JP2003035317A - 冠型合成樹脂製保持器および転がり軸受 - Google Patents

冠型合成樹脂製保持器および転がり軸受

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JP2003035317A
JP2003035317A JP2001223214A JP2001223214A JP2003035317A JP 2003035317 A JP2003035317 A JP 2003035317A JP 2001223214 A JP2001223214 A JP 2001223214A JP 2001223214 A JP2001223214 A JP 2001223214A JP 2003035317 A JP2003035317 A JP 2003035317A
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crown
rolling bearing
crown type
meat
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Hirotsuna Nawamoto
大綱 縄本
Hideto Yui
秀人 由井
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリースの流動性が良好な冠型保持器および
その冠型保持器を用いた転がり軸受を提供する。 【解決手段】 転がり軸受用の冠型合成樹脂製保持器1
0は、環状の保持器本体11と、保持器本体11の正面
側に周方向等間隔で形成された対向する一対の爪12
と、一対の爪12の間に形成されたポケット部13と、
保持器本体11の背面側に円周状に形成された肉ぬすみ
部14とを有し、隣り合うポケット部13間に、保持器
本体11の正面側又は背面側から切り欠かれて肉ぬすみ
部14に連通する切欠部15を設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリース潤滑され
る転がり軸受に関し、自動車や各種動力装置の回転運動
箇所等で使用される転がり軸受及びそれに用いられる冠
型合成樹脂製保持器に関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受に用いられる保持器として、
冠型保持器、もみ抜き保持器、波型プレス保持器等があ
る。冠型保持器は、波型プレス保持器に比べて、自己潤
滑性、低摩擦特性、軽量、耐食性、低騒音等の点に優れ
るという特徴を有している。このため、冠型保持器は、
特に高速回転環境下において、多く用いられている。
【0003】図8に基づいて、従来の冠型保持器の構成
を簡単に説明する。冠型保持器90は、転がり軸受10
0の外輪102と内輪103との間に介挿され、転動体
104を等間隔に転動可能に保持するために用いられ
る。ここで、冠型保持器90は、環状の保持器本体91
と、保持器本体91の正面側(軸方向端面のうちの一
方)91aに周方向等間隔で形成された対向する一対の
爪92と、一対の爪92の間に形成されたポケット部9
3とを有する。
【0004】通常、冠型保持器90の背面側(正面側9
1aの面とは反対側の面)91bには、肉ぬすみ部94
が形成される。肉ぬすみ部94は、保持器本体91の背
面側91bから溝状に掘り込まれて、保持器本体91の
内径面及び外径面に露呈していない。肉ぬすみ部94
は、冠型保持器成形時の冷却速度を均一化してボイドや
ひけやそりの発生を防ぐこと、また、冠型保持器90の
軸方向左右質量バランスを向上させて背面側部分の軽量
化を図ること、さらに、軸受自動組立てができるように
冠型保持器90自身で整列機能を持たせることなどを目
的として設けられている。
【0005】一方で、冠型保持器のグリース潤滑性の向
上を図るべく、冠型保持器に切り欠きや連通路を設ける
ものが種々提案されている。実開平5−73318号公
報には、図9に示すような冠型保持器110が開示され
ている。図9の冠型保持器110は、環状の保持器本体
111と、保持器本体111の正面側に周方向等間隔で
形成された対向する一対の爪112と、一対の爪112
