JP2019061176A - 帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材を提供すること。【解決手段】導電性芯体上に弾性層と表面保護層とをこの順に有する帯電部材であって、前記表面保護層は、第1の領域と第2の領域とが帯電部材の軸方向に沿って交互に周期配列してなり、前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bが100≧B/A≧10を満たす帯電部材。【選択図】なし

Description

本発明は、帯電部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、芯金と、該芯金の外周面上に形成された導電性弾性体層と、該導電性弾性層上に形成された表面層とを有する帯電ローラにおいて、該表面層の平均膜厚が150nm以上600nm以下であり、かつ該表面層の最小膜厚及び最大膜厚が該表面層の平均膜厚に対してそれぞれ−50nm以上及び+100nm以下であり,更に該表面層の外周面粗さが、走査型白色干渉計により測定される面積10点平均粗さで1.5μm以上8μm以下である帯電ローラが開示されている。
特開2007−225995号公報
像保持体に対する帯電方式には、像保持体に帯電部材を接触する接触帯電方式というものがある。この接触帯電方式の場合、帯電部材から像保持体への異常放電が生じると、出力した画像に、帯電部材の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることがある。
そこで、本発明の課題は、体積抵抗率が1×106.5Ωcm又は1×109.8Ωcmである単一層からなる表面保護層を有する場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材を提供することにある。
ここでいう、スジ状の画像欠陥は、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向に、濃度が薄い領域がスジ状に形成されることを意味する。
請求項1に記載の発明は、
導電性芯体上に弾性層と表面保護層とをこの順に有する帯電部材であって、
前記表面保護層は、第1の領域と第2の領域とが帯電部材の軸方向に沿って交互に周期配列してなり、
前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bが100≧B/A≧10を満たす、帯電部材。
請求項2に記載の発明は、
前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bのいずれか一方が、1×107.0Ωcm以上1×109.0Ωcm以下である、請求項1に記載の帯電部材。
請求項3に記載の発明は、
前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bのいずれもが、1×107.0Ωcm以上1×109.0Ωcm以下である、請求項2に記載の帯電部材。
請求項4に記載の発明は、
前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bが、20≧B/A≧15を満たす、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項5に記載の発明は、
前記第2の領域の幅は、前記第1の領域の幅よりも小さい、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項6に記載の発明は、
前記第2の領域の幅は、1mm以上50mm以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項7に記載の発明は、
前記第1の領域の幅は、1mm以上50mm以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材。
請求項8に記載の発明は、
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の帯電部材を備え、接触帯電方式により像保持体の表面を帯電させる帯電装置。
請求項9に記載の発明は、
前記帯電部材に直流電圧のみを印加して前記像保持体の表面を帯電させる、請求項8に記載の帯電装置。
請求項10に記載の発明は、
請求項8又は請求項9に記載の帯電装置を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項11に記載の発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する、請求項8又は請求項9に記載の帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
を備える画像形成装置。
請求項12に記載の発明は、
前記像保持体が、電荷輸送性を有する表面層を有し、前記表面層の合計の厚みが24μm以上50μm以下である、請求項11に記載の画像形成装置。
請求項13に記載の発明は、
前記像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を備えない、請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
請求項1、又は5に記載の発明によれば、体積抵抗率が1×106.5Ωcm又は1×109.8Ωcmである単一層からなる表面保護層を有する場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材が提供される。
請求項2、又は3に記載の発明によれば、前記体積抵抗率A及び前記体積抵抗率Bのいずれか一方が、1×107.0Ωcm未満又は1×109.0Ωcmを超える表面保護層を有する場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、前記B/Aが15未満又は20を超える表面保護層を有する場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、前記第2の領域の幅が1mm未満又は50mmを超える表面保護層を有する場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、前記第1の領域の幅が1mm未満又は50mmを超える表面保護層を有する場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電部材が提供される。
