JP5456426B2 - シートベルト用リトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、車両衝突時等の緊急時にウエビングの緩みを除去するためのシートベルト用リトラクタに関するものである。
従来より、車両等の座席に備えられるシートベルト用リトラクタでは、車両衝突等の緊急時に乗員を効果的に拘束して身の安全を図るため、ウエビングを巻き取るプリテンショナ機構部が組み込まれている。
例えば、下記特許文献1に記載されるように、ウエビングを巻回収納する巻取ドラムは、軸心方向両端部に径方向に張り出し形成されたフランジ部を有している。そして、両フランジ部間のドラム本体部にウエビングが巻装される。また、一方のフランジ部に形成された結合孔部には、スチール材等により形成された結合体が、巻取ドラムに対して相対回転不能に圧入固定されている。
プリテンショナ機構部は、車両衝突時に以下の動作をして、ウエビングを巻取ドラムに巻き取り、乗員を拘束する。先ず、ガス発生部材からガスが発生してラックが移動し、ピニオンギヤ体が回転駆動される。また、このピニオンギヤ体の一側部の内周面にはカム面が形成され、このカム面と結合体の間には複数のクラッチローラが備えられている。そして、ピニオンギヤ体の回転により、各クラッチローラがカム面にガイドされ、回転径方向内方側に押動操作される。
そして、押動操作された各クラッチローラは、ピニオンギヤ体のカム面と結合体の係合軸部外周面との間に噛み込んだ状態となり、ピニオンギヤ体と結合体とが一体に回転するようになる。これにより、ピニオンギヤ体及び結合体を介して巻取ドラムがウエビングの巻取方向へ回転駆動され、ウエビングが巻き取られる。
特開2003−335217号公報(段落(0010)〜(0059)、図1〜図9)
しかしながら、上述した特許文献1に記載されるシートベルト用リトラクタでは、車両衝突時に、ガス発生部材からガスが発生してラックが移動を開始してから、ウエビングの巻き取りが開始されるまでの間には、幾つかの動作が介在する。即ち、ラックの移動に伴うピニオンギヤ体の回転、及びピニオンギヤ体の回転に伴う各クラッチローラの回転径方向内方側への押動操作等の動作を経なければならない。また、この間はウエビングが巻き取られることはない。このため、車両衝突時であることを検知してガス発生部材からガスが発生してから、ウエビングの巻き取りが開始されて乗員が拘束されるまでに時間遅れが生じ、乗員を拘束して安全を確保する緊急動作が遅れてしまう虞があり問題である。
また、各クラッチローラは、車両衝突時、ピニオンギヤ体のカム面と結合体の係合軸部外周面との間に噛み込まれることにより、ピニオンギヤ体と結合体とが結合されて、一体に回転してウエビングが巻き取られる。この場合、ピニオンギヤ体の回転開始から噛み込み完了までの過程を常に一定とすることは困難である。つまり、通常時の各クラッチローラの位置は固定されておらず、回転開始時の各クラッチローラの位置は個々に異なるため、噛み込み過程に違いが生ずる。
また、各クラッチローラの位置は個々に異なる上に、少なくとも3個のクラッチローラが、ピニオンギヤ体のカム面と結合体の係合軸部外周面との間に噛み込むまで空転状態が続くことになる。また、汚れ、傷など、各部材の表面状態の違いによっても噛み込みの過程は異なるおそれがある。このため、各クラッチローラの噛み込みまでの過程を一定とすることはできない。更に、ウエビングの巻き取り荷重に応じて噛み込みが更に進み駆動力が有効に伝達されないおそれもある。従って、ウエビングの巻き込み開始までの時間にばらつきを生ずる虞があり問題である。
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車両衝突時等の緊急時に、プリテンショナ機構部の駆動手段により回転駆動される巻取ドラムのウエビングの巻き取り開始までの時間遅れやタイミングのばらつきを抑制して、迅速なウエビング巻き取り動作を実現することが可能となるシートベルト用リトラクタを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため請求項1に係るシートベルト用リトラクタは、ハウジングに回動可能に収納されたウエビング巻き取り用の巻取ドラムと、車両衝突時に前記巻取ドラムを巻き取り方向に回転させて前記ウエビングを巻き取るプリテンショナ機構部と、を備えたシートベルト用リトラクタにおいて、前記プリテンショナ機構部は、車両衝突時に、ガスを発生させるガス発生部材と、一端部に前記ガス発生部材が装着される長筒状のシリンダと、前記巻取ドラムの回動軸と同軸回転可能に配設されたピニオンギヤ体と、前記シリンダ内に移動可能に収容されて前記ガスの圧力で押圧駆動されると共に、前記ピニオンギヤ体に噛合するラックが側面部に形成されて前記押圧駆動によって前記ピニオンギヤ体を前記ウエビングの巻き取り方向に回転駆動するピストンと、前記ピニオンギヤ体に同軸かつ固定して組み付けられる第1回転体と、前記ピニオンギヤ体に同軸に組み付けられて該ピニオンギヤ体の回転初期段階において静止状態を維持する第2回転体と、前記第1回転体に半径方向外側へ揺動可能に一端部が軸支されると共に、該第1回転体と前記第2回転体とに挟持されており、該第2回転体に対する該第1回転体の相対回転に応じて半径方向外側へ揺動して該第1回転体及び該2回転体の外周部から他端部が突出する略平板状の複数の係合部材と、を有し、前記巻取ドラムは、前記ピニオンギヤ体側の端縁部の外周から半径方向外側に延出され、更に、回転軸方向に延出されて前記第1回転体及び前記第2回転体の外周部に対向するフランジ部と、前記フランジ部の前記第1回転体及び前記第2回転体の外周部に対向する内周面に形成されたクラッチギヤと、を有し、前記複数の係合部材は、前記他端部に形成されて突出位置において前記クラッチギヤに係合する係合爪部と、前記係合爪部と前記一端部との間に形成されて塑性変形可能な変形可能部と、を有し、前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記変形可能部が塑性変形して前記第2回転体に対して前記第1回転体が更に相対回転して、他の係合部材が更に突出して該クラッチギヤに係合することを特徴とする。
また、請求項2に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記第2回転体は、前記第1回転体との相対回転によって前記複数の係合部材のそれぞれの回転方向前側の側面部に当接して、各係合部材を半径方向外側へ押圧しつつ摺動する複数のガイド部を有することを特徴とする。
また、請求項3に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記変形可能部は、前記係合爪部と前記一端部との間の平板部に形成された貫通孔を有し、前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記貫通孔周辺部が塑性変形することを特徴とする。
また、請求項4に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記変形可能部は、前記係合爪部と前記一端部との間の平板部の一方の面に形成された所定深さの溝部を有し、前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記溝部周辺部が塑性変形することを特徴とする。
また、請求項5に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記変形可能部は、前記係合爪部の厚さが前記一端部側の厚さよりも薄く形成されており、前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の係合爪部が塑性変形することを特徴とする。
更に、請求項6に係るシートベルト用リトラクタは、請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタにおいて、前記変形可能部は、前記係合爪部と前記一端部との間の平板部の少なくとも一方の側面部から内側方向へ形成された切欠溝部を有し、前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記切欠溝部周辺が塑性変形することを特徴とする。
請求項1に係るシートベルト用リトラクタでは、ピニオンギヤ体は、巻取ドラムと同軸に回転可能に配設され、車両衝突時に、ピストンによってウエビングの巻き取り方向に回転される。このピニオンギヤ体の回転に応じて、ピニオンギヤ体に同軸に固定されている第1回転体が、同じくピニオンギヤ体に同軸に組み付けられて回転初期段階には回転しない第2回転体に対して相対回転する。この相対回転によって第1回転体に半径方向外側へ揺動可能に一端部が軸支されると共に、該第1回転体と第2回転体とに挟持されている略平板状の複数の係合部材が、半径方向外側へ突出して、巻取ドラムのフランジ部の内周面に形成されたクラッチギヤに係合する。
これにより、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転が、該第1回転体に一端部が軸支された各係合部材を介して巻取ドラムに伝達されてウエビングの巻き取りが開始されるため、駆動力伝達までの時間遅れやタイミングのばらつきを無くし、迅速且つ安定したタイミングで車両衝突時のウエビングの巻き取り動作を行なうことができる。
また、複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみがクラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材がクラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材に形成された変形可能部が塑性変形して、第2回転体に対して第1回転体が更に相対回転して、他の係合部材が更に突出してクラッチギヤに係合する。
これにより、他の係合部材がクラッチギヤに係合するため、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転駆動力を、複数の係合部材を介して巻取ドラムへ確実に伝達することが可能となる。また、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転トルクを複数の係合部材を介して分散してクラッチギヤに伝達することが可能となるため、フランジ部の薄型化を図り、巻取ドラムの軽量化を図ることが可能となる。
また、請求項2に係るシートベルト用リトラクタでは、第2回転体に対する第1回転体の相対回転によって、各係合部材は回転方向前側の側面部に当接するガイド部によって半径方向外側に押圧されるため、迅速且つ安定したタイミングでクラッチギヤに係合することが可能となる。従って、ピニオンギヤ体及び第1回転体から巻取ドラムへの回転駆動力伝達までの時間遅れやタイミングのばらつきを無くし、迅速且つ安定したタイミングで車両衝突時のウエビングの巻き取り動作を行なうことが可能となる。
また、請求項3に係るシートベルト用リトラクタでは、各係合部材は、係合爪部と軸支側一端部との間の平板部に貫通孔を形成することによって、簡易な構成で複数の係合部材をクラッチギヤに確実に係合させることが可能となり、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転駆動力を、複数の係合部材を介して巻取ドラムへ確実に伝達することが可能となる。
また、請求項4に係るシートベルト用リトラクタでは、各係合部材は、係合爪部と軸支側一端部との間の平板部の一方の面に所定深さの溝部を形成することによって、簡易な構成で複数の係合部材をクラッチギヤに確実に係合させることが可能となり、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転駆動力を、複数の係合部材を介して巻取ドラムへ確実に伝達することが可能となる。
また、請求項5に係るシートベルト用リトラクタでは、各係合部材は、係合爪部の厚さが軸支側一端部の厚さよりも薄く形成することによって、簡易な構成で複数の係合部材をクラッチギヤに確実に係合させることが可能となり、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転駆動力を、複数の係合部材を介して巻取ドラムへ確実に伝達することが可能となる。
また、請求項6に係るシートベルト用リトラクタでは、各係合部材は、係合爪部と軸支側一端部との間の平板部の少なくとも一方の側面部から内側方向へ切欠溝部を形成することによって、簡易な構成で複数の係合部材をクラッチギヤに確実に係合させることが可能となり、ピニオンギヤ体及び第1回転体の回転駆動力を、複数の係合部材を介して巻取ドラムへ確実に伝達することが可能となる。
