JP2012178976A5 - - Google Patents

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ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法及びペット用パンツタイプ使い捨ておむつ
本発明は、製造が容易な、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法及びペット用パンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
最近では、犬や猫等における使用を前提としたペット用使い捨ておむつが提案されている。例えば特許文献1に記載の図6記載のものは、尻尾の付根からその背中側を覆うための背側部分と、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分と、この臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分とを備え、腹側部分の両側部と背側部分の両側部とがそれぞれ接合されて、ペットの胴を通すためのウエスト開口部及び後脚を通すための左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであり、尻尾付根対向部位には、表裏に貫通する尻尾通し孔が穿孔されているものである。
特開2004−159591号公報 特許4090158号公報
しかしながら、このようなパンツタイプ使い捨ておむつの具体的構造及び製造方法について、上記特許文献1には何の提案もない。そこで、本発明者らは、人用使い捨ておむつの製造技術を応用することを考えたが、その場合、尻尾通し孔の穿孔工程及びそのための加工装置を追加する必要があり、設備コストが嵩むだけでなく、工程増により操業効率が低下する、設備メンテナンスの負荷が増加するという問題点を発見した。
そこで、本発明の主たる課題は、尻尾通し孔の穿孔工程及びそのための加工装置を追加する必要がない、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法及びペット用パンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
尻尾の付根から背中側を覆うための背側部分、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分、及びこの臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分をなす、一体的な又は複数の外装シートを形成する、外装シート加工工程と、
この外装シート加工工程の後に、少なくとも前記腹側部分をなす外装シートの内面に、排泄物を吸収保持する吸収体を内蔵した内装体を貼り付ける、内装体取付工程と、
腹側部分の両側部と背側部分の両側部とがそれぞれ接合し、ペットの胴を通すためのウエスト開口部及び後脚を通すための左右一対の脚開口部を形成する、側部接合工程と、
を含む、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法であって、
前記外装シート加工工程は、前記腹側部分及び背側部分の少なくとも一方をなす外装シートに、複数本の細長状のウエスト下部弾性伸縮部材を、おむつの一方の側部から前記吸収体と重なる部位を横断しておむつの他方の側部に至るように供給し、かつその延在方向に伸長した状態で固定する、ウエスト下部弾性伸縮部材の固定工程と、
このウエスト下部弾性伸縮部材の固定工程の後に、前記外装シートを一対のロール間に通して所定のパターンで加圧することにより、前記ウエスト下部弾性伸縮部材における後に前記吸収体と重なるようになる部分の少なくとも幅方向の一部を前記加圧により多数の小片に分断すると同時に、前記外装シートにおける前記尻尾の付根が位置する部分に、尻尾通し孔を形成するための尻尾通し切れ目を前記加圧により形成する、切断工程とを含むものであり、
前記内装体取付工程は、前記内装体を前記尻尾通し切れ目を覆わないように取り付ける工程である、
ことを特徴とする、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
人用の使い捨ておむつにおいては、このようなウエスト下部弾性伸縮部材を設けること、及びその吸収体と重なる部分の大部分を多数の小片に分断し、ウエスト下部弾性伸縮部材の収縮力により吸収体が変形するのを防止することは知られている(特許文献2参照)。本発明は、この技術をペット用に応用するとともに、単に応用するだけでなく、同時に尻尾通し切れ目を形成するようにし、さらに内装体を尻尾通し切れ目を覆わないように取り付けるようにしたところに、特徴を有するものである。これにより、尻尾通し孔の穿孔工程及びそのための加工装置を追加する必要がなくなり、設備コストは嵩まず、工程増がないため操業効率は低下せず、設備メンテナンスの負荷も増加しなくなる等、まさしくいいことずくめである。
<請求項2記載の発明>
前記外装シートにおける前記尻尾通し切れ目の形成位置におけるシート厚みと、前記外装シートにおける前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断位置のシートの厚みとの差が30〜2000μmである、請求項1記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
外装シートにおける尻尾通し切れ目の形成位置におけるシート厚みと、外装シートにおけるウエスト下部弾性伸縮部材の分断位置のシートの厚みとに大きな差があると、両者同時加圧による分断及び切れ目形成を良好に行うことは極めて困難である。よって、両者の厚みは上記の範囲内であるのが好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断のパターンと同じパターンで、前記尻尾通し切れ目が多数形成されている、請求項1記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
(作用効果)
