JP2012172705A - 車載パワーユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの一方向の駆動により滑らかな動作で変速段を一段切り換えることで、変速段の切換えに要する時間を短縮することができる車載パワーユニットを供する。
【解決手段】アクチュエータ(100)が駆動して変速動力伝達機構(110)によりシフトスピンドル(55)が回動すると、クラッチ作動機構(70)と変速作動機構(80)とが駆動されて変速クラッチ(60)の切断・接続と変速装置(50)の複数の変速段の切換えが所定のタイミングで実行される車載パワーユニット(P)において、変速動力伝達機構(110)は、アクチュエータ(100)の一方向の駆動を前記シフトスピンドル(55)の連続した往復回動に変換して伝達する車載パワーユニット。
【選択図】図9

Description

本発明は、アクチュエータを駆動してシフトスピンドルを回動することで、変速クラッチの切断・接続とともに変速段を切り換える変速装置を内燃機関と一体にユニットケースに備えた車載パワーユニットに関する。
変速ペダル操作による場合、シフトスピンドルは、変速ペダルの踏み込みと解除による戻りとにより1往復回動することで、変速クラッチが切断し、変速装置の変速段が切り換えられ、変速クラッチが接続されて変速段1段の切換えが終了する。
アクチュエータによりシフトスピンドルを回動する場合も、シフトスピンドルを1往復回動させることで、シフトアップまたはシフトダウンが1段なされていた(例えば、特許文献1参照)。
特許4451162号公報
特許文献1では、アクチュエータとして用いられたモータは、減速ギア機構を介してシフトスピンドルに嵌着された扇形ギアを揺動することで、シフトスピンドルを回動しており、モータ自体を正転と逆転を順次駆動させることで、扇形ギアとともにシフトスピンドルを1往復回動させて変速クラッチを切断・接続して変速段を1段切り換えている。
変速段を1段切り換えるのに、モータが正転駆動と逆転駆動を順次行って、シフトスピンドルを1往復回動させているので、モータは正転から逆転に切り換わるときに、一度停止しており、すなわち、モータは減速、停止、加速をすることになり、このモータの停止のために動作が滑らかでなく余計な時間を要して、結局、変速段の切換えに要する時間を短縮するのを妨げられている。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、アクチュエータの一方向の駆動により滑らかな動作で変速段を一段切り換えることで、変速段の切換えに要する時間を短縮することができる車載パワーユニットを供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、内燃機関(21)の動力が変速クラッチ(60)および変速装置(50)を介して出力される車載パワーユニット(P)であって、アクチュエータ(100)の駆動を伝達してシフトスピンドル(55)を回動する変速動力伝達機構(110)と、前記シフトスピンドル(55)の回動により前記変速クラッチ(60)を作動させるクラッチ作動機構(70)と、前記シフトスピンドル(55)の回動により前記変速装置(50)を作動させる変速作動機構(80)とを備え、前記アクチュエータ(100)が駆動して前記変速動力伝達機構(110)により前記シフトスピンドル(55)が回動すると、前記クラッチ作動機構(70)と前記変速作動機構(80)とが駆動されて前記変速クラッチ(60)の切断・接続と前記変速装置(50)の複数の変速段の切換えが所定のタイミングで実行される車載パワーユニット(P)において、前記変速動力伝達機構(110)は、前記アクチュエータ(100)の一方向の駆動を前記シフトスピンドル(55)の連続した往復回動に変換して伝達することを特徴とする車載パワーユニットである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車載パワーユニットにおいて、前記変速動力伝達機構(110)は、前記アクチュエータ(100)の駆動により回転するクランクギア(112)と、前記シフトスピンドル(55)に基端部を嵌着して先端部を揺動する揺動アーム(116)とを備え、前記クランクギア(112)の側面に回転中心から偏心して突設されるクランクピン(114p)が前記揺動アーム(116)のアーム部(116b)に形成された係合長孔(116v)に摺動自在に係合して構成され、前記クランクギア(112)の一方向の回転が前記クランクピン(114p)と前記係合長孔(116v)との係合を介して前記揺動アーム(116)を往復揺動し前記シフトスピンドル(55)を往復回動することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の車載パワーユニットにおいて、前記揺動アーム(116)は、前記係合長孔(116v)が揺動中心(Q)から径方向に直線的に長尺に形成され、変速段が確立しているときの前記揺動アーム(116)の前記係合長孔(116v)が指向する径方向の直線(L)と前記クランクピン(114p)が旋回する旋回円(C)とが交わる2点位置が、変速段が確立しているときの前記クランクピン(114p)の旋回位置(S,R)であり、前記クランクピン(114p)の2つの前記旋回位置(S,R)のうち前記シフトスピンドル(55)に近い旋回位置(S)と前記シフトスピンドル(55)から遠い旋回位置(R)とを一方から他方に前記クランクピン(55)が1旋回移動することで、前記揺動アーム(116)が1往復揺動して前記シフトスピンドルが1往復回動し、変速段が1段切り換わることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の車載パワーユニットにおいて、前記変速作動機構(80)は、前記揺動アーム(116)の最大揺動角(θM,φM)付近で前記変速装置(50)の変速段の切換えが実行されるように設定されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれか1項記載の車載パワーユニットにおいて、前記揺動アーム(116)は、前記係合長孔(116v)の先端が開放したフォーク形状をなしていることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれか1項記載の車載パワーユニットにおいて、前記変速装置(50)の変速段をシフトアップするときの前記クランクピン(114p)の旋回角度(A)がシフトダウンするときの前記クランクピン(114p)の旋回角度(B)と略等しくなるように前記変速作動機構(80)が設定されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項3ないし請求項6のいずれか1項記載の車載パワーユニットにおいて、前記変速作動機構(80)のシフトドラム(90)が一方向に回転することで、前記変速装置(50)がニュートラルから1速段に入り、次いで順次シフトアップするように前記変速作動機構(80)が設定されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7記載の車載パワーユニットにおいて、前記変速装置(50)をニュートラルから1速段に入れる場合は、前記変速装置(50)が1速段を確立した後に、発進クラッチ(45)が接続するように前記アクチュエータ(100)が駆動制御されることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項2ないし請求項8のいずれか1項記載の車載パワーユニットにおいて、前記変速動力伝達機構(110)は、前記アクチュエータ(100)の駆動が減速ギア(111)を介して前記クランクギア(112)に伝達され、前記減速ギア(111)と前記クランクギア(112)と前記シフトスピンドル(55)は、各回転中心が同一直線上に配置されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、変速動力伝達機構(110)が、アクチュエータ(100)の一方向の駆動をシフトスピンドル(55)の連続した往復回動に変換して伝達するので、アクチュエータ(100)の途中停止することがない一方向の駆動により滑らかなシフトスピンドル(55)の動作で変速段を一段切り換えることができ、変速段の切換えに要する時間を短縮することができる。
