JP2012170531A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で送り台の移動原点への位置決めを容易に行う。
【解決手段】上下動する縫針を有し布地を縫製する駆動力伝達機構や針棒上下動機能と、布地を載置する移動体52と、移動体52を直交するX方向とY方向で移動させる布送り装置30と、を備えたミシン1において、布送り装置30は、Y方向に沿った移動体52の移動に対応して複数位置で原点信号を検出するY軸エンコーダ70を備え、Y方向においてY軸エンコーダ70が原点信号を検出する複数位置のいずれか1つを当該Y方向におけるY基準位置に設定し、移動体52が、Y基準位置上でX方向に沿って移動した際に、当該移動体52のX方向におけるX基準位置への到達を検出できるX軸原点センサ71を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、ミシンに係わり、特に、被縫製物の移動位置を管理するミシンに関する。
従来、被縫製物を水平移動させて模様縫いを行う模様縫いミシンは、被縫製物の布を保持させた布保持体を固定する送り台、直交する2方向で移動させる移動機構を有している。当該移動機構は、細かい模様を正確に縫製するために、上記2方向のそれぞれの送り台の移動位置を高い精度で管理する必要がある。しかし、縫製作業を終了してミシンの電源を落としている間は、各移動方向に対応する駆動モータにおいても通電が停止して制動トルクが消失するため、送り台が自由に移動してしまう。電源が落ちている間は、送り台の移動の検出と位置の管理もできない。このため、ミシンの起動時には、送り台を一度所定の原点位置に位置決めさせる必要がある。
従来では、各移動方向に対応する2つの原点センサを設け、それぞれの検出結果に基づいて送り台の各移動方向における原点位置への到達を検出していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−304962号公報
しかしながら、上記従来技術では、2つのセンサを備える分だけ構成が複雑となってしまう。
本発明の目的は、簡易な構成で送り台の移動原点への位置決めを容易に行えるミシンを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、被縫製物を載置する送り台と、前記送り台を直交する第1移動方向と第2移動方向で移動させる送り台移動機構と、を備えたミシンにおいて、前記送り台移動機構は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に対応して複数位置で原点信号を検出する変位検出手段を備え、前記第1移動方向において前記変位検出手段が前記原点信号を検出する複数位置のいずれか1つを当該第1移動方向における第1基準位置に設定し、前記送り台が、前記第1基準位置上で前記第2移動方向に沿って移動した際に、当該送り台の前記第2移動方向における第2基準位置への到達を検出できる到達検出手段を備えていることを特徴とする。
本願第1発明のミシンは、送り台移動機構が、直交する第1移動方向と第2移動方向で規定される平面上で被縫製物を載置した送り台を移動させながら縫針が上下動することにより、被縫製物に対し縫製を行う。このときの縫製を高い精度で行うためには、当該ミシンの起動時に、第1移動方向と第2移動方向のそれぞれに対応する第1基準位置と第2基準位置で規定される移動原点に、送り台を正確に位置決めする必要がある。
移動原点に位置決めする場合、上記第1移動方向の範囲と上記第2移動方向の範囲で限定される送り台の移動可能範囲内において、送り台を一方の移動方向で最小移動単位長でずらしつつ他方の移動方向で往復動させるよう当該移動可能範囲の全域を走査することで、上記移動原点の1点を探索することは可能である。しかしながら、この方法では時間がかかりすぎて実用的ではない。他にも、各移動方向の基準位置をそれぞれに対応するセンサを用いて探索する方法もあるが、この場合には2つのセンサを備える分だけ構成が複雑となってしまう。
これに対し、本願第1発明においては、送り台移動機構が、第1移動方向に沿った送り台の移動に対応して複数位置で原点信号を検出する変位検出手段を備えている。さらに、当該送り台移動機構では、第1移動方向において変位検出手段が原点信号を検出する複数位置のいずれか一つを当該第1移動方向における送り台の第1基準位置に設定している。これにより、変位検出手段が原点信号を検出する複数位置のいずれかで第1基準位置の探索を絞り込むことができるため、第1基準位置を検出する効率が格段に向上する。尚、上記変位検出手段は、送り台を高い精度で移動させるために従来から設置が必要となっている部位である。
また、本願第1発明においては、送り台が第1基準位置上で第2移動方向に沿って移動した際に、当該送り台の第2移動方向における第2基準位置への到達を検出できる到達検出手段を備えている。これにより、送り台を第1基準位置上で第2移動方向に沿ってその範囲を往復移動させるだけで、第2基準位置も容易に検出できる。
本願第1発明のミシンは、上記のようにして、送り台の到達を検出する到達検出手段のセンサを1つだけ設けただけで、送り台の第1基準位置と第2基準位置の両方の位置決めが可能となる。この結果、簡易な構成で送り台の移動原点への位置決めを容易に行うことができる。
第2発明は、上記第1発明において、前記第1基準位置は、前記第1移動方向の一方側の端部から他方側へ向けて送り台を移動させ、最初に前記変位検出手段が前記原点信号を検出する位置に設定していることを特徴とする。
これにより、変位検出手段が原点信号を検出する複数位置のうちから第1基準位置を容易に特定することができ、また最も早く送り台を当該第1基準位置へ到達させることができる。
