JP2012163764A - 画像形成装置 - Google Patents

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太一 浦山
Masanori Kawasumi
正則 川隅
Hideyo Watanabe
英世 渡辺
Ichiro Kadota
一郎 門田
Kenichi Taguma
健一 田熊
Kosuke Yamamoto
幸輔 山本
Tetsuhito Ueda
哲人 上田
Sho Sekiguchi
翔 関口
Kunio Hasegawa
邦雄 長谷川
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Abstract

【課題】 像担持体の摩耗、フィルミング現象、帯電部材の汚染及びトナーすり抜けを経時に亘って防止することができ、良好な品質の画像を長期間に亘って安定して形成することができると共に、保護剤の供給量を必要最小限に抑えてコストダウンを図ることができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 装置本体1aと、像担持体(感光体ドラムY)と、帯電部材(帯電ローラ31a)と、クリーニング部材(クリーニングブレード33a)と、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有する保護剤ブロック34aと、発泡体ローラ34bと、この発泡体ローラ34bを像担持体(感光体ドラムY)へ付勢する付勢部材を備えた画像形成装置(複写機1)において、装置本体1a外の外気温を測定する外気温測定手段(外気温センサ)を設け、この外気温測定手段(外気温センサ)で測定した外気温に応じて、発泡体ローラ34bの像担持体(感光体ドラムY)への食い込み量を調整する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プリンタ、ファクシミリ、コピー機、これらの複合機等の静電気力を利用した電子写真方式の画像形成装置に関し、詳しくは、電子写真方式の画像形成装置において、像担持体に保護剤を供給する保護剤供給の技術に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置では、像担持体として外周表面に光導電性物質の層が形成された感光体上に静電荷により潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電させたトナー粒子を付着させてトナー像とすることにより可視像化している。このトナー像は、用紙(材質を問わずコピー用紙、樹脂シート、厚紙、ハガキなど、表面に転写されたトナー像を定着可能なシート状の部材を指す。以下同じ)に転写された後、熱と圧力を加えられて定着されて出力画像が形成される。
このようなは電子写真方式の画像形成装置は、トナー粒子を帯電させる方法により、トナー粒子とキャリア粒子の撹拌・混合による摩擦帯電を用いる、いわゆる二成分現像方式と、キャリア粒子を用いずにトナー粒子への電荷付与を行う、いわゆる一成分現像方式とに大別される。また、この一成分現像方式の画像形成装置は、現像ローラへのトナー粒子の保持に磁気力を使用するか否かにより、磁性一成分現像方式、非磁性一成分現像方式に更に分類される。
これまで、高速性、画像再現性を要求される複写機やこれをベースとした複合機等では、トナー粒子帯電の安定性、立ち上がり性、画像品質の長期的安定性等の要求から、二成分現像方式が多く採用され、省スペース性、低コスト化等の要求が大きい、小型のプリンタ、ファクシミリ等には、一成分現像方式が多く採用されてきていた。
また、特に昨今、出力画像のカラー化が進み、画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求がこれまでにも増して強くなっており、高画質化の要求により、トナーの平均粒径が小さくなり、その粒子形状も角張った部分がなくなり、より丸い形状となる傾向が強くなっている。
前述のように、電子写真方式による画像形成装置では、前述の現像方式の違いによらず、像担持体であるドラム形状やベルト形状となっている感光体を回転させつつ一様に帯電する帯電工程を経た後、この感光体の表面にレーザ光線により潜像パターンを形成し、これを現像装置によりトナー像に可視像化する現像工程を行って、更にこのトナー像を用紙の上に転写する転写工程を行っており、この転写工程において転写されなかったトナー成分が感光体表面に付着したまま残存する場合がある。
これらの残存物が、そのまま帯電工程に搬送されると、帯電工程において感光体の均等な帯電を阻害するため、一般的な画像形成装置では、転写工程を経た後に、感光体表面に残存するトナー成分を除去するクリーニング工程を帯電工程前に実行している。
このクリーニング工程では、感光体表面にクリーニングブレードを当接して残存するトナー成分を除去することが一般的であるため、像担持体である感光体やクリーニング部材であるクリーニングブレードに物理的なストレスが掛かっている。
また、帯電工程でも、同様に、像担持体や帯電部材に電気的ストレスが掛かっており、像担持体、帯電部材、クリーニング部材が、このようなクリーニング工程や帯電工程における物理的ストレスや電気的ストレスのため劣化してしまうという問題がある。
この問題を解消すべく、従来、像担持体、帯電部材、クリーニング部材の劣化を低減させるため像担持体の表面に保護剤の被膜を形成する保護剤形成装置が種々提案されている。例えば、特許文献1には、感光体やクリーニングブレードの寿命を延ばすため、像担持体である感光体表面にステアリン酸亜鉛を主成分とする固体潤滑剤を供給し感光体表面に潤滑皮膜を形成することにより、像担持体表面の摩耗を抑え、像担持体の寿命を伸ばすことができる静電写真表面処理装置が開示されている(特許文献1の第2図等参照)。
また、特許文献2には、感光体ベルト1又は中間転写ベルト10などの像担持体の表面に当接するブラシローラ82と、このブラシローラ82に付勢されたバー状の固形潤滑剤81と、ブラシローラ82で削り取られて像担持体表面に塗布された固形潤滑剤81を押し均す潤滑剤均しブレード85と、を備え、像担持体の表面に塗布された潤滑剤を押し均して、その表面に厚みの均一な潤滑剤層を形成することができる画像形成装置が開示されている(特許文献2の図3等参照)。
しかし、このような特許文献1や特許文献2に記載の画像形成装置では、固形潤滑剤をバネでブラシローラ方向へ押圧する構成であるため、固形潤滑剤が削れていくに従ってバネの付勢力が低下していき、必然的に、像担持体表面に供給される潤滑剤の量も低下していくので、経時的に像担持体の表面を十分に保護することができなくなるという問題がある。
このような問題を解決する方策として、特許文献3には、固形潤滑剤162をブラシローラ161方向へ押圧する押圧機構163の潤滑剤保持部材162Aの両端付近に、取付位置163Bを回動中心として回動自在な可動部材163Aを設け、それをバネ163Cで加圧することによって、固形潤滑剤162が削れていく経時においても、同じ加圧力を保つことができる潤滑剤塗布装置16及びそれを備えた画像形成装置であるプリンタ1が開示されている(特許文献3の図1等参照)。
しかし、像担持体に掛かるストレスは、前述のようにクリーニング工程から受けるものばかりではなく、帯電工程から受けるものもあり、特許文献3に記載の画像形成装置(プリンタ1)では、電気的ストレスについての考慮がなされていない。この電気的ストレスは、像担持体表面近傍での放電現象を伴う、接触帯電方式や近接帯電方式で顕著であり、これらの帯電方式が採用された画像形成装置では、像担持体の表面で多くの活性種や反応生成物が発生するだけでなく、放電領域の大気中で発生した活性種や反応性生物が像担持体表面へ吸着されてしまい画像形成に悪影響を及ぼすという問題がある。
この帯電ストレスに対しては、前述の特許文献1の画像形成装置のように、ステアリン酸亜鉛を含有する潤滑剤を使用した場合、像担持体表面を比較的均等に覆い良好な潤滑性と保護性を与えるため、帯電工程において交流電圧を印加する際の感光体に与える帯電ストレスを低減することができる。
