JP2012159621A - 加圧ローラ及びこの加圧ローラを搭載する定着装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 芯金と、弾性層と、離型層と、弾性層と離型層を接着するための接着層を有する加圧ローラにおいて、接着層がモノマー電解質を含有している。
【選択図】 図1
Description
また、定着装置として、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する定着フィルムと、その定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するフィルム加熱方式のものがある。
熱ローラ方式、或いはフィルム加熱方式の定着装置は、何れも未定着トナー画像を担持する記録材をニップ部で挟持搬送しつつ記録材にトナー画像を加熱定着するものである。
これらの方式に用いられる定着ローラや定着フィルム、そして加圧ローラの表層にもトナーの付着を防止するために離型層を設けるのが一般的であり、フッ素樹脂が好適に用いられる。
しかしながら、フッ素樹脂は高絶縁材料であるため、帯電しやすく静電気が逃げにくい性質を持つ。このため、未定着トナー画像を担持した記録材が定着装置のニップ部に搬送されると、未定着トナーが電気的に定着ローラや定着フィルム表面に付着し、定着ローラや定着フィルムの周回時に記録材に定着する、いわゆる静電オフセット画像(以後静電オフセットと称す)が発生してしまうことがある。
従って、離型層のフッ素樹脂が帯電しないようにフッ素樹脂に帯電制御剤を分散させた提案や、加圧ローラの層の一部、または複数層を低抵抗化する提案、定着ローラ又は定着ベルトのゴム層に帯電防止剤を含有させた提案がされている。
また、特許文献2には加圧ローラの表面から順に離型層、接着層、弾性層、芯金とし、離型層は絶縁性であり、接着層を導電性とした構成の加圧ローラが提案され、接着層に分散させる粒子としてカーボンブラックが開示されている。
また、特許文献3には1分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン100質量部と、このオルガノポリシロキサンを硬化する硬化剤の効果有効量とに、帯電防止剤を0.001〜2質量部含有する定着ローラ又は定着ベルト用絶縁性シリコーンゴム組成物が提案され、ゴム弾性層への適用が開示されている。
静電オフセットは加圧ローラの表面電位が摩擦帯電により過度に上昇した場合などに、記録材から定着フィルム又は定着ローラ表面にトナーを引き付ける電界が形成されて発生するもので、オフセット画像は画像全面に連続的に発生する。一方トナー汚れは加圧ローラ表層にオフセットトナーが付着堆積することであり、あるタイミングで記録材裏面に塊としてトナーが付着し、画像不良となる。
なお、カーボンの添加量を減らすことで離型性は向上するものの、逆に静電オフセットは悪化していくため、カーボン添加での導電性PFAチューブは静電オフセットと加圧ローラ汚れがトレードオフの関係にある。
また、加圧ローラの離型層を絶縁性のフッ素樹脂チューブのみで構成し、離型層と弾性層間の接着層をカーボンブラック等の電子導電性粒子を分散した構成の加圧ローラは、定着装置の構成によっては静電オフセット抑制能力が低い場合があった。
従って、本発明の目的は加圧ローラトナー汚れを発生させること無く、安定して静電オフセットの抑制ができる加圧ローラ、及び定着装置を提供することである。
また、本発明は、加熱部材と、前記加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラと、を有する定着装置において、加圧ローラが少なくとも、芯金と、弾性層と、離型層と、前記弾性層と前記離型層を接着するための接着層と、を有し、前記接着層がモノマー電解質を含有していることを特徴とする。
定着装置を搭載する画像形成装置は、周知の構成なので説明は割愛する。図1は本例で用いた定着装置6の概略構成模型図である。21は横断面略半円弧状・樋型で、図面に垂直方向を長手とする横長のフィルムガイド部材(ステイ)、22はこのフィルムガイド部材21の下面の略中央部に長手に沿って形成した溝内に収容保持させた横長のヒータ、23はこのヒータ付きのフィルムガイド部材21にルーズに外嵌させたエンドレスベルト状の耐熱性ベルト(定着フィルム)である。これら21〜23が本実施例の加熱部材を構成している。24はベルト23を挟ませてヒータ22の下面に圧接させた加圧ローラである。
ヒータ22は、アルミナ、AlN等の横長・薄板状のヒータ基板22a、その表面側(フィルム摺動面側)に長手に沿って形成具備させた線状あるいは細帯状のAg/Pdなどの抵抗発熱体22b、ガラス層等の薄い表面保護層22c、ヒータ基板22aの裏面側に配設したサーミスタ等の温度検知素子22d等からなる全体に低熱容量のセラミックヒータである。このセラミックヒータ22は発熱体22bに対する電力供給により迅速に昇温した後、温度検知素子22dを含む電力制御部により所定の定着温度(制御目標温度)を維持するように制御される。