請求項2記載の発明によれば、前記変速動力伝達機構(110)が、クランクギア(112)の側面に回転中心から偏心して突設されるクランクピン(114p)が揺動アーム(116)のアーム部(116b)に形成された係合長孔(116v)に摺動自在に係合して構成され、クランクギア(112)の一方向の回転がクランクピン(114p)と係合長孔(116v)との係合を介して揺動アーム(116)を往復揺動しシフトスピンドル(55)を往復回動するので、簡単な構造でアクチュエータ(100)の一方向の途中停止することのない駆動によるクランクギア(112)の一方向の回転を、揺動アーム(116)の滑らかに連続した往復揺動に変換し、揺動アーム(116)と一体のシフトスピンドル(55)を滑らかに連続した往復回動をさせることができ、変速段の切換えに要する時間を短縮することができる。
請求項3記載の発明によれば、変速段が確立しているときの前記揺動アーム(116)の前記係合長孔(116v)が指向する径方向の直線(L)と前記クランクピン(114p)が旋回する旋回円(C)とが交わる2点位置が、変速段が確立しているときの前記クランクピン(114p)の旋回位置(S,R)であるので、変速段が確立しているときの揺動アーム(116)の揺動位置は常に定位置であり、変速機構全体の構成を簡素化することができる。
クランクピン(114p)の2つの前記旋回位置(S,R)のうちシフトスピンドル(55)に近い旋回位置(S)と遠い旋回位置(R)とを一方から他方にクランクピン(55)が1旋回移動することで、揺動アーム(116)が1往復揺動してシフトスピンドル(55)が1往復回動し、変速段が1段切り換わるので、シフトスピンドル(55)が略半周程旋回することで、変速段が切り換えられ、変速段の切換えに要する時間をより短縮することができる。
請求項4記載の発明によれば、変速作動機構(80)が揺動アーム(116)の最大揺動角(θM,φM)付近で変速装置の変速段の切換えが実行されるように設定されているので、揺動アーム(116)の最大揺動角(θM,φM)付近はクランクギア(112)の一定回転速度に対して揺動アーム(116)の揺動角速度が0を経る低い処、すなわちシフトスピンドル(55)の回動速度が低い処であり、このシフトスピンドル(55)の低回動速度により変速段の切換え動作がゆっくり行われ変速段の切換えが確実に実行される。
請求項5記載の発明によれば、前記揺動アーム(116)は、前記係合長孔(116v)の先端が開放したフォーク形状をなしているので、揺動アーム(116)とクランクギア(112)の組立作業性が良好である。
請求項6記載の発明によれば、変速装置(50)の変速段をシフトアップするときのクランクピン(114p)の旋回角度(A)がシフトダウンするときのクランクピン(114p)の旋回角度(B)と略等しくなるように変速作動機構(80)が設定されているので、シフトアップ時とシフトダウン時とで、変速動作にあまり差異を生じさせず、双方共に変速ショックを低減することができる。
請求項7記載の発明によれば、シフトドラム(90)が一方向に回転することで、変速装置(50)がニュートラルから1速段に入り、次いで順次シフトアップするように変速作動機構(80)が設定されているので、途中ニュートラルを経由してシフトアップまたはシフトダウンすることがないため、シフトアップまたはシフトダウン時にクランクギアの略半周回転を複数回繰り返すことがなく、速やかな変速を行うことができる。
請求項8記載の発明によれば、変速装置(50)をニュートラルから1速段に入れる場合は、変速装置(50)が1速段を確立した後に、発進クラッチ(45)が接続するようにアクチュエータ(100)が駆動制御されるので、ニュートラルから1速段に入るときに、変速ショックが発生しない。
請求項9記載の発明によれば、変速動力伝達機構(110)は、アクチュエータ(100)の駆動が減速ギア(111)を介して前記クランクギア(112)に伝達され、減速ギア(111)とクランクギア(112)とシフトスピンドル(55)は、各回転中心が同一直線上に配置されているので、一直線上に並ぶ減速ギア(111)とクランクギア(112)とシフトスピンドル(55)が占める並び方向と直角方向の最大幅を狭く抑えることができ、コンパクトな効率の良い配置レイアウトを構成することができる。
本実施形態に係るパワーユニットを搭載した自動二輪車の正面図である。 同自動二輪車の側面図である。 同自動二輪車の要部下面図である。 パワーユニットの左側面図である。 パワーユニットの左ユニットケース等を省略して示した左側面図である。 パワーユニットのユニットケース内部を断面で示した部分断面図(図4のVI−VI線断面図)である。 パワーユニットの右側ユニットケースカバーを外した右側面図である。 図7の状態よりさらに発進クラッチや変速クラッチを省略したパワーユニットの右側面図である。 パワーユニットの左側変速動力伝達ケース,スプロケットカバーを外した状態の左側面図である。 パワーユニットの変速機構の断面図(図7,図8,図9のX−X線断面図)である。 左側変速動力伝達ケースの左側面図である。 右側変速動力伝達ケースの左側面図である。 右側変速動力伝達ケースの右側面図である。 クランクギアの正面図である。 同側面図である。 揺動アームの正面図である。 同側面図である。 クランクギアと揺動アームを組み合わせた一状態を示す斜視図である。 変速段確立時のクランクピンの旋回状態と揺動アームの揺動状態を示す説明図である。 1速段から2速段にシフトアップする時のクランクピンの旋回状態と揺動アームの揺動状態を示す説明図である。 2速段から1速段にシフトダウンする時のクランクピンの旋回状態と揺動アームの揺動状態を示す説明図である。 1速段から2速段にシフトアップする時の旋回角αに対する揺動角θの変化を直角座標に示した図である。 2速段から1速段にシフトダウンする時の旋回角βに対する揺動角φの変化を直角座標に示した図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図1ないし図23に基づいて説明する。
本実施形態に係るパワーユニットPを搭載した自動二輪車1の正面図を図1に、側面図を図2に示す。
自動二輪車1の車体フレーム2は、図2を参照して、車体前側のヘッドパイプ3から斜め後下方にメインパイプ4が延び、メインパイプ4の後部からはセンターフレーム5,5が左右に広がって下方に延び、メインパイプ4のセンターフレーム5,5よりいくらか前方からは斜め後上方に左右一対のリヤパイプ6,6が延出し途中略水平に屈曲して後方に延び、左右に広がったセンターフレーム5の左右側部とリヤパイプ6,6の後部との間にバックステー7,7が介装されて構成されている。
ヘッドパイプ3にはステアリングシャフト8が回転自在に枢支されており、このステアリングシャフト8の下側にサスペンションを備えたフロントフォーク9が延設され、フロントフォーク9の下端に前輪Fwが軸支されている。
ステアリングシャフト8の上部には左右に展開したハンドルバー8bが取り付けられている。
センターフレーム5にピボット軸10により前端を軸支されたリヤフォーク11が後方に延出し、その上下に揺動する後端に後輪Rwが軸支され、リヤフォーク11の後部とリヤパイプ6との間にリヤクッション12が介装されている。
メインパイプ4の下方に内燃機関21と変速装置50がユニットケース20に一体に構成されたパワーユニットPが、メインパイプ4とセンターフレーム5に支持されて懸架されている。
パワーユニットPの出力軸(後記するように変速装置のカウンタ軸52)に嵌着された出力スプロケット13がピボット軸10の直ぐ前方に位置しており、同出力スプロケット13と後方の後輪Rw側の被動スプロケット14との間にチェーン15が架渡されている。
リヤパイプ6,6の傾斜部には燃料タンク16が架設されて、同燃料タンク16およびリヤパイプ6,6の後側水平部の上をシート17が覆っている。