しかし、ステアリン酸亜鉛を含有する潤滑剤を使用した場合には、クリーニング性という面で大きな問題がある。即ち、ステアリン酸亜鉛を用いると、クリーニング部材であるクリーニングブレードをトナーがすり抜け易くなり、すり抜けたトナーが直接画像に出たり、帯電部材を汚染したりしてしまうというトナーのすり抜けの問題である。このトナーのすり抜けの問題は、前述の小粒径化、真球形化されたトナーを使用することでより顕在化してしまうだけでなく、ステアリン酸亜鉛は、電気的ストレスを受けると劣化して潤滑性が失われ易く、トナーのすり抜けの問題や帯電部材の汚染の問題をさらに悪化させてしまうという問題もある。
そこで、これらの問題を解決するべく、特許文献4には、像担持体表面にステアリン酸亜鉛を主成分とする固体潤滑剤に、無機潤滑剤の1つである窒化ホウ素を添加することで、帯電工程による像担持体表面への電気的ストレスを受けても、潤滑性が低下し難く、しかも像担持体表面全体に亘って潤滑剤の皮膜を形成して高い潤滑性を維持することができる画像形成装置が開示されている(特許文献4の図1等参照)。また、この特許文献4に記載の画像形成装置によれば、トナーのクリーニング性が飛躍的に向上するため、前述の小粒径かつ円形度の高いトナーを使用した場合であってもクリーニングすることが可能であり、クリーニング性が向上したことで帯電部材への汚染が軽減され、帯電部材の長寿命化を図ることができ、さらにトナーのすり抜けが少ないためブレード摩耗が少なく、クリーニングブレードの長寿命化も可能とされている。
また、特許文献5及び6には、ステアリン酸等を溶融成型した固形潤滑剤を発泡体ローラで削り取り、感光体に供給する固形潤滑剤の塗布装置及びそれを備えた画像形成装置が開示されている(特許文献5の段落0014、図1,図2、特許文献6の図2等参照)。
しかし、特許文献5及び6に記載の画像形成装置では、前述のステアリン酸亜鉛が電気的ストレスを受けて劣化し易いため、トナーのすり抜けの問題や帯電部材の汚染の問題を悪化させるという問題を解決することができていない。
一方、特許文献4に記載の画像形成装置のように、無機潤滑剤を含んだ脂肪酸金属塩の固形潤滑剤を使用した場合、感光体への交流電圧による帯電により感光体表面の付着力が増加し、無機潤滑剤をトリガーとして感光体表面上に異物の膜が形成されるというフィルミング現象が発生するという問題がある。このフィルミング現象は、クリーニングブレードの挙動が安定し、トナーのすり抜けが非常に少ない高温環境において顕著である。
そこで、本発明は、前記問題を解決し、像担持体の摩耗、フィルミング現象、帯電部材の汚染、及びトナーすり抜けを経時に亘って防止することができ、良好な品質の画像を長期間に亘って安定して形成することができると共に、保護剤の供給量を必要最小限に抑えてコストダウンを図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、装置本体と、この装置本体内に回転可能に設けられてその表面にトナー像を担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触又は近接配置されて該表面を一様に帯電する帯電部材と、前記像担持体の表面に当接して該表面上の残留トナーをクリーニングするクリーニング部材と、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有する保護剤ブロックと、この保護剤ブロックと前記像担持体の表面とに弾接して回転することで保護剤ブロックから保護剤を削り取って前記像担持体表面に供給する発泡体ローラと、この発泡体ローラを前記像担持体へ付勢する付勢部材を備えた画像形成装置において、前記付勢部材は、付勢力が可変となっており、前記装置本体外の外気温を測定する外気温測定手段が設けられ、この外気温測定手段で測定した外気温に応じて、前記付勢部材の付勢力が変化することで前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量が可変となっていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記外気温測定手段で測定した外気温が30℃未満のとき、前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量は、0.5mm以上2.0mm以下となり、前記外気温測定手段で測定した外気温が30℃以上のとき、前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量は、1.25mm以上2.0mm以下となるように設定されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記発泡体ローラの発泡体層は、セル数が25〜300[個/inch]、且つ、硬度が50〜500[N]となっていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体の表面に付着させた保護剤を押し均して均一に薄層化する均し部材を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記保護剤ブロックは、圧縮成型されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記無機潤滑剤は、窒化ホウ素であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、トナー粒子の投影面積と同面積の円の周囲長のトナー粒子の投影像の周囲長に対する割合である円形度が0.93〜1.00であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、トナーの重量平均径と個数平均径の比が1.00〜1.40であることを特徴とする。
この発明は、前記のようであって、請求項1の発明によれば、装置本体と、この装置本体内に回転可能に設けられてその表面にトナー像を担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触又は近接配置されて該表面を一様に帯電する帯電部材と、前記像担持体の表面に当接して該表面上の残留トナーをクリーニングするクリーニング部材と、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有する保護剤ブロックと、この保護剤ブロックと前記像担持体の表面とに弾接して回転することで保護剤ブロックから保護剤を削り取って前記像担持体表面に供給する発泡体ローラと、この発泡体ローラを前記像担持体へ付勢する付勢部材を備えた画像形成装置において、前記付勢部材は、付勢力が可変となっており、前記装置本体外の外気温を測定する外気温測定手段が設けられ、この外気温測定手段で測定した外気温に応じて、前記付勢部材の付勢力が変化することで前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量が可変となっているので、画像形成装置が置かれている外部環境が高温となった場合であっても保護剤の供給量を増やすことができ、外部環境が低温となった場合はそれに応じて保護剤の供給量を低減することができるため、像担持体の摩耗、フィルミング現象、帯電部材の汚染、及びトナーすり抜けを経時に亘って防止することができ、良好な品質の画像を長期間に亘って安定して形成することができると共に、保護剤の供給量を必要最小限に抑えてコストダウンを図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の画像形成装置において、前記外気温測定手段で測定した外気温が30℃未満のとき、前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量は、0.5mm以上2.0mm以下となり、前記外気温測定手段で測定した外気温が30℃以上のとき、前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量は、1.25mm以上2.0mm以下となるように設定されているので、より確実に前記作用効果を発揮することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記発泡体ローラの発泡体層は、セル数が25〜300[個/inch]、且つ、硬度が50〜500[N]となっているので、前記作用効果に加え、像担持体の表面に均一厚に保護層を形成することができ、良好な品質の画像を長期間に亘って安定して形成することができると共に、保護剤の供給量を必要最小限に抑えてコストダウンを図ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記像担持体の表面に付着させた保護剤を押し均して均一に薄層化する均し部材を有するので、前記作用効果に加え、更に保護剤を均一に薄層化することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置において、前記保護剤ブロックは、圧縮成型されているので、記作用効果に加え、保護剤ブロックを溶融成型する場合に生ずる窒化ホウ素などの無機潤滑剤の混合比率を低くしなければ保護剤ブロックが硬くなり過ぎるという問題や、無機潤滑剤の混合比率を低くすれば保護剤の帯電劣化の抑制効果が薄れてしまうという問題が起こらず、小型化や省エネルギー化において有利である。