請求項8、9、10、11、又は12に記載の発明によれば、体積抵抗率が1×106.5Ωcm又は1×109.8Ωcmである単一層からなる表面保護層を有する帯電部材を備えた場合に比べ、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる帯電装置、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
請求項13に記載の発明によれば、像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を有する場合に比べて、出力した画像において、像保持体の軸方向に沿った方向にスジ状の画像欠陥が生じることを抑制しうる画像形成装置が提供される。
本実施形態における帯電部材の表面保護層の構成を説明するための概略断面図である。 フローコート法の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。 本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
以下、発明の一例である実施形態について説明する。
<帯電部材>
本実施形態に係る帯電部材は、導電性芯体上に弾性層と表面保護層とをこの順に有する帯電部材である。そして、表面保護層は、第1の領域と第2の領域とが帯電部材の軸方向に沿って交互に周期配列してなり、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bが100≧B/A≧10を満たす。
像保持体に対する帯電方式には、像保持体に帯電部材を接触する接触帯電方式というものがある。この接触帯電方式の場合、放電は、きっかけとなる一つの電子が基となり、その電子が帯電部材と像保持体との接触部の周囲において、帯電部材と像保持体との軸方向に伝播し、帯電部材と像保持体との接触部の周囲に電界が生じることによって発生すると考えられている。
接触帯電方式の場合、特に、直流電圧のみを印加して像保持体を帯電させる際には、帯電部材から像保持体への異常放電が生じることがある。異常放電は、電帯部材と像保持体との接触部の周囲に生じる電界の電界強度が高すぎる場合に発生する。異常放電が発生する場合も通常の放電と同様に、きっかけとなる一つの電子が基となって、その電子が帯電部材と像保持体との軸方向に伝播すると考えられ、電子が軸方向に伝播すると、異常放電が軸方向にわたってスジ状に発生する。そして、スジ状に異常放電が発生した部分は、帯電部材と像保持体との接触部の周囲に生じる電界の電界強度が高すぎるために、像保持体の表面にスジ状の帯電過剰領域ができる。
そして、像保持体の表面にスジ状の帯電過剰領域が残った状態で画像形成が行われると、出力する画像にスジ状の画像欠陥が生じる。
本実施形態に係る帯電部材は、第1の領域と第2の領域とが帯電部材の軸方向に沿って交互に周期配列してなり、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bが100>B/A>10を満たす表面保護層を有する。
表面保護層を上記のような構成とすることで、相対的に体積抵抗率が低い第1の領域にて異常放電が生じた場合であっても、帯電部材の軸方向において、第1の領域に隣接して、第1の領域よりも10倍以上100倍以下の相対的に体積抵抗率が高い第2の領域が存在するため、電子が軸方向に伝播することを抑制しうる。
そのため、スジ状に異常放電が発生し難くなり、像保持体の表面にスジ状の帯電過剰領域が形成され難くなる。その結果、出力した画像にスジ状の画像欠陥が発生することを抑制しうると考えられる。
本実施形態において、帯電部材の表面保護層は、第1の領域と第2の領域とが軸方向に沿って交互に周期配列してなる。
ここで、交互に周期配列される具体的な形態は、特に制限はなく、像保持体と帯電部材との接触領域(ニップ領域ともいう)において、第1の領域に隣接して第2の領域が存在する形態であればよい。
具体的には、本実施形態における表面保護層は、第1の領域と第2の領域とが共に線状又は帯状であり、この線状又は帯状の第1の領域と第2の領域とが接した状態で軸方向に周期配列したものであることが好ましい。例えば、第1の領域と第2の領域とが共に線状であれば、線状の第1の領域と第2の領域とを帯電部材の軸を螺旋軸として螺旋状に配置した態様が挙げられる。また、第1の領域と第2の領域とが共に帯状であれば、帯状の第1の領域と第2の領域とを帯電部材の軸方向に沿って交互に配置した態様が挙げられる。
本実施形態において、帯電部材としての機能発現の点から、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bのいずれか一方が、1×107.0Ωcm以上1×109.0Ωcm以下であることが好ましく、1×107.3Ωcm以上1×108.6Ωcm以下であることがより好ましい。
また、帯電部材としての機能発現の点、及び、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播することを抑制し易い点から、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bのいずれもが、1×107.0Ωcm以上1×109.0Ωcm以下であることが好ましく、1×107.3Ωcm以上1×108.6Ωcm以下であることがより好ましい。
更に、帯電部材としての機能発現の点、及び、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播することを抑制し易い点から、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bが100≧B/A≧10を満たすことが好ましく、が20≧B/A≧15を満たすことがより好ましい。
ここで、第1の領域及び第2の領域の体積抵抗率は、以下のようにして測定する。
まず、測定対象となる帯電部材から、体積抵抗率測定用試料として、第1の領域の測定用試料と、第2の領域の測定用試料とを採取する。
