JP2012163172A - 玉軸受用保持器および玉軸受 - Google Patents

玉軸受用保持器および玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】単一で構成され、かつ、耐遠心力変形性及び低トルク性能に優れた保持器およびこのような保持器を用いた軸受を提供する。
【解決手段】玉軸受用保持器27は、環状の保持器本体35の軸方向一端面36に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部37を形成するとともに、凹部37の周方向に対向する開口端から一対の爪部28,38を突設して、凹部37と一対の爪部38,38とでボール24が収納されるポケット19を形成している。軸受内輪22の外径面に対向する保持器内径面に、爪部側の保持器肉厚が反爪部側の保持器肉厚よりも小さくなる断面三角形状の質量減少用切欠部52を設ける。ポケット39のPCDを、ポケット39に収納されるボール24のPCDよりも小さく設定した。
【選択図】図1

Description

本発明は、玉を転動自在に保持する玉軸受用保持器、およびその保持器を外輪および内輪間に組み込んだ玉軸受に関する。
電気自動車用駆動モータやハイブリッド電気自動車用駆動モータ、自動車の電装部品や補機部品、例えばファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる転がり軸受としては、エンジン出力で回転駆動する回転軸を静止部材に回転自在に支持するために、深溝玉軸受やアンギュラ玉軸受などの玉軸受が広く使用されている。
一般に、玉軸受は、図9に示すように、内輪1と、外輪2と、この内輪1と外輪2との間に介装されるボール3と、このボール3を保持する保持器4とを備える。そして、保持器には樹脂冠型保持器を使用する場合がある。この樹脂冠型保持器4は、耐摩耗性や耐焼き付き性等に優れた樹脂からなり、図10に示すように、環状の保持器本体5の軸方向一端面6に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部7を形成するとともに、この凹部7の周方向に対向する開口端から突出する一対の爪部8、8を設けて、凹部7と一対の爪部8、8とでボール3が収納されるポケット9を形成したものである。
ところが、前記図9等に示される軸受が高速回転(Dn値が100万以上)で使用されると、保持器が遠心力により変形するおそれがある。このように変形すれば、他部品と干渉することで摩耗粉の発生や異常発熱が懸念され、寿命が短くなる課題がある。また、高速回転で運転すると、回転による摩擦とグリースの撹拌抵抗により温度が上昇して、保持器の変形がより大きくなる。また、軸受においては、低トルク化が要求される。
そこで、従来には、高温環境下で高速回転で運転された場合でも、保持器が外輪の内周面と擦れ合うことを防止できるようにしたものがある(特許文献1)。すなわち、この特許文献1では、反爪部側の端面側に補強リングを配置するとともに、外径面を、反爪部側から爪部側に向かって順次縮径するテーパ面としている。
また、従来には、一対の素子を係合部材を介して一体化してなる保持器も提案されている(特許文献2)。すなわち、第1の素子に段部を備えた貫通孔を形成するとともに、第2の素子に鉤部を備えた突起部を形成し、第1の素子の貫通孔に、第2の素子の突起部を嵌入させて、突起部の鉤部を貫通孔の段部に係合させた状態で、突起部が嵌入された貫通孔における隙間に、固定片を埋めるものである。このように構成することによって、高速回転時の係合部材の損傷、摩耗、変形等を抑制することが可能な軸受としている。
特開2008−128296号公報 特開2009−281399号公報
前記特許文献1のように、補強リングを配置するものでは、部品点数が増加して、生産性に劣ることになるとともに、コスト高となる。また、外径面をテーパ面とすることによって、内径側でボール付着したグリースを掻き取ることになって、グリース漏れがおきやすくなる。また、前記特許文献2のように、一対の素子を備えたものでは、前記特許文献1に記載のものよりも部品点数が多く、組立性に劣るとともに、コスト高となる。
また、図10に示す樹脂冠型保持器4では、図11と図12に示すように、ポケット7のPCD(PPCD)と、ポケット7に収納されるボール3のPCD(BPCD)とが同一に設定される。また、ポケット径(DP)よりもボール径(DB)が小さい。
このため、ポケット7とボール3とは、図13に示す関係となる。すなわち、内径側の
ポケットエッジ部15及び外径側のポケットエッジ部16とボール3との隙間が生じ、ポ
ケットエッジ部15、16でボールに付着したグリースを掻き取りにくく、ボール3と内
