JP2012171916A - 体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品 - Google Patents

体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた体脂肪低減効果を有する体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品を提供する。
【解決手段】カカオポリフェノールとカテキンとを特定の質量比で含有せしめて体脂肪低減剤とする。また、カカオポリフェノールとカテキンとを特定の質量比で含有せしめて体脂肪低減食品とする。その体脂肪低減食品はカテキンを配合してなるチョコレートであることが好ましい。また、カテキンはべにふうき茶由来の茶カテキンであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、カカオポリフェノールとカテキンとを含有する体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品に関する。
近年、食生活の西洋化に伴う摂取カロリーの増加、不規則な食生活、運動不足等の原因による肥満が問題となっている。肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症、動脈硬化症等の成人病や胆石症、呼吸異常、腰痛、変形性膝関節症等の原因となることが知られている。
肥満を解消する方法としては、一般的には運動を行ったり、摂取カロリーの管理等が行われているが、これらの方法は継続的な実行が困難であったり、かえって健康を損なう危険性もある。そこで、できるだけ苦痛を伴わずに肥満を効率よく解消するために、脂肪の吸収抑制作用や脂質代謝改善作用を有する成分を手軽にかつ安心して摂取し得る飲食品開発への消費者の期待や関心が高まっている。
一方、茶に含まれるカテキン類は、様々な生理作用をもたらすことが報告されている。例えば、下記特許文献1には、特定の茶カテキン類を有効成分とするコレステロール上昇抑制剤が開示されている。また、下記特許文献2には、茶ポリフェノールを有効成分とするα−アミラーゼ活性阻害剤が開示されている。更に、下記特許文献3には、非重合体カテキン類中の非エピ体カテキン類とエピ体カテキン類の含有重量比が10:90以上であり、非エピ体カテキン類及びエピ体カテキン類を有効成分として含有し、脂肪の燃焼の機能を有する健康食品が開示されている。
また、カカオ豆に含まれるカカオポリフェノールについても、様々な生理作用をもたらすことが報告されている。例えば、下記特許文献4には、カカオ原料から熱水、エタノール水溶液またはエタノールを使用して抽出したカカオポリフェノールを0.01%〜5%含有する、高コレステロール血症予防飲食品が開示されている。また、下記特許文献5には、ポリフェノール含量を有するカカオ抽出物を健全な体重を維持する体重管理に使用することが記載されている。
特開昭60−156614号公報 特開平3−133928号公報 特開2006−117687号公報 特開平11−308978号公報 特表2010−524995号公報
このようにカテキンやカカオポリフェノールには、肥満抑制に関係する生理活性効果が認められており、これらを含有するダイエット志向の飲食品も製品化されている。
しかしながら、カテキンとカカオポリフェノールとを併用して用いたときの相互作用については、未だ十分に研究されていないのが現状である。
したがって、本発明の目的は、カテキンとカカオポリフェノールとを併用して用いたときの相互作用について明らかにし、それに基づいて、優れた体脂肪低減効果を有する体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品を提供することにある。
本発明は、以下の構成を有する体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品を提供する。
[1] カカオポリフェノールとカテキンとを質量比5:1〜5:8の割合で含有することを特徴とする体脂肪低減剤。
[2] 1日あたり0.2mg〜20mg/kg体重のカテキンが経口的に投与されるように用いられる、前記[1]記載の体脂肪低減剤。
[3] 前記カテキンは、茶カテキンである前記[1]又は[2]記載の体脂肪低減剤。
[4] カカオポリフェノールとカテキンとを質量比5:1〜5:8の割合で含有することを特徴とする体脂肪低減食品。
[5] カテキンを30mg〜3000mg/100g配合してなるチョコレートである前記[4]記載の体脂肪低減食品。
