JP2012176871A - 多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器並びに多孔質シリカ板体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シリコン融液を凝固して多結晶シリコンインゴットを製造するための角形シリカ容器であって、多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体を組み合わせて構成されたものであり、前記多孔質シリカ板体のかさ密度が、両平行平面の表面部分よりも内部の部分において低い多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
【選択図】 図1
Description
また、本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法に従えば、そのようなシリカ板体を安価に製造することができる。
図5に示したように、角形シリカ容器10を構成する多孔質シリカ板体は、カーボン製等のサセプタ80により固定することができる。
まず、本発明の第1の態様に係る多孔質シリカ板体の製造方法について述べる。
まず、原料粉としてシリカ粉を作製する。製造時の低コスト化のため、従来のような高純度シリカ原料粉(高純度水晶粉、高純度天然石英粉、超高純度合成シリカガラス粉)は必ずしも使用する必要はなく、上記のように、シリカ(SiO2)純度が99.9〜99.999wt.%の比較的低純度のシリカ原料粉を使用することが好ましい。
まず、直径10〜100mm程度の天然珪石塊(天然に産出する水晶、石英、珪石、珪質岩石、オパール石等)を大気雰囲気下、600〜1000℃の温度域にて1〜10時間程度加熱する。次いで該天然珪石塊を水中に投入し、急冷却後取出し、乾燥させる。この処理により、次のクラッシャー等による粉砕、整粒の処理を行いやすくできるが、この加熱急冷処理は行わずに粉砕処理へ進んでもよい。
次に、原料粉を投入し、熱処理する電気加熱炉について説明する。電気加熱炉の概略断面図を図6、7に示した。図7は図6とは垂直の方向から見た場合の断面図である。
この電気加熱炉200は、原料粉の供給口203、原料粉を投入し、溶融、軟化するための溶融容器(モリブデン、タングステン等の高融点金属ルツボが好ましいが、これに限定されない)208、溶融容器208を加熱するための加熱手段(電気抵抗加熱、高周波誘導加熱等が利用可能な方法である)207、加熱手段207により生ずる熱の外側への放出を遮断する断熱材209、原料粉が加熱され、溶融、軟化した溶融シリカ体の流れを整えるための整流治具210、整流治具210の位置を調整する整流治具位置調整棒201、溶融シリカ体の形状成形工具(モリブデン、タングステン等の高溶融点金属製工具が好ましいが、これに限定されない)212、溶融容器208内の雰囲気ガスを調整するための溶融容器内雰囲気ガス給気、排気口202、電気加熱炉内のうち溶融容器208の外側の雰囲気ガスを調整するための溶融容器外雰囲気ガス給気、排気口204、加熱手段雰囲気ガス給気、排気口205等から成る。整流治具210と形状成形工具212との間は、図示したように間隙211が形成可能であり、また、整流治具210と形状成形工具212は密着させることもできる。
図6、7に示した電気加熱炉を用いて、本発明の多孔質シリカ板体を製造する。具体的には以下のようにして行う。
まず、電気加熱炉内に配置した溶融容器208内を窒素、ネオン、アルゴン、クリプトンのいずれか1種を含む不活性ガス雰囲気に置換する。コストの点から主成分を窒素ガス80vol.%以上とすることが好ましい。また高温度下における容器の寿命を延ばすために、水素ガスを1〜4vol.%混合して使用する場合もある。
なお、電気加熱炉内のうち、溶融容器208の外側も窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスと置換することが好ましい。コストの点から主成分を窒素ガス80vol.%以上とするのが好ましい。また高温度下における溶融容器208や加熱手段207の寿命を延ばすために、水素ガスを1〜4vol.%混合して使用する場合もある。
溶融容器208内を上記の不活性ガス雰囲気に保ちつつ、原料粉を溶融容器208の中に供給する。図6、7に電気加熱炉の上部に配置されている原料粉供給口203から、上記のように所定の粒径、所定の純度に調整された原料粉206を供給することができる。
