JP2012172834A - 密封型転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持器側でグリース漏れ対策を施すことができ、シール設計を外部からの異物浸入に特化して、高性能の密封型転がり軸受を提供する。
【解決手段】外径面に転走面22aが形成された内輪22と、内径面に転走面23aが形成された外輪23と、内輪22と外輪23の転走面間に配列される転動体24と、転動体24を保持するポケットを有する保持器25と、内輪22と外輪23間に形成された環状空間27を密封するシール部材26とを備えた密封型転がり軸受である。保持器25のポケット底部の内径側に減肉部33を設けた。保持器25の外径面に曲面部41を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車や一般モータ等の分野で使用される密封型転がり軸受に関する。
カーエアコン用電磁クラッチ部の軸受、あるいは車両の補機ベルトやタイミングベルト用プーリの軸受等、一般的に外輪回転をする転がり軸受においては、雨水やダスト等が軸受内部に浸入しないように強固な密封性を有する密封型転がり軸受が使用されている。
すなわち、このような密封型転がり軸受は、図7に示すように、外径面に内側転走面2aが形成された内輪2と、その内輪2の外側に配置され、内径面に外側転走面3aが形成された外輪3と、内輪2の内側転走面2aと外輪3の外側転走面3aとの間に転動自在に介在された転動体としてのボール4と、内輪2と外輪3との間に配され、各ボール4を円周方向等間隔に保持する保持器5と、内輪2と外輪3間の軸方向両側に配され、その内輪2と外輪3間に形成された環状空間7を密封するシール部材6とで主要部が構成されている。このシール部材6により密封された環状空間7にグリース等の潤滑材を封入することにより、保持器5のポケット内でボール4がスムーズに転動するようにしている。
保持器5は、図8に示すように、環状の保持器本体20を備え、この保持器本体20の軸方向一端面12に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部13を形成するとともに、この凹部13の周方向に対向する開口端から突出する一対の爪部14、14を設けて、凹部13と一対の爪部14、14とでボール4が収納されるポケット16を形成したものである。
シール部材6は、環状の芯金6aとこの芯金6aに一体に固着されるゴム状部材6bとで構成され、外輪3の内径面に形成されたシール取付溝9に外周部が嵌合状態に固定される。内輪2はシール部材6の内周部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝10が形成され、シール部材6の内周側端に形成されたシールリップ11が内輪2のシール溝10に摺接する。
このような密封型転がり軸受においては、軸受内部のグリースが漏れないようにする必要があり、そのため、従来では、グリース漏れ対策としてシール部材のシールリップの形状や接触角度を限定したり(特許文献1及び特許文献2)、2重のシール構造を備えたものであったりしていた(特許文献3)。
特開2005−180575号公報 特開2006−226348号公報 特開2005−250240号公報
ところで、グリース漏れは、内輪のシール溝にグリースが存在する場合、軸受温度上昇によるシールの呼吸現象によって起こると推察される。すなわち、接触シールのシールリップ部分にグリースが存在した状態で軸受温度が上昇すると、軸受内部の空気の膨張によって軸受内部の圧力が上昇するため、軸受外部との圧力差によりシールリップ部分が開いて軸受内のグリースや空気が軸受外部へ漏洩する現象が生じる。この現象を呼吸現象と呼ぶことができる。
このため、前記特許文献1から特許文献3に示すシール構造を備えた密封型転がり軸受においても、この呼吸現象によるグリース漏れを防止することが困難である。すなわち、このグリース漏れは、内輪のシール溝にグリースが付着することに起因するためである。転動体としてのボールに付着したグリースが、回転により保持器内径面で掻き取れられ、内輪の外径面に付着及び堆積する。そして、この付着及び堆積したグリースが、内輪のシール溝に入り込むことになる。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、保持器側でグリース漏れ対策を施すことができ、シール設計を外部からの異物浸入に特化して、高性能の密封型転がり軸受を提供しようとするものである。
本発明の密封型転がり軸受は、外径面に転走面が形成された内輪と、内径面に転走面が形成された外輪と、内輪と外輪の転走面間に配列される転動体と、この転動体を保持するポケットを有する保持器と、内輪と外輪間に形成された環状空間を密封するシール部材とを備えた密封型転がり軸受であって、前記保持器のポケット底部の内径側に減肉部を設けるとともに、保持器の外径面に曲面部を設けたものである。
本発明の密封型転がり軸受によれば、ポケット底部の内径側に減肉部を設けることによって、保持器のポケット底部の内径側で掻き取られるグリース量を減少させることができる。これによって、内輪の外径面に形成されるシール溝内へのグリースの浸入を回避できる。さらに、保持器の外径面に曲面部を設けことによって、保持器公転によるブリースの攪拌抵抗を低減することができる。
