JP2012174814A - 電子部品収納用パッケージ - Google Patents

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Abstract

【課題】 上部絶縁層の内側面の切り欠き部に充填されたメタライズ導体のえぐれや剥離を抑制できる電子部品収納用パッケージを提供すること。
【解決手段】 搭載部103を有する下部絶縁層105と、下部絶縁層105上に搭載部103を取り囲むようにして積層された上部絶縁層106とを備え、上部絶縁層106の内側面のコーナー部は、平面視で円弧状の内側面に形成された切り欠き部109にメタライズ導体110が充填されており、平面視でメタライズ導体110の側面と切り欠き部109の内側面と上部絶縁層106
の内側面とが丁字状である電子部品収納用パッケージである。切り欠き部109の端部にお
いてメタライズ導体110の厚みを十分に確保して、メタライズ導体110の剥離やえぐれを抑制できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電振動子や半導体素子等の電子部品を気密に収容するための電子部品収納用パッケージに関するものである。
従来、圧電振動子や半導体素子等の電子部品を搭載するための電子部品収納用パッケージとして、一般に、セラミック焼結体等からなる絶縁基体に設けた電子部品の収容部を蓋体で塞いで気密封止するようにしたものが用いられている。このような電子部品収納用パッケージは、上面に水晶振動子等の電子部品の搭載部を有する平板状の下部絶縁層と、この平板状の下部絶縁層の上に積層された、搭載部を取り囲む枠状の上部絶縁層とを有する絶縁基体と、絶縁基体の上面に形成され蓋体の接合面となる枠状のメタライズ層と、搭載部から下部絶縁層の下面等にかけて形成された配線導体とにより基本的に構成されている。
そして、下部絶縁層の搭載部に電子部品を搭載するとともに電子部品の各電極を例えば導電性接着剤や金からなるバンプ等を介して配線導体に電気的に接続し、しかる後、メタライズ層の上面に金属製の蓋体を、銀−銅共晶組成をベースとするろう材を介して接合して絶縁基体と蓋体とからなる容器の内部に電子部品を気密に封止することにより電子装置となる。また、この絶縁基体の下部絶縁層の外周側面には、上下方向に延びる切り欠き部が形成されており、配線導体の一部が、その切り欠き部の表面を通って下部絶縁層の下面に電気的に導出している。
さらに、枠状の上部絶縁層には、蓋体が接合されるメタライズ層と配線導体の一部との間を電気的に接続するために、上部絶縁層を上下方向に貫通する貫通導体が形成されている。これは、配線導体の一部とメタライズ層(さらに、金属製の蓋体)とを電気的に接続させて、配線導体の接地電位を安定させるためである。
また、電子部品収納用パッケージは、最近の小型化に応じて上部絶縁層の平面視における幅が狭くなってきているため、上部絶縁層に貫通導体を形成することが難しくなってきている。幅が狭い上部絶縁層に貫通導体を形成すると、例えば、貫通導体を金型等の打ち抜き加工により形成する際に、加工に伴う応力によって上部絶縁層にクラック等が発生しやすくなる。
このような問題に対しては、上部絶縁層の内側面に、上端から下端にかけて切り欠き部を形成し、この切り欠き部内に、メタライズ層と配線導体とを電気的に接続する導体を充填させることが提案されている。
特開2003−218265号公報 特開2004−055985号公報
しかしながら、最近の電子部品収納用パッケージは、ますます小型化が図られてきている。これに伴い、以下のような問題が発生するようになってきた。
すなわち、上記切り欠き部を上部絶縁層の内側面に形成してメタライズ導体を充填した場合、焼成時の収縮差等に起因してメタライズ導体の端部がメタライズ層よりも上側に突出し、蓋体とメタライズ層との接合の妨げになる可能性がある。これに対しては、例えば平面視で円弧状である切り欠き部の深さ(上部絶縁層の幅方向における切り欠き部の長さ)を浅くしてメタライズ導体量を小さく抑え、切り欠き部に充填されるメタライズ導体の突出を抑制するという手段が考えられる。しかし、このように切り欠き部の深さを浅くした場合、つまり円弧状の切り欠き部の中心角を小さくした場合には、平面視で上部絶縁層の内側面の延長線と切り欠き部との間の角度が鋭角になる。これに伴い、平面視で、切り欠き部の端部においてメタライズ導体が鋭角状になり、この部分でメタライズ導体の厚みが薄くなって機械的な強度が低下する傾向があるという問題があった。
切り欠き部の端部においてメタライズ導体の機械的な強度が低下すると、蓋体を上部絶縁層の上面のメタライズ層に接合する際や電子装置を外部回路基板へ半田付けする際の加熱工程等において生じる熱応力等の応力で切り欠き部の内側面からメタライズ導体が剥離しやすくなる可能性がある。
また、メタライズ導体について、上部絶縁層となる未焼結の平板状のセラミックシートに切り欠き部となる貫通孔を設け、この貫通孔にメタライズ導体用の導体ペーストを充填した後に打ち抜き加工を施して、内側面に導体ペーストが充填された切り欠き部を有する枠状の上部絶縁層(未焼成)を得る方法で形成する場合には、上記打ち抜き加工時に、切り欠き部の端部(導体ペーストが薄くなる部分)で、メタライズ導体となる導体ペーストに部分的なえぐれ(脱落)が発生する可能性がある。