の間に形成されたポケット部113を有している。保持
器本体111の背面側には、半径方向に延びた複数の溝
114が円周方向に間隔を隔てて設けられている。溝1
14は、回転中において、遠心力でグリースを径方向外
向きに送り出すよう機能する。特開2001−2724
8号公報には、図10に示すような冠型保持器120が
開示されている。同図に示すように、冠型保持器120
は、環状の保持器本体121と、保持器本体121の正
面側に周方向等間隔で形成された対向する一対の爪12
2と、一対の爪122の間に形成されたポケット部12
3を有している。保持器本体121の背面側には、ポケ
ット部123間に背面側凹部125aが形成され、保持
器本体121の外周面には、外周面側凹部125bが形
成されている。背面側凹部125aと外周面側凹部12
5bとは、互いに連通して連通路125を形成してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】転がり軸受に用いられ
る冠型保持器には、軸受性能改善の観点から、一層の潤
滑性の向上が求められている。
【0007】本発明者らは、図8に示したような従来の
冠型保持器の肉ぬすみ部に着目し、下記のような実験を
行った。内径30mm、外径72mm、幅19mmの深
溝玉軸受に、肉ぬすみ部を有する上述の冠型保持器を使
用した。シール部材及び外輪をアクリルで製作し、内輪
または外輪を回転させたときの肉ぬすみ部でのグリース
の挙動(グリースの滞留・流動)を観察した。具体的に
は、軸受を10時間回転させた後、肉ぬすみ部に染料で
着色されたグリースを封入し、再度軸受を回転させたと
きのグリースの挙動を目視及び高速度ビデオカメラで観
察した。その結果、内輪回転及び外輪回転のどちらの場
合も、肉ぬすみ部に存在するグリースは、ほとんど流動
しておらず、潤滑にほとんど寄与していないことがわか
った。すなわち、肉ぬすみ部が、グリース流動性向上の
妨げとなっていたのである。以上の実験に基づき、本発
明者らは、肉ぬすみ部におけるグリースの滞留を防ぐこ
とができれば、より潤滑性に優れた冠型保持器を提供で
きることを見出した。
【0008】上述の実開平5−73318号公報と特開
2001−27248号公報のいずれの冠型保持器11
0、120も、溝114や凹部125a、125bにグ
リースが滞留する点に着目したものではなく、グリース
滞留を防ぐことについてもなんら技術的解決を図るもの
ではなかった。実開平5−73318号公報には、冠型
保持器110に肉ぬすみ部に対応するようなグリース溜
め凹部を形成することが開示されている。しかし、溝部
114において、グリースを保有する機能については記
載されているが、グリース滞留による流動性の悪化につ
いての問題提起はなされておらず、また技術的解決もな
されていなかった。
【0009】特開2001−27248号公報の冠型保
持器120においは、肉ぬすみ部に相当するものが開示
されておらず、グリース滞留の問題についての指摘がな
い。連通路125には、冠型保持器120を転がり軸受
に組み込む際に、潤滑剤が供給される。しかし、回転時
の連通路125におけるグリースの滞留を解消し、流動
性を改善するための発想は開示されていなかった。さら
に、同公報の冠型保持器120は、いわゆるラジアルド
ロー方式の金型を用いて射出成形により製作されるもの
である。ラジアルドロー方式の金型は、いくつにも分割
する必要性が生じるため、部品点数が多くなる。また、
その構成も複雑となり、金型の合わせも面倒であった。
このため、冠型保持器120の成形の際、ガス逃げが悪
くなることや、ばりの発生が多くなることが懸念されて
いた。さらに、かかる金型では、冠型保持器などの成形
物の多数個取りが困難である。また、金型も製品の割に
大きくなるため、型代が高価になる。
【0010】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、潤滑剤の流動性を良好にする冠型保
持器およびその冠型保持器を用いた転がり軸受を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 (1)転がり軸受用の冠型保持器において、環状の保持
