JP2012165653A - 発芽玄米粉の製造方法及びその発芽玄米含有食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれない発芽玄米粉の製造方法及びその発芽玄米含有食品の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の発芽玄米粉の製造方法は、玄米Aを根が生えない程度に発芽させる玄米発芽工程aと、玄米発芽工程aにて発芽した発芽玄米Aaをα化が促進される水分量に乾燥する玄米乾燥工程bと、玄米乾燥工程bにて乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を加圧及び焙焼してα化する加圧焙焼工程cと、加圧焙焼工程cにてα化したα化発芽玄米Abを粉末状に粉砕する玄米粉砕工程dと、玄米粉砕工程dにて粉砕したα化発芽玄米粉Acを米粉Rと混合する原料混合工程eとを備えている。上述の製造方法で製造した小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれないα化発芽玄米粉Acを用いて、良好な食感、香味、食味を有する小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能なパン製品Fを製造する。
【選択図】図1

Description

この発明は、穀類として実質的に米粉のみを原料とし、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれない発芽玄米粉の製造方法及びその発芽玄米含有食品に関する。
従来、上述の小麦粉が含まれる食品としては、食品工業界において様々な食感を有する多種の加工食品が提供されている。しかし、小麦粉アレルギーの患者にとって、小麦粉が含まれる食品を摂取すると小麦粉アレルギーを発症するため、小麦粉が含まれない食品のみに制限される。
そこで、小麦粉を用いずに食品を製造しようとすると、小麦粉に含まれるグルテンの特性を利用することができず、成形性に欠け、また、得られる食品の食感及び外観が悪くなる。また、小麦粉に含まれるグルテン自体を添加することにより、得られる食品の食感を良好なものとすることができるが、グルテン自体が小麦粉アレルギーの原因物質であるとされており、小麦粉アレルギーの発症を防止することができない。
上述のアレルギー患者でも摂取することが可能な原料粉及び食品としては、例えば原料に供する乾燥発芽玄米を湿熱処理して乾燥させた発芽玄米粉及びその加工食品が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1には、乾燥発芽玄米を蒸気温度98℃〜180℃で3秒〜30分間処理することが開示されている。つまり、蒸気温度が98℃以下に低くなるとα化に要する時間が長くなるが、180℃以上に高くなるとα化が進み過ぎるため、α化に適した加熱温度に保つことが難しい。さらに、処理時間が3秒以下に短くなるとα化にムラが生じやすくなるが、処理時間が30分以上に長くなると発芽玄米のα化が進行し過ぎるため、適切な処理時間を維持することが難しく、良好な食感を有する食品が得ることができない。
特開2002−345422号公報
この発明は、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれない発芽玄米粉の製造方法及びその発芽玄米含有食品を提供することを目的とする。
この発明は、原料に供する発芽玄米を加圧焙焼手段により加圧及び焙焼して香味付けした後、該加圧焙焼済みの発芽玄米を玄米粉砕手段により粉末状に粉砕して製造する発芽玄米粉の製造方法であることを特徴とする。
上述の発芽玄米粉の製造方法によれば、例えば根が生えない程度に発芽させた発芽玄米を、加圧焙焼手段により所定の圧力及び温度にて焙焼する。この後、加圧焙焼済みの発芽玄米を玄米粉砕手段により粉末状に粉砕して製造する。
これにより、良好な香りと味に香味付けされた発芽玄米粉を得ることができるとともに、例えばベイカリー製品、菓子製品、麺製品等の食品を製造するための原料として用いることができる。