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であるので、前記作用効果に加え、像担持体のトナー汚染を確実に防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記無機潤滑剤は、窒化ホウ素であるので、前記作用効果に加え、更に保護剤の電気的ストレスに対する耐久性を向上させて帯電劣化を防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、トナー粒子の投影面積と同面積の円の周囲長のトナー粒子の投影像の周囲長に対する割合である円形度が0.93〜1.00であるので、前記作用効果に加え、トナー粒子に角がないため、現像装置内での現像剤撹拌トルクが小さく、撹拌の駆動が安定し、異常画像の発生を抑制することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、使用されるトナーは、トナーの重量平均径と個数平均径の比が1.00〜1.40であるので、前記作用効果に加え、トナーの粒径が均一であるため、転写性が良好で、より鮮明で高品質な画像を出力することができる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を正面透視で示す構成説明図である。 本発明の実施の形態に係るプロセスカートリッジの概略構成を感光体ドラムの回転軸と直交する鉛直断面で示す構成説明図である。 本発明の実施の形態に係る保護剤ブロックの形状を示す斜視図である。 同上の保護剤ブロックの長手方向と直交する鉛直面で切断した鉛直断面図である。 同上の保護剤ブロックを圧縮成型枠と共に示す斜視図である。 同上の保護剤ブロック及び圧縮成型枠の鉛直断面図である。 発泡体ローラの食い込み量を示す説明図である。(a)は、発泡体ローラと感光体ドラムとが接触し始めた状態を示し、(b)は、発泡体ローラと感光体ドラムとが弾接した状態を示している。 本発明の実施の形態に係る発泡体ローラと、その発泡体層のセル数測定箇所を示す平面図である。 同上の測定箇所をマイクロスコープで見た部分拡大図である。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
[画像形成装置]
先ず、図1を用いて本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成について説明する。図中の符号1は、本発明の画像形成装置の一実施の形態として例示する4連タンデム型中間転写方式の画像形成装置であり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーからフルカラーの画像を形成可能なカラーレーザ複写機である。この複写機1は、装置全体の筐体である装置本体1a内に配設された画像形成装置の主要部であるプリンタ部100と、このプリンタ部100の下方に配置され、プリンタ部100を載置すると共に給紙装置としての機能を有する給紙部200と、プリンタ部100の上方に配置され、原稿を走査して読み込むスキャナ機能を有するスキャナ部300と、スキャナ部300の上方に開閉自在に取り付けられ、原稿をスキャナ部に自動搬送する自動搬送部400などから構成されている。
プリンタ部100は、後述の感光体ドラムY,M,C,K上に静電潜像を書き込む露光部2と、露光部2で作像した静電潜像をトナー像に現像する作像部3と、現像したトナー像を用紙に転写する転写部4と、転写したトナー像を用紙に定着する定着部5などから構成されている。
露光部2には、半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED)などの図示しないレーザ光源や回転駆動可能なポリゴンミラー、fθレンズなどを有し、レーザ光源で発するレーザ光をポリゴンミラー、fθレンズなどで偏向・集光・走査して後述の感光体ドラムY,M,C,Kに照射し、一様に所定の極性に帯電させた感光体ドラムY,M,C,Kの外周表面を露光して帯電レベルを減衰させて、静電潜像を形成する露光装置20が備えられている。
作像部3には、像担持体としてドラム形状の感光体である4つの感光体ドラムY,M,C,Kを中心とする前記4色のトナーに対応する4つのプロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kが備えられており、各プロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kでは、収容するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーを使用して、それぞれ単色のトナー像が形成される。
なお、プロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kについては、後で詳述する。
転写部4は、各プロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kで作像した各色のトナー像を各感光体ドラムY,M,C,K上から後述の中間転写ベルト40に重畳転写する中間転写ユニット41と、この中間転写ユニット41下方に設けられ、中間転写ベルト40上に形成した重畳トナー像を用紙に転写する2次転写装置42などから構成されている。
この中間転写ユニット41は、中間転写体及び像担持体として半導電性の樹脂を基体として表層に離型層などが設けられた多層構造の無端ベルトからなる中間転写ベルト40と、この中間転写ベルト40を支持・張架する3つの支持ローラ43,44,45と、前記4つの感光体ドラムY,M,C,Kとそれぞれ中間転写ベルト40を挟んで対向する4つの1次転写ローラ46などから構成されている。
中間転写ベルト40は、体積抵抗105〜1011Ω・cmの導電性を示すものが好ましい。何故なら、表面抵抗が105Ω/□を下回る場合には、感光体ドラムY,M,C,Kから中間転写ベルト40へ転写が行われる際に、放電を伴いトナー像が乱れるいわゆる転写チリが生じることがあり、1011Ω/□を上回る場合には、中間転写ベルト40から用紙へトナー像を転写した後に、中間転写ベルト40上へトナー像の対抗電荷が残留し、次の画像上に残像として現れることがあるからである。
中間転写ベルト40に好適な材質及び製造方法としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物やカーボンブラック等の導電性粒子や導電性高分子を、単独または併用して熱可塑性樹脂と共に混練後、押し出し成型したベルト状もしくは円筒状のプラスチックなどを挙げることができる。また、熱架橋反応性のモノマーやオリゴマーを含む樹脂液に、必要により前述の導電性粒子や導電性高分子を加え、加熱しつつ遠心成型を行い、無端ベルト状として中間転写ベルト40を製造してもよい。