次に、溶融容器208内の不活性ガス雰囲気の圧力を大気圧以上に保持しつつ溶融容器208の温度を1700℃以上に加熱することにより原料粉206を溶融、軟化させる。電気抵抗加熱法又は高周波誘導加熱法等による加熱手段207、原料粉の構造、例えば結晶質シリカ又は非結晶質シリカであるかにもより若干異なるが、この温度範囲は1700℃〜2300℃とすることが好ましく、1800℃〜2100℃とすることがより好ましい。
次に、溶融、軟化させたシリカガラスを溶融容器208の下部から形状成形工具212を通して平行平板状に成形しつつ連続して引き出す。
上記のように、溶融容器208の底部には、溶融されたシリカ体であるシリカガラスを整流する整流治具210と形状成形工具212が配置されている。原料粉206の供給及び溶融、軟化の当初は、整流治具210が形状成形工具212に栓をするように密着させる。原料粉206が十分に加熱され軟化し、気泡を含むシリカガラス体となった時点で、整流治具210を上部へ引き上げる。この時、整流治具210と形状成形工具212との間隙211の寸法や溶融容器208内のガス圧力を制御することにより、所定寸法の平行平板状の多孔質シリカ板体215を多孔質シリカ板体引き出し方向217に引き出すことが可能となる。多孔質シリカ板体の寸法精度は溶融容器の温度、雰囲気ガス圧力、整流治具210と形状成形工具212との間隙211の寸法、多孔質シリカ板体215の引き出し速度、等を制御することにより高めることができる。連続して引き出される多孔質シリカ板体215の断面寸法は、例えば、幅100〜1000mm、厚さ10〜30mmとすることができる。
電気加熱炉の下部から連続的に製造されている平行平板状の多孔質シリカ板体215が所定の長さに到達した時点で切断する。次いで必要に応じて、多孔質シリカ板体の端部の切断、研削、研磨を行い、多結晶シリコンインゴット製造用組立式角形シリカ容器に使用可能な形状、寸法の多孔質シリカ板体を得る。
以下では、本発明の第2の態様に係る多孔質シリカ板体の製造方法について述べる。上述の第1の態様と基本的な工程順は同じであるので、同一工程についての再度の説明は省略し、相違点を中心に説明する。
まず、原料粉としてシリカ粉を作製する。このとき、平均粒径の異なる二種類の原料粉を作製する。
第一の原料粉としては、粒径0.003〜3.0mmのシリカ粉を作製する。これは、第一の原料粉のシリカ粉のうち、0.003〜3.0mmの粒径範囲の中に99wt.%以上のシリカ粉が含まれることを意味する。
また、第二の原料粉としては、質量基準累積分布の50%における粒子径値(D50)で比較した平均粒径が前記第一の原料粉よりも小さいシリカ粉を作製する。
また、多孔質シリカ板体の耐熱変形性を向上させるために、第一の原料粉及び第二の原料粉にAl(Al元素)を含有させることが好ましいことも第1の態様と同様である。
次に、第一の原料粉及び第二の原料粉を投入し、熱処理する電気加熱炉について説明する。電気加熱炉の概略断面図を図8に示した。この電気加熱炉300は、原料粉を溶融容器の中に供給する際に、第一の原料粉と第二の原料粉のそれぞれの供給位置を所定の位置にするために必要な構造を備える必要がある。
図8に示した電気加熱炉を用いて、本発明の多孔質シリカ板体を製造する。具体的には以下のようにして行う。
まず、電気加熱炉内に配置した溶融容器308内を窒素、ネオン、アルゴン、クリプトンのいずれか1種を含む不活性ガス雰囲気に置換する。コストの点から主成分を窒素ガス80vol.%以上とすることが好ましい。また高温度下における容器の寿命を延ばすために、水素ガスを1〜4vol.%混合して使用する場合もある。
なお、電気加熱炉内のうち、溶融容器308の外側も窒素、ネオン、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスと置換することが好ましい。コストの点から主成分を窒素ガス80vol.%以上とするのが好ましい。また高温度下における溶融容器308や加熱手段307の寿命を延ばすために、水素ガスを1〜4vol.%混合して使用する場合もある。
溶融容器308内を上記の不活性ガス雰囲気に保ちつつ、原料粉を溶融容器308の中に供給する。
このとき、第一の原料粉306aの供給位置を溶融容器308内の中央側として供給するとともに、第二の原料粉306bを溶融容器308内の第一の原料粉306aの供給位置よりも外側に供給する。このような原料粉の供給は、図8に示した電気加熱炉300の上部に配置されている第一の原料粉供給口303a及び第二の原料粉303bから、上記のように所定の粒径範囲及び平均粒径、並びに所定の純度に調整された第一の原料粉306a及び第二の原料粉306bをそれぞれ供給することにより、行うことができる。
