JP2012167277A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】LED製品の信頼性を向上させ、産業利用上の要求を満たす、LED封止用の樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係るLED封止用の樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び応力調整剤を含む。
【選択図】図5
【解決手段】本発明に係るLED封止用の樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び応力調整剤を含む。
【選択図】図5
Description
本発明は、樹脂組成物に関し、特に、LED封止用樹脂組成物に関する。
発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下LEDと略す)は、固体(Solid State)冷光源として、電力消費量が少なく、寿命が長いなどの利点を有するため、エネルギー節約や環境保全の傾向に伴い重要視されつつある。又、LEDは、その体積が小さく、耐震性に優れ、色彩も豊富で、且つ、使用する材料と封止技術の進歩に伴い、LEDの製造コストも大幅に低減されているため、様々な照明分野において、すでに幅広く利用されており、例えば、家庭用設備、コンピューター周辺設備、通信製品、交通信号、車の光源など多くの用途が挙げられる。世界のLED市場における営業収入をみても2008年に比べ、2009年においては、実に10.3%増の成長率を示し、将来、世界のLED市場の営業収入は大幅に成長し続けることが予測される。
現在、LEDのハイクラスの封止材料としては、尚シリコーン系(silicone type)の封止材料が主に使用されているが、このシリコーン系封止材料は高価であることから、業界においても絶えずそれに替る材料が求められており、例えば、エポキシ樹脂によりコストダウンが行われている。エポキシ樹脂は、優れた電気絶縁性、機械特性及び接着性を有しているため、すでに半導体パッケージ、プリント回路基板用のワニス(varnish for printed circuit boards)及びレジスト材料(resist materials)などの分野で幅広く利用されている。しかし、エポキシ樹脂は、比較的高い熱膨張係数(Coefficients of Thermal Expansion、以下CTEと略す)を有するため、硬化する際、内部応力(internal stress)が生じやすく、き裂と粘着力の低下を引き起こし、素子の内部短絡(internal disconnection)、輝度の低下(decrease in luminance)(特に、赤外線と黄色LED素子)などの問題を引き起こし、製品の信頼性に悪い影響を及ぼすことがあった。
特許文献1(米国特許第5,145,889号公報)において、製品の信頼性を高めるため、下記に示すような封止材料の内応力を低下させる方法が開示されている。即ち、(1)ガラス転移温度(glass transition temperature、Tg)を低下させる:封止材料の弾性を増大させ、樹脂の架橋密度(crosslinking density)を減少させることで達成する。(2)線膨張係数(c)を低下させる:樹脂中に充填剤(filler)を添加することで達成する。例えば、粒子状のシリカ(particulate silica)、石英粉末(ground quartz)、窒化アルミニウムなどの無機充填剤を添加する。(3)ヤング率(Young's modulus of elasticity)Eを低下させる:例えば、海島構造(sea and island structure)の樹脂を製造することにより達成する。(4)硬化収縮率(shrinkage factor)εを低下させる:例えば、樹脂を均一に固化させる反応(uniform progress of resin curing)により達成する。特許文献2(特開2009−191170号公報)においても、エポキシ樹脂、硬化剤及び重量平均分子量が300〜1000のポリアルキレンジオールを含む、耐性クラック性(crack resistance)に優れたエポキシ樹脂組成物が開示されている。この外、特許文献3(台湾特許出願第098128474号)においても、カルビノールシロキサン樹脂(carbinol siloxane resin)を導入することで、エポキシ樹脂組成物の硬度を低下させ、硬化する際に発生する内応力を低下させることが開示されている。
しかしながら、産業上の要望を満たすためには、更に応力を低下させ、信頼性を向上させることができ、且つ低コストである封止材料の開発が期待されている。
上記の事情に鑑みて、本発明は、樹脂組成物であって、(A)含有量が前記樹脂組成物総重量当り、43〜53重量%範囲であるエポキシ樹脂と、(B)含有量が前記樹脂組成物総重量当り、40〜47重量%である硬化剤と、(C)含有量が前記樹脂組成物総重量当り、0.5〜10重量%範囲である応力調整剤と、を含有し、前記応力調整剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上である樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の1つの具体的実施例を以下に示す。エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シロキサン含有エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、該エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は、200〜3000であり、好ましくは、300〜900である。本発明の1つの具体的実施例によると、その応力調整剤(C)はエチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの混合物から選ばれる。又、本発明の1つの具体的実施例によると、その応力調整剤(C)は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、且つ、その応力調整剤(C)の重量平均分子量は、1500〜3000である。例えば、応力調整剤(C)は、ポリエチレングリコールであってもよく、その重量平均分子量は、1500〜3000であり、又、応力調整剤(C)は、ポリプロピレングリコールであり、且つ、その重量平均分子量は、2000〜3000であり、更に、応力調整剤(C)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールであってもよく、且つ、その重量平均分子量は、1800〜3000である。これらの応力調整剤は、1種又は2種以上を使用することもできる。更に、本発明の1つの具体的実施例によると、この樹脂組成物は、触媒剤をさらに含有してもよい。又、本発明の1つの具体的実施例によると、この樹脂組成物は、添加剤をさらに含有してもよい。
LED製品の信頼性を向上させ、産業利用上の要求を満たす、LED封止用の樹脂組成物を提供することができる。