[6] 前記カテキンは、茶カテキンである前記[4]又は[5]記載の体脂肪低減食品。
本発明の体脂肪低減剤によれば、カカオポリフェノールとカテキンとを特定の質量比で含有することにより、カカオポリフェノールによってカテキンの有効性が損なわれることがなく、優れた体脂肪低減効果が得られる。
また、本発明の体脂肪低減食品によれば、カカオポリフェノールとカテキンとを特定の質量比で含有することにより、例えばチョコレートとした場合であっても、優れた体脂肪低減効果が得られる。
べにふうき茶エキスによる体脂肪低減効果をヒトにおいて調べた結果を示す図表である。 べにふうき茶エキスを配合したチョコレートによる体脂肪低減効果をヒトにおいて調べた結果を示す図表である。 チョコレートに配合する茶カテキンの配合量がヒト体脂肪低減効果に与える影響を調べた結果を示す図表である。 カカオポリフェノールの存在下における茶カテキンによる脂肪蓄積抑制効果を培養脂肪細胞において調べた結果を示す図表である。
本発明において「カカオポリフェノール」とは、カカオ豆に含まれるポリフェノールをいう。このカカオポリフェノールは、カカオマス、脱脂カカオマス、ココアパウダー、カカオシェル、カカオニブ等の各種カカオ原料から、公知の方法で分離することができる。具体的にはカカオ原料を粉砕し、必要であれば脱脂処理やアルカリ処理を施してから、水、含水エタノール、エタノール等の極性溶媒で抽出することで、その抽出物の主要成分としてカカオポリフェノールを得ることができる。このようなカカオポリフェノールは、典型的にはプロシアニジン、エピカテキン、カテキン、ケルセチン、タンニン等のポリフェノール化合物含む。更に、公知の分離分画手段で処理して、特定又は一部のポリフェノール化合物の含有量が高められたカカオポリフェノールを得ることもできる。
上記カカオポリフェノールは、その量をフォーリン・チオカルト(Folin・Ciocalteu)法により測定することができる。以下には、チョコレートにつきヘキサンによる脱脂を行い、含水メタノールにより抽出した抽出試料を調製して、そのポリフェノール含有量をフォーリン・チオカルト法により測定した一例を挙げる。
[カカオポリフェノールの測定](チョコレート)
チョコレート5gをNo5Bろ紙(185mm径)に秤量し、ソックスレー抽出機の試料供与部に挿入して、恒温水槽温度83〜85℃でヘキサン抽出を12時間行った。その結果得られた脱脂試料の0.5gを100mlナスフラスコに秤量し、50(v/v)%含水メタノールを50ml添加、82〜85℃にて還流抽出を1時間行った。冷却、静置後、メタノール層を遠心管に移し、3,000rpm15分間遠心分離して、その上清液を100mlメスフラスコに採取した。次に35〜40mlの50(v/v)%含水メタノールを遠心管の残渣試料に加えてこれを回収して先のナスフラスコに戻し、再度還流抽出を1時間行った。還流抽出後、冷却、遠心分離し洗浄液も含めて先の100mlメスフラスコに採取して、50(w/v)%含水メタノールで100mlに定容して抽出試料とした。その抽出試料の0.5mlをマイクロピペットで正確に採取し、50mlメスフラスコに入れた純水約35mlと混合した。これにフォーリン試薬(Folin-Ciocalteu試薬)を5ml添加し、攪拌、静置1分後に20(w/v)%炭酸ナトリウム溶液を5ml添加し、ただちに純水で50mlに定容した。攪拌後1時間静置し、これを分光光度計により比色測定(765nmにおける吸光度測定)し、予め標準エピカテキンにて0.05mg/ml〜0.4mg/mlの範囲で作成した検量線にあてはめて、ポリフェノール含有量を求めた。その結果、この測定に用いたチョコレートのカカオポリフェノール含有量は4.7mg/1g(チョコレート)であった。
本発明において「カテキン」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類及びそのメチル化体などの誘導体、またはエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類及びそのメチル化体などの誘導体等をいう。以下に説明する茶葉に含まれる茶カテキンも含まれる。