車体フレーム2は概ね車体カバー18で覆われている。
センターフレーム5の下端部にはメインスタンド19の基端部が軸支されている。
概ね、以上のように構成される自動二輪車1に搭載されるパワーユニットPは、ユニットケース20の前半に内燃機関21、後半に変速装置50が主として構成されるもので、内燃機関は、空冷式単気筒4ストローク内燃機関であり、変速装置50は4段変速の変速ギア噛合機構である。
図4のパワーユニットPの左側面図を参照して、内燃機関21は、ユニットケース20をクランクケースとしており、車幅方向(左右方向)に指向したクランク軸22がユニットケース20に回転自在に軸支されており、ユニットケース20の前部にシリンダブロック23とシリンダヘッド24が順次重ねられて一体に締結されて水平近くまで前傾して突出し、シリンダヘッド24の上にはシリンダヘッドカバー25が被せられている。
略水平に突出したシリンダヘッド24の上面から吸気管26が上方に延出しており、吸気管26はスロットルボディ27を介してメインパイプ4の前部に吊設されたエアクリーナ28に接続されている(図2参照)。
シリンダヘッド24の下面からは排気管30が下方に延出しており、下方に延出した排気管30は、直ぐに水平に屈曲し、図3の自動二輪車1の要部下面図に示すように、後方へ斜め右側に偏りながら延びユニットケース20の一部下面を通り過ぎて車体の右側に出て、真直ぐ後方に延びて後輪Rwの右側のマフラー31に接続されている。
ユニットケース20の下面には、図3に示すように、ステップバー33が取付金具32,32により固着されている。
ステップバー33は、車幅方向に指向した中央水平部33aの両側が上側に屈曲して左右アーム部33b,33bを形成した後に車幅方向外側に屈曲して左右水平ステップ部33c,33cを形成しており、ユニットケース20の下面に中央水平部33aを取付金具32,32により固着して取り付けられる。
ステップバー33の左右アーム部33b,33bは、中央水平部33aよりパワーユニットPの左右側面に沿って斜め前上方に延びており、同左右アーム部33b,33bの上端で外側に屈曲した左右水平ステップ部33c,33cにはステップ部材34,34が取り付けられている。
ステップ部材34は、前後に長い直方体状をなしている。
なお、中央水平部33aの右側部は前後に延びる排気管30を下方から跨ぐように屈曲している。
図6に示すように、ユニットケース20は、左ユニットケース20Lと、右ユニットケース20Rの左右割りで構成され、左ユニットケース20Lと右ユニットケース20Rとを一体化結合することで形成される内空間は前側にクランク室20c、後側にミッション室20mが形成されており、クランク室20cにはクランク軸22が左右ユニットケース20L,20Rに主軸受22b,22bを介して回転自在に架設され、変速室20mには変速装置50等の変速機構が収容される。
シリンダブロック23内に一体成型されたシリンダライナー23cの中をピストン35が往復摺動し、ピストン35とクランク軸22がコンロッド36によって連接されてクランク機構を構成している。
クランク軸22の左ユニットケース20Lから左側方へ突出する左側クランク軸部22Lには、主軸受22b近傍に動弁駆動系の駆動スプロケット40が嵌着され、左端にはACジェネレータ41が設けられ、駆動スプロケット40とACジェネレータ41との間に始動機構の被動ギア42が嵌着されている。
左ユニットケース20Lの左側に突設されるACジェネレータ41は、左側ユニットケースカバーであるACGカバー43により左側から覆われる。
一方、右ユニットケース20Rから右側方へ突出する右側クランク軸部22Rには、遠心式の発進クラッチ45が設けられている。
発進クラッチ45は、右側クランク軸部22Rに一体に固着されたクラッチインナ45iの周りをクラッチアウタ45oが回転自在に支持されており、クランク軸22の回転数(機関回転数)が所定回転数を越えるとクラッチインナ45iのクラッチシューがクラッチアウタ45oに圧接されて動力が伝達される。
右側クランク軸部22Rにはクラッチアウタ45oの左側に接して共に回転するプライマリドライブギア46が右側クランク軸部22Rに回転自在に軸支されている。
ユニットケース20の後側内空間である変速室20mには、クランク軸22の後方位置にクランク軸22と平行にメイン軸51が左右ユニットケース20L,20Rに軸受51b,51bを介して回転自在に架設されるとともに、メイン軸51のさらに後方位置にメイン軸51と平行にカウンタ軸52が左右ユニットケース20L,20Rに軸受52b,52bを介して回転自在に架設されている(図6参照)。
クランク軸22,メイン軸51,カウンタ軸52は、この順に前方から後方へ直線的に並んで配設されている(図4,図5参照)。
変速装置50は、メイン軸51上に配列されるギア列51Gとカウンタ軸52上に配列されるギア列52Gの1速段から4速段の各ギアどうしが互いに一方が軸とともに回転し他方が軸に対して自由に回転して常時噛合って構成されている。
そして、メイン軸51上のギア列51Gのうちのスプライン嵌合したシフタギア51gsが軸方向に移動して隣りのギアと断接することと、カウンタ軸52上のギア列52Gのうちのスプライン嵌合したシフタギア52gsが軸方向に移動して隣りのギアと断接することの組み合わせによって1速段から4速段のいずれかの変速段またはニュートラル状態が確立する。
メイン軸51は、右ユニットケース20Rから右側方に突出しており、この突出部に変速クラッチ60が設けられている。
変速クラッチ60のクラッチアウタ61は、メイン軸51にスリーブ69を介して相対回転自在に軸支されており、このクラッチアウタ61にプライマリドリブンギア47が緩衝部材48を介して取り付けられ、クランク軸22のプライマリドライブギア46の回転がこれと噛合うプライマリドリブンギア47をクラッチアウタ61とともに減速回転する。
メイン軸51の右端にはクラッチインナ62が一体に嵌着され、クラッチインナ62の周壁部外周にスプライン嵌合する複数の駆動摩擦板63とクラッチアウタ61の周壁部の内周にスプライン嵌合する被動摩擦板64とが交互に軸方向に配列され、クラッチインナ62の円板外周部とクラッチインナ62に軸方向に摺動自在に支持されたプレッシャプレート65の円板外周部との間に前記摩擦板63,64が挟まれている。
軸方向に摺動自在のプレッシャプレート65は、クラッチアウタ61の内部でクラッチインナ62より軸方向内側にあり、クラッチインナ62の円板部に周方向に複数穿孔された貫通孔をプレッシャプレート65から突出した複数の支持ボス65bが貫通しており、これら支持ボス65bの先端に環状のレリーズフランジ66がボルト67により締結されている(図6,図10参照)。
レリーズフランジ66とクラッチインナ62との間に皿バネ状のクラッチバネ68が介装されて、このクラッチバネ68によりレリーズフランジ66と一体にプレッシャプレート65が右方向に付勢されてクラッチインナ62との間で摩擦板63,64を挟み込み、変速クラッチ60が接続状態に保持され、クラッチアウタ61の回転がクラッチインナ62さらにメイン軸51に伝達される。
レリーズフランジ66が左方に押され、クラッチバネ68に抗してプレッシャプレート65が左方に移動すると、プレッシャプレート65とクラッチインナ62との間隔が拡がり摩擦板63,64の挟み込みが緩み変速クラッチ60の接続状態が解除され切断される。
したがって、内燃機関21のクランク軸22の回転は、発進クラッチ45および変速クラッチ60を経て変速装置50のメイン軸51に伝達される。
右側クランク軸部22Rの右端に設けられる発進クラッチ45とメイン軸51の右端に設けられる変速クラッチ60は、右側ユニットケースカバー49により右側から覆われる。
なお、カウンタ軸52の左ユニットケース20Lを左方に貫通した端部に嵌着された出力スプロケット13は、スプロケットカバー53によりチェーン15が延出する後方を除き左側から覆われる。
図4のパワーユニットPの側面視を参照して、クランク軸22の斜め後下方でカウンタ軸52およびメイン軸51の斜め前下方にシフトスピンドル55が配置されており、同シフトスピンドル55は、図10に示すように、左右ユニットケース20L,20Rを左右方向に貫通し、さらに右側部が右側ユニットケースカバー49の軸受ボス部49aを貫通し回転自在に軸支されている。