このようなメタライズ導体の剥離やえぐれが発生すると、切り欠き部とメタライズ導体との間に隙間が生じて、気密封止の信頼性を十分に確保することが難しくなったり、接地電位の安定が難しくなったりする可能性がある。
本発明はかかる問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、電子部品収納用パッケージが小型化されても、切り欠き部の内側面に対するメタライズ導体の接合を、特に切り欠き部の端部においても強固で信頼性の高いものとすることが可能な電子部品収納用パッケージを提供することにある。
本発明の電子部品収納用パッケージは、上面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに該搭載部から下面にかけて配線導体が被着形成された下部絶縁層と、該下部絶縁層上に前記搭載部を取り囲むようにして積層され、その上面にメタライズ層が被着された枠状の上部絶縁層とを具備する電子部品収納用パッケージであって、前記上部絶縁層の内側面のコーナー部は、平面視で円弧状の前記内側面に上端から下端にかけて形成された切り欠き部に、前記配線導体と前記メタライズ層とを電気的に接続するメタライズ導体が充填されており、平面視で該メタライズ導体の側面と前記切り欠き部の内側面と前記上部絶縁層の内側面とが丁字状であることを特徴とする。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、上記構成において、平面視で、前記切り欠き部の内側面の半径が、前記上部絶縁層の円弧状に形成した前記コーナー部の半径よりも小さいことを特徴とする。
本発明の電子部品収納用パッケージによれば、切り欠き部に充填された、配線導体とメタライズ層とを電気的に接続するメタライズ導体について、平面視でそのメタライズ導体の側面と切り欠き部の内側面と上部絶縁層の内側面とが丁字状であることから、平面視で
上部絶縁層の内側面と切り欠き部の内側面とが接する点付近(切り欠き部の端部)において、メタライズ導体の厚みを厚くすることができる。
そのため、切り欠き部の端部においても切り欠き部の内側面に対するメタライズ導体(およびメタライズ導体となる導体ペースト)の接合強度を確保することができ、メタライズ導体の剥離やえぐれを抑制することができる。
また、本発明の電子部品収納用パッケージによれば、上記構成において、平面視で、切り欠き部の内側面の半径が、上部絶縁層の円弧状に形成した前記コーナー部の半径よりも小さい場合には、切り欠き部を打ち抜き加工で形成する際に多少の位置ずれが発生したとしても、より確実に、上部絶縁層の内側面の円弧状の部分に切り欠き部を形成することができる。
(a)は本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す上面図であり、(b)は(a)のX−X’線における断面図である。 (a)は従来技術の電子部品の要部を模式的に示す要部拡大上面図であり、(b)は本発明の電子部品収納用パッケージの一例における要部を模式的に示す要部拡大上面図である。 図1に示す電子部品収納用パッケージの要部を示す要部拡大上面図である。 図1に示す電子部品収納用パッケージの要部を示す要部拡大上面図である。
本発明の電子部品収納用パッケージについて、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、この実施の形態の例では、電子部品として水晶振動子を収容する場合を例に挙げて説明する。
図1(a)は本発明の電子部品収納用パッケージの実施の形態の一例を示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のX−X’線における断面図である。図1において101は絶
縁基体,102は電子部品,103は電子部品の搭載部,104は配線導体,105は下部絶縁層,106は上部絶縁層,107は蓋体,108は蓋体が接合されるメタライズ層,109は切り欠き部,110はメタライズ導体,111は下部絶縁層105の側面に形成されたキャスタレーション導体,112は外部接続導体である。
下部絶縁層105および上部絶縁層106とで構成される絶縁基体101に配線導体104,メタライズ層108,切り欠き部109,メタライズ導体110が形成されて、電子部品収納用パッケー
ジが基本的に構成されている。なお、図1(a)では、配線導体104およびメタライズ導
体110の状態を見やすくするために、蓋体107を省略している。この電子部品収納用パッケージに電子部品102が気密封止されて電子装置が形成される。
絶縁基体101は、上面の中央部に電子部品102を搭載するための搭載部103を有する平板
状の下部絶縁層105上に、枠状の上部絶縁層106が搭載部103を取り囲むように積層されて
形成されている。下部絶縁層105の上面と上部絶縁層106の内側面とによって、電子部品102を気密封止するための凹状のスペースが絶縁基体101の上面に形成されている。
下部絶縁層105および上部絶縁層106は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム焼結体,ムライト質焼結体,ガラス−セラミック焼結体等のセラミック材料からなり、例えば同様のセラミック材料からなる下部絶縁層105と上部絶縁層106とが同時焼成されて絶縁基体101が作製されている。