次に、それらの測定用試料に対し、JIS K 6911−1995に従って、測定治具(R12702A/Bレジスティビティ・チェンバ:アドバンテスト社製)と高抵抗測定器(R8340A、デジタル高抵抗/微小電流計:アドバンテスト社製)とを用い、電場(印加電圧/組成物シート厚)が1000V/cmになるよう調節した直流電圧のみを30秒印加した後、その流れる電流値より、下記式を用いて算出する。
体積抵抗率(Ωcm)=(19.63×印加電圧(V))/(電流値(A)×測定用試料厚(cm))
次に、本実施形態における帯電部材の表面保護層について図1を参照して説明する。
図1は、帯電部材の表面保護層の構成を説明するための概略断面図である。図1は、帯電部材は、軸方向に沿って切断した断面図である。
図1に示すように、帯電部材121は、導電性弾性層104上に表面保護層106を有し、表面保護層106は、第1の領域Aと第2の領域Aとが帯電部材の軸方向(矢印方向)に沿って交互に周期配列してなる。なお、導電性弾性層104の表面保護層106が設けられた面とは反対の面側には導電性芯体(不図示)がある。
ここで、第1の領域の「幅」とは、第1の領域の帯電部材の軸方向に沿った長さ(図1におけるd)を指し、第2の領域の「幅」とは、第2の領域の帯電部材の軸方向に沿った長さ(図1におけるd)を指す。
表面保護層においては、第2の領域の幅は、第1の領域の幅よりも小さくともよい。
相対的に体積抵抗率の高い第2の領域は、帯電部材の軸方向に沿って第1の領域と隣接することで、その高い体積抵抗率により、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播することを抑制するため、その幅は、第1の領域の幅よりも小さくすることができる。
第2の領域の幅の好ましい範囲は、帯電部材としての機能発現の点、及び、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播することを効果的に抑制する点から、1mm以上50mm以下であり、3mm以上20mm以下がより好ましい。
一方、第1の領域の幅の好ましい範囲は、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播する領域に相当するため、小さいほどスジ状の画像欠陥の大きさを小さくすることができる。異常放電に起因するスジ状の画像欠陥は5cmを超えるものもあるため、画質の向上の点から、50mm以下が好ましく、3mm以上20mm以下がより好ましい。
〔帯電部材〕
本実施形態における帯電部材は、像保持体に接触して配置され、像保持体の表面を帯電させる。
帯電部材は、導電性芯体上に、導電性弾性層と、表面保護層とをこの順に有するロール状帯電部材である。
導電性弾性層は、単層でもよく、複数の層が積層した積層体でもよい。導電性弾性層は、その表面が表面処理された層でもよく、弾性層の外周面に、更に高分子材料を含む表面層が積層されていてもよい。
以下、帯電部材の各要素について説明する。
(導電性芯体)
導電性芯体の材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が挙げられ、表面がメッキ処理されていてもよい。
また、導電性を有しない材質の芯体に、メッキ処理等の導電化処理を行って、導電性芯体としてもよい。
(導電性弾性層)
導電性弾性層は、ゴム等の弾性材料、及びカーボンブラックやイオン導電剤等の導電剤を含み、例えば、弾性材中に導電剤が分散して配合されている。
導電性弾性層は、更に、軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、滑剤、充填剤(シリカ、炭酸カルシウム等)などを含んでもよい。
導電性弾性層は、上記材料の混合物を、芯体の外周面に被覆することにより形成される。
弾性材料は、発泡体であってもよく、この場合、導電性弾性層は導電性発泡弾性層となる。
導電性弾性層を構成する弾性材料としては、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム及びこれらの混合物が挙げられる。
弾性材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が挙げられる。
電子導電剤としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理した物;などの粉末が挙げられる。
イオン導電剤としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等のオニウム類の過塩素酸塩又は塩素酸塩;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩又は塩素酸塩;などが挙げられる。
導電剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の配合量は、特に制限はないが、電子導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して1質量部以上60質量部以下の範囲であることが望ましく、イオン導電剤の場合は、弾性材100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが望ましい。
(表面保護層)
表面保護層は、前述した通り、第1の領域と第2の領域とが帯電部材の軸方向に沿って交互に周期配列してなり、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bが100≧B/A≧10を満たす。
このような表面保護層は、樹脂と導電剤とを含むことが好ましく、樹脂の種類と導電剤の種類及び含有量とを調整することで、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bを制御しうる。
表面保護層に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、フッ素変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂。ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等)が挙げられる。また、樹脂は、硬化性樹脂を硬化剤若しくは触媒により硬化又は架橋したものが好ましい。