本実施形態に係るシートベルト用リトラクタの外観斜視図である。 シートベルト用リトラクタをユニット別に分解した斜視図である。 巻取ドラムユニットの斜視図である。 シートベルト用リトラクタの断面図である。 巻取ドラムユニット、プリテンショナユニット及び巻取バネユニットの分解斜視図である。 プリテンショナユニットをハウジングユニットへの取り付け面側から見た斜視図である。 プリテンショナユニットの一部切り欠き側面図である。 図6のプリテンショナユニットを分解した分解斜視図である。 ハウジングユニットの分解斜視図である。 シートベルト用リトラクタのロックユニットを取り除いた状態の側面図である。 プリテンショナ機構のガス発生部材の作動によってピストンが移動して回転レバーの下端部がギヤ側アームの先端部から外れた状態を示す説明図である。 図11に対応するパウルの動作を示す説明図である。 プリテンショナユニットを挟んで、巻取りドラムユニットと巻取バネユニットとの連結を示す部分断面図である。 ガイドドラム、クラッチ機構、およびベースプレートの関係を説明する平面図である。 プリテンショナ動作を行う機構を説明する斜視図である。 図15のパウルガイドを除いた斜視図である。 クラッチ機構の巻取バネユニット側から見た分解斜視図である。 クラッチ機構の巻取りドラムユニット側から見た分解斜視図である。 クラッチパウルの平面図である。 図19のX6−X6矢視断面図である。 プリテンショナ動作前のガイドドラム、クラッチ機構及びピストンの位置関係を示す一部切り欠き斜視図である。 図21の各クラッチパウルとガイドドラムの状態を示す部分拡大図である。 プリテンショナ動作開始時のガイドドラム、クラッチ機構及びピストンの位置関係を示す一部切り欠き斜視図である。 図23の各クラッチパウルとガイドドラムの係合状態を示す部分拡大図(係合開始時)である。 プリテンショナ動作時のガイドドラム、クラッチ機構及びピストンの位置関係を示す一部切り欠き斜視図である。 図25の各クラッチパウルとガイドドラムの係合状態を示す部分拡大図(係合完了時)である。 1個のクラッチパウルの係合歯の先端部だけが、クラッチギヤに掛かった状態を示す部分拡大図である。 1個のクラッチパウルだけが、クラッチギヤに係合した状態を示す部分拡大図である。 クラッチギヤに係合した1個目のクラッチパウルが少し変形した状態を示す部分拡大図である。 クラッチギヤに全てのクラッチパウルが係合する状態を示す部分拡大図である。 1個のクラッチパウルの係合歯だけが、クラッチギヤに歯当たりした状態を示す部分拡大図である。 クラッチギヤに歯当たりしたクラッチパウルが少し変形した状態を示す部分拡大図である。 クラッチギヤに2個のクラッチパウルが係合する状態を示す部分拡大図である。 他の実施形態に係るクラッチパウルの平面図である。 図34のX7−X7矢視断面図である。 図34のX8−X8矢視断面図である。 他の実施形態に係るクラッチパウルの平面図である。 図37のX9−X9矢視断面図である。 他の実施形態に係るクラッチパウルの平面図である。 図39のX10−X10矢視断面図である。 他の実施形態に係るクラッチパウルの平面図である。 図41のX11−X11矢視断面図である。 他の実施形態に係るクラッチパウルの平面図である。 図43のX12−X12矢視断面図である。
以下、本発明に係るシートベルト用リトラクタについて具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
[概略構成]
先ず、本実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1の概略構成について図1及び図2に基づき説明する。
図1は本実施形態に係るシートベルト用リトラクタ1の外観斜視図である。図2はシートベルト用リトラクタ1をユニット別に分解した斜視図である。
図1及び図2に示すように、シートベルト用リトラクタ1は、車両のウエビング3を巻き取るための装置であって、ハウジングユニット5と、巻取ドラムユニット6と、プリテンショナユニット7と、巻取バネユニット8と、ロックユニット9とから構成されている。
また、ロックユニット9は、ハウジングユニット5を構成するハウジング11の側壁部12に固設され、ウエビング3の急激な引き出しや車両の急激な加速度の変化に反応してウエビング3の引き出しを停止する起動動作を行う。
また、後述のプリテンショナ機構17(図6参照)を備えたプリテンショナユニット7は、平面視略コの字状のハウジングユニット5の相対向する各側板部13、14の上下端縁部から略直角内側方向に延出されてネジ孔が形成された各ネジ止め部13A、13B、14A、14Bに、各ネジ15及びストッパーネジ16によってネジ止めされる。これにより、プリテンショナユニット7は、ハウジング11の側壁部12に相対向する他方の側壁部を構成する。
また、巻取バネユニット8は、プリテンショナユニット7の外側にバネケース56(図5参照)に一体形成された各ナイラッチ8Aによって固設される。
そして、ウエビング3が巻装される巻取ドラムユニット6は、ハウジングユニット5の側壁部12に固設されたロックユニット9とプリテンショナユニット7との間に回転自在に支持される。
[巻取ドラムユニットの概略構成]
次に、巻取ドラムユニット6の概略構成について図2乃至図5に基づいて説明する。
図3は巻取ドラムユニット6の斜視図である。図4はシートベルト用リトラクタ1の断面図である。図5は巻取ドラムユニット6、プリテンショナユニット7及び巻取バネユニット8の分解斜視図である。
図2乃至図5に示すように、巻取ドラムユニット6は、ガイドドラム21と、ドラムシャフト22と、トーションバー23と、ワイヤ24と、ワイヤプレート25と、ラチェットギヤ26と、ベアリング32とから構成されている。
ガイドドラム21は、アルミ材等により形成されて、プリテンショナユニット7側の端面部が閉塞された略円筒状に形成されている。また、ガイドドラム21の軸心方向のプリテンショナユニット7側の端縁部には、外周部から径方向に延出され、更に略直角外側方向に延出されたフランジ部27が形成されている。また、このフランジ部27の内周面には、後述のように車両衝突時に各クラッチパウル29が係合するクラッチギヤ30が形成されている。
また、ガイドドラム21のプリテンショナユニット7側の端面部中央位置には、円筒状の取付ボス31が立設され、スチール材等により形成されるドラムシャフト22が圧入等によって固着されている。また、この取付ボス31の外周には、ポリアセタール等の合成樹脂材により形成された略円筒状の筒状部32Aとその基端部の外周に基端フランジ部32Bが連設されたベアリング32が嵌め込まれている。そして、巻取ドラムユニット6は、このベアリング32を介してプリテンショナユニット7を構成するスチール材等で形成されるピニオンギヤ体33の軸受け部33A(図6、図8参照)に回転可能に支持される。
また、ガイドドラム21の内側には、中心軸に沿って徐々に細くなるように抜き勾配が形成された軸孔21Aが形成されており、この軸孔21A内のフランジ部27側端部には、スチール材等により形成されるトーションバー23の一端部に形成されるスプライン23Aが圧入されるスプライン溝が形成されている。これにより、トーションバー23のスプライン23A側をガイドドラム21の軸孔21Aに挿入してフランジ部27に当接するまで圧入することによって、トーションバー23がガイドドラム21内に相対回転不能に圧入固定される。
また、ガイドドラム21の軸心方向のロックユニット9側には、端縁部から少し内側の外周面から径方向に延出されたフランジ部35が形成されている。また、このフランジ部35から軸心方向外側の部分は少し外径が細くなった円筒状の段差部36が形成されている。また、この段差部36の外側端面部には径方向の対向する位置に一対の突き出しピン37、37が立設されている。
また、フランジ部35の外側面には、所定形状の凸部(不図示)が形成され、ステンレス材等の金属材からなる線材状のワイヤ24が、この凸部の形状に合わせて段差部36の基端部外周に装着される。
また、フランジ部35の外周部は、アルミ材等により形成されて、内側面の外周部に該フランジ部35から外側に突出するワイヤ24が嵌め込まれる凸部38が形成された側面視略卵形のワイヤプレート25で覆われている。
また、このワイヤプレート25の中央部には、段差部36が挿通される貫通孔40が形成されると共に、この貫通孔40の軸心方向外側の外周部には、内周面から半径方向内側に円弧状に突出する2個の凸部が、径方向において互いに対向するように形成された一対の嵌合凸部41が設けられている。また、この貫通孔40の各嵌合凸部41に挟まれた軸心方向外側の外周部には、径方向において互いに対向するように4対のカシメピン39が立設されている。また、各カシメピン39の基端部には、半円弧状に所定深さ窪んだ凹部39Aが形成されている。
また、ラチェットギヤ26は、スチール材等により形成された円板状で、外周部から軸心方向に段差部36とほぼ同じ高さまで延出された円筒状の延出部42が形成され、その延出部42の外周面に、後述のように車両衝突時や車両緊急時にパウル43(図9参照)が係合するラチェットギヤ部45が形成されている。また、延出部42の軸心方向ガイドドラム21側の端縁部には、外周部から径方向に延出された回り止めフランジ46が形成され、更に、その外周部に半径方向内側に円弧状に窪む2個の凹部が、径方向において互いに対向するように形成された一対の嵌合凹部46Bが設けられている(図5参照)。また、この回り止めフランジ46の各カシメピン39に対向する軸心方向外側面には、半円弧状に所定深さ窪んだ各凹部46Aが形成されている。
また、ラチェットギヤ26の各突き出しピン37に対向する位置には、該各突き出しピン37が嵌入される各貫通孔47が穿設されている。また、各貫通孔47の周囲は、所定深さ窪んだ凹部47Aが形成されている。また、ラチェットギヤ26の外側中心位置には、軸部48が立設されている。また、軸部48の外周面には、スプライン48Aが形成されている。そして、巻取ドラムユニット6は、この軸部48を介してロックユニット9に回転可能に支持される。
また、ラチェットギヤ26の内側面の中央部には円筒状の固定ボス49が立設されており、この固定ボス49の内周面には、トーションバー23の他端側に形成されるスプライン23Bが嵌入されるスプライン溝が形成されている。なお、トーションバー23の他端側に形成されるスプライン23Bの外径は、該トーションバー23の一端側に形成されるスプライン23Aの外径とほぼ同じ径に形成されている。
従って、先ず、ワイヤプレート25の各嵌合凸部41にラチェットギヤ26の回り止めフランジ46の各嵌合凹部46Bを嵌入する。その後、各カシメピン39を、その基端部の凹部39A及び相対向する位置に形成された回り止めフランジ46の凹部46Aとの内側に広がるようにカシメる。そして、ガイドドラム21のフランジ部35の外側面に、ワイヤ24を装着する。続いて、その外側にワイヤプレート25及びラチェットギヤ26を被せて、ラチェットギヤ26の各貫通孔47に、ガイドドラム21の各突き出しピン37を挿通させつつ、固定ボス49内にトーションバー23の他端側に形成されたスプライン23Bを嵌入する。その後、各突き出しピン37を貫通孔47の周囲に形成された凹部47Aの内側に広がるようにカシメる。
これにより、ラチェットギヤ26及びワイヤプレート25が、相対回転不能に固定されると共に、このラチェットギヤ26及びワイヤプレート25が、トーションバー23及び各突き出しピン37を介してガイドドラム21に対して相対回転不能に固定される。また、ガイドドラム21のフランジ部27とフランジ部35及びワイヤプレート25との間の外周面にウエビング3が巻装される。
[巻取バネユニットの概略構成]
次に、巻取バネユニット8の概略構成について図2、図4及び図5に基づいて説明する。
図2、図4及び図5に示すように、巻取バネユニット8は、渦巻バネを含む巻取付勢機構55と、この巻取付勢機構55を収容するバネケース56と、バネシャフト58と、から構成されている。そして、スチール材等で形成されるプリテンショナユニット7の外側面を構成するカバープレート57の各貫通孔51に、バネケース56の3箇所に設けられた各ナイラッチ8Aを介して固定される。そして、巻取ドラムユニット6のドラムシャフト22の先端部が、バネケース56内のバネシャフト58を介して渦巻バネに結合され、渦巻バネの付勢力によって巻取ドラムユニット6をウエビング3の巻取方向に常時付勢する構造とされている。
[プリテンショナユニットの概略構成]
次に、プリテンショナユニット7の概略構成について図2、図4乃至図8に基づいて説明する。
図6はプリテンショナユニット7をハウジングユニット5への取り付け面側から見た斜視図である。図7はプリテンショナユニット7の一部切り欠き側面図である。図8は図6のプリテンショナユニット7を分解した分解斜視図である。
図2、図4乃至図8に示すように、プリテンショナユニット7は、プリテンショナ機構17と、ハウジングユニット5の側壁部12に軸支されたパウル43(図9参照)を回動させる強制ロック機構53とから構成されている。
[プリテンショナ機構]
図5乃至図8に示すように、プリテンショナ機構17は、車両衝突時等にガス発生部材61を作動させ、このガスの圧力を利用して巻取ドラムユニット6のフランジ部27を介して該巻取ドラムユニット6をウエビング3の巻取方向に回転させる機構である。