この結果、上述の発芽玄米粉を原料に用いて、例えばベイカリー製品、菓子製品、麺製品等の所望する食品に加工することにより、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉(特にグルテン)が含まれず、小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能な発芽玄米含有食品を製造することができる。
この発明の態様として、前記発芽玄米を玄米乾燥手段によりα化が促進される水分量に乾燥した後、該発芽玄米を前記加圧焙焼手段により加圧及び焙焼してα化することができる。
上述の玄米乾燥手段によりα化が促進される水分量に乾燥した発芽玄米を、前記加圧焙焼手段により加圧及び焙焼してα化するので、焙焼時において高い温度及び短い時間にて加熱すれば、加熱温度が高くても加熱時間が短いため、α化完了までに発芽玄米の含有水分量がα化阻害量に減少することがなく、該発芽玄米が含有する水分を利用して確実にα化することができる。
これにより、上述のような種々の食品を製造するのに適した成形性及び食感、香味、食味を有し、かつ、粘性及び粘弾性に優れたα化した発芽玄米を得ることができる。
この結果、α化した発芽玄米を原料として、良好なもちもち感、ふっくら感を有する発芽玄米含有食品を製造することができる。
また、焙焼前の発芽玄米を加熱してα化した際、発芽玄米に含まれるグルタミン酸を、例えばγ−アミノ酪酸、必須アミノ酸等に変化させるとともに、その含量増大や富化を図ることができる。
また、この発明の態様として、前記加圧焙焼手段により加圧する際の圧力を、約5kg/cm〜約10kg/cmの範囲に含まれる圧力に設定し、該加圧焙焼手段により焙焼する際の温度を、約250℃〜約300℃の範囲に含まれる温度に設定し、該加圧焙焼手段により加圧及び焙焼する際の時間を、約3秒〜約10秒の範囲に含まれる時間に設定して、前記発芽玄米を加圧及び焙焼することができる。
上述の玄米乾燥手段にてα化が促進される水分量に乾燥した発芽玄米を、加圧焙焼手段により所定の圧力(例えば約5kg/cm〜約10kg/cmの範囲に含まれる圧力、好ましくは7kg/cm)で加圧し、所定の温度(例えば約250℃〜約300℃の範囲に含まれる温度、好ましくは270℃)で焙焼し、かつ、所定の時間(例えば約3秒〜約10秒の範囲に含まれる時間、好ましくは5秒)にて加圧及び焙焼する。
上述のα化が促進される水分量に乾燥した発芽玄米を、上述の範囲に含まれる圧力、温度、時間にて加圧及び焙焼するので、α化及び香味付けに要する処理時間が短くて済み、発芽玄米粉の製造コストを低減することができる。
この結果、上述のような種々の食品を製造するのに適した成形性及び食感、香味、食味を有し、かつ、粘性及び粘弾性に優れた原料用の発芽玄米粉を、安価に製造することができる。
なお、玄米乾燥手段にて乾燥した際の発芽玄米に含まれる水分量、加圧焙焼手段にて加圧及び焙焼する際の圧力、温度、時間を、食品加工手段にて製造される種々の食品に応じて変更してもよい。これにより、食品の製造に用いられる原料用の発芽玄米粉を所望するα化度合いに調整することができる。
また、この発明の態様として、前記発芽玄米粉を、別の製造方法にて製造された米粉に対し原料混合手段により所望する割合にて均一に混合することができる。
上述の発芽玄米粉を、原料混合手段により別の製造方法にて製造された米粉に対し所望する割合にて均一に混合することにより、例えばベイカリー製品、菓子製品、麺製品等の食品を製造するのに適した成形性及び良好な食感、香味、食味を有する原料粉が得られる。
すなわち、発芽玄米粉及び米粉を混合した混合粉全体の総量を100%とした場合、米粉に混合される発芽玄米粉の割合を、約5%〜約20%の範囲に含まれる割合、好ましくは約10%混合する。
発芽玄米粉の割合が約5%以下であると、成形性に欠け、得られる食品の食感及び外観が悪くなる。また、発芽玄米粉の割合が約20%以上であると、原料費が高く、食品の製造コストが嵩むことになる。このため、好ましくは約10%が最適である。
