JP2012166694A - 車両用サイドミラー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】雨天走行時におけるミラー本体の鏡面への雨滴の付着を大幅に抑制し得る車両用サイドミラー構造を提供する。
【解決手段】ミラー本体10をミラーボデー13により抱持した車両用のサイドミラー9の構造に関し、前記ミラーボデー13のミラー本体10周囲で後方に張り出す庇部14の外側面に、内側に反る窪み形状を有して後方に向かうにつれミラー本体10側に窄まる括れ部15を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用サイドミラー構造に関するものである。
図5及び図6に示す如く、従来より車両には後方確認用のサイドミラー1が装備されており、運転席や助手席から後方の様子を鏡面に映して確認できるようになっている。前記鏡面を有するミラー本体2は、車体3側から延びるミラーステー4に支持されたミラーボデー5により抱持されており、この種のサイドミラー1にあっては、風切り音対策や意匠的な美観を考慮して前記ミラーボデー5に流線形の断面形状が付されている。
尚、車両用サイドミラー構造に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1等がある。
特開2009−67293号公報
しかしながら、前述の如きサイドミラー1における従来構造にあっては、雨天走行時に走行方向に対向するミラーボデー5に雨滴6が付着し、この雨滴が走行風7によりミラーボデー5の側面を後方(図6中の下方)に流れ、ミラーボデー5の直後に生じる負圧部8によりミラー本体2側に巻き込まれて鏡面に付着し、該鏡面が雨滴6により見えづらくなって後方確認が難しくなる場合があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、雨天走行時におけるミラー本体の鏡面への雨滴の付着を大幅に抑制し得る車両用サイドミラー構造を提供することを目的とする。
本発明は、ミラー本体をミラーボデーにより抱持した車両用サイドミラー構造において、前記ミラーボデーのミラー本体周囲で後方に張り出す庇部の外側面に、内側に反る窪み形状を有して後方に向かうにつれミラー本体側に窄まる括れ部を形成したことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、雨天走行時にミラーボデーに付着した雨滴が走行風によりミラーボデーの側面を後方に流れても、庇部の括れ部で負圧部が形成されて雨滴が前記庇部の側面に留められ、ここで成長して大きくなったところで自重により流下、若しくは、走行風により吹き飛ばされる結果となり、雨滴がミラー本体側に巻き込まれて鏡面に付着する事態が未然に回避される。
また、本発明においては、ミラーボデーを、ミラー本体周囲を囲んで庇部を成すミラーハウジングと、該ミラーハウジングの前方部分を覆うカバーとにより分割構成し、括れ部の前端に設定される最外形部より前方に前記ミラーハウジングとカバーとの分割位置を設定することが好ましい。
このようにすれば、車室内から見た時にミラーハウジングとカバーとの分割位置が最外形部より前方の目立たない位置となるため、見栄えを悪化させることなくミラーハウジングとカバーとによる分割構造を採用することが可能となる。しかも、ミラーハウジングとカバーとの分割位置の溝や段差は、雨滴を流下させるガイドとしても機能するので、括れ部まで到る雨滴を減らすことも可能となる。
更に、本発明においては、ミラーハウジングに対しカバーを嵌合して取り付け得るように構成することが好ましく、このようにすれば、ミラーハウジングとカバーとを組み付け易くなり、ミラーハウジングとカバーとの組み付け作業性の向上が図られる。
上記した本発明の車両用サイドミラー構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、運手走行時に庇部の括れ部に負圧部を形成して雨滴を留め、ミラー本体の鏡面への雨滴の付着を大幅に抑制することができるので、鏡面が雨滴により見えづらくなって後方確認が難しくなるという事態を著しく改善することができ、乗員の後方視認性の大幅な向上を図ることができる。
(II)本発明の請求項2に記載の発明によれば、見栄えを悪化させることなくミラーハウジングとカバーとによる分割構造を採用することができ、これにより庇部の外側面に括れ部を持つミラーボデーを無理のない金型で容易に製作することができ、しかも、ミラーハウジングとカバーとの分割位置の溝や段差を雨滴を流下させるガイドとして機能させることで括れ部まで到る雨滴を減らし、ミラー本体の鏡面への雨滴の付着をより一層抑制することもできる。
(III)本発明の請求項3に記載の発明によれば、ミラーハウジングに対しカバーを嵌合して取り付け得るように構成したことにより、ミラーハウジングとカバーとの組み付けを容易化することができ、ミラーハウジングとカバーとの組み付け作業性の向上を図ることができる。
本発明を実施する形態の一例を示す斜視図である。 図1のII−II矢視の断面図である。 括れ部の角度や寸法に関する具体的な条件を説明する模式図である。 図2の要部を拡大して示す詳細図である。 従来のサイドミラーの装備状態を説明する車両の正面図である。 図5のVI−VI矢視の断面図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
図1に示す如く、ここに図示している車両用のサイドミラー9(図1中では右斜め上方が車両前方を、左斜め下方が車両後方を示している)においては、ミラー本体10周囲を囲むミラーハウジング11と、該ミラーハウジング11の前方部分を覆うカバー12とによりミラーボデー13が分割構成されており、前記ミラーハウジング11には、ミラー本体10周囲で後方に張り出す庇部14が形成され、該庇部14の外側面には、内側に反る窪み形状を有して後方に向かうにつれミラー本体10側に窄まる括れ部15が形成されている。尚、図1では、メインミラーを成すミラー本体10の下段に、サブミラー16を付帯装備させた場合を例示している。
