JP2012175020A - 基板処理装置 - Google Patents

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大介 原
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明博 佐藤
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Abstract

【課題】炉口部を構成する部材の熱劣化を抑制することを可能とする。
【解決手段】処理ガスの供給により複数の基板を処理する処理部と、前記処理部で前記複数の基板を水平に保持するボートと、前記ボートを下方から支持する熱交換体を有し、該熱交換体の外周にガス流通経路が形成されている熱交換部と、前記処理部から前記熱交換部の前記ガス流通経路を介して高温の前記処理ガスが排気される炉口部と、前記ガス流通経路を通って前記処理部に延在されるノズルであって、前記処理部に延在されるノズル上部に前記処理ガスを供給する供給部を有するノズルと、前記ガス流通経路を通るノズル下部と前記熱交換体との間に設けられ、前記ガス流通経路を狭めるためのガス流通経路制限部とを有し、前記ガス流通経路制限部と前記熱交換体との間隙は、前記ノズル上部から前記複数の基板までの距離より小さく設定されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、基板処理装置に関する。
従来、複数の基板を鉛直方向に積層保持する基板保持部(サセプタ)と、そのサセプタを収容する処理室とを備え、処理室内に収容されたサセプタを誘導加熱して当該サセプタが保持する複数の基板を加熱するとともに、処理室内に処理ガスを供給することにより、処理室内の複数の基板に対する処理を行う縦型の基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、基板を保持する基板保持部を下方側から下方断熱材によって支持し、また下方断熱材の水平方向側周縁に内側断熱材を設け、さらに基板保持部の上方に上方断熱材を設けることにより、処理室の全周を断熱材により覆うようにしたものである。これによれば、処理室の全周を断熱材により覆っているため、処理室の断熱効果(保熱効果)が高く、処理室の温度分布の均質化が図れる。
特開2007−095923号公報
ところで、縦型の基板処理装置の処理室は、反応管とマニホールドとを上下に重ねた反応容器内に形成される。処理室の上方側に位置する反応管は通常石英で構成され、処理室の下方側に位置するマニホールドは通常金属で構成される。このマニホールドやシールキャップ等からなる炉口部を構成する各部材の耐熱温度は、基板処理温度よりも低いことが多い。基板処理温度が高いと、処理室内の基板処理領域から炉口部への輻射は大きい。また、基板処理にはキャリアガスが必要となるため、これによる基板領域から炉口部への熱エネルギの輸送も大きい。したがって、基板処理装置の問題の一つとして、炉口部の温度上昇が挙げられる。炉口部を構成する各部材を保護するためには、炉口部の温度を各部材の耐熱温度以下に保つ必要がある。
ところが、上述した特許文献1では、断熱効果により炉口部への輻射を有効に防止することはできるものの、熱輸送については考慮されておらず、ガスは高温のまま炉口部に放出される可能性がある。このため、炉口部を構成する各部材の温度を耐熱温度以下に保持することができない場合があり、部材の熱劣化等が生じる可能性がある。
本発明の目的は、炉口部の温度上昇を抑えることが可能な基板処理装置を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
処理ガスの供給により複数の基板を処理する処理部と、
前記処理部で前記複数の基板を水平に保持するボートと、
前記ボートを下方から支持する熱交換体を有し、該熱交換体の外周にガス流通経路が形成されている熱交換部と、
前記処理部から前記熱交換部の前記ガス流通経路を介して高温の前記処理ガスが排気される炉口部と、
前記ガス流通経路を通って前記処理部に延在されるノズルであって、前記処理部に延在
されるノズル上部に前記処理ガスを供給する供給部を有するノズルと、
前記ガス流通経路を通るノズル下部と前記熱交換体との間に設けられ、前記ガス流通経路を狭めるためのガス流通経路制限部と
を有し、
前記ガス流通経路制限部と前記熱交換体との間隙は、前記ノズル上部から前記複数の基板までの距離より小さく設定されている基板処理装置が提供される。
本発明によれば、炉口部の温度上昇を抑えることが可能な基板処理装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の透視斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る処理炉の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るノズル配列を示す平断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置を構成する各部の制御構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る処理炉の下部構造の構成例を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る処理炉の下部構造の具体的な斜視縦断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るノズルの説明図であり、(a)はノズルの縦断面、(b)は処理室内に5本のノズルを有する場合におけるノズルの配置例を示す横断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るスリットが設けられた場合の温度シミュレーション結果を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るスリットが設けられていない場合の温度シミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る処理室内の構成を示す横断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るノズルの概略構成を示す図であり、(a)は第1ノズルの斜視図、(b)は第1ノズルの平面図、(c)は第2ノズルの斜視図、(d)は第2ノズルの平面図である。 本発明の前駆的発明に係る各ノズルに第2のガス流通経路制限部が設けられていない場合における処理室内の構成を示す横断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る台形柱の第2のガス流通経路制限部のみを用いた場合におけるノズル配置例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るノズル配置例を示す図である。 比較例に係るパンケーキ型の基板処理装置を示す縦断面図である。 比較例に係るプラネタリ型の基板処理装置を示す説明図であり、(a)は縦断面図、(b)はA−A断面図である。
<本発明の第1の実施形態>
(1)基板処理装置の構成
次に、本実施形態に係る基板処理装置を図面に基づいて説明する。
(装置全体)
図1は、本実施形態に係る基板処理装置10の透視斜視図である。基板処理装置10は、バッチ式縦型熱処理装置として構成されている。基板処理装置10は、内部に処理炉40等の主要部が配置される筐体12を備えている。基板処理装置10には、例えばSiC
で構成された基板としてのウエハを収納する基板収納器としてのフープ(以下、「ポッド」という。)16が、ウエハキャリアとして使用される。筐体12の正面側には、ポッドステージ18が配置されている。ポッドステージ18上には、ポッド16が搬送されて載置される。ポッド16内には、例えば25枚のウエハが収納されるように構成されている。ポッド16は、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ18上に載置されるように構成されている。
筐体12内の正面側であって、ポッドステージ18に対向する位置には、ポッド搬送装置20が配置されている。ポッド搬送装置20の近傍には、ポッド棚22、ポッドオープナ24及び基板枚数検知器26がそれぞれ配置されている。ポッド棚22は、ポッドオープナ24の上方に配置され、ポッド16を複数個載置した状態で保持するように構成されている。基板枚数検知器26は、ポッドオープナ24に隣接して配置されている。ポッド搬送装置20は、ポッドステージ18とポッド棚22とポッドオープナ24との間でポッド16を搬送するように構成されている。ポッドオープナ24は、ポッド16の蓋を開けるように構成されている。基板枚数検知器26は、蓋を開けられたポッド16内のウエハ14の枚数を検知するように構成されている。
筐体12内には、基板移載機28、基板保持部としてのボート30が配置されている。基板移載機28は、例えば5枚のウエハを取り出すことができるアーム(ツィーザ)32を有している。図示しない駆動手段によりアーム32を上下回転動作させることにより、ポッドオープナ24の位置に置かれたポッド16及びボート30間にてウエハを搬送させることが可能なように構成されている。
筐体12内の背面側上部には処理炉40が配置されている。処理炉40内には、複数枚(例えば25〜100枚)のウエハを装填した上述のボート30が、下方から搬入されるように構成されている。
(処理炉)
次に、上述した処理炉40について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る処理炉40の縦断面図である。処理炉40は、反応管42と炉口部47とを備える。反応管42内には処理部としての基板処理領域43、熱交換部としての熱交換領域45が形成されている。また、図2に示すガス供給部としてのノズル60においては、カーボン系原料を供給するノズル62、Si系原料を供給するノズル61の2つが代表例として図示されている。なお、炉口部47とは、マニホールド46、シールキャップ102等をいう。
処理炉40は、円筒形状の反応管42を備える。反応管42は、石英(SiO)又は炭化珪素(SiC)等の耐熱材料で構成され、上端が閉じ下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管42の内側の筒中空部には、反応炉としての処理室44が形成されている。処理室44は、ボート30によって水平姿勢に保持されたウエハ14が鉛直方向に多段に整列した状態で収容可能に構成されている。なお、反応管42は、単管構造でもよく、インナーチューブとアウターチューブとからなる二重管構造でもよい。