以下、特定の具体的実施例により本発明を実施するための形態を説明するが、これら技術に精通する者は、本明細書の開示内容により、本発明のその他の利点と功能を十分に理解することができる。更に、本発明は、その他の異なる具体的実施例を利用して実施や応用を行うことも可能であり、本明細書における種々の細部も異なる観点と応用に基づき、本発明の主旨を逸脱しない限り、種々の修正と変更を加えることができる。
本発明において使用される「重量平均分子量」とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を使用して測定し、ポリスチレンに換算した重量平均分子量(Mw)の値である。
本発明の樹脂組成物中、エポキシ樹脂の実例としては、例えば、芳香族エポキシ樹脂、シロキサン含有エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上が含まれるが、これらに限定されるものではない。芳香族エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Bisphenol A Diglycidyl ether Resin、例えば、台湾南亜プラスチック(株)社の商品名NPEL−127E、NPEL−128Eなどが用いられる)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。脂肪族エポキシ樹脂としては、例えば、脂環式グリシジルエーテルエポキシ樹脂(cycloaliphatic glycidyl ether epoxy resin、例えば、台湾南亜プラスチック(株)社の商品名NPEX−102が使用される)、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(3,4−Epoxy Cyclohexylmethyl−3,4−Epoxy Cyclohexane Carboxylate、例えば、Dow chemical(株)社の商品名ERL−4221が使用される)などが挙げられる。シロキサン含有エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(I)で表されるものが挙げられる。
(式中、R1は、直鎖又は分枝鎖アルキル基、例えば、―C2H4―、―C3H6―、―C4H8―などを表す。m=1の場合、(OR1)mはアルコキシ基を表し、m>1の場合、(OR1)mはポリエポキシアルキル基を表す。その中、m>1の場合、それぞれの(OR1)mは、同じであっても良く、異なっていても良く、単体の重合体、アモルファス共重合体又はブロック共重合体を形成しても良い。R2とR3は、それぞれ独立して水素又はC1−2アルキル基を表し、R4は、水素或いはC1−2アルキル基を表し、xは、1〜100の整数であり、yは1〜100の整数であり、nは、1〜5の整数であり、mは、1〜40の整数である。又、1つの具体的実施例において、R2とR4はメチル基である。)
エポキシ樹脂(A)として、好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シロキサン含有エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上が使用される。1つの具体的実施例において、エポキシ樹脂(A)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂が使用される。通常、このエポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は200〜3000である。1つの具体的実施例において、エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は300〜900である。本発明の1つの具体的実施例によると、エポキシ樹脂(A)の含有量は、その樹脂組成物の総重量当り、43〜53重量%であり、好ましくは、45〜52重量%であり、より好ましくは、49〜50重量%である。
本発明の樹脂組成物の硬化剤(B)として、酸無水物系硬化剤を使用することができる。この酸無水物系硬化剤の実例として、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(Methyl hexahydrophthalic anhydride、MHHPA(又は、4−MHHPAと称する)、1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−カルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物(Hexahydrophthalic Anhydride、HHPA)、テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物(1,2,4,5−Benzenetetracarboxylic anhydride)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物(3,3’,4,4’−biphenyltetracarboxylic anhydride)及びこれらの組み合わせなどが使用されるが、これらに限定されるものではない。本発明の1つの具体的実施例によると、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物及び/又は1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2−ベンゾフラン−5−カルボン酸が本発明の樹脂組成物の硬化剤(B)として使用される。本発明の1つの具体的実施例によると、硬化剤(B)の含有量は、その樹脂組成物の総重量当り40〜47重量%であり、好ましくは42〜46重量%、より好ましくは43〜45重量%である。
応力調整剤の実例として、エチレングリコール(EG)、ポリエチレングリコール(Polyethylene glycol、PEG)、プロピレングリコール(Propylene glycol、PG)、ポリプロピレングリコール(Polypropylene glycol、PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Poly tetramethylene ether glycol、PTMG)、ポリテトラエチレングリコール(polytetraethylene glycol)、ポリペンタエチレングリコール(polypentaethylene glycol)、ポリヘキサエチレングリコール(polyhexaethylene glycol)などが使用されるが、これらに限定されるものではない。本発明の樹脂組成物の応力調整剤(C)として、上記化合物の1種又は2種以上が使用される。本発明の1つの具体的実施例によると、その応力調整剤(C)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上である。本発明の1つの具体的実施例によると、応力調整剤(C)は、エチレングリコール、プロピレングリコール又はその組み合わせから選ばれる。本発明の1つの具体的実施例によると、応力調整剤(C)は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、且つ、該応力調整剤(C)の重量平均分子量は1500〜3000である。又、1つの具体的実施例において、応力調整剤(C)は、ポリエチレングリコールであり、且つ、その重量平均分子量は、1500〜3000である。更に、1つの具体的実施例において、応力調整剤(C)は、ポリプロピレングリコールであり、且つ、その重量平均分子量は、2000〜3000である。1つの具体的実施例において、応力調整剤(C)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールであり、且つ、その重量平均分子量は、1800〜3000である。本発明の1つの具体的実施例によると、応力調整剤(C)の含有量は、樹脂組成物総重量当り、0.5〜10重量%であり、好ましくは0.5〜7重量%であり、より好ましくは、0.5〜6重量%である。