ここで、図2に断面で示しているように、ミラーハウジング11とカバー12との分割位置は、括れ部15の前端に設定される最外形部17(最も外側へ張り出す稜線部)より前方に設定されており、車室内から見た時にミラーハウジング11とカバー12との分割位置が最外形部17より前方の目立たない位置となるようにしてある。
更に、図3に図2中の右側の括れ部15について模式的に示している通り、前記ミラーハウジング11における庇部14の外側面に形成された括れ部15は、図3中の走行方向に沿う基準線Aに対し、前記最外形部17を成す前端から約10゜以上の角度でミラー本体10側に入り込み、その窪み形状が約0.5〜3mm程度の深さとなり、前記括れ部15における前端の張り出し位置から後端の入り込み位置までのオフセット量が約2〜10mm程度となるようにしてある。
また、前記ミラーハウジング11における最外形部17より前方の部分は、前記基準線Aに対し約5〜45゜の角度で内側に傾斜してカバー12の流線形のカーブに連続するようになっており、ミラーハウジング11とカバー12との組み付けは、ミラーハウジング11に対しカバー12をインロー式に嵌合して取り付け得るようにしてある(図2参照)。
尚、前記ミラー本体10は、先の先行技術文献(特開2009−67293号公報)にも周知技術として説明されている通り、ミラーボデー13内のフレーム18に対し図示しない球面座を介して鏡面角度を調整できるように支持されており、前記ミラーハウジング11は、前記フレーム18に対し、図2の断面とは異なる位置で組み付けられている。また、前記ミラーハウジング11は、ガスインジェクション成形により前記庇部14の内部に中空部19を持った射出成形品として成形され、樹脂が厚肉となって表面品質を悪化させないようにしている。
而して、このようにすれば、図4に拡大して示す如く、雨天走行時にミラーボデー13に付着した雨滴6が走行風7によりミラーボデー13の側面を後方に流れても、庇部14の括れ部15で負圧部8が形成されて雨滴6が前記庇部14の側面に留められ、ここで成長して大きくなったところで自重により流下、若しくは、走行風7により吹き飛ばされる結果となり、雨滴6がミラー本体10側に巻き込まれて鏡面に付着する事態が未然に回避される。
また、本形態例においては、ミラーボデー13を、ミラー本体10周囲を保持するミラーハウジング11と、該ミラーハウジング11の前方部分を覆うカバー12とにより構成し、括れ部15の前端に設定される最外形部17より前方に前記ミラーハウジング11とカバー12との分割位置を設定するようにしているので、車室内から見た時にミラーハウジング11とカバー12との分割位置が最外形部17より前方の目立たない位置となり、見栄えを悪化させることなくミラーハウジング11とカバー12とによる分割構造を採用することが可能となる。しかも、ミラーハウジング11とカバー12との分割位置の溝や段差は、雨滴6を流下させるガイドとしても機能するので、括れ部15まで到る雨滴6を減らすことが可能となる。
従って、上記形態例によれば、運手走行時に庇部14の括れ部15に負圧部8を形成して雨滴6を留め、ミラー本体10の鏡面への雨滴6の付着を大幅に抑制することができるので、鏡面が雨滴6により見えづらくなって後方確認が難しくなるという事態を著しく改善することができ、乗員の後方視認性の大幅な向上を図ることができる。
また、見栄えを悪化させることなくミラーハウジング11とカバー12とによる分割構造を採用することができるので、庇部14の外側面に括れ部15を持つミラーボデー13を無理のない金型で容易に製作することができ、しかも、ミラーハウジング11とカバー12との分割位置の溝や段差を雨滴6を流下させるガイドとして機能させることで括れ部15まで到る雨滴6を減らし、ミラー本体10の鏡面への雨滴6の付着をより一層抑制することができる。
更に、ミラーハウジング11に対しカバー12を嵌合して取り付け得るように構成したことにより、ミラーハウジング11とカバー12との組み付けを容易化することができ、ミラーハウジング11とカバー12との組み付け作業性の向上を図ることができる。
尚、本発明の車両用サイドミラー構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、トラック以外の車両に適用しても良いこと、また、アンダーミラーは必ずしも併用しなくて良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
9 サイドミラー
10 ミラー本体
11 ミラーハウジング
12 カバー
13 ミラーボデー
14 庇部
15 括れ部
17 最外形部

Claims (3)

  1. ミラー本体をミラーボデーにより抱持した車両用サイドミラー構造において、前記ミラーボデーのミラー本体周囲で後方に張り出す庇部の外側面に、内側に反る窪み形状を有して後方に向かうにつれミラー本体側に窄まる括れ部を形成したことを特徴とする車両用サイドミラー構造。
  2. ミラーボデーを、ミラー本体周囲を囲んで庇部を成すミラーハウジングと、該ミラーハウジングの前方部分を覆うカバーとにより分割構成し、括れ部の前端に設定される最外形部より前方に前記ミラーハウジングとカバーとの分割位置を設定したことを特徴とする請求項1に記載の車両用サイドミラー構造。
  3. ミラーハウジングに対しカバーを嵌合して取り付け得るように構成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用サイドミラー構造。
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