外輪の内径面の軸方向端部に、軸方向外方に向かって拡径するテーパ部を設けたものであっても、周方向凹溝を設けたものであってもよい。
本発明のように、内輪のシール溝内へのグリースの浸入が防止されるようになれば、この軸受では、回転による遠心力でグリースが外輪側へ移動し、保持器外径側に付着しようとする。このため、前記のように外輪の内径面の軸方向端部にテーパ部が設けられたものでは、グリースはテーパ部に案内されて軸方向外方へ流動することになる。また、外輪の内径面の軸方向端部に周方向凹溝を設けたものでは、グリースを周方向凹溝に溜めることができる。
保持器が鉄製であっても、樹脂製であってもよい。また、樹脂製である場合、PEEKやPA等にて構成できる。PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂)は、熱可塑性樹脂としては非常に高い耐熱性があり、耐疲労性に優れ、耐磨耗性や寸法安定性、耐薬品性にも優れている。PA(ポリアミド樹脂)は、耐摩耗性、耐寒冷性、耐衝撃性が良い。また、鉄製等であれば、切削加工にて成形でき、樹脂製等であれば、射出成形にて成形できる。
内部に充填されるグリースのグリース基油の動粘度を、2.3cst以上17.5cst以下とするのが好ましい。このように設定することによって、温度上昇を抑えることができるとともに、転走面に表面傷みが生じない油膜形成状態を確保できる。すなわち、グリース基油の動粘度をこのように設定することによって、動粘度としては最適化される。
動粘度が17.5cstを越えると、軸受の温度上昇を抑えることができず、動粘度が2.3cst未満であれば、転走面の表面傷みが生じない油膜形成状態を確保できないおそれがある。
クラッチレリーズ軸受を構成したり、プーリ軸受を構成したりすることができる。クラッチレリーズ軸受は、自動車のエンジンとトランスミッションとの間に配設されるクラッチ装置に組み込まれるものである。プーリ軸受は、カーエアコンコンプレッサ、オルタネータ、パワステポンプ、ウォーターポンプ等のエンジン補機をベルト駆動するベルト、あるいはカムシャフトを駆動するタイミングベルトに使用されるものである。
前記本発明の密封型転がり軸受は電装補機アプリケーションに使用される。電装補機とは自動車等のエンジンに取付けられたベルトで駆動される部品の総称である。
本発明の密封型転がり軸受では、内輪の外径面に形成されるシール溝内へのグリースの浸入を回避でき、グリース漏れを有効に防止できる。すなわち、呼吸現象によるグリース漏れを有効に防止することができる。このため、シール設計を外部からの異物浸入に特化して高性能のシール機能を発揮することができる。また、保持器がグリースを攪拌することで生じるトルク増を抑えることができる。すなわち、グリースの攪拌抵抗を低減させることができ、低トルク化を図ることができる。
外輪の内径面の軸方向端部にテーパ部を設けたものでは、グリースが軸方向外方へ流動することになって、保持器によるグリースの攪拌抵抗をより低減でき、軸受の低トルク化を安定して図ることができる。また、外輪の内径面の軸方向端部に周方向凹溝を設けたものであっても、軸受の低トルク化を安定して図ることができる。
保持器に鉄製を用いれば、保持器は剛性が大となって、減肉部を設けたとしても、強度不足とならず、製品として安定する。また、保持器に樹脂製を用いれば、軽量化を図ることができ、樹脂にPEEKやPA等を用いれば、これらは耐摩耗性等に優れているので、設けたとしても、強度不足とならず、製品として安定する。また、保持器は、切削加工や射出成形等の種々の成形方法を採用することができ、その材質に応じて最適の方法を採用することができる。
グリース基油の動粘度を、2.3cst以上17.5cst以下とすることによって、さらなる低トルク化を図ることができる。
本発明の密封型転がり軸受では、クラッチレリーズ軸受を構成したり、プーリ軸受を構成したりすることができ、種々の用途の装置や部材に使用することができる。特に、耐グリース漏れ性に優れているので、耐グリース漏れ性が要求される電装補機アプリケーションに使用される軸受として最適となる。
本発明の第1の実施形態を示す密封型転がり軸受の断面図である。 前記密封型転がり軸受に用いた保持器の斜視図である。 本発明の第2の実施形態を示す密封型転がり軸受の断面図である。 本発明の第3の実施形態を示す密封型転がり軸受の断面図である。 実施例2の結果を示し、(a)は現行型のグラフ図であり、(b)は改良型のグラフ図である。 実施例3の結果を示すグラフ図である。 従来の密封型転がり軸受の断面図である。 従来の保持器の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明にかかる密封型転がり軸受を示し、この密封型転がり軸受は、自動車の電装部品や補機部品、例えばファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる。