本発明の樹脂組成物は、触媒剤を含有してもよく、この触媒剤の実例として、第三級アミン、第三級アミン塩、第四級アンモニウム塩(例えば、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラノルマル−ブチルアンモニウムブロマイド(Tetra−n−butylammonium bromide))、イミダゾール化合物、ジアザビシクロエン(diazabicycloene)化合物とその塩類、リン酸塩(例えば、テトラエチルホスホニウムブロマイド(Tetra−ethylphosphonium bromide)、テトラノルマル−ブチルホスホニウムブロマイド(Tetra−n−butylphosphonium bromide)、メチルトリノルマル−ブチルホスホニウムヨーダイド、(メチルトリノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイト(methyl tri−n−butylphosphonium dimethylphosphate)、(テトラ−エチルホスホニウム)テトラフルオロボラート(Tetra−ethylphosphonium tetrafluoroborate)など)、ホウ素化合物、アルコール類、金属塩、有機金属錯体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明の1つの具体的実施例によると、テトラエチルアンモニウムブロマイド、(メチル−トリノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイト、又はそれらの組み合わせを触媒剤として使用することができる。本発明の1つの具体的実施例によると、触媒剤の含有量は、その樹脂組成物総重量当り、0.5〜5重量%であり、好ましくは0.5〜3重量%であり、より好ましくは、0.6〜1重量%である。
本発明の樹脂組成物は、更に、添加剤を含有してもよい。その添加剤の実例としては、紫外線吸収剤、安定剤(stabilizer)、抗酸化剤、色素、染料、充填剤、改質剤(modifier)、強靱化剤(toughener)、消泡剤、分散剤(dispersant)、均染剤(leveling agent)、増粘剤(thickening agent)、補強剤(reinforcing agent)、カップリング剤(coupling agent)、柔軟性付与剤(flexibility−imparting agent)、可塑剤(plasticizer)、増感剤(sensitizers)、水、抗沈降剤など、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるのもではない。
該紫外線吸収剤の実例としては、下記式に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(式中、p、q、w、xは、それぞれ独立して1〜5の整数であり、Rは、水素又はC1−8アルキル基を表し、R5は、直鎖、又は分枝鎖C2−4アルキル基を表す。実例を挙げると、台湾永光化学(株)社市販の商品名EV81ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシー,C7−C9分枝状及び線状アルキルエステル+1−メトキシ−2−プロピルアセテート(Benzenepropanoic acid,3−(2H−benzotriazole−2−yl)−5−(1,1−di−methylethyl)−4−hydroxy−,C7−C9−branched and linear alkyl esters+1−methoxy−2−propyl acetate)を紫外線吸収剤として使用する。)
本発明において、安定剤として、例えば、下記式(III)に示すヒンダートアミン(HALS、Hindered Amine Light Stabilizer)を使用することができる:
(式中、yは、0〜8の整数である。)
又、例えば、トリフェニルホスファイト(Triphenylphosphite、TPP)を安定剤として用いることができる。
本発明の1つの具体的実施例として、添加剤の含有量は、樹脂組成物の総重量当り、通常、10重量%以下である。
本発明の1つの具体的実施例によると、この樹脂組成物は、LEDの封止に使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、応力の発生を減少させ得るので、LED製品の信頼性を向上させ、産業利用上における要求を満たすことができる。
本発明について、以下の実施例により、更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。特に説明のない限り、下記の実施例と比較例においてその任意の成分の含有量と任意の物質の量を示す「%」及び「重量部」は、すべて重量を基準としたものである。
測定方法
(1)熱機械分析(ThermoMechanical Analyzer、TMA)
硬化した後の樹脂のかたまりを、ダイアモンドカッターなどで、TMA分析用試片として必要なサイズ(例えば、長さ3cm×幅1.5cm×厚さ0.5cmなど)にカットし、TMA装置(パーキンエルマーDMA/TMA7e、台湾博精装置(株)社)を用いて測定する。室温から、10℃/分の加温速度で、TMA分析用試片を320℃まで加熱し、その膨張係数の変化曲線を得る。この測定は1〜2回(第1回TMA測定、第2回TMA測定)行われる。このTMA装置による分析曲線から、ガラス転移温度(Tg)が得られ、その中、Tgの前の膨張曲線の勾配をα1(即ち、Tg点前の線膨張係数)と称し、Tgの後の膨張曲線の勾配をα2(即ち、Tg点後の線膨張係数)と称する。α2/α1は、Tg点前後の線膨張係数の差異を示し、LED業界においてはα2/α1<3であることが必要とされ、場合によっては、α2/α1<2.5が求められる。
(1)熱機械分析(ThermoMechanical Analyzer、TMA)
