部から外側方向に突出する各突出部161を嵌入させつつ、ベースプレート89上にパイプシリンダ86を配置する。
またこの時、ベースブロック体91のギヤ収納部117に立設された断面略U字状のラック止めピン162が、ラック88Aの上端のギヤ溝に挿入され、ピストン88の上下方向の移動が規制される。また、ピストン88の先端部は、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93の近傍に位置して、非噛合状態になっている。
これにより、パイプシリンダ86のピストン収納部86Bは、ベースブロック体91の側面部に立設される断面略三角形の各リブ163と、ベースプレート89の側端縁部のピニオンギヤ体33に対向する部分から略直角に延出された背当て部165によって、その両側面部が支持される。
この背当て部165は、図17及び図20に示すように、ピストン収納部86Bとほぼ同じ高さになるように延出されており、延出方向端縁部の略中央部より上端側には、所定幅(例えば、幅約8mmである。)の切欠部166が所定深さ(例えば、約4mmである。)形成されている。また、背当て部165の下端縁部は、略直角外側方向に所定長さ(例えば、約4mmである。)延出され、この背当て部165の下側角部には、カバープレート83の厚さにほぼ高さの段差部167が形成されている。
また、カバープレート83のベースプレート89の背当て部165に対向する側端部には、該背当て部165の先端部が挿通可能な各貫通孔168、169が形成されている。また、各貫通孔168、169の背当て部165の外側面に対向する側縁部は、内側方向(図20中、左側方向)へ所定高さ(例えば、約3mmの高さである。)窪んでいる。これにより、背当て部165の延出方向の各端縁部が各貫通孔168、169に挿入された場合には、各貫通孔168、169の内側面が、背当て部165の外側面に確実に当接するように構成されている。
そして、ベースプレート89上にベースブロック体91、強制ロック機構82やパイプシリンダ86等が配置された状態で、このベースブロック体91のカバープレート83側の側面部に突出する各位置決めボス171を、カバープレート83の各位置決孔172に嵌入して、ベースブロック体91、強制ロック機構82やパイプシリンダ86等の上側にカバープレート83を配置する。また同時に、ピニオンギヤ体33の円筒状の支持部95を、カバープレート83の略中央部に形成された支持孔173に嵌入する。
また、ベースプレート89の側端縁部から略直角に延出された背当て部165を、カバープレート83の背当て部165に対向する側端縁部に形成された各貫通孔168、169に挿通する。そして、このベースブロック体91の外側側面部からカバープレート83側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片91Cと、このベースブロック体91の上側側面部からカバープレート83側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片91Dとをそれぞれカバープレート83の側端部に係止する。
そして、カバープレート83のベースブロック体91の貫通孔123に対向する位置に形成された貫通孔175にネジ88を挿通して、ベースプレート89のバーリング加工によって形成されたネジ孔176に締結する。
これにより、カバープレート83がベースブロック体91に配設固定され、パイプシリンダ86がカバープレート83とベースプレート89との間に取り付けられる。また、ピニオンギヤ体33の端部に形成された支持部95が、カバープレート83の支持孔173によって回転可能に支持される。従って、ピニオンギヤ体33の両端部に形成されたボス部97の基端部と支持部95とが、それぞれベースプレート89の貫通孔115とカバープレート83の支持孔173とによって回転可能に支持される。
また、パイプシリンダ86の各貫通孔151と、カバープレート83の各貫通孔151に対向する位置に形成された貫通孔177と、ベースプレート89の各貫通孔151に対向する位置に形成された貫通孔178とが同軸上に配置される。これにより、図2に示すように、スチール材等で形成されたストッパーピン16をハウジング11のピン止め部14B側からベースプレート89の貫通孔178、パイプシリンダ86の各貫通孔151及びカバープレート83の貫通孔177へ挿通して、プッシュナット18によって固定することができる。