ウエスト下部弾性伸縮部材の分断パターンと、尻尾通し切れ目のパターンとが相違すると、両者同時加圧による分断及び切れ目形成を良好に行うことは困難である。よって、両者は同じパターンであるのが好ましい。ここで、「同じパターン」とは分断力を加える部分の形状、寸法、間隔及び配列の全てが同じであることを意味する。
<請求項4記載の発明>
尻尾の付根から背中側を覆うための背側部分と、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分と、この臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分とを備え、腹側部分の両側部と背側部分の両側部とがそれぞれ接合されて、ペットの胴を通すためのウエスト開口部及び後脚を通すための左右一対の脚開口部が形成され、
少なくとも前記腹側部分における幅方向中間部に、排泄物を吸収保持する吸収体が設けられている、
ペット用パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記腹側部分及び背側部分の少なくとも一方に、一方の側部から前記吸収体と重なる部位を横断して他方の側部に至るように延在し、かつその延在方向に伸長された状態で固定された細長状のウエスト下部弾性伸縮部材が、縦方向に間隔を空けて複数本設けられるとともに、このウエスト下部弾性伸縮部材のうち前記吸収体と重なる部分の少なくとも幅方向の一部が多数の小片に分断されており、
前記背側部分における前記尻尾の付根が位置する部位に、前記吸収体が設けられずに、尻尾通し孔を形成するための尻尾通し切れ目が形成されており、
この尻尾通し切れ目を有する部分の幅方向範囲が、前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断部分の幅方向範囲内に位置している、
ことを特徴とするペット用パンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
<請求項5記載の発明>
前記背側部分、臀部被覆部分、及び腹側部分をなす、一体的な又は複数の外装シートと、この外装シートの内面に貼り付けられた、前記吸収体を内蔵した内装体とを有し、
前記外装シートにおける前記尻尾通し切れ目の形成位置におけるシート厚みと、前記外装シートにおける前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断位置のシートの厚みとの差が30〜2000μmである、請求項4記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項2記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
<請求項6記載の発明>
前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断のパターンと同じパターンで、前記尻尾通し切れ目が多数形成されている、請求項4記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
請求項3記載の発明と同様の作用効果が奏せられる。
以上のとおり、本発明によれば、尻尾通し孔の穿孔工程及びそのための加工装置を追加する必要がない、等の利点がもたらされる。
ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3線断面図である。 図1の4−4線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 ペットへの装着状態を示す概略図である。 製造フローを示す概略図である。 切断装置の概略図である。 第1および第2のロールの動作態様の説明図である。 伸縮部材切断および尻尾通し切れ目形成の説明図である。 形成される穴の態様を示すシート断面図である。 各種切断凸部を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、「縦方向(前後方向)」とは展開状態において腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは縦方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)を意味する。また、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味し、「MD方向」とはライン搬送方向を意味し、「CD方向」とはライン横断方向を意味する。
図1〜図7は、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつは、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シート12の内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。符号Yはおむつの全長を示しており、符号Xはおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12はペットの身体に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3及び図4に示されるように、身体側となる表面シート30と、不透液性バックシート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う部分である。内装体200の両側部には、脇に排泄物が漏れるのを防止するために、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、表面シート30の両側部は、不透液性バックシート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、不透液性バックシート11及び立体ギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(不透液性バックシート)