絶縁基体101は、例えば全体の外形が、平面視で一辺の長さが2.0〜10mm程度の長方形状であり、厚みが0.3〜2mm程度の板状であり、上面に上記のような凹状のスペースを
有している。なお、絶縁基体101を構成する下部絶縁層105および上部絶縁層106は、それ
ぞれセラミック材料からなる複数の絶縁層が積層されて構成されたものであってもよい。
ここで、電子装置がTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator、温度補償水晶発振器)等の複数の電子部品(水晶振動子102に加えて温度補償用の半導体素子等
の他の電子部品)(図示せず)を搭載部103内に搭載するようなものである場合には、複
数の電子部品102を収容するためのスペースを確保するために(上記凹状のスペースの深
さを確保するために)、上部絶縁層106を2層以上の絶縁層で構成する場合もある。
このような絶縁基体101は、下部絶縁層105および上部絶縁層106がいずれも酸化アルミ
ニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウム,酸化珪素,酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダや溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状にするとともに、これを例えばドクターブレード法やロールカレンダー法等のシート成形法によりシート状となすことにより複数枚のセラミックグリーンシートを得て、次に一部のセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施して枠状に成形するとともに、枠状に成形していない平板状のセラミックグリーンシートの上に枠状のセラミックグリーンシートが位置するように上下に積層し、その積層体を高温で焼成することにより製作される。
絶縁基体101は、それぞれがこのような絶縁基体101となる複数の基板領域(図示せず)がセラミック母基板に縦横の並びに配列された、いわゆる多数個取り基板(図示せず)として製作し、これを基板領域の境界において切断して個片に分割する方法で製作するようにしてもよい。
また、下部絶縁層105の搭載部103は、四角板状の電子部品102に合わせて四角形状であ
り、例えばその隣り合う2つの隅部に一対の配線導体104が形成されている。この配線導
体104の露出した部分は、搭載部103に搭載される電子部品102である水晶振動子の電極(
図示せず)を接続するための接続導体として機能する。水晶振動子は、通常、その外形が四角形状で、その主面の隅部に接続用の一対の電極(図示せず)が形成されており、そのような電極の接続を容易かつ確実に行なえるようにするため、配線導体104は搭載部103の隅部に形成されている。
電子部品102の各電極と配線導体104との接続は、導電性接着剤等の接合材(図示せず)を介して行なわれる。すなわち、電子部品102の主面の隅部に形成された電極が配線導体104に対向するように電子部品102を搭載部103に位置決めして、あらかじめ配線導体104に
被着させておいた接合材を加熱して硬化させれば、電子部品102の電極と配線導体104とが接続される。
なお、配線導体104は、この実施の形態の例では電子部品102として水晶振動子を用いた例を説明しているので上記のような位置に形成されているが、その他の電子部品(図示せず)を搭載する場合やその他の電子部品を複数搭載する場合であれば、その電子部品の電極の配置に応じて位置や形状を変えて形成すればよい。このような電子部品としては、例えば、セラミック圧電素子や弾性表面波素子等の圧電素子,半導体素子,容量素子,抵抗器等を挙げることができる。
配線導体104は、例えば、搭載部103またはその周辺から絶縁基体101の外表面にかけて
電気的に導出するように形成されている。配線導体104は、搭載部103に搭載される電子部品102の各電極を外部の電気回路(図示せず)に電気的に接続するための導電路として機
能する。図1に示す例においては、配線導体104は、下部絶縁層105の側面に上下方向に形成された溝(キャスタレーション)に被着したキャスタレーション導体111および絶縁基
体101(下部絶縁層105)の下面に形成された外部接続導体112を介して絶縁基体101の下面に電気的に導出されている。この外部接続導体112を、半田等を介して外部の電気回路に
接続することにより、電子部品102の電極が配線導体104,キャスタレーション導体111お
よび外部接続導体112を介して外部の電気回路に電気的に接続される。
配線導体104,キャスタレーション導体111および外部接続導体112は、例えば、タング
ステンやモリブデン,マンガン,銅,銀等のメタライズ層からなり、このようなメタライズ層となる金属材料のペーストを、下部絶縁層105となるセラミックグリーンシートに所
定パターンに印刷しておき、下部絶縁層105と同時焼成する方法で形成される。
これらの配線導体104,キャスタレーション導体111および外部接続導体112は、酸化腐