耐熱性ベルト23は、熱容量を小さくして装置のクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚400μm以下、好ましくは50μm以上300μm以下とした複合層フィルムである。
耐熱性ベルト23の基層は、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等の耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS、Al、Ni、Ti、Zn等の金属部材を単独ないし複合して形成してある。基層の上にトナー定着性能を良化させるための弾性層を形成しても良く、熱伝導フィラー、補強材等が添加されたシリコーンゴム、フッ素ゴム等が好適に用いられる。
耐熱性ベルト離型層のメインポリマーはフッ素樹脂で構成され、具体例を列挙すれば次の通りである。ポリビニリデンフルオライド、ポリフッ化ビニルなどの単独ポリマー、エチレンと4フッ化エチレンとの2元共重合体(以下ETFEと略す)、エチレンと3フッ化塩化エチレンとの2元共重合体、4フッ化エチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの2元共重合体(以下PFAと略す)、4フッ化エチレンと6フッ化ポリプロピレンとの2元共重合体などである。なかでも成形性、耐熱性、耐屈曲性などの点からPFAとETFEとがより好ましい。それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。離型層には必要に応じてカーボンブラック、イオン導電性物質等の導電性部材を含有させても良い。
定着ニップ部Nで記録材P上のトナーを電気的に記録材上に保持させるための電圧印加回路25を加圧ローラ24の芯金24aに電気的に接続してある。電圧印加回路25の接続は弾性層24cや接着層24b及び24dからでも良い。なお、電圧印加回路は加圧ローラに接続しても良いし、加熱部材に接続しても良い。また、電圧印加回路を加圧ローラと加熱部材に別々に接続しても良い。
耐熱性ベルト23は、少なくとも画像形成実行時に加圧ローラ24が矢印bの反時計方向に回転駆動されることで、加圧ローラ24の回転に従動する。つまり、加圧ローラ24を駆動すると定着ニップ部Nにおいて加圧ローラ24と耐熱性ベルト23の外面との摩擦力で耐熱性ベルト23に回転力が作用するのである。耐熱性ベルトが回転している際には、耐熱性ベルト内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ22の表面である下面に密着して摺動する。この場合、耐熱性ベルト23の内面とこれが摺動するヒータ22下面との摺動抵抗を低減するために両者間に耐熱性グリス等の潤滑剤を介在させるとよい。
記録材Pが定着ニップ部Nで挟持搬送されることにより記録材Pに担持されたトナー像は加熱定着される。そして、定着ニップ部Nを通った記録材Pは耐熱性ベルト23の外面から分離されて搬送される。
本例のようなフィルム加熱方式の定着装置6は、熱容量が小さく昇温の速いヒータ22を用いることができ、ヒータ22が所定の温度に達するまでの時間を大きく短縮できる。常温からでも容易に高温に立ち上げることができるため、非プリント時に装置が待機状態にあるときのスタンバイ温調をする必要がなく省電力化できる。また、回転する耐熱性ベルト23には定着ニップ部N以外には実質的にテンションが作用しておらず、ベルト寄り移動規制手段としては耐熱性ベルト23の端部を単純に受け止めるだけのフランジ部材のみを配設している。
上記定着装置6における加圧部材としての加圧ローラ24について、それを構成する材料、成型方法等を以下に詳細に説明する。
本発明の加圧ローラ24は、芯金24aの外周に、少なくとも、
1:シリコーンゴムに代表されるような柔軟で耐熱性のある材料からなる弾性層24c。
2:フッ素樹脂に代表される高離型性能を有する離型層24e。
3:シリコーンゴム接着剤にモノマー電解質を含有した、弾性層24cと離型層24eを接着させるための接着層24d。
を積層した加圧ローラである。必要に応じて、以下の層を付け加えても良い。
4:芯金24aと弾性層24cを接着させるための接着層24b。
また、本件の機能を損なわない範囲であれば上記層の複数化は何ら問題ない。
鉄やアルミニウム製の芯金が好適に用いられ、予めサンドブラスト等で表面を活性化した後、メチレンクロライドや炭化水素系洗浄剤あるいは水系洗浄剤等で脱脂しても良い。
過酸化物加硫型シリコーンゴム用のプライマーや付加型シリコーゴム用のプライマーを使用することにより芯金24aと弾性層24cを強固に接着することが可能となる。必要に応じて120℃乃至170℃で30分乃至1時間程度、焼成して使用すれば良い。
