JP2012161229A - 回転装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率が高く、トルクが大きい回転装置を提供する。
【解決手段】互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石3が回転軸9を中心とする円周上に列設された構造を有するステーター2と、前記ステーター2の一端又は両端に配置されるローター5と、電磁石3に流す電流を制御する制御部8からなり、ローター5には、電磁石3の磁極と反発する磁極をステーター2側に向けた前方磁石6f、及び吸引する磁極を向けた後方磁石6rからなる磁石対6が複数対設けられており、制御部8は電磁石3が磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間にあるときに通電しており、電磁石3が隣接する磁石対6と磁石対6の間にあるときに電流を遮断しているように電流を制御することを特徴とする回転装置1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電流を用いた回転装置に関し、更に詳しくは、効率が高くトルクが大きい回転装置に関する。
従来より、直流電流を用いた回転装置は電流や電圧を変化させることによりトルクや回転数を制御しやすく、さらに効率が高いと一般に考えられていることから、制御用モーター等として広く使用されている。
このような直流回転装置において、ローター用の磁石として電磁石が使用されることが多いが、従来のモーターでは該電磁石の二つの磁極(N極とS極)のうちいずれか一方だけしか使用されていないので、更なる高効率化の余地は十分にあると考えられる。このような見地に基づき、電磁石をステーター用の磁石として用い、当該電磁石の両極に永久磁石を用いたローターを配置して、電磁石に入力する電力の有効利用を図った回転装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−25469号公報
しかしながら、特許文献1で提案された回転装置では、ステーター内で使用する電磁石の磁極の向きが不揃いなため、一部の磁力が隣接する電磁石の磁力により打ち消されてしまい、その効率化には限界がある。
本発明者は、電磁石の磁極の向きを揃えることにより磁力が打ち消されることがなくなり、更なる高効率化を図ることができるとの知見に基づき本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、電磁石の磁極の向きを揃えることにより、効率が一層高く、トルクが大きい回転装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の特徴の第1は、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石が回転軸を中心とする円周上に列設された構造を有するステーターと、前記ステーターの一端又は両端に配置されるローターと、電磁石に流す電流を制御する制御部(例えば整流子)からなり、ローターには、電磁石の磁極(例えばN極)と反発する磁極(例えばN極)をステーター側に向けた前方磁石、及び吸引する磁極(例えばS極)を向けた後方磁石からなる磁石対(永久磁石を使用)が複数対設けられており、制御部は電磁石が磁石対の前方磁石と後方磁石の間(電磁石が前方磁石又は後方磁石と対峙している場合を含む)にあるときに通電しており、電磁石が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御することを特徴とする回転装置を内容とする。
本発明の特徴の第2は、磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)を、隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きくすることを特徴とする上記回転装置を内容とする。
本発明の特徴の第3は、磁石対の数の2倍の電磁石が、ステーターに等間隔に配列されていることを特徴とする上記回転装置を内容とする。
本発明の特徴の第4は、磁石対の前方磁石と後方磁石の反対極側を強磁性材料からなる橋様体で架橋したことを特徴とする上記回転装置を内容とする。
本発明の特徴の第5は、制御部が整流子又はICドライバーであることを特徴とする上記回転装置を内容とする。
本発明の特徴の第6は、制御部が2個(A列用とB列用)の整流子であり、ステーターの電磁石の数がローターの前方磁石と後方磁石からなる磁石対の数の2倍であり、一の整流子に接続された(A列と称する)電磁石と、他の整流子に接続された(B列と称する)電磁石は交互に配置されており、磁石対の前方磁石と後方磁石の間にA列の電磁石とB列の電磁石が両方とも入った際には、整流子は両方とも通電状態となるように構成されることを特徴とする上記回転装置を内容とする。
本発明の回転装置は、電磁石が磁極を揃えて配置されているので、複数の電磁石から発揮される磁力がお互いに打ち消しあう斥力がなくなるので、効率が高くなる。
また、磁石対の前方磁石と後方磁石の間に入っている電磁石に通電し、前方磁石との間に反発力を生じさせ、且つ後方磁石との間に吸引力を生じさせることにより駆動力(回転力、以下同じ)を得るとともに、隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にある電磁石の電流を遮断することにより駆動力とは逆向きの力が生じないようにするので大きいトルクが得られる。
さらに、電流を遮断する際に発生する逆起電力により電磁石の磁極はわずかな間だけ反転するが、後方磁石が電磁石を通過した直後に電源を切れば逆起電力により磁極が反転した電磁石と後方磁石が反発して駆動力と同方向の力が得られるので回転装置のトルクが一層大きくなる。
磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)を隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きくすることにより、磁石対の前方磁石と後方磁石の間に複数の電磁石が入り、この複数の電磁石による反発力、吸引力でローターが駆動されるので、トルクがさらに大きくなる。
また、磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)を隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きくし、磁石対の数の2倍の電磁石をステーターに等間隔に配列することにより、少なくとも半数の電磁石が常に磁石対の間にあるので、ステーターとローターの位置関係に関わらず始動でき、また制御が容易である。
磁石対の前方磁石と後方磁石の反対極側を強磁性材料からなる橋様体で架橋することにより、架橋した磁石対の前方磁石と後方磁石の間で磁束密度が高まるので、この間にある電磁石との間で反発力、吸引力が強まり、一層効率が高くなる。
本発明における制御部としては、整流子やICドライバーが好適である。
図1は本発明の回転装置の実施例を示す斜視図である。 図2は図1の実施例の正面図である。 図3は図1の実施例の側面図である。 図4は図1の実施例の断面図である。 図5は磁心及び磁心に電線を巻きつけてなる電磁石を示す斜視図である。 図6はローターを示す斜視図である。 図7は電磁石と磁石対の位置関係と電磁石のON−OFFを示す模式説明図である。 図8は図7より時間が進んだ際の電磁石と磁石対の位置関係と電磁石のON−OFFを示す模式説明図である。 図9はステーターにおける制御部と電磁石の接続を示す配線図である。 図10(a)は磁石対に対する電磁石の位置を示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるA列用の整流子を示す説明図であり、(c)は同じくB列用の整流子を示す説明図である。 図11(a)は図10の場合より時間が進んだ状態の磁石対及び電磁石を示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるA列用の整流子を示す説明図であり、(c)は同じくB列用の整流子を示す説明図である。 図12(a)は図11の場合よりさらに時間が進んだ状態の磁石対及び電磁石を示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるA列用の整流子を示す説明図であり、(c)は同じくB列用の整流子を示す説明図である。 図13は本発明の実施例における電磁石と磁石対の関係を示す模式説明図である。 図14は本発明の実施例における制御部(整流子)の状態を示す模式説明図である。 図15はローターを1つ使用した場合のトルクの測定方法を示す説明図である。 図16はローターを2つ使用した場合のトルクの測定方法を示す説明図である。