食を防止するとともに、配線導体104と電子部品102の電極との接続や、外部接続導体112
と外部の電気回路との接続をより容易で強固なものとするために、それらの露出した表面に1〜20μm程度の厚みのニッケルめっき層と0.1〜3.0μm程度の厚みの金めっき層とが順次被着されているのがよい。
また、絶縁基体101(上部絶縁層106)の上面にメタライズ層108が被着されている。メ
タライズ層108は、搭載部103を取り囲んでおり、このメタライズ層108が蓋体107の接合される領域となる。そして、搭載部103に電子部品102を搭載し、電子部品102の電極を導電
性接着剤等の接合材で配線導体104に接続した後、メタライズ層108の上面に蓋体107を接
合することにより、蓋体107と絶縁基体101とからなる容器内に電子部品102が気密封止さ
れて電子装置(水晶発振器等)となる。
なお、メタライズ層108は、例えば配線導体104や外部接続導体112と同様の金属材料(
タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀等)によって形成されている。メタライズ層108は、例えば、このようなタングステン等の金属材料のペーストを、上部絶縁層106を構成する絶縁層となるセラミックグリーンシートに所定パターンに印刷しておき、上部絶縁層106と同時焼成する方法で形成される。メタライズ層108についても、上記配線導体104等と同様にめっき層が順次被着されていてもよい。
メタライズ層108(および必要に応じてメタライズ層108に被着された各種めっき層)は、蓋体107を絶縁基体101にシーム溶接や電子ビーム溶接等の方法で接合するための金属部材として機能する。蓋体107は、例えば四角板状であり、鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケ
ル−コバルト合金等の金属材料やセラミック材料からなり、ろう付け法や溶接法(例えばシーム溶接や電子ビーム溶接等)の接合法で下面の外周部がろう材を介してメタライズ層108に接合される。なお、蓋体107がセラミック材料からなる場合は、ろう付け法や溶接法によってメタライズ層108に接合できるようにするために、蓋体107の接合面に、メタライズ法やめっき法等の方法により接合用の金属層(図示せず)が形成される。
このメタライズ層108は、配線導体104の一部(例えば電子部品102の接地用の電極が接
続されるもの)と電気的に接続されている。これは、例えば接地用の導体面積を広くして、電子部品102の接地電位をより安定させるためである。メタライズ層108と配線導体104
との電気的な接続は、上部絶縁層106の内側面の切り欠き部109に充填されたメタライズ導体110を介して行なわれている。
本発明の電子部品収納用パッケージにおいて、例えば図1(a)に示すように、上部絶縁層106の内側面のコーナー部は、平面視で円弧状の内側面に、その内側面の上端から下
端にかけて切り欠き部109が形成されており、切り欠き部109に上記メタライズ導体110が
、平面視でメタライズ導体110の側面(搭載部103側に露出した側面)と、切り欠き部109
の内側面と、上部絶縁層106の内側面とが丁字状になるように充填されている。
この構成によれば、平面視で上部絶縁層106の内側面と切り欠き部109の内側面とが接する点付近(切り欠き部109の端部)において、メタライズ導体110の厚みを厚くすることができる。
この場合、四角枠状の上部絶縁層106の上面のうち、辺部分に比べて幅が広い(辺部分
よりも搭載部103側に張り出した)、内側面を円弧状に形成したコーナー部に切り欠き部109が形成されているため、例えば従来技術の切り欠き部(図示せず)を上部絶縁層(図示せず)の辺部分に形成するような場合に比べて、上部絶縁層の上面の幅が狭くなることを抑制する上でも有利である。
また、例えば、図2(a)に示すように従来技術の切り欠き部109’を上部絶縁層106’の辺部分に形成するような場合に比べて、図2(b)に示すように上部絶縁層106の円弧
状の部分に切り欠き部109を形成したことによって、図2(b)のハッチングを施したA
部分の分、メタライズ導体110の厚みを厚くすることができる。なお、図2は、本発明の
電子部品収納用パッケージの効果を説明するための図面である。図2(a)は従来技術の電子部品収納用パッケージの要部を模式的に示す要部拡大上面図であり、図2(b)は本発明の電子部品収納用パッケージの一例における要部を模式的に示す要部拡大上面図である。図2において図1と同様の部位には同様の符号を(従来技術のものについては「’」を付けて)付している。
また、上部絶縁層106のコーナー部を平面視で円弧状とし、この円弧状の部分(つまり
平面視で上部絶縁層106の内側面が搭載部103側に湾曲した部分に)切り欠き部109を形成
するようにしたため、内側面が直線状である場合に比べて、切り欠き部109の内側面と上
部絶縁層106の内側面との接する角度が直角に近い角度になるようにすることが容易であ
る。このような切り欠き部109にメタライズ導体110が充填されているため、切り欠き部109の端部において、平面視で、切り欠き部109の側面と上部絶縁層106の内側面とが丁字状