弾性層24cは前述の通り定着ニップ部Nを形成するための層であり、ソリッドゴム弾性層、発泡ゴム層としても良い。加圧ローラ24に用いられる弾性層24cの厚さは所望の幅の定着ニップ部Nを形成することができる厚さであれば特に限定されないが、2〜10mmであることが好ましい。
また、弾性層24cを発泡体層とする場合は、前述したメインポリマーの中にガラスバルーン、シリカバルーン等の中空球状充填材を分散させれば良い。
上記メインポリマーに所望の充填材を所定量配合分散し、金型注型法、リングコート法、等の公知の方法にて芯金24a上の接着層24b上に被覆形成し、加熱硬化後脱型すれば良い。
加圧ローラに具備される接着層24dは、従来の電子導電系添加剤に比べて良好な帯電性能を示すのが特徴である。接着層24dに用いる主たる材料としてはシリコーンゴム接着剤タイプが、耐熱性、接着性、加工性の面で好適であり、接着層24dはシリコーンゴム接着剤にモノマー電解質を含有している。シリコーンゴム接着剤タイプとしては、以下の材料を用いることで弾性層24cと離型層24eを強固に接着することが可能となる。タイプA:市販されている付加型シリコーンゴム接着剤。
タイプB:接着性付与剤を配合していない付加型シリコーンゴム組成物に接着性付与剤を配合した組成物。
接着層24dの厚みとしては1μm以上40μm以下が好ましい。1μmより薄くするのは塗工上困難であり、40μmを越えると加圧ローラとしての弾性層の機能に影響を及ぼす。例えば低熱伝導(断熱性)、或いは高熱伝導等を弾性層に付与させた効果が、接着層が厚くなることで低減してくるなどが挙げられる。
また、接着層24dの接着性付与剤が弾性層24cのメインポリマーと反応し、弾性層の硬度が上がってしまうことが稀に生じる。この現象はメインポリマーの種類にもよるが、接着層24dの厚みが厚いほど接着性付与剤の反応量が増えてしまうため、弾性層硬度変化の観点でも接着層24dの厚みとしては40μm以下が好ましい。
シリコーンゴム接着剤に含有させるモノマー電解質としては、高耐熱性の観点よりフッ素系の界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤の中では、フルオロアルキルスルホン酸誘導体のスルホン酸、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドから選ばれる以下の物質が好適に用いられる。
フルオロアルキルスルホン酸誘導体は分解温度が非常に高温で、高イオン電導性を有しているため、シリコーンゴムに含有させるのに適している。フルオロアルキルスルホン酸誘導体のシリコーンゴムに対する添加量はシリコーンゴム100部に対して0.005部以上3部以下が好ましい。ここで添加量には溶剤の量は含まない原料のみの量である。0.005部以下では帯電抑制効果が不足し、3部より多いと接着性が悪化する。
シリコーンゴム接着剤へのモノマー電解質の含有は、モノマー電解質を有機溶剤に混ぜた溶液をシリコーンゴムと混合すれば良い。シリコーンゴム接着剤には、充填材として各種の導電性付与剤と併用しても良い。
離型層24eとしては、例えば、以下に例示列挙するフッ素樹脂をチューブ状に成形したもの、或いは塗料化したものが用いられる。
種類としては、強度や加工性の観点からチューブ状のものが好ましい。離型層24eの厚みは、100μm以下とするのが好ましい。積層した際に下層の弾性層24cの弾性を維持し、加圧部材としての表面硬度が高くなりすぎることを抑制できるからである。
離型層24eの内面は、予め、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、アンモニア処理等を施すことで、接着性を向上させることが出来る。離型層24eの被覆方法は、金型からローラを脱型した後、前記接着層24dを潤滑材として被覆する方法を用いることが出来る。前記材料を塗料化したものをコーティングすることにより離型層24eを形成しても良い。
加圧ローラ24に具備される接着層24dは、帯電抑制性能が高いことが特徴であるが、併せて加圧ローラ24の弾性層24cを低抵抗化することで、更に良好な電荷減衰性能を有する加圧ローラ24とすることが出来る。
ここで、本例のようなフィルム加熱方式以外の方式、例えば熱ローラ方式等においても以下に述べる加圧ローラ、及び前記電圧印加手段を有する構成にすることで同様な効果を得ることが出来る。
まず、表面をサンドブラスト処理したφ23の鉄製芯金24aの外周に、接着層24bとして付加硬化型シリコーンゴム用プライマー(商品名:DY39−051 A&B;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合)をスプレー塗布し150℃で30分間焼成した。