ここで、共重合ナイロンは、610ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、のうちのいずれか1種又は複数種を重合単位として含む共重合体である。なお、共重合ナイロンには、6ナイロン、66ナイロン等の他の重合単位を含んでいてもよい。
これらの中でも、汚れ防止の観点から、樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、4フッ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、表面層の耐摩耗性、多孔質樹脂粒子の離脱抑制の点から、ポリアミド樹脂がより好ましい。
特に、ポリアミド樹脂としては、耐摩耗性等の点から、アルコキシメチル化ポリアミド(アルコキシメチル化ナイロン)が好ましく、より好ましくはメトキシメチル化ポリアミド(N−メトキシメチル化ナイロン)である。
導電剤としては、電子導電剤(電子導電性物質からなる導電剤)、イオン導電剤(イオン導電性物質からなる導電剤)が挙げられる。
電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム等の四級アンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;が挙げられる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カーボンブラックとしては、市販品を用いてもよく、具体的には、オリオンエンジニアドカーボンズ社製「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、同「MONARCH1300」、同「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。カーボンブラックはpH4.0以下が望ましい。
導電剤の含有量は、目的とする第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bのそれぞれに応じて決定されればよい。
具体的には、電子導電剤の場合、導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上90質量部以下の範囲内で、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bを制御することが好ましい。より具体的には、第1の領域の体積抵抗率Aを得るためには、電子導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましい。また、第2の領域の体積抵抗率Bを得るためには、導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましい。
一方、イオン導電剤の場合、導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下の範囲内で、第1の領域の体積抵抗率A及び第2の領域の体積抵抗率Bを制御することが好ましい。より具体的には、第1の領域の体積抵抗率Aを得るためには、イオン導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましい。また、第2の領域の体積抵抗率Bを得るためには、導電剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、3質量部以上20質量部以下がより好ましい。
導電剤以外のその他の材料としては、例えば、充填剤(フィラー)、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤、界面活性剤、カップリング剤等の周知の添加剤が挙げられる。
表面層に含まれる各種粒子(導電剤、フィラー等)によって、帯電部材の表面に凹凸が形成されてもよい。
(ロール状帯電部材の作製)
ロール状帯電部材は、例えば、導電性芯体上に導電性弾性層が形成された弾性ロールを作製し、この弾性ロールの導電性弾性層上に、第1の領域と第2の領域とを交互に周期配列してなる表面保護層を形成することで得られる。
表面保護層は、例えば、第1の領域を形成するための塗布液1と、第2の領域を形成するための塗布液2と、を調製し、この2つの塗布液を用い、弾性ロールの導電性弾性層上に各々の塗布液を交互に且つ周期的に塗布して塗膜を形成した後、塗膜を乾燥することで得られる。
2つの塗布液は、弾性ロールの導電性弾性層上に同時に塗布されてもよいし、順に塗布されてもよい。
2つの塗布液を、弾性ロールの導電性弾性層上に、交互に且つ周期的に塗布する方法としては、例えば、フローコート法(螺旋巻き塗布)、インクジェット法が挙げられ、成膜性(フィラーを均一に吐出し、表面を均一にあらすことができる)の点から、フローコート法が好ましく用いられる。
フローコート法の場合、2つのフローヘッドを用いることで、2つの塗布液を同時に弾性ロールの導電性弾性層上に塗布することができる。
フローコート法について、図面を参照しつつ説明する。
図2は、フローコート法の一例を示す概略図である。図2に示されるように、フローコート法に用いられる塗布装置200は、例えば、回転装置220と、2つの液吐出装置230A及び230Bと、板状のブレード240と、移動機構250と、を有しており、導電性芯体102上に導電性弾性層104が形成された弾性ロールに塗布を行う。
ここで、塗布液210Aとして、第1の領域を形成するための塗布液を用い、また、塗布液210Bとして、第1の領域を形成するための塗布液を用いる場合の塗布方法について説明する。
塗布装置200では、導電性芯体102の軸方向を水平に沿った方向にして、回転装置220により導電性芯体102を軸周り(矢印X方向)に回転させながら、2つ液吐出装置230A及び230Bのそれぞれのノズルから塗布液210A及び210Bを吐出して、回転する導電性弾性層104の外周面に塗布する。
この時、液吐出装置230A及び230Bは、移動機構250により導電性支持体30の軸方向(矢印Y方向)に沿って移動しながら塗布液210A及び210Bを吐出しており、移動速度、吐出口であるノズルの位置関係及びノズルの径を調整することで、塗布液210Aと210Bとが導電性弾性層104の外周面に隙間を空けずに並んだ状態で螺旋状に塗布される。