この結果、例えばベイカリー製品、菓子製品、麺製品等の食品を製造するのに適した成形性及び食感、香味、食味を有する発芽玄米粉を得ることができる。
また、この発明は、前記製造方法にて製造された前記発芽玄米粉を用いて食品加工手段により所望の食品に加工した発芽玄米含有食品であることを特徴とする。
上述の発芽玄米粉を原料として、例えばベイカリー装置(製パン装置を含む)、製菓装置、製麺装置等の食品加工手段により所望する食品(例えばベイカリー製品、菓子製品、麺製品等)に加工する。
これにより、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉(特にグルテン)が含まれず、良好な食感、香味、食味を有する小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能な発芽玄米含有食品を製造することができる。
前記発芽玄米は、収穫された玄米を、例えば水耕栽培等の一般的な栽培方法により根が生えない程度に発芽させたものである。すなわち、玄米を発芽させることにより、玄米に含有される例えばタンパク質、ビタミン、ミネラル、γ−アミノ酪酸(GABA:ギャバ)等の栄養素を、通常の玄米に含有される量の数倍から数十倍に増大或いは富化することができる。
玄米乾燥手段は、例えば乾燥した熱風を吹き付ける送風装置、或いは、遠赤外線を照射する遠赤外線照射源等の玄米乾燥装置で構成することができる。また、加圧焙焼手段は、例えば一対の下型及び上型と、各型を加熱する加熱装置と、一方の型或いは両方の型を相対移動する移動装置とを備えた加圧焙焼装置等で構成することができる。
玄米粉砕手段は、例えば玄米を粉末状に粉砕する粉砕装置や粉砕機等の玄米粉砕装置で構成することができる。また、原料混合手段は、例えば混練装置、捏和装置等の複数種の原料を均一に混合する機器や装置で構成することができる。
また、食品加工手段は、例えばパン、ワッフル、ビスケット等のベイカリー製品を製造するベイカリー装置(製パン装置を含む)、ケーキやドーナツ、チョコレート等の菓子製品を製造する製菓装置、うどんやラーメン等の麺製品を製造する製麺装置等で構成することができる。
この発明によれば、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれない発芽玄米粉を用いて、良好な食感、香味、食味を有する小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能な発芽玄米含有食品を製造することができる。
発芽玄米粉の製造方法を示す工程図。 玄米発芽装置による玄米の発芽方法を示す平面図。 玄米乾燥装置による発芽玄米の乾燥方法を示す正面図。 加圧焙焼装置による発芽玄米の加圧焙焼方法を示す正面図。 玄米粉砕装置による発芽玄米の粉砕方法を示す正面図。 原料混合装置による発芽玄米粉及び米粉の混合方法を示す正面図。 製菓装置による菓子製造方法及び製麺装置による麺製造方法を示す工程図。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1はα化発芽玄米粉Acの製造方法を示す工程図、図2は玄米発芽装置10による玄米Aの発芽方法を示す平面図、図3は玄米乾燥装置20による発芽玄米Aaの乾燥方法を示す正面図、図4は加圧焙焼装置30によるα化発芽玄米Abの加圧焙焼方法を示す正面図、図5は玄米粉砕装置40によるα化発芽玄米Abの粉砕方法を示す正面図、図6は原料混合装置50によるα化発芽玄米粉Ac及び米粉Rの混合方法を示す正面図である。
本実施形態における発芽玄米粉の製造方法は、収穫した玄米Aを玄米発芽装置10により根が生えない程度に発芽させる玄米発芽工程aと、玄米発芽工程aにて発芽した発芽玄米Aaをα化(糊化)が促進される水分量に乾燥する玄米乾燥工程bと、玄米乾燥工程bにて乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を加圧及び焙焼してα化する加圧焙焼工程cと、加圧焙焼工程cにてα化したα化発芽玄米Abを粉末状に粉砕する玄米粉砕工程dと、玄米粉砕工程dにて粉砕したα化発芽玄米粉Acを別の製造方法にて製造した米粉Rに対し混合する原料混合工程eとを備えている。