支持ローラ43は、駆動手段として図示しない駆動モータの駆動力が伝達可能に構成され、中間転写ベルト40を図示時計回り方向に回転駆動する駆動ローラ43となっており、その他の支持ローラ44,45が、従動ローラとなっている。勿論、支持ローラのいずれか1つが駆動ローラとなっていればよく、図示する形態に限られないのは云うまでもない。
各1次転写ローラ46は、空隙放電を考慮し、各感光体ドラムY,M,C,Kと中間転写ベルト40を挟んで当接する正対位置から中間転写ベルト40の移動方向下流側(図1の右側)へ少しずらした位置に配設され、図示しないバイアス電源に接続されている接触方式の転写バイアス(転写電圧)印加手段である。これらの1次転写ローラ46は、図示しない接離機構により中間転写ベルト40の内周面と接離可能に構成されており、この接離機構に押圧されて各感光体ドラムY,M,C,Kへ圧接されることによりそれぞれ1次転写ニップを形成し、これらの各1次転写ニップにおいて各感光体ドラム上のトナー像と逆極性の1次転写バイアスが印加されて転写電界が形成され、クーロン力によりトナー像を引き寄せて各感光体ドラムから中間転写ベルト40の外周表面にトナー像を転写する仕組みとなっている。
2次転写装置42は、支持ローラ44をバックアップローラとして支持ローラ44の外周において2次転写ローラが中間転写ベルト40に圧接されており、2次転写ニップが形成されている。そして、この2次転写ローラは、図示しないバイアス電源に接続されており、トナー像と逆極性の2次転写バイアスが、2次転写ローラを介して2次転写ニップに印加される接触印加方式の転写バイアス印加手段となっている。なお、本実施例では、転写バイアス印加手段として、転写チリの発生が少ない接触印加方式のものを採用したが、勿論、転写チャージャを用いた非接触方式のものでも構わない。
また、駆動ローラ43と支持ローラ44との間の中間転写ベルト40が湾曲して入り込んだ部分には、クリーニングユニット47が設けられており、このクリーニングユニット47は、中間転写ベルト40の内側に設けられたローラ48をバックアップローラとして、中間転写ベルト40の外周表面に付着した転写残トナーをクリーニングする機能を有したクリーニング装置であり、回収した転写残トナーは、クリーニングユニット47内から図示しない搬送手段により図示しない廃トナータンクまで搬送され、廃棄される。
定着部5は、無端状ベルトからなる定着ベルト50と、この定着ベルト50と図示しない付勢手段により付勢されて圧接する加圧ローラ51などから構成され、この定着ベルト50は、定着ベルト50を回転駆動する駆動ローラである定着ローラ52と、内部にハロゲンヒータからなる加熱手段を有して定着ベルト50を加熱する加熱ローラ53と、に張架され、定着ベルト50と加圧ローラ51とが定着ローラ外周で圧接されて密着し、定着ニップが形成されている。そして、この定着ニップにおいて、搬送されてきた用紙に熱と圧力が加えられ、転写部4で転写されたトナー像が用紙に溶融・浸透して定着される。
給紙部200には、内部に所定の大きさの複数枚の用紙を束の状態で収容可能な給紙カセット60が、鉛直方向に複数(図示形態では4段)重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット60は、用紙の上部に給紙ローラ61が弾接し、給紙ローラ61を回転させることにより、一番上に載置された用紙が1枚ずつ用紙搬送路Rに向けて送り出される仕組みとなっている。この用紙搬送路Rには、複数の搬送ローラ対62が最小の用紙の大きさに応じた間隔で設けられ、その末端付近となる2次転写ニップ直前に転写と用紙搬送のタイミングを調整するレジストローラ対63が設けられている。
スキャナ部300は、原稿を載置する透明なコンタクトガラス70と、このコンタクトガラス70を通して原稿を読み取る光学読取装置71などから主に構成され、この光学読取装置71は、移動する露光ランプなどの光源、この光源と共に移動するミラーなどの移動光学系を有し、光源から原稿に光を照射し、反射光をミラー、結像レンズなどを介してCCDなどの画像読取素子に結像させて画像を読み取る画像読取装置となっており、読み取った画像情報を電気信号に変換して図示しない複写機1の制御手段へ送信する。
自動搬送部400は、コンタクトガラス70上面を露出又は遮蔽するように複写機本体に対して開閉可能に取り付けられ、載置台にセットした原稿をコンタクトガラス70上に自動搬送する自動原稿搬送装置としての機能を有し、自動搬送された原稿は、スキャナ部300の光学読取装置71により自動で読み取られるようになっている。
(外気温測定手段)
また、複写機1には、装置本体1aの外の外気温を測定する外気温測定手段として図示しない外気温センサが設けられており、この外気温センサで複写機1の置かれる外部環境温度である外気温を測定することができるようになっている。
[プロセスカートリッジ]
次に、図2を用いて本発明の実施の形態に係るプロセスカートリッジの構成について説明する。各プロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kは、使用するトナーの色が相違するだけで、略同一構成であるため、転写順序が一番早いイエロー色のプロセスカートリッジ3Yを例示して説明し、その他のプロセスカートリッジ3M,3C,3Kについては説明を省略する。なお、トナー色を示す添え字(例えば、カートリッジ30YのY)も一部省略する。
プロセスカートリッジ3Yは、複写機1の筐体である装置本体に対して脱着可能に構成されたカートリッジ本体30と、このカートリッジ本体30の内部に回転可能に軸支された像担持体である感光体ドラムYと、この感光体ドラムYを中心にその周りに配置された、帯電手段31、現像手段32、クリーニング手段33、保護剤供給手段34などから構成されている。
(帯電手段)
この帯電手段31は、感光体ドラムYに対して従動回転して感光体ドラムYの外周表面を一様に接触帯電させる帯電部材としての帯電ローラ31aと、この帯電ローラ31aに付着した付着トナーに同極性の電圧を印加して静電斥力により帯電ローラ31aから付着トナーを除去するクリーニング部材であるクリーニングローラ31bなどから構成されている。
なお、帯電部材は、感光体ドラムYに接触せずに近接配置としても帯電可能であり、クリーニング部材は、帯電ローラ31aに表面に当接して掻き取るクリーニングブレードであっても適用可能である。
(現像手段)
現像手段32は、トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を搬送しながら撹拌することで帯電させる2本の撹拌搬送ローラ32a,32bと、複数の磁極を有するマグネットローラとその周りを回転可能な現像スリーブとからなる現像ローラ32cを備え、現像剤をマグネットローラの磁力で現像スリーブの外周表面に担持して回転搬送して現像領域に達した時点で現像バイアスを印加することにより、前述の露光装置20(図1参照)で感光体ドラムY上に書き込んだ静電潜像にトナーを転移させてトナー像に現像する2成分現像方式の現像装置である。
(クリーニング手段)
クリーニング手段33は、クリーニング部材として、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体からなるゴムブレードの先端端面が、感光体ドラムYの回転方向上流側に向くように突出して取り付けられたカウンタータイプのクリーニングブレード33aを備えたクリーニング装置であり、感光体ドラムYに1次転写後も付着残留する残留トナーをクリーニングブレード33aで掻き取って除去する機能を有している。
なお、本発明の保護剤供給手段34については後で詳述する。
(画像形成動作)
次に、図1、図2を用いて複写機1の画像形成動作について説明する。
先ず、各プロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kにおいて、帯電手段31により感光体ドラムY,M,C,Kの外周表面が一様に所定の極性に帯電され、露光部2から画像情報に基いてレーザ光が照射され、一様に帯電された感光体ドラムY,M,C,Kの表面電位が照射された部分だけ低下することにより感光体ドラムY,M,C,Kに静電潜像が形成される。そして、現像手段32で静電潜像がトナー像化(現像)され、このトナー像は、感光体ドラムの回転に伴って1次転写ニップに移動して行き、そこで、1次転写ローラ46から1次転写バイアスが印加され、クーロン力により中間転写ベルト40表面へトナー像が転写される。また、1次転写後も感光体ドラムY,M,C,Kの外周表面に付着する1次転写残トナーが、クリーニング手段33でクリーニングされ、再度の画像形成に備えられる。