本発明において「茶カテキン」とは、茶葉に含まれるカテキンをいう。この茶カテキンは、茶葉原料から、公知の方法で分離することができる。具体的には、茶葉原料、好ましくは萎凋、揉捻、加熱、発酵、乾燥などの製茶にかかわる処理を施す前の茶葉原料をそのまま又は粉砕してから、水、含水エタノール、エタノール等の極性溶媒で抽出することで、その抽出物の主要成分として茶カテキンを得ることができる。このような茶カテキンは、典型的にはカテキン、エピカテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のカテキン化合物を含む。また、べにふうき茶を原料にして、エピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、ガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート、エピカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート等のメチル化カテキン化合物を含有する茶カテキンを得ることができる。更に、公知の分離分画手段で処理して、特定又は一部のカテキン化合物の含有量が高められた茶カテキンを得ることもできる。
上記カテキンは、その量をHPLC法により測定することができる。以下には、べにふうき茶エキス粉末(アサヒ飲料株式会社製)につき、そのカテキン含有量をHPLC法により測定した一例を挙げる。
[カテキンの測定](茶エキス)
茶エキス試料250mg(粉末)に対して20mlの1(w/v)%リン酸含有50(v/v)%エタノール水溶液を加えて抽出し、水で5倍に希釈し、その20μlをHPLC分析に供した。カラムには「Wakopak Navi C18-5(φ4.6mm×150mm、粒子径5μm)」(和光純薬工業株式会社製)を用い、移動相Aを水:アセトニトリル:リン酸=400:10:1の混合溶液、移動相Bを移動相A:メタノール=2:1の混合溶液として、流速を1ml/分、温度を40℃に維持し、移動相B:0%(0分)→20%(2分)→80%(27分)→80%(50分)の濃度勾配条件で溶出した。この測定では、カテキン(C)、エピカテキン(EC)、ガロカテキン(GC)、エピガロカテキン(EGC)、カテキンガレート(CG)、エピカテキンガレート(ECG)、ガロカテキンガレート(GCG)、エピガロカテキンガレート(EGCG)、エピカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート(ECG3”Me)、ガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート(GCG3”Me)、エピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート(EGCG3”Me)の計11種類のカテキン化合物の合計をカテキン量とした。すなわち、カラムからの溶出液を通す溶出管に接続したフォトダイオードアレイ「SPD-M10A」(株式会社島津製作所製)により、波長280nmにおけるピーク面積(EGCとGCにあっては波長242nmにおけるピーク面積)を計測し、予め濃度既知の標準品(EGCG3”Me、GCG3”Me、ECG3”Me、EGCG、GCG、ECG、CG、EGC、GC、EC、Cの計11種類)で作成した検量線にあてはめて、それぞれのカテキン化合物を定量した。その結果、この測定に用いた茶エキスのカテキン含有量は350mg/1g(茶エキス)であった。
本発明の体脂肪低減剤は、カカオポリフェノールとカテキンとを質量比5:1〜5:8の割合で含有することを特徴としている。カカオポリフェノールに対してカテキンの割合がその範囲を外れると、後述する実施例で示すように、体脂肪低減の効果が弱まるので好ましくない。
本発明において、上記カカオポリフェノールは、カカオマス、脱脂カカオマス、ココアパウダー、カカオシェル、カカオニブ等の各種カカオ原料、これらの粉砕物等の加工品、又はそれらを水、熱水、あるいはアルコールなどの溶媒を用いて抽出した抽出液に含有しているままのカカオポリフェノールを利用することもできる。また、この抽出液を、更に凍結乾燥や噴霧乾燥など方法により乾燥処理し、乾燥粉末として用いてもよい。
本発明において、上記カテキンは、茶葉等のカテキン原料、これらの粉砕物等の加工品、又はこれらを水、熱水、あるいはアルコールなどの溶媒を用いて抽出した抽出液に含有しているままのカテキンを利用することもできる。また、この抽出液を、更に凍結乾燥や噴霧乾燥など方法により乾燥処理し、乾燥粉末として用いてもよい。すなわち、例えば、茶葉を熱風乾燥、凍結乾燥、天日干し等の手段により乾燥し、粉末化して用いることができる。また、茶葉の抽出液の乾燥粉末を用いてもよい。なお、茶葉やその抽出液を乾燥する際には、乾燥温度を140℃以下にすることが好ましい。また、べにふうき茶に含有しているメチル化カテキンは、茶葉を発酵させるとその過程で消失しやすい。このため、萎凋、揉捻、加熱、発酵、乾燥などの製茶にかかわる処理を施す前の未発酵茶葉又は弱発酵茶葉を原料として用いることが好ましい。これにより、茶葉中におけるメチル化カテキンの含有量を高めることができる。