不透液性バックシート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。不透液性バックシート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、不透液性バックシート11として用いることができる。
また、不透液性バックシート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、幅方向中央側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で固定してなるものである。立体ギャザー60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールにより固定された前後固定部67とされ、突出部分66のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸長状態で固定されている。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシートの間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、不透液性バックシート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、フィット性が向上するようになる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、尻尾の付根から背中側を覆うための背側部分B、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分M、及びこの臀部被覆部分Mより前側の腹部を覆うための腹側部分Fをなすものであり、腹側部分Fの両側部と背側部分Bの両側部とがそれぞれ接合されて、ペットの胴を通すためのウエスト開口部WO及び後脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。この外装シート12の内面のうち、腹側部分Fから臀部被覆部分Mにかけての本体部(腹側部分Fだけでも良い)の幅方向中間部に、内装体200が縦方向に沿って張り付けられている。
外装シート12は、ウエスト開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴回り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲(腹側部分Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と背側部分Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と間)として定まる中間部Lとを有する。胴回り部Tは、概念的にウエスト開口部の縁部を形成する「ウエスト縁部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト縁部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁はペットの脚周りに沿うように、括れた形状にカットされている。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図7に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、背側部分B及び腹側部分Fのウエスト縁部Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト縁部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。なお、腹側部分Fにおけるウエスト縁部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト縁部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト縁部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、腹側部分F及び背側部分Bのウエスト下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下部弾性伸縮部材15,19が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
特に図1〜図7に示す例では、腹側部分Fにおけるウエスト下部弾性伸縮部材19は、吸収体56と重なる部分のうち幅方向両端部を除く中間部が多数の分断部19cにより多数の小片に分断されており、一方、背側部分Bにおけるウエスト下部弾性伸縮部材15は、幅方向全体にわたりこのような分断がなされていない。これは、内装体200が背側部分Bまでは延在していないためであり、その結果として背側部分Bにおける収縮力が強くなり、装着時に腹側部分Fを背側部分B側に持ち上げる作用が強くなる。もちろん、後述する図8に示す例のように、腹側部分F及び背側部分Bの両方におけるウエスト下部弾性伸縮部材15,19を分断しても良いし、図示例と反対に、背側部分Bにおけるウエスト下部弾性伸縮部材15を分断し、腹側部分Fにおけるウエスト下部弾性伸縮部材19は幅方向全体にわたり分断しなくても良い。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、図2に示す例のように、腹側部分F及び背側部分Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間にも、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16,18が複数本、上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されているのが好ましい。この中間部弾性伸縮部材16,18は、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19と同様に分断するのが好ましい。つまり図示例の場合、腹側部分Fの中間部弾性伸縮部材18は、腹側部分Fのウエスト下部弾性伸縮部材19と同様に、幅方向中間部において多数の分断部18cにより分断するのが好ましい。なお、中間部弾性伸縮部材16は設けなくても良い。