ボート30は、処理室44内のウエハ14が熱処理される基板処理領域43で、複数枚のウエハ14を鉛直方向にそれぞれが間隔を成して保持するように構成されている。なお、本実施形態では、ウエハ14は、ウエハホルダ15に保持されるように構成されている。図2では、便宜上、ウエハホルダ15とウエハ14とをひとまとめに描いてある。ボート30は、複数枚のウエハホルダ15を棚状に保持するように構成されている。ボート30は、例えば表面をSiCコーティングしたカーボングラファイトや、炭化珪素(SiC)等の耐熱性(1500〜1800℃)材料で構成される。ボート30は、夫々がウエハ14を保持している複数枚のウエハホルダ15を水平に、かつ互いの中心を揃えた状態で
整列させて縦方向(鉛直方向)に多段に保持するように構成されている。
反応管42の下方には、この反応管42と同心円状にマニホールド46が配設されている。マニホールド46は、例えば、ステンレス等の金属で構成され、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド46は、上端側のフランジで反応管42を下方から支持するように設けられている。なお、マニホールド46と反応管42との間には、シール部材としてのOリングが設けられている。マニホールド46が図示しない保持体に支持されることにより、反応管42は垂直に据え付けられた状態となっている。主に、反応管42とマニホールド46とにより反応容器が形成される。この反応容器内に既述した処理室44が形成される。
処理炉40は、基板加熱部として、被誘導体としての被加熱体48、及び、交番磁束発生部としての誘導コイル50を備える。被加熱体48は、処理室44内に配設されている。被加熱体48は、ボート30の上部、ボート30の外周、及びボート30の下部を包むように、円筒形状に形成されている。この円筒状の被加熱体48は、例えば、表面をSiCコーティングしたカーボングラファイトからなる。被加熱体48は、反応管42の外側に設けられた誘導コイル50により発生される交番磁場によって誘導電流(渦電流)が流れて発熱するように構成されている。被加熱体48が発熱することにより、処理室44内が輻射熱で加熱され、処理室44内のウエハ14が処理温度に加熱される。誘導コイル50は、支持体としてのコイル支持柱50aによって支持される。コイル支持柱50aは、絶縁体、例えばアルミナに代表されるセラミック材からなる。なお、誘導コイル50は、処理室44内の基板処理領域43に対応する処理室44外に配置される。これにより、誘導コイル50が交番磁場を発生させると、処理室44内の基板処理領域43が主に加熱される一方で、熱交換領域45にある被加熱体48では渦電流が発生せず、被加熱体が加熱されないように構成されている。ここで、熱交換領域45とは、基板処理領域43の下方に位置して、基板処理領域43からの輻射の遮断及び処理後の高温状態のガスとの熱交換を促進させる領域である。
被加熱体48の近傍には、処理室44内の温度を検出する温度検出体としての図示しない温度センサが設けられている。誘導コイル50及び温度センサには、電気的に温度制御部52(図3参照)が接続されている。温度制御部52は、温度センサにより検出された温度情報に基づき誘導コイル50への通電具合を調節し、処理室44内の温度が所望の温度分布となるよう所望のタイミングにて制御するように構成されている。
被加熱体48と反応管42との間には、この被加熱体48から輻射される輻射熱により反応管42の温度が上昇するのを防いだり、あるいはこの反応管42の外側へ輻射熱が伝達したりするのを抑制する断熱材、例えばフェルト状カーボンで構成される内側断熱壁54が設けられている。内側断熱壁54は、被加熱体48の上部及び外周を包むように設けられ、ボート30の上部、ボート30、及びボート30の下部からの熱が外に逃げないように断熱するようになっている。また、誘導コイル50の外側には、処理室44内の熱が外側に伝達するのを抑制するための、例えば水冷構造である外側断熱壁56が、処理室44を囲むようにして設けられている。外側断熱壁56は、例えば、水冷板56aと水冷パイプ56bとから構成され、反応管42を冷却するようになっている。さらに、外側断熱壁56の外側には、誘導コイル50により発生された交番磁界が外側に漏れるのを防止したり、外部への熱の漏洩を防止したりする筐体カバー58が設けられている。
(ガス供給系)
次に、ガス供給系について説明する。マニホールド46には、処理室44内に処理ガス(例えば、シリコン(Si)系原料ガス、カーボン(C)系原料ガス)等を供給するノズル61,62が貫通するようにして設けられている。ノズル61,62は、基板処理領域
43及び熱交換領域45にわたり鉛直方向に起立してそれぞれ設けられ、処理ガス等の各種ガスを基板処理領域43のウエハ14に対し供給するよう構成されている。ノズル61,62は、主に基板処理領域43に配置され、処理室44内に処理ガス等を供給するノズル上部61a,62aと、主に熱交換領域45に配置され、ノズル上部61a,62aの上流端のそれぞれと接続されたノズル下部61b,62bと、ノズル下部61b,62bの上流端とそれぞれ接続され、ノズル下部61b,62bを下方から支持するインレット部61d,62dと、を備えている。ノズル上部61a,62aには、ボート30に支持されたウエハ毎に処理ガス等を噴出するための噴出孔が設けられている。なお、噴出孔は、数枚のウエハ単位で設けるようにすることもできる。
マニホールド46を貫通したノズル61,62の上流端には、処理ガス等を供給するガス供給管66,69の下流端がそれぞれ接続されている。ガス供給管66は、上流側が分岐管68,67に分岐している。一方の分岐管68の上流端には、例えば図示しないカーボン源と接続されている。分岐管68には、上流側から順にガス流量制御装置としてのMFC(Mass Flow Controller)77、バルブ73が接続されている。他方の分岐管67の上流端には、例えば図示しないキャリアガス供給源と接続されている。分岐管67には、上流側から順にガス流量制御装置としてのMFC76、バルブ72が接続されている。ノズル62を介して処理室44内に供給されるカーボン源、キャリアガスは、MFC77,76により流量制御される。
ガス供給管69は、上流側が分岐管71,70に分岐している。一方の分岐管71の上流端には、例えば図示しないシリコン源と接続されている。分岐管71には、上流側から順にガス流量制御装置としてのMFC79、バルブ75が接続されている。他方の分岐管70の上流端には、例えば図示しないキャリアガス供給源と接続されている。分岐管70には、上流側から順にガス流量制御装置としてのMFC78、バルブ74が接続されている。ノズル61を介して処理室44内に供給されるシリコン源、キャリアガスは、MFC79,78により流量制御される。
バルブ72〜75及びMFC76〜79は、ガス流量制御部80(図5参照)と電気的に接続されており、供給するガスの流量が所望の流量となるよう、所望のタイミングにて制御されるように構成されている。
ここで、図2Bを用いて、代表例のノズル61、62を含むSiC膜堆積を抑制するためのガス供給を行う5つのノズル61〜65について具体的に説明する。なお、ガス供給方式は、Si原子含有ガスとC原子含有ガスとを分離して異なるガス供給ノズルから供給するセパレート方式として説明する。セパレート方式とすると、ガス供給ノズル内でSi原子含有ガスとC原子含有ガスとが混合されないため、ガス供給ノズル内のSiC堆積膜を抑制することができる。まず、ガス供給ノズルの配置について説明する。図2Bは処理室44を上部から見た断面図であり、理解を容易にするため必要な部材のみを記載している。Si原子含有ガスを供給する第1のガス供給ノズル61、63とC原子含有ガスを供給する第2のガス供給ノズル62、64、65とが交互に配置される。このように交互に配置することにより、Si原子含有ガスとC原子含有ガスの混合を促進することができる。また、第1のガス供給ノズル及び第2のガス供給ノズルは、奇数本とすることが望ましい。奇数本とすると、中心の第2のガス供稔ノズル62を中心に処理ガス供給を左右対称とすることができ、ウエハ14内の均一性を高めることができる。
また、C原子含有ガスを供給する第2のガス供給ノズル62を中央、及び第2のガス供給ノズル64、65を両端に配置し、Si原子含有ガスを供給する第1のガス供給ノズル61、63を第2のガス供給ノズルの間に配置しているが、Si原子含有ガスを供給する第1のガス供給ノズル61を中央、及び、第1のガス供給ノズル63、65(便宜上第2
のガス供給ノズル65を第1のガス供給ノズルとする)を両端に配置し、Si原子含有ガスを供給する第2のガス供給ノズル62、64を第1のガス供給ノズルの間に配置するようにしてもよい。なお、C原子含有ガスを供給する第2のガス供給ノズル62を中央、及び、第2のガス供給ノズル64、65を両端に配置し、Si原子含有ガスを供給する第1のガス供給ノズル61、63を第2のガス供給ノズルの間に配置することが望ましい。このように配置することにより、C原子含有ガスと共にキャリアガスとして大量に供給する(場の主流となる)Hの流量比(中央/両端)を調整することでウエハ上のガス流れをコントロールすることができ、面内膜厚の制御が容易となる。
一方、Si原子含有ガスとC原子含有ガスとを同じガス供給ノズルから供給することも可能である(「プリミックス方式」と呼ぶ)。この場合、Si原子含有ガスの還元ガス(本実施形態では、H)をSi原子含有ガスと分離して異なるガス供給ノズルから供給することで、Si原子含有ガスの反応への寄与を小さくすることができる。なお、プリミックス方式を用いる場合は、第1のガス供給ノズル61、63にSi原子含有ガス、C原子含有ガス、及び塩素含有ガスを供給し、第2のガス供給ノズル62、64、65には、還元ガスである水素ガスを供給するほうがよい。このようにすることにより、キャリアガスとして大量に供給する(場の主流となる)Hの流量比(中央/両端)を調整することでウエハ上のガス流れをコントロールすることができ、面内膜厚の制御が容易となる。
この処理炉40の構成において、ノズル61〜65から処理室44内に導入されるガスは、図示しないガス供給源から、対応するガス供給管を通して供給され、MFCでその流量が調節された後、バルブを介して、処理室44内に導入され、ノズル60の噴出孔からウエハ14間に噴出される。なお、処理室44内に供給される処理ガス等は上記のものに限定されることはなく、目的に応じて適宜変更することができる。
(ガス排気系)