各プロセスカートリッジ3Y,3M,3C,3Kで形成された単色トナー像は、中間転写ベルト40の回転のタイミングに合わせてイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順番で1次転写が行われ中間転写ベルト40上に重畳されて行き、フルカラーのトナー像が形成される。
一方、給紙部200から用紙搬送路Rを通って搬送されてきた用紙がレジストローラ対63に一旦突き当たって停止し、転写とのタイミングが調整されたうえ2次転写ニップに送られる。そこで、2次転写装置42により2次転写バイアスが印加され、静電引力により中間転写ベルト40上のフルカラーのトナー像が2次転写装置42側に引き寄せられることにより用紙上に転写される。次に、この未定着のトナー像を表面に担持した用紙が定着部5の定着ニップに送られ、熱と圧力が加えられてトナー像が溶融・浸透して定着される。また、2次転写後の中間転写ベルト40の表面に転写後も付着する転写残トナーは、クリーニングユニット47により除去され、再度の画像形成動作に備えられる。そして、クリーニングユニット47で除去された転写残トナーは、図示しない廃トナータンクなどに運ばれ廃棄される。
[保護剤供給手段]
次に、図2〜図6を用いて本発明の実施の形態に係る保護剤供給手段について詳細に説明する。
図2に示すように、保護剤供給手段34は、感光体ドラムYの外周表面をコーティングして保護するブロック状の保護剤である保護剤ブロック34aと、この保護剤ブロック34aと感光体ドラムYの外周表面の両方に当接するよう配置され、回転駆動することにより保護剤ブロック34aから保護剤を削り取って感光体ドラムYの外周表面に保護剤の粉末を塗布・供給する保護剤供給部材としての発泡体ローラ34bと、この発泡体ローラ34bに保護剤ブロック34aを押圧する押圧手段34cと、感光体ドラムYの外周表面に塗布した粉末状の保護剤を押し均して均一に薄層化する均し部材としての均しブレード34dなどから主に構成されている。
<保護剤ブロック>
先ず、保護剤ブロックについて説明する。
本実施の形態に係る保護剤ブロック34aは、少なくとも脂肪酸金属塩を含んだ保護剤の原料から図3及び図4に示すように後述の発泡体ローラの軸方向を長手方向とする長細い角棒状(直方体形状)に圧縮成型されたブロックである。勿論、保護剤ブロック34aの形状は、特に角棒状に限られるものではなく、バー形状、即ち、発泡体ローラの軸方向に長細い四角柱以外の多角形の柱状、又は円柱状であっても構わない。
(脂肪酸金属塩)
脂肪酸金属塩の例としては、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸銅、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸鉄、オレイン酸コバルト、オレインサン銅、オレイン酸鉛、オレイン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸鉛、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、カプリル酸鉛、カプリン酸鉛、リノレン酸亜鉛、リノレン酸コバルト、リノレン酸カルシウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム及びそれらの混合物などが挙げられる。また、これらを2種類以上混合して用いることもできる。
但し、像担持体へのトナー汚染を防止する観点からは、ステアリン酸金属塩が好ましく、その中でもステアリン酸亜鉛が最も好ましい。
(無機潤滑剤)
また、本実施の形態に係る保護剤ブロック34aには、脂肪酸金属塩に加え、電気的ストレスに対する耐久性を向上させるべく、無機潤滑剤が更に添加されている。この無機潤滑剤の例としては、マイカ、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、タルク、カオリン、モンモリロナイト、フッ化カルシウム、グラファイト、などが挙げられるが、これらに限られず、へき開又は内部滑りを起こすことにより潤滑剤としての機能を発揮する無機物であれば使用可能であり、これらを2種類以上混合して用いても構わない。また、例示した無機潤滑剤の中では、窒化ホウ素が、1つの層内では原子同士がしっかり六角網面状に組み合わさると共に、層と層とを繋ぐ力は弱いファンデルワールス力のみで結合しているため、その層と層との間で容易にへき開を起こすので、無機潤滑剤として最適である。
(配合割合)
脂肪酸金属塩と無機潤滑剤の配合割合は、肪酸金属塩:無機潤滑剤の質量比で90:10〜60:40の割合が好ましく、50:50よりも脂肪酸金属塩の割合が少なくなると、像担持体の表面に保護膜を形成することが困難となり好ましくない。
なお、無機潤滑剤を添加しなくても脂肪酸金属塩だけで保護剤としての機能は発揮するが、無機潤滑剤を添加することにより保護剤の帯電劣化を抑制することができるため好ましい。
(充填率)
本実施の形態に係る保護剤ブロック34aは、後述の圧縮成型により成型されるが、圧縮成型前の保護剤の材料の理論的な密度と成型後の実際の密度との比である充填率は、84%〜95%の範囲が最も好ましく、80%未満であると保護剤ブロック34aの機械的強度が低く、成型後に保護剤ブロック34aを取り扱う際に割れが生じ易く好ましくなく、逆に、98%を超えると圧縮成型時に必要な力が一般的なプレス機の能力を超えるだけでなく、成型時に割れを生じ易くなるため好ましくない。
なお、溶融成型により成型された保護剤ブロックの充填率は、通常略100%となる。
(圧縮成型)
次に、図5及び図6を用いて、本実施の形態に係る保護剤ブロックの成型方法について説明する。
本実施の形態に係る保護剤ブロックは、前述のように、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤が所定の割合で混合され、更にその他の添加剤が添加された原料から図5及び図6に示す型枠Wにより図3、4で示した角棒状に圧縮成型される。
この型枠Wは、図示するように、それぞれ一対の横枠W1と端枠W2と、上枠W3、下枠W4とからなり、この型枠W内に粉体状(砂状、粒状、顆粒状を含む)の原料Gを投入し、軽く上枠W3でプレスした後、更に端枠W2を開いて小量の原料Gを両端に同量ずつ再投入して上枠W3で最終プレスすることで、長手方向の端部領域が中央領域よりも充填密度が高くなった保護剤ブロックを圧縮成型することができる。このように端部領域の充填密度を高くすることにより、使用中に潤滑剤の片側だけ多く削れる偏磨耗を防ぐことができる。
なお、2段階に分けて原料Gを投入するのではなく、型枠内を中央部と両端部に区分けして投入する原料Gの量を中央部より両端部の方が多くなるようにし、区分けを取り外して最終プレスすることでも端部領域の充填密度を高くすることができる。
以上のように、保護剤ブロックを圧縮成型する場合を例に挙げて説明したが、前述の保護剤ブロックの原料を熱して溶融させた後、型枠に流し込み、冷まして所望の形状に成型する一般的な溶融成型で成型しても構わない。但し、溶融成型する場合は、背景技術で述べたように、窒化ホウ素などの無機潤滑剤の混合比率を低くしなければ、保護剤ブロックが硬くなり過ぎるという問題が生じ、無機潤滑剤の混合比率を低くすれば、保護剤の帯電劣化の抑制効果が薄れてしまうという問題が生じる。
<保護剤供給部材>
次に、保護剤供給部材について説明する。
本実施の形態に係る保護剤供給部材は、図2及び図8に示すように、芯材の周りに発泡体層が形成されたローラ形状の発泡体ローラ34bであり、この発泡体ローラ34bは、保護剤ブロック34aと感光体ドラムYの外周表面の両方に当接するよう配置され、図示しない付勢部材で感光体ドラムYへ付勢されており、回転駆動することにより保護剤ブロック34aから保護剤を削り取って感光体ドラムYの外周表面に保護剤の粉末を塗布・供給する機能を有している。
