JP2012172059A - 水膨張性シーラントの製造方法 - Google Patents

水膨張性シーラントの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性が良好である上、硬化後の機械的強度及び止水性に優れた水膨張性シーラントの製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)水膨張性ウレタンプレポリマー、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー、(C)充填材及び(D)イソシアネート化合物を混合し反応させて水膨張性ウレタンシーラントを製造する方法。前記原料(A)〜(D)をゲージ圧で−500〜−760mmHgの減圧下で反応させる点に、特に特徴がある。
【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性の改良された水膨張性シーラントの製造方法に関し、更に詳しくは、硬化速度が速く、タックフリーになるまでの時間が短く、保存安定性が良く、硬化後の機械的強度に優れる上、止水性に優れた水膨張性を有する一液性ポリウレタンシーラントの製造方法に関する。
弾性ポリウレタンシーラントは、土木建築において、止水材、接着剤、コーキング材等に広く使用されている。また、近来、目地やヒューム管、継手シール部の漏水の止水効果を向上させる目的で、水膨張性物質を使用する方法が普及しつつある。土木建築分野においては、作業の容易性の面から一液性が用いられているが、止水効果を十分発揮させるために、水膨張性を有する一液シーラントが求められていた。
従来技術としては、水膨張性を有する一液性シーラントとして、ポリウレタンシーラントが開示されている(特許文献1)。このポリウレタンシーラントは種々の優れた特長を持ってはいるものの、実際の使用場面に適応させるために充填材を混合した場合、十分な保存安定性が得られないという欠点を有している。この原因としては、充填材中に含まれる水分が、ウレタンプレポリマーと反応し、系が増粘又は半硬化状になるためと推察される。
保存安定性が改良されたポリウレタンシーラントとして、充填材、水膨張性ウレタンプレポリマー及び非水膨張性ウレタンプレポリマーを混合して獲られるポリウレタンシーラントが開示されている(特許文献2)。
しかしながら、この技術は従来要求されていた性能レベルでは十分であるものの、近年要求される従来以上の高度な性能、特に、環境を配慮した配合物とした場合においても高度な性能が求められているが、必ずしもこのような要求を満足するものではなかった。
特公昭49−30269号公報 特公平4−71433号公報
本発明の目的は、近年の高度な性能要求に応え得るため、保存安定性が良好である上、硬化後の機械的強度及び止水性に優れた水膨張性シーラントの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、水膨張性ウレタンプレポリマー、非水膨張性ウレタンプレポリマー、充填材及びイソシアネート化合物を所定の減圧化で反応させることによって、硬化後の機械的強度及び止水性を損なうことなく、保存安定性が著しく向上した水膨張性ウレタンシーラントを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、(A)水膨張性ウレタンプレポリマー、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー、(C)充填材及び(D)イソシアネート化合物を混合し反応させて水膨張性ウレタンシーラントを製造する方法であって、前記原料(A)〜(D)をゲージ圧で−500〜−760mmHgの減圧下で反応させることを特徴とする水膨張性ウレタンシーラントの製造方法である。
本発明により、保存安定性が良好である上、硬化後の機械的強度及び止水性に優れた、近年の高度な要求性能に応え得る水膨張性シーラントを得ることが可能となった。
本発明の水膨張性シーラントの製造方法においては、(A)水膨張性ウレタンプレポリマー、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー、(C)充填材及び(D)イソシアネート化合物をゲージ圧−500〜−760mmHgの減圧下で反応させる。こうすることによって、初期粘度の増加が抑制された、長期保存が可能で寿命が長い水膨張性シーラントを得ることができる。
ゲージ圧−500mmHg以上で反応させても、得られる水膨張性シーラントの保存安定性が低い。
反応器内の減圧は、原料を投入する前に予め行なってもよいが、原料を反応器内に投入しながら、又は原料を反応器内に投入した直後に行なってもよい。
本発明の水膨張性シーラントの製造方法において、前記、水膨張性ウレタンプレポリマー(A)、非水膨張性ウレタンプレポリマー(B)、充填材(C)及びイソシアネート化合物(D)を混合する手順は特に制限されるものではないが、工程数がより少ないことが好ましい。
また、前記原料の反応を撹拌下で行なってもよい。撹拌の方法及び撹拌する時間は、特に限定されるものでないが、撹拌時間は1〜120分であることが好ましい。
水膨張性ウレタンプレポリマー(A)は、通常のポリエーテルとポリイソシアネートとの反応と同様にして、例えば80〜90℃で2〜3時間加熱して、末端NCO基の含量が1.5〜10質量%となるように反応させて得ることができる。
また、水膨張性ウレタンプレポリマー(A)の末端NCO基の含量は、1.5〜5質量%であることが好ましい。
本発明においては、前記(A)水膨張性ウレタンプレポリマーとして、下記一般式(I)で表わされる少なくとも1種のポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端NCO基の含量が1.5〜10質量%の水膨張性ウレタンプレポリマーを使用することが好ましい。
