JP2012172830A - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents

玉軸受用保持器および玉軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2012172830A
JP2012172830A JP2011038597A JP2011038597A JP2012172830A JP 2012172830 A JP2012172830 A JP 2012172830A JP 2011038597 A JP2011038597 A JP 2011038597A JP 2011038597 A JP2011038597 A JP 2011038597A JP 2012172830 A JP2012172830 A JP 2012172830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ball
cage
ball bearing
grease
circumferential direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011038597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5872172B2 (ja
Inventor
Shohei Fukama
翔平 深間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2011038597A priority Critical patent/JP5872172B2/ja
Publication of JP2012172830A publication Critical patent/JP2012172830A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5872172B2 publication Critical patent/JP5872172B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/66Special parts or details in view of lubrication
    • F16C33/6603Special parts or details in view of lubrication with grease as lubricant
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/41Ball cages comb-shaped
    • F16C33/412Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages
    • F16C33/414Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages
    • F16C33/416Massive or moulded comb cages, e.g. snap ball cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock comb cages made from plastic, e.g. injection moulded comb cages
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

【課題】グリース潤滑でトルク低減効果が得られる玉軸受用保持器及び玉軸受を提供する。
【解決手段】玉軸受用保持器は、環状の保持器本体35の軸方向一端面36に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部37を形成するとともに、凹部37の周方向に対向する開口端から一対の爪部38、38を突設して、凹部37と一対の爪部38、38とでボール24が収納されるポケット39を形成したものである。爪部38、38の保持器外径面25a側に、ボール24との接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部50を設けている。
【選択図】図1

