JP2012179273A - カバー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の部品を覆うカバー50をこじ開けようとした痕跡を識別可能に残すカバー構造であって、カバー50は、カバー裏面から部品側に向かって突出形成される突片502を有し、カバー50の固定される固定側部品40は、こじ開け力を受けた突片502の当接する当接面404aを有し、カバー10は、こじ開け力による当接面404aからの抗力の集中する突片根元502a周辺を、無色又は有色透明に形成するとともに、この突片根元502a付近に抗力に対して脆弱な脆弱部505を形成した構成としてある。
【選択図】図5
Description
これらのセンサ、基板等の部品は、不正行為者による違法部品との交換や改造、不正部品の追加、接続など、悪質な不正行為の標的となっており、その被害は深刻なものとなっている。
スロットマシンは、リールの回転を始動させるスタートレバーやリールの回転を停止させる停止ボタン等の遊技者が操作する操作部を備え、これらの操作部には、遊技者の操作を検出するセンサが設けられている。これらのセンサにおいて検出された入力信号は、センサに接続された接続ケーブルを介して、スロットマシンを制御する主基板に入力されることで、主基板に遊技者の入力操作が伝達され、一連の遊技が進行するようになっている。
「打ち込み機」は、これらの遊技者の操作に係る入力信号を擬似的に発生させる不正部品で、例えば、スタートレバーに対応するセンサを不正部品と交換し、擬似的なスタート信号を発振させ、この擬似信号を主基板に入力することで、一連の遊技を自動で進行させることができる。
その結果、例えば、ビッグボーナスの当せんを検出したときに、「打ち込み機」の作動を停止することで、スロットマシンを有利な遊技状態とすることができてしまう。
このカバー構造では、ネジ止め箇所を、はめ殺しされるキャップで覆うように構成され、カバーを取り外すためには、このキャップを破壊しなければならないことから、キャップの破壊により、カバー開封の痕跡が残るようになっている。
センサ、基板等の部品は、壊れたときに正規の部品と交換する場合を想定しつつも、一定のセキュリティ性を確保すべく、何らかのカバー部材で覆われているのが一般的である。
そこで、このカバー自体の構造、カバーをこじ開けようする外力の作用に着目して、簡易な構造、かつ、少ない部品点数で、しかも確実に痕跡を残すことができれば、汎用性を向上させることもできるし、セキュリティに掛けるコストも削減できる。
さらに、カバーの破壊にまで至らなくも、カバーをこじ開けようする外力を加えただけで、その痕跡が残るようにすれば、不正行為を相当抑止できるはずである。
図1は、本発明の実施形態に係るカバー構造が適用されるスタートレバーユニット1を示し、(a)は正面図、(b)はA−A断面図、図2は、スタートレバーユニット1の分解斜視図、図3は、本発明の実施形態に係るカバー50を示し、(a)は、表面斜視図、(b)は、裏面斜視図である。
そこで、本発明のカバー構造では、このセンサ41を外部からアクセス不能に保護するカバー50を設けるとともに、このカバー50をこじ開けようとして力を加えると、この力による影響をカバー表面に出現させるとともに、その痕跡が残るようになっている。
以下、スタートレバーユニット1を構成する各部品について説明する。
以下、スペーサ40と、カバー50について詳しく説明する。
スペーサ40には、ボス固定部401、センサ挿入部402、爪係止孔403、突片挿入孔404、カバー囲い部405が形成されている。
センサ挿入部402は、センサ41とほぼ等しい外形で開口された開口部であり、図2に示すように、右方から挿入されるセンサ41を揺動不能に固定する。このセンサ41は、フォトインタラプタで構成され、連結ピン11の揺動を、遮光/通光により検知可能な位置に固定される(図1(b)参照)。
この係止により、爪部501を圧縮操作しない限り、カバー50をスペーサ40から脱抜させることはできない。さらに、この係止状態の爪部501は、ベース20及びスペーサ40に包囲されるので、カバー50は脱抜不能にはめ殺しされる。
当接面403aは、爪部501の弾性変形する方向と異なる、対向する二面に配置され、これらが爪部501を挟持するように囲むことで、図2において上下方向への爪部501の移動を規制する。
これにより、カバー50をこじ開けようとすると、こじ開け力が爪部501に伝わるとともに、爪部501が当接面403aを押圧するので、その結果、当接面403aがこの押圧力に抗する抗力で、爪部501を押圧するようになっている(図6参照)。
突片挿入孔404の内側には、本発明に係る当接面404aが形成されている。
当接面404aは、突片502を囲む四面に配置され、これらが嵌入方向と直交する方向への突片502の移動を規制する。
