JP2012161803A - スリット帯板の蛇行防止装置 - Google Patents

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浩二 山下
Masayuki Hatakeyama
誠之 畠山
Takashi Ogata
孝 尾形
Keisuke Ono
圭介 小野
Masatoshi Tatsumi
雅俊 辰巳
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Abstract

【課題】従来技術では、帯板のエッジを傷めずに、あるいは複雑な制御システムを用いずに、スリット後の帯板を搬送ライン中央側で安定させ、しかも、切断後の尾端通板時のような非定常通板時に安定通板を可能とする蛇行防止装置を提供する。
【解決手段】帯板を2条にスリットしてピンチロールにて通板させる搬送ラインにおいて、前記ピンチロールは、前記スリット帯板の下面を支える下ロール12と、前記スリット帯板の上面に当接する少なくとも1本の上ロール11とを有し、前記ピンチロールよりもライン上流側の位置で、前記スリット帯板に当接して前記スリット帯板をライン中央側へ寄せるセンタリングロール3を設け、かつ前記ピンチロールの下ロールと上ロールとで挟持したニップ内および/またはニップ近傍内に位置する前記スリット帯板のライン中央側エッジをガイドするセンターガイド1を設けたことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、スリット帯板(スリットされた帯板のことであり、スリット材ともいう)の蛇行防止装置に関し、詳しくは、帯板の蛇行を抑制して安定に通板させ、また、帯板の巻きずれを抑制して安定に巻き取るために使用するスリット帯板の蛇行防止装置に関する。
本発明は、特に、張力が低下する帯板の先端や尾端で効果を発揮する。張力が低下するような場合の例としては、鋼帯の熱間圧延ラインにおいて、仕上圧延機から巻取機までの搬送テーブルローラ上で、鋼帯の先端が巻取機に到達する前や、鋼帯の尾端が仕上圧延機を通過した後などの場合や、鋼帯の冷間圧延ラインや連続処理ラインにおいて、コイルの巻取り終了直前で鋼帯をシヤー切断する場合などが挙げられる。本発明が適用される帯板としては、鋼帯等の金属帯や、シート状のプラスチックフィルムが該当する。
以下、ニップとは、搬送用のロール(ピンチロールも含む)と通板される帯板との接触部分のことである。また、スキュー角とは、帯板搬送方向から外側または内側を向くように設けたロール傾斜角度であり、外側を向かせた場合を外向きスキュー角、内側を向かせた場合(図3参照)を内向きスキュー角という。
なお、図3において、内向きスキュー角を有する一対のロールは、搬送中のスリット帯板S1、S2をライン幅方向中央側に寄せる(センタリングする)ように作用するセンタリングロール3である。また、ライン方向とは、ライン長さ方向を意味し、ライン中央(または中心)とは、ライン幅方向中央(中心)を意味する。
比較的狭幅の帯板が要求される場合、リコイリングラインの巻取機の入側にスリッタを配置し、広幅に圧延された帯板を板幅方向に分割し、それぞれコイル状に巻き取っている。このようなスリットラインに関わる背景技術として、以下のようなものがある。
(1)セパレータディスクによるもの(特許文献1)
これは、送給される帯板Sを、サイドトリマで板幅端部を切り揃え、スリッタで板幅中央部を切断して2条のスリット材S1,S2に分割し、セパレータディスクでスリット隙間を確保しつつ、スリット材S1,S2を、デフレクタロールを介して1台の巻取機で巻き取る装置である。
(2)ガイド手段によるもの
熱延ラインでは、仕上圧延機から巻取機までの搬送テーブルローラ上で、鋼帯の尾端が仕上圧延機を通過した後、張力が無くなることで鋼帯の尾端が波打ったり、板幅方向に蛇行したりといった通板不安定現象がみられるので、これを抑制するために、サイドガイド等のガイド手段が使用されている。同様に、一般の通板ラインでも、ライン中心位置に帯板の尾端を保持するために、サイドガイド等のガイド手段で強制的に拘束する方法が採られる。
(3)EPC(エッジポジションコントロール;Edge Position Control)装置によるもの(特許文献1)
これは、2条のスリット材S1,S2を2台の巻取機で個別に巻き取ることとし、巻取り直前のスリット材S1,S2の板幅端部(エッジ部)の位置をエッジセンサによりそれぞれ検出し、エッジ部の移動量によって各々の巻取機の巻取り軸をそれぞれ板幅方向に移動してスリット隙間を調整することにより、ラインの高速化を可能とするものである。
(4)傾斜ロールによるもの(特許文献1)