第3発明は、上記第1又は第2発明において、前記到達検出手段は、前記送り台が前記第1移動方向で前記第1基準位置に位置し、かつ、前記第2移動方向で前記第2基準位置に位置している際に、当該送り台の所定部分に近接する位置に設けられた近接センサであることを特徴とする。
これにより、送り台と送り台移動機構との間の非接触の状態を維持したまま、送り台の第2基準位置の位置決めが可能となる。この結果、送り台の位置決め制御を行った場合でも、送り台の位置検出の精度への影響を抑えることができる。
第4発明は、上記第1乃至第3発明のいずれかにおいて、前記第1移動方向で前記第1基準位置から任意の第1オフセット量だけずれた第1オフセット基準位置と、前記第2移動方向で前記第2基準位置から任意の第2オフセット量だけずれた第2オフセット基準位置、とを設定入力可能な操作手段を備えたことを特徴とする。
これにより、ユーザが任意に指定した位置に移動原点を設定できる。
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記変位検出手段は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で前記原点信号を検出するロータリエンコーダで構成することを特徴とする。
これにより、第1移動方向で送り台を移動させる駆動アクチュエータに回転モータを利用する場合に、その駆動力の伝達経路中に変位検出手段としてのロータリエンコーダを組み込むことが容易となる。また、当該ロータリエンコーダが1回転に1回だけ原点信号を検出するため、変位検出手段が原点信号を検出する複数位置の間隔を最も広く開けることができる。言い換えると、第1移動方向の範囲内でロータリエンコーダが原点信号を検出する複数位置の数、つまり第1基準位置の探索候補の数を少なくできるため、第1基準位置を検出する効率が向上する。
第6発明は、上記第5発明において、前記ロータリエンコーダは、所定の1箇所の第1内周角範囲とそれ以外の第2内周角範囲とを区別して検出でき、当該ロータリエンコーダの回転方向と前記2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって前記原点信号を検出することを特徴とする。
これにより、変位検出手段として設けた当該ロータリエンコーダを、原点信号の検出以外にも、送り台の第1移動方向での移動に同期させて行う他のタイミング制御にも利用できる。また、そのような利用においても、原点信号の検出周期を、当該ロータリエンコーダの1回転に1回だけに維持できる。
第7発明は、上記第1発明において、前記変位検出手段は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で前記原点信号を検出するロータリエンコーダで構成し、前記ロータリエンコーダは、所定の1箇所の第3内周角範囲と、それ以外で均等に所定数で区分可能な第4内周角範囲とを区別して検出でき、当該ロータリエンコーダの回転方向と前記2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって前記原点信号を検出し、前記第1基準位置は、前記第1移動方向の一方側の端部から他方側へ向けて送り台を移動させ、最初に前記変位検出手段が前記原点信号を検出する位置に設定し、前記第1移動方向の一方側の端部から前記第1基準位置までの範囲に前記第4内周角範囲が対応していることを特徴とする。
これにより、前記第1移動方向の一方側の端部から前記第1基準位置までの範囲において、ロータリエンコーダの第4内周角範囲内の所定数の区分に同期させて行う他のタイミング制御に利用できる。
第8発明は、上記第1発明において、前記変位検出手段は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で前記原点信号を検出するロータリエンコーダで構成し、前記ロータリエンコーダは、所定の1箇所の第5内周角範囲と、それ以外で均等に所定数で区分可能な第6内周角範囲とを区別して検出でき、当該ロータリエンコーダの回転方向と前記2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって前記原点信号を検出し、前記第1基準位置は、前記第1移動方向の一方側の端部から他方側へ向けて送り台を移動させ、最初に前記変位検出手段が前記原点信号を検出する位置に設定し、前記第1移動方向の一方側の端部から前記第1基準位置までの範囲に前記第5内周角範囲が対応していることを特徴とする。
これにより、前記第1移動方向の一方側の端部から前記第1基準位置までの範囲において、ロータリエンコーダの第5内周角範囲内の区別に同期させて行う他のタイミング制御に利用できる。
本発明によれば、簡易な構成で送り台の移動原点への位置決めを容易に行える。
本発明の一実施の形態であるミシンの外観構成を表す斜視図である。 布送り装置を備えるベッド部の平面図である。 布送り装置を備えるベッド部を斜め前方から見た斜視図である。 布送り装置を備えるベッド部を斜め後方から見た斜視図である。 ミシンの電気的構成を表す機能ブロック図である。 Y軸パルスモータの構成を表す軸側面図と軸断面図である。 ディスク板の構成を表す図である。 ベッド部における配置設定を表す図である。 移動原点から離間した移動体の初期位置例を表す図である。 後端への移動体の後退移動を表す図である。 Y基準位置への移動体の前進移動を表す図である。 X基準位置への移動体の左方移動を表す図である。 電源投入後に実行する処理の詳細手順を表すフローチャートである。 ベッド部における配置設定の変形例を表す図である。 ディスク板の構成の変形例を表す図である。 ベッド部における配置設定の変形例を表す図である。 ベッド部における配置設定の変形例を表す図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ミシン1は、ベッド部2と、脚柱部3と、アーム部4と、操作パネル7とを有している。図1中において左手前側に向かう方向が当該ミシン1の前方に相当し、右手前側に向かう方向が右方向に相当する。脚柱部3はベッド部2の後端部に立設しており、その脚柱部3の上端部からベッド部2と対向するように前方へ延びるアーム部4を設けている。