R〔(OROH〕(I)
但し、式中のRは多価アルコール残基であり、(OR1nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン鎖であって、上記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量が50〜90質量%であることが好ましい。nはオキシアルキレン鎖の重合度を示す数であり、水酸基1個当りの分子量(以下「水酸基当量」という。)が500〜4000となる数である。pは2〜8の整数である。
上記一般式(I)中のRは、2〜6価のアルコール残渣であることが好ましい。
脂肪族2価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3価アルコールの例としては、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン等、4価アルコールの例としては、エリトリット、ペンタエリトリット、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,3,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等、5価アルコールの例としては、アドニット、アラビット、キシリット等、6価アルコールの例としては、ソルビット、マンニット、イジット等が挙げられる。
前記一般式(I)中のRは、2〜4価のアルコールの残基であることが好ましく、特にプロピレングリコール、グリセリンの残基であることが好ましい。
前記一般式(I)のポリエーテルポリオールは、前記したようにポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量が50〜90質量%であることが好ましい。オキシエチレンの量が90質量%を超えると、イソシアネートと反応させて得られる、末端イソシアネート基を含有するプレポリマーが、常温で結晶化するため作業性が悪くなり、50質量%未満であると、シーラントの保存安定性が低下する。
前記一般式(I)で表わされるポリエーテルポリオールは、公知の方法により前記多価アルコールに、炭素数3〜4のアルキレンオキシドとエチレンオキシドとを、所望の分子量となり、且つオキシエチレン基が所望の含有量となるように付加反応させることによって製造することができる。炭素数3〜4のアルキレンオキシドとエチレンオキシドとは、ランダム状又はブロック状に付加反応させることができるが、本発明においては、ランダム状に付加反応させたポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。炭素数3〜4のアルキレンオキシドとしては、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられるが、特にプロピレンオキシドを使用することが好ましい。
前記オキシエチレン基の割合は、ポリオキシアルキレン鎖がランダム状である場合は50〜90質量%であることが好ましく、ポリオキシアルキレン鎖がブロック状である場合は70〜90質量%であることが好ましい。
前記一般式(I)で表わされるポリエーテルポリオールは、分子量が1000〜10000のものを使用するのが好ましく、3官能以上の多価アルコールをベースとして得られる3官能以上のポリエーテルとしては、分子量が2000〜10000のものを使用することが好ましい。
前記一般式(I)で表わされるポリエーテルポリオールとしては、下記一般式下記一般式(I−1)で表わされる2官能ポリエーテルポリオール又は(I−2)で表わされる3官能ポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
〔(OR1anOH〕2 (I−1)
但し、式中のRは2価アルコールの残基であり、(OR1aはオキシプロピレン基とオキシエチレン基とを有するポリオキシアルキレン鎖である。
前記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量、及び、前記ポリオキシアルキレン鎖の重合度nは、前述した通りである。
前記2官能ポリエーテルの好ましい例としては、例えば、プロピレングリコールに常法によりエチレンオキシドとプロピレンオキシドとをランダム又はブロック状に付加させて得られるポリエーテルが挙げられる。
〔(OR1bOH〕 (I−2)
但し、式中のRは3価アルコール残基であり、(OR1bnはオキシプロピレン基及びオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレン鎖であって、前記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量、及び、前記ポリオキシアルキレン鎖の重合度nは、前述した通りである。
前記3官能ポリエーテルの好ましい例としては、例えば、グリセリンに常法によりエチレンオキシドとプロピレンオキシドとをランダム又はブロック状に付加させて得られるポリエーテルが挙げられる。
本発明に使用する(A)水膨張性ウレタンプレポリマーとしては、プロピレングリコール等の二価アルコールをベースとして得られる一般式(I−1)で表わされる2官能ポリエーテルと、グリセリン等の三価アルコールをベースとして得られる一般式(I−2)で表わされる3官能ポリエーテルとの混合物を、ポリイソシアネートと反応させて得られるイソシアネート基含有プレポリマーを使用することが好ましい。
この場合、2官能ポリエーテルと3官能ポリエーテルとは、質量比を9:1〜5:5として混合することが特に好ましい。
(A)水膨張性ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネートとしては、下記一般式(1)〜(4)で表わされるジイソシアネートが挙げられる。
Figure 2012172059