本発明において、カカオポリフェノールとカテキンとの質量比は、これらを混合する前に測定して得られる値から換算して求めることができる。例えば、本発明の体脂肪低減剤が、5質量部のカカオポリフェノールと8質量部のカテキンとを、他の成分とともに混合して調製された場合には、その質量比は5:8となる。また、5質量部のカカオポリフェノールと1質量部のカテキンとを、他の成分とともに混合して調製された場合には、その質量比は5:1となる。このとき、カカオポリフェノールがカカオマスやココアパウダー等のカカオ原料中に含まれる形態で用いられた場合や、カテキンが茶葉粉末や茶葉抽出物等のカテキン原料中に含まれる形態で用いられた場合にも、その質量比は同様にして求めることができる。例えば、本発明の体脂肪低減剤が、5質量部のカカオポリフェノールを含有するカカオマスと1質量部のカテキンを含有する茶葉粉末とを、他の成分とともに混合して調製された場合には、その質量比は5:1となる。また、5質量部のカカオポリフェノールを含有するカカオマスと8質量部のカテキンを含有する茶葉粉末とを、他の成分とともに混合して調製された場合には、その質量比は5:8となる。
本発明の体脂肪低減剤は、1日あたり0.2mg〜20mg/kg体重のカテキンが経口的に投与されるように用いられることが好ましい。そのカテキン投与量は、上記質量比と同様に、カオポリフェノールとカテキンとを混合する前に測定して得られる値から換算して求めることができる。
本発明においては、カテキンが茶カテキンであることが好ましい。茶カテキンは体脂肪低減に有効なカテキン化合物をバランスよく含有しているので、より高い効果が得られる。更に、茶カテキンとしてはべにふうき茶を原料にして得られた茶カテキンを用いることが好ましい。べにふうき茶は、茶の主要カテキンで生理機能が最も多く報告されているエピガロカテキンガレートに加え、エピガロカテキンガレートのメチルエーテル化物であるエピガロカテキン−3−O−(3−O−メチル)ガレート等のメチル化カテキンを比較的多く含んでおり、更に他の成分も相乗的に作用して、従来から汎用的に飲食されているやぶきた茶よりも優れた体脂肪低減効果が得られる。
本発明の体脂肪低減剤においては、その体脂肪低減剤中に、上記カカオポリフェノールを、固形分換算で0.02〜83質量%含有することが好ましく、10〜83質量%含有することがより好ましい。また、上記カテキンを、固形分換算で0.004〜62質量%含有することが好ましく、2〜62質量%含有することがより好ましい。
本発明の体脂肪低減剤は、上記の基本的成分以外に、炭水化物、食物繊維、たんぱく質、ビタミン類等を含むことができる。
また、体脂肪低減に関連した肥満抑制作用が認められている公知の物質を併用してもよい。このような物質としては、例えばカプサイシン、カフェイン、ジンゲロール、ラズベリーケトン等が挙げられる。
また、薬学的に許容される基材や担体と共に製剤化し、医薬組成物として提供することができる。この医薬組成物には、基材や担体の他、薬学的に許容されることを限度として、結合剤、崩壊剤、緩衝剤、保存剤、保湿剤、抗菌剤、防腐剤、香料、顔料、界面活性剤、安定剤、溶解補助剤等の添加剤を任意に配合してもよい。そして、当該医薬組成物の形態としては、丸剤、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、ゼリー剤、トローチ剤等の剤型が例示できる。
本発明の体脂肪低減剤は、医薬品、健康食品、これらの配合原料素材などとして、各種分野で利用することができる。
次に、本発明の体脂肪低減食品について説明する。
本発明の体脂肪低減食品は、カカオポリフェノールとカテキンとを質量比5:1〜5:8の割合で含有することを特徴としている。カカオポリフェノールに対してカテキンの割合がその範囲を外れると、後述する実施例で示すように、体脂肪低減の効果が弱まるので好ましくない。
本発明の体脂肪低減食品は、カテキンを30mg〜3000mg/100g、より好ましくは50〜2000mg/100g、最も好ましくは100〜1500mg/100g配合してなるチョコレートであることが好ましい。