に接する構造を容易に形成することができる。
したがって、切り欠き部109の内側面に対するメタライズ導体110の接合強度を、特に、上部絶縁層106の内側面に接する点付近の端部においても十分に強固なものとすることが
できる。このような電子部品収納用パッケージによれば、例えば蓋体107をメタライズ層108に接合する際や、電子装置を外部の電気回路(回路基板等)(図示せず)に半田付けする際の加熱工程等において生じる熱応力等の応力で切り欠き部109の内側面からメタライ
ズ導体110が剥離することを抑制することができる。
上部絶縁層106の内側面のコーナー部を円弧状に形成するには、セラミックグリーンシ
ートを枠状に打ち抜き加工する際に、打ち抜いた部分の内側面が円弧状となるようにして、打ち抜き用の金型を作製すればよい。
切り欠き部109は、上部絶縁層106となるセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施すことによって形成されている。例えば、まず、セラミックグリーンシートを枠状に成形する前に、セラミックグリーンシートのうち打ち抜き加工を施す部分の仮想の外周縁を跨いで円形状等の貫通孔を形成しておいて、その後、打ち抜き加工を行なえばよい。この打ち抜き加工によって、セラミックグリーンシートが枠状に成形されると同時に、その内側面に、貫通孔の跡である、内側面が円弧状の切り欠き部109が形成される。
メタライズ導体110は、例えば上記配線導体104等と同様の材料を用い、同様に(金属材
料のペーストを絶縁基体101となるセラミックグリーンシートに塗布し、同時焼成する方
法によって)形成することができる。
メタライズ導体110は、切り欠き部109に金属材料のペーストを充填して焼成する方法で形成されている。また、上記のように、打ち抜き加工を施す前の、上部絶縁層106となる
セラミックグリーンシートに切り欠き部109となる貫通孔を形成したときに、この貫通孔
内に金属材料のペーストを充填し、同時焼成する方法で形成することもできる。貫通孔内に充填された円柱状等の金属材料のペーストが、上記打ち抜き加工によって縦に2つに(切り欠き部109内に残る部分と、打ち抜き加工で除去される部分とに)分割され、切り欠
き部109内に残った部分が焼成後にメタライズ導体110となる。なお、切り欠き部109とな
る貫通孔にメタライズ導体110となる金属材料のペーストを充填する場合には、吸引法や
圧入法を採用して充填することが好ましい。これは、打ち抜き加工によって形成される貫通孔の内側面は、ささくれにより表面に凸凹が形成されており、このように吸引法や圧入法を採用して充填することにより、この凸凹の隙間にメタライズ導体110となる金属材料
のペーストを充填できることから、メタライズ導体110を切り欠き部109の内側面に接合強度を高めて充填することができるからである。
また、この場合、メタライズ導体110となる金属材料のペーストが充填された貫通孔を
有するセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施すため、打ち抜きで除去される部分と貫通孔の内側面とが接する部分(打ち抜き後に切り欠き部109の端部となる部分)にお
いて、金属材料のペーストに大きな応力が生じる。これに対して、上記のように切り欠き部109の端部においてメタライズ導体110(金属材料のペースト)の厚みが厚く、切り欠き部109の内側面に対する接合強度が高いため、メタライズ導体110(金属材料のペースト)にえぐれが発生することを効果的に抑制することができる。
したがって、切り欠き部109の端部においても、切り欠き部109の内側面に対するメタライズ導体110(およびメタライズ導体110となる金属材料のペースト)の接合強度を確保することができ、メタライズ導体110の剥離やえぐれを抑制することが可能な電子部品収納
用パッケージを提供することができる。
切り欠き部109は、上記打ち抜き加工等による形成の際の作業性や、メタライズ導体110(金属材料のペースト等)で埋めることを容易とする上では、円弧状であることが好ましい。同様に、切り欠き部109となる貫通孔は、円形状であることが好ましい。
ここで、平面視でメタライズ導体110の側面と切り欠き部109の内側面と上部絶縁層106
の内側面とが丁字状であるとは、図3に示すように、切り欠き部109の端部(破線で囲ん
だA部分)において、平面視で上部絶縁層106の内側面(円弧状に形成されたコーナー部
)と、切り欠き部109内のメタライズ導体110の側面(切り欠き部109の内側面に接合した
第1側面110aおよび搭載部103側に露出した第2側面110bの両方)とにより形成される
形状が丁字状であることを意味する。メタライズ導体110の第1側面110aは、切り欠き部109の内側面に相当する。なお、図3は、図1に示す電子部品収納用パッケージの要部を
示す要部拡大上面図である。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。また、見やすくするために、メタライズ層108を省略し、メタライズ導体110にハッチングを施している。
言い換えれば、メタライズ導体110の外周は切り欠き部109の端部において上部絶縁層106の内側面に接しているので、切り欠き部109の端部において、メタライズ導体110の第1
