JP6129599B2 - 整流子なしクリップモータ並びに整流子なしクリップモータ用硬質回転軸及び回転子用型 - Google Patents

整流子なしクリップモータ並びに整流子なしクリップモータ用硬質回転軸及び回転子用型 Download PDF

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Description

本発明は、主に小中学校の学習教材として用いられるクリップモータ及び該整流子なしクリップモータに用いることができる硬質回転軸と回転子用型に関する。
従来、小学校及び中学校の理科の学習教材として、エナメル線等の導線を巻回してコイルを形成するとともに、エナメル線の巻始め線と巻終わり線とを回転軸としてコイルより突出させ、該突出させたエナメル線の一方の端部の絶縁被膜を全周除去し、他方の端部の絶縁被膜を半周除去し、さらに、エナメル線の両端部を電池等の直流電源に接続された支持部に軸支させ、コイルを回転させるクリップモータが知られている(例えば、特許文献1)。
このクリップモータの回転原理を、図6(A)〜(D)を参照して説明する。なお、クリップ54には図示しない電源が接続されているものとし、回転軸51の半周に施されたハッチングは、当該部分の絶縁被膜が除去されていることを表すものとする。クリップモータ50は、回転軸51とコイル52からなる回転子53と、回転子53を支持するとともに回転軸51に給電するクリップ54と、回転子53の回転する軌跡の外側に設けられた磁石55とを備える。
図6(A)に示すように、回転軸に電流が供給されているとき、コイルの右側では手前から奥に向かって電流が流れ、コイルの左側では奥から手前に向かって電流が流れるものとする。また、磁石は、コイルの右側がS極、左側がN極であり、磁力線Bは左から右に向かう。そして、フレミングの左手の法則により、コイルの右側では下向き、コイルの左側では上向きの電磁力Fが発生し、回転子53は時計回りに回転する。
次に、図6(B)に示すように、回転子53が90度回転したとき、図6(A)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子53を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。次に、回転子53がさらに90度ずつ回転した図6(C),(D)では、クリップに回転軸51の絶縁された部分が接触し、コイルには電流が流れず、電磁力Fは発生しない。このとき、回転子53は慣性により時計回りに回転する。そして、図6(A)に戻り、図6(A)〜(D)を繰り返すことにより回転を続ける。
また、実用とされているモータの構造を理解しやすくするために、回転子が回転する略全周にわたりコイルに電流を供給する、整流子とブラシを備えた教材用モータも知られている(例えば、特許文献2)。
この教材用モータの回転原理を、図7(A)〜(D)を参照して説明する。教材用モータ60は、回転軸61とコイル62と整流子66からなる回転子63と、整流子66に給電するブラシ64と、回転子63を支持する図示しない支持部と、回転子63の回転する軌跡の外側に設けられた磁石65とを備える。また、ブラシ64には、図示しない電源が接続されているものとする。
図7(A)に示すように、整流子66に電流が供給されているとき、コイル62の右側では手前から奥に向かって電流が流れ、コイル62の左側では奥から手前に向かって電流が流れるものとする。また、磁石65は、コイル62の右側がS極、左側がN極であり、磁力線Bは左から右に向かう。そして、フレミングの左手の法則により、コイル62の右側では下向き、コイル62の左側では上向きの電磁力Fが発生し、回転子63は時計回りに回転する。
次に、図7(B)に示すように、回転子63が45度回転したとき、図7(A)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子63を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。次に、図7(C)に示すように、回転子63がさらに45度回転したとき、コイル62に流れる電流の向きを逆にする転流のため、ブラシ64は整流子66のギャップに位置し、コイル62には電流は流れず、回転子63は慣性により回転する。次に、図7(D)に示すように、回転子63がさらに45度回転したとき、図7(A),(B)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子63を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。そして、図7(A)に戻り、図7(A)〜(D)を繰り返すことにより回転を続ける。