本発明の回転装置1は、図1乃至図4の実施例に示すように、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石3が回転軸9を中心とする円周上に列設された構造を有するステーター2と、前記ステーター2の一端又は両端に配置されるローター5と、電磁石3に流す電流を制御する制御部8からなり、ローター5には、電磁石3の磁極と反発する磁極をステーター2側に向けた前方磁石6f、及び吸引する磁極を向けた後方磁石6rからなる磁石対6が複数対設けられており、図10乃至図12に示すように、制御部8は電磁石3が磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間にあるときに通電しており、電磁石3が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御することを特徴とする。
本発明の回転装置1は、図1乃至図4に示すように、電磁石3を複数(図示した実施例では8本)備えたステーター2と、磁石対6を複数対(図示した実施例では4対)備えたローター5と、制御部8(図示した実施例では2個(A列用とB列用)の整流子)を有する。
本発明におけるステーター2は電磁石3が回転軸9を中心とする円周上(周方向)に列設された構造とされ、ローター5を電磁石3の両端側に1個づつ、計2個設置できるようにされている。なお、本発明の回転装置1を駆動するだけなら、ローター5は一つだけでも十分であるが、2個設置したほうが電力の利用効率が高く、トルクも大きくなる。
以下、ローター5を二つ用いる場合に基づいて本発明を説明するが、他端側については同様であるので、煩雑さを避けるために原則として記載を省略する。
電磁石3はローター5の回転軸9を通す軸受けを中心とした円周上に配置されるが、ローター5の回転速度やトルクを制御しやすくするため、電磁石3同士の間隔を等しくするのが好ましい。
なお、本発明においては、異なる磁極を近接することによる磁力の打ち消し合いを防ぐため、電磁石3の磁極は全て揃えられている。このため、ステーター2が全体としてN極とS極に分極されており、本発明ではこのステーター2のN極、S極の部分にローター5、5’を取り付けるように構成される。
本発明で用いる電磁石3は棒状である限り特に限定されず、例えば図5に示したような、鉄芯4に電線を巻回した一般的なものが全て好適に利用できる。
なお、鉄芯4として電磁鋼を用いれば、電気エネルギーを効率よく磁力エネルギーに変換できるので好ましく、電磁鋼として珪素鋼を用いればコスト面でも低廉になる。好ましくは、珪素鋼板を矩形状に切断し、これを直方体状に積層したものを鉄芯4とすれば、強い磁力を発する電磁石3が安価に得られる。
本発明におけるローター5は、例えば図6に示したように、前方磁石6fと後方磁石6rを一対にした磁石対6を複数対(図6では4対)備えている。
本発明において、前方磁石6fとは、当該ローター5が取り付けられる側のステーター2の磁極と同じ磁極が内側(ステーター2と対向する側を意味する。以下同じ)に向けられた永久磁石のことである。即ち、図示する通り、本発明のステーター2にはローター5を取り付ける箇所がステーター2の両側にそれぞれを1箇所づつの計2箇所あり、その内の一箇所はN極となり、残る一箇所はS極となっているが、ステーター2のN極側に取り付けるローター5において前方磁石6fとはN極を内側に向けた永久磁石のことであり、ステーター2のS極側に取り付けるローター5’においてはS極を内側に向けた永久磁石が前方磁石6f’である。
また、本発明において後方磁石6rとは、ステーター2側の磁極とは異なる磁極が内側に向けられた永久磁石のことである。即ち、ステーター2のN極側に取り付けるローター5において後方磁石6rとはS極を内側に向けた永久磁石のことであり、ステーター2のS極側に取り付けるローターにおいてはN極を内側に向けた永久磁石が後方磁石6rである。
なお、本発明において前方磁石6fと後方磁石6rは一対になって機能するため、これらを二つ合わせて磁石対6と称する。磁石対6のうち、いずれが前方磁石6f、後方磁石6rになるかはローター5の回転方向により定まり、回転方向はローター5を取り付けるステーター2の磁極により定まるので、ローター5だけでは前方磁石6f、後方磁石6rの区別はできないが、図6においては、矢示する方向にローター5が回転するものとして前方磁石6f、後方磁石6rを示す。
本発明では、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間に電磁石3が入っている(位置している)ときに当該電磁石3に通電して磁力を発揮させ、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間から電磁石3が出ているときに電流を遮断することによりローター5を駆動(回転、以下同じ)する。
即ち、図7の模式説明図に示したように、例えば磁石対6−1に着目すると、前方磁石6f1と後方磁石6r1の間に入っている電磁石3A−1及び電磁石3B−2に通電すれば、電磁石3A−1の前方に配置された前方磁石6f1は電磁石3A−1と反発して矢示するように前方に押し出される。また、電磁石3B−2の後方に配置された後方磁石6r1は電磁石3B−2に吸引されて矢示するように前方に引き寄せられる。その結果、ローター5が回転する。
また、図8に示したように、時間が進んで後方磁石6r1が電磁石3B−2を通り過ぎている状態では、後方磁石6r1に乗り越えられた電磁石3B−2の電流を遮断する。このようにすることにより、後方磁石6r1が後方の電磁石3B−2に吸引されて後側に引っ張られることがない。
さらに、電流を遮断する際に発生する逆起電力により電磁石3(図8における3B−2と3B−8)の磁極はわずかな間だけ反転するが、後方磁石6rが電磁石3を通過した直後に電流を遮断すれば逆起電力により磁極が反転した電磁石3(3B−2及び3B−8)と後方磁石6r(6r1及び6r4)が反発して駆動力と同方向の力が得られ、この力が付加されることになるので、回転装置のトルクが一層大きくなる。
上記した通り、本発明では磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間に入っている電磁石3(図7の例では3A−1及び3B−2)に通電し、隣接する磁石対6と磁石対6の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)に入っている電磁石3(図10の例では3B−2)の電流を遮断するように通電が制御されているが、電磁石3の数を磁石対6の数(例えば4対)の整数倍(例えば2倍の8個)とし、磁石対6の数個(例えば4個)ごとにまとめて電磁石3の通電を制御するのが簡便で好ましい。
詳しくは、電磁石3を磁石対6の数個(例えば4個)ごとにまとめてそれぞれをA列、B列とし、それぞれの列に属する電磁石3をA、B、A、B、と順に並べて、等間隔且つ円周上に配列する。通常は磁石対6も等間隔に配列されるので、このようにすれば、A列の電磁石3の位置は各磁石対6に対して同じであり、B列も同様であるから、各列の電磁石3は列ごとにまとめて制御できる。
また、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離(例えば、図7で磁石対6−1の前方磁石6f1と後方磁石6r1の距離)D1を、隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離(例えば、図7で磁石対6−1と磁石対6−2の距離)D2よりも大きくし、電磁石3の数を磁石対6の数の2倍にすれば、少なくとも各列のうちいずれかの電磁石3は必ず磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間に入るので、電磁石3と磁石対6の位置関係に関わらず駆動力を得ることができる。