従って、パイプシリンダ86は、カバープレート83とベースプレート89とによって挟持されると共に、ベースブロック体91と背当て部165とによって両側面部が挟持される。また、ガス発生部材85で発生したガスの圧力によって、シールプレート87が押圧されて、ピストン88がピストン収納部86Bの上端側開口部(図20中、上端部)へ移動した場合には、ピストン88の段差部156が、各貫通孔151に挿通されたストッパーピン16に当接して、停止させることができる。
また、ピストン収納部86Bの上端側の開口部149は、カバープレート83の上端縁部から該ピストン収納部86Bの約半分の幅で略直角にベースプレート89側へ延出された第1延出部181によって、該開口部149のピストン収納部86Bの軸方向に対して垂直な平面部149Bが覆われる。また、この第1延出部181の開口部149の傾斜部149A側の側端縁部から斜め外側方向へ傾斜するように延出された第2延出部182によって、該傾斜部149Aが覆われる。また、第1延出部181のベースブロック体91側の端縁部は、直角下側方向へ所定長さ(例えば、長さ約4mmである。)延出されている。
また、ベースプレート89の上端縁部から、カバープレート83の第2延出部182の延出方向外側端縁部に対向するように、所定幅(例えば、幅約3mmである。)で折り曲げ延出された押さえ部183が設けられている。この押さえ部183は、ベースプレート89の上端縁部の貫通孔178に対向する位置から、第2延出部182に対して平行になるように所定幅(例えば、幅約3mmである。)で、所定長さ(例えば、約8mmである。)延出されると共に、略中央部から該第2延出部182の延出方向外側端縁部に対向するように直角に折り曲げられている。
これにより、ピストン収納部86Bの上端側の開口部149は、第1延出部181及び第2延出部182によって覆われる。また、カバープレート83の第2延出部182の延出方向外側端縁部は、ベースプレート89の押さえ部183の側面部に対向する。
[ハウジングユニットの概略構成]
次に、ハウジングユニット5の概略構成について図21及び図22に基づいて説明する。
図21はハウジングユニット5の分解斜視図である。図22はシートベルト用リトラクタ1のロックユニット9を取り除いた状態の側面図である。
図21に示すように、ハウジングユニット5は、ハウジング11と、ブラケット185と、プロテクタ187と、パウル43と、パウルリベット188とから構成されている。
また、ハウジング11は、スチール材等で平面視略コの字状に形成されて、奥側の側壁部12には巻取ドラムユニット6のラチェットギヤ26の先端部が挿入される貫通孔189が形成されている。また、この貫通孔189の斜め下側のパウル43に対向する部分には、切欠部146が形成され、パウル43がスムーズに回動するようになっている。また、この切欠部146の横側にパウル43を回転可能に取り付けるための貫通孔191が形成されている。
また、切欠部146のパウル43が当接する部分には、貫通孔191の同心円上に半円形状の案内部192が形成されている。一方、パウル43の案内部192に当接して摺動する部分は、側壁部12の厚さ寸法にほぼ等しい高さで、この案内部192の側縁と同じ曲率半径の円弧状に窪んだ段差部43Bが側壁部12の厚さ寸法より若干高く形成されている。また、図21に示すように、パウル43の外側の側面の先端部には、ロックユニット9を構成するクラッチ(不図示)のガイド溝(不図示)に挿入される案内ピン43Aが立設されている。
また、図21に示すように、側壁部12の両側端縁部から相対向する各側板部13、14が延出されている。また、各側板部13、14の中央部には、それぞれ開口部が形成され、軽量化及びウエビング3の取り付け作業の効率化等が図られている。また、各側板部13、14の上下端縁部には、所定幅で略直角内側方向に延出された各ネジ止め部13A、13B、14Aとピン止め部14Bが形成されている。
また、各ネジ止め部13A、13B、14Aには、各ネジ15がネジ止めされる各ネジ孔193がバーリングによって形成され、ネジ止め部14Bには、ストッパーピン16が挿通される貫通孔195が形成されている。従って、図2及び図18、図19に示すように、各ネジ15は、カバープレート83の各貫通孔196からベースプレート89の各貫通孔197に挿通されて、各ネジ孔193にネジ止めされる。