脚柱部3及びアーム部4には、針棒6を介して縫針を上下駆動する為のドライブモータ(図5参照)と、そのドライブモータの駆動力を主軸(図示略)を介して縫針(図示略)に伝達する駆動力伝達機構(図示略)などを設けている。アーム部4の前端内部に、針棒6を上下動させる針棒上下動機構(図示略)を設けている。これら駆動力伝達機構や針棒上下動機構については、公知の技術であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
ベッド部2には、後述する布保持機構10と、この布保持機構10をX方向(左右方向)及びY方向(前後方向)に移動させる後述の布送り装置30に加え、縫針の上下動と同期して縫目を形成する全回転釜(図示略)と、モータの回転駆動力を主軸を介して全回転釜に伝達する下軸25(図2参照)と、縫製終了時に上糸と下糸を同時に切断する糸切り機構(図示略)などを設けている。尚、上記布送り装置30が各請求項記載の送り台移動機構に相当し、上記Y方向が各請求項記載の第1移動方向に相当し、上記X方向が各請求項記載の第2移動方向に相当する。
ベッド部2の上方位置において被縫製物である布地を保持する布保持機構10は、後述する布送り装置30の移動体52(図2参照)に連結してX方向及びY方向に移動可能となっている。
図示するように、側面視にて湾曲状で片持ち状に支持した押え腕11の基端部(後端部)が後述する移動体52の上面に固定している。その押え腕11の先端部には、平面視にて矩形枠状の布保持体15を上下動可能に案内する為の案内部11aを備えている。布保持体15は布地を押圧保持する水平な枠状保持部15aとこの後端部から立設した縦向きの支持部15bとからなり、その支持部15bがガイド部11aに上下移動可能に支持している。
布保持体15はガイド部11aに沿った上下動により、下側の布受け板16との間に布地(図示略)を保持できる。布受け板16はその後端部において移動体52に連結している。故に、布地は布保持体15と布受け板16との協働により、X方向とY方向とに移動する。布保持体15と布受け板16等が、布保持体14を構成している。
次に、図2〜図4を用いて布送り装置30について説明する。尚、図2中の下側に向かう方向が前方向に相当し、図2中の右側に向かう方向が右方向に相当する。
平面視にて略矩形状のベッドフレーム31内に、下軸25がY方向(前後方向)に沿って配設するとともに、Y方向移動体36をY方向に移動させるY方向移動機構32と、移動体52をX方向に移動させるX方向移動機構33等を設けている。先ずY方向移動機構32について説明する。
ベッドフレーム31内部の略前半部分に、左右1対のY方向レール部材35が前後方向に向けて平行に配設し、各Y方向レール部材35はその前後両端部においてベッドフレーム31にそれぞれ固着している。これら1対のY方向レール部材35は、左右方向に延びるY方向移動体36を吊り下げ状態で支持している。Y方向移動体36は、上記1対のY方向レール36の側面の係合溝(図示略)にそれぞれ係合した左右1対のスライドベアリング60を介して連結しており、Y方向に移動できる。
ベッドフレーム31前端部に従動プーリ38が左右方向向きの支持軸で回転可能に支持するとともに、ベッドフレーム31の後端側に左右方向向きの駆動プーリ39を回転可能に設けている。両プーリ38、39に渡って幅広でゴム製のY方向タイミングベルト40は前後方向向きに掛装している。駆動プーリ39の軸に従動ギヤ41が固着するとともに、Y軸パルスモータ64の駆動軸に固着した駆動ギヤ43がその従動ギヤ41に噛合している。Y方向タイミングベルト40の一部は固定金具(図示略)でY方向移動体36の一部に固定している。
Y軸パルスモータ64の駆動により、これら1対のギヤ41、43及びプーリ38、39を介してY方向タイミングベルト40がY方向に移動し、それにともなってY方向移動体36がY方向レール部材35に沿ってY方向に移動する。
次に、X方向移動機構33について説明する。前述したY方向移動体36の上面側に、前後1対のX方向レール部材50が左右方向に向けて平行に配設し、Y方向移動体36の上側に固着(連結)している。これら1対のX方向レール部材50の各々の上側に、これらに嵌合した前後1対のスライドベアリング51を介して移動体52がX方向に移動可能に配設している。
Y方向移動体36の右端側に従動プーリ53が前後方向向きの支持軸で回転可能に支持するとともに、ベッドフレーム31の左端側に前後方向向きのスプライン軸54を回転可能に設けている。Y方向移動体36はスプライン軸54の外周部にスプライン軸54に係合する外筒部材55を有している。外筒部材55は、無限直線運動が可能なボールスプラインで構成しており、Y方向移動体36とスプライン軸54との接触抵抗が無視できるようになっている。
外筒部材55と従動プーリ53とに渡って幅広でゴム製のX方向タイミングベルト56はX方向向きに掛装している。スプライン軸54の後端部に従動ギヤ57が固着するとともに、X軸パルスモータ63の駆動軸に固着した駆動ギヤ59がその従動ギヤ57に噛合している。X方向タイミングベルト56の一部が固定金具で移動体52の一部に固定している。
X軸パルスモータ63の駆動により、これら1対のギヤ57、59とスプライン軸54と外筒部材55を介してX方向タイミングベルト56はX方向に移動する。故に、送り台としての移動体52はX方向レール部材50に沿ってX方向に移動する。