Description

本発明は、玉を転動自在に保持する合成樹脂製の玉軸受用保持器、およびその保持器を外輪および内輪間に組み込んだ玉軸受に関する。
自動車の電装部品や補機部品、例えばファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる転がり軸受としては、エンジン出力で回転駆動する回転軸を静止部材に回転自在に支持するために、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受などの玉軸受が広く使用されている。
一般に、玉軸受は、図11に示すように、内輪1と、外輪2と、この内輪1と外輪2との間に介装されるボール3と、このボール3を保持する保持器4とを備える。そして、保持器には樹脂冠型保持器を使用する場合がある。この樹脂冠型保持器4は、耐摩耗性や耐焼き付き性等に優れた樹脂からなり、図12に示すように、環状の保持器本体5の軸方向一端面6に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部7を形成するとともに、この凹部7の周方向に対向する開口端から突出する一対の爪部8、8を設けて、凹部7と一対の爪部8、8とでボール3が収納されるポケット9を形成したものである。
ところで、転がり軸受においては、低トルク化が要求される。低トルク化仕様のものが種々提案されている(特許文献1及び特許文献2)。特許文献1および特許文献2では、保持器が一対のプレス形成板を締結手段にて締結されてなるものであり、各プレス形成板の内面にポケット用凹部が設けられ、この相対向するポケット用凹部で、転動体としてのボールが嵌合するポケットが形成される。そして、ポケット用凹部の内面に、潤滑剤(グリース)溜りとしての凹部等を設けたものである。
また、従来には、冠型保持器において、ポケットの両端開口部を広くするとともに、ポケットの内面とボールの転動面との対向面積を狭くすることによって、回転抵抗を小さくするものがある(特許文献3)。
特開2003−13962号公報 特開平9−317775号公報
前記特許文献1および特許文献2では、ボールと保持器のポケットとの摺接面積を減少させることができて、低トルク化を図ることができる。しかしながら、グリース潤滑時は、凹部にグリースが溜り、常にグリースがボールに付着する状態となる。このため、ボール3と内輪の転走面との間、及びボールと外輪の転走面との間にグリースが介在されやすくなり、トルクが増加するおそれがある。
また、前記特許文献3では、グリース潤滑下で使用される軸受のグリース寿命を延ばすために、保持器の外径面側にぬすみ等を設け、グリースを多量封入するものである。しかも、保持したグリースをボールへ供給するような形状となっている。
このため、この特許文献3においても、前記特許文献1及び特許文献2と同様、グリースがボールに付着する状態となり、トルクが増加するおそれがある。しかも、この特許文献3では、一方向の回転にのみ特化しており、組立時等の制約があり、工数増加等を招くおそれがある。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、グリース潤滑でトルク低減効果が得られる玉軸受用保持器及び玉軸受を提供しようとするものである。
本発明の第1の玉軸受用保持器は、環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、爪部の保持器外径面側に、ボールとの接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部を設けたものである。ここで、近接とは、ボールと接触しないが、ボールに付着した掻き取ることができる範囲に位置することである。
本発明の第2の玉軸受用保持器は、環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、爪部の保持器内径面側に、ボールとの接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部を設けたものである。この場合の近接の前記第1の玉軸受用保持器と同様である。
本発明の第3の玉軸受用保持器は、環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、爪部の保持器外径面側及び保持器内径面側に、ボールとの接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部を設けたものである。この場合の近接も前記第1の玉軸受用保持器と同様である。
本発明の玉軸受用保持器によれば、掻き取り構造部を設けたことによって、ボールに付着するグリースのボールからの掻き取りが可能となる。このため、グリース潤滑下で使用されるのが好ましい。
保持器本体の爪部が設けられる軸方向一端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の内径側及び/又は外径側にグリース溜りを設けることができる。
保持器本体の爪部を有さない軸方向他端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の内径側及び/又は外径側にグリース溜りを設けることができる。
このように、グリース溜りを設けることによって、このグリース溜りにグリースが溜まって転動体(ボール)の転走面へのグリースの流動を減らすことができる。これによって、グリースの攪拌抵抗を低減できる。
保持器材料にポリアミド樹脂を用いることができる。ポリアミド樹脂としては、PA66(ポリアミド66)であったり、PA46(ポリアミド46)であったり、PA9T(ポリアミド9T)であったり、PA11(ポリアミド11)であったり、PA6(ポリアミド6)であったりする。このため、この保持器は、伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたものとなる。
本発明の玉軸受は、内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に介装されるボールと、このボールを保持する保持器とを備えた玉軸受において、前記保持器に前記玉軸受用保持器
を用いたものである。
本発明の玉軸受用保持器は、ボールに付着するグリースのボールからの掻き取りが可能となり、ポケットとボールとの間に存在する余剰の潤滑(グリース)を速やかに除去することができる。その結果、潤滑の剪断抵抗を小さくすることができ、その潤滑の剪断抵抗により保持器とボールとの間に発生するトルクを低減させることが容易となる。これにより、近年における燃費向上などの環境問題に適合した自動車用途の玉軸受を容易に提供できる。