また、図7及び図8に示したように、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離D1を、隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離D2よりも大きくすれば、電磁石3に通電できる時間を長く、電流を遮断している時間を短くすることができ、また同時に通電できる電磁石3の数も多くなるので、その分トルクが大きくなる。
また、図示したように、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの反対極側を強磁性材料からなる橋様体7で架橋すれば、架橋した前方磁石6fと後方磁石6rの間で磁束密度が高くなるので、電磁石3との反発力、吸引力も強まり、トルクが一層大きくなる。
橋様体の形状は特に限定されないが、磁石対6の前方磁石6f及び後方磁石6rの上面を覆う程度の幅を有する板状体が好ましい。また、橋様体の材質は強磁性材料であれば特に限定されないが、鉄製とするのがコスト面で好ましい。
上記したように、本発明では電磁石3の通電を制御することによりローター5を駆動するが、通電の制御は制御部8により行われる。
本発明で使用できる制御部8としては、電磁石3が磁石対6の間にあるときに電磁石3に通電できるものであれば特に限定されず、通常はローター5の回転軸9と連動する整流子が使用されるが、ICドライバーも使用できる。なお、ICドライバーとしては前述の整流子と同様に通電を制御するとともに、全ての電磁石3に通電する際にそれぞれの電磁石3における電圧が落ちないように、全体としての電圧を上げる機能を有するものが好ましい。
以下、本発明における電磁石3への通電制御の一例について、図9乃至図12に基づいて説明する。なお、図9は図1乃至図4に示した本発明の回転装置に用いるステーター2の配線図であり、図10乃至12は磁石対6と電磁石3の位置関係、及びそのときの整流子(制御部)8の状態を示す説明図である。また、図9において電磁石3は縦一列に記載されているが、これは作図上の都合であり、実際には図1乃至図4に示したように、円周上に列設されていることは云うまでもない。
この例では、上記と同様に、ローター5に4対の磁石対6が設けられ、ステーター2には8本の電磁石3が設けられ、この電磁石3はローター5の回転軸9と連動する2個の整流子(制御部)8により制御されている。
詳しくは、電磁石3はA列とB列にグループ分けされ、A列の電磁石3AとB列の電磁石3Bが交互に配置されている。また、図7及び図8に模式的に示すごとく、磁石対6の設置周期と、A列用の電磁石3Aの設置周期と、B列用の電磁石3Bの設置周期とはそれぞれ等しいが、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの距離D1はA列用の電磁石3AとB列用の電磁石3Bの間の距離D3よりも大きく、隣接する磁石対6と磁石対6の間隔D2は電磁石3Aと電磁石3Bの間の距離D3よりも小さくされている。
このようなステーター2とローター5において、各磁石対6に対する各A列の電磁石3Aの位置関係は同期して変化するので、A列の電磁石3Aは4個まとめて制御することができる。B列の電磁石3Bについても同様で、4個まとめて制御することができる。従って、本実施例においても、A列の電磁石3Aは全てA列用の整流子8Aと接続され、B列の電磁石3Bは全てB列用の整流子8Bと接続されている。
なお、図9において、A列の電磁石3A及びB列の電磁石3Bはそれぞれ直列に接続されているが、勿論、並列に接続することもできる。
一方、制御部8はA列用の整流子8AとB列用の整流子8Bからなり、図10乃至図12に示すように、整流子8A、8Bはそれぞれドーナツ状導電体8d及びブラシ8bからなり、ドーナツ状導電体8dの表面に通電部8cと非通電部8nが4箇所ずつ交互に設けられている。また、A列用の整流子8AとB列用の整流子8Bは互いに45度ずらして回転軸9に取り付けられている。なお、ドーナツ状導電体8dと回転軸9の間は、漏電またはショートを防ぐため絶縁されている。
本実施例においてはドーナツ状導電体8dは金属製であり、その表面に金属製の通電部8cと合成樹脂製又はゴム製の非通電部8nが接着されているが、本発明において通電部8cはブラシ8bと接触してドーナツ状導電体8dに通電できれば十分であるとともに、非通電部8nはブラシ8bとドーナツ状導電体8dの接触を妨げることができれば十分である。
例えば、ドーナツ状導電体8dの周面の一部に設けた凹部を非通電部8nとし、凹部を設けていない部分を通電部8cとし、ブラシ8bが非通電部8n上にある時にブラシ8bとドーナツ状導電体8dの間に隙間を作ることにより、ブラシ8bとドーナツ状導電体8dの接触を妨げるようなものも本発明における整流子8として使用できる。
上記のように構成された回転装置1において、図10に示すように、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間にある電磁石3(例えば、図10(a)における磁石対6−1の前方磁石6f1と後方磁石6r1の間にある電磁石3A−1)には通電されており、隣接する磁石対6と磁石対6の間にある電磁石3(例えば、図10(a)における磁石対6−1の後方磁石6r1と隣接する磁石対6−2の前方磁石6f2の間にある電磁石3B−2)の電流は遮断されているように電流が制御される。
この場合、A列用の整流子8Aは、図10(b)に示すように、ブラシ8bが通電部8cと接触しているので、電流はドーナツ状導電体8dを通ってA列の電磁石3Aに流れる。
一方、B列用の整流子8Bは、図10(c)に示すように、ブラシ8bは非通電部8nと接触しているので、電流はブラシ8bとドーナツ状導電体8dの間で遮断され、B列の電磁石3Bには電流が流れない。
時間が進み、図11(a)に示すように、前方磁石6fがB列の電磁石3Bと対峙する位置に達すると、図11(c)に示すように、ブラシ8bがB列用の整流子8Bの通電部8cと接触し始める。なお、図11(c)では通電部8cの端部のみがブラシ8bの端部と接触しているが、ドーナツ状導電体8dは矢示する方向に回転しているので、この位置から通電が開始され、前方磁石6fはB列の電磁石3Bと反発し始める。
一方、A列用の整流子8Aは、図11(b)に示すとおり、ブラシ8bと通電部8cが接触したままなので通電状態にあり、後方磁石6rを吸引している。
更に時間が進み、図12(a)に示すように、後方磁石6rがA列の電磁石3Aを乗り越える位置に達すると、図12(b)に示すように、ブラシ8bがA列用の整流子8Aの通電部8cから外れて電流が遮断される。なお、図12(b)では通電部8cの端部がブラシ8bの端部と接触しているが、ドーナツ状導電体8dは矢示する方向に回転しているので、この位置で通電が終了し、以後、後方磁石6rと電磁石3Aの吸引力が殆ど無くなる(永久磁石である後方磁石6rが強磁性体としての鉄芯等を吸引するので、完全なゼロにはならない)。これにより、回転方向と逆向きの力の発生が抑えられる。
一方、B列用の整流子8Bは、図12(c)に示すとおり、ブラシ8bと通電部8cが接触したままなので通電状態にある。従って、電磁石3Bは前方磁石6fと反発するとともに後方磁石6rを吸着して前方方向へのトルクを発生させている。
更に時間が進んで、前方磁石6fがA列の電磁石3Aと対峙する位置に進めば、図11に示した状態と同様、電磁石3Aの通電が開始されて強いトルクが発生する。本実施例の回転装置1は、このような通電制御のサイクルを繰り返して回転を続ける。
図13、図14に模式的に示す回転装置1の実施例を用いて、本発明の回転装置1のトルクを測定した。なお、本発明はこの実施例には限定されない。
この回転装置1は、8本の電磁石3が等間隔に配列されたステーター2と、4対の磁石対6が設けられ、一対の前方磁石6fと後方磁石6rの反対極側が強磁性材料(鉄)からなる橋様体7で架橋されたローター5を有する。図13にはステーター2の両側にローター5が2つ設けられた状態が記載されているが、1つだけでも駆動は可能である。
この回転装置1において、制御部8はICドライバーであるが、回転装置1の回転軸に固定されたA列用の整流子8AとB列用の整流子8Bを用いた場合と機能はほぼ同じなので、以下、整流子に置き換えて説明する。なお、この実施例で用いるICドライバーは全ての電磁石3に電流が流れている際にも、A列用の電磁石3A又はB列用の電磁石3Bのいずれか一方に電流が流れている場合と同じ電圧を保つ機能を有している。