これにより、カバー50をこじ開けようとすると、こじ開け力が突片502に伝わるとともに、突片502が当接面404aを押圧するので、その結果、当接面404aがこの押圧力に抗する抗力で、突片502を押圧するようになっている(図4、5参照)。
カバー囲い部405は、カバー50の側面をほぼ隙間なく囲む壁部であり、工具等の侵入を阻止することで、カバー50をこじ開けから保護する。
合成樹脂であるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)は、常温では透明の固体として存在するものの、曲げ外力を加えるとその部分は白化し不透明になる特性を有している。これにより、その白色痕を、こじ開け力の痕跡とすることができる。
また、カバー50には、封印部51、爪部501、突片502、膨出部503、脆弱部505が形成されている。
橋架部512は、カバー表面50aにおいて、開口部510周縁と封印片511とを面一につなぎ、開口部510周縁から封印片511を支持する。また、カバー裏面50bにおいては、封印片511よりも薄肉に形成されている(図5(b)参照)。
さらに、橋架部512は、均一な渡り幅で封印片511を支持するのではなく、渡り幅の狭い部分を形成することで、部分的に脆弱化されている。
開口部510周縁から分断された封印片511は、以下のような作用を有する。
また、本実施形態のカバー50は、カバー表面50aが重力方向に沿うように取り付けられるとともに(図2参照)、封印片511は、ネジ42の頭部側に突出し、ネジ42の頭部側に重心を有していることから、その自重は、封印片511を開口部510内に押し込めるように作用することになる。
さらに、ボス固定部401には、ネジ42の頭部を囲む壁面が形成されるとともに、この壁面が分断された封印片511の開口部510内での移動を規制しているので、封印片511が障害物となり、ネジ42の頭部へのドライバの到達が妨げられ、カバー50開封に至るまでの時間を引き延ばすことができる。
具体的には、橋架部512は、所定の剪断工具で切断したり、封印片511をドライバ等で押圧したりすることで、容易に切断されるものの、開口部510周縁には、橋架部512の切り残しが形成されることになる。
その結果、延出した切り残しが障害となり、封印片511の取り出しをさらに困難にさせることになる。
このように、本実施形態では、カバー50をこじ開けずに、封印部51による封印を解除して、センサ41にアクセスしようとする場合にも、カバー50開封に至るまでの時間を引き延ばすことで、不正行為の発生を抑制するようになっている。
突片502は、カバー裏面50bから突出形成された板状のリブで、突片挿入孔404に嵌入される。
この膨出部503は、外方に向かって窄まる錐台状(高さ約5mm)に形成され、摘み難い形状にしてある。これにより、カバー50をこじ開けようとする行為を抑制できる。
また、さらに摘み難くするために、対向する二面を有しない、略円錐台状に形成してある。
爪部501と突片502はそれぞれカバー裏面50bから突出形成されていることから、当接面403a,404aからの抗力は、爪部501と突片502を、片持ち梁のように撓ませようとするものの、これらは当接面403a,404aで動きが規制されているため、爪部501と突片502とは弾性変形できない。そうすると、この抗力は、爪部501と突片502を、その突出形成されている根元から引き裂こうとする力として作用する。
また、カバー50は、爪部根元501a、突片根元502aの周辺を含めすべて無色透明で形成されていることから、脆弱部505の破断痕、破壊痕などの塑性変形痕がカバー50の表側に現れる。
さらに、カバー50は、曲げ外力を加えると白化する材料(例えば、ABS樹脂)で形成されていることから、破断痕、破壊痕は白色痕を伴うので、こじ開けようとした痕跡を明確に残すことができる。
以下、具体的にこじ開け力F1〜F4を加えたときの、爪部501、突片502と、当接面403a,404aと、脆弱部505の動作について、図4〜図6を参照しながら説明する。
この例は、ポイントP1,P2にマイナスのドライバ等を差込み、カバー50をこじ開けようとした場合を想定した説明図である。
抗力N1又はN2を受けた突片502は、撓もうとするものの、当接面404aにより動きが規制されているので、変形することはできない。
そうすると、抗力N1又はN2は、突片502を、その突出形成されている根元から引き裂こうとする力として作用し、脆弱な部分である、薄肉形成された脆弱部505に集中する。
脆弱部505は、抗力に対抗しようとするものの、弾性領域を超える抗力が加わると、破断、破壊などの塑性変形が生じることになり、その痕跡はカバー表面50aに表れることになる。特に、突片根元502aであって、突片502とカバー裏面50bとの繋ぎ目に、エッジ(角)を形成してあるので、ここから亀裂が生じ易くなり、塑性変形が助長されることになる。
この例は、ポイントP3,P4にマイナスのドライバ等を差込み、カバー50をこじ開けようとした場合を想定した説明図である。