次に、溶融容器308内の不活性ガス雰囲気の圧力を大気圧以上に保持しつつ溶融容器308の温度を1700℃以上に加熱することにより第一の原料粉306a及び第二の原料粉306bを溶融、軟化させる。これにより、原料粉は溶融シリカガラス体321a、321bとなる。溶融容器308内の中心側のシリカガラス体321aは粒径が比較的粗い第一の原料粉306aに由来するシリカ成分が多く、溶融容器308内の周辺側のシリカガラス体321bは、粒径が比較的細かい第二の原料粉306bに由来するシリカ成分が多くなる。
次に、溶融、軟化させたシリカガラスを溶融容器308の下部から形状成形工具312を通して平行平板状に成形しつつ連続して下方(矢印317の向き)に引き出す。
上記のように、溶融容器308の底部には、溶融されたシリカ体であるシリカガラスの形状成形工具312と開閉板322が配置されており、当初は開閉板322が形状成形工具312に栓をするように密着している。原料粉が十分に加熱され軟化した多孔質シリカガラス体となった時点で、開閉板322を横方向へ移動させる。この時、開閉板322の横方向への移動量、形状成形工具312の間隙寸法や溶融容器308内のガス圧力を制御することにより、所定寸法の平行平板状の多孔質シリカ板体315を取り出すことが可能となる。多孔質シリカ板体315の寸法精度は溶融容器308の温度、雰囲気ガス圧力、開閉板322の位置調整、形状成形工具312の間隙寸法、多孔質シリカ板体315の引き出し速度、等を制御することにより高めることができる。また多孔質シリカ板体315のかさ密度(g/cm3)は、第一の原料粉及び第二の原料粉の平均粒径、粒径範囲及び粒径分布設定や、溶融容器308内のガス種類、ガス圧力等を調整することにより所定の値に制御することができる。
第1の態様と同じく、電気加熱炉の下部から連続的に製造されている平行平板状の多孔質シリカ板体315が所定の長さに到達した時点で切断する。次いで必要に応じて、多孔質シリカ板体の端部の切断、研削、研磨を行い、多結晶シリコンインゴット製造用組立式角形シリカ容器に使用可能な形状、寸法の多孔質シリカ板体を得る。
まず、本発明に係る角形シリカ容器に原料である溶融シリコンを投入する。次に、溶融シリコンを加熱保温し所定温度の融液とする。
その後、取り出した多結晶シリコンインゴットを所定の厚さにスライス、研磨して、多結晶シリコン基板とする。
(実施例1)
本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法(第1の態様)に従い、以下のように多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
天然珪石を50kg準備し、大気雰囲気下で、1000℃、10時間の条件で加熱後、純水の入った水槽へ投入し、急冷却した。これを乾燥後、クラッシャーを用いて粉砕し、粒径100〜1000μm、シリカ純度99.99wt.%、総重量40kgのシリカ粉(天然石英粉)とした。
となるようにした。
実施例1とほぼ同様にして多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
原料粉の粒径を粗くし、200〜2000μmとした。これにより、多孔質シリカ板体に気泡が入りやすくなり、かさ密度が低下した。
また、原料粉に含有させるAl濃度を10倍とした。
実施例2とほぼ同様にして多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
原料粉の粒径をさらに粗くし、300〜3000μmとした。これにより、多孔質シリカ板体に気泡が入りやすくなり、かさ密度が低下した。
実施例2とほぼ同様にして多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
原料粉のシリカ純度を高純度とし、99.999wt.%とした。
また、原料粉にAlを添加しなかった。
実施例2とほぼ同様にして多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
原料粉のシリカ純度を低純度とし、99.9wt.%とした。
また、原料粉に含有させるAl濃度を5倍(実施例1と比べて50倍)とした。
実施例2とほぼ同様にして多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、原料粉の溶融ガス雰囲気をAr100%の雰囲気とした。
本発明に係る多孔質シリカ板体の製造方法(第2の態様)に従い、以下のように多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
第二の原料粉も第一の原料粉と同様の工程により作製したが、粒径範囲10〜500μm、平均粒径100μmになるようにした。
実施例7とほぼ同様にして多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