硬化した後の樹脂のかたまりを、ダイアモンドカッターなどで、TMA分析用試片として必要なサイズ(例えば、長さ3cm×幅1.5cm×厚さ0.5cmなど)にカットし、TMA装置(パーキンエルマーDMA/TMA7e、台湾博精装置(株)社)を用いて測定する。室温から、10℃/分の加温速度で、TMA分析用試片を320℃まで加熱し、その膨張係数の変化曲線を得る。この測定は1〜2回(第1回TMA測定、第2回TMA測定)行われる。このTMA装置による分析曲線から、ガラス転移温度(Tg)が得られ、その中、Tgの前の膨張曲線の勾配をα1(即ち、Tg点前の線膨張係数)と称し、Tgの後の膨張曲線の勾配をα2(即ち、Tg点後の線膨張係数)と称する。α2/α1は、Tg点前後の線膨張係数の差異を示し、LED業界においてはα2/α1<3であることが必要とされ、場合によっては、α2/α1<2.5が求められる。
(2)示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、DSC)
硬化した後の樹脂のかたまりを破砕機などでDSC分析試片用のサイズ(例えば、長さ0.1cm×幅0.1cm×厚さ0.1cmなど)と重量(約4〜10mg)に破砕し、DSC装置(メトラーD823/メトラー社、及びNETZsch DSC 204F1/台湾立源興業(株)社)を用いて測定する。室温より、10℃/分の加温速度で、320℃までDSC分析用試片を加熱し、その熱量の温度に対する変化の曲線を得る。
硬化した後の樹脂のかたまりを破砕機などでDSC分析試片用のサイズ(例えば、長さ0.1cm×幅0.1cm×厚さ0.1cmなど)と重量(約4〜10mg)に破砕し、DSC装置(メトラーD823/メトラー社、及びNETZsch DSC 204F1/台湾立源興業(株)社)を用いて測定する。室温より、10℃/分の加温速度で、320℃までDSC分析用試片を加熱し、その熱量の温度に対する変化の曲線を得る。
ガラス転移温度(glass transition temperature、Tg)は、ガラス状物質がガラス状とゴム状との間で相互に転移する温度である。ガラス転移は、二次の相転移を表わし、ゲル体の熱容量に連続的変化が生じる。DSC装置により測定して得た温度変化に対する熱量の熱履歴曲線(その中、Y軸は、熱量値(Q又はH)を示し、X軸は、温度(℃)を示す)が、一つの平坦で上に向って屈曲することのない曲線である場合、正常であると判定し、その逆の場合は、異常であるとする。
(3)リフロー試験(Reflow Test)
今日使用されている種々の電子製品は、電子部品を組み立てる工程(SMT及びDIP)を経て製造される。その最も主要な方法は、半田(Solder)により回路板(PCB)とリード(Leads)との間を接続・導通させることである。この電子部品とPCBとの間を結合する半田を溶かすために、高い熱源を提供できる設備、例えば、リフロー炉などによって作業を行う必要がある。そのため、そこで使用される電子部品は、先ず、実際の生産工程中における熱衝撃に耐え得る必要があり、且つ、機能を失うような現象が発生してはならない。電子部品のリードと半田との濡れ性(Wetting Characteristic)は、製品の後続の信頼性に対して影響を及ぼす重要な要素となる。
今日使用されている種々の電子製品は、電子部品を組み立てる工程(SMT及びDIP)を経て製造される。その最も主要な方法は、半田(Solder)により回路板(PCB)とリード(Leads)との間を接続・導通させることである。この電子部品とPCBとの間を結合する半田を溶かすために、高い熱源を提供できる設備、例えば、リフロー炉などによって作業を行う必要がある。そのため、そこで使用される電子部品は、先ず、実際の生産工程中における熱衝撃に耐え得る必要があり、且つ、機能を失うような現象が発生してはならない。電子部品のリードと半田との濡れ性(Wetting Characteristic)は、製品の後続の信頼性に対して影響を及ぼす重要な要素となる。
リフロー試験装置:SMD 10 SBHAO(台湾台技工業(株)社製)を使用した。
従来の錫−鉛半田材と鉛フリー半田材のIRリフロー温度効果( IR Reflow Temp. Profile)を比較すると、鉛フリー半田の加工温度は、従来の錫−鉛半田材より高い値を示す。
リフロー試験は、下記の方法により実施される。
先ず、下記の工程により測定用のLED素子の試料を作製する:
(a)チップの固定:チップ固定機により、LEDチップをチップ固定用接着剤で専用の支持体上に固定する。(b)ワイヤ溶接:チップが固定された半製品に、ワイヤ溶接装置を用いて、PNの二極に必要とする回路を配線する。(c)ゲル注入及び焼成処理:上記の半製品に、適量の樹脂組成物をゲル注入装置などで充填し、次に、オーブンに入れ、樹脂組成物が必要とする焼成条件下で焼成処理する(例えば、短時間焼成:120℃/1.5〜2時間;長時間焼成:150℃/4〜5時間)。(d)カットと分粒:上記の焼成済みの半製品を専用のカッターで、カッティング及び分粒を行う。(e)分光分色、品質検査、収納:分粒したLED素子について分光分色し、品質検査後に保存室へ収納する。
(a)チップの固定:チップ固定機により、LEDチップをチップ固定用接着剤で専用の支持体上に固定する。(b)ワイヤ溶接:チップが固定された半製品に、ワイヤ溶接装置を用いて、PNの二極に必要とする回路を配線する。(c)ゲル注入及び焼成処理:上記の半製品に、適量の樹脂組成物をゲル注入装置などで充填し、次に、オーブンに入れ、樹脂組成物が必要とする焼成条件下で焼成処理する(例えば、短時間焼成:120℃/1.5〜2時間;長時間焼成:150℃/4〜5時間)。(d)カットと分粒:上記の焼成済みの半製品を専用のカッターで、カッティング及び分粒を行う。(e)分光分色、品質検査、収納:分粒したLED素子について分光分色し、品質検査後に保存室へ収納する。
完成したLED素子の測定用試料を挿入するようにPCBに溶接し、その装置のコンベアベルト上に置き、5段階の加熱と冷却過程を、約6分間で行う。このような5段階の加熱と冷却過程を1回行ったものを1回リフロー試験済み(Reflow test 1 time)と称し、2回繰返して行ったものを2回リフロー試験済み(Reflow test 2 time)と称する。通常、LED業界においては、1〜3回のリフロー試験を行うことが要求される。上記の過程を完了した後、LEDに導電して発光させ、その輝度などの特性を測定するが、き裂が生じた場合又は発光しない場合は、リフロー試験エラーと称する。
(4)LEDの信頼性試験
本分野において周知されるLEDの信頼性の試験方法は数多く、例えば、(a)温度ショック(Temperature Shock)試験、(b)温度サイクル(Temperature Cycle)試験、(c)高温高湿寿命(High Temperature/High Humidity Operational Life)試験、(d)常温寿命(Room Temperature Life)試験、及び(e)高温寿命(High Temperature Life)試験などが挙げられる。その試験方法を下記に示す。
本分野において周知されるLEDの信頼性の試験方法は数多く、例えば、(a)温度ショック(Temperature Shock)試験、(b)温度サイクル(Temperature Cycle)試験、(c)高温高湿寿命(High Temperature/High Humidity Operational Life)試験、(d)常温寿命(Room Temperature Life)試験、及び(e)高温寿命(High Temperature Life)試験などが挙げられる。その試験方法を下記に示す。