本実施形態のミシン1においては、上記移動体52の下面の後端位置から左方向に突出するように金属製の舌片81を設け、またベッド部2の後述する所定位置(図8参照)にこの舌片81の近接を検出するX軸原点センサ71を設けている。
本実施形態のミシン1は、図5の機能ブロック図に示すような電気的構成を備えている。
図5において、ミシン1は、制御装置61と、ドライブモータ62と、X軸パルスモータ63と、Y軸パルスモータ64と、各モータの駆動回路65、66、67と、ドライブモータのエンコーダ68と、X軸パルスモータ63のX軸エンコーダ69と、Y軸パルスモータ64のY軸エンコーダ70と、X軸原点センサ71と、操作パネル7とを有している。
制御装置61は、CPU71、ROM72、RAM73、フラッシュメモリ、74及び入出力インターフェース75等を備えている。
CPU71は、RAM73の一時記憶機能を利用しつつROM72に予め記憶したプログラムに従って信号処理を行いミシン1全体の制御を行う。ROM72には、制御上必要な各種のプログラムを格納している。フラッシュメモリ74は、不揮発性の記憶媒体であり、後述するユーザ設定移動原点(後述の変形例で説明)の座標位置などの各種の情報を記憶する。
入出力インターフェース75には、それぞれ駆動回路65、66、67を介してドライブモータ62、X軸パルスモータ63、及びY軸パルスモータ64を接続している。ドライブモータ62はその回転位置と回転量を検出するエンコーダ68を設けており、同様に入出力インターフェース75に接続している。このエンコーダ68は、X軸パルスモータ63及びY軸パルスモータ64の駆動による布地の移動に同期して縫針が布地から抜け出している状態を確認したり、縫針を上死点や下死点で停止させたりする目的で設けたものである。駆動手段としてのX軸及びY軸パルスモータ63、64にもそれぞれの回転位置と回転量を検出するX軸エンコーダ69及びY軸エンコーダ70を設けており、入出力インターフェース75に接続している。尚、Y軸パルスモータ64及びY軸エンコーダ70の構成については、後に詳述する。
入出力インターフェース75は、前述の操作パネル7とX軸原点センサ71を接続している。操作パネル7は、例えば図1に示すような複数の操作スイッチで構成する操作部7bと、例えばLCDディスプレイで構成する報知手段としての表示部7aとを備えており、手動でミシン1の作動を制御したり、ミシン1の制御手順や各種パラメータなどを入力するために使用する。操作スイッチとしては、例えば布保持体15の上下動を操作するスイッチ、縫製作業の開始を指示するための起動スイッチ、及び上記ユーザ設定移動原点を入力するためのスイッチ等がある。尚、この操作部7bが、各請求項記載の操作手段に相当する。
到達検出手段であるX軸原点センサ71は、例えば電磁コイルなどを利用した近接センサであり、上記移動体52に設けた舌片81が当該X軸原点センサ71の上方に位置した際にその近接状態を検出する。これにより、CPU71は、その時点で移動体52がX方向において原点座標に相当するX基準位置に位置しているか否かを判定できる。
本実施形態のミシン1は、所定の順序で列記した複数の指令データに基づいて上記布保持体14のX−Y方向の移動と、上記針棒6を介した縫針の上下動を行うことにより、布地に対して縫目を形成する。この縫目形成時に、ミシン1は上記X軸及びY軸パルスモータ63、64を駆動して当該布保持体14のX−Y方向の移動を行い、上記X軸エンコーダ69及び上記Y軸エンコーダ70によって当該X軸及びY軸パルスモータ63、64の回転位置と回転量を検出し、管理する。
X軸エンコーダ69及びY軸エンコーダ70を備えるX軸及びY軸パルスモータ63、64の構成を図6、図7に示す。尚、各図にはY軸パルスモータ64のみを示すが、X軸及びY軸パルスモータ63、64はそれぞれの構成が同じである。
出力軸91を図中の左右方向に沿って配置した図6(a)の側面図に示すように、出力軸91の一端部(図中の右端部)に上記駆動ギヤ92が固着し、他端部(図中の左端部)にディスク板93が軸方向と直交して固定部材94で固定している。さらに図6(a)中の矢視VIb−VIbの断面を示す図6(b)の断面図に示すように、上記ディスク板93の外周に沿って、回転位置検出器95と原点信号検出器96をそれぞれ当該ディスク板93の外周縁部の両面を挟むように設けている。これら回転位置検出器95と原点信号検出器96は、1枚の固定板97と3つの固定ネジ98を介してX軸及びY軸パルスモータ63、64に固定され、コネクタ99を介して入出力インターフェース75と電気的に接続している。カバー部材100は、ディスク板93、回転位置検出器95、及び原点信号検出器96の全体を覆っている。尚、ディスク板93、回転位置検出器95、及び原点信号検出器96が、ロータリエンコーダとしてのX軸エンコーダ69及びY軸エンコーダ70を構成している。また、Y軸エンコーダ70が、各請求項記載の変位検出手段に相当する。
ディスク板93は、図7に示すように、外周部の原点信号検出部93aと内周部の回転位置検出部93bとの同軸二重構造となっている。外周部の原点信号検出部93aは、全周360°のうちの内周角180°の範囲(図中の左側半分)にだけ遮蔽部93cを設けた構成である。上記原点信号検出器96は、この原点信号検出部93aにおける光の通過の有無を検出し、つまり遮蔽部93cが光を遮蔽しているか、または光が通過するかを検出する。この例では、ディスク板93を正回転方向(図中の時計回り方向)に回転した際に、通過状態から遮蔽状態に切り替えられるディスク板93の回転位置(図中の最上方点の位置)を原点信号検出位置とし、原点信号検出器96がこれを検出した際の検出信号を原点信号とする。尚、ディスク板93を逆回転方向(図中の反時計回り方向)に回転した場合には、遮蔽状態から通過状態に切り替えられるディスク板93の回転位置(図中の最上方点の位置)が原点信号検出位置となる。尚、遮蔽部93cを備える内周角範囲が各請求項記載の第1内周角範囲に相当し、それ以外の内周角範囲が各請求項記載の第2内周角範囲に相当する。