器本体と、前記保持器本体の正面側に周方向等間隔で形
成された対向する一対の爪と、前記一対の爪の間に形成
されたポケット部と、前記保持器本体の背面側に円周状
に形成された肉ぬすみ部とを有し、隣り合うポケット部
間に、前記保持器本体の正面側又は背面側から切り欠か
れて前記肉ぬすみ部に連通する切欠部が設けられたこと
を特徴とする冠型保持器。 (2) アキシアルドロー方式の金型を用いて射出成形
で製作されることを特徴とする(1)に記載の冠型保持
器。 (3) 前記保持器本体の前記切欠部が設けられた周方
向位置に、略軸方向に延びて前記肉ぬすみ部内に貯まっ
たグリースを軸方向へ導出する案内壁が軸方向背面側方
向にテーパ状に設けられていることを特徴とする(1)
又は(2)に記載の冠型保持器。 (4) (1)から(3)のいずれかに記載の冠型保持
器を用いたことを特徴とする転がり軸受。 (5) グリース潤滑で使用されることを特徴とする
(4)に記載の転がり軸受。
【0012】以上のような冠型保持器によれば、切欠部
により、肉ぬすみ部でのグリース滞留を顕著に防止する
ことができる。このため、グリースの低流動・低潤滑寄
与率の問題を解決することができる。また、グリース寿
命が向上する効果もある。冠型保持器が、アキシアルド
ロー方式の金型を用いて射出成形されて製作されれば、
ラジアルドロー方式のときに比べ、冠型保持器を低コス
トでかつ効率的に製造することができ、生産性は著しく
向上する。保持器本体の切欠部が設けられた周方向位置
に、略軸方向に延びて肉ぬすみ部内に貯まったグリース
を軸方向へ導出する案内壁が設けられていれば、グリー
スは冠型保持器内の案内壁を伝って、肉ぬすみ部の外部
へと良好に流動する。このため、肉ぬすみ部におけるグ
リースの滞留を顕著に防止することができる。前記冠型
保持器を用いた転がり軸受は、軸受の回転時に、保持器
本体の肉ぬすみ部に潤滑剤が滞留することを防止するこ
とができ、転がり軸受内部の潤滑性を向上することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1(a)は、第1実施形態
にかかる冠型合成樹脂製保持器(以下、冠型保持器とい
う。)10を備えた転がり軸受1の断面図である。図1
(b)は、本実施形態の冠型保持器10の部分拡大図で
ある。転がり軸受1は、内周面に外輪軌道を有する外輪
2と、外周面に内輪軌道を有する内輪3と、これら外輪
軌道と内輪軌道との間に転動自在に配された複数の転動
体4(ここでは、玉)と、外輪2の内周面と内輪3の外
周面との間に配され、複数の転動体4を転動自在に保持
する冠型保持器10を有する。外輪2と内輪3との間の
空間の軸方向両側には、グリースを軸受内部に密封する
ためのシール5が設けられている。ここでは、シール5
が外輪2に装着固定されている。シール5の内輪側(摺
接側)には、二又は複数のリップが設けられている。シ
ール5は、内輪3の軸方向両側に形成されたシール溝の
側壁面である斜面に摺接する内側リップと、シール溝と
の間でラビリンスを形成する外側リップとを有してい
る。内側リップがシール溝との間でラビリンスを形成す
る場合もある。
【0014】図1(b)に示すように、冠型保持器10
は、環状の保持器本体11と、保持器本体の正面側(軸
方向端面のうちの一方)11aに周方向等間隔で形成さ
れた対向する一対の爪12と、一対の爪12の間に形成
されたポケット部13と、保持器本体11の背面側(軸
方向正面側の反対側)11bに円周上ほぼ等間隔に形成
された肉ぬすみ部14とを有している。肉ぬすみ部14
は、冠型保持器10の軸方向に深さを有するよう溝状に
形成されている。肉ぬすみ部14の深さは、ポケット部
13間では深めに、ポケット部13近傍においては浅め
になっている。つまり、肉ぬすみ部14は、ポケット部
13間において、その深さを変えつつ、ほぼ等間隔に形
成されている。
【0015】本実施形態において、保持器本体11の内
径面11dのポケット部間の箇所には、背面側11bか
ら軸方向に切り欠いた切欠部15が形成されている。肉
ぬすみ部14は、切欠部15を介して冠型保持器10の
径方向内側に連通している。すなわち、肉ぬすみ部14