また、上述の製造方法にて製造したα化発芽玄米粉Acは、原料混合工程eの後段に配置した食品化工程fにおいて、発芽玄米含有食品の一例であるパン製品Fに加工及び製造される。
玄米発芽工程aは、玄米Aを根が生えない程度に発芽させるための玄米発芽装置10を備えている。また、玄米発芽装置10は、玄米Aが発芽するのに適した環境(温度、湿度、光量等)を維持するための構成及び機能を備えている。
つまり、収穫した玄米Aを、栽培容器11に収容したスポンジ状の培地12に播種し、培地12に吸収させた栽培に適した種類の肥料が所定量含まれる栽培水を玄米Aに与えて栽培する(図2の[a]参照)。これにより、根が生えない程度に発芽した発芽玄米Aaを栽培する(図2の[b]参照)。
なお、玄米発芽装置10は、玄米Aが発芽するのに適した環境(温度、湿度、光量等)を維持するための機能を備えた装置或いは施設で構成することができる。
玄米乾燥工程bは、玄米発芽工程aにて発芽された加圧焙焼前の発芽玄米Aaをα化(糊化)が促進される水分量に乾燥するための玄米乾燥装置20を備えている。また、玄米乾燥装置20は、発芽玄米Aaをα化が促進される水分量(α化促進水分量)に乾燥するための構成及び機能を備えている。
つまり、玄米乾燥装置20は、25℃〜30℃の範囲に含まれる低い温度に加熱され、約10%〜約20%の範囲に含まれる水分量に乾燥した熱風Hを吹き付けるための送風機21を備え、送風機21から送風される熱風Hを、加圧焙焼前の発芽玄米Aaに対しほぼ均等に吹き付ける(図3参照)。
すなわち、送風機21から送風される熱風Hの熱により発芽玄米Aaを加熱するとともに、発芽玄米Aaに含まれる水分を蒸発気化してα化が促進される水分量(約13%〜約16%の範囲に含まれる水分量、好ましくは約14.5%)に乾燥処理する。
これにより、α化が促進される水分量(約14.5%)に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を得ることができる。
加圧焙焼工程cは、玄米乾燥工程bにてα化促進水分量に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を加圧及び焙焼するための加圧焙焼装置30を備えている。また、加圧焙焼装置30は、α化促進水分量に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を加圧及び焙焼してα化する機能を備えている。
また、加圧焙焼装置30は、互いに合致する大きさ及び形状に形成した一対の下型31及び上型32と、該型31,32を加熱する加熱装置33と、一方の上型32或いは両方の型31,32を移動する移動装置34とで構成している(図4参照)。
下型31の上側加熱面には、上方から見て丸形状の凹部31aを前後方向及び左右方向に対し所定間隔を隔てて複数配置している。また、上型32の下側加熱面には、下方から見て円柱状の凸部32aを上述の凹部31aと対応する位置及び間隔を隔てて複数配置している。
下型31の凹部31aは、内径45mm、深さ10mmに形成している。一方、上型32の凸部32aは、上述の凹部31aと合致する外径及び高さに形成している。
加熱装置33は、例えばガスバーナー、電熱ヒーター等で構成され、下型31の下方に配置している。また、加熱装置33は、下型31の全体を約250℃〜300℃の範囲に含まれる温度に加熱するとともに、下型31の熱伝導により上型32の全体をほぼ同一温度に加熱する。
移動装置34は、例えば油圧シリンダ、空気圧シリンダ等で構成され、上型32の上方に配置している。また、移動装置34は、下型31の上方に配置した上型32を、下型31の凹部31aと上型32の凸部32aとが互いに対向する位置へ水平移動するとともに、下型31の凹部31aと上型32の凸部32aとが互いに嵌合する方向へ垂直移動する。なお、下型31及び上型32を、上述の移動装置34により相対移動してもよい。