次に接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)にペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム(C2F5SO3K)0.5部を添加したものを用いてロール状成形物A上に5μmの厚さで均一塗布した。(以後ロール状成形物Bと称す)
離型層24eは厚み50μmのチューブ形状とし、デュポン社製のPFA(商品名:451HP−J)を用いた。
上記した離型層24eであるフッ素樹脂チューブをロール状成形物B上に被覆し、200℃で4時間加熱硬化を行った後、余分な端部部分をカットすることで本実施例の加圧ローラ24を得た。
定着ベルト23は、基層に外形Φ30、厚み30μmのSUS材を用い、基層の上にアルミナフィラーを添加したシリコーンゴム弾性層を250μm、シリコーンゴム弾性層の上に離型層として厚み15μmのPFAをコーティング被覆したものを用いた。
定着ベルト23の基層は接地し、加圧ローラの芯金にプラス600V印加する構成とした。
以下の手法で静電オフセットを評価した。本実施例の定着器を、LBP(レーザービームプリンター)であるHP−Laser Jet P4515(A4 60枚/分)に組み込み、Neenah Paper社製のNeenah Bond 60g/m2紙を低温低湿環境(15℃/10%)に放置した紙にハーフトーン画像パターンを連続50枚通紙して静電オフセットを評価した。なお、本評価に用いているトナーはマイナス極性に帯電する特性を持つネガトナーを用いて評価している。
○:全く発生しない。
△:極まれに部分的に発生する。
×:醜いオフセットが発生する。
上記静電オフセット評価時に加圧ローラ24の表面電位Vpと定着ベルト23の表面電
位VbをTREK JAPAN社製の表面電位計(Model 344)にて測定した。
そしてオフセット電位を、電位差Vo=Vp−Vbとして求めた。この電位差Voがプラスであること、更には値が大きいほどトナーを記録材P上に引き付ける力が強いため、静電オフセットには有効であり、画像のレベルとほぼ等しい判断が出来る。便宜上、上記3種類に分類しているが、上記電位差Voが大きいほど静電オフセットには有効と判断出来る。
トナー汚れの評価には炭酸カルシウムを填料としたBoise Cascade社製の75g/m2(商品名:X−9)を用いて評価した。上記LBP及び本実施例の定着器を用いて、低温低湿環境下(15℃/10%)で2枚通紙後10分放置を繰り返すプリントモードで5000枚通紙し、加圧ローラ汚れを評価し以下のように分類した。
◎:全く発生しない。
○:加圧ローラに軽微な汚れが発生するが、紙上には付着しない。
×:加圧ローラが醜く汚れ、紙上にも付着する。
接着層24dの付加硬化型シリコーンゴム接着剤100部に対する、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム(C2F5SO3K)の配合を表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
接着層24dの付加硬化型シリコーンゴム接着剤100部に対して、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
接着層24dの付加硬化型シリコーンゴム接着剤100部に対して、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホン酸二カリウム塩(KO3SCF2CF2CF2SO3K)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
接着層24dの付加硬化型シリコーンゴム接着剤100部に対して、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドカリウム塩((C3F7SO2)2NK)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
接着層24dの付加硬化型シリコーンゴム接着剤100部に対して、トリフルオロメタンスルホンアミドカリウム塩(CF3SO2NHK)0.5部を含有させたものを用いた以外は実施例1と同様とする。
接着層24dの厚みを表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
加圧ローラに電圧を印加せずに芯金を接地した以外は実施例1と同様とする。
図2に示すように電圧印加回路を2個(25、26)定着装置6に設け、1つは定着ベルト23基層にマイナス400Vの電圧を印加し、もう1つは実施例1と同様に加圧ローラ24の芯金24aにプラス600V印加する構成とした。なお、加圧ローラ24は実施例1と同様とする。
接着層24dの付加硬化型シリコーンゴム接着剤100部に対する、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム(C2F5SO3K)の配合を表1に記載したように変更した以外は実施例1と同様とする。