つまり、液吐出装置230A及び230Bのノズルから吐出される塗布液210Aと210Bは、導電性支持体30の軸方向にそれぞれが接するように、導電性弾性層104の外周面に塗布される。
そして、導電性弾性層104の外周面に付着した塗布液210A及び210Bは、移動機構250により導電性支持体30の軸方向(矢印Y方向)に沿って移動する板状のブレード240によって平滑化される。
なお、液吐出装置230A及び230Bから吐出される塗布液210A及び210Bは、それぞれ、塗布液210A及び210Bを貯留するタンク(不図示)からポンプ(不図示)により供給管(不図示)を通じて液吐出装置230A及び230Bに供給されたものである。
このようにして、導電性弾性層104(弾性ロール)の外周面に対して、塗布液210A及び210Bを液吐出装置230から吐出して、導電性弾性層104の一端部から他端部に向けて塗布する。
これにより、第1の領域となる塗膜Cと第2の領域となる塗膜Cとが、導電性弾性層104の一端部から他端部まで形成される。
なお、塗布装置200は、2つの液吐出装置230A及び230Bを備えていたが、1つの液吐出装置を備える塗布装置を用いてもよい。その場合、1つ目の塗布液を導電性弾性層104の一端部から他端部まで、一定の間隔を空けて螺旋状に塗布し、その後、2つ目の塗布液をその隙間を埋めるように螺旋状に塗布することで、塗膜C及びCを形成しうる。
以上のようにして形成された塗膜C及びCを、加熱乾燥することで、第1の領域と第2の領域とが交互に周期配列した表面保護層が形成される。
<帯電装置>
以下、本実施形態に係る帯電装置について説明する。
図3は、本実施形態に係る帯電装置の概略斜視図である。
本実施形態に係る帯電装置は、帯電部材を備える。そして、帯電部材として、上記本実施形態に係る帯電部材が適用される。
以下、図3を参照して、本実施形態に係る帯電装置の一例を説明する。
本実施形態に係る帯電装置12は、図3に示すように、例えば、帯電部材121と、クリーニング部材122と、が特定の食い込み量で接触して配置されている。そして、帯電部材121の導電性基材及びクリーニング部材122の基材122Aの軸方向両端は、各部材が回転自在となるように導電性軸受け123(導電性ベアリング)で保持されている。導電性軸受け123の一方には電源124が接続されている。
なお、本実施形態に係る帯電装置12は、上記構成に限られず、例えば、クリーニング部材122を備えない形態であってもよい。
ここで、本実施形態に係る帯電装置12は、帯電部材121に、直流電圧のみを印加して、像保持体の表面を帯電する接触帯電方式の帯電装置であることがよい。印加する電圧は、要求される像保持体の帯電電位に応じて、例えば、正又は負の50V以上2000V以下がよい。
クリーニング部材122は、帯電部材121の表面を清掃するための清掃部材であり、例えば、ロール状で構成されている。クリーニング部材122は、例えば、円筒状又は円柱状の基材122Aと、基材122Aの外周面に弾性層122Bと、で構成される。
基材122Aは、導電性の棒状部材であり、その材質は例えば、鉄(快削鋼等),銅,真鍮,ステンレス,アルミニウム,ニッケル等の金属が挙げられる。また、基材122Aとしては、外周面にメッキ処理を施した部材(例えば樹脂や、セラミック部材)、導電剤が分散された部材(例えば樹脂や、セラミック部材)等も挙げられる。基材122Aは、中空状の部材(筒状部材)であってもよし、非中空状の部材であってもよい。
弾性層122Bは、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなり、内部や表面に空洞や凹凸部(以下、セルという。)が存在し、弾性を有していることがよい。弾性層122Bは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、オレフィン、メラミン又はポリプロピレン、NBR(アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム)、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレン、シリコーン、ニトリル、等の発泡性の樹脂材料又はゴム材料を含んで構成される。
弾性層122Bの硬さとしては、100N以上500N以下が望ましく100N以上400N以下が更に望ましく、150N以上400N以下が特に望ましい。
導電性軸受け123は、帯電部材121とクリーニング部材122とを一体で回転自在に保持すると共に、当該部材同士の軸間距離を保持する部材である。導電性軸受け123は、導電性を有する材料で製造されていればいかなる材料及び形態でもよく、例えば、導電性のベアリングや導電性の滑り軸受けなどが適用される。
電源124は、導電性軸受け123へ電圧を印加することにより帯電部材121とクリーニング部材122とを同極性に帯電させる装置であり、公知の高圧電源装置が用いられる。
帯電装置12では、例えば、電源124から導電性軸受け123に電圧が印加されることで、帯電部材121とクリーニング部材122とが同極性に帯電する。
<画像形成装置、プロセスカートリッジ>
以下、本実施形態に係る画像形成装置、プロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、を備える。そして、帯電装置として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面における電荷を除電する除電装置を備えない態様であってもよい。
除電装置を備えない態様である場合、像保持体と帯電部材との間で異常放電が発生し易くなったり、像保持体の表面に異常放電による帯電過剰領域ができるとその履歴が残り易くなる。しかしながら、本実施形態に係る帯電部材を用いることで、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播することを抑制し易くなり、スジ状の画像欠陥の発生を効果的に抑制しうる。また、像保持体の表面に異常放電による帯電過剰領域をでき難くしうる。
なお、画像形成装置が中間転写方式の場合、除電装置を有さないとは、少なくとも一次転写手段によってトナー像が中間転写体に転写された後、帯電装置によって感光体の表面が帯電される前に、感光体の表面を除電する除電装置を有さないことを示す。