特開2006−119162号公報 実公昭44−29289号公報
しかし、特許文献1に開示されているクリップモータでは、整流子を形成するため、エナメル線の一方の端部の絶縁皮膜を、エナメル線の半周のみ除去させる加工が必要であるが、小中学生にはこの加工が難しく、コイルに所定のタイミングで電流を流すことができず、クリップモータがうまく回転しないことがあるという課題があった。また、エナメル線の一方の端部には半周ほど絶縁被膜が残っているため、回転子が回転するうちの半周しかコイルに通電されず、高速回転には向かない、回転トルクが弱い等の課題もあった。
また、特許文献2に開示されている教材用モータでは、既に完成されている教材用モータを用いて授業等をすることが前提であり、特に整流子周りを生徒が自作することは困難であるという課題があった。また、回転子の角度によってはコイルに通電されないことがあるという課題もあった(図7(C)参照)。
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その課題は、整流子を形成する加工が不要のため、小中学生でも簡単に作製することができるとともに、コイルに常時電流が流れるため高速回転が可能となり回転トルクも強い整流子なしクリップモータを提供することにある。
本発明の整流子なしクリップモータは、
絶縁被膜が施された導線が巻回されることにより構成されるコイルと、
前記コイルの対向する位置からそれぞれ反対方向に突出された巻始め線と巻終わり線からなる回転軸と、
前記回転軸を支持するとともに、前記コイルに給電する一組の給電支持部と、
前記コイルの端部近傍に設けられた1つ、又はコイル側の極性が全て同じである複数の磁石と、を備え、
前記コイルは、両端部において同じ方向に電流が流れるよう前記導線が巻回され、
前記回転軸は、前記給電支持部と接触する部位が全周にわたり前記給電支持部と導通するように構成されていることを特徴とする。
本発明の整流子なしクリップモータによれば、コイルの両端部において同じ方向に電流が流れるよう導線が巻回されているため、コイルに流れる電流の向きを反転させる整流子を設けなくとも、常に同じ方向に電磁力が働き、コイル(回転子)が回転し続けることができる。また、整流子が必要ないため、導線の絶縁被膜を半周のみ除去する等の、整流子を形成するための加工が不要となり、クリップモータの作製が容易となる。
さらに、整流子がなく常にコイルに通電されるため、従来のクリップモータと比較して高速回転が可能となりトルクも強くなる。またさらに、整流子がないためコイルの数(以下、便宜上「スロット」ということがある。)を増やすことが容易となり、トルク変動が少なく、より高回転、高トルクのクリップモータとすることができる。なお、ここでコイルの端部とは、回転軸から軸方向と直交して離間した位置にあるコイルの部位を意図する。
また、磁石の数は最小数を1つとし、所望の数を設けることができる。磁石の数を増やすことで、トルク変動が少なく、より高回転、高トルクのクリップモータとすることが可能である。このとき、従来のクリップモータではコイルの両端部を流れる電流の方向が逆であるため、一方の磁石とコイルを挟んだ位置にある他方の磁石とは、互いに異なる極を向ける。しかし、本発明の整流子なしクリップモータでは、コイルの端部全てに同じ方向の電流が流れるため、複数の磁石のコイル側の極性は全て同じ極性となり、所望の位置に所望の数だけ磁石を配置することができる(以下、磁石の数を示すのに「極」ということがある。)。なお、磁石にはフェライト磁石等の永久磁石や電磁石が採用できる。
本発明の整流子なしクリップモータの好ましい例は、
前記磁石の数が3つであることを特徴とする。
本発明の整流子なしクリップモータの好ましい例によれば、磁石の数を3つとすることで、2スロットの構成であっても、回転子がどの角度でも回転トルクが発生し、全ての角度で自己始動が可能となる。このとき、従来のモータでは磁石のN極とS極が組み合わされて使用されるため、極数は偶数となるが、本発明の整流子なしクリップモータでは、コイルの端部全てに同じ方向の電流が流れるため、このような制限はない。