シフトスピンドル55はユニットケース20の下部に配置され、図4の側面視でステップ部材34の下方に位置する。
このシフトスピンドル55の回動が、クラッチ作動機構70と変速作動機構80をともに駆動し、一方のクラッチ作動機構70が前記変速クラッチ60を作動して変速クラッチ60の切断・接続を行い、他方の変速作動機構80が前記変速装置50を作動して変速装置50の変速段の切換えを行う(図10参照)。
クラッチ作動機構70について、図7および図10に基づいて説明する。
シフトスピンドル55における右側ユニットケースカバー49の軸受ボス部49aに沿った部分にスプライン嵌合したスリーブ71にクラッチアーム72が溶接されて、シフトスピンドル55と一体にクラッチアーム72が揺動する。
一方、前記変速クラッチ60の環状のレリーズフランジ66の内周面にボールベアリング75の外輪が嵌着され、同ボールベアリング75の内輪に作動レバー74の回動中心の基端凹出部74aが嵌入固着されている。
基端凹出部74aは先端小径部と大径部の2段に亘って凹出しており、その先端小径部がボールベアリング75の内輪に嵌入されている。
この作動レバー74の回動する係合カム孔74cにクラッチアーム72の先端に突設されたローラ73が係合している。
右側ユニットケースカバー49のメイン軸51の延長上に固着された支軸76が、作動レバー74の基端凹出部74aの大径部に右側から挿入されて作動レバー74を回動自在にまた軸方向に摺動自在に支持しており、作動レバー74の基端凹出部74aの周囲の基端円板部74bに右側で対向して受け板77が右側ユニットケースカバー49に回動を規制されて支軸76に支持されている。
回動を規制された受け板77に対して回動自在の作動レバー74は、軸方向に移動可能で、前記変速クラッチ60のクラッチバネ68のバネ力がボールベアリング75を介して作用して右方向に付勢されている。
作動レバー74の基端円板部74bと受け板77の互いの対向する面には周方向に3箇所放射状に溝条74v,77vが形成されていて、基端円板部74bと受け板77との間でリテーナ78により転動自在に保持された3個のレリーズボール79がクラッチバネ68に付勢された基端円板部74bと受け板77に挟まれて介在する。
変速クラッチ60が接続状態では、基端円板部74bと受け板77の対向した面の互いの3条の溝条74v,77vが対向しており、3個のレリーズボール79がそれぞれ対向した溝条74v,77vに落ち込んだ状態にある。
そして、変速時にシフトスピンドル55が回動すると、クラッチアーム72が揺動し、ローラ73と係合カム孔74cの係合を介して作動レバー74が所定のタイミングで回動するので、作動レバー74の基端円板部74bの溝条74vが受け板77の溝条77vに対して相対回動する。
すると、作動レバー74の基端円板部74bと受け板77に挟持されたレリーズボール79は、転動して互いの溝条74v,77vの傾斜面を円滑に上りながら、作動レバー74を変速クラッチ60側(左側)に押圧して移動するため、ボールベアリング75を介してレリーズフランジ66がクラッチバネ68の付勢力に抗して左方に移動し、ともにプレッシャプレート65が左方に移動することで、変速クラッチ60の接続状態が解除され切断される。
以上のクラッチ作動機構70は、変速クラッチ60の外側(右側)で右側ユニットケースカバー49との間に構成されたが、変速装置50を作動して変速段の切換えを行う変速作動機構80は、変速クラッチ60の内側(左側)に構成される(図10参照)。
前記変速装置50のメイン軸51上のシフタギア51gsおよびカウンタ軸52上のシフタギア52gsを軸方向に移動するシフトフォーク91,92は、図5に示すように、メイン軸51とカウンタ軸52の間の上方位置において左右ユニットケース20L,20R間に回動自在に架設されたシフトドラム90の回動により動作する。
図10に示すように、シフトフォーク91,92は、基端部がシフトドラム90に相対回動自在に軸支されるとともに、基端部に突設された係合ピン91p,92pをシフトドラム90の外周面に形成された所定形状のシフト溝に摺動自在に係合しており、シフトフォーク91,92の各先端部はシフタギア51gs,52gsにそれぞれ係合している。
したがって、シフトドラム90が回動すると、シフト溝に案内されて軸方向に移動する係合ピン91p,92pを介してシフトフォーク91,92が軸方向に移動し、変速装置50の変速段の切換えを行う。
シフトドラム90の右端は、外周面が右ユニットケース20Rに摺動自在に嵌合支持されて、シフトドラム90の右側壁90rが右ユニットケース20Rの軸受開口から右側に露出しており、同右側壁90rの中央ボス部に星型プレート93がボルト94により固定されるとともに、右側壁90rのボルト94の周りに5本の係止ピン95が植設されている。
係止ピン95は、右側壁90rと星型プレート93の間に設けられる(図8,図10参照)。
図8に示すように、星型プレート93の5つの放射方向に突出した山部を備える外周面に、支軸96pに軸支されスプリング98により揺動付勢されたストッパアーム96の先端に軸支された係止ローラ97が押圧されており、星型プレート93の山部と山部の間の谷に係止ローラ97が嵌って安定することで、シフトドラム90を所要位置に位置決めする。
このシフトドラム90を係止ピン95に作用して回動する機構が、右ユニットケース20Rの右側面に沿って構成されている。
図8および図10を参照して、シフトスピンドル55に一体に変速アーム81が嵌着され、変速アーム81に隣接してシフトスピンドル55に相対回転自在にスリーブ82が外嵌され、このスリーブ82に変速レバー83の基端部が固着されている。
変速レバー83は、扇状をした揺動基端部83aから上方にレバー部83bが延出しており、側面視で変速アーム81に重なる揺動基端部83aには規制開孔83hが形成されるとともに、規制開孔83hの揺動中心側の辺にバネ係止片83fが左方に屈曲して形成されている。
変速アーム81は揺動基端部から延出したアーム部の先端が左方に屈曲してバネ係止片81fが形成され、このバネ係止片81fが変速レバー83の規制開孔83hを貫通している。
右ユニットケース20Rに右方に向けて突設された規制ピン84が、変速レバー83の揺動基端部83aの規制開孔83hを貫通して先端が隣接する変速アーム81に近接している。
そして、スリーブ82の外周に巻回された戻しスプリング85の両端が互いにたすき掛けられて規制ピン84を挟み込むように延出している。
変速アーム81のバネ係止片81fと変速レバー83のバネ係止片83fは、規制ピン84の直径と同じ幅長を有し、戻しスプリング85の両端部により規制ピン84とともに挟まれている。
変速レバー83の上方に延びたレバー部83bの上端近傍には、連結ピン86により係止バー87が前端を連結されて後方に延び、シフトドラム90と星型プレート93の間に植設された5本の係止ピン95の下方を後方に延出している。
変速レバー83のレバー部83bの上端と係止バー87との間に引っ張りスプリング88が架渡されて、後方に延出した係止バー87を上方に揺動付勢して下側に旋回した係止ピン95に下方から当接している。
係止バー87は、上側縁に前後に係止爪87f,87rが上方に突出している。
シフトスピンドル55に動力が加わらないときは、図8の実線で示すように、戻しスプリング85の両端が規制ピン84を挟むと同時に、変速アーム81のバネ係止片81fと変速レバー83のバネ係止片83fとを挟んで、シフトスピンドル55,バネ係止片83f,規制ピン84,バネ係止片81fが一列に配列するように、変速アーム81および変速レバー83が位置している。
このとき、係止バー87は、引っ張りスプリング88の付勢力により前後の係止爪87f,87r間の上側縁を下側に旋回した2本の係止ピン95,95に当接している。
シフトスピンドル55に動力が加わり回動すると、シフトスピンドル55と一体の変速アーム81が戻しスプリング85に抗して揺動し、バネ係止片81fが変速レバー83に作用すると、変速レバー83も上方に延出したレバー部83bが前後方向に揺動し、連結ピン86により連結された係止バー87が前後方向に移動するので、係止バー87の前後の係止爪87f,87rのいずれかが係止ピン95に係止してシフトドラム90を星型プレート93とともに回動する。