側面110aと第2側面110bとの間の角度が直角または直角に近い形状であることを意味する。
さらに言い換えれば、例えば図4に示すように、平面視で、切り欠き部109が円弧状で
あるときに、円弧状の上部絶縁層106の内側面を延長した仮想円C2と、メタライズ導体110の円弧状の第1側面110aを延長した仮想円C1との交点において、それぞれの仮想円
に接する接線(符号なし)同士が十字状に交差するということである。なお、図4は、図1に示す電子部品収納用パッケージの要部を示す要部拡大上面図である。図4において図1と同様の部位には同様の符号を付している。また、見やすくするために、メタライズ層108を省略している。
具体的には、平面視で、切り欠き部109の端部におけるメタライズ導体110の第1側面110aと第2側面110bとの間の角度(端部角度)θ1,θ2は、80〜120°程度である。この場合、メタライズ導体110の端部角度θ1,θ2は、直角に対して鋭角側よりも鈍角側において許容範囲が若干広い。これは、切り欠き部109の端部におけるメタライズ導体110の厚みを確保するという観点からすれば、切り欠き部109の端部角度が鈍角側にあることの方
が好ましいことによる。
なお、メタライズ導体110の端部角度は、切り欠き部109の端部に隣接した部分における上部絶縁層106の機械的な強度を確保することを考慮して、上記のように120°以下(80°以上)とすることが好ましい。
切り欠き部109は、例えば前述したように、上部絶縁層106となるセラミックグリーンシートに形成した平面視で円形状の貫通孔が、そのセラミックグリーンシートのうち搭載部103に相当する部分を打ち抜き加工で除去する際に、2分割除去されて形成されているた
め、平面視で内側面が円弧状になるように形成することは容易である。
なお、金型を用いた打ち抜き加工によってセラミックグリーンシートに貫通孔を形成する場合、その貫通孔の径は80〜150μm程度であるが、上記の方法であれば、小さな開口
の切り欠き部109となる貫通孔を形成することができ、この貫通孔に金属材料のペースト
を充填して、切り欠き部109を充填したメタライズ導体110を容易に形成することができる。
メタライズ導体110を形成する方法としては、上記の方法が適している。例えば、メタ
ライズ導体110を形成する方法として、メタライズ導体110となる金属材料のペーストを充填する前に、貫通孔が分割されるように上部絶縁層106となるセラミックグリーンシート
に打ち抜き加工を施すことによって切り欠き部109をあらかじめ形成しておき、次に切り
欠き部109の開口内にメタライズ導体110となる金属材料のペーストを充填する方法も考えられる。しかし、この方法の場合には、金属材料のペーストの一部が切り欠き部109の開
口から外側に(例えば上部絶縁層となる枠状のセラミックグリーンシートの内側面に沿って)流れ出してしまい、メタライズ導体110の厚みを確保することが難しいため、切り欠
き部109の端部(特にメタライズ層108に近い部分)において、えぐれが発生しやすくなる可能性がある。
切り欠き部109に充填されるメタライズ導体110も、配線導体104や外部接続導体112と同様にニッケルや金等のめっき層で被覆しておけば、酸化腐食をより効果的に抑制することができる。
図4に示した例においては、平面視で上部絶縁層106の内側面の互いに隣接し合う2辺
をコーナー部の円弧状の部分に延長した仮想の2つの延長線(符号なし)同士が交差点よりも搭載部103側に偏った位置に仮想円C1の中心、(つまり、円弧状の切り欠き部109の中心)が位置している。この仮想円C1の中心の位置は、上記上部絶縁層106の2つの内
側面の仮想の延長線同士の交点から、これらの延長線のいずれに対しても45°の角度で交
差する仮想直線Lに沿って仮想円C1の中心(円弧状の切り欠き部109に充填されたメタ
ライズ導体110の中心)を搭載部103側に移動させたとみなすこともできる。
また、このように円弧状の切り欠き部109の中心を仮想直線Lに沿って搭載部103側に移動させた場合に、上部絶縁層106が正方形枠状であるときには、切り欠き部109の中心を正方形状の搭載部103の中心方向に移動させたとみなすこともできる。なお、上部絶縁層106が長方形枠状であるときに、切り欠き部109の中心を長方形状の搭載部103の中心方向に移動させると、移動方向が上部絶縁層106の長辺側に偏り、この長辺側において切り欠き部109の寸法が上部絶縁層106の上面の幅方向において大きくなる。そのため、上部絶縁層106の幅が狭くなって長辺側のコーナー部に近い部分の封止幅が狭くなってしまう。これに対し、上記のように45°の角度で交差する仮想直線Lに沿って切り欠き部109の中心を移動
させれば、上部絶縁層106の形状にかかわらず封止幅を確保することができる。
なお、例えば切り欠き部109の中心を上記のように移動させることによって、仮想円C
1と仮想円C2との交点が位置する部位である切り欠き部109の端部において、仮想円C
1と仮想円C2のそれぞれの接線同士が交差する角度を90°程度に調整することもできる。つまり、上記仮想円C1の中心の移動によって、平面視で、切り欠き部109に充填され