グリース溜りを設けることによって、グリースの攪拌抵抗を低減でき、より一層低トルク化を達成できる。
保持器材料としては、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂を用いることができ、高品質な保持器を提供できる。
本発明の玉軸受では、低トルク化を図ることが可能な玉軸受を提供することができる。このため、自動車のオルタネータ、アイドラプーリ、テンショナープーリ、カーエアコン用コンプレッサ、カーエアコン用コンプレッサの電磁クラッチ付プーリ等に組み込まれる玉軸受として最適となる。
本発明の実施形態を示す玉軸受の断面図である。 前記玉軸受の保持器の平面図である。 前記玉軸受の要部拡大断面図である。 前記玉軸受の要部簡略平面図である。 保持器とボールとの関係を示す斜視図である。 爪部を有する側にグリース溜りを設けた保持器の簡略展開図である。 爪部を有する側にグリース溜りを設けた保持器を示し、(a)は内径側にグリース溜りが設けられた保持器の要部簡略平面図であり、(b)は外径側にグリース溜りが設けられた保持器の要部簡略平面図である。 爪部を有さない側にグリース溜りを設けた保持器の簡略展開図である。 爪部を有さない側にグリース溜りを設けた保持器を示し、(a)は内径側にグリース溜りが設けられた保持器の要部簡略平面図であり、(b)は外径側にグリース溜りが設けられた保持器の要部簡略平面図である。 従来品と本発明品とのトルク測定結果を示すグラフ図である。 従来の玉軸受の断面図である。 従来の玉軸受用保持器の要部斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1〜図3は本発明にかかる玉軸受を示し、この玉軸受用保持器は、自動車の電装部品や補機部品、例えばファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる。
この実施形態の玉軸受20は、外周面に内側転走面22aが形成された内輪22と、その内輪22の外側に配置され、内周面に外側転走面23aが形成された外輪23と、内輪22の内側転走面22aと外輪23の外側転走面23aとの間に転動自在に介在された複数のボール(玉)24と、内輪22と外輪23との間に配され、各ボール24を円周方向等間隔に保持する保持器25と、内輪22と外輪23間の軸方向両側に配され、その内輪22と外輪23間に形成された環状空間27を密封するシール部材26とで主要部が構成されている。このシール部材26により密封された環状空間27にグリース等の潤滑を封入することにより、保持器25のポケット内でボール24がスムーズに転動するようにしている。
この実施形態では、外輪23がハウジングなどの静止部材に装着され、内輪22がエンジン出力で回転駆動する回転軸に装着される。シール部材26は、環状の芯金26aとこの芯金26aに一体に固着されるゴム状部材26bとで構成され、外輪23の内周面に形成されたシール取付溝29に外周部が嵌合状態に固定される。内輪22はシール部材26の内周部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝30が形成され、シール部材26の内周側端に形成されたシールリップ31が内輪1のシール溝30に摺接する。なお、この実施形態では内輪回転タイプを例示しているが、内輪22がシャフトなどの静止部材に装着され、外輪23が回転軸に装着された外輪回転タイプにも適用可能である。
この玉軸受20の運転中、シール部材26の先端のシールリップ31が内輪22の外周端部に摺接した状態を維持しながら、内輪22が回転する。これにより、水やダスト等の異物が軸受内部に侵入したり、あるいは、軸受内部から潤滑が外部へ漏れたりすることを未然に防止するようにしている。
この保持器25は、図2〜図5に示すように、軸方向一端面36に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部37を形成した環状の保持器本体35と、この保持器本体35の凹部37の周方向に対向する開口端から突出する爪部38とを備える。そして、凹部37と、この開口端から突出する一対の爪部38、38とで、前記ボール24が保持されるポケット39が構成される。また、軸方向他端面40に肉ぬすみ用の溝45を設けている。
保持器25は、この種の一般的に使用される耐摩耗性や耐焼き付等に優れた樹脂、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂で形成することができる。さらには、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、あるいはポ
リエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂をベースとして、強度向上と寸法安定性のために、ガラス繊維を添加したものも採用することができる。
しかしながら、本発明においては、保持器25の保持器材料として、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。ポリアミド樹脂としては、PA66(ポリアミド66)であったり、PA46(ポリアミド46)であったり、PA9T(ポリアミド9T)であったり、PA11(ポリアミド11)であったり、PA6(ポリアミド6)であったりする。このように、本発明では、保持器材料として、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂を用いることができ、高品質な保持器を提供できる。なお、外輪23、内輪22、ボール24は、例えば軸受鋼、浸炭鋼等の金属で形成される。
また、この玉軸受に充填されるグリースは、基油、増ちょう剤及び添加剤から成る半固体状の潤滑剤である。潤滑グリースを構成する基油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブデン、ポリ-α-オレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に潤滑グリースの基油として使用されている油であれば特に限定することなく使用できる。
また、増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または2種類以上組み合せて用いてもよい。
潤滑グリース用の公知の添加剤としては、例えば極圧剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合せて添加できる。