星型プレート93の回動でストッパアーム96の先端の係止ローラ97が星型プレート93の1つの山部頂上を越えたところで、係止ローラ97の押圧力で星型プレート93がシフトドラム90とともに係止ローラ97が谷に落ち着くまで所定角度回動する。
したがって、変速レバー83の揺動による係止バー87の前後方向の移動は、係止爪87f,87rが係止ピン95に係止してシフトドラム90を回動し、共に回動する星型プレート93の山部頂上を係止ローラ97が越えるところまで、係止バー87は移動されればよい。
シフトドラム90が所定角度回動することで、シフト溝に案内されて軸方向に移動するシフトフォーク91,92が、変速装置50のシフタギア51gs,52gsを移動させて変速段の切換えを実行する。
なお、変速装置50における変速段の切換えが実行される前に前記変速クラッチ60は、接続を解除されて、変速段の切換えが円滑に行えるようにしている。
以上の変速作動機構80とクラッチ作動機構70の双方を駆動させるシフトスピンドル55は、変速用モータ100の駆動が変速動力伝達機構110を介して伝達されて回動する。
この変速動力伝達機構110について以下説明する。
シフトスピンドル55は、前記したように、クランク軸22の斜め後下方でカウンタ軸52およびメイン軸51の斜め前下方に配置されており(図4,図9参照)、左右ユニットケース20L,20Rを左右外側に貫通している(図10参照)。
図10に示すように、シフトスピンドル55の右ユニットケース20Rを貫通した右側部は、右側ユニットケースカバー49の軸受ボス部49aをさらに貫通しており、シフトスピンドル55の右ユニットケース20Rと右側ユニットケースカバー49との間の部分に、クラッチ作動機構70のクラッチアーム72と変速作動機構80の変速アーム81が嵌着されている。
そして、シフトスピンドル55の右側ユニットケースカバー49の軸受ボス部49aを貫通した右端部にシフトスピンドル55の右端部の回動角度を検出する角度センサ121が設けられている。
シフトスピンドル55の左ユニットケース20Lを貫通した左側部に、変速動力伝達機構110が設けられる(図10参照)。
変速動力伝達機構110は、前後に長尺で左右幅が狭い扁平な変速動力伝達ケース102内に収容されている。
変速動力伝達ケース102は、左右割りの左側変速動力伝達ケース102Lと右側変速動力伝達ケース102Rが合体して構成され、変速動力伝達ケース102の前端部分にシフトスピンドル55が挿入されて、後方に向けて延設されている。
そして、変速動力伝達ケース102は、クランク軸22の側方のACジェネレータ41を覆うユニットケースカバーであるACGカバー43およびカウンタ軸52の側方の出力スプロケット13を覆うスプロケットカバー53の下方に配設される(図4参照)。
図9には、左ユニットケース20Lの外側面(左側面)に右側変速動力伝達ケース102Rが取り付けられた状態が示されており、同右側変速動力伝達ケース102Rは、図11に示すように、内側に前後長尺の概ね長円環状をした合せ面102Rsが形成され、環状合せ面102Rsの内側が右方に凹出して側壁102Rwが形成されている。
合せ面102Rsには、複数の取付孔102Rhが穿孔されている。
側壁102Rwには、前端にシフトスピンドル55が挿入される大径の円孔103rが形成され、後方上部に合せ面102Rsより低い取付面を有して取付孔104rが形成され、中央部の前後2か所に軸受穴105r,106rが形成されている。
なお、円孔103rと軸受穴105rと軸受穴106rは、中心が略前後方向に一直線上に並んで配列されている。
右側変速動力伝達ケース102Rが左ユニットケース20Lに取り付けられたときは、図9に示すように、前部はシフトスピンドル55が円孔103rに挿入される位置で、後端はカウンタ軸52の斜め後下方に位置する。
他方、左側変速動力伝達ケース102Lは、図12および図13を参照して、右側変速動力伝達ケース102Rの合せ面102Rsに対応する合せ面102Ls、側壁102Rwに対向する側壁102Lwが形成され、合せ面102Lsには複数の取付孔102Rhにそれぞれ対応する取付孔102Lhが穿孔されている。
左側変速動力伝達ケース102Lの側壁102Lwには、右側変速動力伝達ケース102Rの円孔103rに対応してシフトスピンドル55の外径に略等しい内径の円孔103lが形成され、取付孔104rに対応して作業孔104lが穿孔され、軸受穴105r,106rに対応して軸受穴105l,軸受孔106lが形成されている。
円孔103lの周りは菱形の取付ボス部103bとなっている。
そして、左側変速動力伝達ケース102Lの側壁102Lwには、後部の中央高さ位置に変速用モータ100の駆動ギア軸100aが貫通する小円孔107が形成され、小円孔107を中心とする大径の円環状リブ108が左方に突出して設けられている。
小円孔107は軸受孔106rよりも若干後方にあるが、円環状リブ108の内側に軸受孔106lと作業孔104lが位置している。
左側変速動力伝達ケース102Lと右側変速動力伝達ケース102Rが合体して構成される変速動力伝達ケース102内に変速動力伝達機構110が収容され、合体した左側変速動力伝達ケース102Lと右側変速動力伝達ケース102Rは、前端部の円孔103l,103rにシフトスピンドル55の左端部を嵌挿させて後方に延設し、それぞれ対応する前2対、後1対の取付孔102Lh ,102Rhに取付ボルト102bを貫通して左ユニットケース20Lに締結され、左側変速動力伝達ケース102Lの大径の円環状リブ108には左側から変速用モータ100が取付基台101を介して取り付けられる(図4,図10参照)。
変速用モータ100は取付基台101とともに変速動力伝達ケース102の前後方向中央の上下2対の取付孔102Lh ,102Rhに螺合される取付ボルト100bにより締結される(図4参照)。
なお、前2対のうち上側1対の取付孔102Lh ,102Rhは、ACGカバー43の後部の取付孔と同軸で、取付ボルト102bにより変速動力伝達ケース102とともにACGカバー43の後部を左ユニットケース20Lに共締めするのに用いられる(図10参照)。
また、図9に示すように、右側変速動力伝達ケース102Rの環状の合せ面102Rsの内側の円孔104rは、出力スプロケット13の前側周囲を覆って出力スプロケット13に巻き掛けられるチェーン15をガイドするチェーンガイド38の下端部を右側変速動力伝達ケース102Rとともに取付ボルト38bにより左ユニットケース20Lに共締めするのに用いられる。
変速用モータ100が左側変速動力伝達ケース102Lの大径の円環状リブ108に取り付けられると、変速用モータ100の駆動ギア軸100aが小円孔107を貫通して変速動力伝達ケース102内に突出し、駆動ギア軸100aの回転が変速動力伝達ケース102内の変速動力伝達機構110を介してシフトスピンドル55に伝達される。
変速動力伝達機構110は、左側変速動力伝達ケース102Lと右側変速動力伝達ケース102Rとの間に、回転自在に軸支される減速ギア111とクランクギア112およびシフトスピンドル55に基端部を嵌着されたフォーク状をした揺動アーム116から構成されている。
減速ギア111は、大径ギア111aと小径ギア111bを同軸一体に備え、軸部が左右の軸受孔106lと軸受穴106rに軸受117,117を介して軸支され、大径ギア111aが小円孔107から貫入した変速用モータ100の駆動ギア軸100aのギアと噛合する(図10参照)。
クランクギア112は、図14および図15に示すように、円板状のギア部材113とクランク状をしたクランク部材114とが一体に嵌着されて形成されている。
ギア部材113の一側面には中心に軸部113cが突出しており、軸部113cから離れた位置に嵌合孔113hが形成されている。
クランク部材114は、ギア部材113の軸部113cと同軸となる中心軸部114cとクランクピン114pとを連結部114aがクランク状に連結している。