これは、巻取機を1台とし、スリット隙間検出器の検出値が所望値となるように、2条のスリット材S1,S2にそれぞれ当接させた左右の傾斜ロールのスキュー角を左右同一角度としながら変更することにより、スリット隙間を調整・保持し、エッジが揃った良好な巻き姿を得ようとするものである。
(5)片圧下調整可能なピンチロールによるもの(特許文献2)
これは、スリッタとテンションリール(巻取機)の間に、複数条のスリット材の個々について片圧下調整可能なピンチロールを設置し、その片圧下調整によりスリット材をライン中心から離す方向に矯正するものである。これによれば、各スリット材のライン中央側を片圧下(部分圧下)するとスリット隙間が広がる方向に回転モーメントが作用する。
特開平3−5017号公報 特開平10−230319号公報
背景技術の(1)では、スリット材S1,S2の板性状により、スリット隙間の変動が発生すると、セパレータディスクによる調整が不完全となり、スリット隙間が狭まってスリット隙間の両端をなす板端部がセパレータディスクに押圧されて変形したり、スリット隙間が広がって巻き重ねの不具合、エッジの不揃い等を生じたりするため、ライン速度を高速にできず、低速運転せざるをえない。また、セパレータディスクでは、スリット材の上下がロール等で支えられた状態にないため、スリット隙間の両端をなす板端部がセパレータディスクに当たると、スリット材が上下方向に曲げられて前記板端部を損傷してしまう。
背景技術の(2)では、サイドガイド等のガイド手段との接触で板幅端部に耳傷みが生じる。これは図2(a)に示すようにサイドガイドSGが搬送ロール10のロールピッチ間(ニップ間)に挿入されるため、帯板Sの支えがない接触幅部分で板幅端部が傷みやすくなることによる。したがってサイドガイドで帯板を拘束する場合は、板幅に応じた正確な位置制御が必要である。特に板厚が薄い場合は、正確な押付け圧制御が必要となる。
一方、背景技術の(3)〜(5)のような、帯板のライン幅方向位置制御により巻きずれを抑制する方法では、次のような難点がある。
・上流から下流に至る間での時間差に起因して、制御目標と実際との幅方向の位置ズレが生じる。
・制御が必要な分だけシステムが複雑になる。
・定常時の巻取りは安定したとしても、巻取り後はコイル最外周部になる、シヤー切断後のスリット材尾端においては、スリット材の張力が無くなって挙動が不安定になるため、既存のEPC装置や傾斜ロールが使えない場合がある。
・切断後の尾端にかかるような低張力の場合、上流の板エッジを検出してEPCを行っても、テンションリール軸の板幅方向シフトにより、スリット材の尾端自体も一緒に同じ板幅方向へシフトしてしまうことがあるので、板エッジを次々追いかける形になってリールの幅方向移動限界まで発散して巻取りが不安定になる。
・前記片圧下によるスリット隙間制御も、ピンチロールの持つ不安定要素が作用するので、容易な制御とはなり難い。
すなわち、背景技術では、帯板のエッジを傷めずには、あるいは複雑な制御システムを用いずには、スリット後の帯板を搬送ライン中央側で安定させることができず、しかも、切断後の尾端通板時のような非定常通板時には安定通板が困難であるという未解決の課題があった。
本発明は、前記課題を解決するために、外からの制御によらない機構的(機械的)な蛇行防止の機構を用いた手段を案出したものである。本発明では、機構的(機械的)な蛇行防止の機構もその調整が容易な構造とすること、また、スリット材と通常材(スリットされていない帯板)の両方に使用でき、その使用形態の切替が自動的に、あるいは容易に実行可能なものとすることを目指した。
すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1]
1条の全幅の帯板を2条にスリットしてなるスリット帯板を含む帯板の搬送ライン内でピンチロールにて通板させるスリット帯板の蛇行防止装置であって、
前記ピンチロールは、前記スリット帯板の下面を支える下ロールと、
前記スリット帯板の上面に当接する少なくとも1本の上ロールとを有し、
前記ピンチロールよりもライン上流側の位置で、前記スリット帯板に当接して前記スリット帯板をライン中央側へ寄せるセンタリングロールを設け、
かつ前記ピンチロールの下ロールと上ロールとで挟持したニップ内および/またはニップ近傍内に位置する前記スリット帯板のライン中央側エッジをガイドするセンターガイドを設けたことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
[2]
前項[1]において、
前記センタリングロールは、上下対となったロールを有し、
上下ロールのうち少なくとも一方は、前記スリット帯板に対し外側片圧下を行うかまたは内向きスキュー角を有する、
ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
[3]
前項[1] または[2]において、
前記センターガイドは進退自在とされてなり、
前記スリット帯板を通板させる時には前記2条のスリット帯板の板間に下降して前記スリット帯板のライン中央側エッジをガイドし、
前記全幅の帯板をスリットせずに通板させる時には前記全幅の帯板の上面へ退避する
ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
[4]
前項[3]において、前記センターガイドとして、
角棒状のガイドバーまたは円盤状のガイドディスクを用いたことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
[5]
前項[3]において、前記センターガイドとして、
前記ピンチロールの上ロールの軸に遊嵌させて上下動可能なるガイドリングを用いた
ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
本発明によれば、スリット帯板の搬送ラインにおいて、蛇行を検出して修正するような高応答で高精度なフィードバック制御は必要とせず、簡素な装置構成で、スリット後の帯板を搬送ライン中央側で安定させることができる。また、上下ロールで挟持したニップ内および/またはニップ近傍内に位置する帯板エッジをガイドするため、板剛性の確保が容易に可能で、板の耳傷みが生じにくい。前記フィードバック制御では通板安定化が困難であるシヤーカット後の尾端通板時のような非定常通板時でも、本発明では容易に安定通板させることができる。また、スリット材と通常材の両方が通板可能で、その切替えも容易である。
スリット帯板のライン中央側エッジを上下ロールにより狭持するピンチロールとは別に、スリット帯板をライン中央側へ寄せるセンタリングロールを設けて機能を分けたことにより、スリット帯板のエッジを挟持する目的とセンタリングさせる目的に合わせてロールを当接させる方法を適正化することが可能となる。
例えばピンチロールには、本来の目的である巻き取りの張力を加える最適な圧下力や、板に疵をつけない圧下方法、且つスリット材の中央側エッジを拘束できる条件を設定し、センタリングロールには、スリット材の中央側へ横滑り力が働く外側片圧下力や内向きスキュー角を設定すればよい。
本発明の基本概念を示す概略平面図および正面図 本発明の作用効果を示す概略斜視図 内向きスキュー角の定義を示す概略平面図 ニップ近傍を示す概略断面図 センターガイドの押さえ機構の1例を示す概略断面図 センターガイドとしてガイドバーを用いた場合の本発明実施形態を示す概略斜視図 センターガイドとしてガイドディスクを用いた場合の本発明実施形態を示す概略斜視図 センターガイドとしてガイドリングを用いた場合の本発明実施形態を示す概略斜視図 エッジガイドの好適形態を示す概略断面図 実施例1の蛇行防止装置を示す概略斜視図((a)はスリット材通板時、(b)は通常材通板時) 実施例2の蛇行防止装置を示す概略斜視図((a)はスリット材通板時、(b)は通常材通板時)
本発明の基本概念は以下のとおりである。
スリット材(スリット帯板、略して板)の蛇行は制御(フィードバック制御)せず、スリット材を機構的(機械的)にライン中央側に寄せるようにする。ここでスリット材の搬送ラインには、少なくともピンチロールと、ピンチロールよりもライン上流側にセンタリングロールを備える。スリット材を各々ライン中央側に寄せる機構的(機械的)方法は、センタリングロールを外側段付きロールとすること(すなわち外側片圧下)による方法、あるいは、センタリングロールを帯板搬送方向から内向きに傾斜させること(すなわち内向きスキュー角)による方法とする。外側片圧下によれば、センタリングロールと帯板との摩擦力は、外側片圧下部分の摩擦力が、内側非圧下部分の摩擦力よりも大きくなり、そのためスリット材をライン中央側に回転させようとするモーメントが生じて、スリット材が機構的(機械的)にライン中央側に寄る。また、内向きスキュー角によれば、スリット材にライン内側を向くロール周速成分が伝達されるため、スリット材が機構的(機械的)にライン中央に寄る(すなわちセンタリングされる)。
従来のロールを使った通板では、帯板の進入角度などで逐次安定方向が変わるため蛇行が発生し、調整が必要となるが、本発明においては、積極的にロールを一方向にアンバランスさせるので、微妙な調整が不要である。