爪部38の保持器外径面側に、ボール24との接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部50を設けている。すなわち、外径面25aに、爪部38に連続する突起部51を設け、この突起部51にて掻き取り構造部50を構成している。ここで、近接とは、ボール24と接触しないが、ボール24に付着した掻き取ることができる範囲に位置することである。
突起部51は、爪部38と同一形状であって、軸方向一端面36より反軸方向他端面側であって、外径面25aよりも外径側に突出する先端部51aと、外径面25aよりも外径側に突出する基端部51bとからなる(図5参照)。そして、この突起部51の円弧状エッジ部51c、51cが、ボール24に接触乃至近接することによって、ボール24に付着したグリースを掻き取る。
また、前記実施形態では、爪部38の保持器外径面側に、ボール24との接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部50を設けているが、図2の仮想線で示すように、爪部38の保持器内径面25b側にこのような掻き取り構造部50を設けてもよい。保持器内径面側に掻き取り構造部50を設ける場合、保持器内径面側にのみ設けても、保持器内径面側および外面側に設けてもよい。
本発明の玉軸受用保持器では、掻き取り構造部50を設けたことによって、ボール24に付着するグリースのボール24からの掻き取りが可能となる。すなわち、ポケット39とボール24との間に存在する余剰の潤滑剤(グリース)を速やかに除去することができる。その結果、潤滑剤の剪断抵抗を小さくすることができ、その潤滑剤の剪断抵抗により保持器25とボール24との間に発生するトルクを低減させることが容易となる。これにより、近年における燃費向上などの環境問題に適合した自動車用途の玉軸受を容易に提供できる。このため、グリース潤滑下で使用されるのが好ましい。
特に、この実施形態のように、突起部51を設ければ、外輪23の転走面23aと保持器25の距離が近づき、グリースの掻き取りを早くできる。すなわち、ボール24に付着したグリースを突起部51の突起の分だけより早い段階で掻きとることができる。このようにグリースを早く掻き取れることができれば、その分ボール24に付着しているグリース量が少なくなるので、より低トルク化を達成できる。
また、前記実施形態では、軸方向他端面40に肉ぬすみ用の溝45を設けているので、保持器成形時の冷却速度を均一化してボイド(成形品の内部にできた空洞)やヒケ(成形品の外面に現れる収縮歪)やそり等の発生を防止する等の作用効果がある。
ところで、保持器25には、図6に示すように、ポケットエッジ部41にて掻き取られたグリースを溜めるグリース溜り60を設けるのが好ましい。グリース溜り60は凹部からなり、爪部38が設けられる保持器本体35の軸方向一端面36側に、周方向に隣合うポケット39間に設けたものである。この場合、図7(a)に示すように内径面25b側に設けても、図7(b)に示すように外径面25a側に設けてもよい。さらには、図示省略するが、内径面25b側及び外径面25a側に設けるようにしてもよい。
図8では、爪部38が設けられていない保持器本体35の軸方向他端面40側において、周方向に隣合うポケット39間に設けたものである。この場合も、図9(a)に示すように内径面25b側に設けても、図9(b)に示すように外径面25a側に設けてもよい。さらには、図示省略するが、内径面25b側及び外径面25a側に設けるようにしてもよい。
このように、グリース溜り60を受けることによって、このグリース溜り60にグリースが溜まって転動体(ボール)24の転走面22a、23aへのグリースの流動を減らすことができる。これによって、グリースの攪拌抵抗を低減でき、より一層低トルク化を達成できる。
ところで、このグリース溜り60の大きさとしては、保持器自体の大きさ、使用する材質等に応じて、種々変更することができる。この場合、大きすぎれば、強度的に劣ることになり、小さすぎれば、グリース溜り量が少なく、転走面22a、23aへのグリース流動を減らすことができない。このため、強度的に劣らず、しかもグリース流動を減らすことができる範囲で種々変更することができる。
前記保持器25を用いた本発明の玉軸受では、グリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる玉軸受を提供することができる。このため、ファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる玉軸受として最適となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、ボール24を保持するためのポケット39の数として、前記実施形態では7個であったが、その数は任意に増減できる。また、グリース溜り60を設ける場合、保持器内径側又は保持器外径側のいずれの側に設けたとしても、周方向に隣合うポケット39間に設けることになるが、全ポケット39間に設けても、任意のポケット39間に設けてもよい。なお、掻き取り構造部50におけるボール24との近接は、前記したように、ボール24に付着したグリースを掻き落とすことができるものであればよく、グリースの種類や軸受サイズ等に応じて種々変更できる。また、ボール24に付着するグリースを完全に掻き落とす必要がなく、掻き取り構造部50における接触範囲や近接範囲としては、支障がない範囲(トルク低減効果が得られる範囲)内で種々変更できる。
保持器25として、炭素鋼、ばね鋼、ステンレス鋼等の金属製であってもよい。金属製の保持器4では切削加工等によって成形される。前記実施形態のように、樹脂製の保持器4では射出成形等にて成形される。
次に、図1等に示すように、爪部38の保持器外径面側に、ボール24との接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部50を設けている玉軸受(本発明品)と、このような掻き取り構造部50を有さない従来の保持器を用いた玉軸受(従来品)とのトルクを比較した。軸受としてNTN社製の6203LLBを用いた。また、回転速度を10000r/minとし、荷重Faを29.4Nとし、雰囲気温度として常温とした。トルク測定結果を図10に示す。この図10からわかるように、本発明品はグリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる。
20 玉軸受
22 内輪
23 外輪
24 ボール
25 保持器
25a 保持器外径面
25b 保持器内径面
35 保持器本体
36 軸方向一端面
37 凹部
38 爪部
39 ポケット
40 軸方向他端面
50 掻き取り構造部
60 グリース溜り