(付勢部材)
この付勢部材は、発泡体ローラ34bの軸心をバネなどの弾性材でレバーなどを介して感光体ドラムY方向へ付勢する機能を有し、レバーを回転するなどして付勢力を調整することで、前述の感光体ドラムYへの発泡体ローラ34bの食い込み量が調整可能となっている。
なお、食い込み量とは、図7の(a)に示すように、発泡体ローラ34bと感光体ドラムYとの接触し始めの状態の発泡体ローラ34bの軸芯と感光体ドラムYとの距離xから、(b)に示す、発泡体ローラ34bが付勢部材で付勢されて感光体ドラムYと弾接した状態の発泡体ローラ34bの軸芯と感光体ドラムYとの距離x’の差分(x−x’)のことを指している。
(芯材)
芯材は、鉄、アルミ、ステンレス等の金属や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂などからなる丸棒状の軸であるが、前述の発泡体ローラの機能を発揮するのに必要な所望の強度を有するものであれば、材質、形状、大きさ、構造等は特に制限されるものではない。
(発泡体層)
発泡体層は、前記芯材の周りに形成された発泡樹脂層からなるが、後述のように、セル数が25〜300[個/inch]、且つ、硬度が50〜500[N]となっている連続気泡型の発泡樹脂層が発泡体ローラ34bの最外層に設けられていれば内側に弾性層など他の機能を有する層を有していてもよい。また、材質としては、原料の必要量の入手容易性や価格などの理由から発泡ポリウレタンフォームが好適である。
なお、背景技術で述べたように、発泡体層の気泡のセルが各々独立した独立気泡型である場合、発泡体ローラが経時的に塑性変形するおそれがあり、変形すると保護剤を均一に感光体ドラムなどの像担持体に塗布できなくなり好ましくない。
(発泡体ローラの製造方法)
発泡体ローラを製造する方法としては、(1)原料から予めポリウレタンフォームをブロック状に形成し、必要な形状に切り出して表面を研磨して、表面が開口したセルを有するローラ状に加工した後、前記芯材を挿入する方法と、(2)前記芯材をセットした成型枠に原料を注入し、発泡硬化させる方法の2つの方法が一般的であるが、ポリウレタンフォーム層の成型とその表面を開口させることが同時にでき、加工精度も良好であることから、(2)の芯材を成型枠に予めセットして製造する方法が好ましい。
なお、発泡体層を接着するためにセットする芯材に予め接着層を形成しておいてもよく、成型枠の表面には、フッ素樹脂などをコーティングしておくとポリウレタンフォームの離型性が向上するため好ましい。
(発泡ポリウレタンフォームの製造方法)
発泡ポリウレタンフォームの製造は、公知の製造方法で構わないが、本実施の形態では、ポリオールとポリイソシアネートに添加剤(触媒、発泡剤、整泡剤等)を加えて混合することにより反応・発泡させて製造される。なお、ポリイソシアネート以外の成分は予め混合され、成型直前にポリイソシアネート成分が加えられる。
(ポリオール)
ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどを用いることができるが、加工性、発泡体層の硬さなどの調整が容易な点から、ポリエーテルポリオールが好ましい。また、ポリエーテルポリオールとしては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリマーポリエーテルポリオール等から適宜選択すればよく、これらを2種以上組み合せて用いてもよい。
なお、エチレンオキシドを5モル%以上端末に結合したポリエーテルポリエーテルポリオールを使用すると成型性がよいため好ましい。
また、ポリテトラメチレンエーテルグリコールと、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを付加重合したポリエーテルポリオールとをブレンドして用いることも好ましい。この場合、これらのブレンド比率が、重量比で95:5〜20:80の範囲となるよう用いることが好適である。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートとしては、例えば、2、4−及び2、6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びカーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等を用いることができ、これらを2種以上を組み合せて用いてもよい。
(触媒)
触媒としては、例えば、(1)トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等のアミン系触媒、(2)ジオクチルスズ、ジステアリルスズジブチレート等の有機金属系触媒、(3)これらの変性触媒等を用いることができ、(4)自身に活性水素を有するジメチルアミノエタノール等の反応性触媒であってもよい。なお、これらの触媒を適宜選択し、その使用量をコントロールすることで、ポリウレタンフォーム層のセル壁幅、開口セル径、硬度や通気量等を調整することができる。
(整泡剤、発泡剤)
整泡剤としては、シリコーン系界面活性剤が好ましく、発泡剤としては、水、低沸点物、ガス体等の公知の各種発泡剤を単独又は複数種組み合せて使用することができるが、環境の観点から水を発泡剤として用いることが好ましい。
また、発泡剤の使用量や条件を変えることにより、ポリウレタンフォーム層のセル壁幅、セル径、硬度や通気量等をコントロールすることができ、これらを調整することにより、本実施の形態に係る発泡体ローラは、前記した所定の好適な範囲のセル数、硬度に調整され、且つ、気泡セル同士が連通してセル内の空気が移動可能なように形成された連続気泡型の発泡ポリウレタンフォームとなっている。
連続気泡型の発泡体ローラの製造方法としては、先ず、下記ポリウレタン原料をミキサーにて機械的に撹拌し、窒素ガス、ドライエアー等を混入して、発泡密度0.5g/cm3に調整した発泡ポリウレタン原料を作製する。次いで、この発泡ポリウレタン原料を、予め60℃に温度調整した筒状金型内に、その中心線上に軸をセットした状態で上方から注入して、内部に充填する。その後、筒状金型を密閉して、110℃で30分間加熱し、硬化させた後、軸と一体成型された弾性体層を脱型して作製することができる。
更に、クラッシング工程(冷却後の収縮を避けたり、独立気泡を連続気泡化するためにローラなどで圧縮したりする工程)を経ることで、連続気泡型の発泡ポリウレタンフォームからなる発泡体層を有した発泡体ローラを得ることができる。
ポリイソシアネート:24.6質量部
ポリエーテルポリオール:60質量部
ポリテトラメチレンエーテルグリコール:40質量部
シリコーン整泡剤:4質量部
黒色顔料:5質量部
電解質:0.4質量部
触媒:0.01質量部
ここで上記原料中においてイソシアネート指数が高すぎるとき、得られる発泡ポリウレタンフォームの硬度は高くなり、独立気泡となり易いので注意が必要である。
(その他の添加剤)
また、発泡ポリウレタンフォームの原料には、前記材料の他、ポリウレタンフォーム層のセルの連続気泡性をコントロールするために架橋剤、破泡剤等を配合する。それに加え、所望の導電性を付与するために導電剤、帯電防止剤等を添加してもよい。架橋剤としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン等が使用可能である。必要に応じて、導電剤、難燃剤、減粘剤、顔料、安定剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤等を配合しても構わない。
このとき、架橋剤の添加量は、ポリオール組成物(A)に対して5質量%以下が好ましく、更には3質量%以下が好ましい。何故なら、架橋剤が少なすぎる場合は架橋剤を用いたことによる効果が得られず、多すぎる場合は反応制御が困難になり易いからである。
<押圧手段>
次に、押圧手段について説明する。
本実施の形態に係る押圧手段34cは、図2に示すように、カートリッジ本体30と一体となった支持体と、この支持体から反力を得て保護剤ブロック34aを発泡体ローラ34bに押圧するコイルバネからなる加圧スプリング、保護剤ブロックを収容するホルダーなどから構成されている。但し、保護剤ブロック34aを発泡体ローラ34bに押圧可能な構成であれば、その他公知の手段を適用することができる。