本発明の整流子なしクリップモータの他の好ましい例は、前記磁石の数が2つであるとともに、前記磁石の配置される角度が180度を除く角度であることを特徴とする。
本発明の整流子なしクリップモータの他の好ましい例によれば、磁石を2つ、180度を除く角度で配置しているため、2極2スロットの構成であっても、回転子がどの角度でも回転トルクを発生させることができ、全ての角度で自己起動が可能となる。
本発明の整流子なしクリップモータの他の好ましい例は、前記回転軸が、
前記巻始め線が接続され前記コイルから突出する棒状の導体からなる第1軸部と、
前記巻終わり線が接続され前記第1軸部の反対側の前記コイルから突出する棒状の導体からなり、かつ前記第1軸部とは絶縁されている第2軸部と、を備える硬質回転軸であることを特徴とする。
本発明の整流子なしクリップモータの他の好ましい例によれば、回転軸がコイルを構成する導線に代えて棒状の導体を備える硬質回転軸であるため、生徒等が容易に回転子を作製することができる。また、回転軸の強度と精度が向上し、コイルのスロット数や巻線数を増やすことが容易となり、高回転、高トルクのモータとすることができる。さらに、回転時に振動が発生しにくくなり、スムーズに回転させることができる。
本発明の回転子用型は、絶縁被膜が施された導線を巻回すことによりクリップモータの回転子を形成するための回転子用型において、
導線が略8の字状に巻回され2つのコイルが形成されるよう構成されたコイル形成部と、
巻始め線が接続され前記コイル形成部から突出する棒状の導体からなる第1軸部、巻終わり線が接続され前記第1軸部の反対側の前記コイル形成部から突出する棒状の導体からなり、かつ前記第1軸部とは絶縁されている第2軸部を備える硬質回転軸と、を備え、
前記硬質回転軸は、前記コイル形成部に巻回された導線の略8の字の交差部分から前記略8の字の面と平行する方向に、かつ、前記略8の字の頭部と底部が前記硬質回転軸を挟んで前記硬質回転軸の軸方向と直交する方向に離間するよう設けられていることを特徴とする。
本発明の回転子用型によれば、導線をコイル形成部に略8の字に巻回すとともに、巻始め線と巻終わり線を第1軸部と第2軸部にそれぞれ接続するだけでクリップモータの回転子が形成できるため、生徒等がより容易に回転子を作製することができる。
上述のように、本発明の整流子なしクリップモータによれば、整流子を形成する加工が不要のため、小中学校の生徒等であっても簡単にクリップモータを作製することができる。また、整流子がないため、コイルに常時電流が流れる構成となるとともに、スロットを増やすことが容易となり、高速回転ができトルクも強い整流子なしクリップモータを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る整流子なしクリップモータを示す図である。 本発明の一実施形態に係る整流子なしクリップモータの硬質回転軸、及び回転子用型を示す図である。 本発明の一実施形態に係る整流子なしクリップモータの動作を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子なしクリップモータの動作を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子なしクリップモータの動作を示す図である。 従来のクリップモータの動作を示す図である。 従来の教材用モータの動作を示す図である。
以下、本発明の整流子なしクリップモータの実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1(A)は、本発明の好適な一実施形態に係る整流子なしクリップモータ10を示す図であり、図1(B)は、本実施形態の整流子なしクリップモータ10のコイル12の巻き方を示す図である。また、図2(A)は、本実施形態の整流子なしクリップモータ10に使用することができる硬質回転軸30を示す図であり、図2(B)は、本実施形態の整流子なしクリップモータ10に使用することができる回転子用型40を示す図である。また、図3(A)〜(D)は、本実施形態の整流子なしクリップモータ10の動作を示す図である。
図1(A)に示すように、本実施形態の整流子なしクリップモータ10は、回転軸11とコイル12とからなる回転子13と、一組の給電支持部14と、2つの磁石15と、基台16とを備える。また、一組の給電支持部14には、それぞれに乾電池等の直流電源17が電源線18により接続される。