Claims (12)

  1. 環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、
    爪部の保持器外径面側に、ボールとの接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部を設けたことを特徴とする玉軸受用保持器。
  2. 環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、
    爪部の保持器内径面側に、ボールとの接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部を設けたことを特徴とする玉軸受用保持器。
  3. 環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、
    爪部の保持器外径面側及び保持器内径面側に、ボールとの接触乃至近接によってグリースを掻き取る掻き取り構造部を設けたことを特徴とする玉軸受用保持器。
  4. グリース潤滑下で使用されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  5. 保持器本体の爪部が設けられる軸方向一端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の内径側にグリース溜りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  6. 保持器本体の爪部が設けられる軸方向一端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の外径側にグリース溜りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  7. 保持器本体の爪部が設けられる軸方向一端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の内径側及び外径側にグリース溜りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  8. 保持器本体の爪部を有さない軸方向他端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の内径側にグリース溜りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  9. 保持器本体の爪部を有さない軸方向他端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間の外径側にグリース溜りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  10. 保持器本体の爪部を有さない軸方向他端面側において、周方向に沿って隣合うポケット間に内径側及び外径側にグリース溜りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  11. 保持器材料にポリアミド樹脂を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  12. 内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に介装されるボールと、このボールを保持する保持器とを備えた玉軸受において、前記保持器に前記請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器を用いたことを特徴とする玉軸受。
JP2011038597A 2011-02-24 2011-02-24 玉軸受用保持器および玉軸受 Expired - Fee Related JP5872172B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011038597A JP5872172B2 (ja) 2011-02-24 2011-02-24 玉軸受用保持器および玉軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011038597A JP5872172B2 (ja) 2011-02-24 2011-02-24 玉軸受用保持器および玉軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012172830A true JP2012172830A (ja) 2012-09-10
JP5872172B2 JP5872172B2 (ja) 2016-03-01

Family

ID=46975915

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011038597A Expired - Fee Related JP5872172B2 (ja) 2011-02-24 2011-02-24 玉軸受用保持器および玉軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5872172B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103807304A (zh) * 2012-11-07 2014-05-21 精工电子有限公司 轴承、轴承装置及记录装置
WO2016052596A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 Ntn株式会社 転がり軸受
WO2016158434A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 Ntn株式会社 転がり軸受
WO2019027011A1 (ja) * 2017-08-04 2019-02-07 Ntn株式会社 玉軸受