中間部弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
(尻尾通し切れ目)
特徴的には、外装シート12の背側部分Bにおける尻尾の付根が位置する部位には、吸収体が設けられずに、尻尾通し孔100を形成するための尻尾通し切れ目99が形成されており、この尻尾通し切れ目99を有する部分の幅方向範囲が、ウエスト下部弾性伸縮部材19の分断部分19cの幅方向範囲内に位置されている。
尻尾通し切れ目99は、対象部位に一つだけ設け、これを広げて尻尾通し孔100としても良いが、図示形態のように複数配列して設け、尻尾を通すのに必要な長さ、幅、又は面積だけ、切れ目99が連続するように切れ目99間の部位を切り離す構成、つまりミシン目のような形態としても良い。特に後者の場合は、図示形態のように、ウエスト下部弾性伸縮部材19の分断パターンと、尻尾通し切れ目99のパターンとを同じ(分断力を加える分断部分19cの形状、寸法、間隔及び配列の全てが同じ)にすることにより、製造の際に両者同時加圧による分断及び切れ目99形成を良好に行うことができるようになるため好ましい。
また、外装シートにおける尻尾通し切れ目99の形成位置におけるシート厚みと、外装シートにおけるウエスト下部弾性伸縮部材19の分断部分19cのシートの厚みとに大きな差があると、両者同時加圧による分断及び切れ目99形成を良好に行うことは極めて困難である。よって、両者の厚みの差は30〜2000μmであるのが好ましい。シートの積層枚数の差でいうと、同じか、多くて1枚であるのが好ましい。具体的に図示例における内側シート基材12Hを、腹側部分F及び背側部分Bで別体とせずに腹側部分Fから背側部分Bにかけて一体的に設ける等により、少なくとも尻尾通し切れ目99の位置まで延在させれば、外装シート12における尻尾通し切れ目99の形成位置におけるシート積層数と、外装シート12におけるウエスト下部弾性伸縮部材19の分断部分19cのシート積層数とを同じにし、両者の厚みを略同じとすることができる。
(装着)
使用に際しては、図7に示すように、ペットの両後脚Pをおむつのウエスト開口部WO、脚開口部LOの順に通しつつ、おむつを前足側に引き上げるとともに、その前後において尻尾通し切れ目99によりおむつに尻尾通し孔100を形成し、尻尾通し孔100にペットの尻尾を通して装着を行うことができる。
(後処理)
外装シート12の背側部分Bの外面における幅方向中央部には、使用済みのおむつを丸めて固定するための後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつを表面シート30が内側に且つ腹側部分Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつを表面シート30が内側になるとともに腹側部分Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつの背側部分Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、腹側部分Fに設けてもよく、背側部分Bと腹側部分Fの両方に設けてもよい。
(外装シート分割構造)
上述の例では、腹側部分Fから背側部分Bまでを一体的な外装シート12により連続的に形成しているが、複数のシート基材を使用して部位毎に別体の外装シート12を設けることもできる。この一例としては、腹側部分Fをなす外装シートと、背側部分Bをなす外装シートとを別体として設け、これらに跨るように内装体を設けて両外装シートを連結した形態を挙げることができ、この場合、内装体における不透液性バックシートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、更に別の外装シートを張り付けることもできる。
(製造方法)
図8は、上述のパンツタイプ使い捨ておむつの製造方法例を示している。この製造方法例は、人用のパンツタイプ使い捨ておむつにおいて広く採用されている製造形態、すなわちおむつの幅方向がライン流れ方向となる横流れ形態を採用したものである。図8に示される例では、設備上流側で、胴回り部分をなす外装シートと、吸収体を有する内装体とがそれぞれ別のラインで製造され、これら外装シート及び内装体の一体化工程以降が一つのラインで構成されている。
より詳細に説明すると、図1中、上段部分の平面図が外装シートの製造を含む主ラインを示しており、中段部分の平面図が内装体の製造ラインを示しており、下段部分の正面図が製造フロー全体を示している。主ラインは、外装シート形成工程501、弾性伸縮部材の切断工程502、脚開口部の切り離し工程503、内装体取付工程504、側部接合工程505、及び切り離し工程506を有している。先ず、外装シート形成工程501では、連続帯状の外側シート基材12S及び内側シート基材12Hを各ロールから繰り出して、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の弾性伸縮部材15,17〜19を搬送方向(胴回り方向)に沿って伸張した状態で挟みつつ、両シート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等により順次貼り合わせることにより外装シート12を連続的に形成する。
次に、弾性伸縮部材の切断工程502では、形成した連続外装シート12に対して、ヒートエンボス等の切断装置601に通す。この切断装置601としては、外装シート12を一対のロール間に通して所定のパターンで加圧することにより、加圧部分を切断するものであれば特に限定されず、加熱による素材の溶断を伴うものでも、また加圧部分に鋭利な刃を切り込ませるものでも良い。特徴的には、切断装置601において、後に内装体200と重なる部分に位置する弾性伸縮部材15,19を多数の分断部分15c,19cにより多数の小片に細かく分断し、当該部分において弾性伸縮部材15,19の伸縮力が作用しない状態とするとともに、外装シート12における尻尾の付根が位置する部分に、尻尾通し孔100を形成するための尻尾通し切れ目99を形成する。この際、前述のとおり、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19の分断パターンと、尻尾通し切れ目99のパターンとを同じ(分断力を加える部分の形状、寸法、間隔及び配列の全てが同じ)にすることにより、製造の際に両者同時加圧による分断及び切れ目99形成を良好に行うことができるようになるため好ましい。