ここで、プリテンショナ機構17は、ガス発生部材61と、パイプシリンダ62と、ガス発生部材61のガス圧を受けてパイプシリンダ62内を移動するシールプレート63及びピストン64と、このピストン64に形成されたラックに噛合して回転するピニオンギヤ体33と、このパイプシリンダ62が取り付けられるベースプレート65と、このベースプレート65にパイプシリンダ62のピニオンギヤ体33側の側面に当接して配設される略直方体状のベースブロック体66と、ベースプレート65の外側面に配設されるクラッチ機構68とから構成されている。
また、ピニオンギヤ体33は、スチール材等で形成された略円筒状で、その外周部にピストン64に形成されたラックに噛合するピニオンギヤ部71が形成されている。また、このピニオンギヤ部71の軸心方向カバープレート57側の端部から外側方向に延出される円筒状の支持部72が形成されている。また、この支持部72は、ピニオンギヤ部71の谷径を外径として、このカバープレート57の厚さ寸法にほぼ等しい長さに形成されている。
また、このピニオンギヤ部71の軸心方向ベースプレート65側の端部には径方向に張り出すフランジ部73が形成されている。さらに、このフランジ部73から外側方向に略円筒状で巻取ドラムユニット6のドラムシャフト22が挿通されると共にベアリング32が嵌入される軸受け部33Aが形成されたボス部74が形成されている。また、このボス部74の外周面には、基端部の外径を有する3個ずつのスプラインが中心角約120度間隔で形成されている。
また、クラッチ機構68は、スチール材等で形成された略円環状のパウルベース76と、スチール材等で形成された3個のクラッチパウル29と、ポリアセタール等の合成樹脂で形成されて、後述のようにパウルベース76と共に各クラッチパウル29を挟持する略円環状のパウルガイド77とから構成されている(図17参照)。
また、パウルベース76の内周面には、ピニオンギヤ体33のボス部74に形成されたスプラインが圧入されるスプライン溝が中心角約120度間隔で3個ずつ形成されている。また、パウルガイド77の内周径は、パウルベース76のスプライン溝よりも大きく形成されると共に、このパウルガイド77の外側の側面部の3カ所に、等角度で各位置決突起77Aが突設されている。
そして、クラッチ機構68のパウルガイド77の外側の側面部に突設される各位置決突起77Aを、ベースプレート65の各位置決孔81に嵌入して、該クラッチ機構68をベースプレート65の外側面に配置する(図14参照)。続いて、図8に示すように、ピニオンギヤ体33のボス部74を、ベースプレート65の略中央部に形成された貫通孔83に嵌入後、該ボス部74に形成される各スプラインをクラッチ機構68を構成するパウルベース76の各スプライン溝に圧入固定する。これにより、クラッチ機構68とピニオンギヤ体33とが、ベースプレート65に配設固定されるとともに、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71が、図7に示す位置に常に位置決め固定される。
また、ベースブロック体66は、ポリアセタール等の合成樹脂で形成されている。そして、このベースブロック体66の内側の側端縁部から内側方向に平面視略半円状に窪むように形成されると共に底面部が外側方向に突出するリング状に形成されたギヤ収納部85の該底面部の貫通孔82内にピニオンギヤ体33のフランジ部73を挿通させる。また、このベースブロック体66のベースプレート65側の側面部に突出する各位置決めボス79を、ベースプレート65の各位置決孔80に嵌入して、該ベースブロック体66をベースプレート65の内側面に配置する。
また、ベースブロック体66の外側側面部からベースプレート65側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片66Aと、このベースブロック体66の下側側面部からベースプレート65側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片66Bとをそれぞれベースプレート65の側端部に係止する。これにより、ベースブロック体66がベースプレート65に配設される。
尚、ベースプレート65の略中央部に形成される貫通孔83の内径は、ピニオンギヤ体33のボス部74の基端部の外径を支持できる径に形成されて、ピニオンギヤ体33の一端側を回転可能に支持することが可能に構成されている。また、ギヤ収納部85の高さは、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71とフランジ部73の高さの和にほぼ等しくなるように形成されている。
[強制ロック機構]
ここで、ベースブロック体66内に配設される強制ロック機構53について図5乃至図8に基づいて説明する。
図7に示すように、ベースブロック体66には、強制ロック機構53を配設する凹部86が形成されて、該強制ロック機構53を構成するプッシュブロック87と、回転レバー88と、プッシュブロック87を回転レバー88側方向へ付勢するブロック付勢バネ87Aと、ギヤ側アーム89と、このギヤ側アーム89を回転レバー88側方向へ付勢する付勢バネ90とが配設されている。また、図6に示すように、このギヤ側アーム89には、ベースプレート65の外側から該強制ロック機構53を構成する連結シャフト91と、メカ側アーム92が接続されている。
この回転レバー88は、ポリアセタール等の合成樹脂やアルミ材等で形成されて、略くの字状に形成されると共に、曲がり部に貫通孔が形成されている。そして、図7に示すように、回転レバー88は、一端側がピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71に対向するように、ベースブロック体66の凹部86の底面部に立設されるボス93に回転可能に支持されている。
また、プッシュブロック87は、ポリアセタール等の合成樹脂で形成されている。そして、図7に示すように、プッシュブロック87は、凹部86の底面部に立設される位置決突起94によって、一端がピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71の歯の近傍に位置し、他端が回転レバー88の近傍に位置するように位置決めされている。また、このプッシュブロック87は、ブロック付勢バネ87Aによって回転レバー88側に付勢され、ガタツキが防止されている。
従って、後述のようにピニオンギヤ体33が回転した場合には、回転レバー88は、ピニオンギヤ部71の歯に押されたプッシュブロック87によって外側方向(図7中、反時計方向)に回動可能に構成されている(図11参照)。また、プッシュブロック87は、ブロック付勢バネ87Aによってピニオンギヤ体33側に戻るのを防止される。
また、ギヤ側アーム89は、ポリアセタール等の合成樹脂やアルミ材等で形成されて、略平板状に形成されると共に、ベースブロック体66側の側面部の回転レバー88から遠い一端側には、ベースブロック体66の凹部86の底面部に形成された貫通孔96に挿通されるボス95が立設されている。また、ギヤ側アーム89のボス95が立設される側面部には、連結シャフト91の一端側折曲部が挿通される所定深さの溝部97が形成されている。
また、図6、図8に示すように、ギヤ側アーム89は、回転レバー88側の先端部上面に、該回転レバー88の他端側が当接される段差部98が形成されている。そして、このギヤ側アーム89は、ボス95が凹部86の底面部に形成される貫通孔96に挿入されて、回転レバー88側に回動可能に支持される。更に、ギヤ側アーム89は、段差部98に対向する他方の先端部下面を付勢バネ90によって回転レバー88側へ(図7中、上側方向である。)付勢されて、該段差部98が回転レバー88の他端側に当接されている。
従って、回転レバー88が図7中、反時計方向に回動した場合には、この回転レバー88の他端側がギヤ側アーム89の先端部から離れ、ギヤ側アームが付勢バネ90の付勢力によって、外側方向(図7中、反時計方向である。)へ回動可能に構成されている。
また、連結シャフト91は、スチール材等の線材で形成されて、両端が相互に約90度ずれて対向するように略直角に折り曲げられている。また。この連結シャフト91の直線部の長さは、ハウジングユニット5の各側板部13、14(図9参照)の幅より若干長く形成されている。
また、図8に示すように、ベースブロック体66の凹部86の底面部に形成される貫通孔96には、連結シャフト91の一端側折曲部が挿通される溝101が外周部から延び出ている。また、ベースプレート65のギヤ側アーム89に対向する部分には、連結シャフト91の一端側折曲部が挿通される貫通孔102が形成されている。
従って、連結シャフト91の一端側折曲部は、ベースプレート65の貫通孔102と、ベースブロック体66の貫通孔96及び溝101を通って、ベースブロック体66の凹部86に配設されたギヤ側アーム89の溝部97内に嵌入される。
また、メカ側アーム92は、ポリアセタール等の合成樹脂やアルミ材等で形成されて、略平板状の幅の狭い略扇形に形成されると共に、その中心角側の端縁部の外側面には、ハウジングユニット5の側壁部12(図9参照)に形成される貫通孔105(図10参照)に回転可能に嵌入されるボス106が立設されている。また、メカ側アーム92の外周側端縁部の側壁部12側の外側面には、切欠部138内に挿通されるボス92Aが立設されている。また、メカ側アーム92の内側面には、中心線に沿って所定深さの溝部107が形成されている。
従って、図6に示すように、連結シャフト91の他端側折曲部をメカ側アーム92の溝部107内に嵌入することによって、メカ側アーム92は、このメカ側アーム92の中心角側の端縁部の外側面に立設されるボス106の軸心と連結シャフト91の軸心とがほぼ一直線状になるように、連結シャフト91の他端側に取り付けられる。
そして、後述のようにプリテンショナユニット7がハウジングユニット5に取り付けられた場合には、メカ側アーム92のボス106は、側壁部12に形成される貫通孔105に回転可能に嵌入される(図10参照)。また、メカ側アーム92のボス92Aは、側壁部12に形成された切欠部138に挿入されて、側壁部12の内側に回動可能に取り付けられる。
[プリテンショナ機構]
続いて、プリテンショナ機構17を構成するパイプシリンダ62の構成及び取り付けについて図5乃至図8に基づいて説明する。
図5乃至図8に示すように、パイプシリンダ62は、スチールパイプ材等で略L字状に形成されている。そして、その一端側(図7中、下側折曲部分)は、略円筒状の収納部62Aが形成されて、ガス発生部材61を収納するように構成されている。このガス発生部材61は、火薬を含んでおり、図示省略の制御部からの着火信号により該火薬を着火させてガス発生剤の燃焼でガスを発生させるように構成されている。
また、パイプシリンダ62の他端側(図7中、上側折曲部分)は、断面略長方形のピストン収納部62Bが形成されて、ピニオンギヤ体33に対向する部分に切欠部111が形成され、ベースプレート65上に配設した場合に、該切欠部111内にピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71が填り込むように構成されている。また、ピストン収納部62Bの上端部には、ベースブロック体66側の側面部に、ベースプレート65から略直角に折り曲げられた折曲部112が嵌入されて、パイプシリンダ62の上下方向の抜け止めとして機能する切欠部113が形成されている。また、切欠部113の横側の両側面部には、プリテンショナユニット7をハウジングユニット5に取り付けると共に、ピストン64の抜け止めとして機能するストッパーネジ16を挿通可能な相対向する一対の貫通孔114が形成されている。
また、図7及び図8に示すように、シールプレート63は、ゴム材等でピストン収納部62Bの上端側から挿入可能な略長方形の板状に形成されている。また、シールプレート63は、長手方向両端縁部から上方に延出されると共に、それぞれの上端部の全幅に渡って内側方向に突出する一対の突起部63Aが形成されている。また、シールプレート63の中央部には、ガス抜き孔63Bが形成されている。
また、ピストン64は、スチール材等で形成されて、ピストン収納部62Bの上端側から挿入可能な断面略長方形で、全体として長尺状の形状を有している。また、ピストン64の下端部には、シールプレート63の各突起部63Aが横方向から嵌め込まれる各嵌入溝64Aが形成されている。また、ピストン64の下端面には、この下端面から該ピストン64の側面部に形成された貫通孔64Bに連通する細径の連通孔64Cが形成されている。
そして、シールプレート63の各突起部63Aをピストン64の各嵌入溝64に横側からスライドさせて嵌入後、シールプレート63を奥側にして、ピストン収納部62Bの上端側から奥に圧入する。また、シールプレート6のガス抜き孔63Bは、ピストン64の連通孔64Cを介して貫通孔64Bに連通している。
従って、この状態で、ガス発生部材61で発生したガスの圧力によって、シールプレート63が押圧されて、ピストン64がピストン収納部62Bの上端側開口部(図7中、上端部)へ移動する。また、その後、ウエビング3が再度引き出される場合には、ピニオンギヤ体33の逆回転によってピストン64が下方に下がる際に、シールプレート63のガス抜き孔63B、ピストン64の連通孔64C及び貫通孔64Bを介してパイプシリンダ62内のガスが抜け、スムーズにピストン64が下がる。