第一の原料粉及び第二の原料粉の粒径を粗くした。具体的には、第一の原料粉を粒径範囲200〜2000μm、平均粒径700μm、第二の原料粉を粒径範囲10〜600μm、平均粒径150μmとした。
また、第一の原料粉及び第二の原料粉に含有させるAl濃度を10倍とした。
実施例8と同様に、ただし、第一の原料粉及び第二の原料粉をさらに粗くして(第一の原料粉を粒径範囲300〜3000μm、平均粒径910μm、第二の原料粉を粒径範囲10〜700μm、平均粒径220μmとした。)、多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
実施例8とほぼ同様の工程により、多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
第一の原料粉及び第二の原料粉のシリカ純度を99.999wt.%とした。
また、第一の原料粉及び第二の原料粉にAlを含有させる工程を行わなかった。
実施例7とほぼ同様の工程により、多孔質シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。ただし、以下の条件を変更した。
第一の原料粉のシリカ純度を低純度(99.9wt.%)とし、粒径を粗くした(粒径範囲200〜2000μm、平均粒径680μm)。その一方、第二の原料粉は実施例7と同様とした。
また、シリカ純度を低純度としたため、第一の原料粉及び第二の原料粉に含有させるAl濃度を実施例7と比べて30倍程度とした。
実施例1と比べて、以下の条件を変更し、シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
原料粉を高純度化し(シリカ純度99.9999wt.%)、粒径を50〜500μmとした。また、溶融ガス雰囲気をH280%、He20%とした。これにより、多孔質シリカ板体にほとんど気泡が入らず、シリカ板体は透明であった。
また、原料粉にAlを添加しなかった。
比較例1と比べて、以下の条件を変更し、シリカ板体を製造し、さらに角形シリカ容器を製造した。
原料粉のシリカ純度を実施例1〜3、6と同じく99.99wt.%とした。
各実施例及び比較例において用いた原料粉、並びに、製造した多孔質シリカ板体及び角形シリカ容器の物性、特性評価を以下のようにして行った。
多孔質シリカ板体の表面部分及び中心部分から、それぞれ、50mm×50mm×3mmの板状サンプルを切り出し、該サンプルの重量(g)を測定した。次いで、表面部分及び中心部分それぞれのサンプルの寸法からサンプルの体積(cm3)を求めた。これらの重量及び体積の数値から、表面部分及び中心部分それぞれサンプルのかさ密度(g/cm3)を計算した。
光学顕微鏡又は電子顕微鏡で各原料粉の二次元的形状観察及び面積測定を行った。次いで、粒子の形状を真円と仮定し、その面積値から直径を計算して求めた。この手法を統計的に繰り返し行い、粒径の範囲の値とした(この範囲の中に99wt.%以上の原料粉が含まれる)。
粉体用ふるいを複数用いて、ふるい分け法(JIS R 1639−1)に従って粒子径分布測定を行った。ふるいはJIS Z 8801の標準ふるいを使用した。
また、上記ふるい分け法とともに、レーザー回折、散乱法(同様にJIS R 1639−1)に従って粒子径分布測定を行った。この2種のデータから粒子径(μm)と質量基準累積分布(wt.%)との相関関係を求めた。最終的には各原料粉の50wt.%累積質量値における粒子径(D50)を平均粒径として示した。
多孔質シリカ板体の肉厚の中心の位置からシリカサンプル片を切り出し、フッ化水素酸水溶液で溶解させることにより、サンプルの調製を行った。含有金属元素濃度が比較的低い場合は、プラズマ発光分析法(ICP−AES、Inductively Coupled Plasma − Atomic Emission Spectroscopy)又はプラズマ質量分析法(ICP−MS、Inductively Coupled Plasma − Mass Spectroscopy)で行い、含有金属元素濃度が比較的高い場合は、原子吸光光度法(AAS、Atomic Absorption Spectroscopy)で行った。
角形シリカ容器を構成するシリカ板体の肉厚の中心部分から粒径10〜100μmの粉状サンプルを作製し、赤外線拡散反射分光光度法で行った。OH基濃度への換算は、以下文献に従う。
Dodd,D.M. and Fraser,D.B.(1966) Optical determination of OH in fused silica. Journal of Applied Physics, vol.37, P.3911.