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、例えば、上記構成の画像形成装置に着脱され、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電装置と、を備える。そして、帯電装置として、上記本実施形態に係る帯電装置を適用する。本実施形態に係るプロセスカートリッジは、必要に応じて、例えば、帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置、像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置、像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置、及び像保持体表面をクリーニングするクリーニング装置からなる群より選択される少なくとも一種を備えていてもよい。
ここで、帯電装置の帯電部材は、像保持体に接触して配置されている。つまり、帯電装置は、接触帯電方式の帯電装置として、画像形成装置及びプロセスカートリッジに備えられている。
次に、本実施形態に係る画像形成装置、及びプロセスカートリッジについて図面を参照しつつ説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。図5は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置100は、図4に示すように、像保持体10を備え、その周囲に、像保持体の表面を帯電する帯電装置12と、帯電装置12により帯電された像保持体10を露光して潜像を形成する露光装置14と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、現像装置16により形成したトナー像を記録媒体Mに転写する転写装置18と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を備える。また、転写装置18により記録媒体Mに転写されたトナー像を定着する定着装置22を備える。
そして、本実施形態に係る画像形成装置100は、帯電装置12として、例えば、帯電部材121と、帯電部材121に接触配置されたクリーニング部材122と、帯電部材121及びクリーニング部材122の軸方向両端を各部材が回転自在となるように保持する導電性軸受け123(導電性ベアリング)と、導電性軸受け123の一方に接続された電源124と、が配設された、上記本実施形態に係る帯電装置が適用されている。
なお、図4に示す画像形成装置100は、像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を備えない画像形成装置である。
一方、本実施形態の画像形成装置100は、帯電装置12(帯電部材121)以外の構成については、従来から電子写真方式の画像形成装置の各構成として公知の構成が適用される。以下、各構成の一例につき説明する。
像保持体10は、特に制限なく、公知の感光体が適用されるが、像保持体10は、電荷発生層と電荷輸送層を分離した、いわゆる機能分離型と呼ばれる構造の有機感光体が好適に適用される。電荷輸送性を有する表面層の合計の厚みが、24μm以上50μm以下であることが好ましく、25μm以上38μm以下であることがより好ましく、28μm以上35μm以下が更に好ましい。
電荷輸送性を有する表面層の合計の厚みが、上記の範囲である場合、像保持体と帯電部材との間で異常放電が発生し易くなるが、本実施形態に係る帯電部材により、異常放電が生じたときに電子が軸方向に伝播することを抑制し易くなり、スジ状の画像欠陥の発生を効果的に抑制しうる。
また、像保持体10は、その表面層が電荷輸送性を有し架橋構造を有する保護層で被覆されているものも好適に適用される。この保護層の架橋成分としてシロキサン系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アクリル樹脂で構成された感光体も好適に適用される。
露光装置14としては、例えば、レーザ光学系やLEDアレイ等が適用される。
現像装置16は、例えば、現像剤層を表面に形成させた現像剤保持体を像保持体10に接触させて、像保持体10の表面の潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する現像装置である。現像装置16の現像方式は、既知の方式として二成分現像剤による現像方式が好適に適用される。この二成分現像剤による現像方式には、例えば、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。
転写装置18としては、例えば、コロトロン等の非接触転写方式、記録媒体Mを介して導電性の転写ロールを像保持体10に接触させ記録媒体Mにトナー像を転写する接触転写方式のいずれを適応してもよい。
クリーニング装置20は、例えば、クリーニングブレードを像保持体10の表面に直接接触させて表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する部材である。クリーニング装置20としては、クリーニングブレード以外にクリーニングブラシ、クリーニングロール等を適用してもよい。
定着装置22としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好適に適用される。加熱定着装置は、例えば、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層又は耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ロールと、この定着ロールに対し特定の接触圧で接触して配置され、円筒状芯金の外周面又はベルト状基材表面に耐熱弾性層を形成した加圧ロール又は加圧ベルトと、で構成される。未定着のトナー像の定着プロセスは、例えば、定着ロールと加圧ロール又は加圧ベルトとの間に未定着のトナー像が転写された記録媒体Mを通過させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。
なお、本実施形態に係る画像形成装置100は、上記構成に限られず、例えば、中間転写体を利用した中間転写方式の画像形成装置、各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを並列配置させた所謂タンデム方式の画像形成装置であってもよい。