(a)温度ショック(TS)試験:
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子を22件サンプリングして温度ショック試験専用の容器中に入れ、所定の条件下で信頼性の測定を行った。試験時間は、時間(hr)又はサイクル数(cycle)により計算した。一般に、LED業界では、50/100/200/300又は300サイクルで表わす。
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子を22件サンプリングして温度ショック試験専用の容器中に入れ、所定の条件下で信頼性の測定を行った。試験時間は、時間(hr)又はサイクル数(cycle)により計算した。一般に、LED業界では、50/100/200/300又は300サイクルで表わす。
(b)温度サイクル(TC)試験:
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子を22件サンプリングして温度サイクル試験専用の容器中に入れ、所定の条件下で信頼性の測定を行った。試験時間は、時間(hr)又はサイクル数(cycle)により計算した。通常、LED業界では、50/100/200/300又は300サイクルで表わす。
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子を22件サンプリングして温度サイクル試験専用の容器中に入れ、所定の条件下で信頼性の測定を行った。試験時間は、時間(hr)又はサイクル数(cycle)により計算した。通常、LED業界では、50/100/200/300又は300サイクルで表わす。
(c)高温高湿寿命試験:
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子を22件サンプリングして高温高湿寿命試験専用の容器中に入れ、所定の条件下で信頼性の測定を行った。試験時間は、時間(hr)により計算した。
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子を22件サンプリングして高温高湿寿命試験専用の容器中に入れ、所定の条件下で信頼性の測定を行った。試験時間は、時間(hr)により計算した。
(d)常温寿命試験:
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子22件をサンプリングして、専用のLED発光機を用いて、常温試験を行った。通常、試験前にその光学特性(発光強度mcdなど)と電気特性(例えば、正孔電圧ボルト(v)など)を測定し、異なる試験時間後に再度その光学特性と電気特性を測定し、その特性の減衰の程度を観察し、記録する。
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子22件をサンプリングして、専用のLED発光機を用いて、常温試験を行った。通常、試験前にその光学特性(発光強度mcdなど)と電気特性(例えば、正孔電圧ボルト(v)など)を測定し、異なる試験時間後に再度その光学特性と電気特性を測定し、その特性の減衰の程度を観察し、記録する。
(e)高温寿命試験:
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子22件をサンプリングして、専用のLED発光機を用いて、高温寿命試験を行った。通常、試験前にその光学特性(発光強度mcdなど)と電気特性(例えば、正孔電圧ボルト(v)など)を測定し、異なる試験時間後に再度その光学特性と電気特性を測定し、その特性の減衰の程度を観察し、記録する。
チップ固定、ワイヤ溶接、樹脂注入を行って封止済みのLED素子22件をサンプリングして、専用のLED発光機を用いて、高温寿命試験を行った。通常、試験前にその光学特性(発光強度mcdなど)と電気特性(例えば、正孔電圧ボルト(v)など)を測定し、異なる試験時間後に再度その光学特性と電気特性を測定し、その特性の減衰の程度を観察し、記録する。
上記の試験方法により、LED素子の試料について、光学と電気特性の変化を測定し、同時に、樹脂のき裂、又は不発光などの現象を観察し、記録した。
比較例1
反応容器中に、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)、(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイト(触媒剤)、TPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)及びEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を反応容器中に加え、常温下で攪拌した。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱し、完全に硬化させた。
比較例1の樹脂組成物について、第1回及び第2回TMA分析(図1A、図1Bを参照)、DSC分析(図5を参照、PEG0曲線)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例2
反応容器中に、PEG600(分子量600、台湾友和貿易(株)社より購入)、硬化剤(MHHPA)、(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイト及び添加剤(TPP 0.45重量%、EV81 0.55重量%)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Bisphenol A Diglycidyl ether Resin)NPEL−127E、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を反応容器中に加え、常温下で攪拌した。次に、均一に混合した樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例2の樹脂組成物について、2回のTMA分析(図2を参照)、DSC分析(図5を参照、PEG600曲線)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例1
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、上記の硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PEG1500(分子量1500、台湾友和貿易(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例1の樹脂組成物について、2回のTMA分析(図3を参照)、DSC分析(図5を参照、PEG1500曲線)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例2