このクランク部材114のクランクピン114pの先端をギア部材113の嵌合孔113hに嵌入し、軸部113cと中心軸部114cを同軸にして両者を一体に固着してクランクギア112が構成されている。
クランク部材114の連結部114aとギア部材113との間は所定の間隔があり、クランクピン114pの同間隔部分に滑動スリーブ115が嵌挿されている。
クランクギア112は、ギア部材113の軸部113cが右側変速動力伝達ケース102Rの軸受穴105rに軸受118を介して軸支され、クランク部材114の中心軸部114cが左側変速動力伝達ケース102Lの軸受穴105lに軸受118を介して軸支され、ギア部材113の外周ギアが減速ギア111の小径ギア111bと噛合する(図10参照)。
シフトスピンドル55に基端部116aを嵌着される揺動アーム116は、図16および図17に示すように、基端部116aにシフトスピンドル55をセレーション嵌合して固着する嵌合孔116hが形成され、この基端部116aから直線的に延出したアーム部116bに形成された係合長孔116vが先端を開放してフォーク状を形成している。
揺動アーム116を嵌着したシフトスピンドル55は、揺動アーム116より先端部を、左側変速動力伝達ケース102Lの円孔103lを軸受119を介して軸支されながら貫通しており、貫通した左端部にシフトスピンドル55の左端部の回動角度を検出する角度センサ120が設けられる(図10参照)。
そして、シフトスピンドル55に嵌着された揺動アーム116は、アーム部116bの係合長孔116vにクランクギア112のクランクピン114pを滑動スリーブ115を介して摺動自在に係合する。
図18は、クランクギア112と揺動アーム116を組み合わせた一状態を示す斜視図であり、クランクギア112が中心軸部114c, 113cの回転中心軸Pを中心に回転すると、クランクピン114pが旋回し、クランクピン114pが係合長孔116vで係合する揺動アーム116のアーム部116bをシフトスピンドル55の中心軸である揺動中心軸Qを中心に揺動する。
揺動アーム116の揺動は、揺動アーム116が嵌着されたシフトスピンドル55を一体に回動する。
本変速動力伝達機構110は、以上のように構成されており、変速用モータ100が駆動され、駆動ギア軸100aが回転すると、図9および図10を参照して、減速ギア111を介して減速されてクランクギア112の回動に伝達され、クランクギア112の回動はクランクピン114pを介して揺動アーム116を揺動し、揺動アーム116と一体のシフトスピンドル55を回動することになる。
そして、シフトスピンドル55が回動すると、クラッチ作動機構70が変速クラッチ60を作動してクラッチの切断・接続を行うとともに、変速作動機構80が変速装置50を作動して変速段の切換えを行う。
変速動力伝達機構110の減速ギア111とクランクギア112とシフトスピンドル55は、回転中心が略水平な同一直線上に前後方向に並んで配置されている(図9参照)。
したがって、略水平な直線上に並ぶ減速ギア111とクランクギア112とシフトスピンドル55が占める上下方向の最大幅を狭く抑えられているため、変速動力伝達機構110を収容する変速動力伝達ケース102も前後に長尺で上下幅が小さい。
このような変速動力伝達機構110を収容した変速動力伝達ケース102が、左ユニットケース20LにACGカバー43およびスプロケットカバー53の下方に配設されると、図4の側面視で前後に長尺の変速動力伝達ケース102は、ステップバー33の左アーム部33bの内側に重なり、シフトスピンドル55が貫通する前端部に取り付けられる角度センサ120は左アーム部33bの前側に位置し、後部に取り付けられる変速用モータ100は左アーム部33bの後方に位置し、コンパクトな効率の良い配置レイアウトを構成している(図1,図3,図4参照)。
変速動力伝達機構110は、変速用モータ100の駆動がクランクギア112のクランクピン114pを旋回して揺動アーム116とともにシフトスピンドル55を回動し、変速段の切換えを行う。
変速時におけるクランクピン114pの旋回(クランクギア112の回動)と揺動アーム116の揺動(シフトスピンドル55の回動)の状態を図19ないし図21に示す。
なお、図19ないし図21は、図9と同じく左側面視した説明図である。
図19は変速段が確立しているときのクランクピン114pの旋回位置と揺動アーム116の揺動位置を示しており、クランクピン114pはクランクギア112の回転中心軸Pを中心に旋回し、揺動アーム116はシフトスピンドル55の中心軸である揺動中心軸Qを中心に揺動する。
図19において、変速段が確立しているときの揺動アーム116の前記係合長孔116vが指向する径方向の直線Lとクランクピン114pが旋回する旋回円Cとが交わる2点位置が、変速段が確立しているときのクランクピン114pの旋回位置S,Rであり、このうちクランクピン114pのシフトスピンドル55に近い旋回位置Sが1速段,3速段が確立しているときの旋回位置であり、クランクピン114pのシフトスピンドル55から遠い旋回位置RがニュートラルN,2速段,4速段が確立しているときの旋回位置である。
クランクピン114pのシフトスピンドル55に近い旋回位置Sと遠い旋回位置Rとを一方から他方にクランクピン(55)が1旋回移動することで、揺動アーム(116)が1往復揺動してシフトスピンドルが1往復回動し、変速段が1段切り換わることになる。
本変速動力伝達機構110は、図9に図示するように、揺動アーム116がシフトスピンドル55から後方に延出して上下に揺動する構造であり、変速段が確立しているときの揺動アーム116の係合長孔116vが指向する径方向の直線Lは、略水平であり、クランクピン114pの旋回円Cの中心(クランクギア112の回転中心軸)Pは、直線Lより幾らか上方に位置する。
揺動アーム116が、略水平な直線Lより上側の範囲を揺動するときがシフトアップするときであり、直線Lより下側の範囲を揺動するときはシフトダウンするときである。
クランクピン114pの旋回中心Pが直線Lより若干上側に位置しているので、クランクピン114pが旋回位置Rと旋回位置Sとの間で上側の180度より僅かに大きい旋回角度Aを旋回するとき揺動アーム116が直線Lより上側のシフトアップ範囲を往復揺動してシフトアップし、旋回位置Rと旋回位置Sとの間で下側の180度より僅かに小さい旋回角度Bを旋回するとき揺動アーム116が直線Lより下側のシフトダウン範囲を往復揺動してシフトダウンする。
いま、変速装置77を1速段から2速段にシフトアップするときの動きを、図20の説明図および図22の座標に示す。
図20において、変速用モータ100の駆動ギア軸100aを正回転させ、クランクピン114pが旋回位置Sから旋回位置Rに向けて時計回り(シフトアップ側)に旋回角α旋回したとき、揺動アーム116が揺動角θだけシフトアップ側(直線Lより上側)に揺動するものとすると、旋回角αに対する揺動角θは、図22の直角座標に示すように変化する。
旋回角αは0度からA度まで変化し、その間揺動角θは0度から最大揺動角θを経て0度に戻る往復揺動をする。
揺動アーム116の揺動角θが最大揺動角θを示すときは、揺動アーム116の揺動中心軸Pとクランクピン114pの旋回位置とを結ぶ直線が、クランクピン114pの旋回円Cに上側で接するときであり、そのときの旋回角α(α度)は、中央のA/2度より幾らか小さい角度である。
よって、図22の座標に示すように、揺動角θは、旋回角αが0度からα度までの増加よりα度からA度までの減少の方が小さな角速度で緩やかに変化している。
揺動アーム116の揺動角θは、揺動アーム116の一体のシフトスピンドル55の回動角θであり、揺動アーム116の最大揺動角θは、シフトスピンドル55のシフトアップ時の往復回動角度θである。
図22を参照して、クランクピン114pの旋回角αがα1度のときのシフトスピンドル55の回動角θ1度でクラッチ作動機構70のクラッチアーム72が作動レバー74を揺動してレリーズフランジ66を押して変速クラッチ60の接続解除(切断)が始まり、α度の手前のα2度のときのシフトスピンドル55の回動角θ2度で変速作動機構80の係止バー87が係止ピン95に係止してシフトドラム90が回動を始めて変速装置77を1速段から2速段に切換えを開始し、α度の後のα3度辺りでシフトドラム90の回動が停止して変速装置77を2速段に切換え、α3度のさらに後のα4度のときのシフトスピンドル55の回動角θ4度(=θ1度)で変速クラッチ60が接続して2速段が確立する。