内周部の回転位置検出部93bは、この例では全周に渡って400個のスリット93dを均等な間隔で設けている。上記回転位置検出器95は、この回転位置検出部93bにおける光の遮蔽と通過を検出し、ディスク板93の相対的な回転量を検出する。
以上のような構成において、縫製を高い精度で行うためには、当該ミシン1の起動時に、X方向とY方向のそれぞれに対応するX基準位置とY基準位置で規定される移動原点に、移動体52を正確に位置決めする必要がある。
ここで、上記X方向の範囲と上記Y方向の範囲で限定される移動体52の移動可能範囲内において、移動体52を一方の移動方向で最小移動単位長でずらしつつ他方の移動方向で往復動させるよう当該移動可能範囲の全域を走査することで、上記移動原点の1点を探索することは可能である。しかしながら、この方法では時間がかかりすぎて実用的ではない。他にも、各移動方向の基準位置をそれぞれに対応する原点センサを用いて探索する方法もあるが、この場合には2つの近接センサを備える分だけ構成が複雑となってしまう。
本実施形態では、以下に説明する設定及び動作手順を行うことで、1つのX軸原点センサ71だけで移動体52の移動原点への位置決めを行う。この設定及び手順については、上記図2のベッド部2の平面図に対応して、当該ベッド部2の移動体52の可動範囲を模式的に示した図8〜図12を用いて説明する。
図8において、最も外側の矩形枠が移動体52の可動範囲R0を示し、その内側の矩形枠が当該移動体52の中心点Cの可動範囲R1を示している。以下においては、この中心点Cとその可動範囲R1内との対比で説明する。この例では、Y軸パルスモータ64を正回転させることで移動体52をY方向に沿って前進移動(図中の上方から下方に移動)させることができる。また、移動体52を中心点可動範囲R1の後端に位置させた際には、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が原点信号を検出する直前の状態となる。そこから移動体52を出発させて前端に向けてY方向に前進移動させた際に、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96は、まず遮蔽状態(図中の範囲S)となってその後に通過状態(図中の範囲T)に切り替わる。そしてこの前進移動において、この遮蔽状態と通過状態を等間隔で4回ずつ切り替え、特に通過状態から遮蔽状態へ切り替わる位置(図中のP位置)で、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が原点信号を検出する。
本実施形態の例では、上記の行程において移動体52が中心点可動範囲R1の後端位置から前進を開始した後で、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が2回目の原点信号を検出する位置、つまり中心点可動範囲R1の中央位置に、移動原点Omを設定している。この移動原点OmのX方向の座標位置がX基準位置、Y方向の座標位置がY基準位置となる。以上から、Y基準位置は、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が原点信号Pを検出する位置に設定している。これらの位置設定は、X軸及びY軸エンコーダ69,70の位相設定、各部の寸法設定、及び各ギヤやスプラインの噛み合い設定などでハードウェア的に設定できる。また、移動体52の中心点Cと上記舌片81との間のオフセットXo、Yoに対応して、移動原点Omから同じオフセットXo、Yoで離間した位置にX軸原点センサ71の検出点71pを設定している。尚、上記Y基準位置が各請求項記載の第1基準位置に相当し、上記X基準位置が各請求項記載の第2基準位置に相当する。
縫製作業を終了してミシン1の電源を落としている間は、各移動方向に対応するX軸及びY軸パルスモータ63、64においても通電が停止して制動トルクが消失するため、例えば図9に示すような移動原点Omから離れた位置に移動体52の中心点Cが移動してしまう。また、上述した構成のX軸及びY軸エンコーダ69,70は相対的な回転量(移動量)しか計測できないため、一度電源を落とした後では、中心点可動範囲R1内における移動体52の中心点Cの絶対位置を検出できない。
このような初期位置状態において、ミシン1の電源を投入した際には、まず図10に示すように移動体52をY方向の後端位置まで一旦後退移動させる。移動体52がY方向の後端位置に位置した際には、上述したように、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が原点信号を検出する直前の状態となる。
次に、図11に示すように、移動体52をY方向の後端位置から前進を開始して、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が2回目の原点信号を検出するまで前進させる。
その後に、図12に示すように、移動体52をX方向に移動させる。このとき、移動体52はY方向におけるY基準位置上で、X方向に沿って左右両端部の間を往復動させる。そして、X軸原点センサ71が検出点71pで舌片81の近接を検出した際に、移動体52が移動原点Omに位置する。このようにして、移動体52の中心点Cを移動原点Omへ位置決めさせる。
次に、ミシン1のCPU71が実行する処理の制御内容を、図13を用いて説明する。尚、ミシン1の電源をオンすることにより、このフローが開始する(例えば上記図9の状態)。