この実施形態の密封型転がり軸受は、外径面に内側転走面22aが形成された内輪22と、その内輪22の外側に配置され、内径面に外側転走面23aが形成された外輪23と、内輪22の内側転走面22aと外輪23の外側転走面23aとの間に転動自在に介在された複数の転動体24としてのボール24aと、内輪22と外輪23との間に配され、各ボール24aを円周方向等間隔に保持する保持器25と、内輪22と外輪23間の軸方向両側に配され、その内輪22と外輪23間に形成された環状空間27を密封するシール部材26とで主要部が構成されている。このシール部材26により密封された環状空間27にグリース等の潤滑材を封入することにより、保持器25のポケット内でボール24aがスムーズに転動するようにしている。
シール部材26は、環状の芯金26aとこの芯金26aに一体に固着されるゴム状部材26bとで構成され、外輪23の内径面に形成されたシール取付溝29に外周部が嵌合状態に固定される。内輪22はシール部材26の内周部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝30が形成され、シール部材26の内周側端に形成されたシールリップ31が内輪22のシール溝30に摺接する。
この軸受の運転中、シール部材26の先端のシールリップ31が内輪22の外周端部に摺接した状態を維持しながら、内輪22が回転する。これにより、水やダスト等の異物が軸受内部に浸入したり、あるいは、軸受内部から潤滑材が外部へ漏れたりすることを未然に防止するようにしている。
この保持器25は、図2に示すように、軸方向一端面36に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部37を形成した環状の保持器本体35と、この保持器本体35の凹部37の周方向に対向する開口端から突出する爪部38とを備える。そして、凹部37と、この開口端から突出する一対の爪部38、38とで、前記ボール24aが保持されるポケット39が構成される。
保持器25は、この種の一般的に使用される耐摩耗性等に優れた樹脂、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂で形成することができる。さらには、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、あるいはポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂をベースとして、強度向上と寸法安定性のために、ガラス繊維を添加したものも採用することができる。
本発明においては、保持器25の保持器材料として、引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂(PA)等を用いるのが好ましい。ポリアミド樹脂としては、PA66(ポリアミド66)であったり、PA46(ポリアミド46)であったり、PA9T(ポリアミド9T)であったり、PA11(ポリアミド11)であったり、PA6(ポリアミド6)であったりする。このように、本発明では、保持器材料として、引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂を用いることができ、高品質な保持器を提供できる。
また、保持器25の保持器材料として、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂)であってもよい。熱可塑性樹脂としては非常に高い耐熱性があり、耐疲労性に優れ、耐磨耗性や寸法安定性、耐薬品性にも優れている。保持器25として、炭素鋼、ばね鋼、ステンレス鋼等の金属製であってもよい。金属製の保持器では切削加工等によって成形される。前記実施形態のように、樹脂製の保持器では射出成形等にて成形される。なお、外輪23、内輪22、ボール24aは、例えば軸受鋼、浸炭鋼等の金属で形成される。
また、この密封型転がり軸受に充填されるグリースは、基油、増ちょう剤及び添加剤から成る半固体状の潤滑剤である。潤滑グリースを構成する基油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブデン、ポリ-α-オレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に潤滑グリースの基油として使用されている油であれば特に限定することなく使用できる。基油(グリース基油)の動粘度を、2.3cst以上17.5cst以下とする。動粘度とは、粘度と密度の比である。
また、増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または2種類以上組み合せて用いてもよい。
潤滑グリース用の公知の添加剤としては、例えば極圧剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合せて添加できる。
ところで、この密封型転がり軸受の保持器25は、図2に示すように、ポケット底部の内径側に減肉部33を設けている。すなわち、減肉部33は、各ポケット39も一対づつ設けられるものであって、凹部37の内径縁に面取り(切欠部)を設けることにより形成している。
また、保持器25の外径面において、反爪部側に円弧状の曲面部41を設けている。これによって、軸受内部において、軸受軸方向外方へ広がるスペースSを形成するものである。このため、このスペースSによって、軸受内部に充填されるグリースが軸受軸方向外方へ排出される前記排出構造部40を構成する。