例えば、前述の特許文献3の技術を採用し、保護剤ブロックのホルダーの両端付近に、回動自在な可動部材を設け、それをバネで加圧することによって、保護剤ブロックが削れていく経時においても、当初と同じ押圧力を保つことができる。
<均し部材>
次に、均し部材について説明する。
本実施の形態に係る均し部材は、図2に示すように、ウレタンゴム、ヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体からなるゴムブレードの先端端面が感光体ドラムYの回転方向下流側に向くように突出して取り付けられた、いわゆるトレーリングタイプの均しブレード34dであり、感光体ドラムYの外周表面に塗布した粉末状の保護剤を押し均して均一に薄層化する機能を有している。
なお、この均しブレード34dは、感光体ドラムYとの接触部分を低摩擦係数の材料で、コーティングしたり含浸処理したりして耐摩耗性を向上させるようにしてもよく、弾性体の硬度を調整するために、他の有機フィラーや無機フィラーに代表される充填材を分散してもよい。
均しブレード34dの厚みは、押圧力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね0.5〜5mm程度であれば好ましく、1〜3mm程度であれば更に好ましい。
また、均しブレード34dの突出量も、押圧力との兼ね合いで一義的に定義できるものではないが、概ね1〜15mm程度であれば好ましく、2〜10mm程度であれば更に好ましい。
以上説明した均しブレード34dやクリーニングブレード33aなどのブレード部材は、弾性樹脂等から構成するのではなく、弾性金属ブレードを基体としてその表面にカップリング剤やプライマーなどを介して、弾性樹脂、ゴム、エラストマー等の弾性体をコーティング又はディッピング等で覆うことで構成してもよく、更に、必要により熱硬化や表面研磨などの処理を施してもよい。
この弾性金属ブレードの厚みは、0.05〜3mm程度であれば好ましく、0.1〜1mm程度であればより好ましい。また、弾性金属ブレードでは、ブレードのねじれを抑止するために、取り付け後に支軸と略平行となる方向に、曲げ加工等の処理を施してもよい。
なお、弾性金属ブレードの表層を覆う弾性体の材料としては、PFA、PTFE、FEP、PVdF等のフッ素樹脂や、フッ素系ゴム、メチルフェニルシリコーンエラストマー等のシリコーン系エラストマー等を、必要により充填剤と共に、用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
また、均しブレード34dと感光体ドラムYとの当接圧力は、保護剤を押圧・延展して均一厚の保護膜を形成可能な圧力であればよく、具体的な線圧としては、0.49N/mm(5gf/cm)以上7.85N/mm(80gf/cm)以下であることが好ましく、0.98N/mm(10gf/cm)以上5.88N/mm(60gf/cm)以下であることがより好ましい。
(トナー)
次に、本実施の形態に係る画像形成装置に好適に用いられるトナーについて簡単に説明する。
前述の複写機1で使用するトナーは、下記式1で示す平均円形度SRが0.93〜1.00であることが好ましい。
円形度SR=粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長・・・式1
ここで、円形度とは、トナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど円形度は小さな値となる。
つまり、平均円形度が0.93〜1.00の範囲のトナーを使用すれば、トナー粒子の表面は滑らかであるため、トナー粒子同士、トナー粒子と感光体との接触面積が小さくなり、転写性を向上させることができる。そして、ドットを形成するトナーの中に、角張ったトナー粒子がいないため、転写で転写媒体に圧接する際に、その圧がドットを形成するトナー全体に均一にかかり、転写中抜けが生じにくい。また、トナー粒子に角がないため、現像手段内での現像剤の撹拌トルクが小さく、撹拌の駆動が安定するため、異常画像が発生しない。そのうえ、トナー粒子が角張っていないことから、トナー粒子そのものの研磨力が小さく、像担持体の表面を傷つけたり、磨耗させたりしない。
また、複写機1で使用するトナーは、トナーの重量平均径(D4)と個数平均径(D1)の比(D4/D1)が1.00〜1.40であることが好ましい。
この比(D4/D1)が、1.00〜1.40であることはトナー粒子の径が均一であることを示し、トナー粒子が均一な大きさであると転写性がよく、より鮮明で高品質な画像を出力することができる。
以上のように、実施の形態に係る画像形成装置である複写機1によれば、外気温測定手段である外気温センサで測定した外気温に応じて、付勢部材の付勢力を変化させて発泡体ローラ34bの感光体ドラムYへの食い込み量を調整することができ、外部環境温度、即ち、複写機1の周囲の温度が高温となった場合であっても保護剤の供給量を増やすことができ、周囲の温度が低温となった場合はそれに応じて保護剤の供給量を低減することができるため、背景技術で述べた、像担持体(感光体ドラム)の摩耗、フィルミング現象、帯電部材(帯電ローラ)の汚染、及びトナーすり抜けを経時に亘って防止することができ、良好な品質の画像を長期間に亘って安定して形成することができると共に、保護剤の供給量を必要最小限に抑えてコストダウンを図ることができる。
[比較実験]
次に、画像形成装置の置かれた環境温度(外気温)と発泡体ローラの食い込み量の違いにより、像担持体である感光体ドラム、帯電部材である帯電ローラの汚れ具合に差があるか否か等を検証するため、前述の保護剤ブロックの成分、配合比率、成型方法を種々変更すると共に、連続気泡型である発泡体ローラの発泡体層のセル数、硬度、像担持体への食い込み量を変更して表1上段に示す実施例1〜18を作成し、保護剤ブロックの成分、配合比率、成型方法を種々変更すると共に、連続気泡型である発泡体ローラの発泡体層のセル数、硬度を変更した表1下段に示す比較例1〜4を作成して、実施例1〜17、及び比較例1〜4の保護剤供給手段を稼動して感光体ドラムと帯電ローラの汚れ具合を目視により確認する実験を行い、その結果を下記表1にまとめた。
Figure 2012163764
(実験方法)
本実験では、リコー製 imagio MP C5000を基準機として、その保護剤供給手段のブラシローラ及び固形潤滑剤を、表1に示す発泡体ローラ及び保護剤ブロックに変更した実験機を作成した。そして、その実験機の置かれた外部環境温度(外気温)を15℃、実験室環境、30℃環境に変更すると共に、A4版、画像面積率100%の縦帯原稿を10000枚連続通紙し、感光体の単位走行距離における像担持体保護剤の消費量の測定と感光体ドラム、帯電ローラの汚れ具合を表1の凡例に従って目視により判定した。
なお、実験室環境とは、20℃〜23℃の状態である。
本実験に使用したトナーは、前述の円形度SR(トナー粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/トナー粒子投影像の周囲長)が、0.93〜1.00の範囲にあり、且つ、トナーの重量平均径(D4)と個数平均径(D1)の比(D4/D1)が1.00〜1.40の範囲にある真球形化・均一小粒径化したトナーを使用した。
また、帯電部材である帯電ローラが汚染され易い環境下で実験を行うため、磨耗したクリーニングブレードを使用して実験した。そして、一般に、外部環境温度が高くなるに従ってトナーの粘性も増えるため、感光体ドラムを保護するために必要な保護剤の消費量も増えるが、いずれの外部環境温度であっても、0.15[g/km]となることが望ましく、反面、保護剤の消費量が少ないほどコストメリットが見込まれるので、計測した感光体ドラムの回転走行距離当たりの保護剤の消費量を表1の凡例に従って判定した。
(測定方法)