一方、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、図5に示すように、露光のための開口部24A、及び取り付けレール24Cが備えられた筐体24により、像保持体10と、像保持体を帯電する帯電装置12と、露光装置14により形成した潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置16と、転写後の像保持体10表面の残留トナーを除去するクリーニング装置20と、を一体的に組み合わせて保持して構成したプロセスカートリッジ110である。そして、プロセスカートリッジ110は、図4に示す画像形成装置100に着脱自在に装着される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」であることを示す。
<実施例1:帯電ロール1の作製>
−弾性層の形成−
・ゴム材料 100質量部
(エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、Gechron3106、日本ゼオン社製)
・導電剤 6質量部
(カーボンブラック、アサヒサーマル:旭カーボン社製)
・導電剤 5質量部
(ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)
・イオン導電剤 1質量部(過塩素酸リチウム)
・加硫剤 1質量部(硫黄 200メッシュ、鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤 2.0質量部(ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤 0.5質量部(ノクセラーTT、大内新興化学工業社製)
・加硫促進助剤 3質量部(酸化亜鉛 酸化亜鉛1種、正同化学工業社製)
・ステアリン酸 1.5質量部
上記に示した組成の混合物をオープンロールで混練りし、SUS303により形成された直径8mmの導電性芯体(金属シャフト)の表面に接着層を介してプレス成形機を用いて直径15mmのロール状の導電性弾性層を形成した。その後、導電性弾性層を研磨して、導電性芯体上に導電性弾性層が形成された弾性ロールを得た。
−表面保護層の形成−
下記組成Aの混合物を表1に示す組成でビーズミルにて分散し、塗布液1を得た。また、下記組成Bの混合物をビーズミルにて分散し、塗布液2を得た。
塗布液1を、図2に示すようなフローコート法に用いられる塗布装置を用い、上記で得られた弾性ロールの導電性弾性層の外周面の一端部から他端部に向けて、塗布液1と塗布液2とを隙間を空けずに並んだ状態で螺旋状に塗布した。
このとき、塗布装置の回転部の回転数を1000rpmに、液吐出装置の移動速度を120mm/secに、2つの液吐出装置のノズルの径を0.5mmに、2つの液吐出装置のノズル間の距離を4mm設定した。また、板状のブレードの圧力を4.0×10−4N/mmに設定した。
得られた塗膜を、1℃で30分加熱乾燥し、厚さ10μmの表面保護層を得た。
得られた表面保護層は、塗膜1による領域1と塗膜2による領域2とが導電性芯体の軸方向に交互に周期配列してなり、塗膜1による領域1の幅が4mmであり、塗膜2による領域2の幅が4mmであった。
−組成A−
・樹脂 100質量部
(N−メトキシメチル化ナイロン:F30K、ナガセケムテックス社製)
・導電剤 15質量部
(カーボンブラック、商品名:MONAHRCH1000、キャボット社製)
・メタノール 400質量部
−組成B−
・樹脂 100質量部
(N−メトキシメチル化ナイロン:F30K、ナガセケムテックス社製)
・導電剤 7質量部
(カーボンブラック、商品名:MONAHRCH1000、キャボット社製)
・メタノール 400質量部
以上のようにして、帯電ロール1を得た。
得られた帯電ロール1の領域1及び領域2について、前述の方法で、体積抵抗率を測定したところ、領域1の体積抵抗率が1×107.4Ωcmであり、領域2の体積抵抗率が1×108.6Ωcmであった。
<実施例2〜6:帯電ロール2〜6の作製>
表面保護層の形成において、組成A及び組成Bをそれぞれ下記表1のような配合量に変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロール2〜6を得た。
得られた帯電ロール2〜6の領域1及び領域2について、前述の方法で、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示す。
<実施例7〜9:帯電ロール7〜9の作製>
表面保護層の形成において、下記表2に記載の領域1及び領域2の幅に変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロール7〜9を得た。
得られた帯電ロール7〜9の領域1及び領域2について、前述の方法で、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示す。
<比較例1:帯電ロールC1の作製>
表面保護層の形成において、下記表1に示す組成Aの塗布液を用い、この塗布液に弾性ロールを浸漬した後引き上げて、導電性弾性層の外周面全体に塗膜を形成した後、160℃で30分加熱乾燥し、厚さ10μmの単一層である表面保護層を得た以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロールC1を得た。
得られた帯電ロールC1の表面保護層について、前述の、第1の領域及び第2の領域の体積抵抗率の測定方法と同じ方法で、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示す。
<比較例2:帯電ロールC2の作製>
表面保護層の形成において、下記表1に示す組成Aの塗布液を用い、この塗布液に弾性ロールを浸漬した後引き上げて、導電性弾性層の外周面全体に塗膜を形成した後、160℃で30分加熱乾燥し、厚さ10μmの単一層である表面保護層を得た以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロールC2を得た。