一方、ライン中央側に寄せられたスリット材は、ライン中央部で位置を安定させ、重なりを防止する必要があるため、帯板のセンターガイドを設ける。センターガイドを設ける位置は、ピンチロールのニップ内および/またはニップ近傍内とする。ここに、ニップ近傍とは、ロール軸直交面内でロール中心から板面への視線が垂線に対して±30°以内の角度になる板面内の範囲を指す。つまり、ニップ近傍とは、図4に示すように、スリット帯板の進行方向に対して、ロール中心を基準に±30°以内の角度となる板面内の上流側と下流側の範囲である。スリット材がセンターガイドへ寄せられてセンターガイドから反力を受けても板が変形しないように、上下ロールで挟持したニップ内および/またはニップ近傍内に位置し、板剛性が非常に高い状態となっている板エッジを拘束するセンターガイドを設けたところに、本発明の特長はある。
つまり、本発明では、外側片圧下による場合について図1(a)、内向きスキュー角による場合について図1(b)に示すように、積極的にセンタリングロール3をアンバランスさせることによってスリット材S1,S2にライン中央側へ寄せる外力Fを加え、これに対抗する反力をライン中央付近に設けたセンターガイド1で受け持たせる構成とする。また、図3に示すように、外力Fを加える内向きスキュー角は、圧下力との兼ね合いで決めればよいが、概ね10°〜30°程度にするのが好ましい。
また本発明では、従来の板のライン外側エッジをガイドするサイドガイドは使用しなくともよい。例えば図2に示すように、従来のようにサイドガイドSGを用いるとニップとその次のニップとの間でスリット帯板S1,S2の幅端部に耳傷みが発生する場合(図2(a))があるのに対し、本発明例であるニップ内および/またはニップ近傍内に位置する板エッジのライン中央側に設けたセンターガイド1によれば、スリット帯板S1,S2がピンチロールの上ロール11と下ロール12とで挟持されており、帯板が上下方向に逃げたり降伏したりすることがなく、板剛性が非常に高くなっているため、センターガイド1側の端部に耳傷みは発生しない(図2(b))。なお、前記センターガイドは、ニップ内および/またはニップ近傍内の中でも、ニップ内に位置する板エッジを拘束することが、より高い板剛性を得る点から好ましい。
このとき、スリット材をライン中央側へ寄せる外力を加えるロール(センタリングロール)と、外力に対抗する反力を受け持たせるセンターガイドは、ライン方向で数mから十数m離れた位置でも構わない。ただし、センタリングロールによる作用によりスリット材がライン中央のセンターガイドへ接触するまでの応答時間を短くするため、好ましくはセンタリングロールとセンターガイドのライン方向距離は、5m程度以内にするとよい。
以上より、ライン上の構成は、センタリングロール、ピンチロール、ニップ近傍のセンターガイドとなる。上記ピンチロールは単に内側エッジを挟持するニップロールの場合や、テンションリールの巻き取り張力を付与するデフレクタロールを兼ねる場合などが考えられる。
上記基本概念により、スリット帯板の搬送ライン(あるいはスリットラインともいう)において、簡素な装置構成で、帯板のエッジを傷めずに、スリット後の帯板を搬送ライン中央側で安定させることができ、また、切断後の尾端通板時のような非定常通板時でも、容易に安定通板させることができる。
上記基本概念に基づいた本発明[1]は、例えば図1に示すように、搬送ライン内で1条の全幅の帯板を2条にスリットしてなるスリット帯板S1,S2をピンチロールにて通板させるスリット帯板の蛇行防止装置であって、前記ピンチロールの上流に位置し、前記スリット帯板に当接して前記スリット帯板をライン中央側へ寄せるセンタリングロールを有し、前記ピンチロールで、前記スリット帯板S1,S2のライン中央側エッジ近傍を挟持し、該挟持により拘束された前記スリット帯板S1,S2のライン中央側エッジをガイドするセンターガイド1を設けたものとした。
ここで前記センタリングロールは、上下対となったロールを有し、上下ロールのうち少なくとも一方は、前記スリット帯板に対し外側片圧下(図1(a))を行うかまたはスキュー角(図1(b))を有するものとした(本発明[2]に対応する)。
なお、本発明に用いるピンチロールとしては、2条のスリット帯板が前記センターガイドの両側にそれぞれ通板される形態に限定されるものではなく、2条のスリット帯板のいずれか1条のみが前記センターガイドの両側のうち、いずれか片側のみに通板される形態であってもよい。これは例えば図1において、例えばスリット材S1のみを通板し、スリット材S2は通板しないとするような形態であり、かかる形態のピンチロールであっても、本発明においては用いることができる。なお、図1のようなスリット後の板端部をピンチロールの片圧下部幅方向外側に合わせる必要はない。