また、ピストン64のピニオンギヤ体33側の側面には、このピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71に噛合するラック116が形成されている。また、ラック116の先端部(図7中、上端部)の背面は、ストッパーネジ16に当接可能な段差部117が形成されている。また、図7に示すように、ガス発生部材61が作動するまでの通常状態では、ピストン64はピストン収納部62Bの奥側に退避して、ラック116の先端がピニオンギヤ部71に非噛合状態となるように位置している。
そして、図7に示すように、このように構成されたピストン収納部62Bの切欠部111の内側に、ベースブロック体66のギヤ収納部85の両側端縁部から外側方向に突出する各突出部109を嵌入させつつ、ピストン収納部62Bの上端部に形成された切欠部113にベースプレート65の折曲部112を嵌入させて、該ベースプレート65上にパイプシリンダ62を配置する。またこの時、ベースブロック体66に立設された断面略U字状のラック止めピン108が、ラック116の上端のギヤ溝に挿入され、ピストン64の上下方向の移動が規制される。また、ピストン64の先端部は、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71の近傍に位置して、非噛合状態になっている。
これにより、パイプシリンダ62のピストン収納部62Bは、ベースブロック体66の側面部に立設される断面略三角形の各リブ110と、ベースプレート65の側端縁部のピニオンギヤ体33に対向する部分から略直角に延出された各背当て部118A、118Bとによって、その両側面部が支持される。尚、この各背当て部118A、118Bは、ピストン収納部62Bよりも少し高くなるように延出されており、カバープレート57の各背当て部118A、118Bに対向する側端部に形成された各貫通孔119A、119Bに挿通可能に形成されている。
また、各貫通孔119A、119Bの各背当て部118A、118Bの外側面に対向する側縁部は、内側方向(図8中、左側方向)へ所定高さ(例えば、約1mmの高さである。)窪んでいる。これにより、各背当て部118A、118Bが各貫通孔119A、119Bに挿入された場合には、各貫通孔119A、119Bの内側面が、各背当て部118A、118Bの外側面に確実に当接するように構成されている。
そして、ベースプレート65上にベースブロック体66、強制ロック機構53やパイプシリンダ62等が配置された状態で、このベースブロック体66のカバープレート57側の側面部に突出する各位置決めボス121を、カバープレート57の各位置決孔122に嵌入して、ベースブロック体66、強制ロック機構53やパイプシリンダ62等の上側にカバープレート57を配置する。また同時に、ピニオンギヤ体33の円筒状の支持部72を、カバープレート57の略中央部に形成された支持孔125に嵌入する。
また、ベースプレート65の側端縁部から略直角に延出された各背当て部118A、118Bを、カバープレート57の各背当て部118A、118Bに対向する側端縁部に形成された各貫通孔119A、119Bに挿通する。そして、このベースブロック体66の外側側面部からカバープレート57側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片66Cと、このベースブロック体66の上側側面部からカバープレート57側に延出されて、外側方向に弾性変形可能に形成された弾性係止片66Dとをそれぞれカバープレート57の側端部に係止する。
これにより、カバープレート57がベースブロック体66に配設固定され、パイプシリンダ62がカバープレート57とベースプレート65との間に取り付けられる。また、ピニオンギヤ体33の端部に形成された支持部72が、カバープレート57の支持孔125によって回転可能に支持される。従って、図4に示すように、ピニオンギヤ体33の両端部に形成されたボス部74の基端部と支持部72とが、それぞれベースプレート65の貫通孔83とカバープレート57の支持孔125とによって回転可能に支持される。
また、パイプシリンダ62の各貫通孔114と、カバープレート57の各貫通孔114に対向する位置に形成された貫通孔127と、ベースプレート65の各貫通孔114に対向する位置に形成されたネジ孔141B(図9参照)とが同軸上に配置される。これにより、スチール材等で形成されたストッパーネジ16をカバープレート57側からベースプレート65側へ挿通してネジ止めすることができる。
従って、パイプシリンダ62は、カバープレート57とベースプレート65とによって挟持されると共に、ベースブロック体66と各背当て部118A、118Bとによって両側面部が挟持される。また、パイプシリンダ62のピストン収納部62Bの上端側開口が、カバープレート57の上端部から略直角に延出されたカバー部131によって覆われる。また、ガス発生部材61で発生したガスの圧力によって、シールプレート63が押圧されて、ピストン64がピストン収納部62Bの上端側開口部(図7中、上端部)へ移動した場合には、ピストン64の段差部117が、各貫通孔114に挿通されたストッパーネジ16に当接して、停止させることができる。
[ハウジングユニットの概略構成]
次に、ハウジングユニット5の概略構成について図9及び図10に基づいて説明する。
図9はハウジングユニット5の分解斜視図である。図10はシートベルト用リトラクタ1のロックユニット9を取り除いた状態の側面図である。
図9及び図10に示すように、ハウジングユニット5は、ハウジング11と、ブラケット133と、プロテクタ135と、パウル43と、パウルリベット136とから構成されている。
また、ハウジング11は、スチール材等で平面視略コの字状に形成されて、奥側の側壁部12には巻取ドラムユニット6のラチェットギヤ26の先端部が挿入される貫通孔137が形成されている。また、この貫通孔137の斜め下側のパウル43に対向する部分には、切欠部138が形成され、パウル43がスムーズに回動するようになっている。また、この切欠部138の横側にパウル43を回転可能に取り付けるための貫通孔139が形成されている。
また、切欠部138のパウル43が当接する部分には、貫通孔139の同心円上に半円形状の案内部140が形成されている。一方、パウル43の案内部140に当接して摺動する部分は、側壁部12の厚さ寸法にほぼ等しい高さで、この案内部140の側縁と同じ曲率半径の円弧状に窪んだ段差部43Bが側壁部12の厚さ寸法より若干高く形成されている。
また、側壁部12の両側端縁部から相対向する各側板部13、14が延出されている。また、各側板部13、14の中央部には、それぞれ開口部が形成され、軽量化及びウエビング3の取り付け作業の効率化等が図られている。また、各側板部13、14の上下端縁部には、所定幅で略直角内側方向に延出された各ネジ止め部13A、13B、14A、14Bが形成されている。また、各ネジ止め部13A、13B、14Aには、各ネジ15がネジ止めされる各ネジ孔141Aがバーリングによって形成され、ネジ止め部14Bには、ストッパーネジ16がネジ止めされるネジ孔141Bがバーリングによって形成されている。
また、側板部13の上端縁部に各リベット134によって取り付けられるブラケット133は、スチール材等で形成されて、側板部13の上端縁部から略直角内側方向に延出された延出部にウエビング3が引き出される横長の貫通孔142が形成され、ナイロン等の合成樹脂で形成された横長枠状のプロテクタ135が嵌め込まれている。
また、スチール材等で形成されたパウル43は、段差部43Bが案内部140に当接されて、側壁部12の外側から貫通孔139に回転可能に挿通されるリベット136によって、回動可能に固定されている。これにより、パウル43の側面とラチェットギヤ26の側面とが、側壁部12の外側面とほぼ同一面になるように位置される。
また、図10に示すように、プリテンショナユニット7を各ネジ15及びストッパーネジ16によってハウジングユニット5に取り付けた場合には、連結シャフト91の他端側折曲部に取り付けられたメカ側アーム92のボス106が、側壁部12に形成された貫通孔105に回動可能に嵌入されて、切欠部138内に位置するパウル43の下側の側面部の近傍に位置している。また、メカ側アーム92の外側の側面に立設されたボス92Aが切欠部138に挿入されている。また、パウル43は、通常時には、メカ側アーム92に近接した状態で、且つ、ラチェットギヤ26に係合しないようになっている。
[強制ロック機構及びパウルの動作説明]
次に、車両衝突時等において、プリテンショナ機構17のガス発生部材61の作動によって起動する強制ロック機構53及びパウル43の動作について図11及び図12に基づいて説明する。図11はプリテンショナ機構17のガス発生部材61の作動によってピストン64が移動して、回転レバー88の下端部がギヤ側アーム89の先端部から外れた状態を示す説明図である。図12は図11に対応するパウル43の動作を示す説明図である。
図11に示すように、車両衝突時等において、プリテンショナ機構17のガス発生部材61が作動した場合には、パイプシリンダ62のピストン収納部62B内のピストン64が図7に示す通常状態から、ラック止めピン108を剪断して上方に(矢印X1方向である。)に移動し、ピニオンギヤ体33を正面視反時計方向(矢印X2方向である。)へ回転させる。また、回転レバー88の上端部は、ブロック付勢バネ87Aによって押されたプッシュブロック87によって更に押されるため、この回転レバー88の下端部が、ギヤ側アーム89の先端部から外れる。
そのため、ギヤ側アーム89は、付勢バネ90によって外側方向に押圧されて、正面視反時計方向(矢印X4方向である。)へ回転する。尚、プッシュブロック87は、ブロック付勢バネ87Aによって外側方向へ押圧され、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71と離間した状態で維持されると共に、回転レバー88の上端部を凹部86の内壁面に当接させた状態に維持する。
また、図12に示すように、回転レバー88の下端部が、ギヤ側アーム89の先端部から外れた場合には、このギヤ側アーム89が、正面視反時計方向(矢印X4方向である。)へ回転するため、該ギヤ側アーム89の溝部97内に一端側折曲部が挿入されている連結シャフト91も、軸心回りに正面視反時計方向(矢印X4方向である。)へ回転する。
このため、メカ側アーム92は、連結シャフト91の他端側折曲部が溝部107に挿入されているため、ギヤ側アーム89の回動に伴って正面視反時計方向(矢印X5方向である。)に回動して、パウル43をラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45に係合させる。尚、パウル43とラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45とは、巻取ドラムユニット6のウエビング3引き出し方向への回転を抑止し、ウエビング3巻き取り方向への回転を許容するように、噛み合う形状とされている。
従って、パウル43とラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45とが係合した場合には、巻取ドラムユニット6のウエビング3引き出し方向への回転を抑止するロック動作が行われると共に、ウエビング3巻き取り方向への回転が許容される。尚、クラッチ機構68とピニオンギヤ体33が一体となって回転を開始する以前に、パウル43は巻取ドラムユニット6のウエビング3引き出し方向への回転を抑止しうる状態になる。
また、プリテンショナ機構17の動作後、ピニオンギヤ体33の回転が停止した後は、図11に示すように、回転レバー88の下端部が、ギヤ側アーム89の先端部から外れた状態が維持される。即ち、プリテンショナ機構17の動作後においては、パウル43とラチェットギヤ26のラチェットギヤ部45との係合が維持される。このため、巻取ドラムユニット6のラチェットギヤ26及びワイヤプレート25が、ウエビング3引き出し方向へ回転するのが抑止される。
[プリテンショナユニットを含む周辺の構成]
次に、車両衝突時に動作するプリテンショナユニット7によって巻取ドラムユニット6を回転させてウエビング3を引き込む機構の構成・構造と共にその作用・効果について図13乃至図26に基づいて説明する。
図13は、シートベルト用リトラクタ1を、プリテンショナユニット7を挟んで、巻取りドラムユニット6と巻取バネユニット8とが連結された構成を示す部分断面図で、図4の断面図を背面側から見た図である。
図13に示すように、ガイドドラム21は、ドラムシャフト22を介して巻取バネユニット8との間で同軸に連結されている。そして、ガイドドラム21は、巻取バネユニット8によって、常時ウエビング3の巻き取り方向に付勢されている。