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PEG3000(分子量3000、台湾友和貿易(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、反応容器中にエポキシ樹脂を加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例2の樹脂組成物について、2回のTMA分析(図4を参照)、DSC分析(図5を参照、PEG3000曲線)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例1及び実施例2並びに比較例1及び比較例2の成分を下記表5に示す。
実施例3
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PG(台湾六和化工(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例3の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例4
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PG(台湾六和化工(株)社より購入)を入れて、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例4の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例5
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PG(台湾六和化工(株)社より購入)を入れて、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、反応容器中にエポキシ樹脂を加えて、常温下で攪拌した。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例5の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例6
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PG(台湾六和化工(株)社より購入)を入れて、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、反応容器中にエポキシ樹脂を加えて、常温下で攪拌した。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例6の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例7
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−127E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PG(台湾六和化工(株)社より購入)を入れて、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、反応容器中にエポキシ樹脂を加えて、常温下で攪拌した。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例7の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例3〜7において、使用した成分を下記表11に示す。
実施例8
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PPG3000(分子量3000、台湾六和化工(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例8の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例9
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PPG3000(分子量3000、台湾六和化工(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例9の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例10
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%(台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PPG3000(分子量3000、台湾六和化工(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例10の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例11
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PPG3000(分子量3000、台湾六和化工(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例11の樹脂組成物について、TMA分析(図6Aを参照)、DSC分析(図6Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例12
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PPG3000(分子量3000、台湾六和化工(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例12の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例8〜12において、使用した成分を下記表17に示す。
比較例3
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%(台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤及び添加剤を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加えて、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例3の樹脂組成物について、TMA分析(図7Aを参照)、DSC分析(図7Bを参照)、リフロー試験、及びとLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例4
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG250(分子量250、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例4の樹脂組成物について、TMA分析(図8Aを参照)、DSC分析(図8Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例5
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG250(分子量250、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例5の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例6