つまり、加圧焙焼装置30は、α化が促進される水分量に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を下型31の凹部31aに投入した後、上型32の凸部32aを下型31の凹部31aに嵌合して、下型31の凹部31aに投入された乾燥発芽玄米Aa1を所定の圧力で加圧及び所定の温度で加熱し、かつ、所定の時間だけ加圧及び焙焼して加圧焙焼処理する。
これにより、乾燥発芽玄米Aa1が含有するα化に適した微量の水分を利用して、乾燥発芽玄米Aa1を確実にα化することができる。この結果、後述するパン製品Fを製造するのに適した成形性及び食感、香味、食味を有するα化したα化発芽玄米Abを得ることができる。
玄米粉砕工程dは、加圧焙焼工程cにて加圧及び焙焼されたα化発芽玄米Abを粉末状に粉砕するための玄米粉砕装置40を備えている。また、玄米粉砕装置40は、α化発芽玄米Abを粉末状に粉砕するための構成及び機能を備えている。
つまり、玄米粉砕装置40は、ホッパ41に投入されたα化発芽玄米Abを、該装置内部に配置した粉砕刃42の回転により粉末状に粉砕処理する。
これにより、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉(特にグルテン)が含まれず、食感、香味、食味が良好で、粘性及び粘弾性に優れたα化発芽玄米粉Acを得ることができる(図5参照)。
原料混合工程eは、上述の製造方法にて製造されたα化発芽玄米粉Ac、或いは、該α化発芽玄米粉Acに他の原料粉を混合するための原料混合装置50を備えている。この原料混合装置50は、α化発芽玄米粉Ac或いは該α化発芽玄米粉Acに他の原料粉を所望する割合にて均一に混合するための構成及び機能を備えている。
つまり、原料混合装置50は、ホッパ51に投入されたα化発芽玄米粉Acと、該α化発芽玄米粉Ac以外の原料粉の一例として別の製造方法にて製造された米粉Rとを、該装置内部に配置した撹拌羽根52の回転により所望する割合にて均一に混合する(図6参照)。
これにより、ベイカリー製品の一例であるパン製品Fに応じた食感、香味、食味を有するα化発芽玄米粉Acを用いて、パン製品Fを製造するのに適した水分量、粘性及び粘弾性のパン用原料粉RAcを得ることができる。
本実施形態において、上述のα化発芽玄米粉Acと米粉Rの総量を10割とした場合、α化発芽玄米粉Acと米粉Rの混合比を、1:9の割合にて均一に混合する。すなわち、総量を100%とした場合、約10%:約90%の比率で混合する。
しかし、上述の割合のみに限定されるものではなく、α化発芽玄米粉Acの割合を1割以下或いは1割以上に変更し、これに対応して、米粉Rの割合を9割以下或いは9割以上に変更してもよい。
食品化工程fは、原料混合工程eにて混合されたパン用原料粉RAcを原料に用いて、ベイカリー製品の一例であるパン製品Fに加工するベイカリー装置FAを備えている。
また、ベイカリー装置FAは、既に市販されている装置で構成され、上述のα化発芽玄米粉Acと米粉Rとを混合してなるパン用原料粉RAcを用いてパン製品Fに加工するための構成及び機能を備えている。
つまり、ベイカリー装置FAは、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれないα化発芽玄米粉Acと、別の製造方法にて製造された米粉Rとを1:9の割合にて均一に混合してなるパン用原料粉RAcを用いて、発芽玄米含有のパン製品Fを製造する。
上述のα化発芽玄米粉Acの製造方法、及び、α化発芽玄米粉Acを用いてパン製品Fを製造する製造方法を説明する。
先ず、玄米発芽工程aにおいて、収穫した玄米Aを、栽培場所(図示せず)に設置した玄米発芽装置10により所定期間(数日)だけ水耕栽培して根が生えない程度に発芽させる(図2の[a][b]参照)。
次に、玄米乾燥工程bにおいて、玄米発芽工程aにて発芽させた発芽玄米Aaに対し、玄米乾燥装置20の送風機21から送風される熱風Hをほぼ均等に吹き付ける(図3参照)。
すなわち、発芽玄米Aaを熱風Hの熱により加熱するとともに、発芽玄米Aaに含まれる大半の水分を蒸発気化させて、α化が促進される約14.5%の含有水分量に乾燥処理する。