ステップSS5で、CPU71は、Y軸パルスモータ64(図中ではYモータと略記)を逆回転させて、移動体52(図中では送り台と略記)をY方向の後端位置へ向けて後退移動させる。
その後、ステップSS10に移り、CPU71は、移動体52がY方向の後端に接触したか否かを判定する。例えば、Y軸エンコーダ70の回転位置検出器95が、スリット93d移動による光の遮断状態と通過状態との切り替えを一定時間以上検出しないことで、移動体52が接触により移動停止したことを判定する。移動体52がY方向の後端に接触していない場合、判定は満たされず、ステップSS5に戻って同様の手順を繰り返す。一方、移動体52がY方向の後端に接触した場合、判定が満たされ、次のステップSS15へ移る。尚、以上のステップSS5、ステップSS10の手順で行う動作が、上記図10の動作に対応する。
ステップSS15では、CPU71は、カウンタ変数Nの値を0にリセットする。
その後、ステップSS20に移り、CPU71は、Y軸パルスモータ64を正回転させて、移動体52を前進移動させる。
その後、ステップSS25に移り、CPU71は、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が原点信号を検出したか否かを判定する。原点信号を検出していない場合、判定は満たされず、このステップSS25の手順を繰り返す。一方、原点信号を検出した場合、判定が満たされ、次のステップSS30へ移る。
ステップSS30では、CPU71は、カウンタ変数Nの値を1増加する。
その後、ステップSS35に移り、CPU71は、カウンタ変数Nの値が2であるか否かを判定する。言い換えると、移動体52がY方向のY基準位置に到達したか否かを判定する。カウンタ変数Nの値が2でない場合、判定は満たされず、上記ステップSS25へ戻って、同様の手順を繰り返す。一方、カウンタ変数Nの値が2である場合、判定が満たされ、次のステップSS40へ移る。尚、以上のステップSS15〜ステップSS35の手順で行う動作が、上記図11の動作に対応する。
その後、ステップSS40に移り、CPU71は、CPU71は、X軸パルスモータ63をこの例の逆回転させて、移動体52を左方へ移動させる。
その後、ステップSS45に移り、CPU71は、タイマ(特に図示せず)をリセットする。
その後、ステップSS50に移り、CPU71は、タイマが自動的に計時した経過時間が所定時間を超過したか否かを判定する。言い換えると、移動体52が何らかの障害物に接触しているなどの原因により、移動原点Omに到達できない状態であるか否かを判定する。尚、この所定時間は、移動体52が、X方向の両端部の間を1往復分移動するのに必要な時間より適宜長く設定する。タイマが所定時間を超過していない場合には、判定は満たされず、ステップSS55へ移る。
ステップSS55では、CPU71は、移動体52がX方向の両端部のいずれかに接触したか否かを判定する。例えば、X軸エンコーダ69の回転位置検出器95が、スリット93d移動による光の遮断状態と通過状態との切り替えを一定時間以上検出しないことで、移動体52が接触により移動停止したことを判定する。移動体52がX方向の両端部のいずれかに接触していない場合、判定は満たされず、ステップSS60へ移る。
ステップSS60では、CPU71は、X軸原点センサ71が舌片81の近接を検出したか否かを判定する。言い換えると、移動体52がX方向のX基準位置に到達したか否かを判定する。X軸原点センサ71が舌片81の近接を検出した場合、判定が満たされ、このフローを終了する。このとき、移動原点Omへの位置決めが完了したものと見なされ、特に図示していないが、フローの終了とともに、X軸パルスモータ63の回転も停止する。
一方、上記ステップSS50の判定において、タイマが所定時間を超過した場合には、判定が満たされ、ステップSS65へ移る。
ステップSS65では、CPU71は、移動体52が何らかの障害物に接触している、又はY基準位置を誤った位置とした等の原因により移動原点Omに到達できない状態であることを、表示部などを介して作業者に報知するエラー処理を行い、このフローを終了する。
一方、上記ステップSS55の判定において、移動体52がX方向の両端部のいずれかに接触した場合、判定が満たされ、ステップSS70へ移る。
ステップSS70では、CPU71は、X軸パルスモータ63の回転方向を反転させて、それまでの移動方向と逆の方向に移動体52を移動させる。そしてステップSS50へ戻り、同様の手順を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態のミシン1においては、布送り装置30が、Y方向に沿った移動体52の移動に対応して複数位置で原点信号を検出するY軸エンコーダ70を備えている。さらに、当該布送り装置30では、Y方向においてY軸エンコーダ70が原点信号を検出する複数位置のいずれか一つを当該Y方向における移動体52のY基準位置に設定している。これにより、Y軸エンコーダ70が原点信号を検出する複数位置のいずれかでY基準位置の探索を絞り込むことができるため、Y基準位置を検出する効率が格段に向上する。尚、上記Y軸エンコーダ70は、移動体52を高い精度で移動させるために元から設置が必要となっている部位である。
また、本実施形態においては、移動体52がY基準位置上でX方向に沿って移動した際に、当該移動体52のX方向におけるX基準位置への到達を検出できるX軸原点センサ71を備えている。これにより、移動体52をY基準位置上でX方向に沿ってその範囲を往復移動させるだけで、X基準位置も容易に検出できる。