この制御部8において、A列用の整流子8Aの通電部8cにブラシ8bが接触したとき(図14(a)上側)に、電磁石3A−1・3・5・7に通電され、通電部8cとブラシ8bが離れたとき(図14(c)上側)に通電が遮断される。同様に、B列用の整流子8Bの通電部8cにブラシ8bが接触したとき(図14(c)下側)に、電磁石3B−2・4・6・8に通電され、通電部8cとブラシ8bが離れたとき(図14(a)下側)に通電が遮断される。
この回転装置1は、下記の特徴を有する。
(1)電磁石3のN・S両極を使用すること、
(2)配列された電磁石3の右側が全てS極に揃えられ、左側が全てN極に揃えられていること、
(3)ある電磁石3から数えて奇数番目がA直列、偶数番目がB直列とされ、A直列の電磁石3とB直列の電磁石3は交互に用いられるが、少しの間だけ全ての電磁石3を同時に使用すること(制御部8の状態が図14(a)のときにA直列3Aが使用され、(b)のときに全ての電磁石3が同時に使用され、(c)のときにB直列3Bが使用される)、
(4)隣接する2つの電磁石3(即ちA直列とB直列)の間隔と、一対の磁石対6の中の前方磁石6fと後方磁石6rの間隔を比較すれば、前方磁石6fと後方磁石6rの間隔のほうが長い。
なお、このような回転装置1は大型化も容易であり、例えば、本実施例の5倍のトルクを有する回転装置1を得るには、電磁石3や磁石対6の数を5倍にすればよく、即ち、電磁石3を40本、磁石対6を20対の回転装置1を用いて、20本のA直列電磁石3Aと20本のB直列電磁石3Bが交互に働くようにすれば良い。このようにすれば、大型にした場合でも永久磁石の使用が可能で、1つの電磁石3に過大な電流が流れることもなく、発熱量が小さい優れた大型の回転装置1が得られる。
本発明の回転装置1のトルクは図15及び図16に示した方法で測定した。即ち、木製の机Dの表面に長さ36cmのヒノキ製の角材Tの一端Fを蝶番を用いて取り付け、蝶番から7cmの位置Aで机Dと角材Tの間に回転軸9を挟むように回転装置1を設置し、位置Aから28cmの位置Lに重りWを吊るして回転軸9に負荷をかけた。測定は、ローター5を1つだけ用いた状態(図15)と、2つとも用いた状態(図16)の2通りについて行った。回転装置1の駆動に使用した電源は、ローター5が1つの場合は10V1.8A、ローター5が2つの場合は10V1.6Aであった。
その結果、ローター5を1つだけ用いた場合は重りWを800gにしたときに回転装置1が静止したが、ローター5を2つとも用いた場合は重りWを1600gにしても回転装置は止まらなかった。
上記したとおり、本発明の回転装置は、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石が回転軸を中心とする円周上に列設された構造を有するステーターと、前記ステーターの一端又は両端に配置されるローターと、電磁石に流す電流を制御する制御部からなり、ローターには、電磁石の磁極と反発する磁極をステーター側に向けた前方磁石、及び吸引する磁極を向けた後方磁石からなる磁石対が複数対設けられており、制御部は電磁石が磁石対の前方磁石と後方磁石の間にあるときに通電しており、電磁石が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御するように構成されているので、効率が一層高く、トルクが大きい回転装置として、極めて有用性の高いものである。
1 回転装置
2 ステーター
3 電磁石
4 鉄芯
5 ローター
6 磁石対
6f 前方磁石
6r 後方磁石
7 橋様体
8 制御部(整流子)
8A A列用の整流子
8B B列用の整流子
8b ブラシ
8d ドーナツ状導電体
8c 通電部
8n 非通電部
9 回転軸
D1 磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離
D2 隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離
D3 電磁石3Aと電磁石3Bの距離
D 机
T 角材
W 重り
L 重りを吊るした位置
A 回転軸を挟んだ位置
しかしながら、特許文献1で提案された回転装置では、ステーター内で使用する電磁石の磁極の向きが不揃いなため、その効率化には限界がある。
本発明者は、電磁石の磁極の向きを揃えることにより、更なる高効率化を図ることができるとの知見に基づき本発明を完成したものである。
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の特徴の第1は、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石が回転軸を中心とする円周上に列設された構造を有するステーターと、前記ステーターの一端又は両端に配置されるローターと、電磁石に流す電流を制御する制御部(例えば整流子)からなり、ローターには、電磁石の磁極(例えばN極)と反発する磁極(例えばN極)をステーター側に向けた前方磁石、及び吸引する磁極(例えばS極)を向けた後方磁石からなる磁石対(永久磁石を使用)が複数対設けられており、磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)は、隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きく、且つ、磁石対の前方磁石と後方磁石の反対極側は強磁性材料からなる橋様体で架橋されており、制御部は電磁石が磁石対の前方磁石と後方磁石の間(電磁石が前方磁石又は後方磁石と対峙している場合を含む)にあるときに通電しており、電磁石が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御する回転装置において、制御部が2個(A列用とB列用)の整流子又はこれと同等の機能を有するICドライバーであり、ステーターの電磁石の数がローターの前方磁石と後方磁石からなる磁石対の数の2倍であり、一の整流子(IDドライバーうち1個の整流子と同等の機能を有する部分を含む、以下同じ)に接続された(A列と称する)電磁石と、他の整流子に接続された(B列と称する)電磁石は交互に等間隔に配置されており、一の整流子及びA列の電磁石は直列に接続されているとともに、他の整流子及びB列の電磁石は直列に接続されており、磁石対の前方磁石と後方磁石の間にA列の電磁石とB列の電磁石が両方とも入った際には、整流子は両方とも通電状態となるように構成される回転装置を内容とする。
本発明の回転装置は、電磁石が磁極を揃えて配置されているので、効率が高くなる。
また、磁石対の前方磁石と後方磁石の間に入っている電磁石に通電し、前方磁石との間に反発力を生じさせ、且つ後方磁石との間に吸引力を生じさせることにより駆動力(回転力、以下同じ)を得るとともに、隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にある電磁石の電流を遮断することにより駆動力とは逆向きの力が生じないようにするので大きいトルクが得られる。
さらに、電流を遮断する際に発生する逆起電力により電磁石の磁極はわずかな間だけ反転するが、後方磁石が電磁石を通過した直後に電源を切れば逆起電力により磁極が反転した電磁石と後方磁石が反発して駆動力と同方向の力が得られるので回転装置のトルクが一層大きくなる。