輪の転走面との間、及びボールと外輪の転走面との間にグリースが介在されやすくなり、
トルクが増加するおそれがある。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、単一で構成され、かつ、耐遠心力変形性及び低トルク性能に優れた保持器およびこのような保持器を用いた軸受を提供しようとするものである。
本発明の軸受用保持器は、環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、軸受内輪の外径面に対向する保持器内径面に、爪部側の保持器肉厚が反爪部側の保持器肉厚よりも小さくなる質量減少用切欠部を設けるとともに、ポケットのPCDを、ポケットに収納されるボールのPCDよりも小さく設定したものである。
本発明の軸受用保持器によれば、質量減少用切欠部を設けることによって、質量を減少させることができ、この保持器を組み込んだ軸受を用いれば、発生する遠心力を小さくすることができ、変形を抑えることができる。また、ポケットのPCDを、ポケットに収納されるボールのPCDよりも小さく設定したことによって、ポケットをボールに対して内径側に位置させることができる。これによって、外径側のポケットエッジ部がボールに近接した状態(ボールをポケットの外径側で抱え込む状態)となって、ボールに付着したグリースを掻き取ることができる。
質量減少用切欠部の切欠面は、反爪部側から爪部側に向かって順次外径側に傾斜するテーパ面で構成することができる。このように、保持器内径面に質量減少用切欠部を設けることによって、内径側に空間を広く確保できる。
前記ポケットの入口寸法を、ボール径の70%〜95%とするのが好ましく、このように設定することにより、ボールの抱え込み量が安定する。70%未満では、ポケットの入口寸法が小さく、ボール組み込み時に応力集中による損傷等が生じるおそれがある。逆に、95%を超えると、ポケットの入口寸法が大きくなって、ガタ(軸方向のガタ)が大きくなる。
前記ポケットのPCDが、ボールのPCDの0.9〜0.99である場合において、ポケット径がボール径の1.06倍以下であるのが好ましい。1.06倍を超えると、ポケ
ット径が大きくなりすぎてガタが生じるおそれがある。
また、前記ポケットのPCDが、ボールのPCDの0.9〜0.99である場合において、ポケット径がボール径の1.03倍以上であるのが好ましい。1.03倍未満では、ポケット径が小さくなりすぎてボールとポケットとの間の隙間が小さくなって、異常摩耗や応力が大となるおそれがある。
爪部の基部の肉厚寸法が0.3mm以上であるのが好ましい。
保持器材料が、PA66(ポリアミド66)、PA46(ポリアミド46)、PA9T(ポリアミド9T)、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂)のいずれかを用いることができる。PA66等のポリアミド樹脂は、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れている。PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)は、高耐熱性、耐薬品性、精密成形性をもつエンジニアリングプラスチックである。PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン樹脂)は、熱可塑性樹脂としては非常に高い耐熱性があり、耐疲労性に優れ、耐磨耗性や寸法安定性、耐薬品性にも優れている。
保持器としては、電気自動車用駆動モータに用いるものであっても、ハイブリッド電気自動車用駆動モータに用いるものであってもよい。
さらには、保持器として、自動車のアイドラプーリ、テンショナープーリ、オルタネータ、カーエアコン用コンプレッサ、カーエアコン用コンプレッサの電磁クラッチ付プーリのいずれかに用いることができる。
本発明の玉軸受は、内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に介装されるボールと、このボールを保持する保持器とを備えた玉軸受において、前記保持器に前記玉軸受用保持器を用いたものである。
本発明の軸受用保持器では、質量減少用切欠部を設けることによって、高速回転による遠心力変形を低下させ、干渉・損傷を防ぐことができる。外径側のポケットエッジ部がボールに近接した状態(ボールをポケットの外径側で抱え込む状態)となって、ボールに付着したグリースを掻き取ることができるので、グリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる。保持器内径面に質量減少用切欠部を設けることによって、内径側に空間を広く確保でき、さらに、外径側でグリースを掻きとることができ、グリース漏れが生じにくくなっている。また、保持器内径面に質量減少用切欠部を設けることによって、ポケットのPCDをボールのPCDよりも小さくする設計が可能となる。しかも、補強リング等の部品を必要としない単一構造体にて構成でき、部品点数の増加によるコスト高や組立工程数の増加を回避することができる。