但し、式中の○はベンゼン環又はナフタレン環、−NCOは核置換のイソシアネート基、Zは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル基又はアルコキシル基であり、nは0、1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピルベンゾール−2,4−ジイソシアネートが挙げられる。
Figure 2012172059


但し、式中の○はベンゼン環又はナフタレン環、−(CH2mNCOは核置換のアルキレンイソシアネート基、Zは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル又はアルコキシル基、mは1又は2であり、nは1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,2−ジメチルベンゾール、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゾールが挙げられる。
Figure 2012172059


但し、式中のAは−CH2−又は−C(CH3)2−等の炭素数3以上のアルキレン基、Oはベンゼン環又はナフタレン環、Zは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル又はアルコキシ基であり、nは0、1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロルジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。
Figure 2012172059


但し、式中のZは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル基若しくはアルコキシ基、mは0又は1であり、nは0、1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。
(A)水膨張性ウレタンプレポリマーの合成に使用される、その他のポリイソシアネートとしては、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイソシアネート;上記イソシアネートに含まれる芳香環を水添して得られるジイソシアネート(例:ジシクロヘキサン−4,4’−ジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,2−ジメチルシクロヘキサン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルシクロヘキサン);2モルのジイソシアネートと1モルの水の反応によって得られる置換尿素基を含むジイソシアネート(例:1モルの水と2モルの2,4−トルイレンジイソシアネートとの反応によって得られる尿素ジイソシアネート)、芳香族ジイソシアネートを公知の方法で2分子重合して得られるウレトジオンジイソシアネート;脂肪族ジイソシアネート(例:プロパン−1,2−ジイソシアネート、2,3−ジメチルブタン−2,3−ジイソシアネート、2−メチルペンタン−2,4−ジイソシアネート、オクタン−3,6−ジイソシアネート、3,3−ジニトロペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタン−1,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート)等が挙げられる。
前記(B)非水膨張性ウレタンプレポリマーとしては、下記一般式(II)で表わされるポリエーテルポリオールの少なくとも一種をポリイソシアネートと反応させて得られる、末端のNCO基の含量が1.0〜5質量%の非水膨張性ウレタンプレポリマーであることが好ましい。
2〔(OROH〕 (II)
但し、式中のR2は多価アルコール残基、(ORは炭素数3〜4のアルキレン基R3を有するポリオキシアルキレン鎖、オキシアルキレン鎖の重合度mは、水酸基当量が500〜4000となる数であり、qは2〜8の整数である。
上記一般式(II)中のR2は、前述した一般式(I)中のRの説明で述べた脂肪族の2〜6価アルコールの残基と同様のものが挙げられる。
また、上記一般式(II)で表わされるポリエーテルポリオールは、かかる多価アルコールに、常法により炭素数3〜4のアルキレンオキシドを所望の分子量となるように付加反応させることにより製造することができる。炭素数3〜4のアルキレンオキシドとしては、例えば、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられるが、特にプロピレンオキシドを使用することが好ましい。
本発明においては、前記一般式(II)で表わされるポリエーテルポリオールは、分子量が1000〜9000のものを使用することが好ましく、特に、3官能以上のポリエーテルを使用する場合、分子量が2000〜9000のものを使用することが好ましい。
本発明に使用する(B)非水膨張性ウレタンプレポリマーとしては、2官能ポリエーテル及び3官能ポリエーテルの混合物をポリイソシアネートと反応させて得られる、末端のNCO基の含量が1.0〜5質量%のウレタンプレポリマーを使用することが好ましい。
この場合における、2官能ポリエーテルに対する3官能ポリエーテルの混合割合(質量比)は、9:1〜1:9とすることが好ましい。
前記2官能ポリエーテルとしては、例えば、プロピレングリコール等の2価アルコールをベースとして得られるポリエーテルが挙げられ、3官能ポリエーテルとしては、例えば、グリセリン等の3価アルコールをベースとして得られるポリエーテルが挙げられる。
また、本発明に使用する(B)非水膨張性ウレタンプレポリマーを製造するのに用いられるポリイソシアネートとしては、前記したポリイソシアネートをすべて使用することができる。それらの中で特に好ましいものは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及びこれらの混合物である。
本発明に使用する(B)非水膨張性ウレタンプレポリマーは、通常のポリエーテルとポリイソシアネートとの反応と同様にして、例えば90℃で3時間加熱反応させて得ることができる。
(C)充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、バーライト、酸化ケイ素、滑石、ひる石、けい灰石、ガラス、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化カルシウム等が挙げられる。
本発明に使用されるイソシアネート(D)としては、例えば、下記一般式(III)で表わされるイソシアネート化合物が挙げられる。
Figure 2012172059


但し、式中のtは1〜5の整数、Rは各々独立して炭素数1〜8の炭化水素基であって、全Rの炭素数の合計は1〜8であり、kは0又は1、Gは−SO−、−CO−、−OCO−及び−COO−からなる群から選択される基である。
本発明においては、k=0、Gは−SO2−であることが好ましく、特に好ましいものの例としては、4−メチルベンゼンスルホニルイソシアネートが挙げられる。
本発明の水膨張性シーラントの製造方法には、前記した4種の必須成分の他、必要に応じて各種の可塑剤、揺変剤、歴青物質等の添加物を配合してもよい。
可塑剤の例としては、ジオクチルフタレート等が挙げられ、揺変剤の例としては、ベントナイト、金属石ケン、水添ひまし油、アスベスト粉末等が挙げられ、歴青物質の例としては、コールタール、木タール、オイルガスタール、石油アスファルト、ピッチ類等が挙げられる。
本発明の水膨張性シーラントの製造方法における各成分の配合比は、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー100質量部に対し、(C)充填材は10〜300質量部であり、50〜200部であることが好ましく、(A)水膨張性ウレタンプレポリマーは20〜300質量部であり、30〜200質量部であることが好ましい。また、(D)イソシアネート化合物は、(C)充填材100質量部に対して0.5〜15質量部であり、1〜7質量部であることが好ましい。
本発明の製造方法により得られた水膨張性シーラントは、例えば波板、スレート、プラスチック板、アルミニウム板、トタン等の各種建築又は構造物の各接合部、コンクリート、陶管、ガラス等の継目、道路や床被覆の継目、自動車、船舶、航空機等の乗物の接合部や継目、パイプやプレハブ建築物の各接合部等の目地材、接着剤、コーキング材等として使用することができる。
また、本発明の製造方法により得られた水膨張性シーラントの使用方法としては、例えば目的とする材料の間隔、接合部に上記シーラントを押し出しガンにより注入して硬化させる注入法、材料に本シーラントを刷毛塗りして硬化させる刷毛塗法、及び、予め硬化させたシーラントをそのまま又は加工したものを取り付けて間隔を充填する取り付け法等がある。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、例中の部は質量部である。
[水膨張性ウレタンプレポリマーの調製]
[調製例A−1]
グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた、分子量7000、オキシエチレン基含有率80質量%の3官能ポリエーテル20部と、プロピレングリコールにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた、分子量5000、オキシエチレン基含有率70質量%の2官能ポリエーテル80部とを混合し、この混合物にトリレンジイソシアネート8.5部を加えて常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCOの含量が1.8質量%の水膨張性ウレタンプレポリマー(以下A−1と言う)を得た。
[調製例A−2]
グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた分子量5000、オキシエチレン基含有量70質量%の3官能ポリエーテル20部と、プロピレングリコールにプロピレンオキシドとエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた、分子量5000、オキシエチレン基含有率70質量%の2官能ポリエーテル80部とを混合し、この混合物にトリレンジイソシアネート8.5部を加えて常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCOの含量が2.0質量%の水膨張性ウレタンプレポリマー(以下A−2と言う)を得た。
[非水膨張性ウレタンプレポリマーの調製例]
[調製例B−1]
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート313部と、グリセリンにプロピレンオキシドを付加させて得られた、分子量4500のポリエーテル1500部とを混合し、常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCOの含量が3.5質量%の非水膨張性ウレタンプレポリマー(以下B−1と言う)を得た。
[調製例B−2]
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート313部と分子量4500のポリプロピレングリコール2250部とを混合し、常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCO基の含量が2.5%の非水膨張性ウレタンプレポリマー(以下B−2と言う)を得た。
[使用充填材]
充填材として、下記のC−1〜C−4のものを用いた。
C−1:炭酸カルシウム
C−2:酸化チタン
C−3:酸化ケイ素
C−4:カーボンブラック
[使用イソシアネート化合物(D)]
イソシアネート化合物D−1として、4−メチルベンゼンスルホニルイソシアネートを用いた。
[実施例1〜4]
B−1又はB−2、C−3を混合槽に投入し、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧した後、20分間混合した。次いで、C−1、C−2、C−4を投入した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧し20分間混合した。更に、A−1又はA−2、及びD−1を投入した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧して20分間混合し、水膨張性ウレタンシーラントを得た。
[比較例1〜4]
B−1又はB−2、C−3を混合槽に投入、常圧にて20分間混合した。次いで、C−1、C−2、C−4を投入し、常圧にて5分間混合した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧し、更に20分間混合した。更に、A−1又はA−2、及びD−1を投入し、常圧にて5分混合した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧して更に20分間混合し、水膨張性ウレタンシーラントを得た。
各実施例及び比較例における各成分の配合比を表1に示す。
得られた各シーラントについて下記のようにして促進保存安定性、硬化10日後の物性及び止水性を測定した。得られた結果を表1に併記する。
[促進保存安定性]
各シーラントをN2で封止し、50℃の恒温槽に投入して、粘度が初期値の1.5倍になった時点の経過日数を測定した。
[硬化10日後の物性]
各シーラントをガラス板上に2mm厚に塗布し、室温にて10日間放置した後、ショア硬度、抗張力(kgf/cm2)を常法により測定した。また、硬化膜を2cm×5cmの小片に切断して蒸留水に浸漬し、経時的に質量増加量を測定して、最大質量増加時を基に、下記式により水膨張率(%)を算出した。
〔(浸漬後の最大質量−浸漬前の質量)×100/浸漬前の質量〕
[止水性]
水注入口と水圧計を備え、上下2つに分割できる鉄製容器の接合部に各実施例及び比較例で得られたシーラントを塗布し、2日間放置して硬化させた後、この容器に水を注入し、水圧3kg/cm2に保ち、僅かでも接合部から漏水するまでの期間を測定した。
Figure 2012172059

表1から明らかなように、同一の組成及び配合比であっても、減圧下で反応させて得られた膨張性ウレタンシーラントの方が、常圧下で反応させて得られたものよりも促進貯蔵安定性が優れている。この結果から、本発明の製造方法によって、保存安定性に優れた水膨張性ウレタンシーラントが得られることが確認された。
本発明は、保存安定性に優れた水膨張性ウレタンシーラントを製造することができることから、各種建築又は構造物の各接合部、コンクリート、陶管、ガラス等の継目、道路や床被覆の継目、乗物の接合部や継目、パイプやプレハブ建築物の各接合部等に用いる目地材、接着剤、コーキング材等の製造に有用である。

Claims (6)

  1. (A)水膨張性ウレタンプレポリマー、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー、(C)充填材及び(D)イソシアネート化合物を混合し反応させて水膨張性ウレタンシーラントを製造する方法であって、前記原料(A)〜(D)をゲージ圧で−500〜−760mmHgの減圧下で反応させることを特徴とする水膨張性ウレタンシーラントの製造方法。
  2. 前記反応を撹拌下で行なう、請求項1に記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法。
  3. 前記原料(A)〜(D)を反応器に投入した直後に、又は、前記原料(A)〜(D)を反応器内で混合しながら、前記反応器内をゲージ圧で−500〜−760mmHgに減圧する、請求項1又は2に記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法。
  4. 前記(A)水膨張性ウレタンプレポリマーが、下記一般式(I)で表わされるポリエーテルポリオールの少なくとも1種と、ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端のNCO基の含量が1.5〜10質量%の水膨張性ウレタンプレポリマーである、請求項請求項1〜3の何れかに記載された記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法;
    R〔(OR1nOH〕p (I)
    但し、式中のRは2〜6価の脂肪族アルコール残基、(OR1nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン鎖であって、上記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量が50〜90質量%であり、nは水酸基当量が500〜4000になる数であり、pは2〜8の整数である。
  5. 前記(B)非水膨張性ウレタンプレポリマーが、下記一般式(II)で表わされるポリエーテルポリオールの少なくとも一種をポリイソシアネートと反応させて得られる、末端のNCO基の含量が1.5〜5質量%の非水膨張性ウレタンプレポリマーである、請求項1〜4の何れかに記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法;
    〔(OROH〕 (II)
    但し、式中のR2は多価アルコール残基、(ORは炭素数3〜4のアルキレン基を有するポリオキシアルキレン鎖、mは水酸基当量が500〜4000となる数であり、qは2〜8の整数である。
  6. 前記(D)イソシアネート化合物が下記一般式(III)で表されるイソシアネート化合物である、請求項1〜5の何れかに記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法;
    Figure 2012172059


    但し、式中のtは1〜5の整数、Rは各々独立に炭素数1〜8の炭化水素基であって、1分子中のRの炭素数の合計は1〜8であり、kは0又は1、Gは−SO2 −、−CO−、−OCO−及び−COO−からなる群から選択される基である。
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