本発明の回転装置1は、図1乃至図4の実施例に示すように、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石3が回転軸9を中心とする円周上に列設された構造を有するステーター2と、前記ステーター2の一端又は両端に配置されるローター5と、電磁石3に流す電流を制御する制御部8からなり、ローター5には、電磁石3の磁極と反発する磁極をステーター2側に向けた前方磁石6f、及び吸引する磁極を向けた後方磁石6rからなる磁石対6が複数対設けられており、図7に示すように、磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離D1は、隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離D2よりも大きく、且つ、磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの反対極側は強磁性材料からなる橋様体7で架橋されており、図10乃至図12に示すように、制御部8は電磁石3が磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間にあるときに通電しており、電磁石3が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御する回転装置において、制御部8が2個(A列用とB列用)の整流子又はこれと同等の機能を有するICドライバーであり、ステーター2の電磁石3の数がローター5の前方磁石6fと後方磁石6rからなる磁石対6の数の2倍であり、一の整流子8A(IDドライバーうち1個の整流子と同等の機能を有する部分を含む、以下同じ)に接続された(A列と称する)電磁石3と、他の整流子8Bに接続された(B列と称する)電磁石3は交互に等間隔に配置されており、一の整流子8A及びA列の電磁石3は直列に接続されているとともに、他の整流子8B及びB列の電磁石3は直列に接続されており、磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの間にA列の電磁石3とB列の電磁石3が両方とも入った際には、整流子8A、8Bは両方とも通電状態となるように構成されることを特徴とする。
電磁石3はローター5の回転軸9を通す軸受けを中心とした円周上に配置されるが、ローター5の回転速度やトルクを制御しやすくするため、電磁石3同士の間隔を等しくするのが好ましい。
なお、本発明においては、電磁石3の磁極は全て揃えられている。このため、ステーター2が全体としてN極とS極に分極されており、本発明ではこのステーター2のN極、S極の部分にローター5、5’を取り付けるように構成される。
このようなステーター2とローター5において、各磁石対6に対する各A列の電磁石3Aの位置関係は同期して変化するので、A列の電磁石3Aは4個まとめて制御することができる。B列の電磁石3Bについても同様で、4個まとめて制御することができる。従って、本実施例においても、A列の電磁石3Aは全てA列用の整流子8Aと接続され、B列の電磁石3Bは全てB列用の整流子8Bと接続されている。
なお、図9に示すように、A列の電磁石3A及びB列の電磁石3Bはそれぞれ直列に接続されている
本発明は、直流電流を用いた回転装置に関し、更に詳しくは、効率が高くトルクが大きい回転装置に関する。
従来より、直流電流を用いた回転装置は電流や電圧を変化させることによりトルクや回転数を制御しやすく、さらに効率が高いと一般に考えられていることから、制御用モーター等として広く使用されている。
このような直流回転装置において、ローター用の磁石として電磁石が使用されることが多いが、従来のモーターでは該電磁石の二つの磁極(N極とS極)のうちいずれか一方だけしか使用されていないので、更なる高効率化の余地は十分にあると考えられる。このような見地に基づき、電磁石をステーター用の磁石として用い、当該電磁石の両極に永久磁石を用いたローターを配置して、電磁石に入力する電力の有効利用を図った回転装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−25469号公報
しかしながら、特許文献1で提案された回転装置では、ステーター内で使用する電磁石の磁極の向きが不揃いなため、その効率化には限界がある。
本発明者は、電磁石の磁極の向きを揃えることにより、更なる高効率化を図ることができるとの知見に基づき本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、電磁石の磁極の向きを揃えることにより、効率が一層高く、トルクが大きい回転装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の特徴の第1は、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石が回転軸を中心とする円周上に列設された構造を有するステーターと、前記ステーターの一端又は両端に配置されるローターと、電磁石に流す電流を制御する制御部(例えば整流子)からなり、ローターには、電磁石の磁極(例えばN極)と反発する磁極(例えばN極)をステーター側に向けた前方磁石、及び吸引する磁極(例えばS極)を向けた後方磁石からなる磁石対(永久磁石を使用)が複数対設けられており、磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)は、隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きく、且つ、磁石対の前方磁石と後方磁石の反対極側は強磁性材料からなる橋様体で架橋されており、制御部は電磁石が磁石対の前方磁石と後方磁石の間(電磁石が前方磁石又は後方磁石と対峙している場合を含む)にあるときに通電しており、電磁石が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御する回転装置において、制御部が2個(A列用とB列用)の整流子相当部からなり、1個の整流子相当部は1個の整流子又はこれと同等の機能を有するICドライバーの部分であり、ステーターの電磁石の数がローターの前方磁石と後方磁石からなる磁石対の数の2倍であり、一の整流子相当部に接続された電磁石と、他の整流子相当部に接続された電磁石は交互に等間隔に配置されており、一の整流子相当部及び当該一の整流子相当部に接続された電磁石は直列に接続されているとともに、他の整流子相当部及び当該他の整流子相当部に接続された電磁石は直列に接続されており、磁石対の前方磁石と後方磁石の間に一の整流子相当部に接続された電磁石と他の整流子相当部に接続された電磁石が両方とも入った際には、整流子相当部は両方とも通電状態となるように構成されることを特徴とする回転装置を内容とする。
本発明の回転装置は、電磁石が磁極を揃えて配置されているので、効率が高くなる。
また、磁石対の前方磁石と後方磁石の間に入っている電磁石に通電し、前方磁石との間に反発力を生じさせ、且つ後方磁石との間に吸引力を生じさせることにより駆動力(回転力、以下同じ)を得るとともに、隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にある電磁石の電流を遮断することにより駆動力とは逆向きの力が生じないようにするので大きいトルクが得られる。
さらに、電流を遮断する際に発生する逆起電力により電磁石の磁極はわずかな間だけ反転するが、後方磁石が電磁石を通過した直後に電源を切れば逆起電力により磁極が反転した電磁石と後方磁石が反発して駆動力と同方向の力が得られるので回転装置のトルクが一層大きくなる。
磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)を隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きくすることにより、磁石対の前方磁石と後方磁石の間に複数の電磁石が入り、この複数の電磁石による反発力、吸引力でローターが駆動されるので、トルクがさらに大きくなる。
また、磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離(例えば図7におけるD1)を隣接する磁石対と磁石対の間の距離(例えば図7におけるD2)よりも大きくし、磁石対の数の2倍の電磁石をステーターに等間隔に配列することにより、少なくとも半数の電磁石が常に磁石対の間にあるので、ステーターとローターの位置関係に関わらず始動でき、また制御が容易である。
磁石対の前方磁石と後方磁石の反対極側を強磁性材料からなる橋様体で架橋することにより、架橋した磁石対の前方磁石と後方磁石の間で磁束密度が高まるので、この間にある電磁石との間で反発力、吸引力が強まり、一層効率が高くなる。
本発明における制御部としては、整流子やICドライバーが好適である。