図9及び図10は、弾性伸縮部材15,19の切断と尻尾通し切れ目99の形成とを同時に行うための切断装置601の例を示している。この切断装置601においては、図中右側から左側へ向かって矢印で示す方向に走行する連続帯状の外側シート基材12Sに対し、弾性伸縮部材15,17〜19の固定領域に図示しないホットメルト接着剤塗工機によりホットメルト接着剤を塗布し、この塗布領域に多数本の弾性伸縮部材15,17〜19が所定のテンションがかけられた状態で外側シート基材12Sへと貼着される。このとき、内側シート基材12Hと外側シート基材12Sとで弾性伸縮部材15,17〜19を挟み込み、プレスロール931,932の間を通過させることにより、これらが圧着され、接着剤塗布領域において内側シート基材12H、外側シート基材12Sおよび弾性伸縮部材15,17〜19が接着され、内側シート基材12H及び外側シート基材12S間に弾性伸縮部材15,17〜19が挟持された積層体940が形成される。続いて、この積層体940は、表面に多数の弾性伸縮部材切断用の切断凸部951及び多数の尻尾切れ目形成用の切断凸部953を間隔を空けて配列した第1のロール950と、切断凸部951,953が挿入される凹部961を有する第2のロール960との間に挿入され、その際に当該積層体940に切断凸部951,953が刺しこまれることにより、弾性伸縮部材15,19が切断されるとともに尻尾通し切れ目99が同時に形成される。図示例では、積層体940の搬送方向に適宜の間隔をおいて切断を行うべく、第1のロール950は、その周方向の一部に設けられた張出面952においてのみ第2のロール960の外周面に接するように構成されており、この張出面952にのみ切断凸部951,953が形成されている。したがって、図10(A)に示すように張出面952が第2のロール960と対向しない状態では、第1および第2のロール950,960は離間しており、切断は行われないが、両ロール950,960の回転によって、図10(B)に示すように張出面952が第2のロール960と対向する位置にきたときには、第1のロール950の張出面952が第2のロール960と当接し、その際には図11に示すように、張出面952上の切断凸部951,953が積層体940に刺しこまれ、図12(A)にも示すように伸縮部材920が切断されると同時に、図12(B)にも示すように尻尾通し切れ目99が形成される。図11に示すように、第2ロール960の凹部基端部962が、図示するように開口側に向かうにつれて拡径したテーパ状に形成されていると、より確実且つ綺麗に穴が形成される利点がある。第1のロール950の切断凸部951の形状としては、図13に示すように(A)円錐ピン状951、(B)多角錐ピン状951’、および(C)先端に線状の刃部Cを有する線状凸部951’’など、積層体に刺せるものであれば適宜の形状とすることができる。また切断凸部951は、図11に示すように刺しこみ基端面951Sの面積が所望の穴面積と等しくなるように形成する。切断凸部による切断部は1〜25mmピッチで付与するようにし、その切断部の面積は積層体面上で0.01mm2以上とするのが望ましい。
次に、脚開口部の切り離し工程502では、連続方向(搬送方向(MD方向))に隣接するおむつの脚開口部LOとなる部分を、ダイカッター602等の切断装置により一体的な孔HLとして打抜き、おむつとなる部分である主要部分から切り離す。
一方、内装体の製造ラインでは、連続帯状の液不透過性シート11を繰り出し、その上に吸収体56及び液透過性トップシート30をこの順に積層した後、そのCD方向(ライン横断方向)両側に対して、基材のCD方向中央側端部に細長状弾性伸縮部材63がMD方向に伸張した状態で固定され、防水フィルム64が介在された帯状のバリヤーシート62をそれぞれ供給し、各バリヤーシート62におけるCD方向中央側部分及びCD方向外側部分のうち、CD方向中央側部分は個々の内装体となる部分のMD方向両端部間に位置する中間部分を非固定とするとともに、これらMD方向両端部に位置する両端部をホットメルト接着剤等により固定し、CD方向外側部分はMD方向に連続的にホットメルト接着剤等により固定して、立体ギャザー60を形成する。しかる後、切断装置603によりMD方向に所定の間隔を空けて切断し、個々の内装体200を形成する。そして、製造した内装体200の向きを前後方向がCD方向となるように回転させた後、主ラインの内装体取付工程205に供給し、順次搬送されてくる連続帯状の外装シート12上の所定部位にMD方向に所定の間隔を空けてホットメルト接着剤等により貼り付ける。
次に、側部接合工程505では、CD方向の一方側を他方側に折り畳み、腹側部分と背側部分とを重ね、MD方向に所定の間隔を空けてヒートシール等の接合装置604により接合加工を施し、個々のおむつDPの幅方向両側部となる部分12Aにおいて腹側部分と背側部分とを接合する。しかる後、最後の切り離し工程506では切断装置605において、MD方向に所定の間隔を空けて、個々のおむつとなる部分の境界(隣接するおむつとなる部分のうち一方のおむつの接合部12Aと他方のおむつの接合部12Aとの間に位置する)に沿って切断し、個々のおむつを得る。製造されるおむつは、前述の図1〜図7に示すものと略同様となる。
このように、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19を設けてその吸収体56と重なる部分の大部分15c,19cを多数の小片に分断するのと同時に、同じ手段で尻尾通し切れ目99を形成するようにし、さらに内装体200を尻尾通し切れ目99を覆わないように取り付けるようにしたことにより、尻尾通し孔100の穿孔工程及びそのための加工装置を追加する必要がなくなり、設備コストは嵩まず、工程増がないため操業効率は低下せず、設備メンテナンスの負荷も増加しなくなる等、まさしくいいことずくめとなる。特に、図示形態では、外装シート12における尻尾通し切れ目99の形成位置におけるシート厚みと、外装シート12におけるウエスト下部弾性伸縮部材15,19の分断部分15c,19cのシートの厚みとに大きな差がない(シート枚数にして1枚の差)ため、両者同時加圧による分断及び切れ目99形成を良好に行うことができる。
