JP2012157988A - 液体吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吐出ユニットが不自然な動作をすることなく、待機位置から吐出位置へ移動する際に吐出前の払拭を行ない、吐出位置から待機位置へ移動する際に吐出後の払拭を実現できるので、液体吐出手段の構成を複雑にすることがなく、常に液体吐出ノズルが清浄であるような効率的なメンテナンス動作を実現することができる。
【選択図】 図5
Description
一般的に家庭で使用されているインクジェットプリンタは、単一のインク吐出ヘッド、あるいは色数に相当する数のインク吐出ヘッドを備えたプリントヘッドが副走査方向に搬送される記録媒体に対して主走査方向に往復動しながら必要に応じてインクを吐出して記録を行なうシャトル式インクジェットプリンタと呼ばれるものであり、複雑な機構を必要とせず、比較的少部数の印刷に適している。
一方、機構は複雑になるが、比較的大部数の印刷を行なうためのインクジェットプリンタも存在する。このようなインクジェットプリンタは、高速で印刷を行なうため、単色であっても記録媒体の主走査方向の幅とほぼ同様の吐出幅を得るために複数のインク吐出ヘッドを配設したプリントヘッドが副走査方向に搬送される記録媒体に対して必要に応じてインクを吐出して記録を行なうワンパス式インクジェットプリンタと呼ばれている。
シャトル式インクジェットプリンタの場合は、記録のためにプリントヘッドが往復動を行なうに際して、プリンタヘッドの待機位置まで移動させ、待機位置に備えたインク吐出ヘッドの清掃機構により清掃を行なう。ここで行なわれる清掃は、比較的高速に清掃を行なうことができるワイピングであり、清掃機構はワイパーブレードを備えたワイパー機構である。
たとえば、インクジェットプリンタによる印刷開始前にメンテナンス動作を行なう場合、非印刷位置であるメンテナンス位置で待機していたノズルヘッドがインクを強制吐出した後に上方のノズルヘッドワイピング位置、さらに上方のインク受け部材ワイピング位置へ移動し、ノズルヘッドのワイピングを行なってから印刷位置へ移動するので、ノズルヘッドは、上方へ移動、さらに上方へ移動、最下部まで下降という複雑な動作を行なうことから、効率的な動作を実現しておらず、ノズルヘッド周辺の構造も複数の位置決めを行なうために複雑となってしまう。
あるいは、インクジェットプリンタによる印刷終了時にノズルヘッドをワイピングしてからメンテナンス位置へ待機させる場合には、ノズルヘッドが上方へ移動、上方へ移動、下降して待機という複雑な動作を行なうことから、やはり効率的な動作を実現していない。
加えて、ワイパーはインク吐出ヘッドの払拭によってインクが蓄積するため、適宜ワイパー自体の清掃を行なう必要もある。
また、本発明は、ワイパーの破損を極力抑えた液体吐出装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、ワイパーの清掃を容易に行なうことができる液体吐出装置を提供することを目的とする。
液体吐出終了後、吐出ヘッドは待機位置への移動を開始し、途中で払拭ユニットの払拭手段が吐出ヘッドの液体吐出ノズルを払拭し、その後吐出ヘッドが待機位置へ帰還する。
このように、請求項1に記載の液体吐出装置は、吐出ユニットが不自然な動作をすることなく、待機位置から吐出位置へ移動する際に吐出前の払拭を行ない、吐出位置から待機位置へ移動する際に吐出後の払拭を実現できるので、液体吐出手段の構成を複雑にすることがなく、常に液体吐出ノズルが清浄であるような効率的なメンテナンス動作を実現することができる。
図1は、本発明に係わる液体吐出記録システム100を説明するための図である。
液体吐出記録システム100は、液体吐出装置1、記録媒体送り出し装置2、記録媒体巻取り装置3を備えている。
記録用の液体としては、例えばインクを使用することができる。また、レジストやタンパク質などの機能性溶液を使用しても良い。
記録媒体巻取り装置3は、液体吐出装置1で記録が行なわれた記録媒体Mをロール状に収納するための巻き取りを行なう。
記録媒体Mは、所定の幅を有するウェブ状の記録媒体である。液体吐出記録システム100では、紙や軟質樹脂、金属薄膜などを記録媒体Mとして使用することができる。
液体吐出ユニット101は、液体吐出部10両端に備えられた液体吐出ユニット駆動部104によって、液体吐出部10に対して移動可能に支持されている。液体吐出ユニット駆動部104によって、液体吐出ユニット101は液体吐出部10上部の待機位置w1と、液体吐出部10下部の吐出位置d1との間を移動する(詳細は後述する)。
各ノズルキャップは、各液体吐出ノズルヘッド101Hからの液だれを受けるための吸収材(図示せず)を備えている。また、各ノズルキャップは図示しない吸引孔を備えており、図示しない吸引ポンプによる吸引で、各液体吐出ノズルヘッド101Hからたれた液体や、清浄吐出を行なった際の液体は該吸引孔を経て各ノズルキャップの外部へ排出される。