炉口部47を構成するマニホールド46の側壁に設けられたガス排気口90aには、処理室44内を排気するガス排気管82の上流端が接続されている。ガス排気管82には、上流側から順に図示しない圧力検出器としての圧力センサ(図示せず)、圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ84、真空ポンプ等の真空排気装置86が接続されている。圧力センサ及びAPCバルブ84には、圧力制御部98(図3参照)が電気的に接続されている。圧力制御部98は、圧力センサにより検出された圧力に基づいてAPCバルブ84の開度を所望のタイミングにて調節するように構成されている。これにより、処理室44内の圧力は所望の圧力に設定される。
ノズル61,62から噴出された処理ガス等は、ガス排気口90aに向かって流れる際、水平姿勢で縦方向に多段に保持されたウエハ間を流れ、ガスがウエハに対し平行に流れ、ウエハ全体が効率的にかつ均一にガスに晒される。
(処理炉の底部構造)
処理炉40の底部には、この処理炉40の下端開口を気密に閉塞するための炉口蓋体としてのシールキャップ102が設けられている。シールキャップ102は、例えばステンレス等の金属からなり、円板状に形成されている。シールキャップ102の上面には、マニホールド46の下端と当接するシール部材としてのOリング(図示せず)が設けられている。シールキャップ102には、回転機構104が設けられている。回転機構104の回転軸106はシールキャップ102を貫通し、保温筒34、熱交換体35を介してボート30に接続されている。回転機構104は、回転されることにより、ボート30に保持されたウエハ14を回転させることができるよう構成されている。シールキャップ102は、処理炉40の外側に設けられた図示しない昇降機構によって垂直方向(矢印方向)に昇降されるように構成されており、これによりボート30を処理炉40に対し搬入搬出す
ることが可能となっている。回転機構104及び昇降機構(図示せず)には、駆動制御部108(図3参照)が電気的に接続されており、所望の動作をするよう所望のタイミングにて制御するよう構成されている。
(制御系)
図3は、本実施形態に係る基板処理装置10の制御部としてのコントローラ152の構成を示す図である。コントローラ152は、温度制御部52、ガス流量制御部80、圧力制御部98、駆動制御部108及び主制御部150を備えている。主制御部150は、例えば、操作部及び入出力部を構成し、基板処理装置10全体を制御する。温度制御部52、ガス流量制御部80、圧力制御部98及び駆動制御部108は、主制御部150に電気的に接続されている。温度制御部52は、誘導コイル50、図示しない温度センサ等と接続されており、温度センサによる温度情報の取得、並びに温度情報に基づいた誘導コイル50への通電量の制御等を行うように構成されている。ガス流量制御部80は、バルブ72〜75、MFC76〜79と接続されており、バルブ72〜75の開閉動作、MFC76〜79による流量制御動作等を行うように構成されている。圧力制御部98は、APCバルブ84、図示しない圧力センサ等と接続されており、圧力センサによる圧力情報の取得、並びに圧力情報に基づいたAPCバルブ84の開度調整の制御等を行うように構成されている。駆動制御部108は、回転機構104、図示しない昇降機構等と接続されており、処理室44内へのボート30の搬入・搬出動作、回転機構104を介してのボート30の回転動作等を制御するように構成されている。
(2)基板処理工程(SiCエピタキシャル層を形成する方法)
次に、上述したように構成された基板処理装置10を用いて、半導体デバイスの製造工程の一工程として、SiCウエハ等の基板上に、例えばSiCエピタキシャル層を形成する方法について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置10を構成する各部の動作は、コントローラ152により制御される。
(ウエハ搬入工程)
まず、ポッドステージ18に複数枚のウエハ14を収容したポッド16を載置する。そして、ポッド搬送装置20によりポッド16をポッドステージ18からポッド棚22上に移載する。さらに、ポッド搬送装置20により、ポッド棚22上に載置されたポッド16をポッドオープナ24に搬送する。その後、ポッドオープナ24によりポッド16の蓋を開き、ポッド16に収容されているウエハ14の枚数を基板枚数検知器26により検知する。
次いで、基板移載機28により、ポッドオープナ24の位置にあるポッド16からウエハ14を取り出し、ボート30に移載する。これにより、ボート30は、複数枚のウエハ14を鉛直方向にそれぞれが間隔を成すように保持する。一括処理するウエハ14の枚数としては、例えば25枚〜100枚である。これにより、量産性を高めることができる。
複数枚のウエハ14をボート30が装填すると、昇降機構の昇降動作(図2A中の矢印参照)により、複数枚のウエハ14を保持したボート30を処理室44内へ搬入(ボートローディング)する。この状態で、シールキャップ102はOリングを介してマニホールド46の下端をシールした状態となる。
(圧力調整工程及び昇温工程)
処理室44内が所望の圧力(真空度)となるように真空排気装置86によって真空排気する。この際、処理室44内の圧力は、圧力センサで測定され、この測定された圧力に基づきガス排気管82に対応するAPCバルブ84がフィードバック制御される。
また、被加熱体48の外側から誘導コイル50により被加熱体48を誘導加熱する。そして、被加熱体48から発せられる輻射熱により、ボート30に保持されたウエハ14や処理室44内を、例えば1500℃〜1800℃の温度範囲に加熱する。この際、処理室44内が所望の温度分布となるように、温度センサが検出した温度情報に基づき誘導コイル50への通電具合をフィードバック制御する。
続いて、回転機構104により、ボート30を回転させ、これに伴いウエハ14も回転させる。ウエハ14の回転は、後述するウエハ14の搬出まで継続して実施する。
(ガス供給工程及び処理工程)
続いて、図2Aにおいて、ガス供給源(図示せず)から代表例として示される第1のガス供給ノズル61にSi原子含有ガスを、第2のガス供給ノズル62にC原子含有ガスをそれぞれ供給する。所望の流量となるように、第1のガス供給ノズル61、第2のガス供給ノズル62に対応するMFC76〜79の開度を調節した後、バルブ72〜75を開き、MFC76〜79により流量制御を行いながら、それぞれの処理ガス等をガス供給管66〜71を介して第1のガス供給ノズル61、第2のガス供給ノズル62に供給する。第1のガス供給ノズル61、第2のガス供給ノズル62は、ノズル上部61a,62aの噴出孔から処理ガス等を処理室44内の基板処理領域43へ供給する。第1のガス供給ノズル61、第2のガス供給62から供給された処理ガス等は、ウエハ14上に供給される。ウエハ14上を通過した後、熱交換領域45のガス流通経路170を流通し、その後、ガス排気管82から排気される。
実際には、図2Bに示すように、ウエハ14上に、第1のガス供給ノズル61、63からSi原子含有ガスが、第2のガス供給ノズル62、64、65からC原子含有ガスがそれぞれ供給される。このガス供給工程では、Si原子含有ガスを供給する第1のガス供給ノズル61、63とC原子含有ガスを供給する第2のガス供給ノズル62、64、65とが交互に配置されていることにより、Si原子含有ガスとC原子含有ガスの混合が促進される。また、第1のガス供給ノズル及び第2のガス供給ノズルが、奇数本とされているので、処理工程では、中心の第2のガス供給ノズル62を中心に処理ガス供給を左右対称とすることができ、ウエハ14内の均一性が高まる。
基板処理領域43の処理ガス等は、ウエハ14上を通過する際にウエハ14と接触し、ウエハ14の表面上にSiCエピタキシャル層を成長させる。また、熱交換領域45の高温状態の処理ガス等は、ガス流通経路170を通過する際に熱交換体35と接触し、熱交換により冷却される。冷却された処理ガス等が炉口部47に放出されるので、炉口部47の温度上昇が抑制される。さらに、熱交換された熱は熱交換体35の断熱機能によって炉口部47方向への輻射を遮断される。炉口部47方向への輻射が遮断されるので、炉口部47の温度上昇が抑制される。
(降温工程及び大気圧復帰工程)
予め設定されたエピタキシャル成長時間が経過したら、誘導コイル50への交流電力の供給を停止する。そして、被加熱体48、ボート30及びウエハ14の温度を所定の温度(例えば600℃程度)にまで降温させる。
また、予め設定された時間が経過したら、バルブ72〜75を閉じて処理室44内へのガス供給を停止するとともに、図示しない不活性ガス供給源から処理室44内への不活性ガスの供給を開始する。これにより、処理室44内を不活性ガスで置換するとともに、処理室44内の圧力を常圧に復帰させる。
(ウエハ搬出工程)
その後、昇降機構によりシールキャップ102を下降させて、マニホールド46の下端を開口させるとともに、処理済のウエハ14を保持したボート30を、マニホールド46の下端から反応管42の外部に搬出(ボートアンローディング)する。そして、ボート30に支持された全てのウエハ14が冷えるまで、ボート30を所定位置で待機させる。待機させたボート30のウエハ14が所定温度(例えば室温程度)まで冷却されると、基板移載機28により、ボート30からウエハ14を取り出し、ポッドオープナ24に載置されている空のポッド16に搬送して収容する。その後、ポッド搬送装置20により、ウエハ14が収容されたポッド16をポッド棚22上又はポッドステージ18上に搬送する。このようにして、本実施形態にかかる基板処理装置10による基板処理工程の一連の処理動作が完了する。
(3)炉口部に対する断熱構造
次に、本実施形態に係る基板処理装置10における特徴的な構成である、処理炉40の炉口部47に対する断熱構造について概要を説明する。
上述したように、処理炉40の処理室44内には、ウエハ14が熱処理される基板処理領域43が形成される。基板処理領域43は、ウエハ14上でSiCエピタキシャル成長を行わせる基板処理を実施する際、例えば1500〜1800℃の高温に保たれる。基板処理領域43の下方には、炉口部47が存在している。
ところで、ウエハ14上でSiCエピタキシャル成長を行わせる際、基板処理領域43からの大きな輻射熱により、炉口部47の温度が上昇してしまう。また、一般に、SiCのエピタキシャル成長を行わせるためには、シリコン含有ガスや炭素含有ガスとともに、これらのガスをウエハ14に供給させる大量のキャリアガス(例えばHガス)を必要とする。そのため、キャリアガスによって基板処理領域43から炉口部47へ大きな熱エネルギが輸送されることは前述した通りである。
その一方で、炉口部47で真空シールとして用いられるOリングの耐熱温度は、例えば300℃程度である。また、回転機構104の回転軸106の軸受部分でシール材として用いられる磁性流体の耐熱温度は、例えば100℃程度である。そのため、Oリングや磁性流体を保護するためには、何らかの方策で、炉口部47におけるそれぞれの温度を、耐熱温度以下に保つ必要がある。