抗力N3又はN4を受けた突片502は、撓もうとするものの、当接面404aにより動きが規制されているので、変形することはできない。
そうすると、抗力N3又はN4は、突片502を、その突出形成されている根元から引き裂こうとする力として作用し、脆弱な部分である、薄肉形成された脆弱部505に集中する。
脆弱部505は、抗力に対抗しようとするものの、弾性領域を超える抗力が加わると、破断、破壊などの塑性変形が生じることになり、その痕跡はカバー表面50aに表れることになる。特に、突片根元502aであって、突片502とカバー裏面50bとの繋ぎ目に、エッジ(角)を形成してあるので、ここから亀裂が生じ易くなり、塑性変形が助長されることになる。
この例は、ポイントP2にマイナスのドライバ等を差込み、カバー50をこじ開けようとした場合を想定した説明図である。
抗力N2を受けた爪部501は、撓もうとするものの、当接面403aにより動きが規制されているので、変形することはできない。
そうすると、抗力N2は、爪部501を、その突出形成されている根元から引き裂こうとする力として作用し、脆弱な部分である、薄肉形成された脆弱部505に集中する。
脆弱部505は、抗力に対抗しようとするものの、弾性領域を超える抗力が加わると、破断、破壊などの塑性変形が生じることになり、その痕跡はカバー表面に表れることになる。特に、爪部根元501aであって、爪部501とカバー裏面50bとの繋ぎ目に、エッジ(角)を形成してあるので、ここから亀裂が生じ易くなり、塑性変形が助長されることになる。
例えば、カバー50を茶筒の外蓋のように断面コの字状に形成してしまうと、こじ開け力は、最初に周囲の囲いの部分に伝わり分散してしまうが、本実施形態のようにカバー50を平板状に形成することで、そのこじ開け力は、爪部根元501a、突片根元502aに直接伝わるようになるからである。
これにより、こじ開け力は、爪部501、突片502を、その突出形成されている根元から引き裂こうとする力としてダイレクトに作用するので、僅かなこじ開け力でも、その痕跡を残すことができる。
また、このように、簡易な構造、少ない部品点数により、こじ開けようとした痕跡を確実に残すことができるので、カバー構造の汎用性を向上させ、セキュリティに掛けるコストも削減できる。
具体的には、主基板、副基板などを含む基板類のカバー構造にも適用でき、例えば、二つの凹状ケースを嵌合させて主基板を収容する主基板ケースに適用する場合では、一方のケースを本発明のカバーとして構成し、他方のケースを本発明の固定側部品として構成することで、容易に実現することができる。
すなわち、一方のケースを透明ケースとするとともに、ケース裏面から突片を突出形成するとともに、この周辺に脆弱部を形成し、他方のケースには、当接面を形成することで、本発明に係るカバー構造を容易に実現することができる。
10 レバー
11 連結ピン
20 ベース
30 化粧ケース
40 スペーサ
403a,404b 当接面
41 センサ
50 カバー
51 封印部
501 爪部(突片)
501a 爪部根元
502 突片
502a 突片根元
505 脆弱部
Claims (7)
- 所定の部品を覆うカバーをこじ開けようとした痕跡を識別可能に残すカバー構造であって、
前記カバーは、カバー裏面から前記部品側に向かって突出形成される突片を有し、
前記カバーの固定される固定側部品は、こじ開け力を受けた前記突片の当接する当接面を有し、
前記カバーは、
こじ開け力による前記当接面からの抗力の集中する前記突片の根元周辺を、無色又は有色透明に形成するとともに、この根元付近に前記抗力に対して脆弱な脆弱部を形成した
ことを特徴とするカバー構造。 - 前記脆弱部は、前記突片の根元周辺であって、所定の厚みで薄肉形成された部分である請求項1記載のカバー構造。
- 前記突片の根元であって、前記突片と前記カバー裏面との繋ぎ目にエッジを形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のカバー構造。
- 前記カバーは、曲げ外力を加えると白化する材料で形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のカバー構造。
- 前記カバーは、平板状に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバー構造。
- 前記カバー側面は、前記固定側部品の内側面に囲まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のカバー構造。
- 前記カバーは、カバー内側のスペースを拡張するための外方に膨出する膨出部を備え、
前記膨出部は、外方に向かって窄まる錐台状に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のカバー構造。
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