チョコレートにはカカオマス、砂糖、粉乳等が原料として配合されており、通常、カカオポリフェノール5〜30mg/g程度含有している。そして、カオポリフェノールとカテキンとの質量比は、上述したようにカオポリフェノールとカテキンとを混合する前に測定して得られる値から換算して求めることができる。したがって、例えば、チョコレートのカカオポリフェノール含有量が10mg/1g(チョコレート)である場合、そのチョコレートの製造工程において、チョコレート1gに対してカテキンが2〜16mg配合されるように、チョコレート原料に上記カテキンを添加すればよい。このとき、チョコレート製造工程中におけるカテキンの変性を避けるため、チョコレート製造工程のうち原料の混合工程または、微粒化を経た後の精錬の工程の段階で上記カテキンを添加して、その後、調温、充填、冷却、型抜きすることによりチョコレートを製造することが好ましい。
本発明の体脂肪低減剤及び体脂肪低減食品は、特に、BMI値(肥満度)や体脂肪率が標準より高い者をその適用対象にすることが好ましく、その体脂肪を低減するために好適に用いられる。
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。
<試験例1>
べにふうき茶エキスによる体脂肪低減効果をヒトにおいて調べた。なお、本臨床試験はヘルシンキ宣言を遵守して実施した(試験例2、3において同様)。
試験は、20歳以上65歳未満の男女で試験時のBMIが25以上の被験者を、無作為抽出法により割付して1群5名の二群に分け、単盲検法で実施した。被験者にべにふうき茶エキス粉末(アサヒ飲料株式会社製)を摂取してもらうこととし、その高用量摂取群には、茶カテキンとして500mg含有するべにふうき茶エキスを1包6カプセルに調製して、一日一回昼食前に水で摂取してももらった。また、その低用量摂取群には、茶カテキンとして330mg含有するべにふうき茶エキスを1包6カプセルに調製して、同様にして摂取してもらった。
体脂肪低減効果を評価するため、摂取6日前と8週間摂取後の内臓脂肪を測定した。内臓脂肪の測定は、X線CT撮影により臍部横断面の脂肪面積を測定し、得られたX線CT画像から全体脂肪面積、皮下脂肪面積及び内臓脂肪面積を算出することにより行った。各摂取群について摂取前の面積の平均値を100%として8週間摂取後の面積の平均値をその相対値で比較した。その結果を図1に示す。
図1に示すように、茶カテキンを1日500mg摂取した高用量摂取群も、茶カテキンを1日330mg摂取した低用量摂取群も、ほぼ同程度に内臓脂肪の低下がみられ、体脂肪低減効果が確認できた。
<試験例2>
べにふうき茶エキスを配合したチョコレートによる体脂肪低減効果をヒトにおいて調べた。
試験は、30〜55歳の男女で試験時のBMIが25〜30の被験者を、無作為抽出法により割付して1群10名の二群に分け、単盲検法で実施した。被験者にべにふうき茶エキス粉末(アサヒ飲料株式会社製)を配合したチョコレートを摂取してもらうこととし、その摂取群には、べにふうき茶エキスを配合してチョコレート27g中に茶カテキンを330mg含有するものを調製し、これを1日1回夕食前の1時間以内に摂取してもらった。また、対照群には、べにふうき茶エキスを配合しないチョコレート27gを1日1回夕食前の1時間以内に摂取してもらった。試験期間中は、暴飲暴食を避け、それまでの食生活、喫煙および運動などの日常生活を変えることのないように指導した。
体脂肪低減効果を評価するため、試験例1と同様にして、摂取6日前と8週間摂取後の内臓脂肪を測定し、摂取前の面積を100%としてその相対値で比較した。その結果を図2に示す。
図2に示すように、チョコレートに配合して1日330mgの茶カテキンを摂取しても、上記試験例1で得られた茶カテキンによる体脂肪低減効果がほとんど得られなかった。
<試験例3>
チョコレートに配合する茶カテキンの配合量がヒト体脂肪低減効果に与える影響を調べた。
試験は上記試験例2と同様にして行った。具体的には、30〜55歳の男女で試験時のBMIが25〜30の被験者を、無作為抽出法により割付して1群10名に分け、その第1摂取群には、試験例2と同様にして、べにふうき茶エキスを配合してチョコレート27g中に茶カテキンを330mg含有するものを調製し、これを1日1回夕食前の1時間以内に摂取してもらった。また、その第2摂取群には、べにふうき茶エキスを配合してチョコレート27g中に茶カテキンを200mg含有するものを調製し、これを1日1回夕食前の1時間以内に摂取してもらった。また、その第3摂取群には、べにふうき茶エキスを配合してチョコレート27g中に茶カテキンを150mg含有するものを調製し、これを1日1回夕食前の1時間以内に摂取してもらった。また、対照群には、べにふうき茶エキスを配合しないチョコレート27gを1日1回夕食前の1時間以内に摂取してもらった。