そこで、本実施形態では、図2Aに示すように、炉口部47を耐熱温度以下に保つべく、基板処理領域43と炉口部47との間に熱交換領域45を設けることとした。
熱交換領域45には、基板処理領域43から炉口部47への熱輸送を抑えるための構造物(以下、単に「熱交換構造物」ともいう。)の一つとして、熱交換系が配設されている。熱交換系は、基板処理領域43からの輻射を遮断すると同時に、基板処理領域43から炉口部47へ流通する処理後の高温状態の処理ガス等と積極的に熱交換を行うように構成されている。これにより、基板処理領域43からの処理ガス等は、炉口部47に到達するまでに十分に冷却されるように構成されている。
また、熱交換系の下方側の炉口部には、熱交換構造物の他の一つとして、断熱系を配設している。断熱系は、主に回転機構104の磁性流体への熱輸送を抑えるように構成されている。これにより、基板処理領域43からの熱が、炉口部47、特に磁性流体を用いた回転軸106の軸受部分に対して極力伝わらないようにすることができる。すなわち、炉口部47内の回転軸106が露出された状態にしておくと、輻射による上方からの熱のみならず、高温の処理ガス等に曝されることによって、温度が上昇してしまうおそれがあるが、熱交換領域45に断熱系を設けることによって、回転軸106のシール材として用い
ている磁性流体を耐熱温度(例えば100℃程度)以下に保つことが可能になる。
また、熱交換領域45には、基板処理領域43から炉口部47へ到るガス流通経路170を狭めて処理後の高温状態の処理ガス等と積極的に熱交換を行う熱交換系を設けている。これにより、基板処理領域43からの処理ガス等は、炉口部47に到達するまでに十分に冷却される。この場合、ガス流通経路170のノズル配置部には、ノズル60と干渉するため、非ノズル配置部のようにガス流通経路170を狭める熱交換系を設けることは困難である。そこで、本実施形態では、ノズル配置部にガス流通経路170を狭めるための別な熱交換系を設けている。ノズル配置部においてもガス流通経路170が狭まるようにしたことで、高温の処理ガスを冷却して炉口部47を構成する部材の熱劣化等を抑制することが可能となる。
また、本実施の形態では、ガス流通経路170の間隙よりも、ノズル60から複数のウエハ14までの距離を大きくすることによりガス供給空間を広くして、複数種のガスを効率よく混合することができるようにしている。これにより、基板面間/面内の均一性を向上させることが可能となる。また、ノズル60から複数のウエハ14までの距離よりも、ガス流通経路170の間隙を小さくすることにより、処理後の高温状態のガスを、狭くなったガス流通経路170に流している。これにより、熱交換が促進され炉口部47の温度を低くすることが可能となる。
以下、これらの熱交換構造物について順に説明する。図4は、本実施形態に係る処理炉の下部構造の構成例を示す縦断面図である。図5は、本実施形態に係る処理炉の下部構造の具体的な縦断面図である。なお、図4においては、ノズルの代表例としてノズル60が図示されているが、例えばノズル61やノズル62の場合にも適用され、さらには、複数本のノズルが配置されている場合にも適用される。
(熱交換系)
熱交換系は、筒状の熱交換体35と、第1のガス流通経路制限部36と、第2のガス流通経路制限部60cと、を有する。熱交換系は、第1のガス流通経路制限部36、第2のガス流通経路制限部60cが、筒状の熱交換体35の外周を取り囲むように配置されて構成されている。熱交換体35と、第1のガス流通経路制限部36及び第2のガス流通経路制限部60cとは所定の間隙を有するように配置されている。かかる間隙により、基板処理領域43から炉口部47に向かって高温状態の処理ガスが流通する筒状のガス流通経路170が構成されている。熱交換系を構成する熱交換体35、第1のガス流通経路制限部36、第2のガス流通経路制限部60cは、エピタキシャル成長を実施する1500〜1800℃の高温に耐え得る部材(例えば、カーボン)でそれぞれ構成されている。
(熱交換体)
ボート30の下部の熱交換領域45には熱交換体35が配置されている。熱交換体35は、ボート30を下方側から支持し、基板処理領域43から炉口部47に向けてガス流通経路170内を流れる処理後の高温状態の処理ガス等と熱交換するように構成されている。熱交換体35は、図5に示すように、処理ガス等が流れる方向に沿って上下に延びる中空筒状の中空筒351と、中空筒351の内部空間を複数の空間に区画する区画壁352と、を有する。中空筒351は、ウエハ14の形状に対応して、例えば水平方向の断面形状が円環状の筒状(すなわち円筒状)に形成されている。区画壁352は、複数の円板状部材が水平姿勢で多段に配置され、これにより、中空筒351内に複数の区画された内部空間が構成されている。中空筒351及びそれぞれの区画壁352には、空間にある雰囲気を前記空間外へ逃がす貫通孔353が形成されている。
熱交換体35は、ガス流通経路170内を流通する処理ガス等と熱交換体35を構成す
る部材との間で熱交換を行うように構成されている。これにより、高温状態のガスは、熱交換領域45下方の炉口部47へ到達するまでに冷却されるようになっている。また、熱交換体35内に区画壁352を設けることで、熱交換体35は、基板処理領域43から炉口部47への輻射による熱伝達を抑制するように構成されている。
(第1のガス流通経路制限部)
熱交換体35の外周には、図4に示すようにノズル下部60bの配置空間を除く熱交換体35の外周を覆うように第1のガス流通経路制限部36が配置されている。上記配置空間は、ノズル下部60bによって占有されている空間であり、第1のガス流通経路制限部36を配置できない空間である。第1ガス流通経路制限部36は、この配置空間を除く熱交換体35の外周を覆うように配置されるので、図2Bに示すように、平面視で逆C字の形状をしている。
図4に示すように、第1のガス流通経路制限部36は、熱交換体35と所定の間隙t170を置いて対向して配置されている。第1のガス流通経路制限部36は、熱交換体35との第1のガス流通経路170bの間隔を狭め、第1のガス流通経路170bを流れるガス流量を制限して、第1のガス流通経路170bを流れる高温状態の処理ガス等と熱交換を促進するように構成されている。
第1のガス流通経路制限部36は、図5に示すように、処理ガス等が流れる方向に沿って上下に延びる中空筒361と、中空筒361の内部空間を複数の空間に区画する区画壁362とを有する。区画壁362は、複数の円弧状部材が水平姿勢で多段に配置され、これにより、中空筒361内に複数の区画された内部空間が構成されている。区画壁362には、空間にある雰囲気を前記空間外へ逃がす貫通孔363が形成されている。
熱交換体35は、第1のガス流通経路170b内を流通する処理ガス等と熱交換体35を構成する部材との間で熱交換を行うように構成されている。これにより、高温状態のガスは、熱交換領域45下方の炉口部47へ到達するまでに冷却されるようになっている。第1ガス流通経路制限部36内に区画壁362を設けることで、第1ガス流通経路制限部36は、基板処理領域43から炉口部47への輻射による熱伝達を抑制するように構成されている。
図4に示すように、第1のガス流通経路制限部36の水平方向の厚さt36は、第1のガス流通経路170bの所定の間隙t170よりも大きく構成されている(t36>t170)。これにより、第1のガス流通経路制限部36の内部空間の容積が、ガス流通経路170の容積よりも大きくなるように構成されるため、第1のガス流通経路制限部36による処理ガス等との熱交換がより促進される。
なお、熱交換体35、第1ガス流通経路制限部36は、例えば、中実柱状に形成することも出来るが、断熱効果の点から上述したような中空筒状に形成することが好ましい。また、熱交換体35および第1ガス流通経路制限部36が中空筒状で形成される場合、中空筒351,361は処理ガス等が流入しないような構造が好ましい。また、中空筒351,361は、中空筒351,361内部が一つの空間をなすように、区画壁を設けないようにすることもできるが、輻射熱をより多く遮断する点から、鉛直方向に複数の区画された空間を成すように、上述したように中空筒351,361内に複数の区画壁352,362が設けられていることが好ましい。この場合、区画壁352,362を中空筒351,361と一体的に形成して、熱交換体35、第1のガス流通経路制限部36を構成することも可能である。
(第2のガス流通経路制限部)
ノズル60のノズル下部60bには、図4に示すように、第2のガス流通経路制限部60cが設けられている。第2のガス流通経路制限部60cは、熱交換体35の外周部から除かれたノズル下部60bの配置空間を埋めるように設けられている。第2のガス流通経路制限部60cは、ノズル下部60bと熱交換体35との間に設けられている。第2のガス流通経路制限部60cは、熱交換体35との第2のガス流通経路170aの間隔を狭め、第2ガス流通経路170aを流れるガス流量を制限して、第2ガス流通経路170aを流れる高温状態の処理ガス等と熱交換を促進するように構成されている。
第2のガス流通経路制限部60cは、ノズル下部60bと別体に設けられるようにしても、あるいは一体的に設けられるようにしてもよい。第2のガス流通経路制限部60cがノズル下部60bと一体的に設けられようにする場合には、ノズル下部60bの外周に第2のガス流通経路制限部60cを装着するようにしてもよい。例えば、第2ガス流通経路制限部60cに挿入穴を設けて、この挿入穴に、ノズル下部60bを挿入することにより装着するようにする。または、ノズル下部60bの外形を拡大するようにして、ノズル下部60bに第2のガス流通経路制限部60cを一体に有するようにしてもよい。
第2ガス流通経路制限部60cは、図5に示すように、ノズル下部60bそのものを第2のガス流通経路制限部60cとしている。この第2ガス流通経路制限部60cは、処理ガス等が流れる方向に沿って上下に延びる中実体601cと、上部ノズルと連通するノズル下部穴602cと、を有する。中実体601cは、配置空間の形状に対応して、例えば水平方向の断面形状が角形に形成されている。ノズル下部穴602cは、中実体601cを貫通するように設けられている。中実体601cには、基板処理領域43から炉口部47への熱伝導による熱伝達を抑制するスリットが形成されている。