本実施形態のミシン1は、上記のようにして、移動体52の到達を検出するX軸原点センサ71の近接センサを1つだけ設けただけで、移動体52のY基準位置とX基準位置の両方の位置決めが可能となる。この結果、簡易な構成で移動体52の移動原点Omへの位置決めを容易に行うことができる。尚、本実施形態では、Y基準位置以外の原点信号検出位置ではX基準位置を検出できないので、障害物があったときなど、誤ってX基準位置を検出しない効果も有する。
また、本実施形態では特に、X軸原点センサ71は、移動体52がY方向でY基準位置に位置し、且つX方向でX基準位置に位置している際に、当該移動体52の舌片81に近接する位置に設けられた近接センサである。これにより、移動体52とその他の布送り装置30との間の非接触の状態を維持したまま、移動体52のX基準位置の位置決めが可能となる。この結果、移動体52の位置決め制御を行った場合でも、移動体52の位置検出の精度への影響を抑えることができる。
また、本実施形態では特に、Y軸エンコーダ70は、Y移動方向に沿った移動体52の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で原点信号を検出するロータリエンコーダで構成している。これにより、Y方向で移動体52を移動させる駆動アクチュエータに回転モータを利用する場合に、その駆動力の伝達経路中にY軸エンコーダ70としてロータリエンコーダを組み込むことが容易となる。また、当該ロータリエンコーダが1回転に1回だけ原点信号を検出するため、Y軸エンコーダ70が原点信号を検出する複数位置の間隔を最も広く開けることができる。言い換えると、Y方向の範囲内でY軸エンコーダ70が原点信号を検出する複数位置の数、つまりY基準位置の探索候補の数を少なくできるため、Y基準位置を検出する効率が向上する。
また、本実施形態では特に、Y軸エンコーダ70のディスク板93は、所定の1箇所に設けた遮蔽部93cに対応する内周角範囲と、それ以外の内周角範囲とを区別して検出でき、当該Y軸エンコーダ70の回転方向と2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって原点信号を検出する。これにより、Y軸エンコーダ70を、原点信号の検出以外にも、移動体52のY方向での移動に同期させて行う他のタイミング制御にも利用できる。また、そのような利用においても、原点信号の検出周期を、当該Y軸エンコーダ70の1回転に1回だけに維持できる。
尚、上記実施形態では、上記図11に示すように、移動体52をY方向の後端位置から前進を開始して、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が2回目の原点信号を検出したY方向位置をY基準位置としていた。しかし、本発明はこれに限られず、他にも図14に示すように、Y軸エンコーダ70の原点信号検出器96が最初の原点信号を検出したY方向位置をY基準位置に設定してもよい。この場合、上記図13のフローにおけるステップSS15、ステップSS30、ステップSS35の手順を省略すればよい。この場合、Y軸エンコーダ70が原点信号を検出する複数位置のうちからY基準位置を容易に特定することができ、また最も早く移動体52を当該Y基準位置へ到達させることができる。
また、特に図示しないが、上記図8におけるY軸エンコーダ70の原点信号検出器96が検出する遮蔽状態(図中の範囲S)と通過状態(図中範囲T)の配置を逆転させてもよい。
また、特に図示しないが、操作パネル7の操作部7bにおいて、Y方向でY基準位置から任意のYオフセット量だけずれたYオフセット基準位置と、X方向でX基準位置から任意のXオフセット量だけずれたXオフセット基準位置、とを設定入力可能としてもよい。これにより、ユーザが任意に指定したXオフセット基準位置とYオフセット基準位置とで規定する位置に、ユーザ設定移動原点を設定できる。尚、Yオフセット量が各請求項記載の第1オフセット量に相当し、Yオフセット基準位置が第1オフセット基準位置に相当し、Xオフセット量が第2オフセット量に相当し、Xオフセット基準位置が第2オフセット基準位置に相当する。
また、図15に示すように、Y軸エンコーダ70のディスク板93Aにおける外周部の原点信号検出部93aで、遮蔽部93cを設けている内周角範囲(図中の右側半分)以外の内周角範囲(図中の左側半分)にも、例えば200個のスリット93eを設けてもよい。これらのスリット93eを設けた箇所は、均等な200箇所を区分できることで、原点信号検出部93aの光を部分的に通過させる半通過状態となる。図示する例では、ディスク板93Aを正回転方向(図中の時計回り方向)に回転した場合には、遮蔽状態から半通過状態に切り替えられるディスク板93Aの回転位置(図中の最上方点の位置)が原点信号検出位置となる。
このディスク板93Aを設けたY軸エンコーダ70を、図16に示すように、移動体52をY方向の後端位置から前進を開始した直後から順に遮蔽状態(図中の範囲S)と半通過状態(図中の範囲H)とを交互に切り替える配置設定に適用してもよい。尚この場合には、遮蔽部93cを備える内周角範囲が第5内周角範囲に相当し、それ以外のスリット93eを備える内周角範囲が第6内周角範囲に相当する。これにより、Y移動方向の後端部からY基準位置までの範囲において、Y軸エンコーダ70の遮蔽状態に同期させて行う他のタイミング制御に利用できる。
また、上記図16の配置設定に対して、図17に示すように、遮蔽状態(図中の範囲S)と半通過状態(図中の範囲H)の配置を逆転させてもよい。尚、遮蔽部93cを備える内周角範囲が第3内周角範囲に相当し、それ以外のスリット93eを備える内周角範囲が第4内周角範囲に相当する。またこの場合には、特に図示しないが、ディスク板93Aを正回転方向に回転した際に、半通過状態から遮蔽状態に切り替えられるディスク板93Aの回転位置を原点信号検出位置とする。これにより、Y移動方向の後端部からY基準位置までの範囲において、Y軸エンコーダ70の半通過状態に同期させて行う他のタイミング制御に利用できる。移動体52をY方向の後端位置から前進を開始すると、半通過状態では遮蔽と透過が交互に現れ遮蔽状態と半通過状態の区切りであるか否かが判断できない。故に、遮断状態が透過状態よりも長く継続した場合、Y軸パルスモータ64を逆回転(移動体52を後端方向に移動)させて、最初の透過状態の位置をY基準位置とする必要がある。
