JP2012177212A - ナノファイバー混繊糸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ナノファイバー混繊糸は、平均単繊維直径が900nm以下のポリエステル樹脂ナノファイバーと平均単繊維直径が50nm以上900nm以下のフッ素樹脂ナノファイバーからなるナノファイバー混繊糸である。
【選択図】なし
Description
純度98%以上のO−クロロフェノール(OCP)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃の温度でオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下記の式(1)により求め、下記の式(2)により固有粘度(IV)を算出した。
ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)・・・(1)
[ここで、η:試料ポリマー溶液の粘度、η0:OCPの粘度、t:溶液の落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/cm3)、t0:OCPの落下時間(秒)、d0:OCPの密度(g/cm3)をそれぞれ表す。]
固有粘度(IV)=0.0242ηr+0.2634・・・(2)
(2)メルトフローレート(MFR)
ASTM D3159に準じて測定した。
各実施例についての製糸を行い、1千万m辺りの糸切れ回数から海島型複合繊維の製糸安定性を3段階評価した。○○と○は合格で、×は不合格である。
○○:0.8回/千万m未満
○ :0.8回/千万m以上、2.0回/千万m未満
× :2.0回/千万m以上。
繊維の横断面方向に超薄切片を切り出し、透過型電子顕微鏡(TEM装置:日立社製H−7100FA型)で繊維横断面を観察した。
単繊維繊度の平均値は、次のようにして求める。すなわち、TEM装置による繊維横断面写真を画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、単繊維直径および単繊維繊度を計算し、それの単純な平均値を求めた。これを「数平均による単繊維繊度」とした。このとき、平均に用いるナノファイバー数は同一横断面内で無作為抽出した300本以上の単繊維直径を測定したが、これをナノファイバー集合体長として互いに10m以上離れた5カ所で行い、合計1500本以上の単繊維直径を用いて計算した。
繊維に白金−パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM装置:ニコン製ESEM−2700)で繊維側面を観察した。
ツェルベガーウースター社製ウースターテスターUT−4CXを用い、下記の条件で繊度変動チャート(Diagram Mass)を得ると同時に、ハーフInertモードで平均偏差率(U%)を測定した。
・給糸速度:200m/分
・測定糸長:200m
・ツイスター:S撚 12000rpm
・ディスクテンション強さ:10%
U%の値が1.3未満であれば、糸斑の少ない製品であると判断した。
ナノファイバー混繊糸は10mの質量を、また海島型複合繊維は100mの質量をそれぞれn=5回測定し、これの平均値からナノファイバー混繊糸の総繊度と、海島型複合繊維の総繊度(dtex)を求めた。そして、室温(25℃)で、初期試料長=200mm、引っ張り速度=200mm/分とし、JIS L1013(2010年版)に示される条件で荷重−伸長曲線を求めた。次に、破断時の荷重値を初期の繊度で割り、それを強度とし、破断時の伸びを初期試料長で割り伸度として強伸度曲線を求めた。
海島型複合繊維を用いて経密度100本/2.54cm、緯密度95本/2.54cmのゾッキ織物を作製し、95℃の温度で精練した。引き続き、1質量%の水酸化ナトリウム水溶液を用いて海成分を溶解除去し、染色工程を経て最終セットを行った。減量率は、強度の項目と同一の式により算出した。得られた布帛について、熟練した検査者(5人)の触感によって布帛の表面均一性、ソフト感、染色均一性を相対評価した。また、鏡の表面に付着した多数の指紋を拭き取り、その拭き取り性も官能評価した。各項目について、非常に良い(4点)、良い(3点)、あまり良くない(2点)、悪い(1点)の4段階で官能評価してその合計値(最高点は16点)を算出し、各検査者の合計値の平均値にて下記のとおり評価をした。○○と○は合格で、×は不合格である。
○○:12点以上
○ :12点未満8点以上
× :8点未満
(10)吸湿性(ΔMR)
脱海後の筒編みサンプルを秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、110℃の温度に2時間保ち乾燥させ重量を測定し(W0)、次に対象物質である筒編みサンプルを温度20℃、相対湿度65%に24時間保持した後重量を測定する(W65)。そして、これを温度30℃、相対湿度90%に24時間保持した後重量を測定する(W90)。そして、次の式にしたがい計算を行う。
・MR65=[(W65−W0)/W0]×100% ・・・(1)
・MR90=[(W90−W0)/W0]×100% ・・・(2)
・ΔMR=MR90−MR65 ・・・(3)。
布帛評価に用いた布帛の繊維表面をSEM観察し、3段階で定性評価し、繊維断面の電子染色後のTEM観察によってポリエステル樹脂ナノファイバー部分の観察で総合評価した。○○と△は合格で、×は不合格である。
○:凝集がなく、ポリエステル樹脂ナノファイバーのみの集合部分が10μm以下。
△:凝集がなく、ポリエステル樹脂ナノファイバーのみの集合部分が40μm以下。
×:凝集があり、ポリエステル樹脂ナノファイバーのみの集合部分が40μm以上。
固有粘度(IV)が0.59のポリ−L−乳酸を易溶解性成分(マトリックス)として用い、フッ素樹脂としてメルトフローレート(MFR)が35g/10分のダイキン工業株式会社製“ネオフロン”(登録商標)EP−506を難溶解性成分(ドメイン)として用い、これらの両成分を質量混合比80/20にして事前に2軸混練機を用いてポリマーアロイ溶融体を作成し、これを海島型複合繊維の海成分ポリマーとした。これとは別に、固有粘度(IV)が0.71のポリエチレンテレフタレートを、島成分ポリマーとして準備した。このように準備した海成分ポリマーと島成分ポリマーを、それぞれ300℃の温度で溶融後、ポンプによる計量を行い、紡糸温度298℃で紡糸口金に流入させた。質量複合比は、海成分ポリマー/島成分ポリマー=20/80とした。島数127島、ホール数112の海島型複合用紡糸口金(島数×海島型複合繊維の単糸数=14224)に流入させた各ポリマーは、口金内部で合流し、海成分ポリマー中に島成分ポリマーが包含された複合形態を形成し、口金から吐出された。口金から吐出された糸条は、空冷装置により冷却、油剤付与後、ワインダーにより1500m/分の速度で巻き取り、総繊度175dtex−112フィラメントの未延伸糸として巻き取った。このとき、冷却開始点は口金面から30mmに設定し、さらに給油位置を850mmとすることにより長手方向の繊度斑の抑制と製糸性の安定を図った。
表1に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。実施例2〜8は優れた開繊性であり、耐久性と品質のすぐれたナノファイバー混繊糸が得られた。
ポリエステルナノファイバー集合体とフッ素樹脂ナノファイバー集合体を別々に得た後、エアー混繊などの公知の混繊技術を用い混繊を行い、ナノファイバー混繊糸を得た。しかしながら、開繊性を確認するとナノファイバーが凝集しており、TEM観察においてもポリエステルナノファイバーのみの集合部分が40μm以上であり、ポリエステルナノファイバーとフッ素樹脂ナノファイバーが十分に混繊された状態では無かった。
Claims (2)
- ポリエステル樹脂ナノファイバーとフッ素樹脂ナノファイバーからなるナノファイバー混繊糸であって、それぞれの平均単繊維直径がいずれも50nm以上900nm以下であることを特徴とするナノファイバー混繊糸。
- フッ素樹脂ナノファイバーの混繊比率が4〜40質量%であることを特徴とする請求項1記載のナノファイバー混繊糸。
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