の深い箇所に、切欠部15が設けられている。本実施形
態では、切欠部15が矩形状に形成されている。また、
肉ぬすみ部14の切欠部15と反対側の内壁(案内壁)
14aは軸方向背面側方向にテーパ状に形成されてお
り、肉ぬすみ部14の空間が軸方向背面側に向かって広
くなっている。このため、肉ぬすみ部14に貯まったグ
リースを軸方向へスムーズに導出することができる。
【0016】本実施形態の構成によれば、転がり軸受1
の回転の際に、遠心力を受けたグリースは、内輪3の外
径面から冠型保持器10の内径面11dに移動し、切欠
部15から保持器本体11の内側の肉ぬすみ部14に導
かれる。そして、肉ぬすみ部14に存在するグリース
は、切欠部15を介して肉ぬすみ部14に導かれるグリ
ースとともに肉ぬすみ部14に沿って円周方向及び軸方
向に流動する。同時に、案内壁14aを伝って外径面1
1cの方へ流動することができる。したがって、冠型保
持器内径面に存在するグリースは、内輪肩部分(内輪3
のシール5が接する軸方向片側部分)から肉ぬすみ部1
4に連通する流路を通って外径面へ流れ、外輪軌道面の
接触部に効率よく供給される。
【0017】次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図2(a)は第2実施形態の冠型保持器20を備えた転
がり軸受1の断面図である。図2(b)は本実施形態の
冠型保持器20の部分拡大図である。なお、以下に説明
する実施形態において、すでに説明した部材等と同等な
構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号
又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省
略する。
【0018】本実施形態において、切欠部25は、保持
器本体21の外径面21cのポケット部23間の箇所
に、背面側21bから切り欠いて設けられる。肉ぬすみ
部24は、切欠部25を介して冠型保持器20の外径面
21cと連通している。本実施形態の冠型保持器20の
構成によれば、転がり軸受1に組み込んだ際に、肉ぬす
み部24と外輪肩部分の内径面が連通するような状態で
切欠部25が設けられている。したがって、肉ぬすみ部
24に存在するグリースは、切欠部25を通って外径面
21cへ流れ、外輪軌道面の接触部に効率よく供給され
る。
【0019】次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図3(a)は第3実施形態の冠型保持器30を備えた転
がり軸受1の断面図である。図3(b)は本実施形態の
冠型保持器30の部分拡大図である。本実施形態の冠型
保持器30には、保持器本体31の内径面31dのポケ
ット部33間の箇所に正面側31aから切り欠いた切欠
部35が形成されている。肉ぬすみ部34と冠型保持器
30の内径面31dは切欠部35を介して連通してい
る。
【0020】本実施形態の構成によれば、転がり軸受1
に組み込んだ際、肉ぬすみ部34と内輪軌道面が連通す
るような状態で切欠部35が設けられている。したがっ
て、肉ぬすみ部34に存在するグリースは、切欠部35
を通って外径面31cへ流れ、外輪軌道面の接触部に効
率よく供給される。肉ぬすみ部34に存在するグリース
が、保持器内径面から切欠部35を通って伝わってくる
グリースによって押し出されることもある。
【0021】次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図4(a)は第4実施形態の冠型保持器40を備えた転
がり軸受1の断面図である。図4(b)は本実施形態の
冠型保持器40の部分拡大図である。本実施形態の冠型
保持器40には、保持器本体41の外径面41cのポケ
ット部43間の箇所に正面側41aから切り欠いた切欠
部45が形成されている。肉ぬすみ部44と冠型保持器
40の外径面41cは切欠部45を介して連通してい
る。本実施形態の構成によれば、転がり軸受1に組み込
んだ際、肉ぬすみ部44と外輪軌道面が連通するような
状態で切欠部45が設けられている。したがって、肉ぬ
すみ部44に存在するグリースは、切欠部45を通って