また、側板部13の上端縁部に各リベット186によって取り付けられるブラケット185は、スチール材等で形成されて、側板部13の上端縁部から略直角内側方向に延出された延出部にウエビング3が引き出される横長の貫通孔198が形成され、ナイロン等の合成樹脂で形成された横長枠状のプロテクタ187が嵌め込まれている。また、側板部13の下端部には、車両の締結片201(図22参照)に取り付ける際に、ボルト202(図22参照)が挿通されるボルト挿通孔205が形成されている。
また、図21及び図22に示すように、スチール材等で形成されたパウル43は、段差部43Bが案内部192に当接されて、側壁部12の外側から貫通孔191に回転可能に挿通されるパウルリベット188によって、回動可能に固定されている。これにより、パウル43の側面とラチェットギヤ26の側面とが、側壁部12の外側面とほぼ同一面になるように位置される。
また、図2に示すように、プリテンショナユニット7を各ネジ15とストッパーピン16及びプッシュナット18によってハウジングユニット5に取り付けた場合には、図22に示すように、連結シャフト131の他端側折曲部に取り付けられたメカ側アーム132のボス145が、側壁部12に形成された貫通孔143に回動可能に嵌入されて、切欠部146内に位置するパウル43の下側の側面部の近傍に位置している。また、メカ側アーム132の外側の側面に立設されたボス132Aが切欠部146に挿入されている。また、パウル43は、通常時には、メカ側アーム132に近接した状態で、且つ、ラチェットギヤ26に係合しないようになっている。
また、側壁部12に取り付けられたパウル43及びメカ側アーム132の下方には、該側壁部12の下端面から所定高さ上側の位置(例えば、約10mm上側の位置である。)から所定幅(例えば、幅約10mmである。)で、このパウル43及びメカ側アーム132に対向するように内側方向(図21中、手前側方向である。)へ略直角に折り曲げられたアーム保護用折曲部206が設けられている。つまり、側壁部12に取り付けられたパウル43及びメカ側アーム132の下方には、所定幅でメカ側アーム132に対向するように略直角に所定長さ(例えば、長さ約10mmである。)内側方向へ延出されたアーム保護用折曲部206が設けられている。
また、側壁部13の連結シャフト131に対向する部分には、該連結シャフト131のほぼ全長に渡って対向する横長の開口部207が形成され、この開口部207の下端縁部から内側方向へ略直角に折り曲げられたシャフト保護用折曲部208が設けられている。また、シャフト保護用折曲部208のガイドドラム21側の端縁部は、側壁部13に対向する連結シャフト131よりも内側になるように延出されている。また、このシャフト保護用折曲部208の下方には、ボルト挿通孔205が形成され、このボルト挿通孔205にボルト202が挿通されてナット203によって車両の締結片201に固着される。
[強制ロック機構及びパウルの動作説明]
次に、車両衝突時等において、プリテンショナ機構81のガス発生部材85の作動によって起動する強制ロック機構82及びパウル43の動作について図23及び図24に基づいて説明する。図23はプリテンショナ機構81のガス発生部材85の作動によってピストン88が移動して、回転レバー127の下端部がギヤ側アーム128の先端部から外れた状態を示す説明図である。図24は図23に対応するパウル43の動作を示す説明図である。
図23に示すように、車両衝突時等において、プリテンショナ機構81のガス発生部材85が作動した場合には、パイプシリンダ86のピストン収納部86B内のピストン88が図20に示す通常状態から、ラック止めピン162を剪断して上方に(矢印X11方向である。)に移動し、ピニオンギヤ体33を正面視反時計方向(矢印X12方向である。)への回転させる。また、回転レバー127の上端部は、ブロック付勢バネ126Aによって押されたプッシュブロック126によって更に押されるため、この回転レバー127の下端部が、ギヤ側アーム128の先端部から外れる。
そのため、ギヤ側アーム128は、付勢バネ129によって外側方向に押圧されて、正面視反時計方向(矢印X13方向である。)へ回転する。尚、プッシュブロック126は、ブロック付勢バネ126Aによって外側方向へ押圧され、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部93と離間した状態で維持されると共に、回転レバー127の上端部を凹部125の内壁面に当接させた状態に維持する。
