JP2012177331A - 圧縮機およびこの組込方法 - Google Patents

Abstract

【課題】容易に組込、分解が可能な構造の圧縮機ケーシング、これを備えた圧縮機およびこの組込方法を提供することを目的とする。
【解決手段】略筒状のケーシング３と、ケーシング３の軸方向の内周面に複数設けられて、ケーシング３の軸方向と平行なシール面６と、ケーシング３の周方向であって、各シール面６に設けられるシール手段７と、内部に翼を収容して、シール面６に当接してケーシング３内に組込まれる略円柱状のバンドル２と、バンドル２の外周面に設けられており、バンドル２がケーシング３内に組込まれたり取出されたりする際に、ケーシング３の内周面上を転動するローラーと、を備え、シール面６間は、バンドル２の組込み方向に向かって先細りのテーパー状に接続することを特徴する。
【選択図】図２

Description

本発明は、垂直分割型（バレル型）の圧縮機およびこの組込方法に関し、特に、圧縮機ケーシングの構造に関するものである。

一般に、垂直分割型の圧縮機は、ローターや翼等の製品部品が収容されている略円柱状のバンドルを、略円筒状の圧縮機ケーシング（以下、「ケーシング」という。）内にケーシングの軸方向から組込んだり、取り除くことが可能な構造となっている（例えば、特許文献１）。

このようなケーシングの内周面は、図３に示すごとく、バンドル２最終挿入位置にてケーシング３とバンドル２と間のクリアランスが最小となるべく、バンドル２の先端部（図３において右側）に向かって内径が小さくなるように、複数の段差が設けられている。また、バンドル２の外周面には、バンドル２がケーシング３内に組込まれることによって、ケーシング３の内周面に設けられている各シール面（図示せず）と当接するシール部５が複数設けられており、シール部５の外周面には、Ｏリング７が設けられている。このように各シール５部とシール面とがＯリング７を介して当接することによって、ケーシング３の内周面とバンドル２の外周面との間に形成されている隙間部（図示せず）からの被圧縮体の漏れを防止している。

特開平１１−２７０４９９号公報

バンドルの外周面には、ケーシング内にバンドルを組込む方向の先端部近傍の下方にバンドルローラーが取り付けられている。図３に示す従来の垂直分割型の圧縮機１や特許文献１に開示されている圧縮機を組立てる際には、ケーシング３の内周面上をバンドルローラー（図示せず）が転動することによって、バンドル２をケーシング３内に組込んでいる。しかし、ケーシング３の内周面に段差が設けられているため、バンドルローラーが各段差を乗り越えることが困難であるという問題があった。

また、バンドルローラーが各段差を乗り越える際には、ケーシング３の内周面に形成されている各段差の角部に大きな面圧が生じる。そのため、バンドルローラーの表面やケーシング３の内周面に傷が生じる恐れがある。ケーシング３の内周面に傷が生じた場合には、Ｏリング７を介してケーシング３の内周面とバンドル２の外周面との間をシールしても、同傷部から被圧縮体が漏れるおそれがある。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、容易に組込が可能な圧縮機およびこの組込方法を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明の圧縮機およびこの組込方法は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る圧縮機によれば、略筒状のケーシングと、該ケーシングの軸方向の内周面に複数設けられるシール面と、前記ケーシングの円周方向であって、各前記シール面に当接するシール手段と、内部に翼を収容して、前記シール面に当接して前記ケーシング内に組込まれる略円柱状のバンドルと、該バンドルの外周面に設けられており、該バンドルが前記ケーシング内に組込まれたり取り除かれたりする際に、前記ケーシングの内周面上を転動するローラーと、を備え、前記シール面間は、前記バンドルの組込み方向に向かって先細りのテーパー状に接続されていることを特徴する。