図1は本発明の回転装置の実施例を示す斜視図である。 図2は図1の実施例の正面図である。 図3は図1の実施例の側面図である。 図4は図1の実施例の断面図である。 図5は磁心及び磁心に電線を巻きつけてなる電磁石を示す斜視図である。 図6はローターを示す斜視図である。 図7は電磁石と磁石対の位置関係と電磁石のON−OFFを示す模式説明図である。 図8は図7より時間が進んだ際の電磁石と磁石対の位置関係と電磁石のON−OFFを示す模式説明図である。 図9はステーターにおける制御部と電磁石の接続を示す配線図である。 図10(a)は磁石対に対する電磁石の位置を示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるA列用の整流子を示す説明図であり、(c)は同じくB列用の整流子を示す説明図である。 図11(a)は図10の場合より時間が進んだ状態の磁石対及び電磁石を示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるA列用の整流子を示す説明図であり、(c)は同じくB列用の整流子を示す説明図である。 図12(a)は図11の場合よりさらに時間が進んだ状態の磁石対及び電磁石を示す説明図であり、(b)は(a)の状態におけるA列用の整流子を示す説明図であり、(c)は同じくB列用の整流子を示す説明図である。 図13は本発明の実施例における電磁石と磁石対の関係を示す模式説明図である。 図14は本発明の実施例における制御部(整流子)の状態を示す模式説明図である。 図15はローターを1つ使用した場合のトルクの測定方法を示す説明図である。 図16はローターを2つ使用した場合のトルクの測定方法を示す説明図である。
本発明の回転装置1は、図1乃至図4の実施例に示すように、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石3が回転軸9を中心とする円周上に列設された構造を有するステーター2と、前記ステーター2の一端又は両端に配置されるローター5と、電磁石3に流す電流を制御する制御部8からなり、ローター5には、電磁石3の磁極と反発する磁極をステーター2側に向けた前方磁石6f、及び吸引する磁極を向けた後方磁石6rからなる磁石対6が複数対設けられており、図7に示すように、磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離D1は、隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離D2よりも大きく、且つ、磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの反対極側は強磁性材料からなる橋様体7で架橋されており、図10乃至図12に示すように、制御部8は電磁石3が磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間にあるときに通電しており、電磁石3が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御する回転装置において、制御部8が2個(A列用とB列用)の整流子相当部からなり、1個の整流子相当部は1個の整流子又はこれと同等の機能を有するICドライバーの部分であり、ステーター2の電磁石3の数がローター5の前方磁石6fと後方磁石6rからなる磁石対6の数の2倍であり、一の整流子相当部Aに接続された電磁石3と、他の整流子相当部8Bに接続された電磁石3は交互に等間隔に配置されており、一の整流子相当部8A及び当該一の整流子相当部に接続された電磁石3は直列に接続されているとともに、他の整流子相当部8B及び当該他の整流子相当部に接続された電磁石3は直列に接続されており、磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの間に一の整流子相当部に接続された電磁石3と他の整流子相当部に接続された電磁石3が両方とも入った際には、整流子相当部8A、8Bは両方とも通電状態となるように構成されることを特徴とする。
本発明の回転装置1は、図1乃至図4に示すように、電磁石3を複数(図示した実施例では8本)備えたステーター2と、磁石対6を複数対(図示した実施例では4対)備えたローター5と、制御部8(図示した実施例では2個(A列用とB列用)の整流子)を有する。
本発明におけるステーター2は電磁石3が回転軸9を中心とする円周上(周方向)に列設された構造とされ、ローター5を電磁石3の両端側に1個づつ、計2個設置できるようにされている。なお、本発明の回転装置1を駆動するだけなら、ローター5は一つだけでも十分であるが、2個設置したほうが電力の利用効率が高く、トルクも大きくなる。
以下、ローター5を二つ用いる場合に基づいて本発明を説明するが、他端側については同様であるので、煩雑さを避けるために原則として記載を省略する。
電磁石3はローター5の回転軸9を通す軸受けを中心とした円周上に配置されるが、ローター5の回転速度やトルクを制御しやすくするため、電磁石3同士の間隔を等しくするのが好ましい。
なお、本発明においては、電磁石3の磁極は全て揃えられている。このため、ステーター2が全体としてN極とS極に分極されており、本発明ではこのステーター2のN極、S極の部分にローター5、5’を取り付けるように構成される。
本発明で用いる電磁石3は棒状である限り特に限定されず、例えば図5に示したような、鉄芯4に電線を巻回した一般的なものが全て好適に利用できる。
なお、鉄芯4として電磁鋼を用いれば、電気エネルギーを効率よく磁力エネルギーに変換できるので好ましく、電磁鋼として珪素鋼を用いればコスト面でも低廉になる。好ましくは、珪素鋼板を矩形状に切断し、これを直方体状に積層したものを鉄芯4とすれば、強い磁力を発する電磁石3が安価に得られる。
本発明におけるローター5は、例えば図6に示したように、前方磁石6fと後方磁石6rを一対にした磁石対6を複数対(図6では4対)備えている。
本発明において、前方磁石6fとは、当該ローター5が取り付けられる側のステーター2の磁極と同じ磁極が内側(ステーター2と対向する側を意味する。以下同じ)に向けられた永久磁石のことである。即ち、図示する通り、本発明のステーター2にはローター5を取り付ける箇所がステーター2の両側にそれぞれを1箇所づつの計2箇所あり、その内の一箇所はN極となり、残る一箇所はS極となっているが、ステーター2のN極側に取り付けるローター5において前方磁石6fとはN極を内側に向けた永久磁石のことであり、ステーター2のS極側に取り付けるローター5’においてはS極を内側に向けた永久磁石が前方磁石6f’である。
また、本発明において後方磁石6rとは、ステーター2側の磁極とは異なる磁極が内側に向けられた永久磁石のことである。即ち、ステーター2のN極側に取り付けるローター5において後方磁石6rとはS極を内側に向けた永久磁石のことであり、ステーター2のS極側に取り付けるローターにおいてはN極を内側に向けた永久磁石が後方磁石6rである。
なお、本発明において前方磁石6fと後方磁石6rは一対になって機能するため、これらを二つ合わせて磁石対6と称する。磁石対6のうち、いずれが前方磁石6f、後方磁石6rになるかはローター5の回転方向により定まり、回転方向はローター5を取り付けるステーター2の磁極により定まるので、ローター5だけでは前方磁石6f、後方磁石6rの区別はできないが、図6においては、矢示する方向にローター5が回転するものとして前方磁石6f、後方磁石6rを示す。
本発明では、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間に電磁石3が入っている(位置している)ときに当該電磁石3に通電して磁力を発揮させ、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間から電磁石3が出ているときに電流を遮断することによりローター5を駆動(回転、以下同じ)する。
即ち、図7の模式説明図に示したように、例えば磁石対6−1に着目すると、前方磁石6f1と後方磁石6r1の間に入っている電磁石3A−1及び電磁石3B−2に通電すれば、電磁石3A−1の前方に配置された前方磁石6f1は電磁石3A−1と反発して矢示するように前方に押し出される。また、電磁石3B−2の後方に配置された後方磁石6r1は電磁石3B−2に吸引されて矢示するように前方に引き寄せられる。その結果、ローター5が回転する。
また、図8に示したように、時間が進んで後方磁石6r1が電磁石3B−2を通り過ぎている状態では、後方磁石6r1に乗り越えられた電磁石3B−2の電流を遮断する。このようにすることにより、後方磁石6r1が後方の電磁石3B−2に吸引されて後側に引っ張られることがない。
さらに、電流を遮断する際に発生する逆起電力により電磁石3(図8における3B−2と3B−8)の磁極はわずかな間だけ反転するが、後方磁石6rが電磁石3を通過した直後に電流を遮断すれば逆起電力により磁極が反転した電磁石3(3B−2及び3B−8)と後方磁石6r(6r1及び6r4)が反発して駆動力と同方向の力が得られ、この力が付加されることになるので、回転装置のトルクが一層大きくなる。