ワイパーユニット103は、液体吐出ユニット101に配設された複数の液体吐出ノズルヘッド101Hの列数に合わせた枚数のワイパーブレード103Bを備えている。ワイパーブレード103Bは、液体吐出ノズルヘッド101Hのノズル面に付着した液体や、記録媒体Mから生じた粉塵を掻き取る構成を有しており、ゴム、合成樹脂などの材質で実現される。
この時、ワイパーブレード103Bは、ワイパーユニット103が備える上下機構によって上下に移動することにより、液体吐出ノズルヘッド101Hのみを払拭する(詳細は後述する)。
なお、液体吐出ユニット駆動部104の構成は、上記に限られたものではなく、ラック&ピニオン方式や、リニアモータ方式、エアシリンダ方式やコグドベルト方式など、所望の方式を採用して、液体吐出ユニット101を待機位置w1および吐出位置d1間の移動を実現することができる。
なお、ワイパーユニット駆動部105の構成は上記に限られたものではなく、ラック&ピニオン方式や、リニアモータ方式、ボールネジ方式など、所望の方式を採用して、ワイパーユニット103をワイパーユニット待機位置105wとワイパーユニット帰還位置105rとの間で往復移動させることができる。
図示しているように、液体吐出ユニット駆動部104が液体吐出部10の両端に備えられており、ステッピングモータで駆動するボールネジ機構によって、液体吐出ユニット101が図2で示した待機位置w1と吐出位置d1との間を移動する。
また、図示しているように、ワイパーユニット駆動部105が液体吐出部10において液体吐出ユニット101の液体吐出ノズルヘッド101Hと平行になるように備えられており、ステッピングモータで駆動するコグドベルトによってワイパーユニット103が図2で示したワイパーユニット待機位置105wとワイパーユニット帰還位置105rとの間を往復移動する。
ワイパーユニット103は、前述のとおり複数の液体吐出ノズルヘッド101Hを払拭するためのワイパーブレード103Bを備えており、ワイパーブレード103Bの上下機構として、駆動モータ103m、駆動モータ103mによって駆動されるカムシャフト103cを備えている。
駆動モータ103mはステッピングモータであり、液体吐出記録システム100の図示しない制御部による制御信号に基づいて駆動することにより、カムシャフト103cを回転させ、ワイパーブレード103Bを押し上げる。制御信号は、ワイパーブレード103Bが液体吐出ノズルヘッド101Hを払拭できる位置に来たときに発信されるので、ワイパーブレード103Bは液体吐出ノズルヘッド101Hのみを払拭するように押し上げられることになる。押し上げられたワイパーブレード103Bは、液体吐出ノズルヘッド101Hのノズル面に付着した液体や、記録媒体Mの粉塵を払拭する。払拭後、ワイパーブレード103Bは下に降りるので、液体吐出ノズルヘッド101Hのノズル面以外を払拭することはない。
図5(a)は、液体吐出記録システム100が待機状態にあるときの、液体吐出部10の状態を示している。液体吐出記録システム100が待機状態の場合、液体吐出ユニット101は液体吐出部10の上部の待機位置w1に位置している。また、キャッピングユニット102はキャップ位置に位置することで、液体吐出ユニット101の複数の液体吐出ノズルヘッド101Hを被覆している。そして、ワイパーユニット103はワイパーユニット待機位置105wに位置している。
また、所定の制御信号に基づいて、液体吐出ユニット駆動部104aが液体吐出ユニット101を駆動することで、液体吐出ユニット101が待機位置w1から吐出位置d1へ移動する。
図5(c)では、所定の制御信号に基づいて液体吐出ユニット101が移動を一時停止し、ワイパーユニット駆動部105によって駆動されたワイパーユニット103が往動することで、降下してきた液体吐出ユニット101の複数の液体吐出ノズルヘッド101Hを払拭する。払拭動作によりワイパーユニット帰還位置105rまで移動したワイパーユニット103はワイパーユニット駆動部105によって復動して、ワイパーユニット待機位置105wへ戻る。
図6(b)では、所定の制御信号に基づいて液体吐出ユニット101が移動を一時停止し、ワイパーユニット駆動部105によって駆動されたワイパーユニット103が往動することで、上昇してきた液体吐出ユニット101の複数の液体吐出ノズルヘッド101Hを払拭する。払拭動作によりワイパーユニット帰還位置105rまで移動したワイパーユニット103はワイパーユニット駆動部105によって復動して、ワイパーユニット待機位置105wへ戻る。
払拭終了後、図6(c)に示すように、液体吐出ユニット101は上昇を再開する。