ところで、スリット帯板の搬送ラインには、スリット帯板だけを通板させるタイプ(便宜上タイプIと称する)だけではなく、スリット帯板と、スリットされない全幅の帯板(通常材)とを、交替で通板させるタイプ(便宜上タイプIIと称する)もある。タイプIの場合、前記センターガイドの設置様式は固定式であってもよいが、タイプIIの場合は、固定式とせず、進退自在(進退自在式)とし、スリット帯板を通板させる時には前記2条のスリット帯板の板間に下降してスリット帯板のライン中央側エッジをガイドし、通常材をスリットせずに通板させる時には通常材の上面へ退避するように構成することが好ましい(本発明[3]に対応する)。なお、パスライン変動等を考慮すれば、前記センターガイドの下端は前記下ロール上端の高さ位置まで下降するのがエッジをガイドする上で確実ではある。ただし、ほとんどパスライン変動がないラインに設置する場合には、前記スリット材の上面より下側から前記下ロール上端の高さ位置までの間に下降するようになっていればよい。
上述したセンターガイドとセンタリングロールの具体例を図6〜図8に示す。これらの斜視図では、図示のないスリット帯板の搬送方向は、図の左側から右側に向かう方向である。
図6は、センターガイドとして、角棒状のガイドバー13を用いた例である。本例のガイドバー13は進退自在式(本発明[4]の中のガイドバーに対応する)としたが、スリット材のみ通板する場合は固定式としてもよい。なお、図6において、(a)はセンタリングロールが外側片圧下の場合、(b)はセンタリングロールの上ロールが内向きスキュー角の場合、(c)はセンタリングロールの上下ロールが内向きスキュー角の場合を示している。
図7は、センターガイドとして、円盤状のガイドディスク14を用いた例である。本例のガイドディスク14は進退自在式(本発明[4]の中のガイドディスクに対応する)としたが、スリット材のみ通板する場合は固定式としてもよい。なお、図7において、(a)はセンタリングロールが外側片圧下の場合、(b)はセンタリングロールの上ロールが内向きスキュー角の場合、(c)はセンタリングロールの上下ロールが内向きスキュー角の場合を示している。
図8は、センターガイドとして、前記上ロール11の中央部を軸として遊嵌させた進退自在のガイドリング17を用いた例である(本発明[5]に対応する)。前記図1に該当する構成の斜視図である。ガイドリング17は、上ロール11のロール軸に遊嵌されているので、スリット材S1,S2の通板時(図1(d))にはこれら板間の隙間を通って下ロール12との接触位置まで下降してスリット材S1,S2のライン中央側エッジをガイドし、一方、通常材Sの通板時(図1(c))にはこの板の上面に退避する。
なお、図8において、(a)はセンタリングロールが外側片圧下の場合、(b)はセンタリングロールの上ロールが内向きスキュー角の場合、(c)はセンタリングロールの上下ロールが内向きスキュー角の場合を示している。
また、前記センターガイドの下降は、センターガイド一体の自重によるか、もしくはセンターガイドを上側から下方に押すようにした押さえ機構等、例えば図5のように、シリンダー40の先端部に小さいロール41を付けガイドリング17やガイドディスクの上部を上側から下方に向かって押さえるようにした押さえ機構で積極的に押し下げてもよい。ただし通常材を通板させる時には、通常材の上面に変形や疵を発生させないような押し付け力の設定にした押さえ機構とする。さらに、センターガイドの最外周は、通常材に接触することを考慮して、図9のように上ロールと同質か、ゴム等の弾性体とし、スリット材のエッジと接触するセンターガイド1(例えばガイドリング17)の側面は、硬度の高い耐磨耗材とする。
(実施例1)
実施例1の実施対象は、冷延鋼板のスリットラインである。このスリットラインは、図10(a)に示すように、シヤー20の下流で2条のスリット帯板S1,S2をそれぞれ第1、第2デフレクタピンチロール21,22に通して搬送方向を水平方向から下向きに変えて、第1、第2テンションリール31,32で巻取るように構成されている。なお、スリット帯板S2は、第2デフレクタピンチロール22に入る前に、スリット帯板S1と並行して第1デフレクタピンチロール21を通るが、そこではスリット帯板S2の搬送方向は水平方向のままとされる。このスリットラインでは図10(b)に示すように、ときには通常材Sも通板させ、第1デフレクタピンチロール21、第1テンションリール31の設備系列と、第2デフレクタピンチロール22、第2テンションリール32の設備系列とを交互に用いて巻取を行っている。従来は、第1、第2デフレクタピンチロール21,22は上下ロールともフラットロールを用いていた。