内部に翼を収容するバンドルが組込まれるケーシングの内周面には、ケーシングの軸方向に複数設けられるシール面間がテーパー状に接続されており、バンドルの組込み方向に向かって先細りとなることとした。これにより、バンドルをケーシング内に組込んだり、ケーシングから取り除いたりする際に、バンドルの外周面に設けられるローラーがケーシングの内周面上を滑らかに転動しやすくなる。そのため、ケーシングの内周面を傷つけることがなく、バンドルを組込んだり取り除いたりすることができる。したがって、ケーシング内にバンドルを組み込んだ際に、ケーシングの内周面とバンドルの外周面との間のシール性を損ねることがなくなる。
また、ケーシングの内周面は、シール面間がテーパー状に接続されており、バンドルの組込み方向に向かって先細りとなっているので、ケーシング内にバンドルを組込みやすくなる。したがって、従来は熟練者によって行われていた圧縮機の組込作業を非熟練者が容易に行うことが可能となる。

さらに、本発明に係る圧縮機の組込方法によれば、略筒状のケーシングと、該ケーシングの軸方向の内周面に複数設けられるシール面と、前記ケーシングの円周方向であって、各前記段差面に当接するシール手段と、内部に翼を収容して、前記シール面に当接して前記ケーシング内に組込まれる略円柱状のバンドルと、該バンドルの外周面に設けられるローラーと、を備える圧縮機の組込方法であって、前記シール間は、前記バンドルの組込み方向に向かって先細りのテーパー状に接続されており、前記バンドルを前記ケーシング内に組込んだり取り除いたりする際には、前記バンドルの外周面に設けられる前記ローラーが前記ケーシングの内周面上を転動することを特徴する。

内部に翼を収容するバンドルが組込まれるケーシングの内周面には、ケーシングの軸方向に複数設けられるシール間がテーパー状に接続されており、バンドルの組込み方向に向かって先細りとなることとした。これにより、バンドルをケーシング内に組込んだり、ケーシングから取り除いたりする際に、バンドルの外周面に設けられるローラーがケーシングの内周面上を滑らかに転動しやすくなる。そのため、ケーシングの内周面を傷つけることがなく、バンドルを組込んだり取り除いたりすることができる。したがって、ケーシング内にバンドルを組み込んだ際に、ケーシングの内周面とバンドルの外周面との間のシール性を損ねることがなくなる。
また、ケーシングの内周面は、シール面間がテーパー状に接続されており、バンドルの組込み方向に向かって先細りとなっているので、ケーシング内にバンドルを組込みやすくなる。したがって、従来は熟練者によって行われていた圧縮機の組込作業を非熟練者が容易に行うことが可能となる。

バンドルがケーシング内に組込まれることを示す図である。 図１に示すバンドルとケーシングとの間の本発明における部分拡大図である。 バンドルとケーシングとの間の従来技術における部分拡大図である。

図１には、バンドルがケーシング内に組込まれる様子が示されており、図２には、図１に示すバンドルとケーシングとの間の本発明における部分拡大図が示されている。

垂直分割型（以下、「バレル型」という。）の圧縮機１は、内部にローター（図示せず）等の製品部品が収容されている略円柱状のバンドル２と、略筒状の圧縮機ケーシング（以下、「ケーシング」という。）３とから主に構成されている。

バンドル２は、略円柱状で、その外周面の先端部（図１において右側）近傍の下方にバンドルローラー（ローラー）８が設けられている。略円柱状のバンドル２の外周面は、拡大してみた場合に、図２に示すように、バンドル２の軸方向に向かって複数（図２においては、４箇所）のシール部５を有しており、かつ、図２の左側から右側に向かって先細りとなるテーパー状となっている。バンドル２の外周面に複数設けられている各シール部５は、後述するケーシング３のシール部（シール面）６に対して略平行になっている。各シール部５の外周面には、バンドル２の円周方向にＯリング（シール手段）７が設けられている。

バンドル２の外周面の先端部近傍の下方部に設けられているバンドルローラー８（図１参照）は、ケーシング３の内周面上を転動することによって、バンドル２をケーシング３内に組込んだり、ケーシング３から取り除くことが可能とされている。

ケーシング３は、略円筒状をなしており、図１に示すように、内部にバンドル２が収容可能とされている。ケーシング３の内周面は、拡大した場合に、図２に示すように、バンドル２が挿入される方向（図２において左側から右側に向かって）に向かって、内径が小さくなって先細りとなるテーパー状となっている。

ケーシング３のテーパー状の内周面には、バンドル２の外周面に設けられているシール部５に対応する位置（図２においては、４箇所）にシール部６が各々形成されている。各シール部６は、ケーシング３の軸方向に複数（例えば４箇所）設けられている。