接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)のみを用い、定着ベルト、加圧ローラ共に電圧を印加せずに接地した。
加圧ローラ24の芯金にプラス600V印加した以外は比較例2と同様とする。
接着層24dとして、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819CV;東レ・ダウコーニング社製の「A液」及び「B液」を等量混合100部)に導電性カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC600−JD(商品名、ライオン製)を3部添加した以外は実施例1と同様とする。
離型層24eのフッ素樹脂チューブを、デュポン社製の低抵抗PFA(商品名:C−9068)のみで構成したものを用いた以外は比較例2と同様の構成とする。
比較例1に関しては電位差Voが比較例2、3に比べて良化はしているが、モノマー電解質の添加量が少ないために大きな効果は得られなかった。
また、比較例4のように接着層24dへケッチェンブラックを含有させた場合は、比較例1から比較例3に対して静電オフセットを抑制する効果があるものの、極まれに部分的に静電オフセットが発生してしまった。
また、比較例5のように離型層24eに低抵抗PFAチューブを用いている場合は、静電オフセットは全く発生しないものが醜い加圧ローラ汚れが発生し紙上にもトナーが付着した。
実施例2、実施例3、比較例1より、ペンタフルオロエタンスルホン酸カリウム(C2F5SO3K)の配合は0.005部以上必要であることがわかる。
実施例1、実施例4よりトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)においてもトリフルオロメタンスルホン酸カリウム(C2F5SO3K)と同様に良好な効果が得られた。
実施例5から実施例7より、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドでもスルホン酸と同様に良好な結果が得られた。
実施例8、実施例9より、接着層24dの厚みが1〜40μmの範囲で良好な結果が得られた。
実施例10、比較例2より加圧ローラ24に電圧を印加しない構成においても本発明の構成において静電オフセットに効果があることがわかる。
実施例11より定着ベルト23、加圧ローラ24の両方に電圧を印加し電位差Voを大きくすることで加圧ローラ汚れが全く無い状態にすることも可能であった。また、加熱部材と加圧ローラの少なくとも一方に、記録材上の画像を記録材に押し付ける向きの電圧を印加すればよいこともわかった。
定着ベルト23と加圧ローラ24に印加する電圧値は本実施例に限ったものではなく、定着ベルト23と加圧ローラ24の電位差Voを大きくするように適宜設定すればよい。
22 ヒータ
23 定着ベルト
24 加圧ローラ
25、26 電圧印加手段
Claims (7)
- 加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラであって、少なくとも、芯金と、弾性層と、離型層と、前記弾性層と前記離型層を接着するための接着層と、を有する加圧ローラにおいて、
前記接着層がモノマー電解質を含有していることを特徴とする加圧ローラ。 - 前記モノマー電解質はフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の加圧ローラ。
- 前記フッ素系界面活性剤はフルオロアルキルスルホン酸誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の加圧ローラ。
- 前記フルオロアルキルスルホン酸誘導体は、スルホン酸、ジスルホン酸、スルホンイミド、スルホンアミドのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項3に記載の加圧ローラ。
- 前記接着層の厚さが1μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載の加圧ローラ。
- 加熱部材と、前記加熱部材と共に画像を担持する記録材を挟持搬送しつつ加熱するためのニップ部を形成する加圧ローラと、を有する定着装置において、
前記加圧ローラが請求項1乃至5のいずれか一項に記載の加圧ローラであることを特徴とする定着装置。 - 前記加熱部材と前記加圧ローラの少なくとも一方に、記録材上の画像を記録材に押し付ける向きの電圧を印加する電圧印加手段を有することを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
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