また、プリテンショナユニット7のうち、ベースプレート65から突出して備えられているクラッチ機構68は、ガイドドラム21のフランジ部27内に収納されている。また、ベアリング32は、ガイドドラム21とピニオンギヤ体33との間に摺動自在に備えられている。このベアリング32は、筒状形状を有する筒状部32Aと、筒状部32Aの一端に連設され外径方向に広がりを有する基端フランジ部32Bとを有しており、ガイドドラム21の取付ボス31とピニオンギヤ体33の軸受け部33Aとの間に摺動自在に装着されている。
具体的には、ガイドドラム21の取付ボス31の外側面および外側面に連設されるフランジ部27の底面部に、ベアリング32における筒状部32Aの内側面および基端フランジ部32Bの下側面とが摺動自在に接触する。また、ピニオンギヤ体33の軸受け部33Aの内側面および先端部に、ベアリング32における筒状部32Aの外側面および基端フランジ部32Bの上側面とが摺動自在に接触する。
また、プリテンショナユニット7において、ピニオンギヤ体33およびクラッチ機構68が、ベアリング32を介してガイドドラム21に摺動自在に当接して構成されている。これにより、通常使用時に、ウエビング3の引き出し、巻き取りに伴うガイドドラム21の回転は、プリテンショナユニット7のピニオンギヤ体33およびクラッチ機構68に規制されず、自在に行うことができる。
図14は、シートベルト用リトラクタ1を、巻取バネユニット8側から見た平面図である。尚、ガイドドラム21、クラッチ機構68、およびベースプレート65の関係を説明するために、クラッチ機構68およびベースプレート65を除くプリテンショナユニット7の構成部材、巻取バネユニット8、ドラムシャフト22が省略されている。また、部材間の関係を示すため、必要に応じて部材の一部または全部が透視された状態(点線で表示)が表示されている。
図14に示すように、クラッチ機構68は、ガイドドラム21と同軸に組み付けられている。これは、クラッチ機構68のパウルベース76が、ベースプレート65の略中央部に形成された貫通孔83に嵌挿されたピニオンギヤ体33のボス部74に圧入固定されて同軸に連結され、一方、ピニオンギヤ体33の軸受け部33Aの内側面が取付ボス31の外側面とベアリング32を介して回転摺動自在に位置決めされているからである。
また、ガイドドラム21のフランジ部27を構成する周縁部の内周面には、軸心に向かってクラッチギヤ30が刻設されている。後述するように、クラッチ機構68に収納されている各クラッチパウル29がプリテンショナ作動時に突出する。そして、この突出した各クラッチパウル29が対向するクラッチギヤ30に係合して、ガイドドラム21をウエビング3の巻き取り方向に回転させる。
また、クラッチ機構68のうちベースプレート65に接する面には、3個の位置決突起77Aが等角度で突設されており、ベースプレート65の貫通孔83の周囲に開口されている各位置決孔81に嵌入されて係合している。これにより、クラッチ機構68とベースプレート65とは、通常作動時においては相対回転不能に固定されている。
また、各位置決突起77Aは、クラッチ機構68を構成するパウルガイド77のベースプレート65側の面に形成されている。これにより、通常作動時および車両衝突時の初期段階において、パウルガイド77はベースプレート65との間で相対回転不能な状態で固定されている。
このため、車両衝突時にプリテンショナユニット7のガス発生部材61が作動して、ピストン64が押圧駆動され、ピニオンギヤ体33が回転すると、パウルガイド77に対してパウルベース76が相対回転する。この回転運動に伴い各クラッチパウル29が外径方向に突出する。そして、クラッチパウル29が突出した後も、ピストン64によるピニオンギヤ体33の回転駆動力が継続することにより、パウルガイド77にも回転駆動力が加えられる。
そして、パウルガイド77の各位置決突起77Aは、この回転駆動力に抗しきれなくなると破断する。以後、クラッチ機構68はピニオンギヤ体33と一体となってガイドドラム21を回転させ、ウエビング3の巻き取りが行われる。尚、ガイドドラム21の取付ボス31には、同軸に開孔部31Aが設けられている。この開孔部31Aにドラムシャフト22が圧入されている。
[プリテンショナ動作の機構説明]
図15及び図16は、プリテンショナユニット7による車両衝突時のウエビング3の巻き取り動作、すなわち、プリテンショナ動作を行う機構を説明する斜視図である。尚、プリテンショナ動作に関連する機構の構成を明記するために、一部の構成部品を省略して示している。具体的には、プリテンショナユニット7を構成する部材のうち、クラッチ機構68、ピニオンギヤ体33、パイプシリンダ62を残し、これ以外の部材については省略している。ここで、ベースプレート65については点線にて表示している。また、巻取バネユニット8についても省略している。
図15及び図16に示すように、ベースプレート65を挟んでピニオンギヤ体33に連結されたクラッチ機構68は、ガイドドラム21のフランジ部27の内側に収納されている。これにより、クラッチ機構68は、その側面がフランジ部27の内周面に形成されたクラッチギヤ30に対向して配置される。そして、プリテンショナ動作時、パイプシリンダ62内のガス圧に応じて移動するピストン64の押圧駆動により、ピニオンギヤ体33が回転する。
そして、ピストン64の押圧駆動によるピニオンギヤ体33の回転に応じて、クラッチ機構68の内部に収納されている各クラッチパウル29は、クラッチ機構68の側面から外径方向に突出する。これにより、クラッチ機構68の側面から突出した各クラッチパウル29が、相対向するクラッチギヤ30と係合して、ウエビング3の巻き取り方向にガイドドラム21を回転させる。
ここで、図16では、クラッチパウル29は複数配設されている。後述する図17及び図18によれば、3個のクラッチパウル29が、同心円上に略等角度で配置され、3か所でガイドドラム21のクラッチギヤ30と係合する。また、3個のクラッチパウル29は、ガイドドラム21のフランジ部27の内周面に形成されるクラッチギヤ30に均等に係合して、ピニオンギヤ体33の回転駆動力をガイドドラム21に均等に伝達することができる。
[クラッチ機構の構成]
ここで、クラッチ機構68の概略構成について図17乃至図20に基づいて説明する。
図17及び図18は、クラッチ機構68の構成を示す分解斜視図である。図17は巻取バネユニット8側から見た分解斜視図であり、図18は、巻取りドラムユニット6側から見た分解斜視図である。図19はクラッチパウル29の平面図である。図20は図19のX6−X6矢視断面図である。
図17及び図18に示すように、クラッチ機構68は、パウルベース76、3個のクラッチパウル29、パウルガイド77より構成されている。尚、クラッチパウル29を4個以上設けるように構成してもよい。
また、図17乃至図20に示すように、各クラッチパウル29の基端部には、パウルベース76に形成された各挿通孔76Aに回転可能に挿通される断面円形のボス29Aが立設されている。また、このボス29Aの高さは、挿通孔76Aに挿通した際に、パウルベース76から突出しないように形成されている。また、各クラッチパウル29のボス29Aに対向する反対側の面には、断面円形の窪み部291が該ボス29Aと同軸上に位置するように形成されている。また、この窪み部291の深さは、クラッチパウル29の厚さよりも浅くなるように形成されている。
また、この窪み部291には、パウルガイド77に突設されている十字状突起77Bが圧入される。この十字状突起77Bの十字形状の一辺の長さは、クラッチパウル29の窪み部291の直径より長く形成されており、圧入された状態でクラッチパウル29の回動を規制する。この場合、クラッチパウル29においてパウルガイド77に対向する面側の窪み部291には面取り加工が施されている。
また、窪み部291の面取り加工に代えて、または面取り加工と共に、十字状突起77Bは、その先端部において十字形状の一辺の長さが短く形成され、あるいは先端部がその他の部位に比して肉薄に形成されていてもよい。これにより、圧入作業をスムーズに行うことができる。
また、各クラッチパウル29は、長手方向先端部から長手方向略中央部まで、ボス29Aが突設された基端部よりも少し幅が広くなるように形成されると共に、先端部から長手方向内側へ平面視略V字形に窪む係合歯29Bが設けられている。この係合歯29Bは、クラッチギヤ30に係合して、係合爪部の一例として機能する。また、係合歯29Bの先端部と凹部291との間の長手方向略中間位置に、略半球状に窪む凹部29Cが設けられており、パウルガイド77の対応位置には突起77Eが突設されている。
そして、パウルガイド77の十字状突起77Bが、クラッチパウル29の窪み部291に圧入された状態で、突起77Eが凹部29C内に嵌り込む。この凹部29Cと突起77Eとの配置位置は、十字状突起77Bが窪み部291に圧入されたクラッチパウル29の回動位置を決める効果を有するものである。つまり、十字状突起77Bが窪み部291に圧入されたクラッチパウル29を収納位置に位置決めするための構成である。
従って、凹部29Cと突起77Eとの嵌合、および窪み部291への十字状突起77Bの圧入により、通常動作時に各クラッチパウル29は収納位置から回動せず、係合歯29Bがパウルベース76及びパウルガイド77の側面部から外方へ突出することはない。
また、パウルベース76には、3個の断面円形の挿通孔76Aが、各クラッチパウル29のボス29Aに対向する位置に貫通して設けられ、パウルガイド77とパウルベース76とが嵌合した際、各クラッチパウル29のボス29Aが、それぞれ各挿通孔76Aに回転可能に挿通される。
また、各挿通孔76Aをパウルベース76の外径側で囲むように肉厚のパウル支持ブロック76Bが設けられている。このパウル支持ブロック76Bは、車両衝突時に突出する各クラッチパウル29が、ガイドドラム21を押圧駆動する際に、各クラッチパウル29が受ける荷重を受け止めるために設けられている。
また、各クラッチパウル29の少し幅が広くなるように形成された係合歯29Bには、当該係合歯29Bの長手方向略中央部に、この係合歯29Bの幅寸法の約半分の直径の変形用貫通孔29Dが形成されている。尚、変形用貫通孔29Dは、断面円形に限らず、断面三角形、断面矩形、断面菱形、断面楕円形等に形成してもよい。また、変形用貫通孔29Dは、係合歯29Bの基端部側端縁部、つまり、幅が狭くなる手前部分に形成するのが好ましい。
また、パウルガイド77のパウルベース76に対向する内側面には、クラッチパウル29毎にガイド部77Cが、クラッチパウル29の回転方向側の側面に近接して設けられている。そして、プリテンショナユニット7の動作初期段階においては、パウルガイド77は、各位置決突起77Aがベースプレート65の各位置決め孔81に係合しているため、回転不能の状態にある。
そして、車両衝突時には、この状態でパウルベース76がピニオンギヤ体33と共に回転する。この回転に伴い各パウル支持ブロック76Bに押圧された各クラッチパウル29は、十字状突起77Bおよび突起77Eを破断しながら、ボス29Aを中心に回転して回転方向に移動する。この移動した各クラッチパウル29は、各クラッチパウル29の内径側の側面がガイド部77Cに接触して押圧される。
そして、パウルベース76は更に回転するので、各クラッチパウル29は、パウル支持ブロック76Bおよびガイド部77Cに押圧される。その結果、各クラッチパウル29は、ガイド部77Cにより半径方向外側へ摺動案内されつつ、パウル支持ブロック76Bによって回転方向へ押圧されるため、各係合歯29Bがパウルベース76及びパウルガイド77の側面部から外側方向へ突出する。
本実施形態では、3つのクラッチパウル29が、同心円上にほぼ等角度で配設される構成である。これにより、プリテンショナ作動時にガイドドラム21を各クラッチパウル29を介して回転駆動する際、この回転駆動に伴う各クラッチパウル29によるガイドドラム21のフランジ部27への押圧荷重を分散して、効率のよい押圧性能、耐荷重性能を実現することができる。
また、パウルベース76において、各パウル支持ブロック76Bの半径方向外側端面部には、係止ブロック76Cが形成されている。また、係止ブロック76Cに近接してパウル支持ブロック76Bの一角に所定深さ窪む断面円形の凹部76Dが形成されている。
また、パウルガイド77には、パウルベース76に取り付けた際に、各係止ブロック76Cと係合する3つの略四角枠状の係止フック77D、及び各凹部76Dに嵌入される3つの十字状突起77Fが形成されている。また、各係止フック77Dの周方向内側の幅寸法は、各係止ブロック76Bの周方向の幅寸法よりも大きく形成されている。
これにより、係止ブロック76Cと係止フック77Dとの係合は、パウルベース76のピニオンギヤ体33による回転初期において、パウルガイド77に対してパウルベース76が相対回転可能な係合状態とされる。また、パウルベース76の回転の初期段階においては、パウルガイド77が回転不能に維持された状態でパウルベース76が回転し、各クラッチパウル29が突出する。また、凹部76Dと嵌合する十字状突起77Fは、パウルベース76の回転に応じて破断される。
ここで、パウルベース76、および各クラッチパウル29は、スチール材等の金属製部材で構成され、パウルガイド77は、樹脂製部材で構成されている。これにより、各クラッチパウル29の突出動作、および各クラッチパウル29の突出後の、パウルガイド77のパウルベース76との一体回転動作やパウルベース76の逆回転規制動作が、簡便かつ確実に行えるようになる。