2速段からさらに3速段に切り換えるときは、変速用モータ100を1速段から2速段のときとは逆回転の駆動することで、クランクピン114pが旋回位置Rから旋回位置Sに上側の大きい旋回角度A側を反時計回りに旋回して揺動アーム116が直線Lより上側のシフトアップ側を揺動して変速段を2速段から3速段に切り換える。
したがって、旋回角αに対する揺動角θの変化は、図22の特性曲線に沿って、1速段から2速段とは反対方向の旋回角αがA度から0度に減少するに従い揺動角θが変化することになる。
したがって、クランクピン114pが旋回位置Rと旋回位置Sとの間を上側の大きい旋回角度A側を旋回して、揺動アーム116が直線Lより上側のシフトアップ側を揺動することで、変速段がニュートラルNから4速段まで順次シフトアップすることができる。
これとは反対に、変速装置77をシフトダウンするときは、クランクピン114pが旋回位置Rと旋回位置Sとの間を下側の小さい旋回角度B側を旋回するように、変速用モータ100を駆動すれば、シフトスピンドル55とともに揺動アーム116が直線Lより下側のシフトダウン側を揺動してシフトダウンが実行される。
いま、変速装置77を2速段から1速段へのシフトダウンするときの動きを、図21の説明図および図23の座標に示す。
図21において、変速用モータ100の駆動ギア軸100aを正回転させ、クランクピン114pが旋回位置Rから旋回位置Sに向けて時計回り(シフトダウン側)に旋回角β旋回したとき、揺動アーム116が揺動角φだけシフトダウン側(直線Lより下側)に揺動するものとすると、旋回角βに対する揺動角φは、図23の直角座標に示すように変化する。
旋回角βは0度からB度まで変化し、その間揺動角φは0度から最大揺動角φを経て0度に戻る往復揺動をする。
揺動アーム116の揺動角φが最大揺動角φを示すときは、揺動アーム116の揺動中心軸Pとクランクピン114pの旋回位置とを結ぶ直線が、クランクピン114pの旋回円Cに下側で接するときであり、そのときの旋回角β(β度)は、中央のB/2度より幾らか大きい角度である。
よって、図23の座標に示すように、揺動角φは、旋回角βが0度からβ度までの増加よりβ度からB度までの減少の方が大きな角速度で急激に変化している。
揺動アーム116の揺動角φは、揺動アーム116の一体のシフトスピンドル55の回動角φであり、揺動アーム116の最大揺動角φは、シフトスピンドル55のシフトアップ時の往復回動角度φである。
図23を参照して、クランクピン114pの旋回角βがβ1度のときのシフトスピンドル55の回動角φ1度でクラッチ作動機構70のクラッチアーム72が作動レバー74を揺動してレリーズフランジ66を押して変速クラッチ60の接続解除(切断)が始まり、β度の手前のβ2度のときのシフトスピンドル55の回動角φ2度で変速作動機構80の係止バー87が係止ピン95に係止してシフトドラム90が回動を始めて変速装置77を1速段から2速段に切換えを開始し、β度の後のβ3度辺りでシフトドラム90の回動が停止して変速装置77を2速段に切換え、β3度のさらに後のβ4度度のときのシフトスピンドル55の回動角φ4度(=φ1度)で変速クラッチ60が接続して2速段が確立する。
1速段からさらにニュートラルNに切り換えるときは、変速用モータ100を2速段から1速段のときとは逆回転の駆動することで、クランクピン114pが旋回位置Sから旋回位置Rに下側の小さい旋回角度B側を反時計回りに旋回して揺動アーム116が直線Lより下側のシフトダウン側を揺動して変速段を1速段からニュートラルNに切り換える。
したがって、旋回角βに対する揺動角φの変化は、図23の特性曲線に沿って、2速段から1速段とは反対方向の旋回角βがB度から0度に減少するに従い揺動角φが変化することになる。
したがって、クランクピン114pが旋回位置Rと旋回位置Sとの間を下側の小さい旋回角度B側を旋回して、揺動アーム116が直線Lより下側のシフトダウン側を揺動することで、変速段が4速段からニュートラルNまで順次シフトダウンすることができる。
変速装置50の変速段をシフトアップするときのクランクピン114pの旋回角度Aの方がシフトダウンするときのクランクピン114pの旋回角度Bより若干大きくなるように変速作動機構80が設定されているので、シフトスピンドル55のシフトアップ時の往復回動角度θの方がシフトダウン時の往復回動角度φより僅かに大きい。
そのため、クランクピン114pの旋回角に対する揺動アーム116の揺動角(シフトスピンドル55の回動角)の変化は、シフトアップ時に図22に示すような曲線をなし、シフトダウン時に図23に示すような曲線をなし、シフトアップ時の方がシフトダウン時より幾らか大きく変化している。
したがって、シフトアップ時とシフトダウン時の変速クラッチ60の接続解除(切断)が始まるシフトスピンドル55の回動角θ1と回動角φ1は変わりないが、回動角θ1と回動角φ1となる各旋回角α1と旋回角β1は異なり、変速クラッチ60の接続解除(切断)が始まるタイミンングが異なる。
同様に、シフトドラム90が回動を始めるシフトアップ時の旋回角α2とシフトダウン時の旋回角β2も異なり、すなわちシフトドラム90が回動を始めるタイミングも異なる。
なお、シフトスピンドル55は、長尺であるので、ねじれが生じることがあるが、このねじれを検出することにより良好な切換えタイミングが可能となる。
そのため、シフトスピンドル55の両端部にそれぞれ角度センサ120,121を設けて両端部それぞれの回動角度を検出すれば、両者の差からねじれの程度を精度良く判断できる。
ねじれの程度が大きいときは、変速用モータ100の動きを元に戻して再試行するなどの対応がとられる。
本実施形態では、シフトスピンドル55の両端部にそれぞれ角度センサ120,121を設けたが、一方特に動力が入力される左端側とは反対の右側の角度センサ121だけでも予めシフトスピンドル55のねじれ特性を求めておいて、ねじれの程度を判断することができる。
以上のように、本変速動力伝達機構110は、変速用モータ100の一方向の駆動によるクランクピン114pの一方向の旋回により揺動アーム116が一往復揺動すなわちシフトスピンドル55が滑らかに連続した一往復回動して変速段を一段シフトアップまたはシフトダウンして切り換えることができる。
この間変速用モータ100は停止することがないので、滑らかなシフトスピンドル55)の動作で変速するとともに、停止のために時間を要せず変速段の切換えに要する時間を短縮することができる。
変速動力伝達機構110が、クランクギア112の側面に回転中心から偏心して突設されるクランクピン114pが揺動アーム116のアーム部116bに形成された係合長孔116vに摺動自在に係合して構成され、クランクギア112の回転がクランクピン114pと係合長孔116vとの係合を介して揺動アーム116を揺動しシフトスピンドル55を回動するので、簡単な構造で変速用モータ100の一方向の途中停止することのない駆動によるクランクギア112の一方向の回転を、揺動アーム116の滑らかに連続した往復揺動に変換し、揺動アーム116と一体のシフトスピンドル55を滑らかに連続して往復回動させることができ、変速段の切換えに要する時間を短縮することができる。
変速段が確立しているときの揺動アーム116の係合長孔116vが指向する径方向の直線Lとクランクピン114pが旋回する旋回円Cとが交わる2点位置が、変速段が確立しているときのクランクピン114pの旋回位置S,Rであるので、変速段が確立しているときの揺動アーム(116)の揺動位置は常に定位置であり、変速機構全体の構成を簡素化することができる。
クランクピン114pの2つの旋回位置S,Rのうちシフトスピンドル55に近い旋回位置Sと遠い旋回位置Rとを一方から他方にクランクピン55が1旋回移動することで、揺動アーム116が1往復揺動してシフトスピンドル55が1往復回動し、変速段が1段切り換わるので、シフトスピンドル(55)が略半周程旋回することで、変速段が切り換えられ、変速段の切換えに要する時間をより短縮することができる。