角形シリカ容器の中へSi純度99.99999999wt.%の高純度シリコン溶融体を投入し、室温まで冷却して寸法380mm×380mm×240mmの多結晶シリコンインゴットを作製した。次いで、該インゴットの表面から3mmの深さの位置でシリコン片のサンプリングを行い、これを酸性溶液処理することにより溶液状サンプルとした後、ICP−AESにて、Na濃度分析を行った。Na濃度値によって、角形シリカ容器から多結晶シリコンインゴットへの不純物拡散防止効果を評価した。
不純物拡散防止効果大 ○(Naの濃度が10wt.ppb未満)
不純物拡散防止効果中 △(Naの濃度が10wt.ppb以上100wt.ppb未満)
不純物拡散防止効果小 ×(Naの濃度が100wt.ppb以上)
前記と同様に多結晶シリコンインゴットを作製し、次いで角形シリカ容器の4カ所の側壁角部及び4カ所の側壁と底部の角部の溶着している部分をカッターにて切断し、該インゴットから角形シリカ容器の4つの側壁及び底板を剥がし取った。次いで該多結晶インゴットの表面に付着しているシリカ片をフッ化水素酸水溶液で溶解、除去した。該インゴット表面に残存する凹凸やクラック等が、角形シリカ容器の内表面と接触した位置から内部方向にどのくらいの深さまであるのかをスケールにより測定することで離型性の評価を行った。
離型性良好 ○(深さ2mm未満)
離型性中程度 △(深さ2mm以上5mm未満)
離型性悪い ×(深さ5mm以上)
角形シリカ容器の製造コストを調べた。
基準を比較例1とし、製造工程全体の合計のコストを相対的に評価した。
コストが非常に低い ◎(30%以下)
コストが低い ○(30〜50%程度)
コストが中程度 △(50〜90%程度)
コストが大きい ×(比較例1を100%とする)
11、11a、11b…側部、
12、12a、12b…側部内表面、 13、13a、13b…側部外表面、
21、21a、21b…底部、
22、22a、22b…底部内表面、 23、23a、23b…底部外表面、
80…サセプタ、
200…電気加熱炉、
201…整流治具位置調整棒、
202…溶融容器内雰囲気ガス給気、排気口、
203…原料粉供給口、
204…溶融容器外雰囲気ガス給気、排気口、
205…加熱手段雰囲気ガス給気、排気口、
206…原料粉、
207…加熱手段(誘導コイル、抵抗加熱体等)、
208…溶融容器、
209…断熱材、
210…整流治具、
211…整流治具と形状成形工具との間隙、
212…形状成形工具、
213…多孔質シリカ板体取出し室、
214…多孔質シリカ板体取出し室内雰囲気ガス給気、排気口、
215…多孔質シリカ板体、
216…多孔質シリカ板体引き出しローラ、
217…多孔質シリカ板体引き出し方向、
300…電気加熱炉、
302…溶融容器内雰囲気ガス給気、排気口、
303a…第一の原料粉の供給口、 303b…第二の原料粉の供給口、
305…溶融容器外雰囲気ガス給気、排気口、
306a…第一の原料粉、 306b…第二の原料粉、
307…加熱手段(誘導コイル、抵抗加熱体等)、
308…溶融容器、
309…断熱材、
312…形状成形工具、
313…多孔質シリカ板体取出し室、
314…多孔質シリカ板体取出し室内雰囲気ガス給気、排気口、
315…多孔質シリカ板体、
316…多孔質シリカ板体引き出しローラ、
317…多孔質シリカ板体引き出し方向、
321a、321b…溶融シリカガラス体、
322…開閉板、 323…開閉板移動方向。
Claims (11)
- シリコン融液を凝固して多結晶シリコンインゴットを製造するための角形シリカ容器であって、
多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体を組み合わせて構成されたものであり、前記多孔質シリカ板体のかさ密度が、両平行平面の表面部分よりも内部の部分において低いことを特徴とする多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。 - 前記多孔質シリカ板体のかさ密度が1.60〜2.10g/cm3であり、前記多孔質シリカ板体の両平行平面の表面から深さ3mm厚さ部分のかさ密度が、中心部分厚さ3mmのかさ密度よりも大であり、かつ0.05g/cm3以上の差を有することを特徴とする請求項1に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