前記ポケットの入口寸法を、ボール径の70%〜95%としたことにより、ボールの抱え込み量が安定し、ボールのガタを小さくすることができる。
前記ポケットのPCDが、ボールのPCDの0.9〜0.99である場合において、ポケット径がボール径の1.06倍以下であれば、ガタを少なくできて、高精度の回転を得ることができる。1.03倍以上であれば、異常摩耗や応力が大となるおそれがなく、長期にわたって安定した回転を得ることができる。
爪部の基部の肉厚寸法を0.3mm以上とすることによって、製造性が安定する。すなわち、この保持器が樹脂製であれば、射出成型時の押し出しピンにて安定して押し出すことができるからである。
保持器材料としては、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポ
リアミド樹脂等を用いることができ、高品質な保持器を提供できる。
電気自動車用駆動モータに用いたり、ハイブリッド電気自動車用駆動モータに用いたりでき、汎用性に優れる。
本発明の玉軸受では、グリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる玉軸受を提供
することができる。このため、アイドラプーリ、テンショナープーリ、オルタネータ、カーエアコン用コンプレッサ、カーエアコン用コンプレッサの電磁クラッチ付プーリ等に組み込まれる玉軸受として最適となる。
本発明の実施形態を示す玉軸受の断面図である。 前記玉軸受に用いた本発明の保持器の斜視図である。 前記保持器のポケットの断面図である。 前記保持器の爪部の基部の肉厚を説明する断面図である。 前記保持器の要部拡大斜視図である。 前記保持器とボールとの関係を示す簡略図である。 従来品のトルクと本発明品のトルクとを示すグラフ図である。 鉄板保持器のトルクと樹脂保持器のトルクとを示すグラフ図である。 従来の玉軸受の断面図である。 従来の保持器の斜視図である。 従来の保持器の平面図である。 従来の保持器の断面図である。 従来の保持器とボールとの関係を示す簡略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
図1は本発明にかかる玉軸受を示し、この図例の玉軸受は、電気自動車用駆動モータやハイブリッド電気自動車用駆動モータ、自動車の電装部品や補機部品、例えばファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる。
この実施形態の玉軸受20は、外周面に内側転走面22aが形成された内輪22と、その内輪22の外側に配置され、内周面に外側転走面23aが形成された外輪23と、内輪22の内側転走面22aと外輪23の外側転走面23aとの間に転動自在に介在された複数のボール(玉)24と、内輪22と外輪23との間に配され、各ボール24を円周方向等間隔に保持する保持器25と、内輪22と外輪23間の軸方向両側に配され、その内輪22と外輪23間に形成された環状空間27を密封するシール部材26とで主要部が構成されている。このシール部材26により密封された環状空間27にグリース等の潤滑材を封入することにより、保持器25のポケット内でボール24がスムーズに転動するようにしている。
この実施形態では、外輪23がハウジングなどの静止部材に装着され、内輪22が電動モータ、または、エンジン出力で回転駆動する回転軸に装着される。シール部材26は、環状の芯金26aとこの芯金26aに一体に固着されるゴム状部材26bとで構成され、外輪23の内周面に形成されたシール取付溝29に外周部が嵌合状態に固定される。内輪22はシール部材26の内周部に対応する位置に、円周溝からなるシール溝30が形成され、シール部材26の内周側端26cに形成されたシールリップ31が内輪1のシール溝30に摺接する。なお、この実施形態では内輪回転タイプを例示しているが、内輪22がシャフトなどの静止部材に装着され、外輪3が回転軸に装着された外輪回転タイプにも適用可能である。
この玉軸受20の運転中、シール部材26の先端のシールリップ31が内輪22の外周端部に摺接した状態を維持しながら、内輪22が回転する。これにより、水やダスト等の異物が軸受内部に侵入したり、あるいは、軸受内部から潤滑材が外部へ漏れたりすることを未然に防止するようにしている。