また、図23に示すように、回転レバー127の下端部が、ギヤ側アーム128の先端部から外れた場合には、このギヤ側アーム128が、正面視反時計方向(矢印X13方向である。)へ回転するため、該ギヤ側アーム128の溝部138内に一端側折曲部が挿入されている連結シャフト131も、軸心回りに正面視反時計方向(矢印X18方向である。)へ回転する。
このため、図24に示すように、メカ側アーム132は、連結シャフト131の他端側折曲部が溝部147に挿入されているため、ギヤ側アーム128の回動に伴って正面視反時計方向(矢印X18方向である。)に回動して、パウル43をラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45に係合させる。尚、パウル43とラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45とは、巻取ドラムユニット6のウエビング3引き出し方向への回転を抑止し、ウエビング3巻き取り方向への回転を許容するように、噛み合う形状とされている。
従って、パウル43とラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45とが係合した場合には、巻取ドラムユニット6のウエビング3引き出し方向への回転を抑止するロック動作が行われると共に、ウエビング3巻き取り方向への回転が許容される。尚、クラッチ機構92とピニオンギヤ体33が一体となって回転を開始する以前に、パウル43は巻取ドラムユニット6のウエビング3引き出し方向への回転を抑止しうる状態になる。
また、ガス発生部材85から発生したガスは、シールプレート87の受圧側面を押圧すると共に、シールプレート87のガス抜き孔154からピストン88の受圧側面に形成された取付凹部152と貫通孔158とを連通する連通孔159を介して各矢印X14〜X17の方向へ流出する。
そして、ピストン収納部86Bの開口部149を覆うカバープレート83の第1延出部181及び第2延出部182は、ガスの圧力によって外側方向へ押圧されるが、該第2延出部182の延出方向外側端縁部は、ベースプレート89の押さえ部183に当接して押さえられるため、ガスは開口部149と該第1延出部181及び第2延出部182との隙間から排出される。
また、プリテンショナ機構81の動作後、ピニオンギヤ体33の回転が停止した後は、図23に示すように、回転レバー127の下端部が、ギヤ側アーム128の先端部から外れた状態が維持される。即ち、プリテンショナ機構81の動作後においては、パウル43とラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45との係合が維持される。このため、巻取ドラムユニット6のラチェットギヤ26及びワイヤプレート25が、ウエビング3引き出し方向へ回転するのが抑止される。
[エネルギー吸収]
次に、車両衝突時等において、上記強制ロック機構82が作動して、パウル43が巻取ドラムユニット6のラチェットギヤ26に噛合した場合には、ラチェットギヤ26のウエビング3の引出方向への回転が阻止される。この状態で、ウエビング3に作用する引出力が予め設定された所定値を超えて引き出された場合には、ガイドドラム21に作用する回転トルクによって、ラチェットギヤ26の各凹部47内の貫通孔に嵌入されて、ガイドドラム21の各ネジ孔36Aにネジ止めされた各ラチェットギヤ取付ネジ37が、ガイドドラム21と共に回転されて、剪断される。この際に、「第1のエネルギー吸収機構」としての各ラチェットギヤ取付ネジ37の剪断による衝撃エネルギーの吸収がなされる。
また同時に、ガイドドラム21が回転された場合には、トーションバー23のガイドドラム21の軸孔21Aの奥側に圧入固定されたスプライン23A側が回転され、トーションバー23の軸部23Cの捻れ変形が開始される。このトーションバー23の軸部23Cの捻れ変形に伴ってガイドドラム21がウエビング3の引出方向に回転し、「第2のエネルギー吸収機構」としてのトーションバー23の捻れ変形による衝撃エネルギーの吸収がなされる。
また同時に、ガイドドラム21が回転された場合には、ワイヤプレート25とラチェットギヤ26とは、各嵌合凸部41と各嵌合凹部46Bとによって嵌合されているため、このワイヤプレート25とガイドドラム21との相互間においても相対回転が生じる。それにより、ガイドドラム21の回転に伴ってワイヤ24とワイヤプレート25との相互間においても相対回転が生じ、「第3のエネルギー吸収機構」としてのワイヤ24による衝撃エネルギーの吸収がなされる。
[ワイヤの引き出し動作]