たメタライズ導体110の側面が上部絶縁層106の内側面とが丁字状である形態を実現することもできる。
また、本発明の電子部品収納用パッケージは、上記構成において、平面視で、切り欠き部109の内側面の半径(図4における仮想円C1の半径R1)が、上部絶縁層106の円弧状に形成したコーナー部の半径(図4における仮想円C2の半径R2)よりも小さい場合には、次のような効果を得ることもできる。
すなわち、この場合には、メタライズ導体110を打ち抜き加工で形成する際に位置ずれ
が発生したとしても、より確実に、上部絶縁層106の内側面の円弧状の部分に切り欠き部109を形成することができる。
例えば、前述したように、まず上部絶縁層106となるセラミックグリーンシートに貫通
孔を形成しておいて、その後、このセラミックグリーンシートを枠状に打ち抜くと同時に貫通孔を分割して枠状のセラミックグリーンシートの内側面に切り欠き部109を形成する
場合の打ち抜き位置のずれが生じても、この位置ずれによる不具合をより効果的に抑制することができる。つまり、この場合には、上記貫通孔にメタライズ導体110となる金属材
料のペーストを吸引法や圧入法を採用して充填しておき、この貫通孔を2分するようにセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施して枠状に成形する。この際に、打ち抜き加工に多少の位置ずれが発生したとしても、仮想円C2の半径R2が仮想円C1の半径R1よりも大きいため、上部絶縁層106の内側面の円弧状の部分に、この円弧状の部分よりも
半径が小さい切り欠き部109を、より確実に位置させることができる。そのため、平面視
で、その切り欠き部109に充填されたメタライズ導体110の側面が円弧状の部分において上部絶縁層106の内側面と丁字状になるようにして、切り欠き部109の端部においてもメタライズ導体110の厚みを確保することができる。したがって、打ち抜き加工時の応力が加わ
ったとしても、メタライズ導体110の両端部にえぐれが発生することを、より効果的に抑
制することができる。
また、上記のように円弧状の切り欠き部109の中心を搭載部103側に移動させた場合においても、上部絶縁層106の内側面の円弧状の部分により確実に、メタライズ導体110の外周が接することになり、同様にえぐれを抑制する効果がある。
仮想円C1と仮想円C2との交点は2つあるが、これらの2つの交点における2つの仮
想円C1,C2の接線同士の間の角度(メタライズ導体110の端部角度θ1,θ2と同程
度)は、互いに同じ程度の角度であることが望ましい。
これは、2つの交点における接線同士の間の角度(交差角度)が互いに異なると、上記打ち抜き時に、交差角度が小さい方(メタライズ導体110となる金属材料のペーストの端
部角度θ1,θ2が小さい方)において、えぐれが発生しやすくなる傾向があるからである。上述したように、上記上部絶縁層106の内側面の仮想の延長線同士の交点から、これ
らの延長線のいずれに対しても45°の角度で交差する仮想直線L上に仮想円C1の中心が位置するように形成すれば、2つの仮想円C1,C2の接線同士の間の角度θ1、θ2を互いに同じ角度とすることが容易である。
なお、この電子部品収納用パッケージにおいては、蓋体107が接合されるメタライズ層108が接地電位として用いられ、配線導体104の一部が配線基体101の下面に形成された外部接続導体112のうち接地電位としての外部接続が行なわれるものと電気的に接続されてい
る。この場合には、メタライズ導体110を接地用の外部接続導体112に、配線導体104およ
びキャスタレーション導体111を介して電気的接続することができる。
ここで、本発明の電子部品収納用パッケージの効果を具体例を挙げて説明する。
四角板状の下部絶縁層105および四角枠状の上部絶縁層106を酸化アルミニウム質焼結体で作製し、これに、半径が100μmの円弧状の切り欠き部109を設け、切り欠き部109内に
メタライズ導体110を充填した。切り欠き部109は、上記のように、上部絶縁層106となる
セラミックグリーンシートに貫通孔を形成しておき、この貫通孔に金属材料のペーストを充填した後にセラミックグリーンシートを、金型を用いて枠状に打ち抜き加工することによって形成した。また、この打ち抜き加工によって、上部絶縁層106のコーナー部を、半
径が250μmの円弧状に形成した。メタライズ導体110を充填した円弧状の切り欠き部109
の中心は、平面視でコーナー部を挟んで隣り合う上部絶縁層106の内側面を延長した仮想
線と、図4に示す仮想直線Lとの交点に設定した。メタライズ導体110の角度θ1,θ2
はどちらも約85°であった。
さらに、上部絶縁層106の上面には、蓋体107を接合するためのメタライズ層108を全面
に形成した。このとき、切り欠き部109に充填されたメタライズ導体110は図1(b)の断面図で示したように、その高さが上部絶縁層106の上面と同じ高さであり、その上端にも
メタライズ層108が被着されているので、蓋体107を接合する面の面積を十分に確保することができる。