上記した通り、本発明では磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間に入っている電磁石3(図7の例では3A−1及び3B−2)に通電し、隣接する磁石対6と磁石対6の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)に入っている電磁石3(図10の例では3B−2)の電流を遮断するように通電が制御されているが、電磁石3の数を磁石対6の数(例えば4対)の整数倍(例えば2倍の8個)とし、磁石対6の数個(例えば4個)ごとにまとめて電磁石3の通電を制御するのが簡便で好ましい。
詳しくは、電磁石3を磁石対6の数個(例えば4個)ごとにまとめてそれぞれをA列、B列とし、それぞれの列に属する電磁石3をA、B、A、B、と順に並べて、等間隔且つ円周上に配列する。通常は磁石対6も等間隔に配列されるので、このようにすれば、A列の電磁石3の位置は各磁石対6に対して同じであり、B列も同様であるから、各列の電磁石3は列ごとにまとめて制御できる。
また、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離(例えば、図7で磁石対6−1の前方磁石6f1と後方磁石6r1の距離)D1を、隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離(例えば、図7で磁石対6−1と磁石対6−2の距離)D2よりも大きくし、電磁石3の数を磁石対6の数の2倍にすれば、少なくとも各列のうちいずれかの電磁石3は必ず磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間に入るので、電磁石3と磁石対6の位置関係に関わらず駆動力を得ることができる。
また、図7及び図8に示したように、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離D1を、隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離D2よりも大きくすれば、電磁石3に通電できる時間を長く、電流を遮断している時間を短くすることができ、また同時に通電できる電磁石3の数も多くなるので、その分トルクが大きくなる。
また、図示したように、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの反対極側を強磁性材料からなる橋様体7で架橋すれば、架橋した前方磁石6fと後方磁石6rの間で磁束密度が高くなるので、電磁石3との反発力、吸引力も強まり、トルクが一層大きくなる。
橋様体の形状は特に限定されないが、磁石対6の前方磁石6f及び後方磁石6rの上面を覆う程度の幅を有する板状体が好ましい。また、橋様体の材質は強磁性材料であれば特に限定されないが、鉄製とするのがコスト面で好ましい。
上記したように、本発明では電磁石3の通電を制御することによりローター5を駆動するが、通電の制御は制御部8により行われる。
本発明で使用できる制御部8としては、電磁石3が磁石対6の間にあるときに電磁石3に通電できるものであれば特に限定されず、通常はローター5の回転軸9と連動する2個の整流子が使用されるが、ICドライバーも使用できる。なお、ICドライバーとしては前述の整流子と同様に通電を制御するとともに、全ての電磁石3に通電する際にそれぞれの電磁石3における電圧が落ちないように、全体としての電圧を上げる機能を有するものが好ましい。
以下、本発明における電磁石3への通電制御の一例について、図9乃至図12に基づいて説明する。なお、図9は図1乃至図4に示した本発明の回転装置に用いるステーター2の配線図であり、図10乃至12は磁石対6と電磁石3の位置関係、及びそのときの制御部8(一の整流子相当部8A及び他の整流子相当部8B。)の状態を示す説明図である。また、図9において電磁石3は縦一列に記載されているが、これは作図上の都合であり、実際には図1乃至図4に示したように、円周上に列設されていることは云うまでもない。
この例では、上記と同様に、ローター5に4対の磁石対6が設けられ、ステーター2には8本の電磁石3が設けられ、この電磁石3はローター5の回転軸9と連動する2個の整流子相当部8A、8Bからなる制御部8により制御されている。
詳しくは、電磁石3はA列とB列にグループ分けされ、A列の電磁石3AとB列の電磁石3Bが交互に配置されている。また、図7及び図8に模式的に示すごとく、磁石対6の設置周期と、A列用の電磁石3Aの設置周期と、B列用の電磁石3Bの設置周期とはそれぞれ等しいが、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの距離D1はA列用の電磁石3AとB列用の電磁石3Bの間の距離D3よりも大きく、隣接する磁石対6と磁石対6の間隔D2は電磁石3Aと電磁石3Bの間の距離D3よりも小さくされている。
このようなステーター2とローター5において、各磁石対6に対する各A列の電磁石3Aの位置関係は同期して変化するので、A列の電磁石3Aは4個まとめて制御することができる。B列の電磁石3Bについても同様で、4個まとめて制御することができる。従って、本実施例においても、A列の電磁石3Aは全てA列用の整流子相当部8Aと接続され、B列の電磁石3Bは全てB列用の整流子相当部8Bと接続されている。
なお、図9に示すように、A列の電磁石3A及びB列の電磁石3Bはそれぞれ直列に接続されている。
一方、制御部8は一の整流子相当部(A列用の整流子8Aと他の整流子相当部(B列用の整流子8Bからなり、図10乃至図12に示すように、整流子相当部8A、8Bはそれぞれドーナツ状導電体8d及びブラシ8bからなり、ドーナツ状導電体8dの表面に通電部8cと非通電部8nが4箇所ずつ交互に設けられている。また、一の整流子相当部(A列用の整流子8Aと他の整流子(B列用の整流子8Bは互いに45度ずらして回転軸9に取り付けられている。なお、ドーナツ状導電体8dと回転軸9の間は、漏電またはショートを防ぐため絶縁されている。
本実施例においてはドーナツ状導電体8dは金属製であり、その表面に金属製の通電部8cと合成樹脂製又はゴム製の非通電部8nが接着されているが、本発明において通電部8cはブラシ8bと接触してドーナツ状導電体8dに通電できれば十分であるとともに、非通電部8nはブラシ8bとドーナツ状導電体8dの接触を妨げることができれば十分である。
例えば、ドーナツ状導電体8dの周面の一部に設けた凹部を非通電部8nとし、凹部を設けていない部分を通電部8cとし、ブラシ8bが非通電部8n上にある時にブラシ8bとドーナツ状導電体8dの間に隙間を作ることにより、ブラシ8bとドーナツ状導電体8dの接触を妨げるようなものも本発明における整流子8として使用できる。
上記のように構成された回転装置1において、図10に示すように、磁石対6の前方磁石6fと後方磁石6rの間にある電磁石3(例えば、図10(a)における磁石対6−1の前方磁石6f1と後方磁石6r1の間にある電磁石3A−1)には通電されており、隣接する磁石対6と磁石対6の間にある電磁石3(例えば、図10(a)における磁石対6−1の後方磁石6r1と隣接する磁石対6−2の前方磁石6f2の間にある電磁石3B−2)の電流は遮断されているように電流が制御される。
この場合、一の整流子相当部(A列用の整流子8Aは、図10(b)に示すように、ブラシ8bが通電部8cと接触しているので、電流はドーナツ状導電体8dを通ってA列の電磁石3Aに流れる。
一方、他の整流子相当部(B列用の整流子8Bは、図10(c)に示すように、ブラシ8bは非通電部8nと接触しているので、電流はブラシ8bとドーナツ状導電体8dの間で遮断され、B列の電磁石3Bには電流が流れない。
時間が進み、図11(a)に示すように、前方磁石6fがB列の電磁石3Bと対峙する位置に達すると、図11(c)に示すように、ブラシ8bが他の整流子相当部(B列用の整流子8Bの通電部8cと接触し始める。なお、図11(c)では通電部8cの端部のみがブラシ8bの端部と接触しているが、ドーナツ状導電体8dは矢示する方向に回転しているので、この位置から通電が開始され、前方磁石6fはB列の電磁石3Bと反発し始める。
一方、一の整流子相当部(A列用の整流子8Aは、図11(b)に示すとおり、ブラシ8bと通電部8cが接触したままなので通電状態にあり、後方磁石6rを吸引している。