この保持器25は、図2〜図5に示すように、軸方向一端面36に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部37を形成した環状の保持器本体35と、この保持器本体35の凹部37の周方向に対向する開口端から突出する爪部38とを備える。そして、凹部37と、この開口端から突出する一対の爪部38、38とで、前記ボール24が保持されるポケット39が構成される。
保持器本体35は、環状基部35aと、内径面が基部35a側から順次拡径するように傾斜するテーパ面50とされた環状本体部35bとからなる。そして、この環状本体部35bに前記凹部37が形成されている。また、この環状本体部35bの反基部側の端面、つまり、前記軸方向一端面36に爪部38が連設されている。この爪部38は、その内径面が前記テーパ面50に連続するテーパ面51とされる。すなわち、図1に示すように、内輪22の外径面に対向する保持器内径面に、爪部38側の保持器肉厚T2が反爪部側の保持器肉厚T1よりも小さくなる断面三角形状の質量減少用切欠部52が形成される。
保持器25は、この種の一般的に使用される耐摩耗性や耐焼き付等に優れた樹脂、例えばポリエチレン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂で形成することができる。さらには、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、あるいはポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂をベースとして、強度向上と寸法安定性のために、ガラス繊維を添加したものも採用することができる。
しかしながら、本発明においては、保持器25の保持器材料として、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂を用いるのが好ましい。ポリアミド樹脂としては、PA66(ポリアミド66)であったり、PA46(ポリアミド46)であったり、PA9T(ポリアミド9T)であったり、PA11(ポリアミド11)であったり、PA6(ポリアミド6)であったりする。このように、本発明では、保持器材料として、引張伸び,引張強さ,耐衝撃性,耐摩耗性,潤滑性等に優れたポリアミド樹脂を用いることができ、高品質な保持器を提供できる。なお、外輪23、内輪22、ボール24は、例えば軸受鋼、浸炭鋼等の金属で形成される。
また、この玉軸受に充填されるグリースは、基油、増ちょう剤及び添加剤から成る半固体状の潤滑剤である。潤滑グリースを構成する基油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油などの鉱油、ポリブデン、ポリ-α-オレフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、脂環式化合物等の炭化水素系合成油、または、天然油脂やポリオールエステル油、リン酸エステル、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、フッ素化油等の非炭化水素系合成油等、一般に潤滑グリースの基油として使用されている油であれば特に限定することなく使用できる。
増ちょう剤としては、アルミニウム石けん、リチウム石けん、ナトリウム石けん、複合リチウム石けん、複合カルシウム石けん、複合アルミニウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または2種類以上組み合せて用いてもよい。
潤滑グリース用の公知の添加剤としては、例えば極圧剤、アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合せて添加できる。
保持器25のポケット39の入口寸法W(図3参照)を、ボール径(ボール直径)DB(2×RB)(図6参照)の70%〜95%としている。また、爪部38の基部の肉厚寸法T3(図4参照)が0.3mm以上であるように設定される。なお、図5に示すように、爪部38の先端部(ポケット開口部)の内径側コーナ部に面取り部55を形成してもよい。
保持器25においては、ポケット39のPCDを、ポケット39に収納されるボール24のPCDよりも小さく設定したものである。すなわち、図6に示すように、ポケットPCDをPPCDとし、ボールPCDをBPCDとした場合に、PPCD<BPCDとなる。この場合、ポケット39のPCDが、ボールPCDの0.9〜0.99である場合(PPCD=0.9BPCD〜0.99BPCDである場合)において、ポケット径DPがボール径DBの1.06倍以下とし、ポケット径DPがボール径DBの1.03倍以上とする。