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG250(分子量250、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例6の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例7
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG250(分子量250、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例7の樹脂組成物について、TMA分析(図9Aを参照)、DSC分析(図9Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例8
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG250(分子量250、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例8の樹脂組成物について、TMA分析(図10Aを参照)、DSC分析(図10Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例9
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG650(分子量650、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例9の樹脂組成物について、TMA分析(図11Aを参照)、DSC分析(図11Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例10
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG650(分子量650、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例10の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例11
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG650(分子量650、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例11の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例12
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG650(分子量650、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例12の樹脂組成物について、TMA分析(図12Aを参照)、DSC分析(図12Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例13
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG650(分子量650、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例13の樹脂組成物について、TMA分析(図13Aを参照)、DSC分析(図13Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例14
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG1000(分子量1000、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例14の樹脂組成物について、TMA分析(図14Aを参照)、DSC分析(図14Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例15
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG1000(分子量1000、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例15の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例16
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG1000(分子量1000、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例16の樹脂組成物について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例17
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG1000(分子量1000、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例17の樹脂組成物について、TMA分析(図15Aを参照)、DSC分析(図15Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例18
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG1000(分子量1000、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この比較例18の樹脂組成物について、TMA分析(図16Aを参照)、DSC分析(図16Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例13
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリ−ノルマル−ブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG1800(分子量1800、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例13の樹脂組成物について、TMA分析(図17Aを参照)、DSC分析(図17Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
実施例14
エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂NPEL−128E(台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、硬化剤としてメチルヘキサヒドロフタル酸無水物(MHHPA、台湾南亜プラスチック(株)社より購入)を、触媒剤として(メチルトリーノルマルーブチルホスホニウム)ジメチルホスフェイトを、添加剤としてTPP(0.45重量%、台湾長春石化(株)社製)とEV81(0.55重量%、台湾永光化学(株)社製)を含むものを、それぞれ使用した。反応容器中に、硬化剤、触媒剤、添加剤及び応力調整剤PTMG3000(分子量3000、台湾台塑旭(株)社より購入)を入れ、常温下で攪拌した。触媒剤が溶解した後、エポキシ樹脂を反応容器中に加え、常温下で攪拌を続けた。次に、均一に混合された樹脂材料をオーブン中に入れ、120℃で2時間、更に、140℃で5時間加熱して完全に硬化させた。