ここで、ワイヤ24によって衝撃エネルギーを吸収する際の、当該ワイヤ24の動作について図6、図25乃至図28に基づいて説明する。図25乃至図28はワイヤ24を引き出す動作説明図である。
図6に示されるように、ワイヤプレート25とガイドドラム21との初期状態においては、屈曲路51を構成する凸部53の周方向一端側が、屈曲路62を構成する凸部38の引き出し側端部の近くに位置し、各屈曲路51、62の各端部がほぼ一直線状になるように対向している。
そして、図25乃至図28に示すように、ウエビング3の引き出しによってガイドドラム21がウエビング3の引出方向に回転した場合には、ワイヤプレート25は回転が阻止され、ガイドドラム21の回転に伴って段差部36がウエビング3の引出方向X21に相対回転されていく。これにより、段差部36の屈曲路51に屈曲部24Aが固定保持されたワイヤ24が、膨出部61A内に凸部38によって形成される正面視略くの字状の屈曲路62から順次しごかれながら、矢印X22方向に引き出されて、段差部36の外周面に巻き取られる。尚、この際には、ワイヤ24の引き出しと同時に、ガイドドラム21の回転に伴ってトーションバー23も捻れ変形している。
また、正面視略くの字状の屈曲路62をワイヤ24が変形しながら通過する際に、凸部38とワイヤ24との相互間に摺動抵抗が生じると共に、ワイヤ24自体による屈曲抵抗が生じ、これら摺動抵抗と屈曲抵抗による引出抵抗によってワイヤ24による衝撃エネルギーの吸収がなされる。
そして、図28に示すように、ガイドドラム21の回転に伴って、ワイヤ24の他端部が屈曲路62から離脱した時点で、このワイヤ24による衝撃エネルギーの吸収作用は終了し、以降はガイドドラム21の回転に伴ってトーションバー23の捻れ変形による衝撃エネルギーの吸収のみとなる。
ここで、各ラチェットギヤ取付ネジ37、ワイヤ24及びトーションバー23による衝撃エネルギーの吸収特性について図16及び図29に基づいて説明する。図29は各突き出しピン37、ワイヤ24及びトーションバー23による衝撃エネルギーの吸収の一例を示す吸収特性図である。
図16に示すように、スプライン23Aの各突起部65は、各突条部77A、77C、77Eによってウエビング3の巻き取り方向側(図16中、矢印79方向側である。)へ押圧されて、相対向する各突出部28A〜28Eの側面部に当接されている。このため、図29に示すように、ウエビング3の引き出しが開始されてから各ラチェットギヤ取付ネジ37が剪断される時点までの間は、各ラチェットギヤ取付ネジ37とトーションバー23による衝撃エネルギーの吸収(EA:Energy Absorption )が、同時になされる。従って、ウエビング3の引き出しが開始されてから各ラチェットギヤ取付ネジ37が剪断される時点までは、各ラチェットギヤ取付ネジ37とトーションバー23、及びワイヤ24によってエネルギーが吸収される。
そして、更にウエビング3が引き出され、各ラチェットギヤ取付ネジ37が剪断されてからワイヤ24が屈曲路62から離脱するまでの間は、トーションバー23の捻れ変形による衝撃エネルギーの吸収と、ワイヤ24による衝撃エネルギーの吸収が、同時になされる。また、各ラチェットギヤ取付ネジ37が剪断されてからワイヤ24の屈曲路62からの引き出しが終了するまでの間は、エネルギー吸収荷重が乗員に悪影響を与えない最大荷重F1よりも小さい所定荷重にできるだけ沿うように設定することが可能である。
更に、ワイヤ24が屈曲路62から離脱した場合には、このワイヤ24による衝撃エネルギーの吸収作用は終了し、以降はガイドドラム21の回転に伴ってトーションバー23の捻れ変形による衝撃エネルギーの吸収のみとなる。
従って、ワイヤ24の屈曲部24Aを屈曲路51に押し込むことによって、ワイヤ24が各リブ57、58により固定保持されるため、構造の簡素化及びワイヤ24の組付け作業の効率化を図ることができる。
また、車両衝突時等における衝撃エネルギーの吸収は、この衝撃エネルギーの吸収開始直後の初期段階におけるエネルギー吸収を各ラチェットギヤ取付ネジ37、トーションバー23及びワイヤ24によって吸収し、その後、ワイヤ24及びトーションバー23によって吸収するようにして大きくし、より効率よく行うことが可能となる。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1では、断面略台形状の各突出部28A〜28Eが、ガイドドラム21の軸孔21A内のフランジ部27側端部の内周面から半径方向内側へ約60度の等中心角度毎に、軸方向に沿って突設されている。また、各突出部28A〜28Eは、スチール材等により形成されるトーションバー23の一端部に形成されたスプライン23Aの各突起部65間に嵌合可能に突設されている。