外径面41cへ流れ、外輪軌道面の接触部に効率よく供
給される。
【0022】図5(a)は第5実施形態の冠型保持器5
0を備えた転がり軸受1の断面図である。図5(b)は
本実施形態の冠型保持器50の部分拡大図である。本実
施形態の冠型保持器50には、保持器本体51の外径面
51cのポケット部53間の箇所に正面側51aから切
り欠いた切欠部55aが形成されている。また、内径面
51dのポケット部53間の箇所に背面側51dから切
り欠いた切欠部55bが形成されている。肉ぬすみ部5
4は、切欠部55aを介して冠型保持器50の外径面5
1cと連通し、切欠部55bを介して冠型保持器50の
内径面51dと連通している。つまり、冠型保持器50
は、保持器本体51の切欠部55a、55bが設けられ
た周囲方向位置に、略軸方向に延びて肉ぬすみ部54内
に貯まったグリースなどのグリースを略軸方向へ導出す
る案内壁が設けられた構成となっている。本実施形態の
構成によれば、冠型保持器内径面51dに存在するグリ
ースは、内輪肩部分から伝わってくるグリースによって
押され、また肉ぬすみ部54から外輪軌道面へ連通する
流路を通って、外輪軌道面の接触部に効率よく供給され
る。
【0023】図6(a)は第6実施形態の冠型保持器6
0を備えた転がり軸受1の断面図である。図6(b)は
本実施形態の冠型保持器60の部分拡大図である。本実
施形態の冠型保持器60には、保持器本体61の外径面
61cのポケット部63間の箇所に背面側61bから切
り欠いた切欠部65aが形成されている。また、内径面
61dのポケット部63間の箇所に正面側61aから切
り欠いた切欠部65bが形成されている。肉ぬすみ部6
4は、切欠部65aを介して冠型保持器60の外径面6
1cと連通し、切欠部65bを介して冠型保持器60の
内径面61dと連通している。つまり、冠型保持器60
は、保持器本体61の切欠部65a、65bが設けられ
た周囲方向位置に、略軸方向に延びて肉ぬすみ部64内
に貯まったグリースを略軸方向へ導出する案内壁が設け
られた構成となっている。本実施形態の構成によれば、
冠型保持器内径面61dに存在するグリースは、保持器
内径にグリースがたまることによって押され、また肉ぬ
すみ部64から外輪軌道面へ連通する流路を通って、外
輪軌道面の接触部に効率よく供給される。
【0024】次に、本発明にかかる冠型保持器の成形に
ついて説明する。図7(a)、(b)はアキシアルドロ
ー方式の金型80の構造と射出成形における金型作動を
示している。図7(a)は、金型80が閉じた状態を示
している。金型80は、固定側型板81とそれに対向す
る可動側型板82を有し、可動側型板82が固定側型板
81に対して図面において左右に移動することで、金型
80の開閉が可能となっている。金型80を閉じた際
に、可動側型板82は固定側型板81とパーティングラ
イン83上で接触する。可動側型板82には、冠型保持
器の外形を区画するキャビティSが形成されている。ノ
ズル84から冠型保持器の成形材料が射出され、キャビ
ティSに流れ込む。成形材料が固化後、図7(b)に見
られるように、可動側型板82が固定側型板81と離れ
る方向(図面において左側)に動き、金型80は開いた
状態となる。このとき、成形された冠型保持器を保持す
るピン85が接続されたロケートリング86は、ピン8
5とは反対側に接続した突出しロッド87の駆動によっ
て、ピン85を突き出して、キャビテイSから冠型保持
器を取り外す。アキシアルドロー方式の金型の構造は、
ラジアルドロー方式の構造より比較的単純であり、その
金型を構成する部品点数も少ない。また、1回の金型の
開閉による成形工程で多数の成形物を形成できる、いわ
ゆる多数個取りも容易であることから、歩留まりの点で
も好ましく、一般に多く使用されている。
【0025】本発明にかかる冠型保持器において、肉ぬ
すみ部と切欠部は、保持器本体の軸方向に深さを有する
ように形成される。すなわち、冠型保持器はアンダーカ
ットを有しない。従って、本発明にかかる冠型保持器は
上記のアキシアルドロー方式の金型を用いて成形するこ
とが可能であり、その生産性は高い。
【0026】なお、本発明は、前述した実施形態に限定
されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能であ
る。例えば、深溝玉軸受に限定されず、内外輪、転動体
(玉)、シール、保持器の材質は如何なるものであって
もよい。切欠部の形状は、矩形状の他に、三角形状、多
角形状、半円形状などが挙げられ、肉ぬすみ部と、転が
り軸受の外輪と冠型保持器との間の空間を連通するよう
な状態であれば任意の形状を採用することができる。ま
た、切欠部の寸法は、転がり軸受の回転中における冠型
保持器の強度(冠型保持器動き量など)を低下させない
大きさであれば任意に設定できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
グリースの流動性が良好な冠型保持器およびその冠型保
持器を用いた転がり軸受を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる冠型保持器とお
よびそれを用いた転がり軸受である。
【図2】本発明の本発明の第2実施形態にかかる冠型保
持器と、それを用いた転がり軸受である。
【図3】本発明の本発明の第3実施形態にかかる冠型保
持器と、それを用いた転がり軸受である。
【図4】本発明の本発明の第4実施形態にかかる冠型保
持器と、それを用いた転がり軸受である。
【図5】本発明の本発明の第5実施形態にかかる冠型保
持器と、それを用いた転がり軸受である。
【図6】本発明の本発明の第6実施形態にかかる冠型保
持器と、それを用いた転がり軸受である。
【図7】アキシアルドロー方式の金型の説明図である。
【図8】従来の冠型保持器とそれを用いた転がり軸受で
ある。
【図9】従来の冠型保持器の全体図である。
【図10】従来の冠型保持器の部分断面図である。
【符号の説明】
1 転がり軸受 2 外輪 3 内輪 4 転動体(玉) 5 シール 10、20、30、40、50、60 冠型保持器 11、21、31、41、51、61 保持器本体 12、22、32、42、52、62 爪 13、23、33、43、53、63 ポケット部 14、24、34、44、54、64 肉ぬすみ部 15、25、35、45 切欠部 55a、65a 外径面の切欠部 55b、65b 内径面の切欠部 80 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J101 AA02 AA32 AA42 AA62 BA25 BA44 DA14 EA31 EA63 FA32 GA53 GA60

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転がり軸受用の冠型合成樹脂製保持器に
    おいて、環状の保持器本体と、前記保持器本体の正面側
    に周方向等間隔で形成された対向する一対の爪と、前記
    一対の爪の間に形成されたポケット部と、前記保持器本
    体の背面側に円周状に形成された肉ぬすみ部とを有し、
    隣り合うポケット部間に、前記保持器本体の正面側又は
    背面側から切り欠かれて前記肉ぬすみ部に連通する切欠
    部が設けられたことを特徴とする冠型合成樹脂製保持
    器。
  2. 【請求項2】 アキシアルドロー方式の金型を用いて射
    出成形で製作されることを特徴とする請求項1に記載の
    冠型合成樹脂製保持器。
  3. 【請求項3】 前記保持器本体の前記切欠部が設けられ
    た周方向位置に、略軸方向に延びて前記肉ぬすみ部内に
    貯まったグリースを軸方向へ導出する案内壁が軸方向背
    面側方向にテーパ状に設けられていることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の冠型合成樹脂製保持器。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の冠型
    合成樹脂製保持器を用いたことを特徴とする転がり軸
    受。
  5. 【請求項5】 グリース潤滑で使用されることを特徴と
    する請求項4に記載の転がり軸受。
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