また、図1(B)にも示すように、コイル12は、導体に絶縁被覆が設けられているエナメル線等の導線19が、略8の字状に巻回されて構成される。また、略8の字の中央部20の導線19が交差し、端部24に対して略2倍の本数となる部分をコイル12の回転の中心としている。これにより、コイル12に通電させたとき、両端部24において同じ方向に電流が流れるコイル12が構成される。また、巻回された導線19は、解れることがないように、適宜図示しない紐状部材等でまとめることができる。
そして、コイル12を構成する導線19の巻始め線21と巻終わり線22が、コイル12の回転の中心からそれぞれ反対方向に突出され、これら巻始め線21、巻終わり線22、コイル12の中央部20により回転軸11を構成している。また、巻始め線21と巻終わり線22の一部は、コイル12への給電部23として、導線19の絶縁被覆が全周にわたり除去されている。
一組の給電支持部14は、それぞれがコイル12の回転軸11の給電部23を支持するとともに、前述のように接続された直流電源17から流れる電流をコイル12の給電部23に供給する。この給電支持部14は、コイル12に電源からの電流を供給できるものであり、かつコイル12の回転軸11を支持できるものであればその材質や構成は特に限定されない。例えば、周回する金属の棒部材からなるクリップの端を伸ばして作製したものや、金属板を切り抜く、又は打ち抜くことで作製したものを採用できる。
磁石15は、給電支持部14に支持された回転子13のコイル12の端部24が回転する軌跡の近傍に設けられる。この磁石15の数は特に限定されないが、本実施形態では、磁石15を180度の角度で2つ設置している。ここで、従来のクリップモータでは、コイルの端部を流れる電流の向きが逆のため、2つの磁石は互いに異なる極性が向かい合うように配置されるが(図6(A)〜(D)参照。)、本実施形態の整流子なしクリップモータ10では、コイル12の端部24を流れる電流の向きが同じであるため、2つの磁石15は同じ極性が向かい合うように配置される。また、磁石15はフェライト磁石等の永久磁石や電磁石を採用することができる。
また、図2(A)に示す、硬質回転軸30を用いて整流子なしクリップモータ10を構成することもできる。硬質回転軸30は第1軸部31と、第2軸部32と、第1軸部31と第2軸部32とを絶縁された状態で接合する接合部33とを備える。
第1軸部31と第2軸部32とは、棒状の導体から構成され、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属棒が採用できる。また、軸の適当な位置には、コイル12の巻始め線21と巻終わり線22とをそれぞれ接続しやすくするための突起34が設けられる。
接合部33は、第1軸部31と第2軸部32とを一つの軸線上に、それぞれを絶縁しながら接合する棒状部材である。接合部33は、コイル12を支持する強度と絶縁性を備えれば、その材質は特に限定されないが、例えばプラスチック等の合成樹脂を採用できる。また、接合部33を設ける代わりに、第1軸部31と第2軸部32の長さを延長させて、第1軸部31と第2軸部32とが重なり合う部分に絶縁テープ等の絶縁物を設け、第1軸部31と第2軸部32との重なり合う部分を紐状部材で緊結して、硬質回転軸30とすることもできる。
また、図2(B)に示す、回転子用型40を用いて整流子なしクリップモータ10を構成することもできる。回転子用型40は、コイル形成部41と、硬質回転軸30とを備える。硬質回転軸30は、上記で説明した通りの構成である。
コイル形成部41は、導線19を巻回すために略8の字状をしており、略8の字状に導線19を巻回すことにより端部44において同じ方向に電流が流れる2つのコイルが形成される。そして、巻回した導線19が交差する略8の字状の中央部42に、略8の字状の面と平行する方向、かつ、回転する軸を挟み該軸と直交する方向に離間するコイルの端部44を流れる電流が同じ方向となるように硬質回転軸30が設けられる。また、巻回した導線19が脱落しないよう、コイル形成部41の各部の断面はコ字形をなし、このコ字形の溝に導線19が収まる。
次に、本実施形態の整流子なしクリップモータ10の動作を説明する。