このように、ポケット底部の内径側に減肉部33を設けことによって、保持器25のポケット底部の内径側で掻き取られるグリース量を減少させることができる。これによって、内輪22の外径面に形成されるシール溝内へのグリースの浸入を回避でき、グリース漏れを有効に防止できる。すなわち、呼吸現象によるグリース漏れを有効に防止することができる。このため、シール設計を外部からの異物浸入に特化して高性能のシール機能を発揮することができる。
保持器25の外径面に曲面部41を設けことによって、保持器公転によるグリースの攪拌抵抗を低減することができ、トルク増を抑えることができる。すなわち、グリースの攪拌抵抗を低減させることができ、低トルク化を図ることができる。
また、排出構造部40を設けたことによって、グリースが軸受軸方向外方へ排出され、ボール24a上へのグリースの浸入を防止できる。これによって、グリースのせん断抵抗を低減し、低トルク化を図ることができる。
グリースの基油の動粘度を、2.3cst以上17.5cst以下とすることによって、温度上昇を抑えることができるとともに、転走面22a、23aに表面傷みが生じない油膜形成状態を確保できる。すなわち、グリース基油の動粘度をこのように設定することによって、動粘度としては最適化され、さらなる低トルク化を図ることができる。動粘度が17.5cstを越えると、軸受の温度上昇を抑えることができず、動粘度が2.3cst未満であれば、転走面22a、23aの表面傷みが生じない油膜形成状態を確保できないおそれがある。
転走面22a、23aの表面傷みの起こる油膜成形率は次の数1に示す関係から導ける。すなわち、最小油膜厚さをhminとした場合、hmin>0.032(μm)となる。このため、0.032(μm)を超える油膜厚さを実現するグリース基油の動粘度(at 100℃)は2.3cst以上となる。
保持器25に樹脂製を用いれば、軽量化を図ることができ、樹脂にPEEKやPA等を用いれば、これらは耐摩耗性等に優れているので、減肉部33や曲面部41を設けたとしても、強度不足とならず、製品として安定する。
図3では、外輪23の内径面の軸方向端部に、軸方向外方に向かって拡径するテーパ部45、45を設けたものである。このように、テーパ部45、45を設けたことによって、グリースは保持器25の外径側に止まらず、テーパ部45、45を伝って軸方向外方へ流動し、保持器25がグリースを攪拌することで生じるトルク増を抑えることができる。この図3に示す密封型転がり軸受においても、ポケット底部の内径側に減肉部33を設けるとともに、外径面に曲面部41を設けている。このため、前記図1の密封型転がり軸受と同様の作用効果を奏する。
次に図4は、外輪23の内径面の軸方向端部に周方向凹溝50、50を設けたものである。このように周方向凹溝50、50を設けることによって、周方向凹溝50、50にグリースを溜めることができ、保持器25がグリースを攪拌することで生じるトルク増を抑えることができる。この図4に示す密封型転がり軸受においても、ポケット底部の内径側に減肉部33を設けるとともに、外径面に曲面部41を設けている。このため、前記図1や図3に示す密封型転がり軸受等と同様の作用効果を奏する。
本発明の密封型転がり軸受は、グリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる軸受を提供することができる。このため、クラッチレリーズ軸受を構成したり、プーリ軸受を構成したりすることができる。クラッチレリーズ軸受は、自動車のエンジンとトランスミッションとの間に配設されるクラッチ装置に組み込まれるものである。プーリ軸受は、カーエアコンコンプレッサ、オルタネータ、パワステポンプ、ウォーターポンプ等のエンジン補機をベルト駆動するベルト、あるいはカムシャフトを駆動するタイミングベルトに使用されるものである。
このように、クラッチレリーズ軸受を構成したり、プーリ軸受を構成したりすることができ、種々の用途の装置や部材に使用することができる。特に、ファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる軸受として最適となる。すなわち、耐グリース漏れ性に優れているので、耐グリース漏れ性が要求される電装補機アプリケーションに使用される軸受として最適となる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、ボール24aを保持するためのポケット39の数として、前記実施形態では12個であったが、その数は任意に増減できる。外輪23の内径面に設けられるテーパ部45のテーパ角度としては、グリースを軸方向外方へ排出可能範囲で種々変更できる。また、テーパ部45を設ける場合、前記実施形態では、軸方向両端部に設けられているが、いずれか一方に設けてもよい。
外輪23の内径面に設けられる周方向凹溝50を設ける場合、周方向凹溝50の形状や大きさ等は、このような周方向凹溝50を設けた際に、外輪23が強度的に劣ることにならず、かつ、グリースを溜めることが可能な範囲で種々変更できる。周方向凹溝50を設ける場合、前記実施形態では、軸方向両端部に設けられているが、いずれか一方に設けてもよい。