これにより、α化が促進される水分量に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を得ることができる。また、発芽玄米Aaに含まれるグルタミン酸をγ−アミノ酪酸、必須アミノ酸に変化させるとともに、その含量増大や富化を図ることができる。
次に、加圧焙焼工程cにおいて、玄米乾燥工程bにてα化が促進される水分量に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を、加圧焙焼装置30に備えられた下型31の凹部31aに対しそれぞれ所定量投入する。
この後、移動装置34により下型31と上型32を互いに対向する位置へ水平移動するとともに、互いに嵌合する方向へ水平移動させ、上型32の凸部32aを下型31の凹部31aにそれぞれ嵌合する。
下型31の凹部31aに投入した乾燥発芽玄米Aa1を、下型31の凹部31aと上型32の凸部32aにより約5kg/cm〜約10kg/cmの範囲に含まれる圧力、好ましくは7kg/cmの圧力にて均等に加圧する。
また、加熱装置33により約250℃〜約300℃の範囲に含まれる温度、好ましくは270℃の高温で均一に加熱する。かつ、約3秒〜約10秒の範囲に含まれる加熱時間、好ましくは5秒間加熱する(図4参照)。
つまり、玄米乾燥工程bにてα化が促進される水分量に乾燥した乾燥発芽玄米Aa1を、加圧焙焼工程cにおいて7kg/cmの圧力で加圧及び270℃の温度で加熱し、かつ、5秒間だけ加圧及び焙焼して、α化及び香味付けする。
加圧焙焼時において高い温度及び短い時間にて加熱すれば、加熱温度が高くても加熱時間が短いため、α化完了までに乾燥発芽玄米Aa1の含有水分量がα化阻害量に減少することがなく、乾燥発芽玄米Aa1が含有する微量の水分を利用して該発芽玄米Aaを確実にα化することができる。
すなわち、加圧焙焼処理によって、良好な香りと味に香味付けすることができるとともに、後述するパン製品Fを製造するのに適した成形性及び食感、食味を有し、かつ、粘性及び粘弾性に優れたα化発芽玄米Abを得ることができる。
次に、玄米粉砕工程dにおいて、加圧焙焼工程cにて加圧及び焙焼したα化発芽玄米Abを、玄米粉砕装置40により粉末状に粉砕して、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれないα化発芽玄米粉Acを製造する(図5参照)。
本実施形態では、発芽玄米含有食品の一例であるパン製品Fの原料として、小麦粉が含まれないα化発芽玄米粉Acと、別の製造方法にて製造された米粉Rとを所望する割合で混合して、パン用原料粉RAcとして使用する。
次に、原料混合工程eにおいて、玄米粉砕工程dにて粉砕された粉末状のα化発芽玄米粉Acと、別の製造方法にて製造された米粉Rとを、原料混合装置50によりおよそ1:9の割合にて均一に混合する。
これにより、ベイカリー製品の一例であるパン製品Fを製造するのに適した食感、香味、食味を有し、かつ、粘性及び粘弾性に優れたパン用原料粉RAcを製造することができる(図6参照)。
次に、食品化工程fにおいて、原料混合工程eにて混合されたパン用原料粉RAcを用いて、ベイカリー装置FAにより小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれないパン製品Fに加工及び製造する。
これにより、小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能な発芽玄米含有のパン製品Fを製造することができる。
以上のように、小麦粉アレルギーの原因物質である小麦粉が含まれないα化発芽玄米粉Acを用いて、良好な食感、香味、食味を有する小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能な発芽玄米含有のパン製品Fを製造することができる。
次に、上述のパン製品F以外の発芽玄米含有食品を製造する製造方法の他の例を説明する。
図7は製菓装置FBにより菓子製品Fを製造する製造方法と、製麺装置FCにより麺製品Fを製造する製造方法を示す工程図である。なお、同図は、食品化工程fより前段の工程a〜eを省略し、該食品化工程fより後段の工程のみを説明するものである。