第2のガス流通経路制限部60cは、ノズル下部と一体的に設けるか別体に設けるかにかかわらず、第2のガス流通経路制限部60cと熱交換体35との間におけるガス流通経路170aの間隙Bが、第1のガス流通経路制限部36と熱交換体35との間におけるガス流通経路170bの間隙t170と略同等(B≒t170)となるように配置する。このように第2のガス流通経路制限部60cを配置することにより、第1のガス流通経路制限部36及び第2のガス流通経路制限部60cによって、熱交換体35の外周に間隙が一様に狭められた円筒状のガス流通経路に形成される。したがって、基板処理領域43からの処理ガス等は、熱交換体35との熱交換が一層促進され、炉口部47に到達するまでに十分に冷却される。
(基板及び熱交換部のノズルとの間隙)
また、本実施の形態において、第2のガス流通経路制限部60cから熱交換体35までの第2ガス流通経路170aの間隙Bが、基板処理領域43に配置され噴出孔を有するノズル上部60aからウエハ14までのガス供給空間49の距離(間隙)Aより小さく設定されるよう構成されている。これにより、熱交換領域45においては、ガスの流路が狭くなるため、熱交換領域45における熱交換が一層促進され、炉口部47の温度上昇が抑えられる。また、基板処理領域43においては、ノズル上部60aとウエハ14との間隙が大きくなり、ガス供給空間49が広げられるため、複数のノズル60から供給される複数種類の処理ガス等を効率よく混合させることができる。したがって、ウエハ14面内、ウエハ14面間における基板処理の均一性が向上される。
(断熱系)
図5に示すように、断熱系は、保温筒34と、断熱リング37と、を有する。保温筒34及び断熱リング37は、いずれも、熱交換体35より熱伝導率の小さい材料によって構成される。かかる材料としては、例えば熱交換体35がグラファイト(C)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性材料であれば、これよりも熱伝導率の小さい石英を用いればよい。基
板処理領域43から1500〜1800℃といった高温のキャリアガスが流れてくる場合であっても、熱交換体35での熱交換によってガスの温度が十分低くなっているので、保温筒34及び断熱リング37については、石英等の断熱性能に優れた材料を用いることが可能である。
保温筒34は、熱交換体35の下方に配置されている。保温筒34は、上下方向に積層された複数の板状部材341と、複数の板状部材341を支持する柱状部材342と、を有して構成される。このような構成により、保温筒34は、複数の板状部材341によって熱輻射を多段に反射させて、熱エネルギを処理室44の内部に保つようにすることで、耐熱性が低い炉口部47(特に磁性流体を用いた回転軸106)を効率的に輻射から守るようになっている。
断熱リング37は、保温筒34の側方を囲うように、シールキャップ102の上面から熱交換体35の側に向けて突設されている。そして、断熱リング37の水平方向の直径は、熱交換体35の水平方向における直径以下となっている。つまり、断熱リング37の直径は、熱交換体35の外周の直径と同じか、又はかかる直径よりも小さく形成されている。このような構成により、断熱リング37は、熱交換体35の外周側壁に沿って流れてきたガスが、断熱リング37の内周側、すなわち回転軸106が配された側へ行かないようにし、回転軸106の近傍の温度上昇を効率的に抑制するようになっている。
(第2のガス流通経路制限部の具体例)
図5においてノズル下部61bの具体的な斜視縦断面図が示されているが、ここでは、図6を用いて、さらにノズル下部61bの全体構造、及び配置図を説明する。図6は、第2ガス流通経路制限部を具体的に実施するための一実施の形態のノズルの説明図であって、図6(a)は複数ノズルの共通の縦断面図、図6(b)は複数ノズルの配置例を示す。
ノズル60は、グライファイトからなる5本のノズル61〜65から構成されている。図6(a)に示すように、各ノズル60のノズル上部60aには複数の噴出孔60pが設けられている。ノズル下部60bには第2のガス流通経路制限部60cが設けられる。ノズル下部60bの下端には石英からなるガス導入用のインレット部60dが設けられている。第2ガス流通経路制限部60cは、ノズル下部60bの断面外形を角形状とした角形ノズル60c(61c〜65c)としてノズル下部60bと一体に構成されている。角形ノズル61c〜65cは、図6(b)に示すように、角柱で構成され、その角柱の長さ方向にノズル穴が形成されている。ノズル上部60aは断面外形を円形とした丸形ノズルで形成されている。この丸形ノズルからなるノズル上部60aと、角形ノズル60cからなるノズル下部60bとは、ノズル穴の中心軸Nが一致するように、例えば取付け具によって一体的に連結されている。
なお、熱交換のみを考慮すれば、ノズル60と熱交換体35との間の第2のガス流通経路170aに、第2ガス流通経路制限部60cをノズル60と別体に設けることも考えられる。しかし、第2ガス流通経路制限部60cを別体に設ける場合、ノズル60を設置する前、又はノズル60を設置した後に、あらためて第2ガス流通経路制限部60cを設置する必要があり、一体的に設ける場合に比してメンテナンス性が落ちる。したがって、上述したように、第2ガス流通経路制限部60cはノズル60と一体に設けるのが好ましい。
5本のノズルはノズル配置空間に弧状に配置される。図6(b)に示すように、これらのノズル下部60bとしての角形ノズル61c〜65cは、熱交換体35の外周の一部であって、平面視で逆C字形をしている第1ガス流通経路制限部36のギャップに形成される弧状の配置空間に、弧状に近接配置される。弧状に近接配置された複数の角形ノズル6
1c〜65cは、図示例では、同一形状をしており、平面視で略台形をしている。略台形をした複数本の角形ノズルで弧状の配置空間を埋めるため、これらの角形ノズル61c〜65cは、略台形の平行な上辺と下辺のうち、下辺よりも短い上辺が熱交換体35側に、上辺より長い下辺が被加熱体48側に向くよう配置する。略台形の4つの側面のうち、上辺を持つ側面が熱交換体35と対向する所定面60m(61m〜65m)となる。
弧状に近接配置される複数の略台形ノズルを作製するには、概念的に言えば、逆C字形をしている第1ガス流通路制限部36と同等な内径と外形とを有して、略台形の高さ分の側壁厚さをもつ円筒から、複数台分の弧状長さを有する弧状片を切り出す。切り出した弧状片を縦方向に等分割して複数の略台形柱を得る。そして、略台形柱の中にガスの通る縦穴を形成する。
図6(a)に示すように、ノズル下部60bの下端に、ノズル60にガスを導入するための筒形のインレット部60dが挿入されて、ノズル60がインレット部60dに対して取り外し可能に接続されている。このインレット部60dはマニホールド46に取り付けられている(図4、図5参照)。ノズル60が取り外し可能に設けられていることによって、ノズル毎に第2ガス流通経路170aの間隙調整が可能となり、熱交換が一層促進され炉口部47の温度を低くすることが可能となる。したがって、炉口部材の一層の長寿命化を達成することができる。特に、各ノズル60に第2ガス流通経路制限部60cが一体的に設けられていると、ノズル60の取り外しを行うことで第2ガス流通経路制限部60cも取り外し可能となり、メンテナンス性が向上する。
また、インレット部60dは、例えばL字形に曲げられていて、マニホールドに取り付けられる水平部と、鉛直方向に立ち上がってノズル下部60bと接続される立上がり部とを有する。インレット部60dの立ち上がり部の中心軸Iは、ノズル60の中心軸Nと一致させて配置するようにしてもよいが、実施の形態によっては、偏芯させる場合もある。
図6(a)は、そのように偏芯させている場合を示す。すなわち、ノズル60のノズル下部60bに接続されるインレット部60dの立ち上がり部の中心軸Iは、ノズル60の中心軸Nよりも反応管の径方向内方(熱交換体35側)にずれている。なお、図示例では、ノズル下部60bとノズル上部60aとの中心軸Nが一致している場合を示しているが、ノズル下部60bとノズル上部60aとの中心軸Nが一致していない場合には、ウエハと対向するノズル上部60aの中心軸に対して、インレット部60dの立ち上がり部の中心軸Iが径方向内方にずれていればよい。
図4に示すように、インレット部60dを偏芯させて取り付けることによって、ノズル上部60aからウエハ14までのガス供給空間49の間隙Aを増やすことができる。したがって、ノズル上部60aの噴出孔をウエハ14から遠ざけることができ、各ノズル60の噴出孔から搬出される複数種のガスをガス供給空間49内で効率よく混合することができる。また、インレット部60dのずれ分だけインレット部60dを径方向内方へ押し込めることができる。それに伴ってマニホールド46の径を小さくすることができ、小さくなった分だけ、反応管42の下部領域にスペースSを設けることができる。このスペースSには、例えば、放射温度計などを配置することができる。
図6において、第2ガス流通経路制限部60cとしての角形ノズル60cの熱交換体35と対向する所定面60mは全面を平面で構成しても良いが、実施の形態によっては所定面にスリットを設けても良い。図6(a)に示す角形ノズル60cはこのようなスリット60sを設けた場合を示す。すなわち、各ノズル60のそれぞれに設けられた角形ノズル60cの所定面60mには、角形ノズル60cを炉口部方向に伝わる熱伝導を軽減するためのスリット60sが設けられている。スリット60sは、角形ノズル60cのノズル穴
の中心軸方向に等間隔に複数本設けられる(図10参照)。スリット60sの向きは中心軸と交差する方向に設けられる。スリット60sの深さは、熱伝導軽減効果を上げるために、機械的強度が許す範囲で、ノズル下部60bのノズル穴の近傍まで達するように設けられていることが好ましい。このように角形ノズル60cにスリット60sが設けられていることにより、熱伝導を軽減し、炉口部を熱ダメージから守ることができる。
また、複数本のノズル61〜65間の位置は相互に保持されることが好ましい。図6(b)にノズル間が相互に保持される形態を示す。すなわち、複数本のノズル61〜65のそれぞれに設けられた第2ガス流通経路制限部61c〜65cのスリット60sに、複数本のノズル60の相対位置を保持する弧状部材60tが共通にはめ込まれている。弧状部材60tは例えば円弧状の板で構成することができる。円弧状板は、熱伝導の軽減効果が阻害されないように、できるだけスリット60sの奥に押し込まれるようにはめ込む。また、円弧状板は、各ノズルの同じ高さ位置にある少なくとも1つにスリット間にはめ込まれればよい。このように、スリット10sに弧状部材60tをはめ込むことで、複数のノズル61〜65間の相互の傾きを抑えることができる。
(シミュレーション結果)