図3(A)に示すように、本実施形態の整流子なしクリップモータ10は、2つの磁石15が180度の角度でそれぞれN極を向け合って設けられている。また、コイル12の両端部では、電流が向こう側から手前側に流れているものとする。このとき、磁力線Bは磁石15からコイル12に向かうため、フレミングの左手の法則により、コイル12の右側では下向き、コイル12の左側では上向きの電磁力Fが発生し、コイル12と回転軸11からなる回転子13は時計回りに回転する。
次に、図3(B)に示すように、回転子13が45度回転したとき、図3(A)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子13を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。次に、図3(C)に示すように、回転子13がさらに45度回転したとき、本実施形態の整流子なしクリップモータ10では整流子がないため、コイル12には電流が流れているが、2つの磁石15の向かい合う極性が同じであるため、当該位置では磁力の影響が殆どなく、回転子13を回転させる電磁力は発生しない。ここでは、回転子13は慣性により回転することとなる。次に、図3(D)に示すように、回転子13がさらに45度回転したとき、図3(A),(B)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子13を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。そして、図3(A)に戻り回転を継続していく。
このように、本実施形態の整流子なしクリップモータ10によれば、常にコイル12に電流が流れているため、所定のタイミングで電流を遮断又は転流させる整流子を設ける必要がなくなり、授業等において生徒が容易にモータを作製することができる。また、整流子がないため、コイル12(スロット)の数を増やすことが容易となり、さらに、コイル12に対して磁石15の同じ極性が向いているため、磁石15の数を増やすことも容易であり、トルク変動が少なく、高回転、高トルクのモータとすることができる。また、硬質回転軸30又は回転子用型40を用いることで、モータの作製がより容易となるとともに。回転軸11の強度と精度が向上し、スムーズに回転させることができる。
[第2実施形態]
次に、図4(A)〜(D)を参照して、本発明の他の実施形態に係る整流子なしクリップモータ100を説明する。なお、本実施形態の整流子なしクリップモータ100は、磁石15の配置以外は上記の第1実施形態と同じであるため、共通する部分は同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態の整流子なしクリップモータ100は、3つの磁石15が90度、90度、180度の角度で、コイル側にN極を向けて設けられている3極モータである。この磁石の数であるが、従来のモータであれば、磁石は必ずN極とS極の組み合わせが必要となるため、極数は偶数となる。また、磁石を配置する角度も、整流子で転流を行うため、4極なら90度、6極なら60度というように均等に配置される。しかし、本実施形態の整流子なしクリップモータでは、コイル12の端部24に同じ方向の電流が流れ、全ての磁石の同じ極がコイル側を向くため、磁石の極数や角度に制限がない。
次に、本実施形態の整流子なしクリップモータ100の動作を説明する。
図4(A)に示すように、本実施形態の整流子なしクリップモータ100は、3つの磁石15が90度、90度、180度の角度で、コイル側にN極を向けて設けられている。また、コイル12の両端部では、電流が向こう側から手前側に流れているものとする。このとき、コイル12は、左右の磁石15の影響を受けるとともに、磁力線Bは磁石15からコイル12に向かうため、フレミングの左手の法則により、コイル12の右側では下向き、コイル12の左側では上向きの電磁力Fが発生し、コイル12と回転軸11からなる回転子13は時計回りに回転する。
次に、図4(B)に示すように、回転子13が45度回転したとき、コイル12の右側では図4(A)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子13を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。また、コイル12の左側は、左側及び上側の磁石15の影響を受けるため、上向きの電磁力Fと右向きの電磁力Fが発生する。これらの電磁力Fにより回転子13は時計回りに回転する。