また、比較例として、従来技術による電子部品収納用パッケージ(図示せず)を作製した。比較例の電子部品収納用パッケージは、円弧状の切り欠き部を四角枠状の上部絶縁層106の内周の辺部分に形成し、切り欠き部に充填したメタライズ導体110の端部角度が鋭角(約40°)となるようにしたこと以外は、上記具体例の電子部品収納用パッケージと同様にして作製した。以下、従来例の電子部品収納用パッケージについて、図示はしていないが、説明の都合上、具体例の電子部品収納用パッケージと同様の部位については同様の符号を用いる。
これらの具体例および比較例の電子部品収納用パッケージについて、作製後、まず切り欠き部109の端部におけるメタライズ導体110のえぐれの有無を、倍率20倍の実体顕微鏡により確認した。
その結果、具体例の電子部品収納用パッケージについては、100個中メタライズ導体110にえぐれが発生したものはなかった。これに対して、比較例の電子部品収納用パッケージ
については、100個中2個において、メタライズ導体110にえぐれが発生したものがあった。
次に、具体例び比較例の電子部品収納用パッケージ(それぞれ100個ずつ)のメタライ
ズ層108に蓋体107をシーム溶接により接合した。メタライズ層108等の導体の露出する表
面にはあらかじめ8〜20μm程度の厚みのニッケルめっきと0.1〜3.0μm程度の厚みの金
めっきとを施しておき、その表面に金属製の蓋体107を、ろう材を介してシーム溶接によ
り接合した。
蓋体107は、四角板状の鉄−ニッケル−コバルト合金からなるものを用いた。また、蓋
体107をメタライズ層108に接合するためのろう材は、銀−銅共晶組成をベースとする銀ろう(例えば、71〜73質量%銀−27〜29質量%銅、JIS名称:BAg−8)とした。BAg−8の場合、融点は780℃程度である。このようなろう材を使用して、シーム溶接によ
り蓋体107をメタライズ層108にろう付けした。
そして、近年、温度環境ストレスが繰り返し継続して作用したときの信頼性(温度サイクル)、いわゆる耐環境性能の向上が要求されているため、実際の使用条件にあうように温度サイクル試験後のメタライズ導体110の剥離状況を確認した。温度サイクル試験は、
大気の雰囲気で−55℃と125℃の各温度に制御した恒温槽に試験サンプルを15分/15分の
保持を1サイクルとして100サイクル繰り返した。
温度サイクル試験まで済ませた具体例および比較例の電子部品収納用パッケージについて、メタライズ導体110の剥離の有無を確認した。剥離の有無は、温度サイクル試験後の
具体例および比較例の電子部品収納用パッケージのそれぞれを上側から平面研磨して、切り欠き部109の内側面からメタライズ導体110が剥離しているかどうかを、金属顕微鏡で確認することで判断した。その結果、具体例の電子部品収納用パッケージでは、100個中メ
タライズ導体110に剥離が発生したものはなかった。その一方で、比較例の電子部品収納
用パッケージでは、100個中3個において、切り欠き部109の端部においてメタライズ導体の剥離が発生していた。
以上の結果により、本発明の電子部品収納用パッケージにおける、メタライズ導体110
のえぐれや剥離を抑制する効果が具体的に確認された。
なお、本発明は上述の実施の形態の一例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、上述の実施の形態の一例では、絶縁基体101の形状を長辺と短辺が異なる長方形状としたが、正方形状としてもよい。ま
た、絶縁基体101を2層の絶縁層(下部および上部絶縁層105,106)から構成したが、電
子部品102の収容形態に合わせて3層以上の絶縁層から構成してもよい。また、メタライ
ズ導体は上部絶縁層106のコーナー部の1箇所に形成したが、接地用の配線導体104の数にあわせて2箇所以上形成してもよい。また、メタライズ層108の上面に蓋体107をシーム溶接で接合するために、四角枠状の鉄−ニッケル−コバルト合金金属からなる金属枠体をろう材により接合してもよい。
101・・・絶縁基体
102・・・電子部品
103・・・搭載部
104・・・配線導体
105・・・下部絶縁層
106・・・上部絶縁層
107・・・蓋体
108・・・メタライズ層
109・・・切り欠き部
110・・・メタライズ導体
111・・・キャスタレーション導体
112・・・外部接続導体

Claims (2)

  1. 上面に電子部品を搭載するための搭載部を有するとともに該搭載部から下面にかけて配線導体が被着形成された下部絶縁層と、該下部絶縁層上に前記搭載部を取り囲むようにして積層され、その上面にメタライズ層が被着された枠状の上部絶縁層とを具備する電子部品収納用パッケージであって、前記上部絶縁層の内側面のコーナー部は、平面視で円弧状の前記内側面に上端から下端にかけて形成された切り欠き部に、前記配線導体と前記メタライズ層とを電気的に接続するメタライズ導体が充填されており、平面視で該メタライズ導体の側面と前記切り欠き部の内側面と前記上部絶縁層の内側面とが丁字状であることを特徴とする電子部品収納用パッケージ。
  2. 平面視で、前記切り欠き部の内側面の半径が、前記上部絶縁層の円弧状に形成した前記コーナー部の半径よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の電子部品収納用パッケージ。
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