ここで、第2のガス流通経路制限部60cにスリット60sが設けられた場合と、スリット60sが設けられていない場合とにおける処理室内の温度シミュレーション結果を示す。図7は、スリット60sが設けられた場合の温度シミュレーション結果を示す図である。図8は、スリットが設けられていない場合の温度シミュレーション結果を示す図である。SiCのエピタキシャル成長温度は1500℃〜1800℃であるため、これらのシミュレーションでは、基板処理領域43の温度を1600℃とし、処理炉外の温度を室温としている。なお、等温線は、便宜上、1500℃から表示している。
図7、図8を比較すると、第2のガス流通経路制限部60cにスリット60sを設けた場合における基板処理領域43からの処理ガス等は、炉口部47のシールキャップ102に到達するまでに、スリット60sを設けない場合よりも数度低くなっていることがわかる。これによれば、スリット60sにおいて、基板処理領域43から炉口部47への熱伝導が低減されていることが分かる。また、スリット60s付近では、第2のガス流通経路制限部60cの温度変化が大きくなっている。これによれば、スリット60sにおいて、ガス流通経路170aを流通する高温状態の処理ガス等と第2のガス流通経路制限部60cとの熱交換が促進されたことで処理ガス等の温度が低下していることが分かる。このように、スリット60sを設けて第2のガス流通経路制限部60cの炉口部47に到達するまでの温度が低下することにより、炉口部47内の温度も低下している。例えば、回転軸106の温度は、スリット60sを設けることにより、スリットを設けないときの307℃から300℃まで低下していた。また、シールキャップ102とマニホールド46との接合部付近の温度は、Oリングの耐熱温度である300℃以下となっていた。さらに、回転軸106の軸受部分に用いられる磁性流体の温度は耐熱温度以下の100℃以下となっていた。
(4)第1実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、ノズル下部60bの配置領域を埋めるように第2のガス流通経路制限部60cが設けられ、熱交換体35の外周の全周にわたってガス流通経路170の間隙がほぼ均一になるように構成されている。この構成によれば、ノズル下部60b付近におけるガス流通経路170の流路の間隙を狭め、ガス流通経路170を流通する高温状態の処理ガス等との熱交換を促進させることができる。これにより、炉口部47の温度上昇を抑えることができる。したがって、炉口部47を構成する各部材の熱劣化等を抑え
ることができ、これらの部材の長寿命化を達成させることができる。
(b)また、第2のガス流通経路制限部60cから熱交換体35までのガス流通経路170の間隙Bが、基板処理領域43に配置されるノズル上部60aからウエハ14までのガス供給空間49の間隙Aより小さく設定されている。この構成によれば、熱交換領域45では、ガス流通経路170の間隙を狭め、ガス流通経路170を流通するガス流量が制限されるので、処理後の高温状態の処理ガス等との熱交換を促進させることができる。これにより、炉口部47の温度上昇を抑えることができる。したがって、炉口部47を構成する各部材の熱劣化等を抑えることができ、これらの部材の長寿命化を達成させることができる。また、基板処理領域43では、ノズル上部60aとウエハ14との間のガス供給空間49の間隙Aが広げられるので、ウエハ14に対して均一に処理ガス等を供給することができる。これにより、ウエハ14に供給される処理ガス等の供給むらを抑え、ウエハ14面間及び面内の基板処理の均一性を向上させることができる。また、複数のノズルから複数種類の処理ガス等を供給する場合には、ウエハ14へ処理ガス等を供給する前に、ガス供給空間49において処理ガス等の混合を十分に行うことができ、この場合にもウエハ14面間及び面内の基板処理の均一性を向上させることができる。
(c)また、第1のガス流通経路制限部36の水平方向の厚さt36は、ガス流通経路170の水平方向の間隙t170よりも大きく構成されている。この構成によれば、第1のガス流通経路制限部36の内部空間の容積を、ガス流通経路170の容積よりも大きくすることができるので、第1のガス流通経路制限部36において高温状態の処理ガス等との熱交換をより促進させることができる。これにより、炉口部47の温度上昇をより抑えることができる。したがって、炉口部47を構成する各部材の熱劣化等をより抑えることができ、これらの部材の長寿命化を達成させることができる。
(d)また、第2のガス流通経路制限部60cは、取り外し可能なノズル下部60bと一体に装着された構成となっている。この構成によれば、ノズル60を交換する際に、第2のガス流通経路制限部60cも同時に取り外すことができるので、第2のガス流通経路制限部60cの交換に要する時間を短縮することができ、メンテナンス性を向上させることができる。
(e)また、インレット部60dは、垂直部の中心軸がノズル上部60aの中心軸よりも熱交換体35側にずれる(偏芯する)ように配置されている。この構成によれば、ノズル上部60aの噴射孔60pをウエハ14から遠ざけて、ノズル上部60aとウエハ14との間に形成されるガス供給空間49が広げられるため、複数のノズルから供給される複数種類の処理ガス等を効率よく混合させることができる。したがって、ウエハ14に対する処理ガス等の供給むらが抑えられ、ウエハ14面内及び面間における基板処理の均一性を向上させることができる。また、マニホールド46のフランジの径を小さくすることができるため、反応管42の下側の領域(マニホールド46の外側領域)を広げることができる。
(f)また、第2のガス流通経路制限部としての角形ノズル60cの所定面60mには、スリット60sが形成されている。この構成によれば、スリット60sにより熱伝導が遮られるので、角形ノズル60cを炉口部47方向に伝わる熱伝導を軽減させることができる。これにより、基板処理領域43側の高温の熱が、炉口部47側へ伝わりにくくすることができ、炉口部47の温度上昇を抑えることができる。
(g)また、複数のノズル60に設けられたスリット60sに、ノズル60間の相対位置を保持する弧状部材60tが共通にはめ込まれている。この構成によれば、ノズル60間における相互の傾きが抑えられるため、ノズル60の相対位置を保持させることができる
。また、弧状部材60tを設けることによりノズル60の振動を抑制し、処理ガス等のガス供給方向を安定させることができる。
<本発明の第2の実施の形態>
(概要)
ここでは、基板処理装置10が、さらに複数の基板への処理ガスの流れを規制するために複数の基板を挟むように設けられた一対の規制部と、ノズルは複数のノズルであって、各ノズル下部にガス流通経路制限部をそれぞれ有しており、一対の規制部のガス流入口となる弧状の隙間に弧状に並べられる複数のノズルとを備える。そして、複数のノズル下部の各ガス流通経路制限部によって狭められるガス流通経路の間隙を調整するために、前記複数のノズルの両端に並べられるノズルのうちいずれか一端のノズルのみ構造を異ならせるようにした実施の形態について説明する。一対の規制部の隙間にガス流通経路制限部を設ける場合、いずれか一端のノズルの構造のみを異ならせることで、熱交換部の外周に形成されるガス流通経路の間隙を均等化するためのノズル配列が容易になる。
いずれか一端のノズルの構造のみを異ならせる例としては、ノズル上部を円形ノズルで構成しノズル下部を角形ノズルで構成したノズル(図10参照)において、さらに角形ノズルを略台形ノズル(図10(a)、(b)参照)、と矩形ノズル(図10(c)、(d)参照)とから構成する。このうち矩形ノズルで構成したものを、いずれか一端のノズルとするものがある(図9参照)。
このような第2の実施の形態の規制部及びノズル構造を図9及び図10を用いて説明する。図9は、図5のVII−VII線を通る水平面で処理炉を切断した全横断面図に対応する図である。図10は構造の異なる2種類のノズルを示す説明図であり、(a)は略台形ノズルを備えたノズルの斜視図、(b)は同平面図、(c)は矩形ノズルを備えたノズルの斜視図、(d)は同平面図を示す。ノズルの符号には200番台を付してある。なお、図10においては、図9に示す4本の略台形ノズルを備えたノズル261、262、263、265のうち、ノズル261が代表例として図示されている。略台形ノズルを第1ノズル、また矩形ノズルを第2ノズルということもある。
(規制部)
基板処理領域では、一対の規制部85が、ウエハ14の周端面の一部を挟むようにウエハ14中心に対して対称に設けられている。一対の規制部85のガス流入口となる弧状の隙間はガス供給部側に開き、ガス流出口となる円弧状の隙間は排気口側に開いている。規制部85は例えば薄板状の一対の規制板材から構成される。一対の規制部85は、ボート30の外周例えば両側面に、積層された複数のウエハ14の周端面を水平方向から挟むように対向して設けられる。規制部85は、その円弧状部が、ボート側面を、少なくとも180°より小さい挟角(ウエハ中心から規制部の両端を水平方向に見たときの開き角度)、図示例では略90°前後の挟角をもって覆っている。規制部85は熱交換部35の頂部近傍からボート30の頂部近傍まで鉛直方向に円弧状に延在している。一対の規制部85は、例えば熱交換体35の上に載置される。規制部85は、耐熱部材、例えばカーボンからなる。
上述したように構成された一対の規制部85は、5本のノズル261〜265から噴出される処理ガスの水平方向および鉛直方向の流れを水平方向、鉛直方向に制御する。水平方向の制御では効率的にウエハ面内にガスを供給し、鉛直方向の制御ではウエハ面間に均一に処理ガスを供給してウエハ面間のエピタキシャル層の均一性を改善する。
(ノズル構造)
複数本のノズル261〜265は、噴出孔を有するノズル上部が一対の規制部85の間
に形成された円弧状の配置空間に円弧状に配置される。また、第2ガス流通経路制限部261c〜265cを有するノズル下部が、逆C字の形をした第1ガス流通経路制限部36の円弧状のギャップ間に配置される。
図9に示すように、ノズル261〜265は、噴射孔を有するノズル上部が円形ノズルで構成され、第2のガス流通経路制限部を有するノズル下部が、横断面外形を角形状とした複数の角形ノズルで構成される。ノズル下部を構成する角形ノズルは、この角形ノズルの所定面を熱交換体35の外周部に向けて円弧状に近接配置されるよう、熱交換体35の外周に弧状に配列される。なお、ノズル相互を密着配置ではなく近接配置するのは、熱膨張によりノズル同士が接触してノズルが破損しないようにするためである。一端から他端に円弧状に近接配置された複数の角形ノズルのうち、一端から他端の一つ手前までの角形ノズルは、上辺より下辺が長い同一形の略台形ノズル261c、262c、263c、265cをなし、他端に配置された角形ノズルは前記略台形ノズルとは異形の矩形ノズル264cをなしている。略台形ノズル261c、262c、263c、265cにあっては、熱交換体35の外周部に向けられる所定面を台形の上辺に対応する上辺対応面とし、矩形ノズル264cにあっては矩形の短辺に対応する短辺対応面としている。