実施例1では、センタリングロール3および、第1、第2デフレクタピンチロール21,22を、図8(a)に示したのと同じ形態とした。すなわち、センタリングロール3の上ロールを段付きロールにして、外側片圧下によるセンタリングが可能な形態とし、前記センターガイドとして、ピンチロールの上ロール11の中央部を軸として遊嵌させた進退自在のガイドリング17を用いた。第1デフレクタピンチロール21では、スリット帯板S1,S2がともに外側片圧下によりライン中央側に寄せられ、該寄せられた板エッジがガイドリング17でガイドされる。第2デフレクタピンチロール22では、その上流の第1デフレクタピンチロール21を通過後孤独となったスリット帯板S2だけが外側片圧下によりライン中央に寄せられ、該寄せられた板エッジがガイドリング17でガイドされる。
通常材Sの通板時には、ガイドリング17は、自動的に板上面側に退避する。
なお、第1デフレクタピンチロール21への本発明適用のみでも十分な蛇行防止効果が得られるが、実施例1のように第2デフレクタピンチロール22へも本発明を適用すると、その効果はさらに大きくなる。
(実施例2)
実施例2の実施対象は、実施例1の実施対象と同じスリットラインである。実施例2の実施形態を図11に示す。図示のようにここでは、第2デフレクタピンチロール22は従来のままとし、センタリングロール3および、第1デフレクタピンチロール21を、図7(c)に示したのと同じ形態とした。すなわち、センタリングロール3を内向きスキュー角によるセンタリングが可能な形態とし、前記センターガイドとして、円盤状のガイドディスク14を用いた。
これによる作用効果は、実施例1において第2デフレクタピンチロール22を従来のままとした場合と同等である。
1 センターガイド
3 センタリングロール
10 搬送ロール
11 上ロール(ピンチロール2の上ロール)
12 下ロール(ピンチロール2の下ロール)
13 ガイドバー
14 ガイドディスク
17 ガイドリング
20 シヤー
21 第1デフレクタピンチロール
22 第2デフレクタピンチロール
31 第1テンションリール
32 第2テンションリール
S 帯板(全幅の帯板または通常(スリットしない)材)
S1,S2 スリット帯板(スリット材)
SG サイドガイド


Claims (5)

  1. 1条の全幅の帯板を2条にスリットしてなるスリット帯板を含む帯板の搬送ライン内でピンチロールにて通板させるスリット帯板の蛇行防止装置であって、
    前記ピンチロールは、前記スリット帯板の下面を支える下ロールと、
    前記スリット帯板の上面に当接する少なくとも1本の上ロールとを有し、
    前記ピンチロールよりもライン上流側の位置で前記スリット帯板に当接して前記スリット帯板をライン中央側へ寄せるセンタリングロールを設け、
    かつ前記ピンチロールの下ロールと上ロールとで挟持したニップ内および/またはニップ近傍内に位置する前記スリット帯板のライン中央側エッジをガイドするセンターガイドを設けたことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
  2. 請求項1において、
    前記センタリングロールは、上下対となったロールを有し、
    上下ロールのうち少なくとも一方は、前記スリット帯板に対し外側片圧下を行うかまたは内向きスキュー角を有する、
    ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記センターガイドは進退自在とされてなり、
    前記スリット帯板を通板させる時には前記2条のスリット帯板の板間に下降して前記スリット帯板のライン中央側エッジをガイドし、
    前記全幅の帯板をスリットせずに通板させる時には前記全幅の帯板の上面へ退避する
    ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
  4. 請求項3において、前記センターガイドとして、
    角棒状のガイドバーまたは円盤状のガイドディスクを用いた
    ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
  5. 請求項3において、前記センターガイドとして、
    前記ピンチロールの上ロールの軸に遊嵌させて上下動可能なるガイドリングを用いた
    ことを特徴とするスリット帯板の蛇行防止装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109590328A (zh) * 2018-12-11 2019-04-09 南京钢铁股份有限公司 一种棒材切分线差快速调整方法

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