[プリテンショナ動作の説明]
次に、プリテンショナ動作によるガイドドラム21の回転駆動について図21乃至図26に基づいて説明する。
図21、図23及び図25は、プリテンショナ動作をガイドドラム21に伝達する機構について説明するために、パイプシリンダ62の一部を断面図として表示し内部に配置されているピストン64の位置が明示されている。また、ベースプレート65およびパウルガイド77を除いた表示として、各クラッチパウル29とガイドドラム21との係合状態を明示している。また、図22、図24及び図26は、図21、図23及び図25に対応した各クラッチパウル29とガイドドラム21との係合状態を拡大して示した図である。
先ず、プリテンショナ動作前の状態について図21及び図22に基づいて説明する。
図21及び図22に示すように、パイプシリンダ62内のピストン64は、基底位置に配置されており、ピストン64に刻設されているラック116は、ピニオンギヤ体33とは係合していない。また、各クラッチパウル29は、パウルベース76とパウルガイド77の側面部よりも内側の収納位置に維持されている。
次に、プリテンショナ動作開始時の状態について図23及び図24に基づいて説明する。
図23はパイプシリンダ62内にて、ガス発生部材61によりガスの発生が開始された状態である。また、図24は図23に対応する状態を示し、半径方向外側へ突出を開始した各クラッチパウル29がクラッチギヤ30に係合し始める状態を示している。
図23及び図24に示すように、車両衝突時にプリテンショナユニット7のガス発生部材61によりガスの発生が開始されると、ガス圧によって、ピストン64がパイプシリンダ62の先端部に向かって押圧駆動され始める。そして、ラック116とピニオンギヤ体33とが係合し、ピニオンギヤ体33が回転すると、パウルベース76が回転を開始する。一方、パウルガイド77の各位置決突起77Aは、ベースプレート65の各位置決め孔81に嵌入されているため、回転不能に固定されているため、このパウルガイド77に対してパウルベース76が相対回転する。
そして、この回転運動に伴い各クラッチパウル29の内径側の側面が、パウルガイド77のガイド部77Cに接触して押圧され、各係合歯29Bがパウルベース76及びパウルガイド77の側面部から半径方向外側へ突出を開始する。これにより、各クラッチパウル29の係合歯29Bとクラッチギヤ30との係合が開始される。
続いて、プリテンショナ動作継続時の状態について図25及び図26に基づいて説明する。図25はガス圧によるピストン64の押圧駆動が継続した状態である。また、図26は図26に対応する状態を示している。
図25及び図26に示すように、ピストン64の押圧駆動が継続して、ラック116と係合しているピニオンギヤ体33の回転が継続されて、各クラッチパウル29は更に突出され、クラッチギヤ30との係合が完了する。そして、各クラッチパウル29がクラッチギヤ30に係合した状態で、パウルベース76が更に回転されるため、各クラッチパウル29によって各ガイド部77Cが回転方向に押圧され、パウルガイド77にも回転駆動力が加えられる。
そして、パウルガイド77の各位置決突起77Aは、この回転駆動力に抗しきれなくなると破断し、当該パウルガイド77、パウルベース76及びピニオンギヤ体33は一体的に回転する。これにより、各クラッチパウル29にクラッチギヤ30が係合したガイドドラム21がウエビング3の巻取方向へ回転駆動され、ウエビング3がガイドドラム21に巻き取られる。
[プリテンショナ動作の説明(最初に1個のクラッチパウルだけが係合した場合)]
ここで、プリテンショナ動作が開始されて、最初に、1個のクラッチパウル29だけが、ガイドドラム21のクラッチギヤ30に係合した場合に、他のクラッチパウル29がクラッチギヤ30に係合する動作について図27乃至図30に基づいて説明する。図27乃至図30は、最初に1個のクラッチパウル29だけがクラッチギヤ30に係合後、他のクラッチパウル29がクラッチギヤ30に係合する動作を拡大して示す図である。
図27及び図28に示すように、車両衝突時にプリテンショナユニット7のピストン64が作動してピニオンギヤ体33を介してパウルベース76の回転が開始されると、各クラッチパウル29の係合歯29Bの先端部が、パウルベース76の側面部から突出する。そして、パウルベース76の回転中心が、ガイドドラム21の回転中心から偏心して、3個中1個のクラッチパウル29(図27中、左上のクラッチパウル29である。)の係合歯29Bの先端部が、クラッチギヤ30の歯先に掛かった場合には、パウルベース76の回転に伴って、このクラッチパウル29だけがクラッチギヤ30に係合する。
そして、図29及び図30に示すように、パウルベース76の回転が継続されているため、クラッチギヤ30に係合した1個目のクラッチパウル29は、パウルベース76のパウル支持ブロック76Bによって回転方向に押圧され、クラッチギヤ30から逆回転方向へ大きな押圧力を受ける。このため、クラッチギヤ30に係合した1個目のクラッチパウル29は、この逆回転方向への押圧力によって係合歯29Bがクラッチギヤ30に係合した状態で、変形用貫通孔29の周辺部が塑性変形して、回転方向に突出した略くの字形に変形する。
続いて、1個目のクラッチパウル29の略くの字形の変形により、パウルベース76が更に回転して、残り2個のクラッチパウル29が、パウルガイド77の各ガイド部77Cに接触して押圧され、パウルベース76の側面部から半径方向外側へ突出してクラッチギヤ30にそれぞれ係合する。これにより、クラッチギヤ30に係合した各クラッチパウル29が各パウル支持ブロック76Bに押圧され、パウルベース76と一体的に回転され、各クラッチパウル29に係合したガイドドラム21がウエビング3の巻取方向へ回転駆動される。
尚、上記図27乃至図30において、3個中2個のクラッチパウル29の係合歯29Bの先端部が、クラッチギヤ30の歯先に掛かって、残り1のクラッチパウル29の係合歯29Bの先端部が、クラッチギヤ30の歯先に掛かっていない場合には、パウルベース76の回転に伴って、この2個のクラッチパウル29だけがクラッチギヤ30に係合する。そして、パウルベース76の回転が継続されているため、クラッチギヤ30に係合した2個のクラッチパウル29は、パウルベース76のパウル支持ブロック76Bによって回転方向に押圧され、クラッチギヤ30から逆回転方向へ大きな押圧力を受ける。
このため、クラッチギヤ30に係合した2個のクラッチパウル29は、この逆回転方向への押圧力によって係合歯29Bがクラッチギヤ30に係合した状態で、変形用貫通孔29の周辺部が塑性変形して、回転方向に突出した略くの字形に変形する。そして、この2個のクラッチパウル29の略くの字形の変形により、パウルベース76が更に回転して、残り1個のクラッチパウル29が、パウルガイド77の各ガイド部77Cに接触して押圧され、パウルベース76の側面部から半径方向外側へ突出してクラッチギヤ30に係合する。
[プリテンショナ動作の説明(最初に1個のクラッチパウルが歯当たりした場合)]
次に、プリテンショナ動作が開始されて、最初に1個のクラッチパウル29の係合歯29Bだけが、ガイドドラム21のクラッチギヤ30の先端部に当たってしまった場合、つまり、歯当たりした場合について図31乃至図33に基づいて説明する。図31乃至図33は、最初に1個のクラッチパウル29だけがクラッチギヤ30に歯当たり後、他のクラッチパウル29がクラッチギヤ30に係合する動作を拡大して示す図である。
図31に示すように、車両衝突時にプリテンショナユニット7のピストン64が作動してピニオンギヤ体33を介してパウルベース76の回転が開始されると、各クラッチパウル29の係合歯29Bの先端部が、パウルベース76の側面部から突出する。そして、パウルベース76の回転中心が、ガイドドラム21の回転中心から偏心して、3個中1個のクラッチパウル29(図27中、左上のクラッチパウル29である。)の係合歯29Bの先端部が、クラッチギヤ30の先端部に当たった場合、つまり、歯当たりした場合には、このクラッチパウル29は、クラッチギヤ30に係合できなくなる。
そして、図32及び図33に示すように、パウルベース76の回転が継続されているため、クラッチギヤ30に歯当たりした1個目のクラッチパウル29は、パウルベース76のパウル支持ブロック76Bによってクラッチギヤ30側へ押圧され、クラッチギヤ30から長手方向基端部側へ大きな押圧力を受ける。このため、クラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル29は、この長手方向基端部側への押圧力によって係合歯29Bに形成された変形用貫通孔29Dの周辺部が塑性変形して長手方向に圧縮変形される。
続いて、クラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル29の長手方向の圧縮変形により、パウルベース76が更に回転して、残り2個のクラッチパウル29が、パウルガイド77の各ガイド部77Cに接触して押圧され、パウルベース76の側面部から半径方向外側へ突出してクラッチギヤ30にそれぞれ係合する。これにより、1個のクラッチパウル29が歯当たりした状態で、クラッチギヤ30に係合した残り2個のクラッチパウル29が各パウル支持ブロック76Bに押圧され、パウルベース76と一体的に回転され、2個のクラッチパウル29に係合したガイドドラム21がウエビング3の巻取方向へ回転駆動される。
尚、上記図31乃至図33において、2個のクラッチパウル29がクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、この2個のクラッチパウル29の変形用貫通孔29Dの周辺部が塑性変形して長手方向に圧縮変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、残り1個のクラッチパウル29がパウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合する。
ここで、ガイドドラム21は巻取ドラムの一例である。プリテンショナ機構17からクラッチ機構68を除いた部分、すなわち、ガス発生部材61からピニオンギヤ体33に至る車両衝突時の駆動部分のうち、ガス発生部材61、パイプシリンダ62、シールプレート63、ピストン64により駆動手段の一例を構成している。また、パウルベース76は第1回転体の一例であり、パウルガイド77は第2回転体の一例である。また、クラッチパウル29は係合部材の一例である。また、係合歯29Bは、係合爪部の一例である。また、変形用貫通孔29Dは、変形可能部の一例である。
以上、詳細に説明したように、本実施形態のシートベルト用リトラクタ1によれば、車両衝突時において、プリテンショナ機構17のガス発生部材61が作動した場合には、パイプシリンダ62のピストン収納部62B内のピストン64が、通常状態から上方に移動して、ピニオンギヤ体33のピニオンギヤ部71に当接して、該ピニオンギヤ体33を回動させる。
そして、このピニオンギヤ体33に圧入固定されたパウルベース76が、パウルガイド77に対して相対回転して、各ガイド部77Cが各パウル29の側面に接触して押し出し、パウルベース76の各挿通孔76Aにボス29Aが挿通された3個のクラッチパウル29が半径方向外側へ突出する。そして、パウルベース76の側面部から半径方向外側へ突出した3個のクラッチパウル29は、ガイドドラム21のフランジ部27の内周面に形成されたクラッチギヤ30に係合した状態で、パウル支持部ブロック76Bに押圧されてパウルベース76と一体的に回転する。
これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転が、このパウルベース76にボス29Aによって軸支された3個のクラッチパウル29を介してガイドドラム21に伝達されてウエビング3の巻き取りが開始される。このため、ピニオンギヤ体33が回転駆動されてからガイドドラム21が回転駆動されるまでの駆動力伝達の時間遅れやタイミングのばらつきを無くし、迅速且つ安定したタイミングで車両衝突時のウエビング3の巻き取り動作を行なうことができる。
また、3個中1個又は2個のクラッチパウル29が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合した場合には、このクラッチギヤ30に係合したクラッチパウル29の変形用貫通孔29Dの周辺部が塑性変形して、クラッチギヤ30に係合した状態で略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、未だクラッチギヤ30に係合していない残りのクラッチパウル29が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル29に変形用貫通孔29Dを設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル29がクラッチギヤ30に係合した場合でも、3個のクラッチパウル29をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル29を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