上述した略台形ノズル261cは、図6(b)に示す台形ノズルと形状が似ているが、下辺対応面側の2つのコーナのうち1つのコーナが直角をなしている点で異なる。図10(b)に示すように、この略台形ノズル261cは、下辺対応面361dと一側面361bとのなす角度が直角である。この一側面361bは、略台形ノズル261cに接続されたノズル上部261aの噴射孔261pの噴射方向と平行になっている。熱交換体35と対向する上辺対応面361aは、下辺対応面361dに対して平行ではなく、面間が閉じる方向にやや傾斜しており、一側面361bと上辺対応面361aとのなす角度は、他側面361cと下辺対応面361dとのなす角度と同様に鋭角である。上辺対応面361aと他側面361cとのなす角度は鈍角である。
これに対して矩形ノズル264cは、図10(d)に示すように、下辺対応面364dと一側面364bとのなす角度は直角である。この一側面364bは、矩形ノズル264cに接続されたノズル上部264aの噴射孔264pの噴射方向と平行になっている。熱交換体35と対向する上辺対応面364aは、下辺対応面364dに対して平行である。一側面364bと上辺対応面364aとのなす角度は、他側面364cと下辺対応面364dとのなす角度と同様に直角である。上辺対応面364aと他側面364cとのなす角度も直角である。角形ノズルの各面はいずれもフラット面で形成されている。このように角形ノズルの各側面をいずれもフラットで形成するのは、加工しにくく複雑な形状を製作するのが困難であるカーボン材を使用する場合でも、容易に製作することが出来るからである。
ところで、ウエハに供給される処理ガスの流れを均一化するためには、一対の規制部85をウエハ中心に対して対称な形とするだけではなく、一対の規制部85の間に設けられる複数本のノズル261〜265も、均等に配列する必要がある。そのためには、熱交換領域において、熱交換体35と第1及び第2のガス流通経路制限部との間であって、熱交換体35の外周部に形成される円筒状のガス流通経路170の間隙を均等化する必要がある。ノズル下部の配置空間に、第2のガス流通経路制限部を角形ノズルとして設ける場合、上述した第2の実施の形態のように、一端から他端に位置する複数の角形ノズルのうち、他端に位置する角形ノズルの断面形状のみを変更することで隙間を均等化することができる。このように、他端に位置する角形ノズルの断面形状のみを変更することで隙間を均等化することができることを、次に説明する。
(ノズル断面形状の説明)
図4において、ウエハ面間、面内の処理の均一性を向上させるためには、基板処理領域43において、ノズル上部61a〜65aからウエハ14までのガス供給空間49の間隙を広くとってガスの混合を十分に行えるようにする必要がある。ところが、ガス供給空間49の間隙を広くとると、ノズル61〜65は鉛直方向に起立して設けられているから、熱交換領域45においては、ノズル上部61a〜65aの間隙はそのままノズル下部61b〜65bに反映される。このため、ノズル下部61b〜65bと熱交換体35との間隙が広くなってしまう。ノズル下部61b〜65bと熱交換体35との間隙が広くなると、その間隙から大量の熱が移送されるため加熱ガスと熱交換体35との熱交換の促進が図れない。
例えば、図11に示すように、円筒状のノズル261〜265を複数本、熱交換体35の外周に沿って円弧状に配置する場合には、ノズル相互を近接配置する場合であっても、ノズル下部と熱交換体35との間隙がノズル本数に応じて大きくなるため、ガス流通経路170aの断面積が増大し、高温の処理ガスと熱交換体35との熱交換の促進が図れなくなる。
そこで、本実施の形態では、ノズル下部と熱交換体との間に第2ガス流通経路制限部を設けて、熱交換体との間に形成される第2ガス流通経路170aの間隙を狭めてガス流通経路を流れるガス流量を制限するようにしている。
第2ガス流通経路制限部を装着する場合、ノズル下部に装着される第2ガス流通経路制限部の断面形状に加えて、ノズル上部に設けられる噴出孔のウエハに対する位置決めが重要となる。全てのノズルは、それらの噴出孔がウエハの所定位置を向くように、例えばウエハ中心を向くように、処理炉に容易に設置できることが要請される。
そこで、まず、円弧状に近接配置する第2ガス流通経路制限部の形状として、もっとも容易に思いつく形状としては、台形ノズルが考えられる。図6(b)に示す第2ガス流通経路制限部がこれに相当する。複数本の第2ガス流通経路制限部が、全て同じ台形をしていると、熱交換部と第2ガス流通経路制限部との間に形成されるガス流通経路の間隙の均等性は確保できる。この場合、複数の台形ノズルを弧状に設置する際、噴出孔の位置決めが難しく、容易に設置することが困難である。なぜならば、両側面が平行な矩形ノズルを横一列に設置する場合のように、隣同士の矩形ノズルを、それらの側面間が平行になるように配列すれば良いので配置は容易となる。しかし、台形ノズルの場合、下辺に対応する側面(下辺対応面)、上辺に対応する側面(上辺対応面)を除く、両側面が開いているため、これらを弧状に配列するには、隣同士の台形ノズルの側面において、径方向外方の各ポイントの間隙を互いに等しく設定しなければならないからである。
つぎに、前述した台形ノズルと形状が似ているが、下辺対応面側の2つのコーナのうち1つのコーナが直角をなしている略台形ノズルが考えられる。すなわち、複数の第2流通経路制限部を全て、図10(a)、(b)に示す略台形ノズルで構成する場合である。これによれば、図12に示すように、略台形ノズル261〜265を一端から他端に向かって円弧状に近接配置する場合、まず、1番目の略台形ノズル265cをその一側面が当該略台形ノズル265cのガス噴出方向と平行になるよう配置する。次に2番目の略台形ノズル263cをその一側面が一端に配置した略台形ノズル265cの他側面と平行になるよう配置する。同様にして他の略台形ノズル262c、261cを配置していき、最後の略台形ノズル264cをその一側面が一つ手前に配置した略台形ノズル261cの他側面と平行になるように配置する。すると、一端の略台形ノズル265cのみをガス噴射方向と平行になるよう位置決めすれば、残りの略台形ノズル263c、262c、261c、264cはその一側面を先行して配置した略台形ノズルの他側面と平行に配置するだけで、ガス噴射方向と平行になるように位置決めできる。したがって、この形状の略角形ノズ
ルを用いれば、ノズル上部の噴射孔のウエハに対する位置決めが容易にできる。
特に、逆C字の形状をした第2流通経路制限部の端面を、その端面面と平行な方向が、これと隣接して配置される略台形ノズルの一側面と平行になるように位置決めすれば、1番目の略台形ノズルも、周辺断熱筒36aの端面と平行に配置するだけで、当該1番目の略台形ノズルも、ガス噴射方向と平行に配置することができる。
しかしながら、複数の第2流通経路制限部を全て同一形状の略台形ノズルで構成した場合、図12に示すように、他端に配列される略台形ノズル264cの他側面と、第2流通経路制限部の他端面との間に、断面くさび型のガス流通経路170cが形成されることになる。このくさび型のガス流通経路170cの形成は、円筒状空間の間隙を周方向で不均等とするため好ましくない。
そこで、上述した第2の実施の形態のように、一端から他端の一つ手前に位置する第2ガス流通経路制限部を全て同じ形状で統一し、他端に位置する第2ガス流通経路制限部の形状のみを変更することで、図13に示すように熱交換体35の外周に隙間が均等な円筒状のガス流通経路を形成できる。
(第2実施の形態の効果)
本実施形態によれば、上述の第1の実施形態に加え以下に示す1又は複数の効果を奏する。
(1)本実施形態では、ウエハ14上を流れるガスの流れを規制する一対の規制部85を設けている。この構成によれば、処理ガス等の水平方向および鉛直方向の流れが制御され、ウエハ14上へのガス流を均一化させることができる。またこれにより、ウエハ14面間、ウエハ14面内における基板処理の均一性を向上させることができる。
(2)また、本実施形態では、第2のガス流通経路制限部としての略台形ノズル265c,263c,262c,261cと、矩形ノズル264cとが、ノズル配置空間に順次配置され、ノズル配置空間が密に埋めれられている。この構成によれば、ガス流通経路170の間隙が全周にわたって均一化され、ガス流量が全周にわたって均一化される。これにより、規制部85による処理ガス等の水平方向および鉛直方向の流れの制御を効率的に実施することができる。
(3)また、第2のガス流通経路制限部としての略台形ノズル261c〜265cの上辺対応面361a〜365aは、一側面361b〜365b、及び他側面361c〜365cよりも水平方向の幅が小さくなるようにそれぞれ構成されている。この構成によれば、上辺対応面361a〜365a内におけるガス流通経路170の間隙のばらつきが抑えられる。したがって、ガス流通経路170の間隙が全周にわたって均一化され、ガス流量が全周にわたって均一化される。
(4)また、第2のガス流通経路制限部としての略台形ノズル261c〜265cの一側面361b〜365bは、ノズル261〜265のガス供給方向と平行に形成されている。そして、第1のガス流通経路制限部36、ノズル261〜265の第2のガス流通経路制限部としての略台形ノズル261c〜265cは、互いに対向する面がほぼ平行となるようにそれぞれ配置されている。この構成によれば、容易にノズル261〜265の位置決めがされ、ガス供給方向をウエハ14の中心に向けることができる。また、ノズル261〜265の設置や交換等に要する時間を短縮し、メンテナンス性を向上させることができる。
(比較例)
ここで、上述の実施形態に係る基板処理装置10の比較例として、SiCエピタキシャル成長を実施させる基板処理装置の比較例として、平面的に複数のウエハを配置して基板処理を実施する基板処理装置について以下説明する。図14は、比較例に係るパンケーキ型の基板処理装置800を示す縦断面図である。図15は、比較例に係るプラネタリ型の基板処理装置900の(a)縦断面図、(b)A−A断面図である。
基板処理装置800では、図14に示すように、処理室844内のサセプタ848上に複数のウエハ814が配置されるように構成されている。サセプタ848は、サセプタ848下方に設けられた誘導コイル850からの交番磁場により発熱し、ウエハ814を加熱するように構成されている。サセプタ848、ウエハ814は、図示しない回転機構によりそれぞれが回転されるように構成されている。サセプタ848の中心部付近に開口したガス供給部(ノズル)860は、基板処理に係る処理ガス等を処理室844内に供給するように構成されている。処理室844内の雰囲気は、サセプタ848の下方の処理室844の周辺部に設けられたガス排気口890aを介して、バルブ892により圧力調整しつつガス排気管891から排気されるように構成されている。すなわち、処理室844内に供給された処理ガス等は、サセプタ848の中心部から周縁部に拡がって供給された後排気される。