- 前記角形シリカ容器は、Al濃度が5〜500wt.ppmであり、かつOH基濃度が5〜500wt.ppmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
- 前記角形シリカ容器に含有されているLi、Na、Kの各々の濃度が1〜100wt.ppmであり、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Auの各々の濃度が0.01〜1.0wt.ppmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の多結晶シリコンインゴット製造用角形シリカ容器。
- 多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体であって、かさ密度が1.60〜2.10g/cm3であり、両平行平面の表面から深さ3mm厚さ部分のかさ密度が、中心部分厚さ3mmのかさ密度よりも大であり、かつ0.05g/cm3以上の密度差を有することを特徴とする多孔質シリカ板体。
- 前記多孔質シリカ板体は、Al濃度が5〜500wt.ppmであり、かつOH基濃度が5〜500wt.ppmであることを特徴とする請求項5に記載の多孔質シリカ板体。
- 前記多孔質シリカ板体に含有されているLi、Na、Kの各々の濃度が1〜100wt.ppmであり、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Auの各々の濃度が0.01〜1.0wt.ppmであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の多孔質シリカ板体。
- 多孔質シリカからなる平行平板状の多孔質シリカ板体を製造する方法であって、
原料粉としてシリカ粉を作製する工程と、
電気加熱炉内に配置した溶融容器内を窒素、ネオン、アルゴン、クリプトンのいずれか1種を含む不活性ガス雰囲気に置換する工程と、
前記溶融容器内を前記不活性ガス雰囲気に保ちつつ、前記原料粉を前記溶融容器の中に供給する工程と、
前記溶融容器内の前記不活性ガス雰囲気の圧力を大気圧以上に保持しつつ該溶融容器の温度を1700℃以上に加熱することにより前記原料粉を溶融、軟化させる工程と、
前記溶融、軟化させたシリカガラスを前記溶融容器の下部から形状成形工具を通して平行平板状に成形しつつ連続して引き出す工程と
を含むことを特徴とする多孔質シリカ板体の製造方法。 - 前記原料粉を作製する工程において、粒径0.003〜3.0mmのシリカ粉からなる第一の原料粉と、質量基準累積分布の50%における粒子径値で比較した平均粒径が前記第一の原料粉よりも小さいシリカ粉からなる第二の原料粉を作製し、
前記原料粉を前記溶融容器の中に供給する工程において、前記第一の原料粉の供給位置を前記溶融容器内の中央側として供給するとともに、前記第二の原料粉を前記溶融容器内の前記第一の原料粉の供給位置よりも外側に供給することを特徴とする請求項8に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。 - 前記原料粉が含有するLi、Na、Kの各々の濃度を1〜100wt.ppmとし、前記原料粉が含有するTi、Cr、Fe、Ni、Cu、Zn、Auの各々の濃度を0.01〜1.0wt.ppmとすることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。
- 前記溶融容器の中の雰囲気ガスを窒素80vol.%以上とすることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の多孔質シリカ板体の製造方法。
Priority Applications (3)
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