得られた帯電ロールC2の表面保護層について、前述の、第1の領域及び第2の領域の体積抵抗率の測定方法と同じ方法で、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示す。
<比較例3、4:帯電ロールC3、C4の作製>〕
表面保護層の形成において、組成A及び組成Bをそれぞれ下記表1のような配合量に変えた以外は、帯電ロール1の作製と同様にして、帯電ロールC3、C4を得た。
得られた帯電ロールC3の領域1及び領域2について、前述の方法で、体積抵抗率を測定した。結果を表2に示す。
<評価>
〔スジ状の画像欠陥の評価〕
各例で得られた帯電部材(帯電ロール)を画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre SC2021 CPS)のプロセスカートリッジに装着した。そして、このプロセスカートリッジを画像形成装置(富士ゼロックス社製、DocuCentre SC2021 CPS)に装着した。
この画像形成装置は、感光体への帯電方式が、帯電部材に直流電圧のみを印加して、感光体の表面を帯電する直流接触帯電方式である。
温度23℃、湿度50%RHの環境下で、A4用紙上に画像濃度50%の全面ハーフトーン画像を出力した。
出力した画像について目視で観察し、スジ状の画像欠陥を評価した。
−スジ状の画像欠陥の評価基準−
G1:スジ状の濃度が薄い領域が発生していない
G2:スジ状の濃度が薄い領域が1mm以下で見られた
G3:スジ状の濃度が薄い領域が10mm以下で見られた(許容の範囲)
G4:スジ状の濃度が薄い領域が長さ50mm以上で見られた
〔画像濃度ムラの評価〕
温度23℃、湿度50%RHの環境下で、A4用紙上に画像濃度30%の全面ハーフトーン画像を10枚連続出力した。
出力したベタ画像に対して、画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)によりランダムに10点測定し、測定された濃度の最大値と最小値の差である画像濃度差を求め、画像濃度ムラを評価した。評価基準は以下の通りである。
・画像濃度ムラの評価基準
G1:画像濃度差が0.1以下
G2:画像濃度差が0.1超0.2以下
G3:画像濃度差が0.2超0.3以下(許容の範囲)
G4:画像濃度差が0.3超
表2に明らかなように、実施例1〜9は、比較例に比べて、スジ状の画像欠陥(スジ状の画像濃度が薄い領域)の発生が抑制されることが分かる。
比較例4では、領域2/領域1(即ち、B/A)が100を超えているため、出力したハーフトーン画像に画像濃度ムラが出現してしまうことが分かる。
10 像保持体、12 帯電装置、14 露光装置、16 現像装置、18 転写装置、20 クリーニング装置、22 定着装置、24 筐体、24A 開口部、24C 取り付けレール、30基材、31 弾性層、32 表面層、40 凸部、100 画像形成装置、102 導電性芯体、104 導電性弾性層、106 表面保護層、110 プロセスカートリッジ、121 帯電部材、122 クリーニング部材、123 導電性軸受け、122A 基材、122B 弾性層、124 電源、200 塗布装置、220 回転装置、230 液吐出装置、240 板状のブレード、250 移動機構

Claims (13)

  1. 導電性芯体上に弾性層と表面保護層とをこの順に有する帯電部材であって、
    前記表面保護層は、第1の領域と第2の領域とが帯電部材の軸方向に沿って交互に周期配列してなり、
    前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bが100≧B/A≧10を満たす、帯電部材。
  2. 前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bのいずれか一方が、1×107.0Ωcm以上1×109.0Ωcm以下である、請求項1に記載の帯電部材。
  3. 前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bのいずれもが、1×107.0Ωcm以上1×109.0Ωcm以下である、請求項2に記載の帯電部材。
  4. 前記第1の領域の体積抵抗率A及び前記第2の領域の体積抵抗率Bが、20≧B/A≧15を満たす、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の帯電部材。
  5. 前記第2の領域の幅は、前記第1の領域の幅よりも小さい、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の帯電部材。
  6. 前記第2の領域の幅は、1mm以上50mm以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の帯電部材。
  7. 前記第1の領域の幅は、1mm以上50mm以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の帯電部材。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の帯電部材を備え、接触帯電方式により像保持体の表面を帯電させる帯電装置。
  9. 前記帯電部材に直流電圧のみを印加して前記像保持体の表面を帯電させる、請求項8に記載の帯電装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の帯電装置を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する、請求項8又は請求項9に記載の帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成装置と、
    トナーを含む現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写装置と、
    を備える画像形成装置。
  12. 前記像保持体が、電荷輸送性を有する表面層を有し、前記表面層の合計の厚みが24μm以上50μm以下である、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記像保持体の表面における残留電荷を除電する除電装置を備えない、請求項11又は請求項12に記載の画像形成装置。
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