食品化工程fに備えられた製菓装置FBは、上述のα化発芽玄米粉Ac或いは該α化発芽玄米粉Acに米粉Rを混合してなる混合米粉を製菓用原料として、発芽玄米含有の菓子製品Fを製造する。
また、製麺装置FCは、上述のα化発芽玄米粉Ac或いは該α化発芽玄米粉Acに米粉Rを混合してなる混合米粉を製麺用原料として、発芽玄米含有の麺製品F3を製造する。
これにより、パン製品F以外に、小麦粉アレルギーの患者でも喫食することが可能な菓子製品Fや麺製品Fを製造することができ、前記実施形態と略同等の作用及び効果を奏することができる。
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の発芽玄米粉は、実施形態のα化発芽玄米粉Acに対応し、
以下同様に、
発芽玄米含有食品は、パン製品F、菓子製品F、麺製品Fに対応し、
玄米乾燥手段は、玄米乾燥装置20に対応し、
加圧焙焼手段は、加圧焙焼装置30に対応し、
玄米粉砕手段は、玄米粉砕装置40に対応し、
原料混合手段は、原料混合装置50に対応し、
食品加工手段は、ベイカリー装置FA、製菓装置FB、製麺装置FCに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば玄米乾燥工程bにて乾燥した際の発芽玄米Aaに含まれる水分量と、加圧焙焼工程bにて加圧及び焙焼する際の圧力、温度、時間を、食品化工程fにて製造される種々の食品に応じて変更してもよい。
これにより、食品の製造に用いられる原料用の発芽玄米Aaを、食品に応じて所望するα化度を調整することができる。そのα化度に応じて、原料粉の粘性及び粘弾性、或いは、食品のもちもち感、ふっくら感等の食感を調整することができる。
熱風Hの温度を、例えば25℃以下或いは30℃以上の所望する温度に変更してもよい。また、発芽玄米Aaの水分量を14.5%以下或いは14.5%以上となるように調整してもよい。
また、上述の移動装置34に代わる他の移動手段として、例えばネジ軸と、モータとを備えたモータ式移動装置で構成してもよい。
A…玄米
Aa…発芽玄米
Aa1…乾燥発芽玄米
Ab…α化発芽玄米
Ac…α化発芽玄米粉
R…米粉
RAc…パン用原料粉
FA…ベイカリー装置
…パン製品
FB…製菓装置
…菓子製品
FC…製麺装置
…麺製品
10…玄米発芽装置
20…玄米乾燥装置
30…加圧焙焼装置
40…玄米粉砕装置
50…原料混合装置

Claims (5)

  1. 原料に供する発芽玄米を加圧焙焼手段により加圧及び焙焼して香味付けした後、該加圧焙焼済みの発芽玄米を玄米粉砕手段により粉末状に粉砕して製造することを特徴とする
    発芽玄米粉の製造方法。
  2. 前記発芽玄米を玄米乾燥手段によりα化が促進される水分量に乾燥した後、該発芽玄米を前記加圧焙焼手段により加圧及び焙焼してα化する
    請求項1に記載の発芽玄米粉の製造方法。
  3. 前記加圧焙焼手段により加圧する際の圧力を、約5kg/cm〜約10kg/cmの範囲に含まれる圧力に設定し、該加圧焙焼手段により加熱する際の温度を、約250℃〜約300℃の範囲に含まれる温度に設定し、該加圧焙焼手段により加圧及び焙焼する際の時間を、約3秒〜約10秒の範囲に含まれる時間に設定して、前記発芽玄米を加圧及び焙焼する
    請求項1又は2に記載の発芽玄米粉の製造方法。
  4. 前記発芽玄米粉を、別の製造方法にて製造された米粉に対し原料混合手段により均一に混合する
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の発芽玄米粉の製造方法。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか一つに記載の製造方法にて製造された前記発芽玄米粉を用いて食品加工手段により所望の食品に加工したことを特徴とする
    発芽玄米含有食品。
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