各シール部６は、バンドル２をケーシング３内に組込後に、Ｏリング７を介してバンドル２の外周面との間のシール性を維持できるように、バンドル２のシール部５と略平行となっている。

次に、本発明のケーシング３にバンドル２を組込む組込方法について説明する。
図１に示すように、ケーシング３の軸方向が架台１０の上面と略平行になるようにケーシング３を架台１０上に設置する。

次に、バンドル２の軸方向の端部であって、ケーシング３に組込まれる方向と反対端の外周面から下方に向かって、組込用バンドルローラー１１を設置する。組込用バンドルローラー１１の先端部は、架台１０の上面に設置されているレール１２上を転動可能とされている。上記組込用バンドルローラー１１とバンドル２の外周面の先端部近傍の下方部に設けられているバンドルローラー８とによって、バンドル２重量が支持された状態にてケーシング３内へ組み込まれる。

ここで、ケーシング３の内周面は、図２に示したように、各シール部６間がテーパー状に接続されており、バンドル２を組込む方向に向かってケーシング３の内径が小さく先細りするようになっている。そのため、バンドル２をケーシング３内に組込む際には、バンドル２に設けられているバンドルローラー８（図１参照）がケーシング３の内周面上を滑らかに移動することができる。したがって、バンドル２をケーシング３内に組込み易くなっている。

以上の通り、本実施形態に係る圧縮機１およびこの組込方法によれば、以下の作用効果を奏する。
内部に翼（図示せず）等を収容しているバンドル２が組込まれるケーシング３の内周面には、ケーシング３の軸方向に複数（例えば、４箇所）設けられているシール部（シール面）６間がテーパー状に接続されており、ケーシング３の内径がバンドル２の組込み方向に向かって小さくなって先細りすることとした。これにより、バンドル２をケーシング３内に組込んだり、ケーシング３から取り除いたりする際に、バンドル２の外周面に設けられているバンドルローラー（ローラー）８がケーシング３の内周面上を滑らかに転動しやすくなる。そのため、バンドル２を組込んだり、取り除いたりする際に、ケーシング３の内周面を傷つけることがなくなる。したがって、ケーシング３の内周面とバンドル２の外周面と間のシール性を損ねることがなくなる。

また、ケーシング３の内周面は、シール部６間がテーパー状に接続されており、ケーシング３の内径がバンドル２の組込み方向に向かって小さくなって先細りしているので、ケーシング３内にバンドル２を組み込みやすくなる。したがって、従来は熟練者によって行われていた圧縮機１の組込作業を非熟練者が容易に行うことが可能となる。

１ 圧縮機
２ バンドル
３ ケーシング
６ シール面（シール部）
７ シール手段（Ｏリング）
８ ローラー（バンドルローラー）

Claims (2)

1. 略筒状のケーシングと、
   該ケーシングの軸方向の内周面に複数設けられるシール面と、
   前記ケーシングの円周方向であって、各前記シール面に当接するシール手段と、
   内部に翼を収容して、前記シール面に当接して前記ケーシング内に組込まれる略円柱状のバンドルと、
   該バンドルの外周面に設けられており、該バンドルが前記ケーシング内に組込まれたり取り除かれたりする際に、前記ケーシングの内周面上を転動するローラーと、を備え、
   前記シール面間は、前記バンドルの組込み方向に向かって先細りのテーパー状に接続されていることを特徴する圧縮機。
2. 略筒状のケーシングと、
   該ケーシングの軸方向の内周面に複数設けられるシール面と、
   前記ケーシングの円周方向であって、各前記シール面に当接するシール手段と、
   内部に翼を収容して、前記シール面に当接して前記ケーシング内に組込まれる略円柱状のバンドルと、
   該バンドルの外周面に設けられるローラーと、を備える圧縮機の組込方法であって、
   前記シール面間は、前記バンドルの組込み方向に向かって先細りのテーパー状に接続されており、
   前記バンドルを前記ケーシング内に組込んだり取り除いたりする際には、前記バンドルの外周面に設けられる前記ローラーが前記ケーシングの内周面上を転動することを特徴する圧縮機の組込方法。
   
   

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