また、各突出部28A、28C、28Eのウエビング3の巻き取り方向側の側面部には、軸孔21Aに挿入されたスプライン23Aの突起部65の側面部に当接可能に所定高さ突出する軸方向に細長い断面略三角形状の各突条部77A、77C、77Eが形成されている。更に、各突出部28A、28C、28Eの半径方向内側の内周面には、周方向中央部にスプライン23Aの突起部65間の外周面に当接可能に所定高さ突出する軸方向に細長い断面略三角形状の各突条部78A、78C、78Eが形成されている。
従って、トーションバー23のスプライン23A側をガイドドラム21の軸孔21Aに挿入してフランジ部27に圧入した場合には、スプライン23Aの各突起部65は、各突条部77A、77C、77E、78A、78C、78Eを押し潰しつつ嵌入されて、圧入固定される。また、スプライン23Aの各突起部65は、各突条部77A、77C、77Eによってウエビング3の巻き取り方向側へ押圧されて、相対向する各突出部28A〜28Eの側面部に当接される。
これにより、車両衝突時等におけるウエビング3の引き出しが開始されてから各突き出しピン37が剪断される時点までの間は、各ラチェットギヤ取付ネジ37とトーションバー23による衝撃エネルギーの吸収が、同時になされる。従って、ウエビング3の引き出しが開始されてから各ラチェットギヤ取付ネジ37が剪断される時点までは、各ラチェットギヤ取付ネジ37とトーションバー23、及びワイヤ24によって衝撃エネルギーを確実に吸収することが可能となる。
また、ガイドドラム21の軸孔21Aの閉塞されたフランジ部27側端部に凹部を形成する必要が無くなり、軸孔21Aが閉塞されたフランジ部27側端部の厚さ寸法を薄くして、巻取ドラム6の軸方向寸法の小型化を図ることができる。また、断面略台形状の各突出部28A〜28Eは、ガイドドラム21の軸孔21Aの内周面から半径方向内側に突出するため、当該ガイドドラム21の半径方向の薄肉化を図りつつ、各突出部28A〜28Eを設けることが可能となる。また、トーションバー23の一端側の外周部に設けられた各突起部65は、断面略台形状であるため、スプライン23Aを鍛造によって容易に成形することが可能となる。
また、ガイドドラム21のウエビング3が挿通されるウエビング挿入口71Aに形成された載置部73の半径方向内側の背面部に軸方向全幅に渡って突出部28Aが形成されている。これにより、載置部73の半径方向の深さを大きくしても、突出部28Aの厚さによって十分な機械的強度を保持することができる。また、トーションバー23の一端に設けられた突起部65間に突出部28Aを嵌合させつつ、トーションバー23を軸孔21A内に挿入することによって、スプライン23の各突起部65間に各突出部28A〜28Eをスムーズに嵌合させるように容易に案内することができる。
また、スリット71の回転軸方向の一端側が、フランジ部27に達するように形成されているため、載置部73の回転軸方向のフランジ部27側端部を、ガイドドラム21の内側に相対回転不能に連結されたトーションバー23のスプライン23Aに、突出部28Aを挟んで対向させることが可能となる。そして、ウエビング3の一端に設けられた抜け止めピン75を載置部73に載置した場合には、抜け止めピン75の一端側は突出部28Aを挟んでスプライン23Aに対向する。
これにより、ウエビング3の全量引き出し時における、抜け止めピン75からのウエビング引出方向への荷重を、ガイドドラム21とトーションバー23との両者によって受け止めることができる。従って、ウエビング3の全量引き出し時における、抜け止めピン75からのウエビング引出方向への荷重負荷に対する当該ガイドドラム21の機械的強度を向上させることができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、巻取ドラムユニット6からワイヤ24及びワイヤプレート25を取り除くようにしてもよい。これにより、部品点数の削減化を図ることができると共に、車両衝突時等におけるウエビング3の引き出しが開始されてから各突き出しピン37が剪断される時点までの間は、各ラチェットギヤ取付ネジ37とトーションバー23によって、衝撃エネルギーの吸収を同時に行うことができる。更にウエビング3が引き出され、各ラチェットギヤ取付ネジ37が剪断された場合は、トーションバー23の捻れ変形によって衝撃エネルギーを吸収することができる。