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3506316A (en) * 1968-04-16 1970-04-14 Barden Corp Ball bearing cage
JPH0656519U (ja) * 1993-01-20 1994-08-05 光洋精工株式会社 玉軸受
JPH0960643A (ja) * 1995-08-23 1997-03-04 Nippon Seiko Kk 玉軸受用冠型保持器
JP2003035317A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Nsk Ltd 冠型合成樹脂製保持器および転がり軸受
JP2004162921A (ja) * 1996-07-17 2004-06-10 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2004346973A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Ntn Corp 玉軸受用の合成樹脂製保持器
JP2005155759A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2005214259A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Nsk Ltd 玉軸受及びオルタネータ用玉軸受
JP2009197895A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Nsk Ltd 玉軸受用保持器、及び玉軸受
JP2010071386A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Ntn Corp 転がり軸受用保持器およびこれを備える転がり軸受

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3506316A (en) * 1968-04-16 1970-04-14 Barden Corp Ball bearing cage
JPH0656519U (ja) * 1993-01-20 1994-08-05 光洋精工株式会社 玉軸受
JPH0960643A (ja) * 1995-08-23 1997-03-04 Nippon Seiko Kk 玉軸受用冠型保持器
JP2004162921A (ja) * 1996-07-17 2004-06-10 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2003035317A (ja) * 2001-07-24 2003-02-07 Nsk Ltd 冠型合成樹脂製保持器および転がり軸受
JP2004346973A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Ntn Corp 玉軸受用の合成樹脂製保持器
JP2005155759A (ja) * 2003-11-25 2005-06-16 Nsk Ltd 転がり軸受
JP2005214259A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Nsk Ltd 玉軸受及びオルタネータ用玉軸受
JP2009197895A (ja) * 2008-02-21 2009-09-03 Nsk Ltd 玉軸受用保持器、及び玉軸受
JP2010071386A (ja) * 2008-09-18 2010-04-02 Ntn Corp 転がり軸受用保持器およびこれを備える転がり軸受

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103807304A (zh) * 2012-11-07 2014-05-21 精工电子有限公司 轴承、轴承装置及记录装置
JP2014095397A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Seiko Instruments Inc 軸受、軸受装置及び記録装置
WO2016052596A1 (ja) * 2014-10-02 2016-04-07 Ntn株式会社 転がり軸受
WO2016158434A1 (ja) * 2015-03-27 2016-10-06 Ntn株式会社 転がり軸受
WO2019027011A1 (ja) * 2017-08-04 2019-02-07 Ntn株式会社 玉軸受
JP2019031990A (ja) * 2017-08-04 2019-02-28 Ntn株式会社 玉軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP5872172B2 (ja) 2016-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5615649B2 (ja) 玉軸受
JP2012163172A (ja) 玉軸受用保持器および玉軸受
WO2010131619A1 (ja) トランスミッション用軸受
WO2012157411A1 (ja) 玉軸受用保持器および玉軸受
US8961023B2 (en) Ball bearing retainer and ball bearing
JP5872172B2 (ja) 玉軸受用保持器および玉軸受
JP2012107674A (ja) 玉軸受
JP2015194256A (ja) 転がり軸受
JP5687012B2 (ja) 密封型転がり軸受
JP5863284B2 (ja) 玉軸受用保持器および玉軸受
JP5623312B2 (ja) 玉軸受用保持器および玉軸受
JP2012057703A (ja) 軸受用保持器および転がり軸受
JP2016070470A (ja) 転がり軸受
WO2023149266A1 (ja) 玉軸受
JP2013200006A (ja) 玉軸受およびその保持器
JP2016183683A (ja) 転がり軸受
WO2023189431A1 (ja) 玉軸受
JP2012086954A (ja) 乗客コンベアの回転支持装置
WO2023189430A1 (ja) 玉軸受
WO2023248750A1 (ja) 玉軸受
JP2018135958A (ja) トランスミッション用転がり軸受装置
JP6125185B2 (ja) ウォータポンププーリユニット
JP2012172834A (ja) 密封型転がり軸受
WO2024018952A1 (ja) 玉軸受
WO2016158434A1 (ja) 転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141222

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150917

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20151001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160113

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5872172

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees