JP2012172059A - 水膨張性シーラントの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)水膨張性ウレタンプレポリマー、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー、(C)充填材及び(D)イソシアネート化合物を混合し反応させて水膨張性ウレタンシーラントを製造する方法。前記原料(A)〜(D)をゲージ圧で−500〜−760mmHgの減圧下で反応させる点に、特に特徴がある。
【選択図】なし
Description
しかしながら、この技術は従来要求されていた性能レベルでは十分であるものの、近年要求される従来以上の高度な性能、特に、環境を配慮した配合物とした場合においても高度な性能が求められているが、必ずしもこのような要求を満足するものではなかった。
ゲージ圧−500mmHg以上で反応させても、得られる水膨張性シーラントの保存安定性が低い。
反応器内の減圧は、原料を投入する前に予め行なってもよいが、原料を反応器内に投入しながら、又は原料を反応器内に投入した直後に行なってもよい。
また、前記原料の反応を撹拌下で行なってもよい。撹拌の方法及び撹拌する時間は、特に限定されるものでないが、撹拌時間は1〜120分であることが好ましい。
また、水膨張性ウレタンプレポリマー(A)の末端NCO基の含量は、1.5〜5質量%であることが好ましい。
R〔(OR1)nOH〕p(I)
但し、式中のRは多価アルコール残基であり、(OR1)nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン鎖であって、上記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量が50〜90質量%であることが好ましい。nはオキシアルキレン鎖の重合度を示す数であり、水酸基1個当りの分子量(以下「水酸基当量」という。)が500〜4000となる数である。pは2〜8の整数である。
脂肪族2価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3価アルコールの例としては、グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールプロパン等、4価アルコールの例としては、エリトリット、ペンタエリトリット、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,3,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等、5価アルコールの例としては、アドニット、アラビット、キシリット等、6価アルコールの例としては、ソルビット、マンニット、イジット等が挙げられる。
前記一般式(I)中のRは、2〜4価のアルコールの残基であることが好ましく、特にプロピレングリコール、グリセリンの残基であることが好ましい。
Ra〔(OR1a)nOH〕2 (I−1)
但し、式中のRaは2価アルコールの残基であり、(OR1a)nはオキシプロピレン基とオキシエチレン基とを有するポリオキシアルキレン鎖である。
前記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量、及び、前記ポリオキシアルキレン鎖の重合度nは、前述した通りである。
但し、式中のRbは3価アルコール残基であり、(OR1b)nはオキシプロピレン基及びオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレン鎖であって、前記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量、及び、前記ポリオキシアルキレン鎖の重合度nは、前述した通りである。
この場合、2官能ポリエーテルと3官能ポリエーテルとは、質量比を9:1〜5:5として混合することが特に好ましい。
但し、式中の○はベンゼン環又はナフタレン環、−NCOは核置換のイソシアネート基、Zは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル基又はアルコキシル基であり、nは0、1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、1,4−ナフチレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピルベンゾール−2,4−ジイソシアネートが挙げられる。
但し、式中の○はベンゼン環又はナフタレン環、−(CH2)mNCOは核置換のアルキレンイソシアネート基、Zは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル又はアルコキシル基、mは1又は2であり、nは1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,2−ジメチルベンゾール、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゾールが挙げられる。
但し、式中のAは−CH2−又は−C(CH3)2−等の炭素数3以上のアルキレン基、Oはベンゼン環又はナフタレン環、Zは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル又はアルコキシ基であり、nは0、1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロルジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。
但し、式中のZは核置換のハロゲン原子又は炭素数3以下のアルキル基若しくはアルコキシ基、mは0又は1であり、nは0、1又は2である。
上記ジイソシアネートの例としては、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイソシアネートが挙げられる。
R2〔(OR3)mOH〕q (II)
但し、式中のR2は多価アルコール残基、(OR3)mは炭素数3〜4のアルキレン基R3を有するポリオキシアルキレン鎖、オキシアルキレン鎖の重合度mは、水酸基当量が500〜4000となる数であり、qは2〜8の整数である。
この場合における、2官能ポリエーテルに対する3官能ポリエーテルの混合割合(質量比)は、9:1〜1:9とすることが好ましい。
前記2官能ポリエーテルとしては、例えば、プロピレングリコール等の2価アルコールをベースとして得られるポリエーテルが挙げられ、3官能ポリエーテルとしては、例えば、グリセリン等の3価アルコールをベースとして得られるポリエーテルが挙げられる。
但し、式中のtは1〜5の整数、R4は各々独立して炭素数1〜8の炭化水素基であって、全R4の炭素数の合計は1〜8であり、kは0又は1、Gは−SO2−、−CO−、−OCO−及び−COO−からなる群から選択される基である。
本発明においては、k=0、Gは−SO2−であることが好ましく、特に好ましいものの例としては、4−メチルベンゼンスルホニルイソシアネートが挙げられる。
[調製例A−1]
グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた、分子量7000、オキシエチレン基含有率80質量%の3官能ポリエーテル20部と、プロピレングリコールにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた、分子量5000、オキシエチレン基含有率70質量%の2官能ポリエーテル80部とを混合し、この混合物にトリレンジイソシアネート8.5部を加えて常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCOの含量が1.8質量%の水膨張性ウレタンプレポリマー(以下A−1と言う)を得た。
グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた分子量5000、オキシエチレン基含有量70質量%の3官能ポリエーテル20部と、プロピレングリコールにプロピレンオキシドとエチレンオキシドをランダムに付加させて得られた、分子量5000、オキシエチレン基含有率70質量%の2官能ポリエーテル80部とを混合し、この混合物にトリレンジイソシアネート8.5部を加えて常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCOの含量が2.0質量%の水膨張性ウレタンプレポリマー(以下A−2と言う)を得た。
[調製例B−1]
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート313部と、グリセリンにプロピレンオキシドを付加させて得られた、分子量4500のポリエーテル1500部とを混合し、常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCOの含量が3.5質量%の非水膨張性ウレタンプレポリマー(以下B−1と言う)を得た。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート313部と分子量4500のポリプロピレングリコール2250部とを混合し、常法により90℃で3時間反応させ、末端のNCO基の含量が2.5%の非水膨張性ウレタンプレポリマー(以下B−2と言う)を得た。
充填材として、下記のC−1〜C−4のものを用いた。
C−1:炭酸カルシウム
C−2:酸化チタン
C−3:酸化ケイ素
C−4:カーボンブラック
イソシアネート化合物D−1として、4−メチルベンゼンスルホニルイソシアネートを用いた。
B−1又はB−2、C−3を混合槽に投入し、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧した後、20分間混合した。次いで、C−1、C−2、C−4を投入した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧し20分間混合した。更に、A−1又はA−2、及びD−1を投入した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧して20分間混合し、水膨張性ウレタンシーラントを得た。
B−1又はB−2、C−3を混合槽に投入、常圧にて20分間混合した。次いで、C−1、C−2、C−4を投入し、常圧にて5分間混合した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧し、更に20分間混合した。更に、A−1又はA−2、及びD−1を投入し、常圧にて5分混合した後、混合槽内をゲージ圧−760mmHgに減圧して更に20分間混合し、水膨張性ウレタンシーラントを得た。
各実施例及び比較例における各成分の配合比を表1に示す。
各シーラントをN2で封止し、50℃の恒温槽に投入して、粘度が初期値の1.5倍になった時点の経過日数を測定した。
各シーラントをガラス板上に2mm厚に塗布し、室温にて10日間放置した後、ショア硬度、抗張力(kgf/cm2)を常法により測定した。また、硬化膜を2cm×5cmの小片に切断して蒸留水に浸漬し、経時的に質量増加量を測定して、最大質量増加時を基に、下記式により水膨張率(%)を算出した。
〔(浸漬後の最大質量−浸漬前の質量)×100/浸漬前の質量〕
水注入口と水圧計を備え、上下2つに分割できる鉄製容器の接合部に各実施例及び比較例で得られたシーラントを塗布し、2日間放置して硬化させた後、この容器に水を注入し、水圧3kg/cm2に保ち、僅かでも接合部から漏水するまでの期間を測定した。
Claims (6)
- (A)水膨張性ウレタンプレポリマー、(B)非水膨張性ウレタンプレポリマー、(C)充填材及び(D)イソシアネート化合物を混合し反応させて水膨張性ウレタンシーラントを製造する方法であって、前記原料(A)〜(D)をゲージ圧で−500〜−760mmHgの減圧下で反応させることを特徴とする水膨張性ウレタンシーラントの製造方法。
- 前記反応を撹拌下で行なう、請求項1に記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法。
- 前記原料(A)〜(D)を反応器に投入した直後に、又は、前記原料(A)〜(D)を反応器内で混合しながら、前記反応器内をゲージ圧で−500〜−760mmHgに減圧する、請求項1又は2に記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法。
- 前記(A)水膨張性ウレタンプレポリマーが、下記一般式(I)で表わされるポリエーテルポリオールの少なくとも1種と、ポリイソシアネートとを反応させて得られる、末端のNCO基の含量が1.5〜10質量%の水膨張性ウレタンプレポリマーである、請求項請求項1〜3の何れかに記載された記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法;
R〔(OR1)nOH〕p (I)
但し、式中のRは2〜6価の脂肪族アルコール残基、(OR1)nは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン鎖であって、上記ポリオキシアルキレン鎖に含有されるオキシエチレンの量が50〜90質量%であり、nは水酸基当量が500〜4000になる数であり、pは2〜8の整数である。 - 前記(B)非水膨張性ウレタンプレポリマーが、下記一般式(II)で表わされるポリエーテルポリオールの少なくとも一種をポリイソシアネートと反応させて得られる、末端のNCO基の含量が1.5〜5質量%の非水膨張性ウレタンプレポリマーである、請求項1〜4の何れかに記載された水膨張性ウレタンシーラントの製造方法;
R2〔(OR3)mOH〕q (II)
但し、式中のR2は多価アルコール残基、(OR3)mは炭素数3〜4のアルキレン基を有するポリオキシアルキレン鎖、mは水酸基当量が500〜4000となる数であり、qは2〜8の整数である。
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