1 シートベルト用リトラクタ
3 ウエビング
5 ハウジングユニット
6 巻取ドラムユニット
7 プリテンショナユニット
21 ガイドドラム
21A 軸孔
23 トーションバー
23A、23B スプライン
26 ラチェットギヤ
27、35 フランジ部
28A〜28E 突出部
36 段差部
36A ネジ孔
37 ラチェットギヤ取付ネジ
65、67 突起部
71 スリット
73 載置部
75 抜け止めピン
77A、77C、77E、78A、78C、78E 突条部

Claims (4)

  1. ウエビングを巻き取るガイドドラムと、
    前記ガイドドラムの軸方向一端側に取り付けられて、車両衝突時に前記ウエビングの引き出し方向への回転が阻止されるロック部材と、
    一端が前記ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されて、他端が前記ロック部材に相対回転不能に連結されて、前記ガイドドラムが前記ロック部材に対して相対回転するときに捩り変形可能なトーションバーと、
    を備え、
    前記トーションバーは、前記一端の外周部に半径方向外側へ等中心角度で突出する複数の断面台形状の突起部から構成されたスプラインを有し、
    前記ガイドドラムは、
    軸方向他端側が閉塞されて前記軸方向一端側から挿通された前記トーションバーを収納する略筒状の軸孔と、
    前記軸孔の前記軸方向他端側の内周面から等中心角度で半径方向内側に突出して前記スプラインの各突起部間に嵌合するように軸方向に沿って所定長さ設けられた複数の断面略台形状の突出部と、
    を有し、
    前記スプラインの各突起部間に前記複数の突出部を嵌合させることによって、前記トーションバーの一端が前記ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結されることを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記ガイドドラムは、
    回転軸に平行に開孔され前記ウエビングが挿通されるスリットと、
    前記軸孔の前記軸方向他端側の底面部よりも軸方向外側に位置するように該ガイドドラムの他端側外周部から半径方向外側へ延出されて、該ガイドドラムに巻回されたウエビングの幅方向端面に当接するフランジ部と、
    前記スリットの該ガイドドラムの回転軸に対して半径方向内側の側面の一方の外側端縁部に沿って該ガイドドラムの半径方向内側へ窪むように形成された凹状の載置部と、
    を有し、
    前記スリットは、前記ガイドドラムの回転軸に対して半径方向内側の側面が、前記スプラインの半径方向外側へ突出する突起部に接するように、該ガイドドラムの外径の接線方向に平行に貫通されると共に、前記回転軸方向の他端側が前記フランジ部に達するように形成され、
    前記載置部は、該載置部の半径方向内側の背面部に該載置部の軸方向全幅に渡って前記突出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記ウエビングの一端に設けられ該ウエビングの前記スリットからの抜けを防止する抜け止め部材を備え、
    前記抜け止め部材は、前記ウエビングの幅とほぼ同じ長さに形成されて、前記スリットの前記載置部に載置されることを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記ロック部材を前記ガイドドラムの軸方向一端側に取り付けると共に、該ガイドドラムが該ロック部材に対して相対回転するときに剪断変形可能なネジ部材を備え、
    前記複数の突出部のうちの少なくとも一の突出部は、該突出部の前記ウエビングの巻き取り方向側の側面部に、前記突起部の側面部に当接可能に突出する突条部を有し、
    前記トーションバーの一端が前記ガイドドラムの内側に相対回転不能に連結された場合には、前記スプラインの各突起部は、前記突条部によって前記ウエビングの巻き取り方向側へ押圧されて相対向する各突出部の前記ウエビングの引き出し方向側の側面部に当接されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシートベルト用リトラクタ。
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