ここで、図6に示すように、ポケットPCDとは、保持器ポケットのR中心(RP)と軸受の中心までの長さ(半径)の2倍の長さ(直径)のことである。また、ボールPCDとは、ボールのR中心(RB)と軸受の中心までの長さ(半径)の2倍の長さ(直径)のことである。ボール24とポケット39との関係を前記のように構成することによって、図1に示すように、この保持器を爪部38側から見た場合、ポケット39がボール24に対して内径側に位置させることができる。これによって、外径側のポケットエッジ部41がボール24に近接した状態(ボール24をポケットの外径側で抱え込む状態)となって、ボール24に付着したグリースを掻き取ることができる。なお、内径側のポケットエッジ部42がボール24と離間した状態となって、ボール24に付着したグリースを掻き取りにくくなり、グリース漏れがし難い状態となる。なお、図6の矢印はボール24の回転方向を示している。
本発明では、質量減少用切欠部52を設けることによって、質量を減少させることができ、この保持器25を組み込んだ軸受を用いれば、発生する遠心力を小さくすることができ、変形を抑えることができる。すなわち、質量減少用切欠部52を設けることによって、高速回転による遠心力変形を低下させ、干渉・損傷を防ぐことができる。また、外径側のポケットエッジ部41がボール24に近接した状態(ボール24をポケット39の外径側で抱え込む状態)となって、ボール24に付着したグリースを掻き取ることができるので、グリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる。保持器内径面に質量減少用切欠部52を設けることによって、内径側に空間を広く確保でき、さらに、外径側でグリースを掻きとることができて、グリース漏れが生じにくくなっている。また、保持器内径面に質量減少用切欠部52を設けることによって、ポケット39のPCDをボール24のPCDよりも小さくする設計が可能となる。しかも、補強リング等の部品を必要としない単一構造体にて構成でき、部品点数の増加によるコスト高や組立工程数の増加を回避することができる。なお、切欠部を外径側に設ければ、前記のようなPCDの設定が困難である。
前記ポケットPCDが、ボールPCDの0.9〜0.99である場合において、ポケット径がボール径の1.06倍以下であれば、ガタを少なくできて、高精度の回転を得ることができる。1.03倍以上であれば、異常摩耗や応力が大となるおそれがなく、長期にわたって安定した回転を得ることができる。
前記ポケット39の入口寸法Wを、ボール径Dの70%〜95%としたことにより、ボール24の抱え込み量が安定し、ボール24のガタを小さくすることができる。70%未満では、ポケットの入口寸法が小さく、ボール組み込み時に応力集中による損傷等が生じるおそれがある。逆に、95%を超えると、ポケットの入口寸法が大きくなって、ガタ(軸方向のガタ)が大きくなる。さらに、爪部38の基部の肉厚寸法T3を0.3mm以上とすることによって、製造性が安定する。すなわち、この保持器25が樹脂製であれば、射出成型時の押し出しピンにて安定して押し出すことができるからである。
また、図5に示すように、爪部38に面取り部55を設けたものでは、ポケット39にボール24を挿入する際に、この面取り部55によって、爪部が外径側に逃げることになる。このため、応力が発生しにくく、ボール挿入時等の爪部38の損傷や損傷等を有効に防止できる。
前記保持器25を用いた本発明の玉軸受では、グリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる玉軸受を提供することができる。このため、ファンカップリング装置、オルタネータ、アイドラプーリ、カーエアコン用電磁クラッチ、電動ファンモータ等に組み込まれる玉軸受として最適となる。
また、軸受としては、電気自動車用駆動モータに用いたり、ハイブリッド電気自動車用駆動モータに用いたりでき、汎用性に優れる。なお、これらの駆動モータとしては、例えば、DCM(直流モータ)、SM(永久磁石形同期モータ)、IM(誘導モータ)、SRM(スイッチトリラクタンスモータ)等のモータである。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、質量減少用切欠部52の大きさや、テーパ面50,51の傾斜角度等は、保持器が強度的に劣化せず、高速回転による遠心力変形を低下させ、干渉・損傷を防ぐことができる範囲で種々変更することができる。また、ボール24を保持するためのポケット39の数として、前記実施形態では12個であったが、その数は任意に増減できる。