ここで、表1に示すセル数は、図8及び図9に示すように、実線1[inch](約25mm)当たりに接触するセルの個数で表わしたものであり、発泡体層の表面において軸方向の両端部と中央部とで測定箇所を任意にそれぞれ3点選択して合計9点測定し、測定した値の平均値を表示している。図8の34bが前述の発泡体ローラであり、矢印の先の実線が測定箇所である。セル数の測定は、マイクロスコープを用い、それぞれの測定箇所の写真画面を観察する。そして、図9に示すように、写真画面の中心部に実寸1[inch](約25mm)に対応する長さの線を引き、その線内に何個のセルがあるかをカウントすることで求めている。このとき、僅かでも線に接触したセルは1つとしてカウントする。図9に示す例では、セル数は12個となる。
また、表1に示す硬度は、発泡体層の表面における任意の数箇所においてJIS K 6400(軟質発泡材料−物理特性の求め方)に基づいて測定された値の平均値であり、単位は[N]である。
(考察)
表1から分かるように、外部環境温度に対する発泡体ローラの食い込み量が所定範囲内である実施例1〜18では、感光体ドラムと帯電ローラいずれについても汚れていないか又は許容できるレベルの汚れであったが、外部環境温度に対する発泡体ローラの食い込み量が所定範囲を超えた比較例1〜4では、感光体ドラムが許容できないレベルまで汚れているか、帯電ローラが許容できないレベルまで汚れていた。また、比較例3に至っては、トルクが高くなり過ぎて駆動力を伝達するギアが破損して実験の継続が不可能となってしまった。原因としては、実験機の置かれた外部環境温度に対すると発泡体ローラの食い込み量が適切でなかったからと考えられる。
つまり、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤とを含む圧縮成型による保護剤ブロックを使用する場合、外部環境温度が30度未満のときの発泡体ローラの像担持体への食い込み量を0.5mm≦A≦2.0mm、外部環境温度が30度以上のときの食い込み量を1.25mm≦A≦2.0mmに制御することで、感光体ドラムや帯電ローラなどの部材の汚染を抑制しつつ、感光体ドラムへの保護剤の消費量の最適化を図ることができる。
実施例1〜5から考察して、発泡体ローラのセル数が25〜300[個/inch]、硬度が50〜500[N]のいずれかの条件を満たさなくなると感光体ドラムに汚れが発生すると考えられる。つまり、発泡体ローラの発泡体層は、セル数が25〜300[個/inch]、且つ、硬度が50〜500[N]であれば、保護剤を感光体ドラム上に均一厚に供給するうえで好適と考えられる。
更に、比較例4と実施例2を比較することで、無機潤滑剤である窒化ホウ素を添加することにより、前述の脂肪酸金属塩であるステアリン酸亜鉛の帯電による潤滑性低下を補助し、トナーや保護剤のすり抜けを大幅に減らし、脂肪酸金属塩が帯電部材である帯電ローラに飛翔する量を減らすことができるものと考察される。
また、実施例2と実施例18とを比較することにより、圧縮成型した保護剤ブロックを使用することで、感光体ドラムの汚染防止効果が向上することが分り、実施例2と実施例6とを比較することにより、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛を用いた方が、感光体ドラムの汚染防止に効果があることが分かる。そのうえ、高級脂肪酸の中ではステアリン酸は最も安価であり、その中でも亜鉛の塩は疎水性に優れた非常に安定な物質である。
そして、実施例2と実施例7を比較することにより、無機潤滑剤として窒化ホウ素を用いた方が、帯電ローラの汚染防止に効果があることが分かる。
以上のように、この発明の実施の形態に係る画像形成装置として、4連タンデム型の中間転写方式のカラー複写機を例に挙げて説明したが、必ずしもこのようなものに限られず、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等の一般的な電子写真方式の画像形成装置であって、外気温測定手段で測定した外気温に応じて、発泡体ローラの像担持体への食い込み量が可変となっている画像形成装置には、本発明を適用することができる。
そして、実施の形態に係る画像形成装置の説明におけるプリンタ部100、給紙部200、スキャナ部300、自動搬送部400などは、あくまでも一例を示したものであって、他の公知の装置・手段などの構成を採用することができる。その場合でも、前記課題に対して同様の作用効果を奏することは明らかである。また、図面で示した各構成部材の形状や構造等も、あくまでも好ましい一例を示すものであり、特許請求の範囲内で適宜設計変更が可能であることは云うまでもない。
1 複写機(画像形成装置)
1a 装置本体
31 帯電手段
31a 帯電ローラ(帯電部材)
32 現像手段
33 クリーニング手段
33a クリーニングブレード(クリーニング部材)
34 保護剤供給手段
34a 保護剤ブロック
34b 発泡体ローラ(保護剤供給部材)
34d 均しブレード(均し部材)
特公昭51−22380号公報 特開2001−305907号公報 特開2007−293240号公報 特開2006−350240号公報 特開2009−150986号公報 特開2009−169237号公報

Claims (9)

  1. 装置本体と、この装置本体内に回転可能に設けられてその表面にトナー像を担持する像担持体と、この像担持体の表面に接触又は近接配置されて該表面を一様に帯電する帯電部材と、前記像担持体の表面に当接して該表面上の残留トナーをクリーニングするクリーニング部材と、脂肪酸金属塩と無機潤滑剤を含有する保護剤ブロックと、この保護剤ブロックと前記像担持体の表面とに弾接して回転することで保護剤ブロックから保護剤を削り取って前記像担持体表面に供給する発泡体ローラと、この発泡体ローラを前記像担持体へ付勢する付勢部材を備えた画像形成装置において、
    前記付勢部材は、付勢力が可変となっており、前記装置本体外の外気温を測定する外気温測定手段が設けられ、この外気温測定手段で測定した外気温に応じて、前記付勢部材の付勢力が変化することで前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量が可変となっていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記外気温測定手段で測定した外気温が30℃未満のとき、前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量は、0.5mm以上2.0mm以下となり、
    前記外気温測定手段で測定した外気温が30℃以上のとき、前記発泡体ローラの前記像担持体への食い込み量は、1.25mm以上2.0mm以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記発泡体ローラの発泡体層は、セル数が25〜300[個/inch]、且つ、硬度が50〜500[N]となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記像担持体の表面に付着させた保護剤を押し均して均一に薄層化する均し部材を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記保護剤ブロックは、圧縮成型されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記脂肪酸金属塩は、ステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記無機潤滑剤は、窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 使用されるトナーは、トナー粒子の投影面積と同面積の円の周囲長のトナー粒子の投影像の周囲長に対する割合である円形度が0.93〜1.00であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 使用されるトナーは、トナーの重量平均径と個数平均径の比が1.00〜1.40であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
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