体脂肪低減効果を評価するため、試験例1と同様にして、摂取6日前と8週間摂取後の内臓脂肪を測定し、摂取前の面積を100%としてその相対値で比較した。その結果を図3に示す。なお、図3中下段には、チョコレート27g中のポリフェノール含有量を、ヘキサンによる脱脂を行い含水メタノールにより抽出して得た抽出試料につきFolin-Ciocalteu法により測定して求めたカカオポリフェノール量と、配合した茶カテキン量との質量比を示す。
図3に示すように、上記試験例2に示したのと同様に、チョコレート27g中に茶カテキンを330mg配合したチョコレートでは、体脂肪低減効果がほとんど得られなかった。これに対して、茶カテキンの配合量を減らしてチョコレート27g中200mgにした場合には、体脂肪低減効果が認められた。また、更に茶カテキンの配合量を減らしてチョコレート27g中150mgにした場合には、体脂肪低減の効果がより顕著になった。
<試験例4>
カカオポリフェノールの存在下における茶カテキンによる脂肪蓄積の抑制効果を培養細胞において調べた。
試験には初代培養ラット白色脂肪細胞(株式会社プライマリーセル社から購入)を用いた。その培養は常法に従い行った。また、カカオポリフェノールとしては、カカオエキス(森永製菓株式会社製)を用い、茶カテキンとしては、アサヒ飲料株式会社より「べにふうき」茶エキスを購入し用いた。上記細胞を24ウェルプレートに播種し、24時間後に、培地をカカオポリフェノールと茶カテキンとを各種の濃度で添加した分化用培地に交換し、更に2日間培養後に、培地をカカオポリフェノールと茶カテキンとを同じ濃度で添加した維持培地に交換し、その後7日間培養した。その培養後の細胞について、脂肪細胞の脂肪滴(脂肪蓄積オルガネラ)のマーカーであるオイルレッド溶液(Oil-Red-O飽和溶液)で染色し、余分なオイルレッドを洗浄除去後、細胞を溶かして、比色測定(546nmにおける吸光度測定)し、これを脂肪細胞が溜め込んだ脂肪蓄積量の指標とした。結果は茶カテキンを供試しない場合を100%としてその相対値で比較した。その結果を図4に示す。
図4に示すように、100μg/mlのカカオポリフェノールの存在下において、茶カテキンを20μg/mlの濃度で添加した場合に、前駆細胞から脂肪細胞への分化が顕著に抑制され、脂肪蓄積量が顕著に低い値であった。
[まとめ]
(1)上記試験例1においては、1日500mg又は330mgの茶カテキンを8週間経口摂取することにより、ヒトにおいて顕著に体脂肪低減効果が認められた。
(2)上記試験例2においては、チョコレートに配合して1日330mgの茶カテキンを摂取しても、上記試験例1で得られた茶カテキンによる体脂肪低減効果がほとんど得られなかった。
(3)上記試験例3においては、茶カテキンの配合量を減らしてチョコレート27g中200mgにした場合には、体脂肪低減効果が認められた。また、更に茶カテキンの配合量を減らしてチョコレート27g中150mgにした場合には、体脂肪低減の効果がより顕著になった。
(4)上記試験例4によれば、カカオポリフェノール1に対してと茶カテキンが0.2以上であれば、茶カテキンは、前駆細胞から脂肪細胞への分化を抑制し、その脂肪蓄積量を顕著に低い値とすることができた。
これらの結果により、チョコレートに配合した茶カテキンによる体脂肪低減の効果の発現には、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールとの配合比が重要であり、その配合比を特定の範囲とすることで、体脂肪低減の効果が総体的に高められることが明らかとなった。また、一般的に、カカオポリフェノールとカテキンとを含有する体脂肪低減剤又は体脂肪低減食品においては、その質量比を特定の範囲とすることで、カカオポリフェノールとカテキンとによる効果を最大限に発揮させることができると考えられた。

Claims (6)

  1. カカオポリフェノールとカテキンとを質量比5:1〜5:8の割合で含有することを特徴とする体脂肪低減剤。
  2. 1日あたり0.2mg〜20mg/kg体重のカテキンが経口的に投与されるように用いられる、請求項1記載の体脂肪低減剤。
  3. 前記カテキンは、茶カテキンである請求項1又は2記載の体脂肪低減剤。
  4. カカオポリフェノールとカテキンとを質量比5:1〜5:8の割合で含有することを特徴とする体脂肪低減食品。
  5. カテキンを30mg〜3000mg/100g配合してなるチョコレートである請求項4記載の体脂肪低減食品。
  6. 前記カテキンは、茶カテキンである請求項4又は5記載の体脂肪低減食品。
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