この時、ワイパーユニット103による払拭は、液体吐出ユニット101の待機位置w1から吐出位置d1への移動、および吐出位置d1から待機位置w1への移動の途中で行なわれることから、払拭のためだけに液体吐出ユニット101が不自然な上下動をすることはないので、液体吐出部10の構成を複雑にすることがない。また、液体吐出ユニット101の吐出前、吐出後に確実にワイパーユニット103による払拭が行なわれるので、複数の液体吐出ノズルヘッド101Hの吐出ノズルが常に清浄であるような効率的なメンテナンス動作を実現することができる。
なお、ここでは説明のため、複数の液体吐出ノズルヘッド101Hの配設列数が「1」の場合におけるワイパーユニット103の払拭動作を図示している。
液体吐出ユニット101がこのような構造を有しているため、ワイパーブレード103Bが液体吐出ユニット101の底面を払拭した場合、液体吐出ユニット101の構造材による摩擦のためワイパーブレード103Bの寿命は著しく低下する。
以降、全ての液体吐出ノズルヘッド101Hの払拭を行なうまで、ワイパーユニット103は移動を続け、図7(b)〜(d)に示した動作を繰り返す。
なお、図7の説明では、ワイパーユニット103の往動によって、液体吐出ユニット101の払拭が行なわれているが、ワイパーユニット103の復動時に、液体吐出ノズルヘッド101Hの払拭を行なうようにしても良い。
〈変形例〉
また、これまでの説明では、ワイパーユニット103がワイパーブレード103Bを備えるものとして説明を行なってきたが、ワイパーユニット103がワイパーブレード103Bではなくクリーニングローラを備えるようにしても良い。クリーニングローラの場合であっても、駆動モータ103mがカムシャフト103cを回転させクリーニングローラを押し上げるようにすることで、同様に各液体吐出ノズルヘッド101Hのみを払拭することができる。
この場合であっても、払拭のためだけに液体吐出ユニット101が不自然な上下動をすることはないので、液体吐出部10の構成を複雑にすることがない。また、液体吐出ユニット101の吐出前、吐出後に確実にワイパーユニット103による払拭が行なわれるので、複数の液体吐出ノズルヘッド101Hの吐出ノズル面が常に清浄であるような効率的なメンテナンス動作を実現することができる。
2 記録媒体送り出し装置
3 記録媒体巻取り装置
10 液体吐出部
100 液体吐出記録システム
101 液体吐出ユニット
101H 液体吐出ノズルヘッド
103 ワイパーユニット
103B ワイパーブレード
103c カムシャフト
103m 駆動モータ
104 液体吐出ユニット駆動部
105 ワイパーユニット駆動部
105w ワイパーユニット103の待機位置
105r ワイパーユニット103の帰還位置
w1 液体吐出ユニット101の待機位置
d1 液体吐出ユニット101の吐出位置
M 記録媒体
Claims (6)
- 記録媒体に対して液体を吐出することで記録を行なう液体吐出手段を備えた液体吐出装置であって、
前記液体吐出手段が、
複数の液体吐出ノズルが前記記録媒体の搬送方向に直交するように配設され、前記記録媒体に対して垂直方向に待機位置と前記記録媒体に液体を吐出する吐出位置との間を移動する吐出ヘッドと、
前記待機位置と吐出位置との間で前記記録媒体の搬送方向に直交するように往復移動し、前記吐出ヘッドのノズルを払拭する払拭手段を備えた払拭ユニットと、
を有することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記液体吐出手段が有する吐出ヘッドは、前記記録媒体の搬送方向に直交するように複数の液体吐出ノズルヘッドを配設していること、
を特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記待機位置が前記吐出ヘッドの移動範囲における上部に位置し、前記吐出位置が前記吐出ヘッドの移動範囲における下部に位置すること、
を特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記払拭ユニットは、前記払拭手段を上下動させることにより、前記液体吐出ノズルのみ払拭を行なうこと、
を特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記複数の液体吐出ノズルを被覆する被覆手段が前記記録媒体の搬送方向に直交して配設され、前記吐出ヘッドが待機位置に位置している間前記吐出ヘッドのノズルを被覆する被覆位置と前記吐出ヘッドが吐出位置へ移動している間に退避する退避位置との間を移動する被覆ユニットを有すること、
を特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記液体吐出手段が前記払拭ユニットを待機させる払拭ユニット待機位置を有し、
前記液体吐出装置が備えるメンテナンスドアを開放することで、前記払拭ユニット待機位置が露出すること、
を特徴とする液体吐出装置。
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