このような構成を有する基板処理装置800では、基板処理を実施する際に、サセプタ848の中心部から周縁部に向かって処理ガス等の濃度が大きく低下してしまうという問題があった。また、例えば、サセプタ848の径方向に沿って複数のウエハ814を配置して基板処理を実施すると、内周側と外周側とで膜のウエハ418面内均一性が損なわれてしまうため、同時に処理できるウエハ814の枚数が制限されていた。また、多くの枚数のウエハ814を同時に処理するためには、サセプタ848の直径を大きくすればよいが、そうすると、装置サイズが大きくなりコストが増大するという問題があった。このような問題は、特にウエハ814径が大きくなるにつれて問題となっていた。
一方、図15に示すプラネタリ型の基板処理装置900においても、ウエハ914はサセプタ948に保持されるよう構成されている。処理ガス等は、サセプタ948の中心部付近に開口したガス供給部(ノズル)960から供給される。処理ガス等は、ガス流通領域980を介してサセプタ948の周縁部へ供給された後、排気される。サセプタ948は、誘導コイル950により発生する交番磁場により加熱されるように構成されている。サセプタ948は、ガス供給部960を軸に回転されるように構成されている。また、サセプタ948に保持されたウエハ914は、形成される膜のウエハ914面内均一性が低下しないよう、それぞれのウエハ914を回転させながら基板処理が実施されるように構成されている。プラネタリ型の基板処理装置900においても、パンケーキ型の基板処理装置800と同様の課題を有している。
これに対して、上述の実施形態に係る基板処理装置10は、ボート30に積層された多数(例えば25〜100枚)のウエハ14に対して同時に基板処理を実施しているため、パンケーキ型の基板処理装置800、プラネタリ型の基板処理装置900よりも処理能力が向上されている。また、ウエハ14を積層させることにより、装置サイズ(設置面積)の増大が抑えられている。また、処理ガス等は、ウエハ14の周辺から供給される構成されており、形成される膜のウエハ14面内均一性を向上させている。さらに、上述の実施形態に係る基板処理装置10では、基板処理領域43の熱が炉口部47に伝わりにくくなるよう構成されている。
<本発明の好ましい態様>
以下に本発明の望ましい態様について付記する。
[付記1]
本発明の一態様によれば、
処理ガスの供給により複数の基板を処理する処理部と、
前記処理部で前記複数の基板を水平に保持するボートと、
前記ボートを下方から支持する熱交換体を有し、該熱交換体の外周にガス流通経路が形成されている熱交換部と、
前記処理部から前記熱交換部の前記ガス流通経路を介して高温の前記処理ガスが排気される炉口部と、
前記ガス流通経路を通って前記処理部に延在されるノズルであって、前記処理部に延在されるノズル上部に前記処理ガスを供給する供給部を有するノズルと、
前記ガス流通経路を通るノズル下部と前記熱交換体との間に設けられ、前記ガス流通経路を狭めるためのガス流通経路制限部と
を有し、
前記ガス流通経路制限部と前記熱交換体との間隙は、前記ノズル上部から前記複数の基板までの距離より小さく設定されている基板処理装置が提供される。
[付記2]
好ましくは、
前記複数の基板への処理ガスの流れを規制するために、前記複数の基板を挟むように設けられた一対の規制部と、
前記ノズルは複数のノズルであって、各ノズル下部に前記ガス流通経路制限部をそれぞれ有しており、前記一対の規制部のガス流入口となる弧状の隙間に弧状に並べられる複数のノズルと
を備え、
前記複数のノズル下部の各ガス流通経路制限部によって狭められる前記ガス流通経路の間隙を調整するために、前記複数のノズルの両端に位置するノズルのうちいずれか一端のノズルのみ構造を異ならせている。
[付記3]
好ましくは、
前記ガス流通経路制限部を前記炉口部方向に伝わる熱伝導を抑制するために、前記ガス流通経路制限部にスリットを設けてある。
[付記4]
本発明の他の態様によれば、
基板処理領域を内部に有する反応管と、該反応管の下部に有する炉口部とを備えた反応炉と、
前記基板処理領域で複数の基板を水平に保持する基板保持部と、
前記反応管に設けられ、前記基板保持部を下方から支持するとともに、前記基板処理領域から前記炉口部に向かう高温の処理ガスを熱交換する筒状の熱交換部と、
前記筒状熱交換部と前記反応管との間の空間に形成される筒状のガス流通経路と、
前記炉口部に設けられ、前記基板処理領域から前記筒状ガス流通経路を通って前記炉口部に到達する処理ガスを前記炉口部から外部に排気する排気部と、
前記炉口部から前記反応管内に挿入されるノズルであって、そのノズル下部が前記筒状ガス流通経路の一側を通り、そのノズル上部が前記基板処理領域に配置されて前記基板保持部に保持された前記複数の基板に前記処理ガスを供給するノズルと、
前記ノズル下部が通る前記筒状のガス流通経路の一部を除く他部の間隙を狭めて、該他部を流れる前記処理ガスの流量を制限する第1のガス流通経路制限部と、
前記ノズル下部が通る前記筒状ガス流通経路の一部の間隙を狭めて、該一部を流れる処
理ガスの流量を制限する第2のガス流通経路制限部と、
を備え、
前記第2のガス流通経路制限部から前記熱交換部までの筒状ガス流通経路の一部の間隙を、前記基板処理領域に配置されるノズル上部から前記基板までのガス供給空間の間隙より小さく設定した基板処理装置が提供される。
[付記5]
好ましくは、
前記ノズルは取り外し可能に複数設けられ、ノズル毎にガス流通経路制限部が設けられている。
[付記6]
また好ましくは、
前記基板処理領域では、
前記各ノズル上部から前記各基板上を流れるガスの流れを規制する一対の規制部が基板の周辺部を挟むように前記基板中心に対して対称に設けられ、
前記ノズルは、前記一対の規制部の間に複数本設けられ、
前記熱交換領域では、
前記ノズルの本数に対応して前記第2のガス流通経路制限部は複数設けられ、
前記複数の第2のガス流通経路制限部は、前記ノズル下部の横断面外形を角形状とした複数の角形ノズルで構成され、
前記複数の角形ノズルが該角形ノズルの所定面を前記熱交換部の外周部に向けて弧状に近接配置されるよう、前記複数の角形ノズルは前記熱交換部の外周に弧状に配列され、
前記弧状に近接配置された前記複数の角形ノズルのうち、他端に配置された角形ノズルを除く全ての角形ノズルが下辺よりも長辺が長い同一形の略台形ノズルをなし、他端に配置された角形ノズルが前記略台形ノズルとは異形の矩形ノズルをなし、
前記台形ノズルにあっては前記所定面を台形の上辺に対応する上辺対応面とし、前記矩形ノズルにあっては矩形の短辺に対応する短辺対応面とする。
[付記7]
また好ましくは、
前記複数のノズルのそれぞれに設けられた第2のガス流通経路制限部には、該ガス流通経路制限部を前記炉口部方向に伝わる熱伝導を軽減するためのスリットが設けられている。
[付記8]
また好ましくは、
前記複数のノズルのそれぞれに設けられたガス流通経路制限部のスリットに、前記複数のノズルの相対位置を保持する弧状部材が共通にはめ込まれている。
[付記9]
また好ましくは、
噴出孔を有するノズル上部の中心軸に対して、ノズル下部の下端に接続されるインレット部の中心軸が反応炉の径方向内方にずれている。
10 基板処理装置
14 ウエハ(基板)
30 ボート(基板保持部)
35 熱交換体
36 第1のガス流通経路制限部
40 処理炉
43 基板処理領域(処理部)
44 処理室
45 熱交換領域(熱交換部)
47 炉口部
60 (61〜65) ノズル
60a(61a〜65a) ノズル上部
60b(61b〜65b) ノズル下部
60c(61c〜65c) 第2のガス流通経路制限部
60d、160d インレット部
60m 上辺対応面(所定面)
60p 噴射孔
60s スリット
60t 弧状部材
261c、262c、263c、265c 略台形ノズル
264c 矩形ノズル
170(170a、170b) ガス流通経路

Claims (3)

  1. 処理ガスの供給により複数の基板を処理する処理部と、
    前記処理部で前記複数の基板を水平に保持するボートと、
    前記ボートを下方から支持する熱交換体を有し、該熱交換体の外周にガス流通経路が形成されている熱交換部と、
    前記処理部から前記熱交換部の前記ガス流通経路を介して高温の前記処理ガスが排気される炉口部と、
    前記ガス流通経路を通って前記処理部に延在されるノズルであって、前記処理部に延在されるノズル上部に前記処理ガスを供給する供給部を有するノズルと、
    前記ガス流通経路を通るノズル下部と前記熱交換体との間に設けられ、前記ガス流通経路を狭めるためのガス流通経路制限部と
    を有し、
    前記ガス流通経路制限部と前記熱交換体との間隙は、前記ノズル上部から前記複数の基板までの距離より小さく設定されている基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記複数の基板への処理ガスの流れを規制するために、前記複数の基板を挟むように設けられた一対の規制部と、
    前記ノズルは複数のノズルであって、各ノズル下部に前記ガス流通経路制限部をそれぞれ有しており、前記一対の規制部のガス流入口となる弧状の隙間に弧状に並べられる複数のノズルと
    を備え、
    前記複数のノズル下部の各ガス流通経路制限部によって狭められる前記ガス流通経路の間隙を調整するために、前記複数のノズルの両端に並べられるノズルのうちいずれか一端のノズルのみ構造を異ならせている基板処理装置。
  3. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記ガス流通経路制限部を前記炉口部方向に伝わる熱伝導を抑制するために、前記ガス流通経路制限部にスリットを設けた基板処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015018869A (ja) * 2013-07-09 2015-01-29 新日鐵住金株式会社 基板処理装置
JP2018085392A (ja) * 2016-11-21 2018-05-31 東京エレクトロン株式会社 基板処理装置
US11913114B2 (en) 2019-10-14 2024-02-27 Samsung Electronics Co., Ltd. Semiconductor manufacturing apparatus

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