揺動アーム116の最大揺動角θ,φ付近は、クランクギア(112)の一定回転速度に対して揺動アーム(116)の揺動角速度が0を経る低い処、すなわちシフトスピンドル55の回動速度が低い処であり、このシフトスピンドル55の低回動速度により変速段の切換え動作がゆっくり行われ変速段の切換えが確実に実行される。
揺動アーム116は、係合長孔116vの先端が開放したフォーク形状をなしているので、揺動アーム116とクランクギア112の組立作業性が良好である。
変速装置50の変速段をシフトアップするときのクランクピン114pの旋回角度Aがシフトダウンするときのクランクピン114pの旋回角度Bと略等しくなるように変速作動機構80が設定され、すなわちシフトスピンドル55のシフトアップ時の往復回動角度θとシフトダウン時の往復回動角度φとが略等しく設定されているので、シフトアップ時とシフトダウン時とで、変速動作にあまり差異を生じさせず、双方共に変速ショックを低減することができる。
シフトドラム90が一方向に回転することで、変速装置50がニュートラルNから1速段に入り、次いで順次シフトアップするように変速作動機構80が設定されており、そのため、途中ニュートラルNを経由してシフトアップまたはシフトダウンすることがないため、シフトアップまたはシフトダウン時にクランクギアの略半周回転を複数回繰り返すことがなく、速やかな変速を行うことができる。
変速装置50をニュートラルから1速段に入れる場合は、変速装置50が1速段を確立した後に、発進クラッチ45が接続するように変速用モータ100が駆動制御されるようにしており、そのため、ニュートラルNから1速段に入るときに、変速ショックの発生を抑えることができる。
変速動力伝達機構110は、変速用モータ100の駆動が減速ギア111を介してクランクギア112に伝達され、減速ギア111とクランクギア112とシフトスピンドル55は、各回転中心が同一直線上に配置されているので、一直線上に並ぶ減速ギア111とクランクギア112とシフトスピンドル55が占める並び方向と直角方向の最大幅を狭く抑えることができ、コンパクトな効率の良い配置レイアウトを構成することができる。
P…パワーユニット、20…ユニットケース、21…内燃機関、22…クランク軸、
50…変速装置、51…メイン軸、52…カウンタ軸、55…シフトスピンドル、
60…変速クラッチ、61…クラッチアウタ、62…クラッチインナ、65…プレッシャプレート、66…レリーズフランジ、
70…クラッチ作動機構、72…クラッチアーム、73…ローラ、74…作動レバー、76…支軸、77…受け板、79…レリーズボール、
80…変速作動機構、81…変速アーム、83…変速レバー、86…連結ピン、87…係止バー、90…シフトドラム、91,92…シフトフォーク、
100…変速用モータ、100a…駆動ギア軸、
110…変速動力伝達機構、111…減速ギア、112…クランクギア、113…ギア部材、114…クランク部材、114p…クランクピン、116…揺動アーム、116v…係合長孔。

Claims (9)

  1. 内燃機関(21)の動力が変速クラッチ(60)および変速装置(50)を介して出力される車載パワーユニット(P)であって、
    アクチュエータ(100)の駆動を伝達してシフトスピンドル(55)を回動する変速動力伝達機構(110)と、
    前記シフトスピンドル(55)の回動により前記変速クラッチ(60)を作動させるクラッチ作動機構(70)と、
    前記シフトスピンドル(55)の回動により前記変速装置(50)を作動させる変速作動機構(80)とを備え、
    前記アクチュエータ(100)が駆動して前記変速動力伝達機構(110)により前記シフトスピンドル(55)が回動すると、前記クラッチ作動機構(70)と前記変速作動機構(80)とが駆動されて前記変速クラッチ(60)の切断・接続と前記変速装置(50)の複数の変速段の切換えが所定のタイミングで実行される車載パワーユニット(P)において、
    前記変速動力伝達機構(110)は、前記アクチュエータ(100)の一方向の駆動を前記シフトスピンドル(55)の連続した往復回動に変換して伝達することを特徴とする車載パワーユニット。
  2. 前記変速動力伝達機構(110)は、
    前記アクチュエータ(100)の駆動により回転するクランクギア(112)と、
    前記シフトスピンドル(55)に基端部を嵌着して先端部を揺動する揺動アーム(116)とを備え、
    前記クランクギア(112)の側面に回転中心から偏心して突設されるクランクピン(114p)が前記揺動アーム(116)のアーム部(116b)に形成された係合長孔(116v)に摺動自在に係合して構成され、
    前記クランクギア(112)の一方向の回転が前記クランクピン(114p)と前記係合長孔(116v)との係合を介して前記揺動アーム(116)を往復揺動し前記シフトスピンドル(55)を往復回動することを特徴とする請求項1記載の車載パワーユニット。
  3. 前記揺動アーム(116)は、前記係合長孔(116v)が揺動中心(Q)から径方向に直線的に長尺に形成され、
    変速段が確立しているときの前記揺動アーム(116)の前記係合長孔(116v)が指向する径方向の直線(L)と前記クランクピン(114p)が旋回する旋回円(C)とが交わる2点位置が、変速段が確立しているときの前記クランクピン(114p)の旋回位置(S,R)であり、
    前記クランクピン(114p)の2つの前記旋回位置(S,R)のうち前記シフトスピンドル(55)に近い旋回位置(S)と前記シフトスピンドル(55)から遠い旋回位置(R)とを一方から他方に前記クランクピン(55)が1旋回移動することで、前記揺動アーム(116)が1往復揺動して前記シフトスピンドルが1往復回動し、変速段が1段切り換わることを特徴とする請求項2記載の車載パワーユニット。
  4. 前記変速作動機構(80)は、前記揺動アーム(116)の最大揺動角(θM,φM)付近で前記変速装置(50)の変速段の切換えが実行されるように設定されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の車載パワーユニット。
  5. 前記揺動アーム(116)は、前記係合長孔(116v)の先端が開放したフォーク形状をなしていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項記載の車載パワーユニット。
  6. 前記変速装置(50)の変速段をシフトアップするときの前記クランクピン(114p)の旋回角度(A)がシフトダウンするときの前記クランクピン(114p)の旋回角度(B)と略等しくなるように前記変速作動機構(80)が設定されていることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれか1項記載の車載パワーユニット。
  7. 前記変速作動機構(80)のシフトドラム(90)が一方向に回転することで、前記変速装置(50)がニュートラルから1速段に入り、次いで順次シフトアップするように前記変速作動機構(80)が設定されていることを特徴とする請求項3ないし請求項6のいずれか1項記載の車載パワーユニット。
  8. 前記変速装置(50)をニュートラルから1速段に入れる場合は、前記変速装置(50)が1速段を確立した後に、発進クラッチ(45)が接続するように前記アクチュエータ(100)が駆動制御されることを特徴とする請求項7記載の車載パワーユニット。
  9. 前記変速動力伝達機構(110)は、前記アクチュエータ(100)の駆動が減速ギア(111)を介して前記クランクギア(112)に伝達され、
    前記減速ギア(111)と前記クランクギア(112)と前記シフトスピンドル(55)は、各回転中心が同一直線上に配置されていることを特徴とする請求項2ないし請求項8のいずれか1項記載の車載パワーユニット。
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