保持器のポケット底部の内径側に設けられる減肉部33としては、前記実施形態では、各ポケット39に2つ設けていたが、一つでもあっても、3つ以上であってもよい。また、減肉部33の大きさや配置位置等は、保持器のポケット底部の内径側で掻き取られるグリース量を減少させることができる範囲で種々変更することができる。
次に、保持器に減肉部33を有するものと、減肉部33を有さないものとのグリース漏れを比較した。軸受として複列アンギュラ玉軸受を用いた。回転速度を9000r/minとし、ラジアル荷重を1470Nとし、雰囲気温度として80℃とし、運転時間を20時間とした。その試験結果を次の表1に示した。なお、表1の現行型とは、減肉部33を有さない従来タイプの保持器を用いたものであり、表1の改良型1とは、前記図2に示すように、各ポケットに2つの減肉部33を有する保持器を用いたものである。
表1から分かるように、現行型にはグリース漏れがあり、改良型にはグリース漏れが生じなかった。なお、各タイプにおいて質量がマイナス、つまり減少(質量減)があったが、この減少には、防錆油及びグリース基油の蒸発による重量減がある。このため、改良型の重量減は、この重量減であり、現行型の重量減はこの重量減およびグリース漏れの重量減を含むものである。
次に、保持器25の外径面に曲面部41を設けたもの(改良型2)と、保持器25の外径面に曲面部41を有さないもの(現行型)とのトルクと温度とを比較した。軸受としては、NTN社製の6203T2×3を用い、グリースとして日本グリース社のMP−1を用いた。また、回転速度1800r/minとし、無負荷、自然昇温とした。曲面部41としては、爪方向に向けて凸にわん曲した主曲率部と、該主曲率部よりも小さな曲率半径で背面方向に向けて凸にわん曲して前記主曲率部に連設される小曲率部とから成る複合曲率面とした。
図5(a)に現行型のトルクと温度とを示し、図5(b)に改良型2のトルクと温度とを示している。これらのグラフ図から改良型2が現行型よりも低トルク化が達成されていることが分かる。
グリース基油の動粘度と軸受の温度上昇との関係を調べた。軸受としては、NTN社製の複列アンギュラ玉軸受を用いた。回転速度9500r/minとし、荷重2224N、荷重オフセット量0mmとし、温度を室温(20℃〜25℃)とした。その結果を次の図6に示した。
この図6のグラフからグリースの基油(100℃)が17.5cst以下で温度上昇を抑えていることが分かる。
22a 内側転走面
22 内輪
23a 外側転走面
23 外輪
24 転動体
25 保持器
26 シール部材
33 減肉部
35 保持器本体
36 軸方向一端面
37 凹部
38 爪部
39 ポケット
45 テーパ部
50 周方向凹溝

Claims (13)

  1. 外径面に転走面が形成された内輪と、内径面に転走面が形成された外輪と、内輪と外輪の転走面間に配列される転動体と、この転動体を保持するポケットを有する保持器と、内輪と外輪間に形成された環状空間を密封するシール部材とを備えた密封型転がり軸受であって、
    前記保持器のポケット底部の内径側に減肉部を設けるとともに、保持器の外径面に曲面部を設けたことを特徴とする密封型転がり軸受。
  2. 外輪の内径面の軸方向端部に、軸方向外方に向かって拡径するテーパ部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の密封型転がり軸受。
  3. 外輪の内径面の軸方向端部に、周方向凹溝を設けたことを特徴とする請求項1に記載の密封型転がり軸受。
  4. 保持器が鉄製であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  5. 保持器が樹脂製であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  6. 保持器が切削加工にて成形させていることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載の密封型転がり軸受。
  7. 保持器が射出成形にて成形させていることを特徴とする請求項1〜請求項5に記載の密封型転がり軸受。
  8. 保持器がPEEKにて形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  9. 保持器がPAにて形成されていることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  10. 内部に充填されるグリースのグリース基油の動粘度を、2.3cst以上17.5cst以下としたことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  11. クラッチレリーズ用軸受を構成することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  12. プーリ軸受を構成することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
  13. 電装補機アプリケーションに使用されることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の密封型転がり軸受。
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