本発明は、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつに利用可能なものである。
11…液不透過性シート、12…腹側外装シート、13…背側外装シート、30…表面シート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部立体ギャザー、62…ギャザーシート、F…腹側部分、M…臀部被覆部分、B…背側部分、99…尻尾通し切れ目、100…尻尾通し孔。

Claims (6)

  1. 尻尾の付根から背中側を覆うための背側部分、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分、及びこの臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分をなす、一体的な又は複数の外装シートを形成する、外装シート加工工程と、
    この外装シート加工工程の後に、少なくとも前記腹側部分をなす外装シートの内面に、排泄物を吸収保持する吸収体を内蔵した内装体を貼り付ける、内装体取付工程と、
    腹側部分の両側部と背側部分の両側部とがそれぞれ接合し、ペットの胴を通すためのウエスト開口部及び後脚を通すための左右一対の脚開口部を形成する、側部接合工程と、
    を含む、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法であって、
    前記外装シート加工工程は、前記腹側部分及び背側部分の少なくとも一方をなす外装シートに、複数本の細長状のウエスト下部弾性伸縮部材を、おむつの一方の側部から前記吸収体と重なる部位を横断しておむつの他方の側部に至るように供給し、かつその延在方向に伸長した状態で固定する、ウエスト下部弾性伸縮部材の固定工程と、
    このウエスト下部弾性伸縮部材の固定工程の後に、前記外装シートを一対のロール間に通して所定のパターンで加圧することにより、前記ウエスト下部弾性伸縮部材における後に前記吸収体と重なるようになる部分の少なくとも幅方向の一部を前記加圧により多数の小片に分断すると同時に、前記外装シートにおける前記尻尾の付根が位置する部分に、尻尾通し孔を形成するための尻尾通し切れ目を前記加圧により形成する、切断工程とを含むものであり、
    前記内装体取付工程は、前記内装体を前記尻尾通し切れ目を覆わないように取り付ける工程である、
    ことを特徴とする、ペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  2. 前記外装シートにおける前記尻尾通し切れ目の形成位置におけるシート厚みと、前記外装シートにおける前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断位置のシートの厚みとの差が30〜2000μmである、請求項1記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  3. 前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断のパターンと同じパターンで、前記尻尾通し切れ目が多数形成されている、請求項1記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法。
  4. 尻尾の付根から背中側を覆うための背側部分と、尻尾の付根より下側における肛門及びその下側近傍を覆うための臀部被覆部分と、この臀部被覆部分より前側の腹部を覆うための腹側部分とを備え、腹側部分の両側部と背側部分の両側部とがそれぞれ接合されて、ペットの胴を通すためのウエスト開口部及び後脚を通すための左右一対の脚開口部が形成され、
    少なくとも前記腹側部分における幅方向中間部に、排泄物を吸収保持する吸収体が設けられている、
    ペット用パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記腹側部分及び背側部分の少なくとも一方に、一方の側部から前記吸収体と重なる部位を横断して他方の側部に至るように延在し、かつその延在方向に伸長された状態で固定された細長状のウエスト下部弾性伸縮部材が、縦方向に間隔を空けて複数本設けられるとともに、このウエスト下部弾性伸縮部材のうち前記吸収体と重なる部分の少なくとも幅方向の一部が多数の小片に分断されており、
    前記背側部分における前記尻尾の付根が位置する部位に、前記吸収体が設けられずに、尻尾通し孔を形成するための尻尾通し切れ目が形成されており、
    この尻尾通し切れ目を有する部分の幅方向範囲が、前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断部分の幅方向範囲内に位置している、
    ことを特徴とするペット用パンツタイプ使い捨ておむつ。
  5. 前記背側部分、臀部被覆部分、及び腹側部分をなす、一体的な又は複数の外装シートと、この外装シートの内面に貼り付けられた、前記吸収体を内蔵した内装体とを有し、
    前記外装シートにおける前記尻尾通し切れ目の形成位置におけるシート厚みと、前記外装シートにおける前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断位置のシートの厚みとの差が30〜2000μmである、請求項4記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつ。
  6. 前記ウエスト下部弾性伸縮部材の分断のパターンと同じパターンで、前記尻尾通し切れ目が多数形成されている、請求項4記載のペット用パンツタイプ使い捨ておむつ。
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