1 ミシン
7 操作パネル
7a 表示部
7b 操作部(操作手段)
14 布保持体
30 布送り装置(送り台移動機構)
32 Y方向移動機構
33 X方向移動機構
52 移動体(送り台)
61 制御装置
62 ドライブモータ
63 X軸パルスモータ
64 Y軸パルスモータ
69 X軸エンコーダ(ロータリエンコーダ)
70 Y軸エンコーダ(変位検出手段、ロータリエンコーダ)
71 X軸原点センサ(到達検出手段)
81 舌片
93,93A ディスク板
93a 原点信号検出部
93b 回転位置検出部
93c 遮蔽部
93d スリット
93e スリット
95 回転位置検出器
96 原点信号検出器
Om 移動原点
P 原点信号検出位置
S 遮蔽状態範囲
T 通過状態範囲
H 半通過状態範囲
R0 移動体可動範囲
R1 中心点可動範囲






Claims (8)

  1. 被縫製物を載置する送り台と、前記送り台を直交する第1移動方向と第2移動方向で移動させる送り台移動機構と、を備えたミシンにおいて、
    前記送り台移動機構は、
    前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に対応して複数位置で原点信号を検出する変位検出手段を備え、
    前記第1移動方向において前記変位検出手段が前記原点信号を検出する複数位置のいずれか1つを当該第1移動方向における第1基準位置に設定し、
    前記送り台が、前記第1基準位置上で前記第2移動方向に沿って移動した際に、当該送り台の前記第2移動方向における第2基準位置への到達を検出できる到達検出手段を備えている
    ことを特徴とするミシン。
  2. 請求項1記載のミシンにおいて、
    前記第1基準位置は、前記第1移動方向の一方側の端部から他方側へ向けて送り台を移動させ、最初に前記変位検出手段が前記原点信号を検出する位置に設定していることを特徴とするミシン。
  3. 請求項1又は2記載のミシンにおいて、
    前記到達検出手段は、
    前記送り台が前記第1移動方向で前記第1基準位置に位置し、かつ、前記第2移動方向で前記第2基準位置に位置している際に、当該送り台の所定部分に近接する位置に設けられた近接センサであることを特徴とするミシン。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のミシンにおいて、
    前記第1移動方向で前記第1基準位置から任意の第1オフセット量だけずれた第1オフセット基準位置と、前記第2移動方向で前記第2基準位置から任意の第2オフセット量だけずれた第2オフセット基準位置、とを設定入力可能な操作手段を備えたことを特徴とするミシン。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のミシンにおいて、
    前記変位検出手段は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で前記原点信号を検出するロータリエンコーダで構成することを特徴とするミシン。
  6. 請求項5記載のミシンにおいて、
    前記ロータリエンコーダは、所定の1箇所の第1内周角範囲とそれ以外の第2内周角範囲とを区別して検出でき、当該ロータリエンコーダの回転方向と前記2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって前記原点信号を検出することを特徴とするミシン。
  7. 請求項1記載のミシンにおいて、
    前記変位検出手段は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で前記原点信号を検出するロータリエンコーダで構成し、
    前記ロータリエンコーダは、所定の1箇所の第3内周角範囲と、それ以外で均等に所定数で区分可能な第4内周角範囲とを区別して検出でき、当該ロータリエンコーダの回転方向と前記2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって前記原点信号を検出し、
    前記第1基準位置は、前記第1移動方向の一方側の端部から他方側へ向けて送り台を移動させ、最初に前記変位検出手段が前記原点信号を検出する位置に設定し、
    前記第1移動方向の一方側の端部から前記第1基準位置までの範囲に前記第4内周角範囲が対応している
    ことを特徴とするミシン。
  8. 請求項1記載のミシンにおいて、
    前記変位検出手段は、前記第1移動方向に沿った前記送り台の移動に連動して回転し、その全周のうちの1箇所の回転位置で前記原点信号を検出するロータリエンコーダで構成し、
    前記ロータリエンコーダは、所定の1箇所の第5内周角範囲と、それ以外で均等に所定数で区分可能な第6内周角範囲とを区別して検出でき、当該ロータリエンコーダの回転方向と前記2つの内周角範囲の切り替え順序との組み合わせによって前記原点信号を検出し、
    前記第1基準位置は、前記第1移動方向の一方側の端部から他方側へ向けて送り台を移動させ、最初に前記変位検出手段が前記原点信号を検出する位置に設定し、
    前記第1移動方向の一方側の端部から前記第1基準位置までの範囲に前記第5内周角範囲が対応している
    ことを特徴とするミシン。
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