また、3個中1個又は2個のクラッチパウル29が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、このクラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル29の変形用貫通孔29Dの周辺部が塑性変形して長手方向に圧縮変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、歯当たりしていない残りのクラッチパウル29が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル29に変形用貫通孔29Dを設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル29がクラッチギヤ30に歯当たりした場合でも、歯当たりしていない残りのクラッチパウル29をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル29を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
[他の実施形態1]
(A)上記クラッチパウル29に替えて、図34乃至図36に示すクラッチパウル161を用いてもよい。図34乃至図36は他のクラッチパウル161の構成を示す図である。尚、以下の説明において上記図19及び図20の前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一符号は、該前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
図34乃至図36に示すように、クラッチパウル161は、前記実施形態に係るクラッチパウル29とほぼ同じ構成である。但し、クラッチパウル161は、変形用貫通孔29Dに替えて、該変形用貫通孔29Dが形成される部分に、各変形用溝部162、163が形成されている点で異なっている。尚、クラッチパウル161は、変形用溝部162だけを設けるようにしてもよい。また、各変形用溝部162、163は、反対側の面に設けてもよい。また、各変形用溝部162、163は、底面が円弧状に窪むようにしてもよい。
この変形用溝部162は、クラッチパウル161の窪み部291が形成された一面側に、パウルガイド77のガイド部77Cに当接する側面から長手方向に対して略直角になるように、幅方向略中央部まで形成されている。また、変形用溝部162は、厚さの約半分の深さで、且つ、上記変形用貫通孔29Dの直径にほぼ等しい幅で、断面略コの字形に窪むように形成されている。
また、変形用溝部163は、クラッチパウル161の窪み部291が形成された一面側に、変形用溝部162が形成された側面に対向する側面から、長手方向に対して略直角になるように、該変形用溝部162よりも短い長さで形成されている。また、変形用溝部163は、厚さの約半分の深さで、且つ、上記変形用貫通孔29Dの直径にほぼ等しい幅で、断面略コの字形に窪むように形成されている。
これにより、上記図27乃至図30に示すように、3個中1個又は2個の当該クラッチパウル161が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合した場合には、このクラッチギヤ30に係合したクラッチパウル161の各変形用溝部162、163の周辺部が塑性変形して、クラッチギヤ30に係合した状態で略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、未だクラッチギヤ30に係合していない残りのクラッチパウル161が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル161に各変形用溝部162、163を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル161がクラッチギヤ30に係合した場合でも、3個のクラッチパウル161をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル161を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
また、上記図31乃至図33に示すように、3個中1個又は2個のクラッチパウル161が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、このクラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル161の各変形用溝部162、163の周辺部が塑性変形して長手方向に圧縮変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、歯当たりしていない残りのクラッチパウル161が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル161に各変形用溝部162、163を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル161がクラッチギヤ30に歯当たりした場合でも、歯当たりしていない残りのクラッチパウル161をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル161を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
[他の実施形態2]
(B)上記クラッチパウル29に替えて、図37及び図38に示すクラッチパウル166を用いてもよい。図37及び図38は他のクラッチパウル166の構成を示す図である。尚、以下の説明において上記図19及び図20の前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一符号は、該前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
図37及び図38に示すように、クラッチパウル166は、前記実施形態に係るクラッチパウル29とほぼ同じ構成である。但し、クラッチパウル166は、変形用貫通孔29Dに替えて、該変形用貫通孔29Dが形成される部分に、変形用溝部167が形成されている点で異なっている。尚、変形用溝部167は、反対側の面に設けてもよい。また、変形用溝部167は、底面が円弧状に窪むようにしてもよい。
この変形用溝部167は、クラッチパウル161の窪み部291が形成された一面側に、パウルガイド77のガイド部77Cに当接する側面から対向する側面まで全幅に渡って形成されている。また、変形用溝部167は、厚さの約半分の深さで、且つ、上記変形用貫通孔29Dの直径にほぼ等しい幅で、断面略コの字形に窪むように形成されている。
これにより、上記図27乃至図30に示すように、3個中1個又は2個の当該クラッチパウル166が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合した場合には、このクラッチギヤ30に係合したクラッチパウル166の変形用溝部167の周辺部が塑性変形して、クラッチギヤ30に係合した状態で略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、未だクラッチギヤ30に係合していない残りのクラッチパウル166が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル166に変形用溝部167を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル166がクラッチギヤ30に係合した場合でも、3個のクラッチパウル166をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル166を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
また、上記図31乃至図33に示すように、3個中1個又は2個のクラッチパウル166が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、このクラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル166の変形用溝部167の周辺部が塑性変形して長手方向に圧縮変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、歯当たりしていない残りのクラッチパウル166が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル166に変形用溝部167を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル166がクラッチギヤ30に歯当たりした場合でも、歯当たりしていない残りのクラッチパウル166をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル166を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
[他の実施形態3]
(C)上記クラッチパウル29に替えて、図39及び図40に示すクラッチパウル171を用いてもよい。図39及び図40は他のクラッチパウル171の構成を示す図である。尚、以下の説明において上記図19及び図20の前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一符号は、該前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
図39及び図40に示すように、クラッチパウル171は、前記実施形態に係るクラッチパウル29とほぼ同じ構成である。但し、クラッチパウル171は、変形用貫通孔29Dに替えて、薄肉部172が設けられている点で異なっている。尚、薄肉部172は、基端部側の側面が平面視円弧状に窪むようにしてもよい。
この薄肉部172は、係合歯29Bの先端部から、この係合歯29Bの長手方向略中央部までの全幅に渡って、クラッチパウル171の窪み部291が形成された一面側から窪んで、厚さが基端部の厚さの約半分になるように形成されている。また、この薄肉部172の長手方向基端部側の側面は、長手方向に対して略直角になるように形成されている。尚、薄肉部172は、反対側の面に設けてもよい。また、薄肉部172は、両面から基端部の厚さの約1/4ずつ窪むようにして、厚さが基端部の厚さの約半分になるように形成してもよい。
これにより、上記図27乃至図30に示すように、3個中1個又は2個の当該クラッチパウル171が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合した場合には、このクラッチギヤ30に係合したクラッチパウル171の薄肉部172が塑性変形して、クラッチギヤ30に係合した状態で略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、未だクラッチギヤ30に係合していない残りのクラッチパウル171が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル171に薄肉部172を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル171がクラッチギヤ30に係合した場合でも、3個のクラッチパウル171をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル171を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
また、上記図31乃至図33に示すように、3個中1個又は2個のクラッチパウル171が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、このクラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル171の薄肉部172が塑性変形して長手方向に圧縮変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、歯当たりしていない残りのクラッチパウル171が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル171に薄肉部172を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル171がクラッチギヤ30に歯当たりした場合でも、歯当たりしていない残りのクラッチパウル171をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル171を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