次に、図4(C)に示すように、回転子13がさらに45度回転したとき、本実施形態の整流子なしクリップモータ10では整流子がないため、コイル12には電流が流れている。このため、コイル12の上側が上側の磁石15の磁力線Bの影響を受け、右向きの電磁力Fが働き、回転子13を時計回りに回転させる。一方、コイル12の下側では、磁力の影響が殆どなく、回転子13を回転させる電磁力は発生しない。
次に、図4(D)に示すように、回転子13がさらに45度回転したとき、コイル12の右側では、右側及び上側の磁石15の影響を受けるため、下向きの電磁力Fと右向きの電磁力Fが発生する。また、コイル12の左側では、上向きの電磁力Fが発生する。これらの電磁力Fにより回転子13は時計回りに回転する。そして、図4(A)に戻り回転を継続していく。
このように、本実施形態の整流子なしクリップモータ100によれば、磁石15の数を3極とすることで、回転子13がどの角度であっても回転トルクが発生し、全ての角度で自己始動が可能となる。また、コイル12側の磁石15の極性が全て同じであるため、磁石15の数及び配置の角度に制限がなく、磁石15を所望の数だけ所望の位置に配置することができる。
[第3実施形態]
次に、図5(A)〜(D)を参照して、本発明の他の実施形態に係る整流子なしクリップモータ200を説明する。なお、本実施形態の整流子なしクリップモータ200は、磁石15の配置以外は上記の第1実施形態と同じであるため、共通する部分は同じ符号を付して説明を省略する。図5(A)〜(D)に示すように、本実施形態の整流子なしクリップモータ200は、2つの磁石15が135度の角度で、コイル12側にN極を向けて設けられている。
次に、本実施形態の整流子なしクリップモータ200の動作を説明する。
図5(A)に示すように、本実施形態の整流子なしクリップモータ200は、2つの磁石15が135度の角度でそれぞれN極を向け合って設けられている。また、コイル12の両端部では、電流が向こう側から手前側に流れている。このとき、磁力線Bは磁石15からコイル12に向かうため、フレミングの左手の法則により、コイル12の右側では下向き、コイル12の左側では右斜め上向きの電磁力Fが発生し、コイル12と回転軸11からなる回転子13は時計回りに回転する。
次に、図5(B)に示すように、回転子13が45度回転したとき、図5(A)同様の電流の向き、及び磁力線Bの向きにより、同じく回転子13を時計回りに回転させる電磁力Fが働く。次に、図5(C)に示すように、回転子13がさらに45度回転したとき、本実施形態の整流子なしクリップモータ200では整流子がないため、コイル12には電流が流れており、コイル12の下側では下向き、コイル12の上側では右斜め上向きの電磁力Fが発生する。このとき、コイル12の下側に働く電磁力Fは、回転軸11と直交する方向と等しいため、回転子13を回転させる力とはなり得ない。しかし、コイル12の上側に働く電磁力Fはその方向が回転軸11と直交しないため、回転子13を時計回りに回転させることができる。
次に、図5(D)に示すように、回転子13がさらに45度回転したとき、コイル12の右側では下向き、コイル12の左側では右斜め上向きの電磁力Fが発生する。このとき、コイル12の左側に働く電磁力Fは、回転軸11と直交する方向と等しいため、回転子13を回転させる力とはなり得ない。しかし、コイル12の右側に働く電磁力Fはその方向が回転軸11と直交しないため、回転子13を時計回りに回転させることができる。そして、図5(A)に戻り回転を継続していく。
このように、本実施形態の整流子なしクリップモータ200によれば、2つの磁石15を、180度を除く角度で配置しているため、2極2スロットの構成でありながら、回転子13がどの角度にあっても回転トルクを発生させることができ、全ての角度で自己起動が可能となる。
すなわち、従来のクリップモータで一般的に使用される2極2スロットの構成の場合、図7(C)に示す回転子13の位置のように、コイル12に流れる電流の向きを逆にする転流のため、ブラシは整流子のギャップに位置し、コイル12には電流は流れず、回転トルクが発生しない位置が生じる。また、従来のクリップモータでは磁石15を180度の位置に配置するが、この配置では、たとえ図7(C)に示す位置でコイル12に通電させても、コイル12の端部に働く電磁力の方向が中心軸と直交する方向(図の上下方向)と等しくなり、当該位置では回転トルクが発生せず、自己起動ができない。