更に時間が進み、図12(a)に示すように、後方磁石6rがA列の電磁石3Aを乗り越える位置に達すると、図12(b)に示すように、ブラシ8bが一の整流子相当部(A列用の整流子8Aの通電部8cから外れて電流が遮断される。なお、図12(b)では通電部8cの端部がブラシ8bの端部と接触しているが、ドーナツ状導電体8dは矢示する方向に回転しているので、この位置で通電が終了し、以後、後方磁石6rと電磁石3Aの吸引力が殆ど無くなる(永久磁石である後方磁石6rが強磁性体としての鉄芯等を吸引するので、完全なゼロにはならない)。これにより、回転方向と逆向きの力の発生が抑えられる。
一方、他の整流子相当部(B列用の整流子8Bは、図12(c)に示すとおり、ブラシ8bと通電部8cが接触したままなので通電状態にある。従って、電磁石3Bは前方磁石6fと反発するとともに後方磁石6rを吸着して前方方向へのトルクを発生させている。
更に時間が進んで、前方磁石6fがA列の電磁石3Aと対峙する位置に進めば、図11に示した状態と同様、電磁石3Aの通電が開始されて強いトルクが発生する。本実施例の回転装置1は、このような通電制御のサイクルを繰り返して回転を続ける。
図13、図14に模式的に示す回転装置1の実施例を用いて、本発明の回転装置1のトルクを測定した。なお、本発明はこの実施例には限定されない。
この回転装置1は、8本の電磁石3が等間隔に配列されたステーター2と、4対の磁石対6が設けられ、一対の前方磁石6fと後方磁石6rの反対極側が強磁性材料(鉄)からなる橋様体7で架橋されたローター5を有する。図13にはステーター2の両側にローター5が2つ設けられた状態が記載されているが、1つだけでも駆動は可能である。
この回転装置1において、制御部8はICドライバーであるが、回転装置1の回転軸に固定された一の整流子(A列用の整流子8Aと他の整流子(B列用の整流子8Bを用いた場合と機能はほぼ同じなので、以下、整流子に置き換えて説明する。なお、この実施例で用いるICドライバーは全ての電磁石3に電流が流れている際にも、A列用の電磁石3A又はB列用の電磁石3Bのいずれか一方に電流が流れている場合と同じ電圧を保つ機能を有している。
この制御部8において、一の整流子相当部(A列用の整流子8Aの通電部8cにブラシ8bが接触したとき(図14(a)上側)に、電磁石3A−1・3・5・7に通電され、通電部8cとブラシ8bが離れたとき(図14(c)上側)に通電が遮断される。同様に、他の整流子相当部(B列用の整流子8Bの通電部8cにブラシ8bが接触したとき(図14(c)下側)に、電磁石3B−2・4・6・8に通電され、通電部8cとブラシ8bが離れたとき(図14(a)下側)に通電が遮断される。
この回転装置1は、下記の特徴を有する。
(1)電磁石3のN・S両極を使用すること、
(2)配列された電磁石3の右側が全てS極に揃えられ、左側が全てN極に揃えられていること、
(3)ある電磁石3から数えて奇数番目がA直列、偶数番目がB直列とされ、A直列の電磁石3とB直列の電磁石3は交互に用いられるが、少しの間だけ全ての電磁石3を同時に使用すること(制御部8の状態が図14(a)のときにA直列3Aが使用され、(b)のときに全ての電磁石3が同時に使用され、(c)のときにB直列3Bが使用される)、
(4)隣接する2つの電磁石3(即ちA直列とB直列)の間隔と、一対の磁石対6の中の前方磁石6fと後方磁石6rの間隔を比較すれば、前方磁石6fと後方磁石6rの間隔のほうが長い。
なお、このような回転装置1は大型化も容易であり、例えば、本実施例の5倍のトルクを有する回転装置1を得るには、電磁石3や磁石対6の数を5倍にすればよく、即ち、電磁石3を40本、磁石対6を20対の回転装置1を用いて、20本のA直列電磁石3Aと20本のB直列電磁石3Bが交互に働くようにすれば良い。このようにすれば、大型にした場合でも永久磁石の使用が可能で、1つの電磁石3に過大な電流が流れることもなく、発熱量が小さい優れた大型の回転装置1が得られる。
本発明の回転装置1のトルクは図15及び図16に示した方法で測定した。即ち、木製の机Dの表面に長さ36cmのヒノキ製の角材Tの一端Fを蝶番を用いて取り付け、蝶番から7cmの位置Aで机Dと角材Tの間に回転軸9を挟むように回転装置1を設置し、位置Aから28cmの位置Lに重りWを吊るして回転軸9に負荷をかけた。測定は、ローター5を1つだけ用いた状態(図15)と、2つとも用いた状態(図16)の2通りについて行った。回転装置1の駆動に使用した電源は、ローター5が1つの場合は10V1.8A、ローター5が2つの場合は10V1.6Aであった。
その結果、ローター5を1つだけ用いた場合は重りWを800gにしたときに回転装置1が静止したが、ローター5を2つとも用いた場合は重りWを1600gにしても回転装置は止まらなかった。
上記したとおり、本発明の回転装置は、互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石が回転軸を中心とする円周上に列設された構造を有するステーターと、前記ステーターの一端又は両端に配置されるローターと、電磁石に流す電流を制御する制御部からなり、ローターには、電磁石の磁極と反発する磁極をステーター側に向けた前方磁石、及び吸引する磁極を向けた後方磁石からなる磁石対が複数対設けられており、制御部は電磁石が磁石対の前方磁石と後方磁石の間にあるときに通電しており、電磁石が隣接する磁石対と磁石対の間(例えば図10における磁石対6−1と磁石対6−2の間)にあるときに電流を遮断しているように電流を制御するように構成されているので、効率が一層高く、トルクが大きい回転装置として、極めて有用性の高いものである。
1 回転装置
2 ステーター
3 電磁石
4 鉄芯
5 ローター
6 磁石対
6f 前方磁石
6r 後方磁石
7 橋様体
8 制御
8A A列用の整流子相当部(一の整流子相当部)
8B B列用の整流子相当部(他の整流子相当部)
8b ブラシ
8d ドーナツ状導電体
8c 通電部
8n 非通電部
9 回転軸
D1 磁石対の前方磁石6fと後方磁石6rの間の距離
D2 隣接する磁石対6と磁石対6の間の距離
D3 電磁石3Aと電磁石3Bの距離
D 机
T 角材
W 重り
L 重りを吊るした位置
A 回転軸を挟んだ位置

Claims (6)

  1. 互いに平行で磁極を揃えて配置された複数の電磁石が回転軸を中心とする円周上に列設された構造を有するステーターと、前記ステーターの一端又は両端に配置されるローターと、電磁石に流す電流を制御する制御部からなり、
    ローターには、電磁石の磁極と反発する磁極をステーター側に向けた前方磁石、及び吸引する磁極を向けた後方磁石からなる磁石対が複数対設けられており、
    制御部は電磁石が磁石対の前方磁石と後方磁石の間にあるときに通電しており、電磁石が隣接する磁石対と磁石対の間にあるときに電流を遮断しているように電流を制御することを特徴とする回転装置。
  2. 磁石対の前方磁石と後方磁石の間の距離を、隣接する磁石対と磁石対の間の距離よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載の回転装置。
  3. 磁石対の数の2倍の電磁石が、ステーターに等間隔に配列されていることを特徴とする請求項2に記載の回転装置。
  4. 磁石対の前方磁石と後方磁石の反対極側を強磁性材料からなる橋様体で架橋したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の回転装置。
  5. 制御部が整流子又はICドライバーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回転装置。
  6. 制御部が2個の整流子であり、ステーターの電磁石の数がローターの前方磁石と後方磁石からなる磁石対の数の2倍であり、一の整流子に接続された(A列と称する)電磁石と、他の整流子に接続された(B列と称する)電磁石は交互に配置されており、
    磁石対の前方磁石と後方磁石の間にA列の電磁石とB列の電磁石が両方とも入った際には、整流子は両方とも通電状態となるように構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の回転装置。
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