この実施例14の樹脂組成物について、TMA分析(図18Aを参照)、DSC分析(図18Bを参照)、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行い、その結果を表37に示す。
比較例3〜比較例18、実施例13と実施例14における各成分を下記表36に示す。
実施例13と実施例14、比較例3〜比較例18について、TMA分析、DSC分析、リフロー試験、及びLED信頼性試験を行った結果を下記表37に示す。
比較例1と3の樹脂組成物は、応力調整剤を含有しないため、表37に示す通り、そのα2/α1は3より大きい値である(TMA分析を参照)。これは、ガラス転移温度の前後における樹脂組成物の膨張係数の差が大きく、応力を生じ易いことを示している。同時に、そのDSC分析曲線も平坦でなく、LED封止樹脂としての熱安定性が悪いことを明らかに示している。これらの応力調整剤を含有しない樹脂組成物により形成されたLED封止樹脂は、リフロー試験とLEDの信頼性試験に合格することができなかった。これに対し、実施例1〜14の樹脂組成物中において、応力調整剤を添加した場合は、表37に示す通り、そのα2/α1は、すべて3より小さい値(TMA分析を参照)であり、平坦なDSC分析曲線を有し、且つ、これらの樹脂組成物により形成されたLEDの封止樹脂は、リフロー試験とLEDの信頼性試験に合格する結果を示した。従って、応力調整剤を添加すれば、樹脂組成物のガラス転移温度の前後における膨張係数の差異を効果的に低減し、応力の発生を効果的に減少させ、且つ、LED製品の信頼性を大幅に向上させることができ、産業利用上の要求を満たし得る。
比較例2の樹脂組成物は、重量平均分子量が600のPEGを含有し、表37に示す通り、そのα2/α1は3より大きい値である(TMA分析を参照)。これは、ガラス転移温度の前後における樹脂組成物の膨張係数の差異が大きく、応力が生じ易いことを示し、且つ、この樹脂組成物により形成されたLED封止樹脂は、LEDの信頼性試験には合格できないことを示す。これに対し、実施例1と2の樹脂組成物においては、それぞれ重量平均分子量が1500と3000のPEGが添加されている。表37に示す通り、そのα2/α1は、すべて3より小さい値であり(TMA分析を参照)、平坦なDSC分析曲線を有し、且つ、これらの樹脂組成物により形成されたLED封止樹脂は、リフロー試験とLEDの信頼性試験の両方に合格している。それ故、重量平均分子量が1000以上のPEGを応力調整剤として添加した場合、応力の発生を効果的に減少させることができ、更に、LED製品の信頼性を大幅に向上させることができる。
比較例4〜18の樹脂組成物は、重量平均分子量が1000以下のPTMGを含有し、表37中に示す通り、そのα2/α1は3より小さい値であるが(TMA分析を参照)、しかし、この樹脂組成物により形成されたLED封止樹脂は、LEDの信頼性試験を合格することができなかった。これに対し、実施例13と14の樹脂組成物は、重量平均分子量が1000以上のPTMGを含有し、表37中に示す通り、そのα2/α1は、3より小さく(TMA分析を参照)、平坦なDSC分析曲線を有し、且つ、この樹脂組成物により形成されたLED封止樹脂は、リフロー試験とLEDの信頼性の両方に試験合格することができた。従って、重量平均分子量が1000以上のPTMGを応力調整剤として添加した場合、応力の発生を効果的に減少させることができ、更に、LED製品の信頼性を大幅に向上させることができる。
上記の実施例は、本発明の組成物とその製造方法について例を挙げて説明するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。これら技術に精通する者は、本発明の主旨とその範囲を逸脱しない限り、上記の実施例に対して修正又は変化を施すことができる。本発明の権利とその保護対象となる範囲は、特許請求の範囲に記載される。
本発明により、LED製品の信頼性を向上させ、産業利用上の要求を満たす、LED封止用の樹脂組成物を提供することができるため、産業上有用に利用することができる。
Claims (12)
- 樹脂組成物であって、
(A)含有量が前記樹脂組成物の総重量当り、43〜53重量%であるエポキシ樹脂と、
(B)含有量が前記樹脂組成物の総重量当り、40〜47重量%である硬化剤と、
(C)含有量が前記樹脂組成物の総重量当り、0.5〜10重量%である応力調整剤と、
を含有し、前記応力調整剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上である樹脂組成物。 - 前記エポキシ樹脂(A)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シロキサン含有エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂(A)は、重量平均分子量が200〜3000である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記硬化剤(B)は、酸無水物系硬化剤である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記応力調整剤(C)は、エチレングリコール、プロピレングリコール又はそれらの組合せから選ばれる請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記応力調整剤(C)は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコールからなる群より選ばれる1種又は2種以上であり、且つ、前記応力調整剤(C)の重量平均分子量が1500〜3000である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記応力調整剤(C)は、ポリエチレングリコールであり、且つ、その重量平均分子量が1500〜3000である請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記応力調整剤(C)は、ポリプロピレングリコールであり、且つ、その重量平均分子量が2000〜3000である請求項6に記載の樹脂組成物。
- 前記応力調整剤(C)は、ポリテトラメチレンエーテルグリコールであり、且つ、その重量平均分子量が1800〜3000である請求項6に記載の樹脂組成物。
- LEDの封止に使用される請求項1に記載の樹脂組成物。
- 含有量が前記樹脂組成物の総重量当り、0.5〜5重量%である触媒剤をさらに含む請求項1に記載の樹脂組成物。
- 添加剤をさらに含む請求項1に記載の樹脂組成物。
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