なお、軸方向他端面40に肉ぬすみ用の溝60(図3参照)を設けてもよい。肉ぬすみ用の溝60は、保持器成形時の冷却速度を均一化してボイド(成形品の内部にできた空洞)やヒケ(成形品の外面に現れる収縮歪)やそり等の発生を防止する等のために設けることになる。
保持器25として、炭素鋼、ばね鋼、ステンレス鋼等の金属製であってもよい。金属製の保持器4では切削加工等によって成形される。前記実施形態のように、樹脂製の保持器4では射出成形等にて成形される。
次に、ポケットPCDとボールPCDとが同一の従来の保持器を用いた玉軸受(従来品)と、ポケットPCDを、ポケット39に収納されるボールPCDよりも小さく設定した保持器を用いた玉軸受(改良品)とのトルクを比較した。軸受としてNTN社製の6203LLBを用い、グリースとして日本グリース社のME−1を用いた。また、回転速度を1000r/minとし、荷重Faを29.4Nとし、雰囲気温度として常温とした。本発明品のポケットPCDとボールPCDとの差を0.7mmとした。トルク測定結果を図7に示す。この図7からわかるように、改良品はグリース潤滑でトルク低減効果を得ることができる。
次に、鉄板製の保持器を用いた場合のトルクと、樹脂製の保持器を用いた場合のトルクとを比較した。この場合の条件としては、次の表1のように設定した。この保持器の樹脂は、繊維強化ポリアミド樹脂であって、ナイロン66にガラス繊維を25重量%混練させたもの(以下、PA66+GF25%)である。なお、静止空間とは、玉軸受が回転した際に、ボール及び保持器が回転運動を行う空間を除いた空間をいう。
Figure 2012163172
トルク測定結果を図8に示す。この図8からわかるように、樹脂製の保持器を用いた場合、鉄板製の保持器を用いたものよりも大幅にトルクが低減する。
22 内輪
23 外輪
24 ボール
25 保持器
35 保持器本体
36 軸方向一端面
37 凹部
38 爪部
39 ポケット
52 質量減少用切欠部

Claims (10)

  1. 環状の保持器本体の軸方向一端面に周方向に沿って所定ピッチで配設される凹部を形成するとともに、この凹部の周方向に対向する開口端から一対の爪部を突設して、前記凹部と一対の爪部とでボールが収納されるポケットを形成した玉軸受用保持器であって、
    軸受内輪の外径面に対向する保持器内径面に、爪部側の保持器肉厚が反爪部側の保持器肉厚よりも小さくなる断面三角形状の質量減少用切欠部を設けるとともに、ポケットのPCDを、ポケットに収納されるボールのPCDよりも小さく設定したことを特徴とする玉軸受用保持器。
  2. 前記ポケットの入口寸法を、ボール径の70%〜95%としたことを特徴とする請求項1に記載の玉軸受用保持器。
  3. 前記ポケットのPCDが、ボールのPCDの0.9〜0.99である場合において、ポケット径がボール径の1.06倍以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玉軸受用保持器。
  4. 前記ポケットのPCDが、ボールのPCDの0.9〜0.99である場合において、ポケット径がボール径の1.03倍以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の玉軸受用保持器。
  5. 爪部の基部の肉厚寸法が0.3mm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  6. 保持器材料が、PA66、PA46、PA9T、PPS、PEEKのいずれかを用いたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  7. 電気自動車用駆動モータに用いることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  8. ハイブリッド電気自動車用駆動モータに用いることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器。
  9. 自動車のアイドラプーリ、テンショナープーリ、オルタネータ、カーエアコン用コンプレッサ、カーエアコン用コンプレッサの電磁クラッチ付プーリのいずれかに用いられることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の玉軸受。
  10. 内輪と、外輪と、この内輪と外輪との間に介装されるボールと、このボールを保持する保持器とを備えた玉軸受において、前記保持器に前記請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の玉軸受用保持器を用いたことを特徴とする玉軸受。
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