[他の実施形態4]
(D)上記クラッチパウル29に替えて、図41及び図42に示すクラッチパウル175を用いてもよい。図41及び図42は他のクラッチパウル175の構成を示す図である。尚、以下の説明において上記図19及び図20の前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一符号は、該前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
図41及び図42に示すように、クラッチパウル175は、前記実施形態に係るクラッチパウル29とほぼ同じ構成である。但し、クラッチパウル161は、変形用貫通孔29Dに替えて、該変形用貫通孔29Dが形成される部分に、各変形用切欠溝部176、177が形成されている点で異なっている。尚、各変形用切欠溝部176、177の奥側端面は、平面視略コの字形に形成してもよい。
この変形用切欠溝部176は、パウルガイド77のガイド部77Cに当接する側面から幅方向略中央部まで、長手方向に対して略直角になるように、上記変形用貫通孔29Dの直径にほぼ等しい幅で、全厚さに渡って切り欠かれている。また、変形用切欠溝部177は、変形用切欠溝部176が形成された側面に対向する側面から、該変形用切欠溝部176よりも短い長さで、長手方向に対して略直角になるように、上記変形用貫通孔29Dの直径にほぼ等しい幅で、全厚さに渡って切り欠かれている。
これにより、上記図27乃至図30に示すように、3個中1個又は2個の当該クラッチパウル175が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合した場合には、このクラッチギヤ30に係合したクラッチパウル175の各変形用切欠溝部176、177の間に挟まれた幅狭部分が塑性変形して、クラッチギヤ30に係合した状態で略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、未だクラッチギヤ30に係合していない残りのクラッチパウル175が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル175に各変形用切欠溝部176、177を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル175がクラッチギヤ30に係合した場合でも、3個のクラッチパウル175をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル175を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
また、上記図31乃至図33に示すように、3個中1個又は2個のクラッチパウル175が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、このクラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル175の各変形用切欠溝部176、177の間に挟まれた幅狭部分が塑性変形して長手方向に圧縮、又は、略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、歯当たりしていない残りのクラッチパウル175が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル175に各変形用切欠溝部176、177を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル175がクラッチギヤ30に歯当たりした場合でも、歯当たりしていない残りのクラッチパウル175をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル175を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
[他の実施形態5]
(E)上記クラッチパウル29に替えて、図43及び図44に示すクラッチパウル181を用いてもよい。図43及び図44は他のクラッチパウル181の構成を示す図である。尚、以下の説明において上記図19及び図20の前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一符号は、該前記実施形態に係るクラッチパウル29の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
図43及び図44に示すように、クラッチパウル181は、前記実施形態に係るクラッチパウル29とほぼ同じ構成である。但し、クラッチパウル181は、変形用貫通孔29Dに替えて、該変形用貫通孔29Dが形成される部分に、変形用切欠溝部182が形成されている点で異なっている。尚、変形用切欠溝部182は、反対側の側面から切り欠いて設けてもよい。また、変形用切欠溝部182の奥側端面は、平面視略コの字形に形成してもよい。
この変形用切欠溝部182は、パウルガイド77のガイド部77Cに当接する側面に対向する反対側の側面から全幅の約1/2乃至約3/4の位置まで、長手方向に対して略直角になるように、上記変形用貫通孔29Dの直径にほぼ等しい幅で、全厚さに渡って切り欠かれている。
これにより、上記図27乃至図30に示すように、3個中1個又は2個の当該クラッチパウル181が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合した場合には、このクラッチギヤ30に係合したクラッチパウル181の変形用切欠溝部182とパウルガイド77のガイド部77Cに当接する側面との間に挟まれた幅狭部分が塑性変形して、クラッチギヤ30に係合した状態で略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、未だクラッチギヤ30に係合していない残りのクラッチパウル181が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル181に変形用切欠溝部182を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル181がクラッチギヤ30に係合した場合でも、3個のクラッチパウル181をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル181を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
また、上記図31乃至図33に示すように、3個中1個又は2個のクラッチパウル181が、パウルベース76の側面部から外側方向に突出してクラッチギヤ30に歯当たりした場合には、このクラッチギヤ30に歯当たりしたクラッチパウル181の変形用切欠溝部182とパウルガイド77のガイド部77Cに当接する側面との間に挟まれた幅狭部分が塑性変形して、長手方向に圧縮、又は、略くの字形に変形する。そして、パウルベース76が更に回転可能となり、歯当たりしていない残りのクラッチパウル181が、パウルベース76の側面部から外側方向へ更に突出してクラッチギヤ30に係合する。
従って、各クラッチパウル181に変形用切欠溝部182を設けることによって、3個中1個又は2個のクラッチパウル181がクラッチギヤ30に歯当たりした場合でも、歯当たりしていない残りのクラッチパウル181をクラッチギヤ30に係合させることが可能となる。これにより、ピニオンギヤ体33及びパウルベース76の回転駆動力を、3個のクラッチパウル181を介して分散してクラッチギヤ30へ伝達することが可能となるため、フランジ部27の薄型化を図り、ガイドドラム21の軽量化を図ることが可能となる。
1 シートベルト用リトラクタ
3 ウエビング
5 ハウジングユニット
6 巻取ドラムユニット
7 プリテンショナユニット
8 巻取バネユニット
17 プリテンショナ機構
21 ガイドドラム
22 ドラムシャフト
27 フランジ部
29、161、166、171、175、181 クラッチパウル
29A ボス
29B 係合歯
29D 変形用貫通孔
30 クラッチギヤ
31 取付ボス
32 ベアリング
33 ピニオンギヤ体
61 ガス発生部材
62 パイプシリンダ
64 ピストン
65 ベースプレート
68 クラッチ機構
76 パウルベース
76A 挿通孔
76B パウル支持ブロック
77 パウルガイド
77C ガイド部
162、163、167 変形用溝部
172 薄肉部
176、177、182 変形用切欠溝部

Claims (6)

  1. ハウジングに回動可能に収納されたウエビング巻き取り用の巻取ドラムと、車両衝突時に前記巻取ドラムを巻き取り方向に回転させて前記ウエビングを巻き取るプリテンショナ機構部と、を備えたシートベルト用リトラクタにおいて、
    前記プリテンショナ機構部は、
    車両衝突時に、ガスを発生させるガス発生部材と、
    一端部に前記ガス発生部材が装着される長筒状のシリンダと、
    前記巻取ドラムの回動軸と同軸回転可能に配設されたピニオンギヤ体と、
    前記シリンダ内に移動可能に収容されて前記ガスの圧力で押圧駆動されると共に、前記ピニオンギヤ体に噛合するラックが側面部に形成されて前記押圧駆動によって前記ピニオンギヤ体を前記ウエビングの巻き取り方向に回転駆動するピストンと、
    前記ピニオンギヤ体に同軸かつ固定して組み付けられる第1回転体と、
    前記ピニオンギヤ体に同軸に組み付けられて該ピニオンギヤ体の回転初期段階において静止状態を維持する第2回転体と、
    前記第1回転体に半径方向外側へ揺動可能に一端部が軸支されると共に、該第1回転体と前記第2回転体とに挟持されており、該第2回転体に対する該第1回転体の相対回転に応じて半径方向外側へ揺動して該第1回転体及び該2回転体の外周部から他端部が突出する略平板状の複数の係合部材と、
    を有し、
    前記巻取ドラムは、
    前記ピニオンギヤ体側の端縁部の外周から半径方向外側に延出され、更に、回転軸方向に延出されて前記第1回転体及び前記第2回転体の外周部に対向するフランジ部と、
    前記フランジ部の前記第1回転体及び前記第2回転体の外周部に対向する内周面に形成されたクラッチギヤと、
    を有し、
    前記複数の係合部材は、
    前記他端部に形成されて突出位置において前記クラッチギヤに係合する係合爪部と、
    前記係合爪部と前記一端部との間に形成されて塑性変形可能な変形可能部と、
    を有し、
    前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記変形可能部が塑性変形して前記第2回転体に対して前記第1回転体が更に相対回転して、他の係合部材が更に突出して該クラッチギヤに係合することを特徴とするシートベルト用リトラクタ。
  2. 前記第2回転体は、前記第1回転体との相対回転によって前記複数の係合部材のそれぞれの回転方向前側の側面部に当接して、各係合部材を半径方向外側へ押圧しつつ摺動する複数のガイド部を有することを特徴とする請求項1に記載のシートベルト用リトラクタ。
  3. 前記変形可能部は、前記係合爪部と前記一端部との間の平板部に形成された貫通孔を有し、
    前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記貫通孔周辺部が塑性変形することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  4. 前記変形可能部は、前記係合爪部と前記一端部との間の平板部の一方の面に形成された所定深さの溝部を有し、
    前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記溝部周辺部が塑性変形することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  5. 前記変形可能部は、前記係合爪部の厚さが前記一端部側の厚さよりも薄く形成されており、
    前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の係合爪部が塑性変形することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
  6. 前記変形可能部は、前記係合爪部と前記一端部との間の平板部の少なくとも一方の側面部から内側方向へ形成された切欠溝部を有し、
    前記複数の係合部材のうちの一部の係合部材のみが前記クラッチギヤに係合した場合、又は、少なくとも1個の前記係合部材が前記クラッチギヤに歯当たりした場合には、当該クラッチギヤに係合した係合部材又は当該クラッチギヤに歯当たりした係合部材の前記切欠溝部周辺が塑性変形することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートベルト用リトラクタ。
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