また、従来のクリップモータでは、2極の磁石を、180度を除く角度に配置すると、図7(C)に示す回転子13の位置以外においても、電磁力の方向が、回転子を所定の方向に回転させる力とならない位置が生じるため、効率が悪くなる。
一方、本発明に係る整流子なしクリップモータ200では、2極の磁石15を、180度を除く角度、例えば90度、120度、135度等の角度で配置しても、回転子13の回転に殆ど影響がないばかりか、このような構成とすることで、回転子13がどの位置にあっても回転トルクが発生し、どの位置からでも始動させることができる。
なお、上述した各実施形態は、本発明の整流子なしクリップモータ及び回転子用型の例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、構成の一部を適宜変更して実施できる。例えば、上述の各実施形態は、コイルの数が2つの2スロットの整流子なしクリップモータであるが、3スロット、4スロット等にもすることができる。また、同様に、磁石の極数を4極、5極等とすることもできる。
10,100,200・・整流子なしクリップモータ、11・・回転軸、12・・コイル、13・・回転子、14・・給電支持部、15・・磁石、16・・基台、17・・直流電源、18・・電源線、19・・導線、20・・中央部、21・・巻始め線、22・・巻終わり線、23・・給電部、24・・端部
30・・硬質回転軸、31・・第1軸部、32・・第2軸部、33・・接合部、34・・突起
40・・回転子用型、41・・コイル形成部、42・・中央部、44・・端部
50・・クリップモータ、51・・回転軸、52・・コイル、53・・回転子、54・・クリップ、55・・磁石、
60・・教材用モータ、61・・回転軸、62・・コイル、63・・回転子、64・・ブラシ、65・・磁石、66・・整流子
磁力線・・B、電磁力・・F、

Claims (5)

  1. 絶縁被膜が施された導線が巻回されることにより構成されるコイルと、
    前記コイルの対向する位置からそれぞれ反対方向に突出された巻始め線と巻終わり線からなる回転軸と、
    前記回転軸を支持するとともに、前記コイルに給電する一組の給電支持部と、
    前記コイルの端部近傍に設けられた1つ、又はコイル側の極性が全て同じである複数の磁石と、を備え、
    前記コイルは、両端部において同じ方向に電流が流れるよう前記導線が巻回され、
    前記回転軸は、前記給電支持部と接触する部位が全周にわたり前記給電支持部と導通するように構成されていることを特徴とする整流子なしクリップモータ。
  2. 前記磁石の数が3つであることを特徴とする請求項1に記載の整流子なしクリップモータ。
  3. 前記磁石の数が2つであるとともに、前記磁石の配置される角度が180度を除く角度であることを特徴とする請求項1に記載の整流子なしクリップモータ。
  4. 前記回転軸が、
    前記巻始め線が接続され前記コイルから突出する棒状の導体からなる第1軸部と、
    前記巻終わり線が接続され前記第1軸部の反対側の前記コイルから突出する棒状の導体からなり、かつ前記第1軸部とは絶縁されている第2軸部と、を備える硬質回転軸であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の整流子なしクリップモータ。
  5. 絶縁被膜が施された導線を巻回すことによりクリップモータの回転子を形成するための回転子用型において、
    導線が略8の字状に巻回され2つのコイルが形成されるよう構成されたコイル形成部と、
    巻始め線が接続され前記コイル形成部から突出する棒状の導体からなる第1軸部、巻終わり線が接続され前記第1軸部の反対側の前記コイル形成部から突出する棒状の導体からなり、かつ前記第1軸部とは絶縁されている第2軸部を備える硬質回転軸と、を備え、
    前記硬質回転軸は、前記コイル形成部に巻回された導線の略8の字の交差部分から前記略8の字の面と平行する方向に、かつ、前記略8の字の頭部と底部が前記硬質回転軸を挟んで前記硬質回転軸の軸方向と直交する方向に離間するよう設けられていることを特徴とする回転子用型。
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